野幌森林公園

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公園内の遊歩道

野幌森林公園(のっぽろしんりんこうえん)は、石狩平野中央部の野幌丘陵に設けられた北海道立自然公園である。

概要[編集]

江別市札幌市厚別区北広島市の3市にまたがる。広い天然林を中心に、自然と歴史に接するための施設が付属する。公園面積は2,053ヘクタールで、このうち78%を占める国有林は「昭和の森野幌」として、自然休養林に指定されている。

野幌原始林[編集]

森林の全体を野幌原始林と呼ぶことも多いが、現在は野幌原始林として特別天然記念物に指定されている部分は野幌森林公園に含まれていない。クマゲラをはじめとする希少な生物が生息しているが、近年アライグマの野生化などによる在来生物への悪影響が懸念されている。

歴史[編集]

明治時代に北海道の開拓がはじまったとき、現在の森林公園の地は広葉樹と針葉樹が混在する原始林であった。森林は1873年(明治4年)に5,607ヘクタールが官林に指定されたが、開墾の進展に従ってその面積は縮小した。1885年(明治18年)に屯田兵の野幌兵村が置かれたほか、民間の開拓も進められてしだいに伐採と開墾が進んだ。1890年(明治23年)に皇室財産の御料林にされた。

1890年代には森林の保全が意識されるようになり、1895年(明治28年)に禁伐林に指定された。1908年(明治41年)に国有林となり、3,427ヘクタールが野幌林業試験場の試験林になった。1909年(明治42年)に禁伐は解除されたが、1921年(大正10年)に森林のうち322ヘクタールが野幌原始林の名で天然記念物に指定された。

第二次世界大戦中には、資材にするために森林が大量に伐採された。戦後は緊急入植として2,198ヘクタールが農地になった。1952年(昭和27年)に特別天然記念物になったが、1954年(昭和29年)洞爺丸台風によって、大きな被害を受けた。そのままでの復旧保存は困難とされ、1959年(昭和34年)に千歳線以北部分の指定が解除され、1962年(昭和37年)に千歳線以南の一部を除いて特別天然記念物指定を解除された。 現在、特別天然記念物に指定されている部分は、野幌森林公園内にはなく、北広島レクリエーションの森に隣接する国有林内(北広島市西の里)の3か所39.7ヘクタールにすぎない。

1966年(昭和41年)、北海道は北海道百年記念事業として、野幌に記念公園と記念地区を設けることを決定し、1968年(昭和43年)までに林内にあった民有地297ヘクタールを買収。同年、道立自然公園野幌森林公園の指定及び公園計画の決定をした。9月に北海道百年記念式典開催。11月には北海道百記念塔および北海道開拓記念館建設工事を起工した。

  • 1873年(明治4年) 官林が設定された。
  • 1890年(明治23年) 宮内省所管の御料林になった。
  • 1894年(明治27年) 御料林が解除され、北海道庁所管の国有林になった。
  • 1908年(明治41年) 野幌林業試験場所属試験林となる。
  • 1921年(大正10年)3月3日 天然紀念物に指定された。
  • 1933年(昭和8年) 野幌林業試験場が北海道林業試験場と改称した。
  • 1945年(昭和20年) 2,198ヘクタール、115戸が入植した。
  • 1947年(昭和22年) 北海道林業試験場が帝室林野局北海道林業試験場と合同して林業試験場札幌支場となった。
  • 1952年(昭和27年)3月29日 特別天然記念物に指定された。
  • 1954年(昭和29年) 林業試験場札幌支場が北海道支場と改称して転出した。
  • 1959年(昭和34年)5月23日 特別天然記念物の指定地が一部解除された。
  • 1962年(昭和37年)9月28日 特別天然記念物の指定地が一部解除された。
  • 1968年(昭和43年) 北海道が道立自然公園野幌森林公園の指定を決定した。
  • 1970年(昭和45年) 北海道百年記念塔が完成した。
  • 1971年(昭和46年)4月15日 北海道開拓記念館が開館した。
  • 1986年(昭和61年)林野庁ほか森林文化協会により森林浴の森100選に選定された[1]
  • 2001年(平成13年)4月 自然ふれあい交流館が開館した。

瑞穂池[編集]

公園内の瑞穂池

明治の入植者により始められた水田耕作においての水が不足するに至ったことから、1924年(大正13年)貯水池の造成が計画された。1927年(昭和2年)に許可がおりるとその年の8月より着工され、1928年(昭和3年)8月15日には、周囲約4キロメートル、貯水量170万立方メートルの「瑞穂の池」が完成した[2]

1955年(昭和30年)4月20日、老朽化によりこの貯水池は決壊したが、1956年(昭和31年)12月末に再建が決まると、翌1957年(昭和32年)地域の協力により復旧した。その後、1972年(昭和47年)貯水池としての役割を終えた瑞穂池は、そのまま公園の池として残され、管理されるようになった[2]

施設[編集]

公園面積の大部分は江別市にあるが、公園事務所などの施設は札幌市側に建造されている。

公園の主要施設は森林そのものである。樹木約170種があり、野草400種以上、野鳥約140種、昆虫約1,300種など多様な動植物が観察されている。原始林と呼ばれるが、人の手が入っているので厳密には天然林にあたる。また、過去に開拓等で伐採されたところに植林をした二次林も見られる。

北海道百年記念塔は、開道百年を記念して建てられた高さ100メートルの塔である。内部に展望台がある。

北海道開拓記念館は、主として北海道の歴史を扱う道立の博物館であるが、スタッフには自然史系の学芸員も配置されている総合博物館である。後述の開拓の村から少し離れたところにあり、運営も別である。

北海道開拓の村は、北海道の開拓時代の建造物を移築保存する野外博物館で、財団法人北海道開拓の村が運営する。建物の中には開拓の歴史に関わる展示があり、馬車鉄道・馬橇を運行する。平成15年度事業報告書によると、2003年度の年間利用者数は21万8929人であった。

周辺[編集]

当初周辺は農地だったが、その後の札幌都市圏の拡大に伴って、1980年代以降JR函館本線沿線にあたる西側・北側で市街化が進みつつある。公園の豊かな自然環境を背景にした住宅街が形成されているほか、縁辺部には大学から小学校までの学校、官庁・企業の研究施設が多く立地している。野幌総合運動公園が北に隣接する。

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 村野紀雄『自然ガイド野幌自然公園』、北海道新聞社、1999年。ISBN 4-89453-039-2
  • 北海道庁野幌林業試験場案内 昭和3年6月編
  • 道立自然公園野幌森林公園要覧 北海道野幌森林公園事務所、平成6年3月。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]