浜中町
はまなかちょう 浜中町 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 北海道地方 | ||||
都道府県 | 北海道(釧路総合振興局) | ||||
郡 | 厚岸郡 | ||||
市町村コード | 01663-2 | ||||
法人番号 | 5000020016632 | ||||
面積 |
423.12km2 | ||||
総人口 |
5,282人 [編集] (住民基本台帳人口、2024年8月31日) | ||||
人口密度 | 12.5人/km2 | ||||
隣接自治体 |
厚岸郡厚岸町 根室振興局:根室市、野付郡別海町 | ||||
町の木 | 白樺 | ||||
町の花 | エゾカンゾウ | ||||
町の鳥 | エトピリカ | ||||
浜中町役場 | |||||
町長 | 齊藤清隆 | ||||
所在地 |
〒088-1592 北海道厚岸郡浜中町湯沸445番地 北緯43度04分34秒 東経145度07分53秒 / 北緯43.07608333度 東経145.13125度座標: 北緯43度04分34秒 東経145度07分53秒 / 北緯43.07608333度 東経145.13125度 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
浜中町(はまなかちょう)は、北海道釧路総合振興局管内の厚岸郡にある町。
幾度も津波被害にあったことから、海岸沿いの陸地に総延長17キロメートルにも及ぶ防潮堤が建設され、全国初の津波防災ステーションがつくられた。街が城壁に囲まれたような光景が見られる。
町名の由来
[編集]現在役場が置かれている霧多布市街の北の付近が地名の発祥で、アイヌ語の「オタノㇱケ(ota-noske)」(砂浜・の中央)と呼ばれていたものを意訳したもの[2]。その後鉄道開通時に浜中駅が内陸部に設置されたため、地名としては現在の駅付近(浜中市街)を指すようになっている[2]。
地理
[編集]釧路総合振興局東南部に位置、太平洋に面する沿岸の町。役場は湯沸島(霧多布島)[3]の霧多布(きりたっぷ)地区に設置。釧路市から東に約80km、根室市から西に約50kmの位置にある。太平洋に面し、浜中湾および琵琶瀬湾を形成。
北部は丘陵が広がり、国道44号が東西に縦貫する。厚岸霧多布昆布森国定公園があり、南部は面積約3,168ヘクタールの霧多布湿原を有する平野になっている。 夏は濃霧が発生しやすく、気温があまり上がらない。
気候
[編集]ケッペンの気候区分によると、浜中町は湿潤大陸性気候に属する。寒暖の差が大きく気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。降雪量が多く、豪雪地帯に指定されている。冬季は-20℃前後の気温が観測されることが珍しくなく、寒さが厳しい。
榊町(1991年 - 2020年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 8.7 (47.7) |
12.6 (54.7) |
15.1 (59.2) |
23.5 (74.3) |
35.2 (95.4) |
30.7 (87.3) |
34.1 (93.4) |
35.5 (95.9) |
30.2 (86.4) |
24.0 (75.2) |
20.7 (69.3) |
12.9 (55.2) |
35.5 (95.9) |
平均最高気温 °C (°F) | −0.8 (30.6) |
−0.8 (30.6) |
2.8 (37) |
8.1 (46.6) |
12.5 (54.5) |
15.1 (59.2) |
18.6 (65.5) |
21.1 (70) |
19.9 (67.8) |
15.3 (59.5) |
9.0 (48.2) |
2.2 (36) |
10.3 (50.5) |
日平均気温 °C (°F) | −5.3 (22.5) |
−5.3 (22.5) |
−1.4 (29.5) |
3.3 (37.9) |
7.6 (45.7) |
11.0 (51.8) |
14.9 (58.8) |
17.3 (63.1) |
15.7 (60.3) |
10.4 (50.7) |
3.9 (39) |
−2.6 (27.3) |
5.8 (42.4) |
平均最低気温 °C (°F) | −11.2 (11.8) |
−11.7 (10.9) |
−6.7 (19.9) |
−1.6 (29.1) |
3.2 (37.8) |
7.8 (46) |
12.0 (53.6) |
14.3 (57.7) |
11.5 (52.7) |
4.8 (40.6) |
−1.8 (28.8) |
−8.1 (17.4) |
1.1 (34) |
最低気温記録 °C (°F) | −25.3 (−13.5) |
−26.0 (−14.8) |
−21.4 (−6.5) |
−14.2 (6.4) |
−4.7 (23.5) |
−1.5 (29.3) |
2.5 (36.5) |
5.1 (41.2) |
1.1 (34) |
−5.2 (22.6) |
−13.0 (8.6) |
−18.0 (−0.4) |
−26.0 (−14.8) |
降水量 mm (inch) | 26.2 (1.031) |
18.5 (0.728) |
50.1 (1.972) |
73.1 (2.878) |
103.2 (4.063) |
111.7 (4.398) |
117.3 (4.618) |
124.2 (4.89) |
157.0 (6.181) |
123.3 (4.854) |
74.5 (2.933) |
56.2 (2.213) |
1,033.3 (40.681) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 6.0 | 4.5 | 7.5 | 9.3 | 10.7 | 8.9 | 10.3 | 10.9 | 10.7 | 9.1 | 9.2 | 7.7 | 104.3 |
平均月間日照時間 | 185.6 | 179.3 | 197.8 | 180.1 | 168.6 | 125.0 | 106.2 | 117.1 | 146.8 | 170.2 | 164.8 | 165.9 | 1,913.8 |
出典1:Japan Meteorological Agency | |||||||||||||
出典2:気象庁[4] |
歴史
[編集]- 1701年(元禄14年)、厚岸場所を分割しキイタップ場所(後の霧多布場所)が開設されたのが町の始まり。
- 1831年(天保2年)2月20日、国籍不明の異国船が厚岸場所ウラヤコタンに碇泊し発砲。同月22日厚岸勤番谷梯小右衛門ら60人が異国船の小船一艘と交戦となり、異国軍追加四艘による攻撃により退却。(ウラヤコタンの交戦) 異国軍は番屋を焼き、小右衛門の部下一人とアイヌ先住民一人を捕虜にしたが、3月3日になり捕虜は書簡と食糧を持たされて釈放され、異国軍は撤退した[5]。
- 1869年(明治元年)、北海道11国86郡が置かれ、現在の浜中町に相当する地域は釧路国厚岸郡に含まれた。同年、榊富右衛門がアシリコタン(現在の榊町)に漁民を定住させ、漁業が開始された。榊町は港に適さない地形だったため、町の中心地はのちに霧多布へと移っていった。
- 1872年(明治5年) 開拓使根室支庁の所轄となり、榊町に浜中出張所が開設される。
- 1879年(明治12年) 榊町に戸長役場設置。
- 1884年(明治17年) 榊町戸長役場廃止、後静村、琵琶瀬村、霧多布村、散布村の四村に分割。
- 1886年(明治19年) 霧多布外一町四村戸長役場設置。
- 1906年(明治39年) 二級町村制が施行及び改称、浜中村となる。
- 1919年(大正 8年) 一級町村制施行、浜中村。
- 1951年 (昭和26年)茶内市街地に存在した大原劇場(映画館)で火災。42人が死亡[6]。
- 1952年(昭和27年) 十勝沖地震の津波により、村が壊滅状態となる。
- 1960年(昭和35年) 1960年チリ地震の津波により、村が再び壊滅状態となり11人が死亡した。
- 1963年(昭和38年) 根室市との境界変更。町制施行、浜中町となる。
- 1999年(平成11年) 霧多布温泉開湯。
- 2011年(平成23年)ルパン三世通り開設。
- 2021年(令和3年)1月6日 - 浜中町役場新庁舎開庁[7]。
経済
[編集]産業
[編集]浜中町は気候に恵まれているため、産業が発展している。北部の内陸部では酪農が盛んである。生産される生乳は高品質で、高級アイスクリーム「ハーゲンダッツ」や乳酸菌飲料「カルピス」の原料などで使用されている。また、南部の海岸地帯では漁業(昆布、ホッキなど)が盛んである。特に天然昆布は日本有数の生産量を誇る。主要な港は霧多布港・散布港。
農協・漁協
[編集]- 浜中町農業協同組合(JA浜中町)
- 浜中漁業協同組合
- 散布漁業協同組合
- 北海道農業共済組合(NOSAI北海道)
- 釧路東部支所
- 浜中家畜診療所
- 姉別家畜診療所
金融機関
[編集]- 大地みらい信用金庫浜中支店
立地企業
[編集]- タカナシ乳業北海道工場
郵便局
[編集]- 霧多布郵便局(集配局)
- 茶内郵便局(集配局)
- 浜中郵便局(集配局)
- 姉別郵便局(集配局)
- 琵琶瀬郵便局
- 火散布簡易郵便局
宅配便
[編集]公共機関
[編集]警察
[編集]- 厚岸警察署霧多布駐在所
- 厚岸警察署茶内駐在所
- 厚岸警察署浜中駐在所
消防
[編集]- 釧路東部消防組合
- 浜中消防署
- 茶内分遣所
地域
[編集]人口
[編集]浜中町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 浜中町の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 浜中町
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
浜中町(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
2012年10月末現在(広報はまなかより)
- 総数 6,470人(男3,124人、女3,346人)
- 世帯数 2,486世帯
消滅集落
[編集]2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている[8]。
- 浜中町 - 新川
教育
[編集]- 高等学校
- 霧多布高等学校(町立)
- 中学校
- 霧多布、茶内、浜中
- 小学校
- 霧多布、茶内、浜中
- 小中学校
- 散布(ちりっぷ)
- 閉校した学校
- 1972年3月 – 三番沢小は茶内小へ統合。
- 1986年3月 – 熊牛小は浜中小へ統合。
- 2003年3月 - 奔幌戸(ぽんぽろと)小は浜中小へ統合。
- 2004年3月 - 円朱別小は茶内小へ統合。
- 2009年3月 - 茶内第三小は茶内小へ統合。
- 2010年3月 - 貰人(もうらいと)小は浜中小へ統合。
- 2012年3月 - 姉別小は浜中小へ統合。
- 2012年3月 - 西円朱別小は茶内小へ統合。
- 2012年3月 - 琵琶瀬小は霧多布小へ統合。
- 2013年3月 - 榊町小は霧多布小へ統合。
- 2014年3月 - 姉別南小中は浜中小・浜中中へ統合。
- 2019年3月 - 茶内第一小は茶内小へ統合。
隣接している自治体
[編集]交通
[編集]鉄道
[編集]また1972年(昭和47年)までは茶内駅から浜中町営軌道が茶内原野の各地へと伸びていた。
バス
[編集]運行日や経路詳細はバス事業者記事や公式サイトで確認のこと。
道路
[編集]名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
[編集]観光
[編集]- 霧多布岬
- ルパン三世通り
- アゼチ岬
- 霧多布湿原:ラムサール条約北海道遺産に登録された湿原。「霧多布泥炭形成植物群落」は国の天然記念物。
- 霧多布温泉ゆうゆ:浜中町ふれあい交流・保養センター[1]
- 酪農展望台 国道44号に接する展望台
- 琵琶瀬展望台 太平洋を見渡せる
- ムツゴロウ動物王国(非公開)
- ウラヤコタン異国船上陸地
イベント
[編集]- ルパン三世フェスティバルin浜中町
- 浜中うまいもん市(7月)
- 岬まつり(9月)
- 牧場祭(2013年9月で終了)
- やっ茶内雪まつり(やっちゃう)(2月)(2007年終了)
出身の有名人
[編集]- モンキー・パンチ - 漫画家
- 大野勝巳 - 外交官 帝国ホテル社長
- 奥田仁 - 経済学者
- 上田和男 - バーテンダー(「ミスター・ハードシェイク」、銀座『TENDER』オーナー・バーテンダー)
- 長澤幸太 - ばんえい競馬騎手
- 武藤祐貴 - プロゴルファー
- DJ TAMA a.k.a. SPC FINEST - DJ, Producer
関連人物
[編集]浜中町が舞台の作品
[編集]- 小説『霧多布殺人湿原』(著:梓林太郎 徳間書店) ISBN 9784198905262
- ルパン三世シリーズ
- 原作コミックス第11話「健在ルパン帝国」(著:モンキーパンチ 双葉社)
- 『TV第2シリーズ』第108話「哀しみの斬鉄剣」
- アニメスペシャル『ルパン三世 霧のエリューシヴ』
- 道下俊一を描いた作品
- プロジェクトX〜挑戦者たち〜第125回「霧の岬 命の診療所」
- 潮風の診療所〜岬のドクター奮戦記〜
- 思い出のマーニー (スタジオジブリ制作 長編アニメーション映画)
- 釧路~根室間にある架空の町が舞台。 藻撒布沼が「湿っ地屋敷」前の沼地のモデルだと言われる。
その他
[編集]- 2008年4月より全国で初めて行政区域内の全商店でレジ袋を有料化した。
- 2009年1月朝日新聞社のふるさと100選に選出。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 図典 日本の市町村章 p19
- ^ a b 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、255頁。ISBN 978-4-88323-114-0。
- ^ 「島」と称されるが、国土審議会離島振興対策分科会資料に基づく有人離島417島には含まれず、行政上は北海道本土の一部として扱われている。
- ^ “榊町 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2022年8月9日閲覧。
- ^ 渡辺茂 編 (1965). 北海道歴史辞典. 北書房. pp. 48-49原典:『日鑑記』
- ^ 「劇場の焼死者42名に」『朝日新聞』昭和26年5月21日
- ^ “浜中町役場新庁舎が開庁しました!”. 浜中町. 2024年8月20日閲覧。
- ^ 総務省統計局統計調査部国勢統計課『平成27年国勢調査小地域集計01北海道《年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等》』(CSV)(レポート)総務省、2017年1月27日 。2017年5月20日閲覧。※条町区分地の一部に0人の地域がある場合でも他の同一区分地で人口がある場合は除いた。
外部リンク
[編集]- 浜中町
- ふるさと浜中会 - 浜中町の県人会
- チリから来た大津波(昭和35年6月1日) - 日本映画新社・朝日ニュース昭和映像ブログ
- チリ地震津波調査報告書海岸地形とチリ地震津波 - 建設省国土地理院
- チリ地震津波後の仮設橋(後の霧多布大橋が出来るまでの仮橋) - 建設省国土地理院
- 霧多布におけるチリ津波の襲来時刻と襲来方向 - 浜中村役場(現 浜中町役場)のよる調査報告