特許庁

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座標: 北緯35度40分15.56秒 東経139度44分45.15秒 / 北緯35.6709889度 東経139.7458750度 / 35.6709889; 139.7458750

特許庁(とっきょちょう、英訳名:Japan Patent Office)は、経済産業省外局の一つ。発明実用新案意匠及び商標に関する事務を行うことを通じて、経済及び産業の発展を図ることを任務とする(経済産業省設置法22条)。

概要[編集]

任務達成のため、経済産業省設置法により以下に関する事務をつかさどると規定されている(23条)[1]

  • 工業所有権に関する出願書類の方式審査(法23条)
  • 工業所有権の登録
  • 工業所有権に関する審査、審判及び指導その他の工業所有権の保護及び利用
  • 民間における技術の開発に係る環境の整備(法4条1項7号)
  • 弁理士(56号)
  • 所掌事務に係る国際協力(58号)

アジア地域を中心に、開発途上国への法整備支援として、知的財産権法に関する制度整備及び運用体制強化のための支援活動を展開している[2]。開発途上国における投資環境整備の一環であり、独立行政法人国際協力機構(JICA)やWIPOジャパン・トラスト・ファンド等の枠組みが利用されている。

主管する独立行政法人工業所有権情報・研修館がある。以前は特許庁の機関であったが、2001年度初日をもって独立行政法人として分離した。特別の法律により設立される民間法人(特別民間法人)には日本弁理士会(所管:総務部秘書課)がある。

特許庁総合庁舎
特許庁の一部が所在する経済産業省総合庁舎別館

大半の部局が特許庁総合庁舎に所在するが、一部は経済産業省別館及びJTビルに所在する[3]

沿革[編集]

  • 1884年(明治17年)6月9日 - 商標条例の公布に伴い、農商務省工務局に商標登録所を設置。高橋是清が初代所長に就任。
  • 1885年(明治18年)3月21日 - 専売特許条例の公布に伴い、農商務省工務局に専売特許所を設置。高橋是清が初代所長を兼任。
  • 1886年(明治19年)3月1日 - 商標登録所と専売特許所を統合し、内局の専売特許局となる。
  • 1887年(明治20年)12月25日 - 外局となり、特許局に名称変更。
  • 1890年(明治23年)6月 - 農商務省の内局となる。
  • 1925年(大正14年)4月1日 - 農商務省の分割に伴い、商工省の外局となる。
  • 1936年(昭和9年)8月27日 - 現在地(当時の町名は東京市麹町区三年町一番地)に移転。
  • 1942年(昭和17年)4月1日 - 内閣所轄の技術院に移管される。
  • 1945年(昭和20年)9月5日 - 再び商工省の外局となり、標準関連業務を加えて特許標準局に改組。
  • 1948年(昭和23年)8月1日 - 特許局に改組(標準関連業務は商工省の外局として新設された工業技術庁に移管)。
  • 1949年(昭和24年)5月25日 - 通商産業省の設置に伴いその外局となり、特許庁に名称変更。
  • 1989年(平成2年)6月7日 - 新庁舎(特許庁総合庁舎)竣工。
  • 1995年(平成8年)- 産業財産権制度創設110周年を記念し、産業財産権制度シンボルマーク(通称・パテ丸くん)を制定。
  • 1999年(平成12年)3月31日 - 特許電子図書館(IPDL)開設。
  • 2001年(平成13年)1月6日 - 中央省庁再編に伴い、経済産業省の外局となる。
  • 2001年(平成13年)4月1日 - 工業所有権総合情報館(現工業所有権情報・研修館)が、独立行政法人として分離独立。
  • 2010年(平成22年)6月22日 - 審判官が基幹系システムリニューアル事業の入札情報提供の見返りにNTTデータから200万円のタクシー券を受け取っていたことが発覚し、逮捕された[4]
  • 2012年(平成24年)1月20日 - 数十億かけた基幹系システムのリニューアル計画が中断される[5][6]
  • 2013年(平成25年)3月15日 - システムリニューアルの新計画を公開[7]
  • 2014年(平成26年)7月31日 - 東芝ソリューションとアクセンチュアが、基幹系システム開発中断の責任を取り、約56億円を特許庁に返納[8]

組織[編集]

内部組織は法律の経済産業省設置法、政令の経済産業省組織令[9]、省令の経済産業省組織規則[10]が一般的に規定している。

長官及び特別な職[編集]

  • 特許庁長官(法21条)
  • 特許技監(政令134条1項)
    政令に職務について、命を受けて、工業所有権に関する審査及び審判に関する事務のうち技術に関する重要事項を総括整理する(第2項)と規定されており、全面的に長官を補佐する次長とは厳密には異なるが、庁内ナンバー2である。
  • 特許庁顧問(省令346条1項)
    特許庁顧問は特許庁の所掌事務のうち重要な施策に参画し、及び特定事項を処理する(2項)。必置ではなく、非常勤とされる。

内部部局[編集]

特許庁では、特許実用新案意匠商標の審査及び審理を行っている。このうち、商標の審査は審査業務部で行われている。意匠の審査は審査第一部で行われており、特許の審査及び実用新案の技術評価書の作成は技術分野に応じて審査第一部〜審査第四部で行われている。審判部では審査に対する不服の審理などが行われている[11][9]

  • 総務部(政令135条) - 秘書課(省令305条)、総務課、会計課、企画調査課、普及支援課、国際政策課、国際協力課、審査官(省令325条1項)、審査官補
    • 秘書課 - 調査官(1人)(省令328条1項)、弁理士業務監理官
    • 総務課 - 制度審議室(省令329条1項)、情報技術統括室、業務管理企画官(1人)
    • 会計課 - 会計調査官(1人)(省令330条1項)、厚生管理官(1人)
    • 国際政策課 - 国際制度企画官(1人)(省令331条1項)
  • 審査業務部 - 審査業務課(省令313条)、出願課、商標課、審査長(4人)、審査官(省令325条1項)、審査官補、審査監理官(1人)(省令327条1項)
    • 審査業務課 - 方式審査室(省令333条1項)、登録室
    • 出願課 - 国際出願室(省令334条1項)、国際商標出願室、特許行政サービス室
    • 商標課 - 商標審査企画官(1人)(省令335条1項)
  • 審査第一部 - 調整課(省令318条)、意匠課、審査長(8人(意匠3人、特許5人))、審査官(省令325条1項)、審査官補、審査監理官(4人)(省令327条1項)
    • 調整課 - 審査推進室(省令336条1項)、審査基準室
    • 意匠課 - 意匠審査企画官(1人)(337条1項)
  • 審査第二部 - 審査長(7人)(省令321条)、審査官(省令325条1項)、審査官補、審査監理官(3人)(省令327条1項)
  • 審査第三部 - 審査長(7人)(省令322条)、審査官(省令325条1項)、審査官補、審査監理官(3人)(省令327条1項)
  • 審査第四部 - 審査長(7人)(省令323条)、審査官(省令325条1項)、審査官補、審査監理官(2人)(省令327条1項)
  • 審判部 - 審判課(省令324条)、審判長(129人)、審判官(省令326条1項)
    • 審判課 - 特許侵害業務室(省令338条1項)

審議会等[編集]

また、経済産業省本省直下の審議会等である産業構造審議会の知的財産政策部会が特許庁と深い関連を有する。

歴代の長官[編集]

※日付は辞令上の就任日。なお戦後の歴代長官のみ記載。

特許標準局長官(商工省)[編集]

特許局長官[編集]

  • 久保敬二郎(1948年8月1日)

特許庁長官(通商産業省・経済産業省)[編集]

その他[編集]

  • 早口言葉東京特許許可局という言葉があるが、実際にはそのような部局は実在しない。
  • 2007年(平成22年)3月26日より4日間の間、特許庁地下1階で開かれた展示即売会に出店した業者が、偽物のブランド製品を販売していたと報道された。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]