釧路市動物園
釧路市動物園 | |
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施設情報 | |
専門分野 | 総合 |
所有者 | 釧路市 |
管理運営 | 釧路市教育委員会生涯学習部 |
園長 | 古賀公也 |
面積 | 47.8ha |
来園者数 | 26万1,099人(1979年)[1] |
開園 | 1975年10月1日[1] |
所在地 |
〒085-0201 北海道釧路市阿寒町下仁々志別11番 |
位置 | 北緯43度4分52.5秒 東経144度14分11.5秒 / 北緯43.081250度 東経144.236528度座標: 北緯43度4分52.5秒 東経144度14分11.5秒 / 北緯43.081250度 東経144.236528度 |
アクセス | バスで「釧路市動物園」下車 |
釧路市動物園(くしろしどうぶつえん)は、北海道釧路市阿寒町にある動物園。
1975年に開園。総敷地面積47.8haとゆったりしており、北海道最大の動物園である。(開園当時は国内最大の面積)。国内最東端の動物園でもある。動物の保護研究機関として1995年に世界で初めてシマフクロウの飼育下での繁殖に成功しており、国内唯一のシマフクロウ保護育成センターになっている。
積雪期は園内に歩くスキーコースとそり山が開設され、用具貸出しも行われる。
飼育動物
[編集]- シマフクロウ
- タンチョウ
- ニホンザル
- レッサーパンダ
- ホッキョクグマ
- グラントシマウマ
- コミミズク
- ライオン
- アムールトラ
- アルパカ
- バッファロー
- キリン
- アザラシ
- ヒグマ
- オランウータン
- チンパンジー
年表
[編集]- 1975年10月1日 - 開園。第1期工事は総工費22億円で22ヘクタールを開発[2]、当初は北方系動物を中心に69種350点余りを飼育[3]。北海道で初めてアフリカゾウ[4]、ネパールレッサーパンダが来園。
- 1976年 - こども動物園が完成。国内で初めてレッサーパンダ、ホッキョクギツネの繁殖に成功する。
- 1977年 - 国内で初めてアカシカ、マーモットの繁殖に成功する。
- 1979年 - 国内で初めてオタリアの繁殖に成功する。
- 1982年 - タンチョウ保護増殖センターが完成。
- 1983年 - 国内で初めてオオハクチョウの繁殖に成功する。
- 1985年 - 国内で初めてアメリカヘラジカの繁殖に成功する。
- 1986年 - 国内で初めてゼニガタアザラシの人工保育に成功する。
- 1989年 - 国内で初めてオジロワシ、エゾフクロウ、シロフクロウの人工孵化に成功する。
- 1995年 - 国内で初めてシマフクロウの繁殖に成功する。
- 1999年 - 国内で初めてハクトウワシの繁殖に成功する。
- 2002年 - 世界で初めてクマタカの繁殖に成功する。
- 2004年 - アムールトラが来園。
エピソード
[編集]2004年 - 2005年に相次いで来園したアムールトラ(オスは「リング」、メスは「チョコ」)の間に、2008年5月24日に3頭の子供が生まれた[5]。いずれも仮死状態であり、肢に先天性障害(軟骨形成不全症[6])を有していた[5]。もっとも小さかったオスは間もなく死亡した[6]。他の2頭(オスとメス)も、成長後も自立歩行困難と考えられ、動物園としての運営コスト、マンパワーなどの面から飼育続行の可否が問題となった[6]。
釧路市長であった伊東良孝(2017年現在は衆議院議員)がスケジュールの合間を縫って自ら来園し、保育器の中の2頭の様子を見た[6]。
市のトップである伊東の決断により[6]、飼育係や獣医師は一致団結して2頭に細心の飼育を続けた[5]。オスはタイガ、メスはココアと名づけられた[6]。
釧路市動物園のこの取り組み、懸命に生きようとするタイガとココアの姿には注目が集まり、来園者の感動を呼んだ[6]。釧路市に所在するNPO法人「釧路市動物園協会」は、募金活動、イベント開催、DVD発売などによる支援を行った[7]。
翌年の2009年8月25日、オスのタイガは、咽喉に詰まらせた肉片を、先天性障害のゆえに吐き出すことができずに死亡した[8][6]。タイガの死は広くメディアで報じられ(例[9])、全国から死を悼む花や手紙が届き[6]、展示室の前に記帳台が10月まで設けられた[10][6]。同年11月には、朝日新聞出版から書籍『タイガとココア 障がいをもつアムールトラの命の記録』(ISBN 9784022506627)が上梓された。
2024年5月現在、16歳になったメスのココアは健在である[11]。ヨタヨタとではあるが自力で歩くココアは、多くの来園者から声援を受けている[6]。
交通
[編集]- 釧路駅から約18 km。北海道道666号徹別原野釧路線沿い。
- 釧路駅、大楽毛駅、釧路空港などから阿寒バスの路線バス利用。
所管施設
[編集]釧路市動物園の所管施設として、釧路市丹頂鶴自然公園(1958年開園)、タンチョウ保護増殖センター(1981年開設)、釧路市阿寒国際ツルセンターの三つのツル関連施設を構成する[12]。なお、釧路市の「釧路市動物園基本構想」では、釧路市動物園の所管施設であることを市民にも明確にするため、これらの名称に「釧路市動物園」を冠することも検討するとしている[12]。
- タンチョウ保護増殖センター
- 釧路市丹頂鶴自然公園
- 釧路市阿寒国際ツルセンター
関連項目
[編集]- 北海道こども博覧会 - 会期終了後、使用されていた大型遊園地施設はそのまま釧路市動物園に移設された。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 釧路市動物園基本計画 2.3.釧路市動物園内の現況 (PDF) 、釧路市動物園基本計画 1.釧路市動物園基本構想 (PDF) 平成21年12月 釧路市動物園 2013-3-11閲覧
- ^ 釧路市動物園、華やかに開園 珍しい動物に歓声どっと家族連れ訪れる - 釧路新聞1975年10月2日11面
- ^ きょうオープン釧路市動物園北方系を中心に六十九種三百五十余点 - 釧路新聞1975年10月1日朝刊1面
- ^ 釧路市動物園へこんにちは アフリカからぞうさん - 釧路新聞1975年11月14日
- ^ a b c “動物紹介-アムールトラ”. 釧路市動物園公式サイト. 2018年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l “アムールトラ・ココアの今、軟骨形成不全症も9歳に…釧路市動物園”. スポーツ報知 (2017年10月10日). 2018年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月15日閲覧。
- ^ “「頑張れタイガ・ココア」アムールトラ支援募金の活動のお知らせ”. NPO法人 釧路市動物園協会 公式サイト. 2018年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月15日閲覧。
- ^ “タイガとココアのページ-2009年8月”. 釧路市動物園公式サイト (2009年8月31日). 2018年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月15日閲覧。
- ^ “四肢障害持つトラ「タイガ」死ぬ/北海道釧路市動物園”. 四国新聞 (2009年8月25日). 2018年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月15日閲覧。
- ^ “タイガとココアのページ-2009年10月”. 釧路市動物園公式サイト (2009年10月31日). 2018年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月15日閲覧。
- ^ “16歳ココア 懸命に生きる 釧路市動物園の障害あるアムールトラ 体力に衰え目立つ”. 北海道新聞 (2024年3月1日). 2024年5月17日閲覧。
- ^ a b “釧路市動物園基本構想”. 釧路市. 2024年6月27日閲覧。