タラノキ

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タラノキクロンキスト体系
Aralia elata en fleur4081.jpg
タラノキ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
: セリ目 Apiales
: ウコギ科 Araliaceae
: タラノキ属 Aralia
: タラノキ A. elata
学名
Aralia elata
和名
タラノキ(楤木)

タラノキ(楤木、桵木、学名、Aralia elata)はウコギ科の落葉低木。新芽を「たらのめ(楤芽)」「タランボ」などと呼び、スプラウトとして食用に販売もされている。テンプラ等に調理される。「タラ(楤、桵)」と呼ばれることもある[1]

特徴[編集]

高さは2〜4m程度、あまり枝分かれせずにまっすぐに立ち、葉は先端だけに集中する。樹皮には幹から垂直に伸びる棘が多くある。

葉は奇数二回羽状複葉で、全長が50-100cmにも達する大きなものである。全体に草質でつやはない。葉柄は長さ15-30cmで基部がふくらむ。小葉は卵形~楕円形で長さ5-12cmで裏は白を帯びる。葉全体に毛が多いが、次第に少なくなり、柄と脈状に粗い毛が残る。夏に小さな白い花を複総状につける花序を一つの枝先に複数つける。花弁は三角形で5枚、雄蕊は5本で突き出ている。自家受粉を防ぐため、雄蕊が先に熟して落ちた後、5個の雌蕊が熟し秋には黒い実となる。

分類上は幹に棘が少なく、葉裏に毛が多くて白くないものをメダラ(f. subinermis)といい、栽培されるものはむしろこちらの方が普通である。

分布と生育環境[編集]

日本各地、東アジアに分布する。

林道脇など日当たりの良い山林に生える。いわゆるパイオニア的な樹木であり、森林が攪乱(かくらん)をうけると、たとえば伐採跡地に素早く出現し、生育環境にもよるが1年で20~60cmほど伸び、5年で3mに達するものも珍しくはない。

利用[編集]

特に有名なのは新芽の山菜としての利用であるが、樹皮は民間薬として健胃、強壮、強精作用があり、糖尿病にもよいといわれる。また、芽をたべることで同じような効果が期待できると言われている。根皮も「タラ根皮」(ーこんぴ)という生薬で、糖尿病の症状に対して用いられる。膵臓β細胞に障害を与えた糖尿病モデルに対してタラノメ抽出物を投与したが改善効果は認められなかった。一方、ラットへのブドウ糖ショ糖の負荷投与に際して血糖値上昇が7-8割も抑制された。このことから、タラノメは糖尿病の治療というよりも予防や悪化防止に効果があると考えられるとする報告がある[2]

タラの芽の採取方法[編集]

市販されているタラの芽
  • 通常は頂芽のみが採集の対象。側芽まで取ってしまうとその枝は枯れてしまう。ゆえにそのような行為はマナー違反とみなされることがある。胴芽も通常は採らない。幼い一本立ちのタラノキ(高さがだいたい膝から腰くらい)の頂芽を取るとその幼木全体が枯れてしまう。
  • 新芽の根元で容易にむしることができるが、鎌等の道具を用いることもある。
  • 園芸業者が販売している枝に棘のない品種(メダラ)や別種のリュウキュウタラノキ(Aralia ryukyuensis) を栽培し販売することもある。

採取時期[編集]

新芽の採取時期は桜の8分咲きころに同期しており、里の桜がタラの芽の採取時期でもある。採取は先端から上に向いた1番の芽と、その脇から斜めに伸びる2番程度までとし、あとは昨年に伸びた枝を見て芽の候補が残っているか確認する。一定の時期を過ぎると候補と成る芽の素は枯れて発芽しない。脇芽を含め全ての芽を摘み取ると立枯れする。

スーパーなどで見られる綺麗な緑色のタラの芽は昨年伸びた枝を伐採したもので、敷き詰めたオガクズや水の入ったバケツに挿しておいたもの。出荷前にビニールハウスで気温を上げ発芽させる。天然ものよりもだいぶ味・香りが弱く、水っぽさがある。天然もののタラの芽のテンプラは冷えても歯ごたえがしっかりしているが、枝切りして芽吹かせたタラの芽はテンプラが冷えるとしぼんでしまう[要出典]

調理方法[編集]

テンプラにするのが一般的で、口いっぱいにひろがる独特の芳香が特徴的である。単にゆがいておひたし和え物にしたり、油で炒めて食べてもよい。

脚注[編集]

  1. ^ デジタル大辞泉『』 - コトバンク
  2. ^ 薬用食物の糖尿病予防成分、吉川雅之、化学と生物 Vol.40 No.3 2002, doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.40.172

参考文献[編集]

  • 北村四郎・村田源、『原色日本植物図鑑・木本編I』、(1971)、保育社

関連項目[編集]

外部リンク[編集]