ルパン三世 血の刻印 〜永遠のMermaid〜

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ルパン三世 血の刻印 〜永遠のMermaid〜』(ルパンさんせい ちのこくいん えいえんのマーメイド)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第22作で、アニメ化40周年記念作品。2011年12月2日日本テレビ系の『金曜特別ロードショー』にて放送された。視聴率は14.0%。

概要[編集]

このTVスペシャルシリーズより、石川五エ門峰不二子銭形警部の3名については新たな声優を迎えて制作されることとなり、『風魔一族の陰謀』以来となる大掛かりなメインキャスト変更[1]が行われた。また、『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』から13年ぶりに、「現代の日本」が物語の舞台になっているのも特徴である(『霧のエリューシヴ』では、500年前の日本が舞台)。更に、TVスペシャルシリーズ初の完全ハイビジョン制作となった。

総作画監督に『世界名作劇場』『となりのトトロ』の作画監督やスタジオジブリアニメの原画などで知られる佐藤好春を迎え、画調も変更している。制作もトムス自社ではなく、TVスペシャル第19作『霧のエリューシヴ』と同じくテレコム・アニメーションフィルムが担当する。音響監督は前年度に降板した加藤敏に代わって清水洋史が以降の作品を担当している。

本作では「ルパンとは何か?」というルパン三世の存在意義を問う内容も挿入されており、その祖父のルパン一世も本作のストーリーに多少関与している。

Blu-ray Disc版が2012年2月22日に発売された[2]

『金曜ロードショー』という番組枠で放送された最後のTVスペシャルであり、放送から4ヵ月後に『金曜ロードショー』は『金曜ロードSHOW!』に改名している。

ルパン三世officialマガジン12夏号と12秋号に、早川ナオヤによるコミカライズ版が掲載された。コミックスは『ルパン三世H 血の刻印 〜永遠のmermaid〜編』全1巻(2013年11月、双葉社ISBN 978-4575843125)。

ストーリー[編集]

裏社会の顔役・藤堂は、不二子と結託してルパンにとあるオークションに出品される宝石「人魚の鱗」を盗むように脅迫する。複数の事情の元、「人魚の鱗」が売り出されるオークション会場から見事に盗み出したルパンだったが、藤堂は秘書の美沙と共に、参加者の一人で宝石の出品者氷室の策により、彼の用心棒である殺し屋・影浦に殺されてしまった。

盗み出した「人魚の鱗」が偽物だと知ったルパンは、姿を現した不二子から氷室の狙いが八百比丘尼の財宝であることを聞かされ、人魚の鱗と共に財宝の封印を解く第2の鍵「龍鱗石」を盗み出す。

ルパンは偽物の「人魚の鱗」を手に入れた際に出会った少女・麻紀に弟子入りを懇願され、何度も断ろうとしたが、断りきれずなりゆきで彼女と共に本物の「人魚の鱗」を奪取。一方、次元と五エ門は氷室の自宅に潜入したが、殺されたはずの藤堂の秘書・美沙を見つけ、彼女の秘密を見てしまう。美沙の秘密、それはいかなる傷を負おうとも瞬時に回復する謎の特異体質。それこそが八百比丘尼の財宝を開放する第3の鍵だった。

初めは藤堂、次に氷室と雇い主を変え、財宝を目当てにルパンへ近づく不二子。しかしルパンは当初から目論見を看破しおり、予め用意されていた偽物の石を盗んだ彼女はすぐに偽物と見抜いた氷室から見限られ、結局ルパンの元へ戻ることに。その際、脱走した美沙を連れて逃げ出すものの、今度は不二子を怪しんで追跡していた麻紀が氷室に捕まってしまう。

先に財宝の眠る海鳴島へと向かった氷室達を追って、ルパン一味や銭形達警察も逮捕状の出た氷室を追い海鳴島へ。そこで銭形は過去の事件記録を調べた部下から驚愕の事実を知る。今回の事件より以前にも「人魚の鱗」と「龍鱗石」が盗まれており、当時の持ち主からの記録を調べた結果、盗み出した者が、あの世界中を騒がせた伝説の大泥棒ルパン一世であった。ルパンは次元に秘密を語る。かつて祖父は手にしながら持ち帰らなかったただ一つのお宝があると。その名は「八百比丘尼の財宝」。

ルパンとは一体何なのかと、自問するルパン。はたして、伝説の大盗賊が盗もうとしなかった財宝の正体とは…?

ゲストキャラクター[編集]

麻紀
- 渋谷はるか
折り畳み自転車を愛用する14歳の少女で、物語当初は東京でポップコーンを販売していた。
幼少期に父の蒸発[3]で行き場を無くして養護施設に預けられ、そこで出会った美沙を実姉同然に慕っていた。そのため、彼女を取り返そうと藤堂を見張っている中で「人魚の鱗」を盗むルパンに遭遇し、彼に弟子入りを志願、ルパンのことを「先生」と呼び、弟子にするまで付き纏い、彼から邪魔者扱いされたが行動するうちに打ち解ける。その後、氷室によって美沙を誘き寄せるための人質にされるがルパンに救出され、別れ際に「美沙を盗む」という自分との約束を果たしてくれたルパンに感謝している。
美沙
声 - 清水理沙
かつて麻紀と同じ養護施設にいた女性で、幼い頃に両親が事故で亡くなった際に生き残ったことを悔やんでいる。どんな怪我をしてもすぐに治癒してしまう生来の特異体質で、周囲から気味悪がられて孤立したが、麻紀だけが相手にしてくれたことで彼女のことを実妹同然以上に想っていた。
施設の負債を肩代わりする形で藤堂の秘書を務めていたが、体質のことを知った氷室に拉致される。その後、不二子に救出されるも氷室に麻紀を人質に取られてしまい、やむなく財宝の封印を解くことになるが、その際に母方、父方のどちらかから自分が八百比丘尼の血統を受け継いでいる[4]事実を告げられて特異体質の根源を知る事となり、その時には驚きを隠せずにいたが後に八百比丘尼の魂に乗り移られ、氷室に追い詰められたルパンたちを助ける事となる。事件終結後は氷室に血を吸われた影響かもしくは八百比丘尼が成仏したためなのか、最後には不死身の体質が消えた。
氷室
声 - 石田彰
若くして医療機器メーカー社長という表の顔を持つが、裏の顔は兵器売買を行う死の商人で、目的の為には一切手段を選ばず、裏で非道な人体実験も行う冷酷で残忍な性格でもある。白いスーツにピンクのYシャツを着て、緑のネクタイを着用しているのが特徴。
ビジネスのために人魚の財宝を狙い、オークションに「人魚の鱗」の偽者を出品する事で、財宝の鍵となる美沙を雇う藤堂を誘き寄せ、影浦に藤堂を殺害させた上で美沙を拉致する。また、特異体質を持っている美沙に興味を示しており、彼女を利用して不死身の体を持つ無敵の兵隊を作り上げて誰も死ぬことの無い永遠の戦争を引き起こす事を目論み、最終的には新世界の神になるとまで豪語するが、実は三家に分かれた八百比丘尼の子孫・「財宝の鍵である人魚の鱗や龍鱗石やありかを記した古文書を守る家」の出であり、美沙とは遠縁の関係でもある[4]
麻紀を人質に美沙を手に入れ、後に海鳴島で美沙に全ての事実を告げて、ルパンの変装を簡単に見破り始末しようとしたが麻紀に邪魔され、逆に胸を撃ち抜かれて深手を負う。その後、採取した八百比丘尼の血液を自らの体に注入し、細胞活性化によって筋骨隆々の巨漢に変化した上、銃撃を受けても即座に再生したり、岩石を素手でいとも簡単に砕き割ったりできるという驚異的な肉体を手にする。最初こそ強化された筋力を生かし、ルパンや銭形らを圧倒したが、次第に活性細胞の急激な侵食によって理性を失っていき、体格が肥大化し、肌や髪の色も変わり、目の色が赤い瞳に、白目が黒く変化するなど、血に飢えた異形の怪物となってしまう。
驚異的な跳躍力と怪力で、ルパン達を痛めつけた末に八百比丘尼の肉体にも手を出して血を吸い尽くし、更には美沙の血をも吸い取ろうとするが、美沙が八百比丘尼の魂に乗り移られ、彼女の力の影響を及ぼしたのか、姿が更に体格が肥大化、醜悪な姿になっていき、最終的には最早人間の姿を止めない程の姿に変わり果てた。
また不老不死も完全ではないようで最期は五ェ門によって首を斬り飛ばされ、切り離された頭部は次元にマグナムで撃たれて八百比丘尼の台座の仕掛けで発生した溶岩へと落下し、頭部を失った胴体も再生できなくなり、ルパンに「短い永遠の命だったな」と皮肉られ、胸をワルサーで撃ち抜かれて倒れたところを溶岩に飲み込まれたことで死亡した。
影浦
声 - 斎藤志郎
氷室の護衛を務める凄腕の殺し屋で、鞭のように歪曲する特殊な日本刀の使い手である二刀流剣士。氷室の命令で藤堂やその護衛達全員を殺害し、氷室の自宅にて一度は五エ門に傷を負わせ、撤退に追い込むほどの実力を見せており、彼が美沙を守れなかった事で動揺している精神的脆さを指摘するなど洞察力にも非常に優れている。しかし、後の海鳴島での再戦での壮絶な一騎討ちの末、斬殺された。
早川ナオヤのコミカライズ版では、人工的に美沙の血を注入されており、美沙と同様の特異体質を得ている。そのため、五ェ門は更なる苦戦を強いられることになった。しかし、この血の効力には時間制限があり、五ェ門が捨て身で投げた斬鉄剣に体を貫かれた瞬間、血の効力が切れたことにより死亡した。
藤堂昌江
声 - 野沢雅子
日本裏社会の顔役で、「熊殺しのお昌」の異名を持つ。オーバルタイプの赤いフレームに薄いピンクのレンズのサングラスが特徴。美沙や麻紀が暮らしていた養護施設に金を貸しており、借金の肩代わりとして美沙を秘書として連れていく。その後、氷室が流した偽物の古文書を信じ、八百比丘尼の財宝を手に入れるためにルパンに「人魚の鱗」を盗むように脅迫したが、美沙を狙う氷室の命を受けた影浦に殺害された。
八百比丘尼
声 - 清水理沙
八百年生きたとされる伝説の女性で、劇中では「やおびくに」と呼ばれるシーンが多い。その美貌から数多くの公家と恋に落ちるも、最終的に陥る絶望からやがて仏門に帰依して姿を消し、その際に所持していた「数多い公家からの貢物」をどこかに隠したとして伝説が残り、それはやがて「八百比丘尼の財宝」と呼ばれる事となる。しかし、伝説の真実は自らの悲劇を二度と起こらないよう、子孫(今まで婚姻した公家との間に出来た子供の孫など)へ己の精神を封じた肉体を永遠に隠し続け(この時に肉体の一族・鍵の一族・古文書の一族が発生)、その隠された肉体こそが「八百比丘尼の財宝」であり、やがて幾年も過ぎ、最後に出会った男性(ルパン一世)の約束を楽しみにしながら眠り続けていた。その後、自身の肉体を氷室に吸い尽くされるも(その際に老化してしまった)、魂だけが美沙の体を借りてルパン三世を助け、子孫であることに気付かなかったが彼に感謝の意を述べて、成仏した。
ルパン一世
声 - 栗田貫一
フランスの大盗賊で、ルパン三世の祖父。数多くの伝説を残した彼が唯一残した「手にしながら持ち帰らなかった財宝」の謎を解明するのが今回のルパン三世(孫)の最大目的であり、麻紀・美沙の会話からルパン一族という名の意味を深く考えて瞑想し、祖父の答えを知ったことで疑問を解明する事が出来た。

声の出演[編集]

スタッフ[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 本編としては、栗田貫一が1995年にルパン三世役に就任して以来16年ぶりの変更となる。
  2. ^ 名探偵コナン』とのクロスオーバー作品ルパン三世VS名探偵コナン』の方がいずれも先である。
  3. ^ 父が「酒、買ってくる」と言い残して二度と帰ってこなくなった。
  4. ^ a b 氷室によると、不死身の能力を持つ一族(美沙が該当)、財宝の鍵である「人魚の鱗」「龍鱗石」を保管する一族、財宝のありかを記した古文書を保管する一族(氷室が該当)の三家に分かれている。

外部リンク[編集]