ルパン三世 盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜

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ルパン三世 盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜』(ルパンさんせい ぬすまれたルパン 〜コピーキャットはまなつのちょう〜)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第16作。2004年7月30日日本テレビ系の『金曜特別ロードショー』にて放送された。視聴率は21.1%[1]。ルパン三世シリーズ初の地上デジタル放送でもある[注 1]

概要[編集]

それを手にした泥棒は全て死に至っているという呪われた宝石「ブルズ・アイ」をめぐってルパンファミリーが活躍する。なお、漫画『ルパン三世Y』にも「盗まれたルパン」という作品があるが、本作とは無関係である。

本作から『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』で使用された曲のアレンジ版が使われるようになり、この作品では「銭形マーチ」、「スーパーヒーロー」「トルネード」「サンバ・テンペラート」が新しくアレンジされて劇中で使用された。

監督は、タツノコプロ出身のうえだひでひとが初参加し、周囲の演出のメンバーもタツノコ時代の仲間で固めている。脚本は『ルパン三世 PartIII』で初参加し、刑事ドラマやアクション映画の脚本に携わっている大川俊道が20年ぶりにシリーズに登板している。

また、本作の内容はTVスペシャル第13作『ルパン三世 アルカトラズコネクション』との繋がりが一部見られる。本作は視聴率が20%を超えた最後の作品となっており、以降の作品(『ルパン三世VS名探偵コナン』含む)は20%を切っている。

あらすじ[編集]

フランスバスティーユで、トラックに積まれていたブルボン朝の財宝がトラックごと奪われた。銭形は犯人をルパンだと思いトラックの追跡を始める。しかし、犯人はルパンではなく左腕に蝶のタトゥーを入れた金髪の少女だった。そこにルパンがやってきてトラックに潜入するが、次元の前でトラックごとさらわれてしまう。

ルパンをさらったのは、マルコヴィッチというかつてアルカトラズ連邦刑務所から脱走した男で、不二子を人質にとり、世界一の警備を誇るグラン・バトー博物館にある、手に入れた者全てが謎の死を遂げるという魔の宝石ブルズ・アイを盗んで来るようルパンに要求する。

次元や五ェ門と共に何とかグラン・バトー博物館に潜入し、見事ブルズ・アイを盗んだルパンだが、次元達を博物館に置いたままヘリで逃げてしまった。しかしルパンは待合場所に行く途中、あの金髪の女泥棒にブルズ・アイを盗られてしまった。その頃インターポールでは、次長のマーフィーが例の女泥棒の名がベッキーということを銭形に明かしていた。

ブルズ・アイをどうにか取り戻したルパン達は、マルコヴィッチのいる場所へと向かい、不二子と引き換えにブルズ・アイを提供する。そしてようやく、不二子を取り戻したかと思いきや、ルパン達の目の前で起こったのは……毎度おなじみの不二子の裏切りだった。不二子はブルズ・アイを手に入れるべく、最初からマルコヴィッチとグルになり、ルパンを騙していたのだった。

すぐに不二子達を追いかけようとするルパン達であったが、銭形が現れてしまい、結局ブルズ・アイは不二子に持っていかれてしまった。しかし、そのブルズ・アイは真っ赤な偽物であり、本物のブルズ・アイは未だベッキーの手中にあったのである。

不二子の裏切りも含め、そのことについてあらかた予測していたルパンは、ベッキーの隠れ家に向かい、そこで驚くべき事実を知る。ベッキーの素性は、10数年前、真夏の期間のみルパンのパートナー兼恋人となり、別れてからしばらくして、ブルズ・アイの秘密を突き止めようとして命を落とした女怪盗、通称「キャット」の娘だったのだ。

彼女を説得してようやく本物のブルズ・アイを取り戻したルパンは、五ェ門に斬鉄剣で真っ二つにさせる。ブルズ・アイの中にあったのは、軍事衛星によって受信される超高性能の発信機。グラン・バトー博物館で厳重に保管されていたブルズ・アイの正体は、マルコヴィッチら強盗団が博物館に侵入した泥棒達を誘き寄せ、その強盗を殺害してコレクションを横取りするために用意した悪魔の宝石であったのだった。

一方、ルパンに相棒の申し出を断られたベッキーを、マルコヴィッチの部下である白竜が命を狙うが、駆けつけて来た五ェ門によって阻止される。しかし、母親の仇だと思われるマルコヴィッチを倒したいあまり、自らが逆に誘き寄せられてしまっているのも知らずにベッキーは白竜を脅してマルコビッチのアジトに向かってしまう。そして、自分のアジトにいたマルコヴィッチは、ルパンが本物のブルズ・アイを彼のアジトに持っていくのを待ち続けていた。

そのことに疑問を抱いた不二子は、マルコヴィッチを問い詰める。マルコヴィッチの本当の目的は、ブルズ・アイではなく、ルパンが密かに隠しているといわれるルパン・コレクションであった。さらにマルコビッチには、もう一人ある協力者がいた。ルパン・コレクションの存在を知り、それに目が眩んだ不二子は、再びマルコヴィッチと手を組み、ルパン・コレクションの横取りを画策する。

ゲストキャラクター[編集]

レベッカ・ランバート
- 浅川悠
十数年前にルパンと期間限定でコンビを組んでいた女義賊「キャット」の娘で、劇中ではベッキーと呼ばれる。17歳[2]。母と同じく肩に蝶のタトゥーを挿れており、母譲りのシルバーメタリックのワルサーP38を使用している。ルパンに模倣犯罪(コピーキャット)を起こし、何者かによって殺された母の敵討ちを遂げるためにブルズ・アイを奪い、その過程でルパンと接触するうちに母の死の真相を知るが、後にマルコヴィッチの人質となり、ルパンの射殺を強要されるも「ルパン一味」の協力あって無事救出される。最後は自分がまだ子供であることを自覚し、「ルパンファミリー」に入ることを断念、ルパンに別れを告げる。
なお、父親は作中明確にされていない。示唆された候補は以下の通り。
  • ルパン三世 - 本人は否定しているが、実はルパンとカトリーヌとの間に生まれた娘である事が示唆されている。銭形を「とっつあん」と呼んだり、手口が駆け出し時代のルパンと似ていることなどから次元と五エ門から指摘された。またルパンも彼女に対して父親のように接している。ただし、彼女がルパン三世の手口をあえて真似していた部分もあるため、上記の類時点は遺伝的なものというより意識的に似せてられていた。また、作品ラストでルパンファミリーからも類似性が指摘しているが、五右衛門すらも笑ってすませている。
  • ランバージャック - カトリーヌに気があった人間の1人で、彼女の世話をしていた。上記の通り、ルパン三世と手口が似ている理由の1つとして、彼女もルパンもランバージャックの道具を使用しているため。
名前およびキャラクターのモデルは中国女優のヴィッキー・チャオ
カトリーヌ・ランバート
十数年前にルパンと真夏だけパートナー兼恋人となっていた女義賊で、「キャット」の異名を持つベッキーの母親。またランバージャックを始め、裏世界の男達からは絶大な人気を誇る美女であり、ルパンにとっても最高の女で相棒でもある。ブルズアイの秘密を突き止めようとした事で、マーフィーに殺されてしまう。
ジョセフ・マルコヴィッチ
声 - 中田浩二
ゴロワーズを愛煙する多国籍強盗団のボスで、かつてアルカトラズから脱獄した事がある。常に余裕綽々の態度を取っており、用心深い性格。不二子を誘拐し、ルパンに「ブルズアイ」を盗ませるがその本当の狙いはルパンが隠し持っているという盗品コレクション、通称「ルパン・コレクション」であり、ICPO特務局次長のブライアン・マーフィーと共謀していた。ところが、ルパンの趣味はあくまで盗みを楽しむことであり、コレクションの趣味が無かった事から端から存在していなかった。つまり全てマルコヴィッチとマーフィーの思い込みに過ぎなかった。ベッキーを利用してルパンを殺害(したフリを)させ、余裕の高笑いをしていた所にマーフィーに裏切られて射殺される。
本作はTVスペシャル第13作『ルパン三世 アルカトラズコネクション』の続編として作られる予定であったため、初期設定ではある大統領暗殺事件の関与人物と設定されていた。
ブライアン・マーフィー
声 - 青野武
ICPOの特務局次長で、銭形の上司だが、実は多国籍強盗団の黒幕。裏ではマルコヴィッチと共謀して「ブルズアイ事件」を起こしており、同時にキャットを殺した張本人でもある。タバコが大嫌いで自分のスーツにその匂いがつくのを嫌っており、マルコヴィッチを射殺した際は「いつか言おうと思っていたんだが、私は君のそのゴロワーズとかいうタバコが大嫌いなんだよ!」と捨て台詞を吐いた。ルパンの盗品コレクションを狙い、終盤で組んでいたマルコヴィッチを裏切って射殺し、盗品コレクションを独り占めにしようとするがルパンコレクションは端から存在しておらず、全てマルコヴィッチとマーフィーの思い込みに過ぎなかった。ルパンから依頼されたランバージャックによって全て破壊され、ルパン一味に逆襲され、ルパンのメーキャップを施される。当初は銭形に助けを求めようとするが、自身が全ての黒幕だと銭形に知られ、警官に指示するのを聞いて正体が発覚したと悟り、ルパンになりきろうとしたものの警官に変装したルパンによって結局メーキャップを見破られ、懲役850年(銭形談)の刑に処せられる。本作の全ての黒幕だったが、非常に間抜けな性格な上に最後まで諦めが悪く、正体が発覚して連行される際も逮捕される直前までルパンにルパンのメーキャップを施されていた事から護送車の中で「俺はルパンだ!マーフィーじゃなーい!!そうだ、もうこうなりゃルパンでいいぞ。俺はルパンだー!」と支離滅裂な事を喚き散らしていた。銭形には信用してもらえず、その性悪で諦めの悪さからルパン一味から「殺す価値もないつまんない男」と言われ、銭形にすら「端から好かんかった」と5人から呆れ返れていた。普段は部下の銭形を「銭形君」と愛想良く呼んでいたが、内心では「ミスター銭形」と馬鹿にして呼んでいた模様。
ランバージャック
声 - 八奈見乗児
ルパンと昔なじみの機械工で、ベッキーの親代わりを勤めていた。中盤でサンタナに射殺されかけるが、懐にあったキャットのペンダントのお陰で命拾いをした。終盤では戦車に乗ってルパンの元へ駆け付け、ルパンの盗品を全て破壊した。最後はベッキーの身を案じたルパンによって手を切られ、ベッキーと共に別れを告げた。
サンタナ
声 - 入江崇史
マルコヴィッチの部下。凶暴な性格でH&K USPイングラムM11スコーピオンベレッタM93Rなど多彩な銃を愛用するが「当たれば良い」と乱射するため、次元に「ガンマンの風上にも置けない奴だ」と呆れられる。終盤で次元と銃撃戦をし、白竜の助けもあってマグナムを使えなくさせるが、最後は次元に鉄パイプと風車を利用した即席のライフル銃で胸部を撃ち抜かれ死亡する。
白竜
声 - 水内清光
マルコヴィッチの部下。青龍刀を使い、例え剣が無くなっても指弾を使って攻撃が出来る。弾が無くなっても指弾の材料となる近くにある石を指弾に使用する為に五ェ門から「お主の弾は無制限か?」と驚かれた。五ェ門を相手に善戦するが、最期には指弾の材料となるものがない泥沼に誘い込まれて敗れる。優れた技量を持ちながらも外道に堕ちた事に五ェ門からも惜しまれた。
ドルクルス
声 - 品川徹
マルコヴィッチの執事。怪力の持ち主である古武術使いで、終盤で不二子と対戦。不二子を追い詰め、背骨をへし折ろうとするが壷で殴り倒される。

声の出演[編集]

スタッフ[編集]

  • 原作 - モンキー・パンチ中央公論新社刊)
  • 監督 - うえだひでひと
  • 監督補 - 小林哲也
  • 脚本 - 大川俊道
  • 絵コンテ - うえだひでひと、小林哲也
  • 演出 - 粟井重紀、山内東生雄、篠崎康行
  • キャラクターデザイン - 平山智
  • メカニックデザイン・メカ作画監督 - 水村良男
  • サブデザイン - 織岐一寛
  • キャラクター作画監督 - 織岐一寛、岡辰也、外崎春雄
  • 作画監督補佐 - 愛媛みかん、をがわいちろを、松本文男、野武洋行
  • 美術監督 - 鈴木朗
  • 色彩設計 - 佐藤直子
  • 撮影監督 - 遠藤泰久
  • 編集 - 田熊純
  • 音楽 - 大野雄二
  • 音楽監督 - 鈴木清司
  • 録音監督 - 加藤敏
  • 音響効果 - 糸川幸良
  • 音響制作 - 東北新社
  • 音響制作担当 - 林隆司、北条雅也、大野拓也
  • 制作担当 - 青木隆介(TMS)、瀬戸典子(日本テレビ)
  • 脚本プロデューサー - 飯岡順一
  • 音楽プロデューサー - 山田慎也、穂山賢一
  • プロデューサー - 尾﨑穏通(TMS)、小野利恵子(日本テレビ)
  • エンディングテーマ「A ROSE TATOO」
  • 挿入歌「LUPIN THE THIRD」
    • 作詞 - 奈良橋陽子
    • 作曲 - 大野雄二
    • 歌 - サリナ・ジョーンズ
    • オリジナル・サウンドトラック - 「ルパン三世 盗まれたルパン〜コピーキャットは真夏の蝶〜」
  • 制作協力 - エー・ライン
  • 企画・制作 - トムス・エンタテインメント日本テレビ
  • 製作・著作 - トムス・エンタテインメント

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 一部地域を除く

出典[編集]

  1. ^ VOL.31 2004年 7月26日(月) 〜 8月1日(日)ビデオリサーチ(インターネットアーカイブ)
  2. ^ ルパン三世OfficialmagazineVOL1

関連項目[編集]