カントリーサイン

カントリーサインとは、日本において都府県や市町村の境界に設置される道路標識もしくは法令外標識等の看板の通称で、これから入る都府県名や市町村名を表示するものである。特に、行政区域名とともに、その地域の名所や特産品などをモチーフとしたイラストが描かれた標識を指すことが多い[1]。
元は、1950年(昭和25年)の「道路標識令」の改正により、都府県や市町村の境界を示す「案内標識」として設置されるようになった。その後、1986年に「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」が改正され、案内標識に都府県章などのシンボルマークなどを表示することが可能になり、様々なカントリーサインが設置されるようになった[注釈 1][1]。道路標識、区画線及び道路標示に関する命令によれば、市町村案内標識(標識形式101)および都府県案内標識(標識形式102)に該当する。
特に北海道では数多くのカントリーサインが設置されており、1990年(平成2年)からカントリーサインの整備が進められ、1993年(平成5年)には国道が通過する当時の196市町村に設置された。その後、地方道においても設置が進められ、道路による接続のない離島部を含む全179市町村に設置された[2][1]。
デザイン
カントリーサインのデザインは地域の名所や自然景観、特産品、動物、著名人など、その地域を象徴するものがモチーフとして採用されることが多い。また、自治体のイメージを発信する役割も担っており、地域振興やPRの一環として活用される例もみられる[3]。
デザインは、北海道開発局によると「(混乱を来すため)頻繁に変えるべきものではない」とされているが[3]、市町村合併や地域を代表する産業・名物の変化、新たな地域ブランドの形成などを契機として変更されることがある。北海道では、ばんえい競馬をモチーフとしていた岩見沢市が競馬事業からの撤退を受けて、市内のバラ園をモチーフとしたデザインへ変更したほか、三笠市では開拓130年を迎えたことを契機に、桂沢湖を描いたものから「北海盆唄発祥の地」をモチーフとしたデザインへ改められた[3][4][5]。西興部村では、養殖業者の廃業に伴い従来のドナルドソンニジマスを描いたデザインを見直し、酪農と村内のギター製造工場を象徴する「エレキギターを弾く乳牛」を描いたデザインへ変更した[6][7]。
平成の大合併を経て誕生した自治体では、旧自治体を象徴する要素を組み合わせたデザインが採用される例もみられる。北斗市では旧上磯町のトラピスト修道院と、旧大野町に開業する北海道新幹線を組み合わせたデザインが、大空町では旧東藻琴村のシバザクラと旧女満別町の女満別空港をイメージした飛行機を組み合わせたデザインが採用された[3]。
北海道以外でも、自治体のイメージ刷新やPRを目的としてデザインが変更される例がある。栃木県佐野市では、合併前の旧佐野市の花・木・鳥を描いたデザインに代わり、市のブランドキャラクター「さのまる」を採用したカントリーサインが東北自動車道に設置された。デザインは、さのまるが佐野ラーメンをすすっているものと、唐沢山城を背景に武人姿のさのまるが槍を構えるものの2種類があり、佐野ラーメンや唐沢山城といった地域資源を広く発信する役割を担っている[8]。
- デザインの例
- 北海道千歳市(地域をモチーフにした図柄が用いられる例)
カントリーサインを題材にした作品
脚注
注釈
- ↑ 法令における市町村・都府県境案内標識においては都府県章または市町村章の記載のみが認められており、市町村章・都府県章以外のイラストのものやそもそも高速道路上の市町村境案内標識は法令外標識・法令外看板に当たる。
出典
- 1 2 3 “カントリーサイン(かんとりーさいん)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 日本大百科全書(ニッポニカ). 2026年6月14日閲覧。
- ↑ “カントリーサイン”. 北海道開発局. 2026年6月14日閲覧。
- 1 2 3 4 「合併した・名物消えた…市町村PR、カントリーサインの絵柄に知恵 北海道」『朝日新聞』2007年5月30日、北海道総合 朝刊、28面。
- ↑ 「街角きらり 北海道」『朝日新聞』2012年4月26日、朝刊、27面。
- ↑ 「街角:三笠・境界の標識を一新 北海道」『毎日新聞』2012年4月26日、地方版 北海道、19面。
- ↑ 「エレキ弾く牛、村境サインに 西興部村、デザイン刷新 北海道」『朝日新聞』2014年4月11日、朝刊、28面。
- ↑ 「街角ワイド:西興部 カントリーサインを一新 北海道」『毎日新聞』2014年4月25日、地方版 北海道、24面。
- ↑ 「さのまる ドライバーをお出迎=栃木」『読売新聞』2019年5月29日、東京朝刊、27面。
関連項目
外部リンク
- カントリーサイン - 国土交通省 北海道開発局
- 北海道の旅が楽しくなるカントリーサイン〜 - 「北の道ナビ」独立行政法人土木研究所 寒地土木研究所