関門橋
関門橋 | |
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![]() | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 |
山口県下関市 福岡県北九州市門司区 |
交差物件 | 関門海峡 |
座標 | 北緯33度57分41.7秒 東経130度57分31.9秒 / 北緯33.961583度 東経130.958861度 |
構造諸元 | |
形式 | 吊橋 |
材料 | 鋼 |
全長 | 1,068 m |
幅 | 路面幅26 m |
高さ | 海面上141 m(主塔) |
最大支間長 | 712 m |
地図 | |
関連項目 | |
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式 |
関門橋(かんもんきょう)は、山口県下関市と福岡県北九州市門司区の間の関門海峡を跨ぐ道路橋の名称、およびこの橋梁を含む区間の高速道路(高速自動車国道)の通称。
概説[編集]
橋梁について[編集]
関門海峡の最狭部である下関市壇之浦と北九州市門司区門司(和布刈地区)を結ぶ海上橋で、1973年(昭和48年)11月14日に開通[1]。橋長1,068メートル (m) 、最大支間長712 mは、若戸大橋(橋長627 m、最大支間長367 m)をしのぎ、開通時点では日本および東洋最長の吊橋となった(1983年(昭和58年)開通の因島大橋が関門橋を上回る規模の橋として完成し、その後もより大規模な橋梁が複数架設されている)。若戸大橋と並んでその建設は明石海峡大橋など国内の長大橋の先駆けとなった[2]。
形式は標準的な3径間の吊橋で、補剛桁はトラス。橋梁等の防食法には溶射が採用されている。関門海峡は大型船舶も航行する重要航路であることから、桁下から海面までは61 mの高さを確保している。主ケーブルの直径は67センチメートル (cm) [注釈 1]、ハンガーケーブルの直径は53 cm。
1973年(昭和48年)度には、橋梁・鋼構造工学での優れた業績に対して贈られる土木学会田中賞(作品部門)を受賞。
架橋から40年が経過し、交通量の増大に伴い様々な部分に劣化が進んでいることから、2011年度からの5年計画による大規模補修が行われた。具体的な補修内容としては、補剛桁と主塔の塗替塗装、補剛材補修と支承およびボルトの交換、劣化が著しい橋台上面と下面のコンクリート床版の補修と舗装打ち替えなど[3]。
特に床版補修においては、2013年8月から3期に分けて工事が行われ、この間は片側3車線のうち2車線を通行規制して1車線運用するほど大規模なものであった[4]。
高速道路について[編集]
高速自動車国道 | |
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E2A 関門橋(関門自動車道)![]() | |
路線延長 | 9.4 km |
開通年 | 1973年[1] |
起点 | 下関IC(山口県下関市) |
終点 | 門司IC(福岡県北九州市門司区) |
接続する 主な道路 (記法) |
E2A 中国自動車道 E3九州自動車道 ![]() |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
橋梁の前後区間を含む下関IC - 門司IC間の高速自動車国道としての政令による正式な路線名は、関門自動車道(かんもんじどうしゃどう)となっており、正式には下関IC以東の中国自動車道でも、門司IC以南の九州自動車道でもない、「国土開発幹線自動車道以外の指定高速道路」である[注釈 2]。ただし、この区間のキロポストの標識およびインターチェンジ番号は吹田JCT(中国道起点)からの通算であり、一般道での各インターチェンジへの案内標識も基本的には「中国自動車道・九州自動車道」と表記され「関門橋」「関門自動車道」と表記されるケースは少ない。ただし、地図での表記は「関門橋」または「関門自動車道」「関門橋道路」となっている。
全区間が西日本高速道路九州支社(北九州高速道路事務所下関社屋)の管理区間。
建設費が割高なことや、国道2号の関門トンネルと交通量を適正配分するために、関門橋を含める下関IC - 門司港IC間の通行料金は開通当初から長らく普通車で1 kmあたり64円(通常区間の約2.6倍)に設定されていたが、2011年8月1日から2014年3月31日の期間限定で通常区間と同じ通行料金に大幅値下げされていた[6]。2014年4月1日から元の料金に消費税上昇分を加算した新料金となったが、ETC利用時は割引料金が適用されている。
関門海峡を横断する陸上交通網では唯一地上にあり(山陽本線、国道2号、山陽新幹線は海底トンネル)、アジアハイウェイ1号線「AH1」の一部を構成している。下関IC - 門司港ICは片側3車線。高速道路ナンバリングによる路線番号は、中国自動車道ともに「E2A」が割り振られている[7]。
インターチェンジなど[編集]
- IC番号欄の背景色が■である区間は既開通区間に存在する。
施設欄の背景色が■である区間は未開通区間または未供用施設に該当する。
未開通区間の名称はすべて仮称である。 - スマートインターチェンジ (SIC) は背景色■で示す。
- 路線名の特記がないものは市道。
- バスストップ (BS) のうち、○/●は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
- 英略字は以下の項目を示す。
- 下関IC - 門司港ICまでのIC番号は中国自動車道からの連番で、門司ICは九州自動車道のIC番号である。
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 吹田 から (km) |
下関 から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
E2A 中国自動車道 | ||||||||
37 | 下関IC | 県道57号下関港線 県道258号武久椋野線 |
540.1 | 0.0 | 山口県 下関市 | |||
- | 下関壇之浦BS | - | 541.1 | 1.0 | ◆ | |||
- | 壇之浦PA | - | 541.7 | 1.6 | 下り線のみ | |||
- | めかりPA | - | 543.1 | 3.0 | 上り線のみ 門司港ICから利用不可 |
福岡県 北九州市 門司区 | ||
38 | 門司港IC/BS | 県道72号黒川白野江東本町線 | 544.4 | 4.3 | ◆ | 下関JCT方面出入口 | ||
1 | 門司IC | ![]() 県道72号黒川白野江東本町線 |
549.5 | 9.4 | ||||
E3 九州自動車道 |
歴史[編集]
- 1968年(昭和43年)3月19日:高速自動車国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令施行により、高速自動車国道の路線に「関門自動車道」として追加される。
- 1973年(昭和48年)11月14日:開通[1]。中国自動車道、北九州道路と接続。開通に併せ、これを記念する額面20円の切手が発行された。
- 1984年(昭和59年)3月27日:九州自動車道と接続。
路線状況[編集]
制限速度[編集]
車種に関係なくすべて80km/h
サービスエリア・パーキングエリア[編集]
休憩施設は福岡方面に壇之浦パーキングエリア (PA) 、山口方面にめかりPAがそれぞれ設置されている。どちらも本州と九州の対岸に位置したPAでレストランと24時間営業の売店が備わっている。壇之浦PAには宿泊施設(ファミリーロッジ旅籠屋)もある。ただし、ガソリンスタンドはどちらのPAにも設置されていない。
主な施設[編集]
- 和布刈トンネル(下関IC - 門司港IC間)
- 門司側の和布刈公園の真下をトンネルで通過している。
- 上下本線と、門司港IC(ハーフインターチェンジ)のランプウェイ(対面通行区間)の計3本が存在する。
- なお、門司港ICからめかりPAを利用することはできない理由は、地形上の制約により和布刈トンネル出口から本線合流部までのランプウェイを両者で共用しているためである。
- 全長 - 522 m(上り線)、582 m(下り線)、635 m(門司港ICランプ部)
- 大久保トンネル(門司港IC - 門司IC間)
-
- 全長 - 353 m(上り線)、412 m(下り線)
- 山中トンネル(門司港IC - 門司IC間)
-
- 全長 - 345 m(上り線)、338 m(下り線)
交通量[編集]
24時間交通量(台) 道路交通センサス
区間 | 平成17(2005)年度 | 平成22(2010)年度 | 平成27(2015)年度 |
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下関IC - 門司港IC | 28,837 | 61,384 | 35,676 |
門司港IC - 門司IC | 26,446 | 39,790 | 32,893 |
(出典:「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
2010年(平成22年)度調査の交通量が2005年(平成17年)度調査のものに比べて極端に増大しているのは、調査期間中が関門トンネルのリフレッシュ工事中であったためで、通常はトンネルに向かう交通量がすべて関門橋に集まったことによるものである。
地理[編集]
通過する自治体[編集]
接続する高速道路[編集]
関門トンネルとの関係[編集]
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関門橋に平行する国道2号関門トンネルは開通から半世紀、建設開始からは70年以上が経過し、老朽化が著しくなっている。このため、定期的に大規模な補修事業を繰り返す必要に迫られている。
補修事業が行われ、関門トンネルが全面通行止めとなる場合には、下関IC - 門司港ICと門司ICに限り関門トンネルの料金で関門橋を利用することができる[注釈 3]。逆に、台風などにより関門橋が通行止めとなる場合には、関門トンネルに振り替えが行われる。関門トンネルを通っても関門橋を通ったことと見做され、関門トンネルの料金を別に請求されることはない[注釈 4]。
上記の事情もあり、NEXCO西日本(西日本高速道路)は現在に至るまで関門橋と関門トンネル両者を一括して管理している。
ギャラリー[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 直径5.04 mm素線、14014本。
- ^ 同様の指定形態を取る高速道路は他に新空港自動車道(成田国際空港線)、関西空港自動車道(関西国際空港線)、沖縄自動車道があり、高速自動車国道計11,520キロメートル (km) のうち4路線が77 kmを占めている[5]。
- ^ もっとも直近でこの制度が適用となったケースは、2014年10月15日から12月13日まで行われた関門トンネル大規模リフレッシュ工事に伴うもの。この間は、関門トンネルの回数券で関門橋区間が通過可能となったが車道のみであったため、歩行者、125cc以下の二輪車については特に対応はなかった、その前の2009年9月1日から12月18日まで行われた、関門トンネル大規模リフレッシュ工事に伴うものについては、関門トンネルの回数券で関門橋区間が通過可能とするほか、人道も対象となったため、歩行者は代行バス、125cc以下の二輪車は代行トラック便を利用し、関門橋を通ることとなった[要出典]。
- ^ ただし関門橋が通行止めとなった場合は、危険物積載車両については関門トンネルが危険物積載車両通行禁止になっているため、当該車両は関門橋の通行再開まで足止めを食うことになる[要出典]。
出典[編集]
- ^ a b c “九州・本州ひとまたぎ 関門橋が開通”. 西日本新聞 (西日本新聞社). (1973年11月14日)
- ^ “輸送の大動脈、今後探る 関門橋40年記念シンポ”. 西日本新聞 (西日本新聞社). (2013年11月1日). オリジナルの2013年11月1日時点におけるアーカイブ。 2013年11月2日閲覧。
- ^ “長大吊橋も大改修時代/供用から40年、関門橋が大規模補修”. 建設通信新聞. (2013年8月9日). オリジナルの2013年11月3日時点におけるアーカイブ。 2013年11月2日閲覧。
- ^ “関門自動車道 下関IC~門司IC間の関門橋のリフレッシュ工事を実施します” (プレスリリース), 西日本高速道路九州支社, (2013年7月22日) 2013年11月2日閲覧。
- ^ “道路の区分 -国土開発幹線自動車道-”. 高速道路制度あれこれ -法制度・料金制度関連用語集- (公益財団法人高速道路調査会): p. 11. (2014年12月)
- ^ “【8/1より】関門橋の通行料金値下げ~普通車(ETC:通勤割引)が関門トンネルと同額の150円に”. NetIBニュース (データマックス). (2011年7月8日) 2014年5月2日閲覧。
- ^ 東日本高速道路株式会社・中日本高速道路株式会社・西日本高速道路株式会社 2017, p. 標識編4-15.
参考文献[編集]
- 東日本高速道路株式会社・中日本高速道路株式会社・西日本高速道路株式会社『設計要領 第五集 交通管理施設』株式会社高速道路総合技術研究所、2017年7月。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 西日本高速道路株式会社
- 関門橋 - 山口県の旅行・観光情報 おいでませ山口へ(一般社団法人 山口県観光連盟)
- 関門橋 - JRおでかけネット(西日本旅客鉄道株式会社)
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