平成筑豊鉄道

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平成筑豊鉄道株式会社
Heisei Chikuho Railway Co.,Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 平筑(へいちく)、平鉄、平成
本社所在地 日本の旗 日本
822-1201
福岡県田川郡福智町金田1145の2(金田駅
北緯33度40分59.34秒 東経130度46分35.74秒 / 北緯33.6831500度 東経130.7765944度 / 33.6831500; 130.7765944座標: 北緯33度40分59.34秒 東経130度46分35.74秒 / 北緯33.6831500度 東経130.7765944度 / 33.6831500; 130.7765944
設立 1989年4月26日
業種 陸運業
法人番号 3290801016659
事業内容 旅客鉄道事業
代表者 代表取締役社長 二場 公人(田川市長)
代表取締役専務 今田 今朝仁
資本金 2億7,300万円(2017年3月31日時点)
純資産 1億2,967万5,127円(2017年3月31日時点)
総資産 3億6,539万5,545円(2017年3月31日時点)
従業員数 61人(臨時社員8名除く)(2017年3月1日時点)
決算期 3月31日
主要株主 福岡県 27.47%
田川市 14.84%
直方市 6.59%
行橋市 6.59%
その他(#株主を参照)
外部リンク www.heichiku.net/
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平成筑豊鉄道株式会社(へいせいちくほうてつどう)は、福岡県で鉄道事業を営んでいる、福岡県および沿線自治体が出資する第三セクター方式の鉄道会社である。

概要[編集]

福岡県の筑豊地区で九州旅客鉄道(JR九州)から継承した旧国鉄特定地方交通線伊田線糸田線田川線の各線を営業しているほか、2009年4月からは、北九州市からの委託で同市門司区にて特定目的鉄道として門司港レトロ観光線(愛称:北九州銀行レトロライン)のトロッコ列車を運行している[1][2][3][4]

門司港レトロ観光線を除く伊田線・糸田線・田川線は各線とも筑豊本線から産炭地に向けて分岐する支線を発祥とし、単行のディーゼルカー主体で運行される典型的なローカル線である。ただし、運転本数、駅数ともJR時代(実質的には国鉄時代)の約2倍に増やすなどの積極的な経営を行っており、沿線の学校に通っている学生や田川市立病院に通院する高齢者など、いわゆる交通弱者にとっては非常に重要な交通機関となっている。

利用者に運営に参加してもらい地域との連携を高めるため、線路の枕木のオーナーになってもらう「まくらぎオーナー」制度を実施した[5]。会員制で、オーナー会員になると名前や好きな言葉の入ったプレートが新しい枕木に取り付けられる。会費は枕木の交換費用の一部に充てられる。地域と連携し、わが町の鉄道という意識を高めるこの事業は、鉄道を活性化させる事例の一つとして注目される。2008年には列車内のつり革のオーナーになってもらう「つり革オーナー」が募集された。

また、新たな収入源確保のため、2008年7月からラッピング広告の形で車両5両の命名権(ネーミングライツ)を販売している[6][7]。また同年9月1日から11月28日まで全35駅のうち田川市立病院駅、源じいの森駅を除く33駅の駅名愛称命名権の募集を行った。14駅に関して応募があり、2009年4月1日より16駅に愛称が付けられている[8]。なお、個人に対する販売は行っていない。

取締役会長には福岡県知事が、代表取締役社長には田川市長がそれぞれ非常勤として務めている。小川洋は福岡県知事就任に伴い2011年ほぼ自動的に会長の座に就き、門司港レトロ観光線の累計乗客が50万人に達した際は会長としてセレモニーに参加した。

社名の由来[編集]

社名は1988年昭和63年)に一般公募し、翌1989年(昭和64年)1月7日が社名決定日だった。社名の最終候補に残ったのは「新筑豊」「向陽」「あけぼの」「サンライン」の4つ。いずれの候補にも「新たなスタート」という共通した意味合いがある。

しかし、1月7日に昭和天皇崩御で新元号「平成」が発表されるや否や、急遽「平成筑豊鉄道株式会社」に決定した。「新たなスタート」と「新時代の幕開け」で縁起を担いでいる。平成を社名に冠した会社の先駆者的存在である。

会社名自体は「平成筑豊鉄道」だが、車両側面(ドア横)の社名表示は「平成ちくほう鉄道」と書かれている。この筑豊を平仮名で「ちくほう」とする表記は同社パンフレット等にも多く見られる。また、同社がJR九州との業務連絡に用いる正式略称は「平鉄」、またはJR九州の「九州会社」という略称に対して「平成会社」と定められている。

歴史[編集]

  • 1989年(平成元年)
  • 1998年(平成10年)10月1日 - 運賃改定を実施。
  • 2003年(平成15年)7月1日 - まくらぎオーナー募集開始。
  • 2004年(平成16年)4月1日 - 伊田線直方 - 金田間のセメント貨物輸送廃止に伴い、貨物営業廃止。
  • 2005年(平成17年)4月1日 - 運賃改定を実施。
  • 2008年(平成20年)2月5日 - つり革オーナー募集開始。
  • 2009年(平成21年)
    • 4月1日
      • ネーミングライツにより、伊田線・糸田線・田川線の16駅に愛称(副駅名)を付与[9]
      • 運賃改定を実施。普通運賃を一律40円値上げ。
      • ワンマン運転方式を変更。これまでは駅に整理券発行機が備え付けられていたが、設備の老朽化や悪戯が相次いだため、利用客が駅で整理券を取って乗車する方式から、整理券を車内で発行する方式に変更。
    • 4月26日 - 門司港レトロ観光線開業。
  • 2014年(平成26年)4月1日 - 伊田線・糸田線・田川線で運賃改定を実施。

路線[編集]

路線図(クリックで拡大)

運賃[編集]

伊田線・糸田線・田川線[編集]

大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ、2014年4月1日改定[10]

キロ程 運賃(円) キロ程 運賃(円)
初乗り1 - 3km 220 25 - 27 630
4 - 6 280 28 - 30 690
7 - 9 320 31 - 33 750
10 - 12 360 34 - 36 810
13 - 15 400 37 - 39 860
16 - 18 450 40 - 42 920
19 - 21 500 43 970
22 - 24 570
  • 伊田線・糸田線・田川線の1日乗車券「ちくまるきっぷ」を大人1000円・小児500円で発売している。
  • 伊田線・糸田線・田川線を乗車区間にかかわらず1回100円で乗車できるイベントを開催することがある。

門司港レトロ観光線[編集]

車両[編集]

伊田線・糸田線・田川線用[編集]

現在の車両[編集]

過去の車両[編集]

国鉄時代にはキハ66・67系・キハ47形・キハ58形が運用に入っていた。

門司港レトロ観光線用[編集]

DB10形とトラ700形


保存車両[編集]

金田駅にある車両基地の車庫内で展示された元ひたちなか海浜鉄道のキハ2004形

2016年(平成28年)、茨城県ひたちなか海浜鉄道からキハ2000形気動車(旧・国鉄キハ20系と同型の、元留萠鉄道キハ2000形)キハ2004号を導入した[11][12]。これは、キハ2004号の廃車を知った有志らが、かつて九州を走っていた準急「ひかり」で使用されたキハ55系が纏っていたクリーム地に赤帯の「準急色」の塗装がされ[12]、準急「ひかり」のイメージを持つキハ2004号を保存しようと、「キハ2004号を守る会」を結成し[13]、ひたちなか海浜鉄道との間で譲渡交渉を行ったものである[11]。輸送業者との間でも交渉を重ねた結果、車両本体は無償で譲渡、搬送方法は船輸送を介しての搬送となり、費用は搬送費を含めての必要金額が800万円となった。これを、クラウドファンディングサービスREADYFORで資金調達を行った結果、必要金額を超える890万円の資金を調達した[14][15]。車両の搬送は10月13日の夜から14日の間に那珂湊を陸送で出発して東京の有明港に到着、船積みされた後に16日早朝に新門司港に到着、17日の深夜に新門司港から陸送で出発して未明に金田駅の車両基地に到着している[16][17]。その後、10月23・24日の「へいちくフェスタ」で公開された後に[17]、12月3日には金田駅で譲渡式が行われクラウドファンディングで募金した人限定で12月3・4日に披露された[18][12]。当面は金田駅構内で動態保存され体験運転などに利用される予定であり[16]、2017年4月に一般公開が行われた[12][13]。将来的には予備部品の確保や平成筑豊鉄道で使用されている自動列車停止装置のATS-SKと列車無線の取り付けや全般検査などを行い、本線走行を目指すとしている。

株主[編集]

名称 保有割合
福岡県 27.47%
田川市 14.84%
直方市 6.59%
行橋市 6.59%
福智町 2.34%
みやこ町 2.34%
赤村 1.35%
香春町 1.17%
糸田町 1.17%
小竹町 0.59%
民間・法人等64団体計 35.54%

特記事項[編集]

  • 2006年(平成18年)7月、10月、2007年6月、2008年7月、2009年7月に1か月の定期乗車券などが当たる懸賞つき定期乗車券を発売した。
  • 2007年(平成19年)のテレビドラマ『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』の第一話のラストシーンでは田川線の油須原駅が登場した。なお、当初は映画版のロケも行われる予定で、撮影用にJR九州からキハ58系気動車をリースするなどの準備を進めていたが、諸般の事情で見送られた。
  • 同社が開業後、駅の増設などを行った結果、沿線を走っていた現在の西鉄バス筑豊の乗客が大幅に減少し、バス路線の廃止が相次いだ。

脚注[編集]

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  1. ^ 門司行レトロ地区に観光鉄道を許可 国土交通省九州運輸局 2008年6月4日
  2. ^ 門司港レトロ観光列車に係る鉄道事業の許可について 平成筑豊鉄道 2008年6月4日
  3. ^ 新路線 「やまぎんレトロライン」 門司港トロッコ「潮風号」走ります 北九州市が命名権販売 西日本新聞 2009年1月30日
  4. ^ 門司港レトロ観光線(やまぎんレトロライン)駅名・線名決定! 平成筑豊鉄道 2009年1月31日
  5. ^ 国土交通省鉄道局「ベストプラクティス集」平成筑豊鉄道 枕木オーナー制度
  6. ^ “へいちく”全駅に車両の名前も売ります」 スポーツニッポン 2008年7月12日
  7. ^ 「広告のご案内」を掲載しました 平成筑豊鉄道 2008年7月22日
  8. ^ 駅名(愛称)ネーミングライツ募集 平成筑豊鉄道 2008年8月29日
  9. ^ 駅名変更のお知らせ「駅名(愛称)ネーミングライツ!4月1日スタート!」
  10. ^ 会社概要
  11. ^ a b 福岡)キハ2004茨城から筑豊へ 運搬費は有志の寄付 - 朝日新聞デジタル、2016年10月18日
  12. ^ a b c d 北海道から茨城、そして九州へ…「準急色」キハ2004、平成筑豊鉄道で一般公開 - レスポンス、2017年4月11日
  13. ^ a b 平成筑豊鉄道、ひたちなか海浜鉄道から譲渡されたキハ2004を4/16一般公開へ - マイナビニュース、2017年4月12日
  14. ^ 「キハ2004」動態保存へ - 交通新聞社、2016年10月17日
  15. ^ 解体の危機!半世紀を走り抜いた名車 「キハ2004」を守りたい(キハ2004号を守る会 会長 前田 忠) - クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)
  16. ^ a b キハ2004が平成筑豊鉄道へ向けて輸送される - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2016年10月16日
  17. ^ a b 平成筑豊鉄道金田駅にキハ2004が搬入される - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2016年10月19日
  18. ^ 金田駅でキハ2004の譲渡式とお披露会 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2016年12月4日

外部リンク[編集]