ルパン三世 愛のダ・カーポ〜FUJIKO'S Unlucky Days〜

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ルパン三世 愛のダ・カーポ〜FUJIKO'S Unlucky Days〜』(ルパンさんせい あいのダ・カーポ〜フジコズ アンラッキー デイズ〜)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第11作。1999年7月30日日本テレビ系の『金曜特別ロードショー』で放送された。視聴率は20.0%[1]

概要[編集]

不二子の記憶と共に消えたコロンブスファイルをめぐって、ルパン一味が活躍する。

この作品で監督を担当したワタナベシンイチは、よく自分を作品のどこかに出演させるというエピソードがあるが、本作も例外ではなくルパンのライバルとして登場する「ナザロフ」は監督をモデルにしたキャラクターである。

なお、本作ではテロップや後日発売のサウンドトラックにおいてテーマソングに『THEME FROM LUPIN '97』が使用されたと表示されているが、実際には『ルパン三世 ハリマオの財宝を追え!!』以来4年ぶりに'89バージョンが使用された。

テレビスペシャルのオープニングにルパンと不二子という2人だけの登場は稀である。『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』以来ルパンが不二子に変装する珍しいシーンがある。

あらすじ[編集]

不二子の依頼でスイス銀行を建物ごと盗み出したルパン。建物内には旧ソビエト連邦の隠し財産などの大量の美術品が眠っていたが、不二子の本当の狙いは一つ。1492年クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸を発見した際、偶然入手した品物―無限の力を秘めると言う財宝のありかが記された「コロンブス・ファイル」と言う書類だった。

持ち逃げしようとする不二子を難なく制し、そのことを知ったルパンは不二子と手を組む条件で良いムードになるはずだったが、突然打ち込まれてきたミサイルの妨害で手に手をとり逃げ出す羽目になってしまう。軍用ヘリを操る、異様にハイテンションな襲撃者に崖っぷちまで追い詰められた不二子は、降伏したふりをしてペンダント型爆弾でファイルを焼き払ってしまう。「暗記したから」と言う不二子だったが、その直後にハイテンションな男の攻撃により崖から落ちてしまった。

数日後、トレジャーハンターを生業とする美女、ロザリアに保護された不二子。ところが、彼女はすべての記憶を失っていた。困惑する不二子の所へ、再びハイテンション男が現れる。男の名はナザロフ、ある人物の元で働くエージェントだ。抵抗するロザリアを難なく制し、不二子を連れ去ろうとするナザロフだが、今度はルパンが乱入してきて失敗。そこからルパン/ナザロフ/ロザリアによる三つ巴の不二子争奪戦に発展してしまった。

そのころ、ナザロフのスポンサーである某国化学長官・バートンも動き出していた。バートンの「オペレーション」により、突如竜巻が発生、その場にいた全員が巻き込まれてしまい…。

辛うじて助かったルパン一行は、ロザリアがひいきにしている古美術商の家で不二子と再会、再び襲い掛かってきたナザロフ一味を撃退するうちロザリアと共同戦線を張ることになった。

少しずつ戻り始めた不二子の記憶を頼りに、ミノア文明の遺跡を訪れたルパン一行、そこで彼らは、ついに「コロンブスの卵」の正体を知る事になる。

ゲストキャラクター[編集]

ロザリア
- 戸田恵子
地中海の遺跡を中心に探索するトレジャーハンターを生業としている女性。幼い頃より孤児として生きてきた。かなり気の強い性格の持ち主で、隙あらば出し抜こうとする等、向こう見ずな面も目立つが、苦しんでいる不二子を気遣うなど、優しい面も持つ。記憶を失った状態で自宅に侵入していた不二子がコロンブスの卵について知っている事に気付き、彼女を保護してコロンブスの卵を手に入れようと、ルパン達と共に行動する。
実はバートンの娘であり、幼少期に難病に侵された母を使ったオルゴン・エネルギーの実験の強い光の影響で虹彩異色症となっている。そして、オルゴン・エネルギーの暴走によって自分の家族を失い、孤児になってしまったロザリアは、全ての原因であるコロンブスの卵を心の底で激しく憎悪し、いざ本物を目にした際はそれを地面に叩きつけて壊そうとした。
その後、正体を現したナザロフに拉致され、父・バートンと再会するも、過去に彼が実験のために母を殺した事やオルゴン・エネルギーを世界支配の為だけに利用しようとしていた事実を知り、絶望。オルゴン・エネルギーの力でただの怪物に成り果てた父の末路を見て失意のどん底に陥るも、優しかった父の思い出まで忘れる必要はないと励ましてくれたルパンの言葉に心を救われる。
終盤で潜水艦と共に沈んだかに見えたが、海を彷徨っていた所にルパンを追いかけていた銭形率いる警官隊に保護され、最後には去っていくルパンにお礼を述べた。また、バートンが飼っていて、自身の窮地を救った猫も、ロザリアと共に生存している。
バートン
声 - 森山周一郎(若い頃 - 楠大典
某国の化学省長官で、幼い頃生き別れたロザリアの父。若い時は妻の命を懸命に救おうとしていたが、その際に爆発事故を起こしてしまい妻を亡くし、自身もその時の影響で車椅子生活になりロザリアと同じように虹彩異色症になった。また、精神も醜く歪んでしまったようで、冷酷なマッド・サイエンティストと化したバートンは、オルゴン・エネルギーを使って世界を支配するという野心を抱くようになってしまう。ロザリアと過ごした日々も「くだらん記憶」と切って棄て、それに拘るロザリアやルパンを見下している一方、幼い頃のロザリアの写真を収めていたロケットを持っていた。アメリカ大統領から密かに予算を貰いつつ、定期的に自身の身体も使う形でオルゴン・エネルギーの実験を行っている。オルゴン・エネルギーの実験を進めると共に、雇っていたナザロフを通じてコロンブスの卵を手に入れるが、オルゴン・エネルギーの完全なコントロールに成功した事で掌を返し、乗り込んだ原潜にオルゴン・エネルギーで異常気象を起こす兵器を搭載。原潜を新たな拠点に世界支配を実行すべく異常気象を起こさせ、各国を脅迫する。また、それに反抗した娘のロザリアに対しても容赦せず、彼女も妻と同様にオルゴン・エネルギーの実験体にしようと目論む。
オルゴン・エネルギーを使った異常気象を「神の制裁」と称して起こした後、研究員達の静止を聞かずに自らの身体をパワーアップさせた結果、全身の筋肉を肥大化させた怪物へと変貌し、怪力と鉄パイプの殴打すら寄せ付けない肉体でロザリアやルパンへと襲い掛かる。オルゴン・エネルギーを暴走させる潜水艦内での戦いで、ルパンに蹴り飛ばされ、動力部に当たって感電死したかと思われたが、実際は毛髪が一部を残して抜け落ちた程度で驚異的な生命力で復活を果たす。しかし、記憶を取り戻した不二子に「出来損ないの筋肉オランウータン」と罵られた上、そのまま蹴られ、潜水艦のアンテナに身体が刺さった状態で雷に打たれて死亡。沈没する潜水艦と共に海底深くへと沈んで行った。
ナザロフ
声 - 千葉繁
バートンに雇われた諜報工作員。過去にルパンが着ていた物に似た緑のジャケットに下品な高笑いが特徴。バートンの私兵達からは「ミスター・ナザロフ」と呼ばれている。コミカルな振る舞いや言動に反して戦闘能力や指揮能力はそれなりに高く、ジャケットの袖には収納式のクロスボウを仕込んでおり、更にテーピングを用いた変装術に長けている。また、古美術商にも化けており、コロンブスの卵を探していたロザリアをマークする形で度々接触し、彼女が集めていた宝物の取引等を行っていた。
コロンブスファイルに関する重要な手掛かりを掴んでいる不二子に岡惚れし、猛烈なアタックを試みつつ、ルパンと何度も激突しているが、毎回に酷い目に遭わされている。しかし、古美術商としての顔を利用する事で、ルパン達のエンデカ宮殿での探索に同行し、隙を突いてコロンブスの卵を奪い、更にはロザリアの拉致にも成功した。最終的にオルゴン・エネルギーで世界の支配を目論んでいるバートンの野望には興味が無く、「くだらねぇ」と冷めた発言をしながら呆れていた。
バートンが世界各国へ脅迫を行った後、自身に変装して侵入していたルパンに翻弄され、不二子に消火器で殴られ気絶させられる。その後、沈んでいく潜水艦から脱出するべく次元達の乗る飛行機に取り付き、不二子も掠め取ろうとしたが、視界を奪われた事で海へと落下してしまう。しかし、しぶとく生き延びていたナザロフは、記憶を取り戻した不二子を尚もしつこく手に入れようとしたが、最後は格好が似ていた為か、ルパンに間違われ、銭形に逮捕されてしまう。ナザロフは銭形に抗議したが退けられたのか、釈放はされなかった。
古美術商
声 - 青森伸
ロザリアの取引相手である大柄な古美術商の男。しかし、正体は変装したナザロフで、ロザリアを巧妙に誘導して「コロンブスの卵」を奪い取ってしまう。

用語[編集]

コロンブスの卵
本作最大のキーアイテム。新大陸を発見した時にコロンブスが手に入れた、謎の秘宝。しかし、誰も見た事が無く、どんな物か全く分からなかった為に、コロンブスの卵はルパン達の泥棒業界ではガセネタとして扱われていた。スイス銀行に保管されていたコロンブス・ファイルのみにそれに関する手掛かりがあった。
その正体は、未知の自然エネルギー「オルゴン・エネルギー」の増幅装置で、天候を操る力を持つ。ナザロフによってコロンブスの卵が奪取された後は、原潜に気象コントロール兵器の動力源として利用されるが、ルパンの手でエネルギーをオーバーロードさせられ、最後は原潜と共に深海の底へと沈む事になった。
コロンブス・ファイル
コロンブスが、無限の力を秘める秘宝の在りかを記したとされる書類。泥棒業界に出回る偽情報と思われていたが実在し、スイス銀行に保管されていた。不二子の依頼でルパンがスイス銀行ごと盗み出すが、ナザロフに襲撃された際、不二子が燃やしてしまう。これにより、コロンブスの卵の在りかは不二子の記憶だけが頼りとなった。
エンデカ宮殿
地中海のミノス文明の影響下にあった、ある古代文明の遺跡。立地条件の厳しさと、内部に張り巡らされた無数の罠から、前人未到の禁断の迷宮とされていた。この宮殿の最深部の部屋に多くの財宝が保管されており、更にはコロンブスの卵が隠される形で眠っている。
オルゴン・エネルギー
自然界に存在する未知のエネルギーで、難病の治療に効果が期待されていた。しかし、その一方で天候を操る力や人体細胞の強化や麻薬効果等を持つという危険性もある。特に人体の影響に関しては、定期的にオルゴン・エネルギーで自分自身の身体の実験をしていたバートンの様子からも、被験者の肉体強化と変異以外に精神に異常をきたしてしまう可能性も秘めている。
コロンブスの卵はこのオルゴン・エネルギーの増幅装置であり、バートンはこれを利用して気象コントロール装置を開発、天候を操って異常気象を起こし各国を脅迫した。

声の出演[編集]

スタッフ[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ VOL.31 '99 7/26(月)〜8/1(日) ビデオリサーチ公式サイト