人魚

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ウォーターハウス筆のマーメイドの絵画
人魚(マーメイド)。

人魚(にんぎょ)は、人間魚類の特徴を兼ね備え、水中に生息するとされる伝説の生物。西洋のマーメイド英語: mermaid、「海の乙女」の意)も人魚とされており、北欧民話の人魚(デンマーク語/ノルウェー文語: havfrue、「海の女性」の意)等も含まれる。世界各地に類似の伝承があり、個々の名称を持つこともあるが、総称して人魚と呼ぶ。

図像[編集]

水域に棲み、人と魚の特徴を併せ持つという大まかな共通点はあるが、伝承されてきた土地によりその形状や性質は大きく異なる。

ヨーロッパの人魚は、上半身がヒトで下半身が魚類のことが多い。裸のことが多く、服を着ている人魚は稀である。伝説や物語に登場する人魚の多くは、マーメイド(若い女性の人魚)である。古い絵などには2つの尾びれを持った人魚も描かれている(ヨーロッパの古い紋章の中にも、2股に分かれた尾部を持つ人魚をかたどるものがある)。

中世キリスト教圏英語版の各地で書写・翻訳された動物寓意譚セイレーン[注 1]、しだいに人魚の図像で描かれるようになった[注 2]。ポルトガルをふくめ西欧で人魚型セイレーンが定着したのは1500年代ともいわれる[78][79]。現代アイスランド語人魚男も同じく(marbendill)と綴り、マルベンディトルと発音する[80]

19世紀の解説に拠れば人魚女マルギュグルは黄色い髪をし、油断した若者を海底に引きずりこむが、人魚男マルベンディトルは決して海上に姿を現さないとする[69][70]。しかし「碩学の」ヨウン・グズムンドソン英語版(1658年没)によればマルベンディトルは腰から下がアザラシの様だと記している[82]

またヨウン・グズムンドソンが書き記したマルベンディトルの民話も現存している[86](§前兆・予言・智慧・洞察で触れる)。

吉凶[編集]

スカンジナビアの女性の人魚ハウフルは、総じて美しいが、益ともなれば害(凶兆)ともなる、と意見される[87][37]

以下説明するように智慧を授けたり、凶事を前触れするか予言するとする迷信・説話がみられる。また、人をさらうとも言い伝えられ古謡に歌われた。

危害を加えると仕返しを受けるとされ、ノルウェーの逸話では、船乗りがこれをおびき寄せておいて舷縁英語版にかけた手を切り落としたところ、彼女は嵐を引き起こし、その者は命からがら生還したという[88]

前兆・予言・智慧・洞察[編集]

スカンジナビアの人魚も未来の予知や予言をするとされる[87][37]。それが水上に現れただけで、嵐の前触れとされる[62][87][37]

漁師にとってはシェーローの出現は不漁を意味し、狩人にとっては森の妖精スクーグスローの出現は不猟を意味するのである[87][37][76]。往年のスウェーデンの漁師のあいだでは、人魚は嵐や不漁の前兆なので、見たら仲間に話さずに火打石と鋼器で火花を立てて難を回避すべしと伝わる[76]

必ずしも未来を言い当てる予言にかぎらず、何かの智慧か情報を授ける場合もある。人魚が智慧をさずける説話群は、移動伝説ノルウェー語版「人魚の伝言」型(ML 4060番)に分類される[注 13][89]。一例の説話では、漁師が人魚の用務を引き受け、3つの質問を許される。男は脱穀用の穀竿をつくるのに何の皮革が適しているか尋ねるが、人魚は仔牛の皮と答えつつ、もし水から(ビールを)醸造する方法は、と聞いていればもっと得したものを、とあきれるオチになっている[90]

アイスランドには11世紀頃の実在の移植民の逸話として[注 14]、人魚男(マルメニル)を捕らえた男は、自分の息子が将来所有するであろう開拓地の場所についての予言を得たが[注 15]、後日また漁に出たときその息子以外の者は全滅したという[91][92]

また、人魚男(マルベンディトル)が、自分を捕らえた農夫を三度せせら笑い、笑った理由として、色々と洞察した事実を教示する民話が、近世に記録されている[86]。人魚男が自由釈放を条件に明かした三つの事実は、金貨が埋もれる場所、妻の不義、犬の忠義であった[86][80]

人魚が人さらい[編集]

スウェーデンには人魚男が女性をさらって妻とされるが、そうした女性が小島に上がって衣服(亜麻布)を洗っていたり髪を梳いたりしているのを見かけることがあるという民間伝承が採集されている(ヘルシングランド地方[93]

またスウェーデンの「人魚男」[注 16]バラッドや、同じ伝説に基づくデンマークの「人魚男ロスマー」[注 17]のバラッドも近世より存在する[94][注 18]

他にも人魚男と女性が夫婦となり子供をもうける筋書きのデンマークのバラッド『アウネーテと人魚』デンマーク語版英語版があるが、これは18世紀末期に成立の比較的新しい創作物である[95][96]。この話は19世紀の作家エーレンスレイヤーデンマーク語版やアンデルセンにも翻案されている[95]

「人魚女」/「人魚女の侍女」[注 19]と題するスウェーデンのバラッドでは[97][99]、人魚が十五歳の人間の少女を拉致してしまう。兄弟が救い出すが、人魚は「もしこのような裏切られるのを知っておれば、少女の首を殴りくだいていたものを」、とののしる[101]

マルギュグル[編集]

オーラヴ聖王とマルギュグルの死闘(当図では途切れているが魚尾に描かれている[104])。
―《フラート島本》第79r葉[103]

現代アイスランド語で金髪の人魚の意とはいえ、マルギュグルは直訳せば「海のトロル[女]」のような意味である[注 20][70]

そして中世に伝わるマルギュグル(margýgr)は、文字通り"海の鬼女(オグレス)"[105]または"海の怪物"[106]とすべき存在で[109]。『オーラヴ聖王のサガ』の異本によれば、ノルウェーのオーラヴ聖王が対決したマルギュグルは、航行者を眠らせ溺れさせ、高音の叫びで人を狂わせた[62][110]。その外見は以下のように記述される"頭は馬のごとき、耳はぴんと立ち、鼻腔は広がり、大きな緑の目をし、恐ろしい顎をしていた。肩は馬のようで、前半身には手がついていたが、下半身は蛇のようであった".[110][108]。このマルギュグルはまた、アザラシのように毛むくじゃらで、灰色をしていたと記述される[110][107]

ハーフストラムブル[編集]

古ノルド語で書かれたノルウェーの啓蒙書『王の鏡』英語版(1250年頃)の記述に拠れば、マルギュグルは雌種であるが、これと対をなすハーフストラムブル[111]hafstambr)が雄種であると説いている[112][102]。ハーフストラムブルの上半身はマルギュグルの様に擬人的であるが、下半身については目撃証言がないという[112][102]

中世の北欧人は、ハーフストラムブルを巨型(最大級)の人魚男と認識していたため、普通の人魚の名称が指小辞のマルメニル(「海の小男」)になったのだ、という推察がある[55]

しかしハーフストラムブルを、単に想像上のシーモンスターとしてかたづける解説や辞書定義もみられる[113][114]

動物学の観点からはズキンアザラシCystophora cristata)説[115][116]、または海棲生物の蜃気楼現象説が提唱されている[112]

西洋博物学の人魚[編集]

以下、西洋の古代・中世・近世の学者たちが、人魚を実在の生物として扱った数々の例を示すが、対象の「人魚」の所在地は、ヨーロッパにかぎらず、新大陸、アジア、アフリカ等に至る。

1世紀ローマ帝国属州イベリア半島[編集]

大プリニウス博物誌』(紀元77年刊)によれば、一匹のトリトン(男の人魚)[注 21]がローマ帝国ルシタニアオリシポ英語版(現今のポルトガル・リスボン市)で目撃されており(ティベリウス帝時代)、またネーレーイス(女の人魚)も同じ場所で目撃されている。

目撃されたトリトンは某洞窟で法螺貝を吹いていたとされ、ネーレーイスについては、彼女ら"死にかけているときの嘆きの歌が浜の住民によって聞かれたことがある"と補足している[119][120][121]

このトリトンは、一般認識通りの容姿をしていたが[注 22]、ネーレーイスの人間のような(顔・胴体の)部分が(すべやかな肌をしていると思うのは)世間の間違いで、真正のネレウスは全体鱗でおおわれているのだとプリニウスは主張する[119][120][121][122]

また複数のネーレーイスの死骸が、浜辺に打ち寄せられたことがあると、ガリア州英語版総督レガトゥスが前の皇帝(故アウグストゥス帝)に書簡している[119][120][121][122]

プリニウスはまた「海人」(: homo marinus)をガデス湾(カディス湾)で見たという証言を騎士身分エクィテスの数人から得ており、それはまるで人間の姿かたちをしているが、夜行習性で船によじ登ることがあり、それをされると船舶は沈没し始めるのだという[119][120][121][122]

後世の注釈[編集]

スウェーデンの博識者オラウス・マグヌス(16世紀)は、このプリニウスを引用し、ネーレーイス(マーメイド)が「そのいまわの際に発する愁嘆な金切り声は」、歌や音楽のごとくと示唆しており、運命の三姉妹ニュンペーが奏でるシンバルフルートの音が海辺から聞こえるという民間伝承と関連付けている[123][124][125]。オラウスによれば、 ネーレーイスは(とくに死の際してにかぎらずとも)「悲しく歌う」のだという[126][127]

ローマ時代に浜に打ち上げられたネーレーイスというのは、「おそらくはアザラシ類」だろうとされる[122]。また、「海人」にについては、「アフリカ産のマナティーか(?)」と注釈されている[128]

大航行時代の南北アメリカ大陸および北極圏[編集]

コロンブスは、1493年イスパニョーラ島沿岸から、3匹のセイレーン(人魚)が某河川[注 23]で海から完全に這い上がっているのを目撃したと航海日誌に記している[132]。その容姿について"絵にかいてあるように美しいもの(美女)ではなく"かろうじて人間似の顔つきをしていたと述べているが、マナティーであったと推察されている。[133][131]

ヘンリー・ハドソンが1608年の第二回航海において、北極海(ノルウェー海域かバレンツ海)で"人魚"を目撃したとするが、乳房は女性の様で肌は白く長い黒髪を垂らしていたという[134][135][注 24]

オランダの探検家ダフィット・ダネル(David Danel[l])は、グリーンランドへの航海(1652–54年)で"たなびく髪をしたとても美しい"人魚に遭遇したとするが、乗組員は捕獲に失敗したという[136]

バルトリンのセイレーン[編集]

バルトリンの「セイレーン」(1654年)。骨と化した手/前鰭と肋骨は(右図)は同氏が入手したもの。

デンマークの医師で博物学者のトマス・バルトリン英語版が、その著書でブラジルの「セイレーン」(人魚)として図入りで説明した個体[139](おそらくマナティー[140])は、のちにリンネが転載して「バルトリンのセイレーン(Siren Bartholini)」と命名している[141][142]

個体標本すべてがバルトリンの所有物だったわけではないが、片手と肋骨数本を提供されており、これらも図解されている(右図参照)[143][注 26]。この"手"の図はその骨格が写実的なため、マナティーの前びれと鑑定が可能とされる[140]

文中ははじめ「海人」ないし「海男」(ホモ・マリヌス)」と呼ばれているが[137]、銅版画でも「セイレーン (Sirene)」と見出しされている[137]。画のセイレーンは人間の女性のような容貌をし(頭髪はない)、はだけた乳房、水かきのついた前足で描かれている[145]。 ブラジルの解剖個体は指間に膜があり、個体が完全でなく"尾の跡がみられなかった"としており[138]、絵図と合致している[注 27]

バルトリンは、「セイレーン(人魚)」という呼称こそ用いているが、アザラシ類だと推論していた[143][138]。その理屈として次のように述べている:海には「海馬」など陸棲のものとそっくりな海棲生物がいくつかおり(と当時はそう信じられた)[注 28]、よって人類そっくりな海水生物も否定できない。しかしながらそれらはすべてアザラシ類とみるべきだろう、としている[147]

この生物は、ブラジル原住民のユピアプラ(Yupiapra)伝承(正しくはイプピアーラ伝承)と関連性があるだろうと、17世紀のエラスムス・フィンクス(エラスムス・フィンクス英語版)は意見している[148][149]

植民地時代の東南アジア[編集]

17世紀ビサヤ諸島[編集]

「人間型魚」アントロポモルポス
―ヨンストン『自然誌』ラテン語版、1657年[150][注 29]

人魚(直訳だと「人型魚」、「婦人魚」等と呼ばれる)が、特に旧スペイン領フィリピンビサヤ諸島あたりの水域に生息することが[162]、17世紀の西洋人によって言及されている。それは当時の複数の科学論や自然史の書籍に記載されている[163]

これらの書物の掲題では、その人魚のことをアントロポモルプス: Anthropomorphus)等[注 30]つまり「人間の姿をした[魚]」と命名しており、挿画でも半人半魚の男女の人魚に描かれており(上図参照)、人間に酷似することが強調される[164][158][注 31][注 32]

しかしながら、この「人型魚」は現地名をドゥヨン(duyon)と称すと文献にも記述されており[152][150][166]、フィリピンの海域にも分布するジュゴンのことだとみなされている[168]

この「人型魚」(ドゥヨン、ジュゴン)はスペイン人のあいだでは「婦人魚」を意味する呼称[注 33]、現代の標準スペイン語に直せばペス・ムヘールpeche mujer)と呼ばれていた[155][注 34][注 35]

このことは蘭訳本などを通じて江戸幕政下の有識者にも知られることとなり、へいしむれ[る]等と音写で本草学者などに取り上げられた[19]

18世紀モルッカ諸島[編集]

ルナール図譜
ルナール図譜のマーメイド
「怪物またはセイレーン(マーメイド)」[169]
―ルナール『モルッカ諸島魚類彩色図譜』第2版、1654年[170]
ルナール図譜のマーメイドのジュゴン
ジュゴン(同書)

モルッカ諸島の人魚、いわゆる「アンボイナの人魚」であるが[171]オランダ東インド会社(VOC)統治下、旧アンボン州での案件だったのでこの名がある[注 36]。現今マルク州ブル島で、1706–1712年頃その人魚は捕獲されたという。これを入手したというVOCの元兵士サミュエル・ファルールという人物が、極彩色で肉筆画にしたためており[171][174]、その委細や、絵を複製した銅版画[注 37]がルイ・ルナールの図鑑(初版1719年)に掲載され(右図上)[178][170]、次いでフランソワ・ファレンタインオランダ語版の図書(1726年)[179][182]に二番煎じ的に転載された[177][171][183]

司馬江漢がファレンタイン本の画を模写しており、それは大槻玄沢の『六物新志』[151]にも転載されている[184][181][177]

水槽に入れて4日間と7時間生きながらえさせることができたがハツカネズミ(小ネズミ)[注 38]のような声で鳴いたとされる[170][176]。絵で見ると、"腰にミノのようなもの"がついていると指摘されるが[185]、ファルールの原画に付随する添え書きによれば、同氏は前部・後部の鰭をめくりあげて、女性のかたちだと確認したのだという[186]

これも結局ジュゴンではないかという指摘は当時からあったようだが[注 39]、ファレンタインはこの人魚がルンフィウスが詳述するジュゴンとはけっして同一でないと反駁している[187]。胴長の人魚の絵は、海牛目にまるで似ておらず、ルナール図譜には、ジュゴンも掲載されている(右図下)ので、むしろリュウグウノツカイが元となったとほうが説得性があるいう魚類学者意見もある[188]

へいしむれるの薬効[編集]

洋書においては、この「婦人魚」(ペス・ムヘール)の骨などの部位が薬物になるとしていた。効能としては、骨が止血に効くとされる記述のほか[189][190][192]、下血に効くとするものや[193]、「体液の漏れ」(四体液説参照)に効くとするものがある[194]。『和漢三才図会』では倍以之牟礼へいしむれを"解毒薬"となすを説くが[196][21]、その典拠は解明できていない[197]

江戸期の日本の本草学の書物も、洋書の内容を踏まえ《へいしむれる》(人魚の骨)が血に関する薬としている。歇伊武禮児ヘイシムレールについては大槻玄沢『六物新志』(1786年) でヨンストンから訳出し、"止血(血を止む)"に効果があるとする[199]。だがこれより早く貝原益軒には下血に効くとされており[201][注 40]から引用できることが小野蘭山によって歴然となっている[202][注 41]

あるいは「体液の漏れ」の効果があるため、骨はビーズ[20][161](数珠つなぎに[21])加工される。蘭山もフェルビースト(『坤輿外紀』)を引いて、念珠にすることは記すが、服してはじめてその下血への効果があると理解されている[202]。だがバルトリンを引くと、肋骨をビーズに旋盤加工したものがに効くことは[注 42] デ・ラエ[注 43]が実体験しているとあり[138]、そのときの使用法は詳らかにされていないが、ローマではその骨のビーズのブレスレットを手首にあてがえば偏頭痛に効くとする[注 44][138]

「海人の女性(雌)の [骨の] ほうがより強力」な作用があるとヨンストンは記述しているが[205]、『六物新志』には欠落している。

フィリッピンの人魚(ぺイシ=ムレル、ドゥヨン)の味は、肥えた(脂ののった)豚肉のようだとコリンは感想を述べている[206][注 45]

中国の人魚[編集]

中国の人魚については、半身半魚とも半身半龍とも認識されておりこれらの図像が交錯している[208]

山海経』の「人魚」は河に住む生き物で、四足の(一解釈にサンショウウオ[210])に似るとされる[209][214]。人面とは書かれていないが、同書は䱱魚について𥂕(猿の一種との説あり[210])の如しとしている[209][213][注 46]

その他『山海経』には、人面の魚のような怪異・奇種として、赤鱬せきじゅ中国語版[218]氐人ていじん中国語版[219]陵魚中国語版が挙げられる[220][209]

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中国ではげいという山椒魚(オオサンショウウオ)の類が、「人魚」とも呼ばれた[21]

赤鱬[編集]

赤鱬(せきじゅ。せきだ[221])については、『山海経』「南山経」青丘(せいきゅう)の山の条に赤鱬について“英水ながれて南流し、即翼(そくよく)の沢に注ぐ。水中には赤鱬が多く、その状は魚の如くで人の面(かお)、その声は鴛鴦(おしどり)のよう。これを食うと疥(ひぜん)にならぬ”とある[222]。一種の食餌療法である[221]

氐人[編集]

『海内南経』に「氐人国は建木の西にあり。その人となり、人面で魚の身、足がない」とある[223]氐人は、人の胸から下が魚になったような姿をしているとされる[224]鳥山石燕も「人魚」は「氐人国の人なり」と記している[225][226]

陵魚[編集]

陵魚は鯪魚とも作り、すでに『楚辞』「天問」に言及がある[227]。『海内北経』の姑射(こや)国の条に「陵魚は人面で手足あり。魚の身。海中にあり」としている[228]。4本の足を持つ人面魚である[224]。日本の平安時代の語彙集『和名抄』でも、人魚の別名に陵魚を挙げている[注 47][注 48][230][231]

蛟人・鮫人[編集]

中国の蛟人鮫人[注 49][236][238][239]。とくに半人半魚とはされていないが[注 50]、海棲で[241]、棲み処は鮫人室と呼ばれ、"天然の宝や水中の怪"(増子意訳)のある場所である[242][243]。別名が泉先や泉客であるとする(『述異記』)が[236]藪田嘉一郎は、これを泉山地方(現今の福建省泉州 (隋)中国語版)の海人(あま)のことだと考察する[244]

蛟人については幾つかの文献に同様の記述があり、概して南海の水中に棲み、流す涙は真珠となり、機織りを巧みとすると伝わる(『博物志』中国語版[245]、『捜神記[246]、『述異記』[236][247][243]

蛟人の布は蛟綃紗(龍紗)といい、この生地で服を作れば水に入っても濡れることがないという[243][238]

海人[編集]

淮南子』巻四では、人類を含む各種動植物について独自の進化論が記述されており[248]、「𥥛は海人を生み、海人は若菌を生み、若菌は聖人を生み、聖人は庶人を生んだ。すべて𥥛(薄毛)のあるもの(𥥛者。現生人類)は庶人から生まれた(口語訳)」と書かれている[注 51][249]

この一文は難解だが、楠山春樹は、𥥛[注 52]から段階的に進化を重ねた結果最終的に生まれたのが𥥛者(現生人類)であると解釈した[249]

また、海人は一種の海棲人類であるという説もある。加藤徹はこの一文を、𥥛(細毛におおわれたサル)から海人(海棲人類)、若菌(意味未詳)、聖人(完成された古代の人間)を経て庶人(普通の人間)が生まれ、やがて「およそ𥥛なる者」(未来に出現するであろう退化した人間)に至る進化と退化と解釈した[250]

海人魚[編集]

鱗ではなく毛が生えている中国版マーメイド。

日本の人魚[編集]

日本の文献上の初出は淡水産の生物(『日本書紀』)とされるが、以降はほぼ海棲の人魚の例である[注 53][251]。また古くは、日本の人魚はヒト状の顔を持つ魚と伝承されていたが[注 54]、遅くとも江戸時代後期にはヨーロッパ同様、ヒトの上半身と魚の下半身を持つ姿と伝えられるようになる。

八百比丘尼伝説で、人魚の肉が不老長寿をもたらすとされることが有名だが、江戸時代にもその絵をみると長寿をもたらすとする瓦版の例がみられる[注 55]

人魚は一匹と数えるのが一応正しいとされるが[252]、一人と数える見解もある。架空の動物は、人に恋をするなど、人と"同類"と考えられる場合は一人と数える[253]

古例[編集]

人魚を八百比丘尼が食したのが清寧天皇5年(西暦480年)で、人魚出現の最古例と藤澤衛彦はしているが、口承伝承なのか文献資料が確認できない[254][注 56]

飛鳥時代[編集]

以下、『書記』に記される近江国・摂津国の人魚について述べる。

つぎに推古天皇5年(619年)4月に近江国蒲生河に出現した、また7月摂津国の堀江(堀江川運河)で網にかかった、という各事案が『日本書紀』に記載されており[257]、これが文献資料に裏打ちされた最古例とされる[258]

これらの古例は海棲でなく淡水(川)でみつかった人魚であることが指摘されるが[259][251]。その「姿は児のごとし」ということから、それはオオサンショウウオであろうと南方熊楠は仮説している[260][261]

「人魚」だとの明言は日本書紀にはない[262][263]。推古女帝の摂政であった聖徳太子が「人魚」という語で言及したと、のちの『聖徳太子伝暦』には伝えられているが、実際にその言葉を用いられたか疑問視される[264]。日本書紀の編纂に用いられたどの史料にもおそらく「人魚」は使われておらず[263]、あるいはその頃まだ日本にはまだ「人魚」という語が成立していなかったのだろう[265]

人魚は禍をもたらすものと聖徳は承知していたと『伝暦』に記されるが、[264]、江戸時代の浅井了意『聖徳太子伝暦備講』では、さらにその時代の漁師はもし網にかかっても逃がす風習であると解説する[266]。聖徳太子は、近江国の人魚が出現したことを凶兆と危ぶみ、当地に観音菩薩像を配置させたと、滋賀県願成寺の古文書では伝えるという[267][259][注 57]。滋賀県の観音正寺の縁起によれば、聖徳太子が琵琶湖で人魚に出会い、前世の悪行で人魚に姿を変えられたと聞き、やはり観音像を収めて寺を建てて供養したのが寺の由来だという(観音正寺および「§人魚のミイラ」に詳述)[269][270]

奈良時代末期[編集]

以下、『嘉元記』に記される出雲国・能登国の人魚について述べる。

ついで古い2件は、天平勝宝8年/756年 出雲・安来浦(ヤスイの浦)に漂着し、宝亀9年/(778年)能登・珠洲岬(ススノミサキ)に出現したというもので、法隆寺の古い記録とされる『嘉元記』(貞治2年/1363年頃成立)に記載される[271][272]

中世[編集]

平忠盛に献上[編集]

以下、『古今著聞集』所収の伊勢国の人魚について述べる。

平忠盛(1153年没)が刑部少輔を退いたのち、伊勢国別保(べつほ/べっぽう。三重県旧・安芸郡河芸町、現・津市河芸地域)に居を構えたとき、浦人たち(浦辺に住む漁師や海女など[273])が、3匹の異様な大きな魚を網でとらえたという。鎌倉時代中期1254年に成立した『古今著聞集』に所収された説話にくわしい[279]

頭部は人のようだが歯が魚のように細かく"口が突き出ていて猿に似"、胴体は魚のようで、「人魚」ではなかろうか、と記される。一匹は浦人たちみんなで切り分けて食べてしまったが、特に症状や効能はあらわれず、美味だったという[注 58][279][278]

みちのくの人魚[編集]

(陸奥・出羽国。『吾妻鏡』『北条五代記』等所収。)

鎌倉時代より陸奥国出羽国の浜に人魚が打ち上げられることが度々あると、同時代以降の文献にみられる。より後期の書物例では『北条五代記』(1641年刊)に記述があり、それぞれの例が戦乱か凶事の前兆だとしている[283]

いずれの例もほぼ『吾妻鏡』(1266年まで)や[289][290]『北条九代記』(鎌倉年代記、1331年)にも記載されているが[286]、"人魚"ではなく"大魚"・"怪魚"の扱いである[289][286]。そしてこれら鎌倉時代の文献においてもやはり藤原滅亡や和田義盛の乱などの前触れとされている。

宝治元年の例が主題になっており(『吾妻鏡』宝治元年五月二十九日の条)、四つ足を持ち、死人のよう[289]、"手足をもち鱗が重なり、頭は魚と変わらず"などと形容されている[286]。この人魚(大魚)が上がった奥州の海もそのとき水が赤かったのだという[286][289]。あるいはそのとき東北で赤潮現象が起きていたのだろうと考察される[291]

宝治元年の例は、『本朝年代記』[294]貞享元年/1684年刊)にもあるが日付が3月20日になっているので、西鶴はその記載を参観して作品[295]に取り入れたのだと考察される[297][注 59]。『本朝年代記』では「形は人の如し、腹に四足あり」とする[294]。 由比ヶ浜の海が血で染まった戦いも、この人魚の死にちなむものだとしているが、

この他にも鎌倉時代の人魚の出現例は他の史料(『嘉元記』等[272])に記録されている[271]

八百比丘尼伝説(若狭国)[編集]

八百比丘尼は、人魚や九穴の貝(あわび)等を食べたことで長寿になったと伝わる比丘尼である[299]

文安6年/1449年5月に若狭国より京都に現れたとされ、年齢は800歳だがその姿は15歳から16歳の様に若々しかった。そのときに1000年の寿命を使わずに死んだと伝わるので、その設定上では太古に出生した人物ということになるが(上述の通り480年に人魚を食したとされる[254])、その出現について記した文献は中世室町時代の『康富記』や『臥雲日件録』である[299]

福井県小浜市福島県会津地方では「はっぴゃくびくに」、栃木県西方町真名子では「おびくに」、その他の地域では「やおびくに」と呼ばれる[300]

江戸時代[編集]

日本における「人魚」は、本来は「人面魚」的な体形が主流だったのが、西洋の影響をうけて下半身が魚と言うイメージが江戸時代頃に定着したのだろう、という説がある[注 60]

洋書における「婦人魚」の描写・図像、およびその骨・肉の薬効についての記述が、人魚の特徴や生薬用法として江戸時代の本草学者の書物(貝原益軒『大和本草』、寺島良安『和漢三才図会』、大槻玄沢『六物新志』ほか)で紹介されている点は既に述べた(§へいしむれの薬効を参照)[19]

しかし、本草学者の書物などの多くは漢籍に頼っており、中国の文献にも人魚系を、特に女性である、としたり、半身が魚であるとしたりするものはあることが指摘される[304]

西鶴[編集]

『武道伝来記』(1687年)挿絵

江戸時代の文学例では、井原西鶴の『武道伝来記』(貞享4年/1687年刊)が挙げられるが[15][注 61]、その作品で世間に伝わるという、鶏冠とさかをもち、下半身が金色の鱗におおわれ黄色い尾鰭をし、人魚の容姿について述べている。その声はヒバリのさえずり(ヒバリの鳥笛)のようだとされる[307][308]

文中では四肢が「瑠璃(宝玉)を延ばしたよう」であるとされているが、挿絵は食い違っていて足はなく魚の尾びれになっており、とさかも欠ける[309]。また文中では半弓をかまえた(撃った)ことになっているが、絵では武器が鉄砲にすりかわっている[309][310]

絵本小夜時雨[編集]

『絵本小夜時雨』二
「浪華東堀に異魚を釣」[311]

江戸時代の古書『絵本小夜時雨』の二「浪華東堀に異魚を釣」に記述がある。寛政12年(1800年)、大阪西堀平野町の浜で釣り上げられたとされる体長約3尺(約90センチメートル)の怪魚。同書では人魚の一種とされるが、多くの伝承上の人魚と異なり人間状の上半身はなく、人に似た顔を持つ魚であり、ボラに似た鱗を持ち、人間の幼児のような声をあげたという[311]。水木しげるの著書には「髪魚(はつぎょ)」として載っている[312]

越中の人魚(海雷)[編集]

人魚圖にんぎょのず」。文化五年の瓦版[259][313]

文化5年(1805年)「人魚図。一名海雷」と題する瓦版(右図)によれば、この年の五月、越中国放生淵四方浦に大型の人魚が現れた。全長は三丈五尺(約10.6メートル)。頭が長髪の若い女だが、金色の角が二本生えている。頭以下は魚体で、脇腹の鱗の間に3つ目がついている。尾は鯉のそれに似る、と瓦版に書かれる[313][314]。絵図では人魚の片側しか書かれないが、胴体の両側面に3つずつ目がついているものと本文にある[314]。体に目がついているというのは、同じ越中国に出現したとされる予言獣「(くだん)」に共通しており、関連性が指摘される[315]

人々は怖れをなしたか、450丁もの銃で撃ちとめたとしたといわれる[313]。ところが、「此魚を一度見る人、寿命長久し悪事災難をのがれ福徳を得る」とこの瓦版では付記されているのが注目に値する[314]

梅園魚譜[編集]

人魚の肉筆画(正面図)
―『梅園魚譜』

毛利元寿もとひさ『梅園魚譜』(文政8年/1825年)にみられる極彩色の人魚の図は[118][316]、魚の尾などをつぎあわせて工作された「剥製」(§人魚のミイラ)を描写したものであると考察される[13]

こうした剥製を模した別例に松森胤保によるスケッチ(安政3年/1856年)が挙げられる[13]

凶兆・瑞兆[編集]

上述のように、『聖徳太子伝暦』(伝・10世紀初頭)では人魚を不吉の象徴とみている。日本各地に伝わる人魚伝説に、人魚を凶兆とみなす例はほかにもあり、『諸国里人談』によると、若狭国(現・福井県南部)で漁師が岩の上に寝ていた人魚を殺した後、その村では海鳴りや大地震が頻発し、人魚の祟りと恐れられたという[317]

人魚が恐れられたのは、一説によれば、中国の『山海経』に登場する、赤子のような声と脚を持つ人魚の描写が影響していると考察される[269]

一方では吉兆との説もあり[318]、寿命長久や火難避けとしても崇められたこともある(§予言獣参照)。

予言獣[編集]

江戸時代に災害を予言し、自分の図絵でもって除災せよと教示したと伝わるアマビエなど予言獣は、その典型例に、人魚も含まれるとされる(湯本豪一による研究比較)[319][320]

予言する「人魚」の例としては、嘉永2年(1849年)の町人日記の記載(摺物によるものかと推察)がある[322][323]

しかし、人魚以外の予言獣も、人魚や類種や一類型として考察される。肥後国で疫病の流行を予言したアマビエ(弘化3/1846年)も「くちばしを持った人魚のような」容姿だと形容されており[324]神社姫・姫魚(文政2/1819年)も「人魚に近い幻獣」や[325]、人魚の一種と解説される[326]

日本各地[編集]

アイヌソッキ[編集]

アイヌ民話で北海道内浦湾に住むと伝えられる人魚によく似た伝説の生物。八百比丘尼の伝説と同様、この生物の肉を食べると長寿を保つことができるという[327]。文献によっては、アイヌソッキを人魚の別名とする[328]

人魚供養札[編集]

秋田県井川町洲崎(すざき)遺跡(13-16世紀、鎌倉室町期)出土の墨書板絵の一つに「人魚供養札」がある。これは民話ではなく、出土遺物であるが、僧侶と人魚が描かれた中世における物的資料である。井戸跡から見つかり、長さ80.6センチメートル。魚の体に両腕と両足が描かれ(尾びれはある)、人の顔だが髪はなく、鱗で覆われている。板絵を観る限り、僧侶より小さい体であるが、犬くらいはある。前述の『古今著聞集』の記述とは形体が違い、四足動物のような外見(両生類とも半魚人ともいえぬ姿)をしている[329]。西洋的分類としては、魚人に近い面がある。国立歴史民俗博物館准教授・三上喜孝は、鎌倉幕府の歴史書である『吾妻鏡』を参照の上、不吉な出来事を避けるために供養したのではないかという説を唱えた[330]

沖縄・奄美大島[編集]

沖縄県石垣島でも明和の大津波を予言したザン(ジュゴンのこと)の伝承がある。

また、鹿児島県奄美大島の『南島雑話』に人魚の絵が記されている。人魚と記載されてはいるが、外見はヒトのように2本の足を持つ。打ちあげられたまま放置され、数か月後に腐乱したとある[331]

人魚のミイラ[編集]

日本各地では、人魚のミイラあるいは剥製と称して猿の頭・胸部に魚類の胴体・尾を継ぎ合わせたものが、西洋向けの土産品として作成されていた。魚はスズキ型の種類が選ばれている[13]。中国広東州でも、コイ科の魚や他種[注 62]を合成して巧みに人魚が作成された[13]

また、人魚のミイラか剥製、また体の一部を保存したと称する物品が、日本各地に伝えられている。

  • 滋賀県願成寺の美人尼僧に恋し、人間に化けて通っていたが、捕えられ殺されたと伝わる人魚のミイラ[267]
  • 滋賀県観音正寺。もと琵琶湖の人魚のミイラ。もとはこの湖(堅田浦)の漁師で、無益な殺生の業ゆえに人魚の姿となりはて、魚に生き血を吸われるという畜生道に落ちた。聖徳太子が通りかかり、不憫に思って観音像を手づから刻んで収め、この寺を建立させたと縁起に伝わる。成仏した人魚男はミイラとなった。伝・ミイラは現存したが1993年焼失[270]
  • 和歌山県橋本市、高野山の麓、西光寺の学文路苅萱堂(かむろかるかやどう)には全長約50センチメートルの人魚のミイラがあり、不老長寿や無病息災を願う人々の信仰の対象となっている。2009年3月、和歌山県有形民俗文化財に指定される。伝説の生物が都道府県の文化財に指定されるのはこれが初[332]
  • 博多津に人魚が出現した際には国家長久の瑞兆と占われ、人魚は龍宮寺(博多区)に埋葬された。龍宮寺には今も人魚の骨が伝えられている[333]

海外の和製ミイラ[編集]

いわゆる「フィジーの人魚」という人魚のミイラが有名である。これは、そもそも日本人が作成した偽造標本とされる[334][335]。アメリカの捕鯨船の某船長が5000米ドルでバタビアで買いつけ[335]、ロンドンで展示会を開催(1822年)するも不発に終わる。セント・ジェームス街英語版にあったターフ・コーヒー=ハウスという店で展示されており、ジョージ・クルックシャンクが人魚の銅版画を発表している[335]。1842年に標本はアメリカに渡り、興行師P・T・バーナムの見世物となって名声を博した[335]。この標本はおそらく焼失してしまっており[334]、鑑定不能である。

現存するピーボディ博物館蔵の「フィジーの人魚」は、形態も異なる別の物品であるが[334][注 63]、同博物館によればこの物品の頭と体幹部分はパピエ=マシェ(張り子)製だという[336]

大英博物館蔵の人魚のミイラ(「マーマン」、あるいは「マーメイド」)はサルの上半身と魚類の尾を継ぎ合わせたものと鑑定されているが、これもコノート公爵アーサーが、日本の有末清二郎(ありすえ・せいじろう)という人物から入手している[334][337]

岡山県浅口市鴨方町の円珠院に伝わる「人魚ミイラ」については倉敷芸術科学大学の調査により、上半身は霊長類、下半身は魚類の特徴を持つことが判明した[338]

アジアの人魚[編集]

日中以外のアジア地域にも人魚の伝承はある。

浪奸物語[編集]

高句麗の都・平壌に伝わる人魚伝説。あるとき李鏡殊(イ・ジンスウ)という漁夫が龍宮へ行って1日を遊ぶ。帰るときに、食すると不老長寿になるという人魚をもらった。訝った李鏡殊は食べずに隠しておいたが、娘の浪奸(ナンガン)がそれを食べてしまう。彼女は類い稀な変わらぬ美貌を得たが、結婚や子宝には恵まれなかった。300歳のとき、牡丹峰に登り、そのまま行方不明となった[339]

この朝鮮の浪奸(ろうかん)伝説が日本に伝搬し、八百比丘尼説話の元になったのではないかという説がある[340]

シンジキ(シンジケ)[編集]

全羅南道巨文島(コムンド)の人魚。色白で長い黒髪を持つ。絶壁に石をぶつけたり音を立てたりして暗礁への座礁を警告してくれる、あるいは台風から救ってくれるという伝説がある[341]

タクラハ[編集]

台湾サオ族の伝説。日月潭に住んでいる人魚。

サバヒーの王[編集]

フィリピン・レイテ州ヒロンゴス(Hilongos)市の民話。ファナとファンという夫婦がいた。子を宿したファナがサバヒーを食べたがるのでファンは毎日漁に出た。 ある日、サバヒーが釣れなくて悲嘆にくれるファンに、サバヒーの王は取引を持ち掛ける。毎日サバヒーを届けるが、生まれた子が7歳になったらサバヒーの国に連れていくという条件だ。―取引成立。ファンは毎日サバヒーの豊漁に恵まれ、女の子が無事生まれた。マリアと名付けられた娘は7歳になったが、ファンは所詮魚との約束、と反古にしてしまう。マリアには海に近付かないよう言い聞かせた。ところが、村の外から来た船が入港すると、好奇心に負けたマリアは海に近付き、そのまま高波に飲まれて行方不明となる。何年か後、その付近に人魚が現れる[342]

オセアニアの人魚[編集]

シレナ[編集]

グアム島に伝わる人魚伝説。詳細は「シレナ」の項目参照。

シレナという若い娘が、母に雑用を言いつけられる。初めは精を出して取り組むが、すぐに冷たい水に飛び込み、それを投げ出してしまった。シレナは雑用を終えることなく、一日は過ぎ去った。母は怒りと欲求不満にまかせてシレナに宣告した。「そんなに水が好きなら魚にでもなっておしまい!」それを聞いていた名付け親は、せめて下半分だけ、と呪いを軽減した。誕生したばかりの人魚は外洋へ泳ぎ去り、グアムに戻ることはなかった[343]

パプアニューギニアの人魚[編集]

パプアニューギニアニューアイルランド島東海岸に住むナケラ族の伝承と民間信仰に登場する。人類学者のロイ・ワグナー英語版は、1960年代から70年代にかけてパプアニューギニアで現地文化に関する聞き取り調査を行った。そのなかでリ(ri, Ri)と呼ばれる生き物の話を大量に採取した。リは空気を呼吸し、ヒトの頭部・腕・生殖器と魚の下半身(一対の鰭)を持つという[344][345]。"Ilkai", "Pishmeri"はこの動物の別名である[346]。マングローブの端や海辺に生息する。美しい音楽を奏でるともいう[347]

ニュージーランドの人魚[編集]

マオリ族の民間信仰に登場する女性タイプの海の精。リー(Ri)と呼ばれる[348]

中南米の人魚[編集]

イアーラとイプピアーラ[編集]

現代ブラジルの伝説では、イアーラ英語版は、河川に棲むという美女で、男を誘惑するが、特に漁師がその犠牲になり水の奥底に引きずりこまれると言われる[349][350][351][注 64]

イアーラは次第にヨーロッパの人魚観の影響を受けて、「魚女(ペイシェ=ムリェール)」とみなされるようになった[353][354]。今ではイアーラは白皙人種のようだとも[349]金髪とも言われるが[351]、民俗学者のカスクード英語版によれば19世紀後半までは、金髪碧眼のイアーラの例は寡聞だという[355]

イアーラはそもそも2つの原住民の伝説、水魔イプピアーラ[注 65]と大蛇コブラ=グランデ英語版に由来するが、ポルトガル人のモウラ・エンカンターダポルトガル語版('魅惑的なモーロ人/黒人女性')伝説も習合されていというのが、早期のカスクード説の骨子である[356][注 66]

イアーラ伝説は、18世紀頃、先住民のトゥピナンバ族英語版[注 67]に伝わるイプピアーラポルトガル語: Ipupiara)の伝承をもとに形成されたと考察されている。イプピアーラは、本来は男性(雄)のみの魚人で、漁師を水底に引きずり込み、口、鼻、指先、性器を食らうのだと言われた[350]

大航海時代になるとヨーロッパの書物等によって伝搬されたが[350]、そこでポルトガル人等の手によってイプピアーラの女性化がおきた。ガンダヴォポルトガル語版(1576年)[注 68]は、人間の女性のような乳房をした怪物の図を掲載し、イエスズ会宣教師カルディムポルトガル語版(1584年)は[注 69]、女性(雌)もいるとして、長髪の人間の女性のようだと述べている[357]。これはキリスト教圏の悪女観[注 70]が影響していると考察される[357]

さらにアフリカ人奴隷英語版が移入された時代になると、ヨルバ人民俗神話英語版におけるイエマンジャー女神(: Iemanjá; ヨルバ語: Yemọja)の要素が加わった[350]

リバーマンマ(River Mumma)[編集]

ジャマイカに伝わる川の人魚の女性。

すべての魚はリバーマンマの子であると伝えられる。長い黒い髪をとかしている姿が目撃されるというが、近づいてはならない。リバーマンマは、足首をつかみ川に引きずり込もうとする、反対に彼女を捕まえようとすると川の魚は消え、川が干上がってしまうと言う人もいる。青く静かな水がたたえられている深い川の、ヤシ、シダ、植物のつるで覆われた場所に棲むが、その川の底には黄金のテーブルが隠されている。これは、スペイン人が金を求めて旅をしたとき、純金でできたこのテーブルを残したもので、リバーマンマはそのテーブルを守っている。しかし、炎天下の暑い日の正午頃に、黄金のテーブルがゆっくりと水面に浮かび上がり、見えることがあるという。

アフリカの人魚[編集]

人魚を釣った男[編集]

マダガスカルの民話。ブトゥという貧しい漁師が、ある日川で美人の人魚を捕らえる。人魚は、ブトゥが妻を欲しがっていたのを知っていて、そのために彼の網に入ったのだという。人魚は人間の姿に変身すると、自分の正体を秘密にするという条件でブトゥの妻になった。人魚は不思議な力を持っており、ブトゥの生活は楽になった。ところがある日、ブトゥは酔った勢いで妻の正体を明かしてしまう。妻は不思議な力でブトゥの家を以前のみすぼらしいものに戻し、川に帰ってしまった。翌朝、酔いがさめたブトゥがどんなに後悔してももはや手遅れであった[358]

マジュンガ州ソフィア地域圏アンツォヒヒに伝わる話として川崎奈月が採話[358]

現代美術・文学・大衆文化[編集]

人魚姫の像[編集]

ハンス・クリスチャン・アンデルセン作の物語である『人魚姫』を記念して作られた「人魚姫の像」は、人魚姫の物語を演じたバレエに感銘を受けた、カール・ヤコブセン(カールスバーグ醸造所創立者の息子)の要請で、彫刻家エドヴァルド・エリクセンにより1913年に制作された。そのバレエの主役を演じ、当時デンマーク王立劇場のプリマドンナであったエレン・プリースがモデルだったが(厳密には真偽不明[359])、彼女が裸体モデルを拒否したため頭部のみのモデルとなり、エドヴァルドの妻エリーネ・エリクセンが、首から下のモデルとなっている。アンデルセンの原作では、腰から下は魚だったはずだが、この人魚像は足首の辺りまで人間で、そこから先が魚のひれになっている。神谷敏郎によると、作者は可憐な姫を魚体にすることを不憫に思って人の脚に近い造形にしたとのこと[360]コペンハーゲンの港に設置されている。

西洋絵画[編集]

人魚と陸に残した子供
―"The Land Baby" ジョン・コリア(画)、1899年。

例として19世紀英国ラファエル前派の画家ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス『人魚』(A Mermaid, 1900/1901年、冒頭図)が挙げられるが、典型な持物である手鏡と櫛を手にし、長髪を梳く[361]誘惑の女(temptress)のイメージで描かれている[361]。絵の人魚は赤髪ないし赤茶髪英語版で、これは愛の神ヴィーナスの毛並みと一致し[362]、また人魚の手鏡や櫛もこの神の持物に由来するという論説の展開する論もみえる[364](一方で、この絵の鏡には「貞淑」や「節制」の意味も込められるのだという評論もされる[365]

ウォーターハウスの『セイレーン』(The Siren、1900年)も、人魚の一種として書かれているが、「男を破滅させる魔性の女(ファム・ファタール)」のアレゴリーが打ち出されてるという美術評論がされている[366]

日本の文学[編集]

人魚を題材とした日本文学としては、小川未明赤い蝋燭と人魚』が有名。現代日本ではアンデルセンの『人魚姫』が広く知られており、詩や歌詞において、叶わぬ恋や報われない愛の象徴として人魚が用いられることがある。たとえば田村英里子「虹色の涙」、岡田有希子「十月の人魚」、中山美穂人魚姫 mermaid」など。また、太田裕美赤いハイヒール」でも、おとぎ話の中の人魚姫が赤い靴を一度履いたら死ぬまで踊り続けると言及し主人公自身の心情と重ね合わせている。

その他[編集]

パラオ共和国では1992年以降海洋生物保護の記念硬貨を発行しているが、意匠に人魚を取り入れたものもある[367]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 古くは人頭の怪鳥のかたち。
  2. ^ 『ベルンのフィシオログス』英語版(9世紀、絵のみ)[1]フィリップ・ド・タオン英語版(12世紀前半)などの例がみられる[2]
  3. ^ 28都県(高橋晴美の調査)。
  4. ^ 本来北極圏などに生息するアゴヒゲアザラシ種のタマちゃんが都内に現れたのは周知の事実である[9]
  5. ^ §18世紀モルッカ諸島の人魚(司馬江漢が模写した図)も参照。
  6. ^ また、古いケルトの伝承では、人間と人魚の間に肉体的な外見上の違いはなかったとされている[32]
  7. ^ 一例としてクリスチャン4世の生誕の予言を挙げる。
  8. ^ 人類でないのだから、「ハヴマン」のような「人」の尊称をふくむ名称を避けるべきで、「海猿」(デンマーク語: hav-abe)のような造語で呼ぶべきだと説いている。更には「ハヴ=クオイアス・モルロウ Hav-Quoyas Morrov」なる名も提案している。「クオイアス・モルロウ」というのはアンゴラでみつかる類人猿の、現地名由来の名であり、アンゴラでは人魚が発見されたという例もあることから提案したと説明される。
  9. ^ ファイエは上述のポントピダン司教(第8章、海の怪物等々)を典拠に挙げているが、司教は当時において近年の目撃例を詳述している。1719年の例は全長3ファゾム (5.5 m)の大型で、濃灰色、足ヒレがアザラシに似ていたが、鯨類に属すと意見されている[63]。1723年の例(Andreas Bussæus 1679–1735 の著述に拠る)は、老人に似て、黒い巻き毛、黒い顎髭を持ち、荒い肌だが毛で覆われるとする。一目撃者が、胴体が魚のごとく先端に向かってすぼまっていると観察した[64]
  10. ^ ベンジャミン・ソープ[62]、のちフレッチャー・バセット[68]は、マルギュグル、マルメニルををあたかも19世紀のノルウェー民間人が使っていた言葉のように解説するが、かれらの原書であるファイエは古語例として備考に述べたにすぎないので、添加内容(改ざん)といえる。
  11. ^ margýgur, hafgygur ('mer-troll'), haffrú ('sea-maid'); mey-fiskr ('maiden-fish').
  12. ^ スウェーデンでは他にも、sjö-kona ('海の女'。エストニア[ルフヌ島]]方言:sjö-kuna[75]なども'海の女'を意味する人魚名。
  13. ^ 「人魚の伝言」型(": The Mermaid's Message"; ノルウェー語: Havfruas spådom)。移動伝説の英名("Migratory Legend")よりML番号と略称される。
  14. ^ グリーム・インギャルズソン Grímr Ingjaldsson。『植民の書』に記述。
  15. ^ スカールム Skálm という牝馬が、積荷の下になったまま地べたに伏した場所。
  16. ^ "Hafsfmannen"
  17. ^ "Rosmer Havmand"
  18. ^ 蛇足だがイプセンの戯曲「ロスマースホルム英語版」の主人公名称は人魚ロスマーに着想を得ている。
  19. ^ "Hafsfrun"/"Havsfruns tärna"
  20. ^ "margygr, hafgygr ('mer-troll')".
  21. ^ 中野他訳にもあるようトリトンはもとは一柱の「半身半魚の海神」だったが、後にトリトンという不特定多数の海の怪異のこととされた。
  22. ^ リスボンの使節団がティベリウス帝に報告した内容が一般のトリトンの図像と合致する、ということ。
  23. ^ リオ・デ・オロ(現今のヤケ・デル・ノルテ川英語版)。
  24. ^ 森田は「ハドソンの人魚は、全身乳白色で美しい声を出すところから「海のカナリア」と呼ばれるベルーガ(シロイルカ)か」イッカクと推察する。
  25. ^ ラテン名ペトルス・パヴィウス
  26. ^ 同書に詳述されるが、ブラジルで(オランダ)西インド会社の商人が「海人(ホモ・マリヌス)」を捕え[144]、のちライデン市で解剖[143][138]。執刀はピーター・パーヴ英語版[注 25]で、ヨアネス・デ・ラエ英語版(西インド会社理事)が同席、ラエと友誼をまじえるバルトリンが、手と肋骨数本を贈答されたと述べられる[138]
  27. ^ バルトリンは首がなく(頭がそのまま胴体につながる)、乳を分泌する乳房をもつ個体について説明しているが[143]、これはじつはブラジルではなく南アフリカの喜望峰ちかくの「クアマ川」で捕獲された個体についてベルナルディーノ・ジンナーロ(ベルナルディヌス・ギンナルス、1577–1644)より引用した内容である[138]
  28. ^ 「海馬」は、水象牙を得られる生物。南方はノルウェー語ロス・マーと(セイウチ[146])と説明しており、「ユニコール」解釈を"駁して"いるがエラスムス・フランシスキ英語版の挿絵でも明らかである:Francisci 1668, p. 1406 向かい Plate XLVII
  29. ^ この勇斯東(ヨンストン)よりの模写とする絵が、『六物新志』(「人魚図」牡・牝)に転載されている[151]
  30. ^ アントロポモルポス Anthropomorphos と、原書(キルヒャー[152]やヨンストンのラテン語版では綴っている(上図、銅版画の見出し参照)[150]。これをヨンストンのオランダ語訳の本文では Anthropomorphus に綴りを変えているものの、銅版画は同一を使いまわしているので Anthropomorphos のままになっている[164]
  31. ^ 細かい点だが、原典(キルヒャーやヨンストンのラテン語著作物)のなかでは「ピスキス・アントロポモルポス」(: piscis anthropomorphos; : ανθρωπόμορφος)と称してラテン語とギリシア語の合成語になっている(なお原文ではpisceと綴るがこれは奪格、すなわち「○○魚について De~」の句形の用法で、主格に直すと piscisである。)[152][150]
  32. ^ このほかインド人(原住民)が人魚と夜毎に性交を行い、その胸から下は人間の女性のようだったという証言(懺悔内容)が記録されている[161]
  33. ^ スペイン語名は、当時の書籍によって綴りがだいぶ異なる。すなわち近世スペイン語スペイン語版名は、ぺチェ・ムヘル(peche muger,[152])、ペス・ムレル/ぺシェ・ムレル(pez muller, pexe muller[159])などである。カナ表記は暫定。
  34. ^ なお、ヨンストン『図譜』1660年蘭訳本[164]からの重訳になると、"「ペッヒ・ムーヘル」,すなわち婦魚と呼ぶ。"と九頭見は音写するが[158]、それだとオランダ式発音なので本文では置く。
  35. ^ ナバレテは、そのやや後年の著述で、そのラテン訳名ピスキス・ムリエル(piscis mulier[20])を記載する。南方は"ラテン語ペッセ・ムリエル、婦人魚の義なり"と説く[21]
  36. ^ バッセット(1892年)は「モルッカのセイレーン Molucca siren」と呼び直している[172]
  37. ^ ハンドカラーリング英語版法で着色されているので極彩色[175]
  38. ^ じっさいは原書のフランス語の"souris"、英語のmouseは、ハツカネズミ属に限らず様々な小型げっ歯類の総称である。
  39. ^ そしてルナール図譜の英訳版の編訳者 Pietsch もジュゴン説を支持[176]
  40. ^ 『坤輿外紀釋解』(嘉永5年)があるのでそれ以前。
  41. ^ 益軒(1709年)の下血効能は、ヨンストンにも記載されているのだと九頭見は講じているが[203]、「止血」と「下血」は異なると言えよう。
  42. ^ 旧医学では痔は"体液の漏れ"の一種と解されていた。伝ヒポクラテス著『痔疾の書』による[204]
  43. ^ 原文ではここはデ・ラエ英語版のラテン名ラティウスを用いる。
  44. ^ カッシアヌス・ア・プテオことTemplate:カッシアーノ・ダル・ポッツォから得た情報とする。
  45. ^ 『六物新誌』のヨンストン訳によれば、皮膚に黒色斑点がある症状は、肉を患部に貼るとそれが解消されるとしている[157][207]。しかしながらJonston オランダ語原文 "Een ander zeit, dat haar visch op het menschen-vleesch geleidt, zo krachtich al de geesten to zich trekt, dat hy den mensch als verdooft maakt".[164]に照らすと、"他者いわく、この魚[人魚]は、人間の肉[欲]を誘導し、すべての精神を強力に惹きつけ、麻痺させてしまう"とまったく違うことが書かれている。『六物新誌』の"黒色斑点"というのは、じつは玄沢が訳しもらした「より強力な雌雌海人の骨」(上注参照)を区別する特徴なのである。
  46. ^ 『山海経』「中山経」本文では𥂕蜼は不詳とあるが[209]、注釈者呉任臣中国語版の提案によれば𥂕蜼とは蒙頌もうしょうのことであり[215]李時珍本草綱目』によれば蒙頌は猿の一種である[216]。しかしこれについては別の解釈の余地もある。任臣は䱱魚を「」の類だともしており、蒙頌はマングースのことだともされている[217]
  47. ^ 『和名抄』は、『山海経』を引いて小児のような声を発するためこの名があるとしている。
  48. ^ ちなみに「鯪鯉」とは哺乳類のセンザンコウのことだと『本草綱目』には記される[229]
  49. ^ 「蛟人」または「鮫人」とも表記されるが、人魚の認識が龍人から半魚人へと変遷したと論考される[232]も人魚のうちに数えられている[233][232]。『述異記』のいくつかの箇所に記述がみえる。
  50. ^ 『山海経』「海内南経」に雕題国中国語版の項があるが、郭璞注によればこれは顔や体に鱗のいれずみをほどこす蛟人のことを指している[240][219]
  51. ^ (読み下し):“𥥛(ハツ)は海人を生じ、海人は若菌(じゃくきん)を生じ、若菌は聖人を生じ、聖人は庶人を生ず。凡そ𥥛なる者は庶人より生ず”。
  52. ^ 𥥛という字は他にほとんど用例が見られず、兪樾(体の表面に生える小さい毛)の誤りだろうとする[249]
  53. ^ 別の淡水の例として弘仁年間(810–824)に琵琶湖で網獲されたと江戸期の『広大和本草』にある。
  54. ^ 鎌倉時代の『古今著聞集』など。
  55. ^ §越中の人魚(海雷)
  56. ^ 清寧天皇5年(紀元1140年)の事案としているので[255]、西暦480年となる。なお藤澤は前章で、八百比丘尼の生誕は雄略天皇12年(紀元1128年)すなわち西暦468年としている[256]
  57. ^ この願成寺には、もうひとつ伝承があり、尼に恋したという人魚のミイラの伝説および伝・ミイラの実物が存在する[268]。「§人魚のミイラ」に詳述。
  58. ^ 人魚がどう分配されたについては"二喉をば、忠盛朝臣の許へもて行き、一喉をば浦人にかへしてければ、浦人皆切り食ひてけり"(大橋新太郎の読み下し)[277]とあり、"二疋は忠盛朝臣に献上し、残りの一疋は浦人共が割いて食べた(巌谷小波編訳)[278]に従うとする。だが「一匹をみんなで食べた」ではなく「三匹ぜんぶ食べた」という解釈もされる:"忠盛は畏れ多いことと思ったのか、そのまま漁師たちに返却したところ、漁師たちはそれを全部食べてしまった"(川村&浅見)[280]
  59. ^ ただ食い違いもあり、『本朝年代記』では宝治元年に「津軽浦」が、西鶴や、その太宰治の翻案「人魚の海」では「津軽の大浦」としている[298]
  60. ^ 特に、洋書(蘭書)を参考にした大槻玄沢『六物新志』を介して[158][302]
  61. ^ 西鶴の『好色五人女』(1686年)の巻五の五「金銀も持ちあまって迷惑」と「西鶴織留」(1694年)の巻五の一「只は見せぬ仏の箱」にも人魚への言及がある[305]
  62. ^ ニベオオウナギ等。
  63. ^ ただしピーボディ博物館にあるのはモーゼズ・キンボール英語版の遺贈品であり、バーナムが展示した人魚もキンボールから貸借されたものとされている。
  64. ^ イアーラが恋人の男性とともに水底に消えそのまま幸せに暮らしたというエンディングもある[352]
  65. ^ 以下詳述。
  66. ^ カスクードは後の『ブラジル民俗辞典』(1954年)で、「マンイ・ダグア(水の太母)」に、より様々なヨーロッパ伝説や原住民神話の影響の可能性があるとする。
  67. ^ トードス・オス・サントス湾英語版一帯。
  68. ^ Pero de Magalhães Gandavo. História da Província de Santa Cruz (1576)。"Hipupiàra"と綴る。
  69. ^ Fernão Cardim, Do clima e terra do Brasil、1584年。 "Igpupiàra"と綴る。
  70. ^ 男性を破滅させ性器を切り取る存在ならばそれは悪女であるとの観。ヴァギナ・デンタタの寓意に代表される。(イプピアーラに詳述)

出典[編集]

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  17. ^ a b 吉岡 1993, p. 38.
  18. ^ 井原西鶴の創作(#§西鶴を参照)以外にも[15]菊岡沾涼の随筆『諸国里人談』では襟に赤い鶏冠のようなもの[16][14]。『甲子夜話』では"色青白く,髪薄赤色にて長かりし"[17]
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  22. ^ 大林 1979, p. 68.
  23. ^ 「人魚は洋の東西をとわず、概して不吉な存在で、悲劇の主人公である」、と神話学者の大林太良は考察している[22]
  24. ^ 『吾妻鑑』、九頭見 2005, pp. 47–48九頭見 2006b, pp. 54–55に引用・解説。
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  32. ^ a b ボブ・カラン 著、萩野弘巳 訳 『ケルトの精霊物語 [The Creatures of Celtic Myth]』青土社、2000年、141-142頁。ISBN 978-4-7917-5884-5 
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  61. ^ Faye 1833, pp. 59–62: "Havmaend og Havfruer"(複数形)の節。p. 62 にポントピダンの該当箇所(第8章)を典拠に挙げている
  62. ^ a b c d e Thorpe, Benjamin (1851). “I. Norwegian Traditions: §The Merman (Marmennill) and Mermaid (Margygr)”. Northern Mythology, Comprising the Principal Popular Traditions and Superstitions of Scandinavia, North Germany and the Netherlands: Compiled from Original and Other Sources. 2. London: Edward Lumley. p. 27. https://books.google.com/books?id=Q-lAAAAAcAAJ&pg=PA27 
  63. ^ Pontoppidan 1755, pp. 190–191.
  64. ^ Pontoppidan 1755, pp. 194–195.
  65. ^ ファイエ Faye 1833, pp. 58–59: "mørkladne, have langt Skiæg, sort Haar og ligne oventil et Menneste; men nedentil en Fisk". ソープはこれをそのまま"a dusky hue, with a long beard, black hair, and from the waist upwards resemble a man, but downwards are like a fish"と英訳するが[62]、特に明記しない箇所はファイエが典拠であると注記している(p. 9, 注2)。}[注 9]
  66. ^ Pontoppidan 1753a, p. 302n; p. 304, Pontoppidan 1755, p. 183; p. 186n。正しい綴りは margygr, hafstrambrだが、ポントピダンは原書『王の鏡』からの孫引きなためか誤字marygeママ〕, marygeママ〕となっている。
  67. ^ Faye 1833, p. 59、注記(Anm.)人魚男(古ノルド語: marbendil)は、 『ハールヴ王のサガ』英語版(14世紀)、海の鬼女(古ノルド語: margygr)についてはオーラヴ聖王のサガの例が挙げられている。
  68. ^ Bassett 1892, p. 172.
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  77. ^ 『ハールヴ王のサガ』英語版(14世紀)にmarbendilとある{sfn
  78. ^ Hayward 2018[3], p. 48, n. 19: "their represetntations in Portugal and elsewhere in Wester Europe were standardised as more typical mermaid-ones from the 1500s on"。 セイレーン論文 Holford-Stevens 2016を引く。</ref>。 英国の教会(特に聖歌隊席など)に数多くの例が残る木彫り人魚も、じっさいは動物寓意譚のセイレーンであると認識される [4]。 一方、日本の人魚のイメージは、蛇女房、龍女房伝説にヨーロッパの人魚のイメージを重ね合わせたもので、時代により外見などは大きく異なる[要出典]。西欧との接触後、江戸時代の人魚像については§江戸時代の節に詳述する。

    動物学的説明[編集]

    今日では哺乳類のジュゴンの見間違いに端を発したというひとつの説があるが、これは熱帯種であり、ジュゴンの生息外の海域にも人魚伝説があるのだから、日本全土や世界全ての人魚伝説をジュゴン種に基づかせることはできない[5]

    ジュゴンの生息地の北限は沖縄(旧琉球王国])であり、八尾比丘尼伝説が伝承される日本本土の各地[注 3]では、個体としては古来およそ見かけることができない生き物ということになる[6]。しかしながらジュゴンの仲間には熱帯性でないものもいた、と反論される。同じ海牛目(Sirenia)としてはかつてステラーカイギュウベーリング海に生息しており、日本の近海に現れた可能性も否定できない[7][8]。またカイギュウでなくとも、アザラシ類やイルカ類も、人魚伝説のモデルとなりうる候補に挙げられる[注 4][10]

    魚類学者の高島春雄も、「日本人が本物のジュゴンを見たのは明治以降だが、古い時代にも人魚の目撃証言がある」と指摘している[11]。このことから、北陸地方にも漂着する深海魚リュウグウノツカイが(少なくとも日本の)人魚の正体であろう、と九州大学名誉教授の内田恵太郎(1960、62年)を皮切りに考察されている[12][13]。少なくとも江戸時代の例では、人魚は頭部付近に[14]鶏冠とさかつ、あるいは赤い長髪と描写されており[18]、リュウグウノツカイの特徴に一致し説の有力視材料になっている[13][注 5]

    ジュゴンは、西洋人が「人型魚」「婦人魚」などと称し、17世紀の書物において薬として喧伝し、江戸時代の日本の学者も「人魚の骨」の薬効としてこれを紹介している(§西洋自然史の人魚§へいしむれるの薬効を参照)[19]

    「婦人魚」の骨は、高価ビーズに加工(すなわち数珠つなぎにした)ともフィリピン紀行文に記される[20][21]

    凶兆・瑞兆[編集]

    東洋に限らずヨーロッパでも人魚は不吉の前兆とみなされてきた[23]

    日本においては、鎌倉時代のいくつかの戦乱は、人魚の漂着がその前触れであったと文献に記録されている(§みちのくの人魚を参照)[24][25]。ただし江戸時代の文化文政期の瓦版(§越中の人魚(海雷))によれば、人魚の目撃は僥倖とされている。

    アンデルセンの創作童話『人魚姫』(デンマーク語: Den lille Havfrue)では、人魚には「不死の魂」がないのでそのままでは人間との恋は成就しない。ただしこの着想はアンデルセンの発案ではなく、フリードリヒ・フーケの『ウンディーネ』などが先行する[26]

    西欧の人魚[編集]

    セイレーン[編集]

    航海者を美しい歌声で惹きつけ難破させるという海の魔物で、人魚としても描かれる。もとはギリシア神話に登場する伝説の生物[27]セイレーンの項参照。

    ローレライ[編集]

    ライン川にまつわる伝説。ライン川を通行する舟に歌いかける美しい人魚たちの話。彼女たちの歌声を聞いたものは、その美声に聞き惚れて、舟の舵(かじ)を取り損ねて、川底に沈んでしまう[28]。文献によっては、ローレライは人魚の姿をしていないこともある[29]

    メロウ[編集]

    アイルランドに伝わる人魚。姿はマーメイドに似ており、女は美しいが、男は醜いという。この人魚が出現すると嵐が起こるとされ、船乗り達には恐れられていた。また、女のメロウが人間の男と結婚し、子供を産むこともあるという。その場合、子供の足には鱗があり、手の指には小さな水掻きがあるとされる[30]

    アイルランドのボブ・カラン講師<--lecturer, Celtic History and Folklore at the University of Ulster-->によれば、アイルランドの人魚を英国系の人魚と同様とするのは錯誤があり、ケルト系の人魚はアザラシ人(セルキー)の要素の方が魚人の要素より強いと意見する[31][注 6]

    英国の人魚[編集]

    今日よく知られている人魚すなわちマーメイドの外観のイメージは、16世紀から17世紀頃の英国民話を起源とするものだとボブ・カラン講師は結論している[32]

    前述したように英国各地の教会席等に人魚(セイレーン)の彫刻例があるが[4]コーンウォール州enの教会ベンチの人魚彫刻には伝説がまつわるが[33]、これは場所的にはイングランドでも(アーサー伝説などにもゆかりがある地域なので)ケルト伝説とみなす向きがある[34]

    メリュジーヌ[編集]

    メリュジーヌ(仏: Melusine)は、フランスの伝承に登場する水の精。異類婚姻譚の主人公。上半身は人間の女性、下半身は蛇(一説に魚)の姿をしている。文献によってはメリュシヌの表記を採用する[35]。レーモンドという貴族がメリュジーヌを見初め、結婚する。結婚にあたって、メリュジーヌは「土曜日には自分の部屋にこもるが、その時は姿を決して見ないこと」という条件を課した。メリュジーヌは夫に策を授け、富をもたらした。ところが夫は「メリュジーヌが浮気している」という噂を耳にすると[36]、つい約束を破ってしまった。彼女は入浴中で、上半身こそ人間だったが下半身は魚に変わっていた。メリュジーヌは夫のもとを去る。

    北欧の人魚[編集]

    デンマーク語で人魚はハウフル[37][40](またはハヴリュ―、'海の女'[42]havfrue)と呼ばれる[43]、そして男性の人魚はハヴマン[37][45]havmand)と呼ばれる[43]。ノルウェー語(デンマーク語に近いブークモール)でも、まったく同様に綴るが[46]、女性の人魚はハゥフル(havfrue)、男性の人魚はハヴマンなどと表記される。

    マルメーレ[編集]

    ノルウェーのハヴマンとハウフルの伝承については早期にポントピダン司教英語版1753年)が著述しているが[47][48]北海に生息して雄雌のつがいをなし[49][50]、マルメーレ(marmæle, marmæte)という子ども(幼生)をこしらえる、としている[51][52]

    マルメーレは直訳すると「海の話者」の意ではあるが[54]、じっさいは古語(marmenill)の転訛に過ぎないと考察される[55]

    マルメーレはノルウェーの漁師が漁で捕えることがあり、なんらかの予言・託宣をさせようとするのだ、と伝わる[56]。また、捕えても24時間以上は置かずに元の海に返すのが慣習・戒律だともされている[57]

    ポントピダンとファイエの描写[編集]

    司教は、これら人魚にまつわる超常的な伝説があることもわきまえてはいたが[注 7][58][50]、そうであるにしろ、この非人類の生物は実在すると考えていた[注 8][59][60]

    ハヴマンの雄・雌・子についてのこの記述は、初のノルウェー民間伝承集ともいわれるアンドレアス・ファイエ英語版の伝説集(1833年)にも転載された[61]。そこではハヴマンの容姿を総じて"燻った色をし、長いあごひげをたくわえ、上半身は人間(男性)に似るが、下半身は魚のようだ"とまとめている[65]

    古語の記述[編集]

    また、ハヴマンの雄(§ハーフストラムブル、マルベンディル)や雌(§マルギュグル)を意味するノルウェー古語(古ノルド語)、および中世の記述文献を両者とも挙げている[66][67][注 10]

    ハウフルの同根語・別称[編集]

    近世・現代アイスランドの語彙にも、ハウフル同根語と思しき語(haffrú)があるが、その他にもいくつかの人魚女の名称が、19世紀の民話集に列挙されている[注 11][69][70]。このうちマルギュグル(margýgur)という人魚女名は、あきらかに古ノルド語(margýgr)に由来するが、中世では女トロルすなわち怪物のようにとられていた(§マルギュグルを参照)。現在のアイスランドではそれらとは異なる語(hafmey)が人魚女の通称にもちいられている[71]

    フェロー語形は havfrúgv/hɛaːvˈfrɪkv/)である[72][73]

    スウェーデン語形もあるが(hafsfru[74]シェーユングフルsjöjungfru、'海の乙女')などの名称に言換えられることがある[73][注 12]。またシェーローsjörå、'海の妖精女')とも呼ばれ、これは森の妖精女スクーグスロー英語版と対をなす[74][76]

    マルベンディトル[編集]

    古ノルド語の人魚男マルメニル(marmenill)は、後期ノルド語では異なる綴り(marbendil[l])でみられ[77]

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  162. ^ 捕獲・生息地(著者・文献については以下註)は次の通りである:
    • キルヒャーおよびヨンストンでは、捕獲例の場所としてフィリピンのビサヤ諸島あたりの Insulas Pictorum[152][150] すなわち「絵描き [たち]の島[々]」としている[153]。ビサヤ諸島のなかの一部の島群(ミンドロ島などを含む)は「絵具を体に塗った者たちの島々 Islas de los Pintados」と呼ばれていたのである[154]。よってこれを現今のビサヤ諸島の一部と解釈して[155]、さしつかえない。蛇足だが、オランダ訳では「画家の島々」でなく「ピクト人の島々」と訳してしまっている[156]。結果、その日本語重訳では大槻玄沢が「吸沙伊索嶋ヒサイサ嶋に屬する必屈登ピクテン嶋」と読み[157]、九頭見は「フィサイサ諸島近辺にあるピクテン諸島」とする[158]
    • コリンはフィリピンの海域やマラッカ海峡に生息するとする[159]
    • ナバレテは、ミンドロ島(上述)に訪問の際[160]、ナンホアン[21] Nanboan[161]すなわち ナウハン英語版 Nauján の項で、その土地の海や川には魚が豊富で「婦人魚」もいると述べている[20]
  163. ^ アタナシウス・キルヒャー『磁石あるいは磁気の術』(1641年初版)[152]や、これを引いたヨハネス・ヨンストン『魚類と鯨類自然誌5巻』(1657年刊、オランダ訳『動物図譜』1660年)に記述がある[150](1660年)。このほかフランシスコ・コリンスペイン語版『イエズス会フィリピン布教史』(Labor evangelica, 1663年刊)[159]ドミンゴ・フェルナンデス・ナバレテ『支那歴史政治道徳宗教論』(1676年刊)[161][20]があり、南方熊楠が挙げているが、刊行年などの記述の不備がみられる[21]
  164. ^ a b c d e f Jonston, Johannes (1660). “Boek. I. / III. Opschrift./ I. Hooft-St.: Van de visch Anthropomorphus, oft die een menschen-gestalte heeft, en van de Remorant”. Beschryvingh van de Natuur der Vissen en bloedloze Water-dieren. Amsterdam: I. I. Schipper. p. 168, Tab. XL. https://books.google.com/books?id=JxFQAAAAcAAJ&pg=RA1-PA168 
  165. ^ Polistico, Edgie (2017). "dugong". In Haase, Donald (ed.). Philippine Food, Cooking, & Dining Dictionary. Mandaluyong: Anvil Publishing, Inc. ISBN 9786214200870
  166. ^ ビサヤ地方のイロンゴ語(ヒリガイノン語)やパラワノ語英語版 duyong であり[165]パラワン島ドゥヨン洞窟英語版の名称にもなっているので「ドゥヨン」を音写とする。[大槻]玄沢は「受伊翁ジユイヲン[157]、九頭見は「デュイオン」と音写しているが[158]、それは置く。
  167. ^ Blair, Emma Helen; Robertson, James Alexander, eds (1906). “Manila and the Philippines about 1650 (concluded). Domingo Fernandez Navarrete, O. P.; Madrid, 1675 [From his Tratados historicos.”]. The Philippine Islands, 1493-1803: Explorations. 38. [[:en:Edward Gaylord Bourne|]], notes. A. H. Clark Company. p. 29. https://books.google.com/books?id=QcvTAAAAMAAJ&pg=PA29 
  168. ^ ナバレテの紀行文 (1676年)は、 "piscis mulier" 英訳 "woman-fish" について述べており、英訳者は "dugong" と註している[20][167]
  169. ^ Pietsch 1991, p. 7–9.
  170. ^ a b c Renard, Louis (1754). “monstre ou sirenne”. Poissons, ecrevisses et crabes, de diverses couleurs et figures extraordinaires: que l'on trouve autour des isles Moluques et sur les côtes des terres Australes: peints d'après nature ... Ouvrage ... quit contient un trr̀e grand nombre de poissons les plus beaux & les plus rares de la Mer des Indes. Baltazar Coyett, Adrien van der Stell (2 ed.). Amsterdam: Chez Reinier & Josué Ottens. Planche LVII, Nº 240. https://books.google.com/books?id=10s8hXP9Ej0C&pg=PT6 (ミシガン大学蔵本)
  171. ^ a b c d 山田 1994, p. 46.
  172. ^ Bassett, 1892 & p191.
  173. ^ Hayward, Philip (2018). “Chapter 5. From Dugongs to Sinetrons: Syncretic Mermaids in Indonesian Culture”. In Hayward, Philip. Scaled for Success: The Internationalisation of the Mermaid. Indiana University Press. pp. 89–106. ISBN 978-0861967322. https://books.google.com/books?id=mrFiDwAAQBAJ&pg=PA91 
  174. ^ Hayward 2018, p. 93.[173] Pietsch 1991を引用。
  175. ^ Pietsch 1991, p. 7.
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  178. ^ Louis Renard(1678/79生–1746没)[176]著『モルッカ諸島産多彩異形の魚類・エビ類・カニ類』[171]または『モルッカ諸島魚類彩色図譜』[177]
  179. ^ Valentyn, François (1726). “Verhandling der Water-Dieren: 3de Hoofdstuck. I. Van de Zee-Menschen”. Oud en Nieuw Oost-Indiën. 3. Dordrecht/Amsterdam: Johannes van Braam/Gerard onder de Linden. pp. 330–332. https://books.google.com/books?id=ZHtEAQAAMAAJ&pg=PA330 , Pl.; (Internet Archive)
  180. ^ 九頭見 2006a, p. 64.
  181. ^ a b 磯崎康彦雪華模様とマルティネト著「格致問答」(2)」『福島大学教育学部論集 人文科学部門』第65号、福島大学人間発達文化学類、1998年12月、 49-73頁。
  182. ^ François Valentijn. ファレンティン Valentyn 等ともつくる。『東海諸島産物志』(『新東旧インド志』1724–1726年[180][181]
  183. ^ Hayward 2018, p. 93; Pietsch 1991, pp. 5–7
  184. ^ 九頭見 2006a, pp. 64–65, 65–66.
  185. ^ 吉岡 1993, p. 38。『六物新志』の掲載図について。これは「花連的印(ハレンテイン)」、すなわちファレンタインの書からとられた司馬江漢の模写だと明記される。
  186. ^ Hayward 2018, p. 93; Pietsch 1991, p. 5: "I had the curiosity to lift its fins in front and in back and [found] it was shaped like a woman. Mr. Van der Stel asked me for it and I gave it to him . I think he sent it to Holland". (英訳)
  187. ^ Pietsch 1991, p. 12.
  188. ^ 南イリノイ大学動物学科 Brooks M. Buur. ルナール図譜の英訳版(Pietsch編)の書評において: "I could more easily accept a small oar-fish, or another eel-like fish, rather than a dugong as a partial basis for the drawing".[176]
  189. ^ キルヒャー[152]およびヨンストン[150][158]
  190. ^ ヨンストン、ラテン語原文"Ossa hujus piscis insignem vim sanguinem sistendi & atrahendi hanbent..",[150] オランダ訳"De beenders van dese visch hebben groote kracht om't bloed te stoppen, en an te trekken..",[164] 大槻玄沢の漢訳"骨 主治能く血を止む。其の功はなはだ神なり。なおその金瘡折傷の瘡口緊しくその動脉を紮りて而して迸出の血すなわち止むが若(ごと)し"[157]
  191. ^ Cummins 2017 註:"Others refer to its ability to stop bleeding (Jerom Merolla da Sorrento, Voyage to the Congo, 1682.. F. Colín Labor évangelica.. J. J. Delgado Historia general [1753].."
  192. ^ コリン[159][191]。コリンについては南方も指摘[21]
  193. ^ フェルディナント・フェルビースト、後述
  194. ^ ナバレテ英訳:"they have a singular Virtue against Defluxions"[20][161]。ただし南方は"邪気を避くるの功あり"と意訳している[21]
  195. ^ 九頭見 2006a, p. 62.
  196. ^ 寺島良安和漢三才図会』(1712年)「巻第騒十九・魚類(江海有鱗))」「人魚・鯪魚」の項[195]
  197. ^ 九頭見 2006a, pp. 62–63.
  198. ^ 九頭見 2006a, pp. 64–65.
  199. ^ 大槻玄沢『六物新志』(1786年)「附録巻之二・魚類」「海女」の項[198][17]
  200. ^ a b 九頭見 2006a, p. 61.
  201. ^ 貝原益軒大和本草』(1709年)「附録巻之二・魚類」「海女」の項[200]、下血効能はフェルディナント・フェルビースト著『坤輿外紀』(<1652年)。
  202. ^ a b 小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1803年)「巻之四十鱗部」「鱗之四、無鱗魚二八種」「䱱魚」の項[200]
  203. ^ 九頭見 2006a, pp. 61–62.
  204. ^ Borovsky, William BodenhamerZoe Patrice (1884). [books.google.com/books?id=UBoKAQAAIAAJ&pg=PA8 A Theoretical and Practical Treatise on the Hemorrhoidal Disease: Giving Its History, Nature, Causes, Pathology, Diagnosis and Treatment]. New York: W. Wood. p. 8. books.google.com/books?id=UBoKAQAAIAAJ&pg=PA8. "If Hippocrates is the author of "De haemorrhoidíbus Liber..he considered hemmorrhoids to be varices of.. the veins:.. 'A defluxion of bile or of pitiuitous matter to the veins of the anus..'" 
  205. ^ Jonston (オランダ訳原文): "De beenders van dese visch hebben groote kracht om't bloed te stoppen, en an te trekken, men heest gezien datse het lopende bloed zo stildden, gelijk of de ader was gebonden: Nochtans zijn die van de Vrouwen oft Meermin veel krachtiger, en uit die dese, welke met plekken, na't swart hellende, gevlekt zijn".[164] Jongh英訳(部分): "the bones of this fish are extremely powerful agents for reducing or increasing the flow of blood : and those of the Women or mermaids are stronger yet"[156]
  206. ^ Colín, "Pez Muller" (marginalia)。文中ではスペイン名"Pexe Muller"、現地名 "Duyon"が述べられる。該当箇所:"me pareciò su carne como de torcino gordo(肉は肥えた豚のそれのようだと思う)"。南方もコリンの同著書を引いて"人魚の肉食うべく、その骨も歯も金創に神効あり"とする。
  207. ^ ヨンストン。九頭見 2006a, pp. 64–65による。
  208. ^ 松岡 1982, p. 52–53.
  209. ^ a b c d e 九頭見 2006b, p. 53.
  210. ^ a b 『山海経』訳者前野直彬の注[209]
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  236. ^ a b c 任昉『述異記』巻上[234]。『龍威秘書』1集「漢魏採珍」所収[235]『広博物志』巻49所収。"揚州有虵市市人鬻珠玉而雜貨蛟布蛟人即泉先也又名泉客 述異記"。
  237. ^ 中野 1983, p. 141.
  238. ^ a b 任昉『述異記』巻上[237]『述異記』(四庫全書本)巻上:"南海出鮫綃紗,泉室潛織,一名龍紗其價百餘金以為服入水不濡。
  239. ^ a b 任昉『述異記』巻下(中野 1983, p. 140: "蛟人のすまいがある")。『述異記』(四庫全書本)巻下: "南海中有鮫人室水居如魚不廢機織其眼泣則出珠晉木𤣥虚海賦云天琛水怪鮫人之室"。
  240. ^ 『山海経広注』巻10(四庫全書本)
  241. ^ 南海の水中に棲む(後述)。『博物志』、『捜神記』、『述異記』。
  242. ^ 『述異記』、およびそこで引く木玄虚「海賦」にある"天ちん水怪、蛟人之室"[239]
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  255. ^ 藤澤 1925, p. 40.
  256. ^ 藤澤 1925、「八百姫と雪女(不老長生傳説)」の章、17頁。
  257. ^ 『日本書紀②』小島憲之; 直木孝太郎; 西宮一民; 蔵中進; 毛利正守[校注・訳]、小学館〈新編日本古典文学全集3〉、1996年、575頁。ISBN 4-09-658003-1 

    二十七年の夏四月の己亥の朔にして壬寅に、近江の国の言さく、「蒲生河に物あり。其の形、人の如し」とをます。

    秋七月に、摂津国に漁夫有りて、罟を堀江に沈けり。物有りて罟に入る。其の形、児の如し。魚にも非ず、人にも非ず、名けむ所を知らず。

    (口語訳)推古天皇27年4月4日、近江の国から「日野川に人のような形の生き物がいた」と報告があった。

    同年7月、摂津国の漁夫が水路に網を仕掛けたところ、人の子供のような生き物が捕れた。魚でもなく人でもなく、何と呼ぶべきか分からなかった。

  258. ^ 『妖怪事典』村上健司[編著]、毎日新聞社、2000年、255頁。ISBN 978-4-620-31428-0 
  259. ^ a b c d 荒俣宏、應矢泰紀「人魚」 『アラマタヒロシの日本全国妖怪マップ』秀和システム、2021年、53頁。ISBN 9784798065076https://books.google.com/books?id=ZtRMEAAAQBAJ&pg=PA53 
  260. ^ 南方 1973 [1901], p. 306。吉岡 1993, p. 35が引用。
  261. ^ group"注"
  262. ^ 板倉君枝「日本の人魚伝説と江戸時代の「ミイラ」ブーム」『ニッポンドットコム』、20220\-04-27、1面。
  263. ^ a b 九頭見 2006b, pp. 51–52.
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  266. ^ 藤澤 1925.
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  276. ^ 九頭見 2006b, p. 54, 九頭見 2011, pp. 65–66
  277. ^ a b 大橋新太郎 編 "皆切り食ひて" 『古今著聞集』博文館〈日本文學全書: 第21編〉、1890年https://books.google.com/books?id=fC0X-wIcrGAC&q="皆切り食ひて" 
  278. ^ a b c 巌谷小波 編「第十九章 蟲魚篇. 九五三 人魚」 『東洋口碑大全』 上、博文館、1913年、1199頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/950433/643 
  279. ^ a b 橘成季『古今著聞集』巻二十,第三十編『魚虫禽獣』,「第七百十二段 伊勢国別保の浦人人魚を獲て前刑部少輔忠盛に献上の事」[274]

    伊勢國別保(べつほ)といふ所へ、前(さきの)刑部(ぎやうぶの)少輔(せう)忠盛朝臣(あそん)下りたりけるに、浦人日ごとに網を引きけるに、或日大なる魚の、頭は人のやうにてありながら、歯はこまかにて魚にたがはず、口さし出でて猿に似たりけり(以下割愛)[275][276]

    (口語訳)

    平忠盛が伊勢國別保(現・津市)に来た時のこと、現地住人(漁師たち)は毎日網を引いていたが、ある日大きな魚が捕れた。頭部は人のそれに似ていたが、歯は細かく魚のそれ、口が突き出ていて猿に似ていた。身は一般的な魚のそれである。3匹水揚げされた。2人で担いでも尾は地面を引きずった。人が近づくとうめき声を出し、また涙を流すのも人と変わらなかった。(漁師たちは)驚きあきれて、2匹を平忠盛のもとに持ってきた。うち1匹を現地住人に返すと、皆で切って食べてしまった。とくに別状はなかった。味はとりわけ美味であったという。人魚というのはこのようなものを指すのだろうか[277][278]

  280. ^ 川村晃生浅見和彦 『壊れゆく景観: 消えてゆく日本の名所』慶應義塾大学出版会、2006年、86頁。ISBN 9784766413083https://books.google.com/books?id=pY1MAQAAIAAJ&q=漁師 
  281. ^ a b 物集 1922, p. 37.
  282. ^ 頼 2015, pp. 30–31.
  283. ^ 『北条五代記』七、19[281][282]
  284. ^ 山岡浚明災異 ◎人魚~◎魚妖」 『類聚名物考』近藤活版所、1904年、782–783頁https://books.google.com/books?id=lDVDAAAAIAAJ&lpg=PP789 
  285. ^ 武笠三 編「北條九代記8 〇由比濱(ゆひのはま)血に變ず大魚死す黄蝶(くわうてふ)の怪異」 『保元物語: 平治物語. 北條九代記』有朋堂、1913年、549–550頁https://books.google.com/books?id=3rZDAAAAIAAJ&pg=PP569 
  286. ^ a b c d e 『北条九代記』八[284][285]
  287. ^ 九頭見 2005, pp. 47–48.
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  289. ^ a b c d e 『吾妻鏡』(吉川本)巻三十六;(北條本)巻三十八・五月二十九日の条[287][288]
  290. ^ 九頭見 2001, pp. 36–37で『吾妻鏡』を引用し、"例えば文治5年(1189年)夏にあらわれた時には..奥州藤原一族が滅亡.. 建保元年出現したが、同年5月に和田義盛が挙兵"と解説。
  291. ^ 九頭見 2005, p. 48.
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    文政10年(1827年)9月24日

    諸島の海濱、図の如きもの風波に漂い来たる。

    翌朝波風おさまりて村人近寄り見れば、数日経し人の如し。

    恐て近く寄る者なし。数月を経て腐り出す。くわしく本文に記す。

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参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]