ニリンソウ
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ニリンソウ | ||||||||||||||||||||||||
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二輪のニリンソウ
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Anemone flaccida F. Schmidt. | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ニリンソウ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
wind flower |
ニリンソウ(二輪草、学名:Anemone flaccida)は、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。春山を代表する花のひとつ。
特徴[編集]
深く裂けた根生葉を持つ。茎に3枚が輪生する葉には、サンリンソウのような柄はない。3-6月に、白い萼片を持つ直径約2 cmの花をつける。多くは1本の茎から特徴的に2輪ずつ花茎が伸び、和名の由来となっている[1]。まれに1輪や3輪のものもある[1]。根茎で増えるため、群落を作ることが多い。別名が、「フクベラ・ガショウソウ」[2]。
分布と生育環境[編集]
東アジア(樺太、朝鮮、中国(北部・東北地方)、ウスリー地方、日本)に分布する[2]。日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、主に湿潤な山地の林床や周辺部に生育する。基準標本はサハリンのもの[2]。
利用[編集]
根茎は「地烏(ジウ)」と呼ばれ、漢方薬として用いられる。また、若葉は山菜として食用とされ、アイヌ達は冬季の重要な備蓄食料として、5月から6月に採集し利用していた[3]。一方で、有毒植物であるトリカブトの若葉に似ていることから注意が必要である。例えば2009年、2012年には間違えてトリカブトを口にし、死に至った事例が日本で報告されている[4]。トリカブトとの誤認を防ぐ為には、ニリンソウの採集は蕾を確認してからが望ましいとの見解がある[3]。ニリンソウ自体にも有毒成分は含まれており、煮沸して食用にしている為に、有毒成分は抜けている(とされている)。[5]。
下位分類[編集]
- ウスベニニリンソウ Anemone flaccida F.Schmidt f. rosea Hayashi
- ギンサカズキイチゲ Anemone flaccida F.Schmidt f. semiplena (Makino) Okuyama
- ミドリニリンソウ Anemone flaccida F.Schmidt f. viridis Tatew.
- オトメイチゲ Anemone flaccida F.Schmidt var. tagawae (Ohwi) Honda
地方公共団体の花[編集]
種の保全状況評価[編集]
日本の各都道府県で、以下のレッドリストの指定を受けている[7]。
- 絶滅危惧I類 - 佐賀県
- 絶滅危惧IB類 - 和歌山県
- 絶滅危惧II類 - 島根県[8]、高知県
- 要保護(環境省の絶滅危惧II類相当) - 千葉県[9]
- 準絶滅危惧 - 東京都区部、北多摩(南多摩と西多摩はランク外)
関連画像[編集]
脚注[編集]
- ^ a b 『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』pp.130-131
- ^ a b c 日本の高山植物 (1988)、448-449頁
- ^ a b 数馬恒平、佐竹元吉、紺野勝弘、重症トリカブト中毒事例とその食品衛生学的背景 食品衛生学雑誌 Vol.54 (2013) No.6 p.419-425
- ^ 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:トリカブト類 厚生労働省
- ^ しかし、昔からニリンソウを食している地域の住民以外で、又、子供の時から食用として来た者以外の者は、ニリンソウを食用とする事は、危険を伴う為に控える事が望ましい。と、山菜の採取用の辞典に記載が見られる
- ^ “区の花ニリンソウ”. 板橋区 (2012年2月22日). 2012年3月2日閲覧。
- ^ “日本のレッドデータ検索システム(ニリンソウ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2012年7月2日閲覧。
- ^ “しまねレッドデータブック(ニリンソウ)”. 島根県 (2004年3月). 2012年7月2日閲覧。
- ^ “千葉県レッドデータブック-植物・菌類編(2009年改訂版)(ニリンソウ) (PDF)”. 千葉県. pp. 267 (2009年). 2012年7月2日閲覧。
参考文献[編集]
- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本Ⅱ離弁花類』、1982年、平凡社
- 岩槻秀明『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』秀和システム、2006年11月5日。ISBN 4-7980-1485-0。
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月。ISBN 4-635-09019-1。