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令和

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令和(れいわ)は、日本元号の一つ。

平成の後。大化以降248番目の元号。徳仁今上天皇)が即位した2019年(令和元年)5月1日から現在に至る。

ここでは日本史の時代区分における令和時代(れいわじだい)についても記述する。

なお以下の西暦は、ただし書きのない場合はすべてグレゴリオ暦である。

概要

令和
「令和」の漢字を文字で表したもの

2019年(令和元年)5月1日午前0時、天皇の退位等に関する皇室典範特例法の規定に基づいて、第125代天皇明仁退位上皇となり[1]、明仁の第一皇男子である皇太子徳仁親王が第126代天皇に即位した[2][3]。この皇位の継承を受けて、元号法の規定に基づき[4]、「平成」から「令和」に改元された[5]。日本の憲政史上初めて[注 1]、かつ、202年ぶり[注 2]となる先帝の退位に伴う皇位継承によって改元が行われた[6]。なお、徳仁の即位礼正殿の儀は同年10月22日に行われる。

政府はこの年に限りこれらの儀式が行われる日を祝日とする祝日法改正案を提出し、2018年(平成30年)12月8日参議院可決成立した。祝日法の規定により、この年のゴールデンウィーク4月27日から5月6日まで10連休となった[7]。また、この年は前述のとおり改元が行われた5月1日午前0時を挟んで、平成(平成31年)と令和(令和元年)の二つの元号にまたがる年となっている。

「令和(れいわ)」の典拠は、『万葉集』の巻五、梅花(うめのはな)の歌三十二首の序文(「梅花の歌三十二首并せて序」、詳細は#典拠を参照)である[8][9]。確認される限りにおいて初めて漢籍ではなく日本の古典(国書)から選定された[8]。なお、「れいわ」の発音については「『元号法はあくまで元号の漢字ふりがな表記のみ定めるものであり、アクセントについては決まっていない」ため、特に定められていない[10][11][12]

元号に「」の漢字が使われるのも初である[13][14]。また、ラ行で始まる日本の元号は暦応以来およそ680年ぶり、「レイ」の音が先頭に来る元号は奈良時代初めの霊亀(レイキ)以来2例目でおよそ1300年ぶりとなる[注 3]。一方で「」の漢字が使われるのは和銅以来20例目。昭和に使われているため平成を間に挟みおよそ30年ぶりとなる。

現在の和暦

元号名 期間 年数 通算年日数 天皇名 改元理由
公的 当時
漢字 読み 始期 現在 始期 現在
令和 れいわ 令和元年(2019年)
5月1日
令和元年(2019年
7月14日(継続)
令和元年(2019年)
5月1日
令和元年(2019年
7月14日(継続)
0年 75日間 今上天皇 皇室典範特例法に基づく
明仁天皇の退位及び
今上天皇即位による改元。

記号

2019年5月20日に日本工業規格X0301(情報交換のためのデータ要素及び交換形式 - 日付及び時刻の表記)が改正され、元号を用いた日付の表記(ISO 8601#国家標準による拡張)において、「令和」を表す記号として、「令」「R」を使用できることとされた[15]

  • 「令和2年6月18日」の表記の例:なお年月日を区切る記号は「.」を用いる[注 4]
    • 令02.06.18
    • R02.06.18 

改元

経緯

当時の天皇であった明仁が「生前退位」(譲位)の意を示したのは2010年(平成22年)7月22日だと言われ[16]、2016年(平成28年)8月8日宮内庁は、その前日に撮影した、当時82歳になる「今上天皇からのビデオメッセージ」を公表。それによると、自らの高齢化により今までのように公務が果たせなくなる事を懸念し、「公務が途切れることなく安定的に続くことを望む」との趣旨で正式に発言し、その前に(当時の)皇太子徳仁親王皇位を譲りたい趣旨の意向を示した[17]

これまでの改元時とは異なり、OA化・インターネット化が進んでおり、新元号への対応準備の期間を確保する必要があることから、憲政史上初めて新元号が改元の1か月前となる2019年(平成31年)4月1日に「事前公表」された。「令和」のローマ字表記は「Reiwa」。政府高官によると、近現代の「明治(Meiji)」、「大正(Taisho)」、「昭和(Showa)」、「平成(Heisei)」と同じ頭文字となる「M、T、S、H」の各案は当初から除外したという(詳細は#備考を参照)。新元号決定に関する公文書は、「公文書等の管理に関する法律」により「30年間の非公開期間」が設定される[18]。元号発表時に掲げられた「墨書」も同様に公文書として保管される[19][20]。平成改元の際には、当時の内閣官房長官小渕恵三[注 5]が掲げた「平成」の書を当時の首相であった竹下登[注 5]が貰い受け、私邸に保管していた。その後、墨書の所在は長らく不明であったが、竹下の孫である歌手・タレントのDAIGO[注 6]が「(母方の実家の竹下家に)『平成』の墨書額がある」とテレビ番組で話したことから、それを聞き及んだ国立公文書館が竹下家と連絡を取って「平成」の墨書を2009年(平成21年)9月に借り受け、翌2010年(平成22年)3月に正式に寄贈を受けたことの反省によるものである[21]

2019年(平成31年)2月上旬ごろ、内閣官房長官・菅義偉は元号担当の古谷一之らが事前に選定した約20の候補から絞り込みを開始した[22]。2月下旬から3月上旬にかけて菅は内閣総理大臣安倍晋三に報告した[22]。安倍首相が気に入った候補名が入っていなかったため、菅に再検討を指示した[22]3月14日付で国文学漢文学の専門家に正式委嘱した[22]3月27日、安倍首相、菅官房長官、事務担当の内閣官房副長官杉田和博、古谷が協議し、「『令和』が最も適している」との認識で一致した[22]。原案を6つとする方針も固まったとみられる[22]。安倍首相は古谷らに選定過程で「天皇をたたえる国書よりも万葉集の方がいい」との意向を伝えていた[22]。安倍は当初の協議では絞り込まれた候補の中から万葉集と古事記に由来する「天翔(てんしょう)」を評価し、一時期最有力案であったが、イニシャル表記が大正とかぶることに加え、「俗用されていない」という条件がクリアできない(同名の葬儀社などが存在した)ことから最終案から外され、追加案が依頼された[23]。3月下旬、安倍晋三首相の要請により追加の元号案が求められ、国文学者中西進が「令和」を考案したと報じられている[24]。安倍は令和が候補に入るまでは「英弘(えいこう)」を評価していた[25]

元号の発表

2019年(平成31年)4月1日、総理大臣官邸にて「元号に関する懇談会」を午前9時30分から開催し、参加した有識者たち一人ひとりに意見を聴取した[8]。10時8分に懇談会は約40分で終了[26]した。参加した有識者は、以下のとおりである[27]

「元号に関する懇談会」に出席した有識者
氏名 肩書(当時)
広域への影響力 所属
上田良一 アジア太平洋放送連合会長 第22代(2017年 - 2020年)NHK(日本放送協会)会長
大久保好男 日本民間放送連盟会長 日本テレビ放送網代表取締役社長
鎌田薫 日本私立大学連盟会長 第16代(2010年 - 2018年早稲田大学総長
榊原定征 日本経済団体連合会名誉会長 東レ相談役
白石興二郎 日本新聞協会会長 読売新聞グループ本社会長
寺田逸郎 第18代(2014年 - 2018年最高裁判所長官 法曹
林真理子 第94回(1985年下半期)直木賞受賞者 小説家
宮崎緑 東京都教育委員 千葉商科大学国際教養学部教授兼学部長
山中伸弥 2012年ノーベル医学・生理学賞受賞者 京都大学iPS細胞研究所所長

懇談会開催にあたっては、情報漏洩防止のため、官邸の盗聴対策はもちろん、官邸に入る際に所持品検査を行い、携帯電話などの情報機器を持ち込ませず、トイレに行く際は職員を随行させるなどの対策を行っている[28]

10時20分ごろから衆議院議長公邸にて、衆議院正副議長大島理森赤松広隆)と参議院正副議長伊達忠一郡司彰)から意見を聴取[8][29]。総理大臣官邸にて11時ごろから11時15分にかけて全閣僚会議が開催され[30]、臨時閣議を経て、新元号の閣議決定となった[8]。閣議決定後に山本信一郎宮内庁長官は皇居・御所の天皇明仁の元へ、西村泰彦宮内庁次長は東宮御所の皇太子徳仁親王の元へそれぞれ赴き、新元号決定に関する報告を行った[31]

11時41分、内閣官房長官菅義偉が記者会見で新元号を発表した[32][33]。会見の模様は、NHKをはじめとする全テレビ・ラジオ局は勿論、TwitterFacebookInstagramYouTube Liveの官邸公式アカウントとニコニコ生放送ニコニコニュース)にて生配信された。

「令和」の元号を発表する 菅義偉内閣官房長官(2019年4月1日)
先ほど閣議で元号を改める政令および元号の呼び方に関する内閣告示が閣議決定をされました。
新しい元号は、『令和れいわ』で、あります
— 内閣官房長官 菅義偉

と言い、新元号「令和」を墨書した台紙(茂住修身[34][35])を示すことにより、発表を行った。改元の手続きや新元号の発表は、平成改元時を踏襲したものとなった[36]

記者会見で談話を発表する安倍晋三内閣総理大臣(2019年4月1日)

同日12時05分、安倍首相が記者会見を行い、談話を発表した。「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味を込めたと説明した[37][38]

同日、「元号を改める政令」(平成31年政令第143号)が今上天皇の允裁を受けたあと、「官報特別号外第9号」によって公布され、2019年(令和元年)5月1日施行と定められた[4]。あわせて、読み方は「れいわ」である旨が告示された(元号の読み方に関する告示・平成31年内閣告示第1号)[4]

また、英語ローマ字)表記では「Reiwa」となる旨が、日本が国家承認している195か国の各国政府および国際機関、日本の対台湾窓口機関・日本台湾交流協会を通じて、台湾中華民国)における事実上の駐日大使館に相当する台北駐日経済文化代表処に通知された[注 7][39][40][41]

発表直後から各国報道陣は速報でこの新元号を独自の訳に言い換えて報道した[42]。しかし、各報道陣独自の訳とあって統一性に欠けることや、間違ってかけ離れた意味で訳され誤認につながる可能性を踏まえ、外務省は各国在外公館に対し「令和」は「Beautiful Harmony(美しい調和)」との英訳で統一する方針を定め、各国在外公館にこの方針に沿い対外的に説明するよう指示した[43]

中国思想史が専門の小島毅東京大学教授)によれば、「当時の言葉遣いから大伴旅人呉音で読むことを想定したのではないかとし、『令』の発音は漢音の『れい』ではなく呉音の『りょう』、ローマ字表記もより実際の発音に近い『Leiwa』が適しているのではないか」という意見を表明している[44]

提案者

考案者については、考案者本人の希望および元号が特定の個人と関連づけられることは好ましくないという考えから、公表されていない[45]

発表直後から、マスコミにより「令和」の考案者は日本文学者(万葉集を専門)の中西進であると報じられ、中西本人は明確な回答を控えている[46]が、雑誌インタビューの中で事実上自らが考案者であることを認めたとも報じられた[47]。中西は時事通信の取材に対し「元号は中西進という世俗の人間が決めるようなものではなく、天の声で決まるもの。考案者なんているはずがない」と発言している[48]

2019年(平成31年)4月1日に示された元号案は「令和」「英弘えいこう」「久化きゅうか」「広至こうし」「万和ばんな」「万保ばんぽう」の6つで[49][50]、国書と漢籍を出典とするものが3つずつあったと報道されている[51]

中西のほかに元号案を委嘱された人物としては、石川忠久(中国文学)[50][51][52]池田温(東洋史)[50][52]、小倉芳彦(中国古代史、正式委嘱は無し[52][53]、宇野茂彦(中国哲学)[54]らが挙げられている。

典拠

「令和」の典拠は、万葉集』巻五[55]の「梅花謌卅二首并序(梅花の歌 三十二首、并せて序)」にある一文である[56]

以下に、漢文で記されたその序文の全文を記す。

《題詞》
梅花歌卅二首[并序] / 天平二年正月十三日[注 8] 萃于老之宅[注 9] 申宴會也 于時初春月 氣淑風 梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香 加以 曙嶺移雲 松掛羅而傾盖 夕岫結霧 鳥封縠而迷林 庭舞新蝶 空歸故鴈 於是盖天坐地 <促>膝飛觴 忘言一室之裏 開衿煙霞之外 淡然自放 快然自足 若非翰苑何以攄情 詩紀落梅之篇 古今夫何異矣 宜賦園梅聊成短詠[57]
『万葉集』巻五の「梅花謌卅二首并序(梅花の歌 三十二首、并せて序)」の該当箇所

この序文は天平2年1月13日グレゴリオ暦730年2月8日[58]ユリウス暦730年2月4日)、大宰帥大宰府の長官)である大伴旅人の、大宰府政庁(地図)近傍にある邸宅で催された宴の様子を表しており、「梅花の宴」とも呼ばれる[59][60]。作者については、旅人や山上憶良らが挙げられている[61]

大伴旅人の邸宅は政庁の北西、現在の坂本八幡宮(現・福岡県太宰府市地図)付近と考えられている[62]

以下に、上記の下線部分の原文(原文にはない句読点つき)、書き下し文、現代日本語訳の一例を表す。

原文約物は後世に調整された形。※太字は新元号に採用された字。
于時、初春月、氣淑風、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。
書き下し文※ここでの読みは文語とする。
ときに、初春しよしゆんれいげつにして、かぜやはらぎ、うめ鏡前きやうぜんひらき、らん珮後はいごかうかをらす。
現代日本語訳の一例》太字は新元号に直接関わる語。
時は初春しょしゅん月(※この場合『令』は“物事のつやがあるように美しい”の意)[63]であり、空気は美しく、風は和やかで、の前の美人白粉おしろいで装うように花咲き、は身を飾るころもまとこうのようにかおらせる。

中央大学教授の水上雅晴は、天皇が自ら元号を決定していた時代に公家が元号の候補を審議した『難陳(なんちん)』[64]の際に、中国古典だけでなく日本書紀も引用されたことがあったことを指摘している[65]。平成改元時にも日本の古典を出典とする案はあったが、最終案に残らなかった[8]

漢籍の影響説

「令和」の提案者であるとされる報道のある中西進は以前の著書の中で、「序文の構成」について「王羲之による『蘭亭序』の形式を模したもので、『風にならい、仏教を受容しつつ国家的整備を進めた時代』に詠まれたものだと解説している」という[66]

一方で、中西進は「令和」発表後の万葉集講座・インタビューの中で、「中西進という人が考案者と言われているが、ここにいるのは違う人間」としつつ「令和」について誤解が多いとしている。漢籍の帰田賦に類似の文があるとの意見には、「私には理解できない。考案者には理解できなかっただろう。」「同じ言葉があるという出典論は江戸時代の学問だ。比較文学の観点からは、文脈が同じかどうかが大事だ」と述べ、否定している[67]。また「(「令和」と蘭亭序・帰田賦との間に)確かに形式などに共通性を見いだすことも可能ですが、文脈や意味がかなり異なるので、典拠にあたるとは思いません」「そもそも僕は、出典が何かより、その言葉がどのような表現かの方が大事だと考えます。」としている[68]

朝日新聞によると序文について、「新元号の発表後、中国において「令和」の典拠となった『万葉集』より数百年前、張衡という文人が詠んだ『帰田賦(きでんのふ)』という詩によく似た一節があるとの指摘が広がった」としている[69]。また、新日本古典文学大系『萬葉集(一)』(岩波書店)の補注において、「令月」の用例として詩文集『文選』巻十五収録の後漢時代の文人・張衡による詩「帰田賦」の句、

於是仲春令月時和氣淸原隰鬱茂百草滋榮
《原文》約物は後世に調整された形。※太字は新元号に採用された字。
仲春月、時気清
《書き下し文》※ここでの読みは文語とする。
仲春の月、時はし気は清む。

が挙げられている[70]

岩波書店によると、新日本古典文学大系『萬葉集(一)』の語注に令月は「仲春令月、時和気清」(後漢・張衡「帰田賦」・文選十五」)とある指摘は、江戸時代初期の学僧・契沖の著した『万葉代匠記』に見られ、また戦後の万葉集研究を牽引した学者・澤瀉久孝の著した『万葉集注釈』にも見られるとしている。契沖は序の書き起こし方は、東晋時代の書聖・王羲之の著した『蘭亭序』に倣ったものではないかと推測している。他にも「令」「和」の出る個所は、『文選 詩篇(二)』(岩波文庫)では、『清和』という詩語の注にも引かれており、そこでの訓読は、「仲春の令(よ)き月、時は和らぎ気は清し」である[71]

毎日新聞によると、遣隋使・遣唐使が持ち帰った古代中国の美文をまとめた『文選』は、文章を作る上での最高の模範で平安時代前期頃までに成立した日本の古典は、中国の古典の表現を元にして書かれた部分が多いとされ、元号の出典にする場合、「中国の古典の表現を孫引きすることになる」との指摘が出ていたとし、[65]

  • 所功・京都産業大学名誉教授:「日本人は外国から取り入れたものを活用してきたわけで、単なるまねではなく、自分たちのものとして利用してきた」
  • 中国古典学の渡辺義浩・早稲田大学教授:「意味は万葉集と基本的に同じ。文選は日本人が一番読んだ中国古典であり、それを元として万葉集の文ができていると考えるのが普通」「東アジアの知識人は皆読んでいた。ギリシャ、ローマの古典を欧州人が自分たちの古典というのと同じで、広い意味では日本の古典だ」
  • 水上雅晴・中央大学教授:「文選との類似性が考えられ、隠れた典拠にやはり漢籍があることになる」

といったコメントを紹介している。また、複数の漢学者から前掲句の影響が指摘されているが、政府は文選が原典に当たるかなどについて論評はしていないとしている[65]

東京新聞によると、「安倍首相は新元号の由来が日本の古典(国書)だと強調し、支持する保守層の期待に応えた形だが、しかし二世紀の後漢の時代に活躍した文学者で科学者の張衡の詩文『帰田賦』の一節がある」としたうえで、

  • 早稲田大学教授(漢字学)の笹原宏之:「万葉集の序文は張衡の帰田賦(「仲春令月、時和気清」)や、(中国の書聖)王羲之の『蘭亭序』など、万葉集以前の中国古典を踏まえているようだ」
  • 国文学研究資料館長のロバート・キャンベル:「北東アジアは同じ漢字文化圏なので、国書か中国の古典(漢籍)かという排他的な選別があってはならないと思っていた。今回は帰田賦へのオマージュ(敬意)があり、漢籍を包摂したといえる」
  • 国学院大学名誉教授で歌人の岡野弘彦:「当時は漢文学の影響がとても強い。日本人は大陸の伝統を取り入れつつ、工夫して柔らかな叙情を表現してきた。だから出典が中国の古典でも日本の古典でも、差異にこだわる必要はないのでは」

といったコメントを紹介している[72]

時代の流れ

時代概説

新元号令和施行から東京五輪開催前

2019年(令和元年)5月1日から2020年(令和2年)7月23日まで。

2019年(平成31年)4月30日]に第125代天皇明仁が退位したことに伴い、翌5月1日午前0時、徳仁が第126代天皇に即位し、平成から令和に改元された。改元の瞬間には全国各地でカウントダウンなどが行われ、改元後全国各地で国民こぞって即位を祝った。また、インターネットテレビ剣璽等承継の儀即位後朝見の儀などといった即位に関する儀式を生中継した。即位礼正殿の儀については同年10月22日に行われる予定となっている。第126代天皇に即位した徳仁には皇位継承権を有する皇子がいない為、秩父宮雍仁親王以来86年ぶりで、現皇室典範の下では初めて皇太子が空位となり、代わりに徳仁の皇弟・秋篠宮文仁親王皇位継承順位第1位の皇嗣となった。

令和に改元されてすぐに紙幣の刷新をすることが明らかになり、2024年(令和6年)に現在の紙幣から新しく変更される予定である。新たに採用された肖像画となる人物は渋沢栄一一万円紙幣)、津田梅子五千円紙幣)、北里柴三郎千円紙幣)の3名が選ばれた。紙幣と共に五百円硬貨も新しく変更することとなり、紙幣よりも3年早い2021年(令和3年)に変更される予定である。また、2019年(令和元年)7月11日から令和元年の硬貨が製造されることに決まった。

2019年(令和元年)5月25日から28日にかけてアメリカ合衆国ドナルド・トランプ大統領が令和初の国賓として来日した。トランプ大統領は滞在2日目の26日、午前中は千葉県で安倍総理大臣ゴルフを楽しみ、夕方からはメラニア夫人と両国の国技館を訪れ、安倍総理大臣夫妻とともに大相撲夏場所の千秋楽を観戦し、27日には日米首脳会談を行った。

2019年(令和元年)6月28日29日、日本で初めてとなるG20大阪市(主要会場:インテックス大阪)で開催された(第14回20か国・地域首脳会合)。

第25回参議院議員通常選挙が令和に改元後の初の国政選挙として、7月4日公示、7月21日投開票の日程で実施される予定である。

ラグビーワールドカップ20199月20日から11月2日まで日本国内で12都市の会場で行われる予定である。

消費税は2019年(令和元年)10月に10%に増税される予定である。

年表

西暦との対照表

令和 元年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年
西暦 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年 2026年 2027年 2028年
干支 己亥 庚子 辛丑 壬寅 癸卯 甲辰 乙巳 丙午 丁未 戊申
令和 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年
西暦 2029年 2030年 2031年 2032年 2033年 2034年 2035年 2036年 2037年 2038年
干支 己酉 庚戌 辛亥 壬子 癸丑 甲寅 乙卯 丙辰 丁巳 戊午

令和を冠するもの

文化・芸能

ドラマ

芸能人

学校

その他

備考

2019年(平成31年)4月1日、新元号発表を待つ人々(東京、新宿アルタ前)
「令和」の額を持つナナちゃん人形。令和への改元は弔事を伴わないため、平成の時と違い祝賀ムードが強かった。

新元号「令和」の発表当日における国内最高齢の人物は1903年明治36年)生まれの田中カ子(当時116歳)であり[85]、その時点において明治生まれの生存者は数千人いると推測された。このことから、英字表記時の頭文字が明治以降のものと被らないことが望ましいとされ、M(明治)、T(大正)、S(昭和)、H(平成)の4字以外の頭文字の元号になると予測されており、実際に政府高官もそれを認めたと言われる[18]。「令和」の頭文字はRとなるが、このことからインターネットを中心に、来たる令和18年(2036年)の略記が「R18」となることから、令和18年生まれの人を心配する書き込みが多数見られた[86]

ローマ字読みが「REIWA」であることから、海外企業であるオーストラリアの不動産協会「REIWA[87](The Real Estate Institute of Western Australia=西オーストラリア州不動産協会、リーワと読む[88])」に日本からの接続が一時的に増えた[89]。その割合は70%にも及んだ[90]。同団体のCEOは取材に対し「私たちは、日本の新元号を歓迎しています。研究所としても、これを西オーストラリアの不動産市場における我々の認知向上の機会と捉えています」とコメントしている[91]

商標権に関しては、中国国家知識産権局商標局ウェブサイトによると、2018年に令和が日本酒などの商品名として偶然にも商標登録されていた[92]。なお、日本では元号の商標登録は原則禁止されている[93]

チベットにおいてはチベット語の「རེ་བ(rewa、望み・希望)」と発音が似ているとされ、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所ルントック代表は、「新元号発表後、『音が同じ』と何本も電話がありました。チベット語は母音に長短がなくRを重く発声しますが、日本人にはとても似て聞こえるようです」としたうえで、「チベットは深刻な状況が続き暗いニュースが多いので、明るい話題で注目されてうれしい」「日本の新元号に、チベット人が『希望』をもらった気持ち」とコメントした[94]

また、発表直後に各地で新元号発表の号外が配られたが、大阪・JR大阪駅前や東京新橋駅前では号外を求める人が殺到し奪い合って転倒する人も出るなど激しい混乱となり、救急車や警察が出動する騒ぎとなった[95][96]。このため、一部の新聞社では混乱を避けるためデータとして配布する措置を取った[97]

手話においては元号発表時にレベルの高い手話通訳者による同時通訳が実施されたが、菅長官が最初に「れいわ」と発言した際には誤って「いわ」と訳すミスがあった[98]。全国手話研修センターでは事前に手話を作り、元号公表時に読みと新しい手話を発表することを望んでいたがスケジュールの問題で叶わず、通訳者もその場で初めて知ったうえ聞き分けにくいとされる「れ」と「め」でミスが誘発されたとしている[98]。なお2回目以降の発言は「れいわ」と訳されている[98]。対応策として、元号発表の翌日には厚生労働省の委託により新しい手話を考案している全国手話研修センターの日本手話研究所が令和を表す手話を発表した[99]。指を上に向けて蕾のような形にしてから前に動かしながら指を開くもので、典拠となっている梅の花が開く様子をイメージしたという[100][101][102]

脚注

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注釈

  1. ^ 1890年明治23年)11月29日大日本帝国憲法施行以降を指すが、当然ながら「一世一元の制」が発布された1868年慶応4年/明治元年)以降や、1979年(昭和54年)6月12日に成立した「元号法」の下でも初となる。
  2. ^ 1817年5月7日(旧暦:文化14年3月22日)に譲位した光格天皇以来。なお同天皇の譲位後は、歴史上最後となる「太上天皇」の称号尊号)を得ている。
  3. ^ ラ行で始まる元号自体、日本の全元号を見ても霊亀奈良時代、715年-717年)、暦仁鎌倉時代、1238年-1239年)、暦応南北朝時代、1338年-1341年)に続く4例目である。
  4. ^ 西暦を用いる場合は、2020-06-18のように、ハイフンで区切ると規定されている。
  5. ^ a b 竹下・小渕両氏の肩書は1989年当時。
  6. ^ DAIGOは竹下登の二女の息子で、本名は内藤大湖である。
  7. ^ 3月末に日本メディアが、日本の外務省は日本が承認する195カ国や国際機関などに新元号を一斉に通知する方針だと報道。なお、日本は中華民国(台湾)を承認していないため、台湾の一部メディアは「195カ国に台湾は含まれない」などと報じていたが、台湾の外交部(外務省)は3月31日に書面で、発表と同時に通知される旨の連絡を日本の対台湾窓口機関・日本台湾交流協会から受けていると説明。検証をしていないとして報道内容を否定していた。
  8. ^ ユリウス暦730年2月4日
  9. ^ 大宰府(現・福岡県太宰府市坂本八幡宮)にあった大宰帥大伴旅人の邸宅。

出典

  1. ^ 2019年(令和元年)5月1日内閣告示第1号「天皇陛下御退位等に関する件
  2. ^ 2019年(令和元年)5月1日内閣告示第2号「皇位継承に関する件
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参考文献

関連項目

外部リンク