シマフクロウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
シマフクロウ
シマフクロウ
シマフクロウ Ketupa blakistoni
保全状況評価[a 1][a 2]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 EN.svgワシントン条約附属書II類
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: フクロウ目 Strigiformes
: フクロウ科 Strigidae
: シマフクロウ属 Ketupa
: シマフクロウ K. blakistoni
学名
Ketupa blakistoni (Seebohm, 1884)
和名
シマフクロウ
英名
Blakiston's fish owl

シマフクロウ(島梟[1]Ketupa blakistoni)は、フクロウ目フクロウ科シマフクロウ属ワシミミズク属に含める説もあり)に分類される鳥類。全長66~69cm、翼開長180cmに達する日本最大のフクロウ。

分布[編集]

  • K. b. blakistoni シマフクロウ

日本北海道中部および東部)、ロシアサハリン千島列島南部)[2][3][4][a 3]

  • K. b. doerriesi

中華人民共和国北東部、朝鮮民主主義人民共和国、ロシア南東部[3][a 3]

和名の「シマ」は北海道に分布(隔絶された地方)する事に由来する[1]

形態[編集]

全長63-71cm[2][3]。翼開長175-190cm[2][3]体重3.4-4.1キログラム[3]。頭部には耳介状の長くて幅広い羽毛(羽角)が伸長する[3][a 3]。尾羽は短い[a 3]。踵から趾基部にかけて(ふ蹠)は羽毛で被われるが、趾は羽毛で被われない[4]。全身の羽衣は灰褐色で、黒褐色の縦縞と細い横縞が入る[2][3][a 3]。顔を縁取る羽毛(顔盤)は小型で黒い[3]。翼は幅広い[4][a 3]

虹彩は黄色[2][3][4][a 3]。嘴や後肢は灰黒色[3]

分類[編集]

  • Ketupa blakistoni blakistoni (Seebohm, 1884) シマフクロウ
  • Ketupa blakistoni doerriesi 

生態[編集]

海岸河川の周囲にある広葉樹林、混交林に生息する[3][4][a 3]。ペアで縄張りを形成し生活する事が多い。魚類が生息する1つの小河川を1ペアが縄張りとし、他のペアと縄張りを共有することは無い。

食性は動物食。主に魚類ウグイカレイサケなど)を食べるほか、両生類甲殻類、他の鳥類、哺乳類ウサギコウモリネズミリスなど)なども食べる[3][a 3]。魚類は主に浅瀬で捕食する[3]

繁殖形態は卵生。大木の樹洞や断崖の岩棚に巣を作り、2-3月に1-2個(主に2個)の卵を産む[3][a 3]。メスのみが抱卵し、抱卵期間は約35日[3][a 3]。雛は孵化してから約50日で巣立つ[a 3]。幼鳥は巣立ってから1-2年は親の縄張り内で生活し、独立する[a 3]。生後3-4年で性成熟する[a 3]

人間との関係[編集]

種小名blakistoniトーマス・ブラキストン(Thomas Wright Blakiston)への献名で、英名と同義[1]アイヌ語では、コタン・コロ・カムイ (kotan kor kamuy, コタン(集落)を護るカムイ) などと呼ばれる(呼び方は複数ある)。

開発による生息地の破壊および針葉樹の植林、水質汚染、漁業との競合、交通事故、生息地への人間進出による繁殖の妨害などにより、かつてより生息数は激減した[3][a 3]。日本では1971年に国の天然記念物[a 4]1993年種の保存法施行に伴い国内希少野生動植物種に指定されている[a 3][a 5]。 また1980年代から巣箱の設置、冬季の生け簀による給餌、生息地を保護区や保護林に指定するなどの保護対策が進められている[3][a 3]環境省釧路湿原野生生物保護センターでは、傷病個体の治療と野生復帰を行っている[5]

繁殖成功数は増加しているものの、生息地の多くが消失しているため生息数は上昇傾向にはない[3][a 3]とされてきたが、環境省調査による推定では、北海道内の生息数は一時の100羽程度から165羽(2018年時点)へ増えた[6][5]

  • K. b. blakistoni シマフクロウ

絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト[a 3]

Status jenv CR.svg

現状では個体群が4つの生息域(知床半島根釧地域大雪山系、日高山系)でそれぞれ孤立している。遺伝的多様性を確保するため相互に行き来できる回廊確保が課題であると環境省の専門家は指摘している[5]

画像[編集]

雑情報[編集]

  • サッカーJリーグ北海道コンサドーレ札幌のエンブレムは、シマフクロウをモチーフにしている。また、マスコットキャラクター、ドーレくんのモチーフもシマフクロウである。
  • 北海道羅臼町の鷲の宿はチトライ川の渓流の中に自然のよどみを再現した給餌池を作り、チトライ川に生息する野生のシマフクロウが魚を捕食する様子を観察、特殊な照明でフラッシュを使用せずに撮影できる観察施設を併設している。

参考文献・出典[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b c 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社2008年、186-187頁。
  2. ^ a b c d e 五百沢日丸 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』、文一総合出版2004年、88頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社2000年、100、199頁。
  4. ^ a b c d e 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社2000年、2000年、365頁。
  5. ^ a b c 【なっとく科学】シマフクロウ保護軌道に/生息数100羽→165羽『読売新聞』夕刊2018年8月30日(5面)。
  6. ^ (お知らせ)平成30年度シマフクロウ標識調査の実施結果について環境省 北海道地方環境事務所(2018年07月10日)2019年2月26日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]