高崎山自然動物園

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高崎山自然動物園
Takasakiyama Natural Zoo
Takasakiyama s park.jpg
高崎山自然動物園入口の立て札
施設情報
正式名称 瀬戸内海国立公園高崎山自然動物園[1]
専門分野 サル
所有者 大分市
管理運営 一般財団法人大分市高崎山管理公社(指定管理者[2]
開園 1953年(昭和28年)3月15日
所在地 870-0802
大分県大分市大字神崎3078-20
位置 北緯33度15分7.1秒
東経131度31分26.7秒
公式サイト http://www.takasakiyama.jp/
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気温の低い時期は団子のように寄り集まり寒さを凌ぐ。さるだんごと呼ばれる。
別府から見た高崎山
サル寄せ場にある「本堂建設用地」の看板
職員の餌撒きに集まるニホンザル

高崎山自然動物園(たかさきやましぜんどうぶつえん)は、大分県大分市高崎山にある大分市立の自然公園である。

概要[編集]

高崎山には野生のニホンザルが生息しており、山麓の万寿寺別院境内に設けられたサル寄せ場では餌付けが行われていて、観光客等が檻を隔てずにニホンザルの姿を見ることができる。高崎山のニホンザルはB群、C群の2つの群に分かれ、それぞれがα(アルファ)オス、いわゆるボス猿に率いられている。かつては1,000頭余を数えたA群も姿を現していたが、C群との争いに敗れて20頭ほどに激減し、2002年(平成14年)6月頃から姿を見せなくなった[3]

宮崎県幸島と並んで「日本のサル学発祥の地」とも言われ、「ボス猿」という呼称を日本で最初に使ったとされる。「群れの中で最も序列が高い個体を指す呼称を『ボス猿』から『αオス』に改める」と発表した際には、テレビニュース新聞で報道された[4]

高崎山に生息しているニホンザルの個体数は、全体で1,365頭で、このうち、B群が706頭、C群が659頭(2016年11月28日 - 12月9日調査)[5]

歴史[編集]

『大友興廃記』や『豊府紀聞』によれば、高崎山には少なくとも戦国時代には野生のニホンザルが住んでいたとされる[6]明治時代末期には約600頭ほどにもなり、その後、大正時代に山火事で一時頭数が激減したものの、1940年(昭和15年)には100頭以上を数えるようになった。終戦直後には200頭程度にまで増えて農作物への被害が深刻となったため、狩猟などによるニホンザルの駆除が試みられたが失敗。これを耳にした当時の大分市長上田保が、駆除に代えて餌付けし観光資源として利用しようとしたのが始まりである。

1952年(昭和27年)11月26日に上田が高崎山山麓の万寿寺別院の和尚とともに餌付けを開始。餌付けが軌道に乗った翌1953年(昭和28年)3月15日に正式に開園した。その際、上田の発案で、料金の表示を「小人十円、大人は小人並」としたことも話題を集めた[7]。同年のうちに、高崎山が阿蘇国立公園(現阿蘇くじゅう国立公園)に指定されるとともに、「高崎山のサル生息地」が国の天然記念物に指定された。

1954年(昭和29年)には、万寿寺別院から本堂建設のためサル寄せ場移転の申し入れがあったが、協議の結果、サル寄せ場を継続する代わりに、損害補償として年間総売上の20%を万寿寺に支払うことで合意[7]

1955年(昭和30年)には、上田をモデルに当園でのサルの餌付け等を描いた火野葦平の小説『ただいま零匹』が朝日新聞夕刊に連載されるとともに、後には映画化もされて知名度が高まった[7]

1959年(昭和34年)及び1962年(昭和37年)には群れが分裂し、A・B・C群の3つの群れとなるが、2002年(平成14年)からはA群が姿を現さなくなり、B・C群の2群のみがサル寄せ場に現れるようになった。

2004年(平成16年)3月26日、高崎山の入口からサル寄せ場までを4分で結ぶ2両編成、定員40名の小型モノレールスロープカー)「さるっこレール」が運行を開始。坂道や階段を登らずにサルを観察できるようになった。

年表[編集]

施設[編集]

さるっこレール
  • 営業時間 8:30 - 17:00(入園は16:30まで)[10]
  • 年中無休

サル寄せ場[編集]

  • 入場料金 大人・高校生 510円、中・小学生 250円、幼稚園児以下 無料

2つの群れは時間をずらしてサル寄せ場に姿を現し、おおむね、勢力の強いC群が午前中(8時半頃[11])に現れ、午後(13時頃[11])にB群に交代する。このため、営業時間中はサルがいることが多いが、山中に食物が豊富にある9-10月等にはサル寄せ場に姿を現さないこともある[12]

交代時間前後に訪れれば2つの群れを見ることができるが、近年、B群の勢力が強まったためC群からB群に交代する時間が早まっており、10時台に交代することも多い[11]。2016年12月にはB群が先に姿を現すことも多くなっており、かつてのA群のように、C群が姿を現さなくなる可能性が危惧されている[5]

高崎山おさる館[編集]

  • 入場無料

大分マリーンパレス水族館「うみたまご」の隣に位置する。3階建ての建物で、初代αオス(ボスザル)ジュピターの骨格標本[13]をはじめ、高崎山のニホンザルに関する資料等を展示している。また、100名に対応できる研修室を備えているほか、喫茶店、レストラン、土産品店を併設している[14]

さるっこレール[編集]

  • 料金 片道、往復どちらでも100円[10]

定員40名の小型モノレール(スロープカー)。

駐車場[編集]

  • 営業時間 8:30 - 18:30[10]
  • 駐車料金 普通車400円

大分マリーンパレス水族館「うみたまご」と共用。

営業時間[編集]

高崎山に生息するニホンザルの個体数[編集]

年度 A群 B群 C群 合計 備考
1996 1,042 557 529 2,128
1997 1,089 413 497 1,999
1998 834 297 556 1,687
1999 838 360 563 1,761
2000 758 400 617 1,775
2001 773 449 660 1,882
2002 - 503 732 1,235 A群が姿を現さなくなる
2003 - 481 715 1,196
2004 - 445 763 1,208
2005 - 484 778 1,262
2006 - 487 781 1,268
2007 - 516 774 1,290
2008 - 491 836 1,327
2009 - 526 696 1,222
2010 - 549 816 1,365
2011 - 540 713 1,253
2012 - 614 754 1,368
2013 - 643 712 1,355
2014 - 701 815 1,516
2015 - 732 790 1,522
2016 - 706 659 1,365 B群の個体数がC群を上回る

(出典)2015(平成27)年度 第45回 高崎山生息ニホンザルB・C2群に関する個体数調査報告書 (PDF) 一般財団法人大分市高崎山管理公社

歴代αオス[編集]

ジュピター(A群初代αオス)像(朝倉文夫作)
ベンツ(B群第9代・C群第9代αオス)

カッコ内は在任期間。

A群[編集]

  1. ジュピター(1952年11月-1961年1月、8年2ヶ月)
  2. タイタン(1961年1月-1964年6月)
  3. バッカス(1964年6月-1967年6月)
  4. ブア(1967年6月-1967年8月)
  5. ダンディー(1967年8月-1970年1月)
  6. トク(1970年1月-1973年1月)
  7. ケム(1973年1月-1973年3月)
  8. ジュチ(1973年3月-1980年3月、8年)- 高崎山のニホンザルの調査を行った伊谷純一郎の息子の名にちなむ。
  9. ヘクター(1980年3月-1981年12月)- C群の偵察中電車にはねられ命を落とす。
  10. トボ(1981年12月-1986年6月)
  11. ギャラン(1986年6月-1988年7月)
  12. ホープ(1988年7月-1992年12月)
  13. テツ(1992年12月-1996年9月)
  14. チューテツ(1996年9月-1997年8月)
  15. コーテツ(1997年8月-1999年2月)
  16. シービー(1999年2月-1999年11月)
  17. ジンギ(1999年11月-2000年12月)
  18. ブラボー(2000年12月-不明) -

B群[編集]

  1. ホシ(1959年8月-1965年8月、6年)- A群初代「ジュピター」時代に分裂し、B群初代αオスに就任。
  2. シロ(1965年8月-1968年1月、2年5ヶ月)
  3. ヒヒ(1968年1月-1974年3月、6年2ヶ月)
  4. ナケ(1974年3月-1974年7月、4ヶ月)
  5. ピーナツ(1974年7月-1978年8月)
  6. マッスル(1978年8月-1983年8月)
  7. ゲンチ(1983年8月-1986年3月)
  8. ダーツ(1986年3月-1987年10月)
  9. ベンツ(1987年10月-1990年1月) - 後にC群に移り、C群の一兵卒からC群でも第9代αオスにのぼりつめた。
  10. ジョーカー(1990年1月-1991年8月)
  11. ドラゴン(1991年8月-1997年2月、5年6ヶ月) - 生まれつき手の指が右2本、左3本しかなく、しかも電車にはねられ右腕を失ったにもかかわらずαオスとなった。
  12. イッセイ(1997年2月-1997年12月)
  13. ムラサメ(1997年12月-1998年9月)
  14. ゴルゴ(1998年9月-2010年1月、11年3ヶ月)
  15. タイガー(2010年1月-2012年3月)
  16. マコト(2012年3月-2014年3月)[15]
  17. ナンチュウ(2014年3月- ) ー 大分市立南大分中学校(南中)の生徒が命名した[16]

C群[編集]

  1. ヤマ(1964年3月-1973年12月、9年9ヶ月)- A群から2代目「タイタン」時代に群れから分裂しC群を構成。
  2. シータク(1973年12月-1975年7月)
  3. ギャバン(1975年7月-1979年8月)
  4. スター(1979年8月-1981年12月)
  5. ミック(1981年12月-1989年5月、7年4ヶ月)
  6. バートン(1989年5月-1993年9月)
  7. ゲンタ(1993年9月-1998年12月、5年3ヶ月)
  8. ゾロ(1998年12月-2011年2月、12年1ヶ月)[17] - 在任期間歴代最長。先代αオスへの差し入れのバナナを奪ったバナナ事件をきっかけに順位が入れ替わりαオスに就任。
  9. ベンツ(2011年2月-2014年2月)[18] - 高崎山史上初めて異なる群れでNo.1になった。お別れ会で「高崎山名誉ボス」の称号を授与された[19]
  10. ゾロメ(2014年2月-2016年5月) - C群8代目ゾロの弟[17]
  11. オオムギ(2016年5月-)

その他の有名なサル[編集]

  • オオムギとハトムギ - 兄弟のサル。母はネピア。C群の女帝として君臨した母ネピアの影響で、オオムギとハトムギは苦労せず順調に昇格した。しかし、弟のハトムギは、その粗暴な性格からくる不人気と、近親相姦を避けようとする自浄作用によって、C群を追われてB群へ移り最下位から出直している。
  • ミルサーとムメ - C群でライバル関係にあるメスザル。競って群のナンバー2に毛づくろいを行うなどして、ナンバー2のオスザルを後ろ盾にメスザル・ナンバー1の地位を争っている。人間で言えばそろそろ更年期にあたるミルサーは、若いオスザルや子ザルに噛みつく行為まで観察されており、朝日新聞はメスザルとして初のボスになるのではないかという報道をしている[20]

名付け[編集]

高崎山では、1984年(昭和59年)から、その年最初に生まれたサルに、その年の出来事に因んだ名前を付けている[21]。2009年以降の命名は以下の通り。

また、2012年5月2日には大分市出身で大分市の初代観光大使に選ばれた指原莉乃が、その初仕事として高崎山自然動物園を訪れ、子ザルを「さしこちゃん」と名付けた[31]。しかし、この子ザルは同年12月13日に死んでいるのが見つかった[32]

交通[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 大分市高崎山自然動物園条例
  2. ^ 指定管理者制度の導入状況一覧
  3. ^ サル社会は年功序列へ? 読売ウイークリー 2008年9月7日号
  4. ^ 「ボス猿」改め「αオス」 大分・高崎山も 共同通信 2004年2月16日
  5. ^ a b 高崎山C群存亡の危機 個体数、B群が初の逆転 大分合同新聞、2016年12月28日
  6. ^ 高崎山 大分市
  7. ^ a b c ロマンを追って 元大分市長 上田保 第九章 条件反射 (PDF) 中川郁二著
  8. ^ 高崎山について 高崎山自然動物園
  9. ^ a b 高崎山に生息する餌づけニホンザル個体群の動態と管理」杉山幸丸・大沢秀行 霊長類研究 Vol.4 , No.1(1988) pp.33-43
  10. ^ a b c 営業案内 高崎山自然動物園
  11. ^ a b c シャーロットいないの? 高崎山B群勢力拡大でC群退散 大分合同新聞、2016年3月10日
  12. ^ よくある質問 高崎山自然動物園
  13. ^ 初のボス猿、故郷高崎山へ/骨格標本返還で式典 SHIKOKU NEWS(四国新聞社)、20014年7月17日
  14. ^ おさる館 高崎山自然動物園
  15. ^ 『若きリーダー「マコト」就任 高崎山B群 大分合同新聞 2012年3月4日、2013.8.1閲覧。なお、公式HPにある『B群αオスの就任式および桃の節句イベントのお知らせ』(2012年3月2日)では、マコトがαオスになった経緯も紹介されている。
  16. ^ 大分・高崎山、B群新ボスはナンチュウ 南中生が命名 朝日新聞 2014年3月3日
  17. ^ a b 高崎山10代目ボスにゾロメ ベンツの側近が昇格 大分 朝日新聞 2014年2月2日
  18. ^ ボスザル「ベンツ」、死亡認定 不明1カ月で動物園 朝日新聞 2014年1月18日
  19. ^ 大分)ベンツが「名誉ボス」に お別れ会で称号授与式 朝日新聞 2014年1月23日
  20. ^ 高崎山サル、初のメスのボス誕生に期待 ミルサー台頭 朝日新聞デジタル 2014年10月19日21時23分
  21. ^ 高崎山第1号赤ちゃんザル誕生についてお知らせします 大分市
  22. ^ 命名「レンパ」 今年最初の赤ちゃんザル 高崎山自然動物園 西日本新聞朝刊 2009年5月17日
  23. ^ 高崎山に赤ちゃん第1号 名前はクロマグロ 大分合同新聞 2010年4月17日
  24. ^ 赤ちゃんザル第1号 「キズナ」と命名 大分合同新聞、2011年5月23日
  25. ^ 高崎山第1号赤ちゃんザル誕生について 大分市、2012年4月24日
  26. ^ 赤ちゃんでも「カンレキ」 高崎山の子ザルに命名 MSN産経ニュース、2013年5月25日
  27. ^ 大分)高崎山、今年最初のサルの赤ちゃん「ソチ」誕生 朝日新聞、2014年5月11日
  28. ^ 英王女ちなむ命名に抗議 赤ちゃんザル「シャーロット」 高崎山自然動物園、取り消し検討 産経WEST、2015年5月6日
  29. ^ 赤ちゃんザル「シャーロット」、名前は変更せず 読売新聞 2015年5月8日閲覧
  30. ^ 大分)シャーロット1歳 赤ちゃんは「リオ」に 高崎山 朝日新聞、2016年5月7日
  31. ^ 大分市観光大使の指原さん“初仕事” 大分合同新聞、2012年5月2日
  32. ^ 高崎山の「さしこちゃん」死ぬ 大分合同新聞、2012年12月14日

関連項目[編集]

  • フォーナランド - かつて高崎山下の海岸にあった施設。現在は「高崎山おさる館」になっている。
  • 動物園
  • モンモンモン - パロディ地名として原崎山が登場。
  • うみたまご - 直接関係はないが、高崎山の真下にあり、最寄バス停も同じなので、一緒に観光する例が多い。

外部リンク[編集]