ルパン三世 燃えよ斬鉄剣

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ルパン三世 燃えよ斬鉄剣』(ルパンさんせい もえよざんてつけん)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第6作。1994年7月29日日本テレビ系の金曜ロードショーで放送された。視聴率は24.9%で、これはTVスペシャルシリーズの歴代1位を記録している[1]

概要[編集]

かつてルパン三世の祖父であるアルセーヌ・ルパンが唯一窃盗に失敗した「竜の置物」を巡る、ルパンファミリーと陳珍忠率いる香港マフィアとの争奪戦を描く。五ェ門を中心にした作品だった事から五ェ門役の井上真樹夫も思い出深いルパン作品に『TV第2シリーズ』112話「五右ヱ門危機一髪」と共に本作を挙げている[2]

本作の製作時点でルパン役の山田康雄は体調が悪化しており、椅子に座って収録を行った[3]。この作品が23年半ルパンを演じてきた山田の事実上の遺作(CM等も含めれば、同年末に収録され、翌年1月から放映されたエクソンモービル(ESSO石油)の企画で登場したルパン三世を演じたものが最後の出演)となった。

演出についてはキャラクターデザインを『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』(以下、『TV第1シリーズ』)に近いものにする、タイトルの背景をホワイトにする、敵のボスの声優にミスターX(コミッショナー)を演じていた滝口順平を起用する等、『TV第1シリーズ』を彷彿させるようなものとなっている。[独自研究?]

この作品でも前年同様、BGMにシンセドラムを使用したが、今回は随所にエレキギターを使用したロック調のBGMに仕上がっているのが特徴。[独自研究?]

本放送終了後には翌年公開の劇場映画第5作『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』の特報が放映された。

あらすじ[編集]

初代石川五右衛門没後四百年の歌舞伎を観賞する五ェ門は、先祖の最期に震えながら涙していた。すると、いきなり屋根裏から忍者軍団が姿を現し、五ェ門を襲ってきた。彼らの投げる手裏剣を五ェ門は斬鉄剣で斬りおとしていく。忍者軍団の追撃をうけながらも、五ェ門は応戦しながら逃走していく。

一方、歌舞伎に興味のないルパンと次元はゲームセンターで暇つぶし。ルパンはUFOキャッチャーに3000円以上も突っ込む始末で、クロスワードパズルにはまっている次元の制止に対しても、「狙った獲物は絶対に逃がさねぇってのがな、ルパン家のモットーなんだよ!」と制止を振り切るありさま…。やっとの思いで景品を手に入れたルパンだったが、その矢先に五ェ門と忍者軍団が目の前を走り去っていったためその後を追う。

なんとか忍者軍団の追撃をかわした3人であったが、今度は騒ぎを聞きつけた銭形警部がやってくる。銭形は「ルパンキャッチャー」という珍妙な秘密兵器(UFOキャッチャーの大型アームを搭載した飛行船)でルパンと次元を捕獲したが、2人はすぐに逃走。事の発端である五ェ門を問いただすが、五ェ門は「狙われておるのは拙者のみだ、関わりあいにならないほうがいい。これ以上首を突っ込むと、お主たちでも…斬る」と、妙に排他的な態度で立ち去ってしまった。その3人の会話を後方から車で見届ける怪しげな影があることにルパンは気づく。ライターカメラでこっそりと写真を撮ったルパンは、パリにあるアジトに戻って写真を解析した結果、その人物は香港マフィアのボスである陳珍忠であることが判明する。

何かあると睨んだルパンと次元は、陳の主催するパーティーに潜入すべく香港に停泊中の豪華客船に潜り込むが、その船には陳に求愛を受けた不二子も潜入していた。不二子の狙いは、陳の狙っている豪華客船タイタニック号の船内にあるお宝であった。そこへ、陳珍忠が姿を現す。彼によれば、そのお宝とは「竜の置物」で、かつてそのお宝はルパンの祖父であるアルセーヌ・ルパンが予告状を出して唯一盗めなかった物であった。思いもよらぬ事実に真剣な顔つきになったルパンは、陳の元から逃走。すぐさま陳の製作したチタン合金製の潜水艇を盗んで、海底4000mの深海に沈んでいるタイタニック号へと向かい、苦難の捜索の末に竜の置物を手に入れる。

海上で待つ不二子のもとへ戻ったルパンを、突然見覚えのある影がルパンたちを襲った。それは、五ェ門と五ェ門の同門である桔梗であった。先祖代々竜の置物を守る五ェ門達は仲間であるルパン達から竜の置物を取りもどそうとしていた。しかし、そこへ銭形警部も現れ、五ェ門達は撤退し、大混乱に陥る。なんとか銭形の追跡を免れたルパン達であったが、今度は潜水艦で陳達が現れ、不二子はいつもの如く色仕掛けで、陳に取り入り竜の置物を渡し裏切った。間一髪のところで逃走したルパンは再び香港へ赴き、陳の屋敷に潜入。しかし、竜の置物をめぐっての激しい争奪戦の中、桔梗が命を落としてしまう。

陳の屋敷から逃走したその夜のホテルの一室、祖父の成し遂げられなかった役目を終えていたルパンは、既に竜の置物に未練は無く、桔梗を供養してやるようにと、五ェ門に置物を手渡すもその一方でルパンは桔梗のことである疑問を抱いていた。ようやく置物を手に入れても桔梗を死なせてしまった悲しみにくれるなか、五ェ門は部屋のドアがノックされて一人の女が入って来るのに気付く。なんとその女は死んだはずの桔梗であった。しかし、五ェ門に弱々しく抱きつく桔梗の手には短剣が握られ、油断していた五ェ門は脇腹を刺されてしまう。実は桔梗も、幻斎と同様に陳の手下であり、竜の置物のことを陳に話したのも彼女でかつて竜の置物を盗んだ曾祖父に成り代わり、莫大な富を狙っていたのだ。本性を現し、五ェ門を刺した桔梗は連れである幻斎と共に、陳に厳命された不二子の拉致も果たす為、シャワーを浴びていて全裸のままの不二子を気絶させ、竜の置物と共に奪い去ってしまった。

さらわれた不二子が目を覚ました場所は、陳の所有する武器製造工場。竜の置物と斬鉄剣との間には恐るべき秘密が隠されていた…。

ゲストキャラクター[編集]

桔梗
- 松井菜桜子
五ェ門の幼馴染みで同門。プラトニック・ラブの相手でもあった。
自身の曾祖父は、伊賀の忍者屋敷に忍び込んで龍の置物を盗み出し、アメリカに売ろうと目論んでタイタニック号に乗船していた。曾祖父の過去を知った桔梗は五ェ門を慕っていた純真な少女から一転、龍の置物を利用して香港マフィアの陳と共に世界を屈服させて莫大な富を得る野望を抱くようになる。
再会当初、五ェ門を信頼を得るために幻斎の影武者と共に現れ、助けた振りをして彼の部下の忍者二人を殺し、その後は陳の屋敷内でワニの池に落ちて死を装い[4]、無事に帰還したと見せかけて五ェ門に短刀を刺したり、ステルス機から機銃掃射を撃つ等の卑劣な行為をしたが、最後は五ェ門が切断したステルス機の爆発に巻き込まれて、海に落ちて行く。
昔の桔梗を知る五ェ門は、彼女が曽祖父の裏切り行為を知って豹変してしまったことに悲劇も感じていた[5]
陳珍忠(ちんちんちゅう)
声 - 滝口順平
香港マフィアのドン。スキンヘッドで独特な頭部が特徴的な小太りの男。
ルパンからは「陳珍(ちんちん)ちゃん」という渾名で呼ばれる。
拠点である香港に豪邸を携えている他に、武器製造工場を始めとした多数の施設や潜水艦を所有しており、計り知れない莫大な財産を持つ。また、普段は紳士的且つ丁寧な口調で相手に接するが、性格は残忍かつ狡猾。また、実際は大変な好色で自身に取り入った不二子にいやらしく絡み(性交渉を連想させるセクハラな言動、不二子の膝や太ももや露出した肩を撫で回す、自身と不二子の体を密着させる等)、心の底から不二子の生理的憎悪と軽蔑の眼差しを向けられる程である(不二子曰く「スケベオヤジ」)。
パーティーにルパン一味の中で唯一不二子には正式な招待状を送ったりと不二子に非常に執着しており、不意に不二子を押し倒し不二子があまりの生理的嫌悪感から蒼白の顔色を浮かべているにも拘らず、「私の女になって損はあるまい」と接吻を始めとした自身との行為を強要する。屋敷に侵入したルパンに竜の置物を奪われ、結果的に不二子との行為を邪魔された事に激しい口惜しさを感じており、桔梗と幻斎に竜の奪還を命令する際にも「不二子は連れて来い、まだまだ楽しみが残っているからな…」と厳命するほど。狡猾だがルパンに振り回される時は間抜けな仕草も見せた。
部下である桔梗に斬鉄剣よりも優れた特殊合金で出来ている龍の置物と、それを元の形状に戻す方法が書かれた巻物の存在を聞かされ、手に入れようとする。入手後はその合金で「絶対に撃ち落されない巨大ステルス爆撃機」を造ってニューヨークを爆撃し、世界を脅迫して莫大な富を得ようと企む。しかし、「絶対に撃ち落されない」はずのステルス機は五ェ門に切断され、直後にルパン達に向けて発射していた赤外線ホーミングが着弾してその爆発に巻き込まれ、皮肉にも「絶対に沈まない」はずのタイタニック号が沈んだ、既に鮫の巣窟と化していた死の海の藻屑へと消えた。
幻斎
声 - 銀河万丈
陳の部下で、「柘植の幻斎」の異名を持つ伊賀流の忍者。百地党の流れを組み、五ェ門とは兄弟分にあたる。
少なくとも影武者が3人おり、五ェ門の持つ巻物を狙い、ルパン一味に襲い掛かるが、1人目は占い師に扮して五ェ門に接触したところをルパンに額を撃たれ、2人目は伊賀の山中で五ェ門に身体を斬られ、3人目は香港にある陳の屋敷で不二子に額を撃ち抜かれて全滅した。残った本物は陳の命令で不二子を拉致、陳がステルスで出撃した後は武器製造工場に残る。本物はそれまでの影とは違い、眼力のような術で人間や物を吹き飛ばしたり、近距離で発射された銃弾を軽々と刀で弾き返すなど一線を画している実力を持つ。武器製造工場にてルパンとの一騎討ちに挑むが、斬撃を難なく躱された挙句に反撃で顔を蹴られてしまい、直後に視界を塞ぐように靴を投げつけられるもののそれを両断したが、その隙を突かれ額を撃ち抜かれて射殺される。結果的には一太刀も浴びせることが出来ず、1人目と3人目の影武者と同じように額を撃たれるという結末を迎え、「大したことないじゃないのよ~」とルパンに皮肉られた。

用語[編集]

龍の置物
龍を象った黄金色の置物。斬鉄剣を鍛えた刀鍛冶が制作したもので、斬鉄剣よりも軽く頑丈な特殊斬鉄合金でできている。伊賀の忍者屋敷に隠されていたが、桔梗の曽祖父が盗み出しアメリカに売るべくタイタニック号に乗船。そのままタイタニック号と共に4000mの深海に沈んでしまった。元の形は特殊斬鉄合金の製法を記したプレートであり、龍の置物の形に変形している。元のプレートに戻すには特殊な溶液に浸す必要がある。
巻物
龍の置物を元のプレートに戻すための特殊な溶液の製法が記された巻物。
特殊斬鉄合金の製法は、「龍の置物」とこの「巻物」の両方が揃って初めて知ることができる。当初は伊賀の山中にある大岩の下に隠されていた金庫内に保管されていたが、事態を察知した五ェ門が誰かの手に渡らないよう確保した。
香港マフィア
陳珍忠をドンとする、香港を拠点とする犯罪組織。犯罪組織の規模を超えた莫大な財力を持ち、タイタニック号引き上げ用の潜水探査艇や潜水艦、さらにはステルス爆撃機を開発できるほどの兵器開発工場を有する。
特殊斬鉄合金ステルス
陳が作り上げた最新鋭のステルス爆撃機。形状はB-2戦略爆撃機に類似しており、龍の置物と同じ特殊斬鉄合金の装甲に覆われているため、戦闘機の攻撃や衝突を受けても傷一つつかない。また、機体自体が巨大な刃のような状態であり、すれ違いざまに戦闘機二機を斬鉄剣のごとく両断して撃墜した。他にもアメリカの艦隊を難なく全滅させるほどの強力な兵装も搭載されており、陳曰く「絶対に撃ち落とされないステルス」。ニューヨークを爆撃して米国大統領を脅迫するべくアメリカに向かう途中、追いついてきたルパン一味を迎え撃つ。特殊斬鉄合金の装甲により何度も斬鉄剣を跳ね返すが、最後は、寸分の狂いもなく同じところを斬り続けた五ェ門の技により遂に真っ二つに切断され、「絶対に沈まないタイタニック号」が沈んだ海に墜落した。

声の出演[編集]

スタッフ[編集]

ネット配信[編集]

  • 『TMSアニメ55周年公式チャンネル』にて2019年8月16日から同年同月22日まで期間限定無料配信される[6]

出典[編集]

  1. ^ SUPER SURPRISE』 2010年2月8日(日本テレビ)放送
  2. ^ 本人のツイート(2019年4月9日)
  3. ^ ルパン三世officialマガジン』Vol.17、双葉社、2008年、p.162
  4. ^ 竜の置物への執着心や陳のアジトの在り処を知っていたこと、無防備にワニの池に落ちたことなどからルパンから怪しまれていた。
  5. ^ 桔梗が本性を現した際には怒りを見せたが、彼女が海に落ちていった際は悲しい表情を見せ、ルパンも桔梗に曾祖父の元で眠るようにと弔いの言葉を送っている。
  6. ^ (日本語) 【視聴者人気第2位】ルパン三世 燃えよ斬鉄剣|”LUPIN THE 3RD: DRAGON OF DOOM”(1994), https://www.youtube.com/watch?v=bmXHUI9diP4 2019年8月20日閲覧。 

関連項目[編集]