消費税
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| 財政 |
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改革
財政再建 - 通貨改革
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消費税(しょうひぜい, Consumption tax) は、消費に対して課される租税[1]。1952年にフランス大蔵省の官僚モーリス・ローレが考案した間接税の一種であり[2]、財貨・サービスの取引により生ずる付加価値に着目して課税する仕組みである。
消費した本人が直接的に納税する直接消費税と、徴収納付義務者が代わって納税する間接消費税に分類できる。前者の「直接消費税」にはゴルフ場利用税などが該当し、後者の「間接消費税」には酒税などが該当する。間接消費税はさらに課税対象とする物品・サービスの消費を特定のものに限定するかどうかに応じ、個別消費税と一般消費税に分類できる[3]。
現在では160カ国ほどで導入され[5]、OECD諸国の平均では税収のおおよそ31%を占めており、これはGDPの6.6%に相当する(2012年)[1]。
日本においては、「消費税法に規定する消費税」と「地方税法に規定する地方消費税」の総称であり、付加価値税(VAT)に分類される。
目次
種類[編集]
一般消費税[編集]
一般消費税は、さらに以下に分類される[4]。
- 単段階課税
- 売上税 - たとえば小売売上税では、最終消費者への小売者のみが徴収納付義務者
- 多段階課税
- 付加価値税(Value-Added Tax, VAT)、もしくは物品税(Goods and Services Tax,GST)
かつての日本の経済学では一般売上税(general sales tax, GST)とも呼ばれていた税方式がモデルとなっている。一般売上税の課税方法として製造・卸売・小売の各段階のいずれか1段階で課税される単一段階課税と2つ以上の段階で課税される多段階課税がある。
多段階課税を採用した場合、次の段階に税負担を転嫁させていく「ピラミッド効果」が発生し、それぞれ異なる商品に同じように課税をすることによって商品に対する税負担の格差が生じることになる。こうした問題点を解消するために、納税義務者はその売上げに係る消費税ではなく、差額に係る消費税を納税する方法が考え出された。これが今日の一般消費税(VAT)である。一般消費税は付加価値の算定方法により所得型付加価値税と消費型付加価値税に分けることが出来る。前者は仕入計算時において資本財の控除は減価償却分しか認められないが、後者では資本財全額が控除の対象となり、消費部分のみが課税対象となる。
消費税と一般消費税は外見的には類似しているが、一般消費税には所得に対して課税する所得税や法人税などの直接税に対する批判に由来する代替的な要素も含まれている。所得に課税する場合には、納税者が正確な納付をしているかを把握するのにコストがかかり、公平性・水平性の点でも問題が多い。直接税に批判的な人々は消費による支出を通じてより正確な所得が把握できるという考えから一般消費税による代替を求める。
一般消費税が初めて導入されたのは1954年のフランスであるが、その前身は1917年に導入された支払税である。その後、1920年に売上税、1936年に生産税と名称を変更しながら現在の形になっていった。その後、1967年にEC閣僚理事会においてフランスと同様の消費型付加価値税に基づく一般消費税を中心とした加盟国間の税制統一運動の推進が確認され、この方針に基づいて1968年に西ドイツが一般売上税を一般消費税に変更した。
これをきっかけに1969年にオランダ、1970年にルクセンブルク、1971年にベルギー、1973年にイギリス・イタリアと加盟国間において一般消費税への転換が進んだ。日本でも10年に及ぶ議論の末にVAT型の消費税が1989年に導入されることになった[4]。
個別消費税[編集]
個別消費税(Selected excise duties)は特定あるいは一群の財貨・サービスに対する課税である[6]。課税の対象になる財貨・サービスは特定的で税率も統一されていない。税率は、量、重さ、強度、オクタン価、アルコール度数などが基準として使われる[6]。
この方式で課税される対象としては3つの分類が考えられ、酒や煙草のような社会的に望ましいとは言えない嗜好品に賦課する「嗜好品課税(抑止的税)」、ガソリンのように応益原則・受益者負担の原則に基づいて特定の公共サービスを行うために関連した商品・サービスにかける「目的税」、その他の物を対象とした「奢侈品・娯楽用品・サービス課税」と呼ばれる奢侈品や日常生活で用いられてはいるが生活必需品とはいえない商品に課される。かつて日本に存在した物品税の多くがこれに含まれている。
個別消費税は、元は内国消費税(excise)として、16世紀末期にスペインからの独立戦争を継続していたオランダで軍費調達のために始められたと言われている。イングランドではこれを範として内国消費税を導入して財政難を克服しようとした。これに対する英国議会の反発が、清教徒革命へと発展するが、皮肉にも革命軍の軍事費を得るためにジョン・ピムやオリバー・クロムウェルが採用したのが内国消費税であった。
その後、王政復古期に王権と議会の対立の原因となっていた徴発権などの国王大権を国王が返上する代わりに内国消費税の半分を国王の生活のための供与金として認めることで合意が成立した。その後も財政難を理由として何度か内国消費税の引き上げが行われた。1733年に当時(初代)の首相ロバート・ウォルポールが地租の削減・廃止と関税の引き下げの代償に更なる内国消費税の大幅引き上げを図った。
これに対して政敵のボリングブルック子爵が噛み付き、民衆も生活苦から暴動を起こす騒ぎとなったためにウォルポールは提案を撤回した。これを「消費税危機」(excise crisis)という。産業革命以後には産業育成のために内国消費税を削減して関税に転嫁する方針が採用された。フランスではジャン=バティスト・コルベールが導入した塩の専売制に付随してかけられたガベル(gabelle)と飲料品税に由来するエード(aides)が知られ、絶対王政期のフランス財政を支えた。ドイツでも17世紀後半以後盛んに導入されたが、余りの高率に国民生活の不安定と国家財政の極度の個別消費税依存を招きフェルディナント・ラッサールから厳しい批判を浴びた。
この他アメリカでも独立戦争時にイギリスを真似て個別消費税を導入したが、1794年にウィスキー税に反対するウィスキー反乱が発生してジョージ・ワシントン政権を揺るがした。
日本では、江戸時代以前の運上・冥加が一種の個別消費税に相当するが、近代的な税制は明治維新以後に各種の間接税が導入されて以後である。特に酒税は一時は歳入中最大の割合を占めるほどになった。戦後になってシャウプ勧告と消費税法施行に伴って2度にわたって間接税の整理が行われる。
関税[編集]
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総合消費税[編集]
総合消費税(general expenditure tax)は、イギリスの経済学者ニコラス・カルドアが提唱した方法で、spendings tax(支出税)とも呼ばれる。個々の消費者がその年度内に発生した財貨・サービス支出を税務署に自己申告をおこない、累進課税にもとづく税額の算定にもとづいて納付する。元は所得税を補完する税法として考案され、キャピタル・ゲインなどの所得からも支出に対する課税の形で税を徴収でき、かつ預貯金とその金利は支出に相当せずに課税されないために節約と貯蓄奨励にもなるとされ、インドなどで一時導入が検討された。
だが、全ての人が正確な納付をおこなうためには、各個人が自己の支出に関する正確な記録を作成して、収入・支出・貯蓄に関するバランス・シートを作成しなければならないことから、本格的に導入した国は存在しなかった。また、税務署が全居住者の収入・支出・貯蓄情報を把握する必要があるため、事務の煩雑さから実施が困難であると言える。
歳入に占める割合[編集]
一般消費税による税収の全税収における割合はOECD加盟国平均で20.2%である。一般消費税による税収の対GDP比はOECD加盟国平均で6.8%である(2012年)[1]。
| 国 | VAT-GST税率[8] | 一般消費税収入の 全税収入比[9] |
一般消費税収入の GDP比[10] |
|---|---|---|---|
| オーストラリア | 10.0% | 12.4% | 3.4% |
| カナダ | 5.0% | 14.6% | 4.5% |
| デンマーク | 25.0% | 20.6% | 9.7% |
| フィンランド | 23.0% | 21.1% | 9.0% |
| フランス | 19.6% | 16.1% | 7.1% |
| ドイツ | 19.0% | 19.4% | 7.1% |
| イタリア | 21.0% | 13.8% | 5.9% |
| 日本 | 5.0% | 9.2% | 2.7% |
| 韓国 | 10.0% | 17.2% | 4.3% |
| オランダ | 19.0% | 17.9% | 6.5% |
| ノルウェー | 25.0% | 18.2% | 7.7% |
| スペイン | 18.0% | 16.6% | 5.3% |
| スウェーデン | 25.0% | 21.4% | 9.0% |
| 英国 | 20.0% | 20.8% | 6.9% |
| 米国 | 州により異なる | 8.0% | 1.9% |
| OECD平均 | N/A | 20.2% | 6.8% |
各国の制度[編集]
アメリカ合衆国[編集]
アメリカ合衆国では全国統一のVATにあたる税金はないが、州ごとに業者間取引には課されず最終的な消費者のみに課される売上税(Sales Tax)がある。50の州のうち、5つの州において、州ごとの売上税が課せられない。州ごとの売上税(State Sales Tax)がないのは、アラスカ州、デラウェア州、モンタナ州、ニューハンプシャー州、オレゴン州である[11]。
アメリカでは議会で何十年にもわたって、VATの導入について議論が持たれてきたが、法人税・所得税に代表される直接税に比べて、消費税・付加価値税など間接税が優れているとは見なせないという理由で、国全体での採用は見送りとなっている(アメリカの国税における直間比率は9対1)[12]。
VATの場合は特に、輸出に還付金が渡され輸入には課税される点、法人税引き下げとセットにされやすい点など、議論の焦点となってきたことが、アメリカの公文書に多く残っている[12]。
日本[編集]
税の用途は、社会保障と少子化対策として規定されている(2012年法改正)。
日本の消費税率はOECD 諸国中で3番目に低く、OECD平均の19%の半分にすぎない[13]。
| 年度 | 税収 | うち消費税収 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1985年(昭和60年)度 | 38.2 | (1.6) | |
| 1986年(昭和61年)度 | 41.9 | (1.7) | |
| 1987年(昭和62年)度 | 46.8 | (2.0) | |
| 1988年(昭和63年)度 | 50.8 | (2.2) | |
| 1989年(平成元年)度 | 54.9 | 3.3 | 税率3%導入 |
| 1990年(平成2年)度 | 60.1 | 4.6 | |
| 1991年(平成3年)度 | 59.8 | 5.0 | |
| 1992年(平成4年)度 | 54.4 | 5.2 | |
| 1993年(平成5年)度 | 54.1 | 5.6 | |
| 1994年(平成6年)度 | 51.0 | 5.6 | |
| 1995年(平成7年)度 | 51.9 | 5.8 | |
| 1996年(平成8年)度 | 52.1 | 6.1 | |
| 1997年(平成9年)度 | 53.9 | 9.3 | 同年4月1日より税率2ポイント引き上げ(5%に増税) |
| 1998年(平成10年)度 | 49.4 | 10.1 | |
| 1999年(平成11年)度 | 47.2 | 10.4 | |
| 2000年(平成12年)度 | 50.7 | 9.8 | |
| 2001年(平成13年)度 | 47.9 | 9.8 | |
| 2002年(平成14年)度 | 43.8 | 9.8 | |
| 2003年(平成15年)度 | 43.3 | 9.7 | |
| 2004年(平成16年)度 | 45.6 | 10.0 | |
| 2005年(平成17年)度 | 49.1 | 10.6 | |
| 2006年(平成18年)度 | 49.1 | 10.5 | |
| 2007年(平成19年)度 | 51.0 | 10.3 | |
| 2008年(平成20年)度 | 44.3 | 10.0 | |
| 2009年(平成21年)度 | 38.7 | 9.8 | |
| 2010年(平成22年)度 | 41.5 | 10.0 | |
| 2011年(平成23年)度 | 42.8 | 10.2 | |
| 2012年(平成24年)度 | 43.9 | 10.4 | |
| 2013年(平成25年)度 | 47.0 | 10.8 | |
| 2014年(平成26年)度 | 54.0 | 16.0 | 同年4月1日より税率3ポイント引き上げ(8%に増税) |
| 2015年(平成27年)度 | 56.4 | 17.1 | ※補正予算 |
| 2016年(平成28年)度 | 57.6 | 17.2 | ※予算 |
| ※1988年(昭和63年)度以前の消費税欄は物品税等の額。なお、1997年(平成9年)度以降の消費税欄は地方消費税を含まない。 | |||
日本の消費税の歴史[編集]
- 1979年(昭和54年) - 第35回総選挙において大平正芳首相が一般消費税(税率5%)の導入を打ち出すが、与党自民党内反主流派はもとより主流派からも反対論が上がり選挙期間中に撤回。
- 1984年(昭和59年)2月23日 - 中曽根康弘首相が、自身の内閣においては大型間接税の導入は避けたいと参議院予算委員会で答弁[15]。
- 1985年(昭和60年)1月31日 - 中曽根首相は国会答弁で網羅的な多段階課税の導入は否定したが、大型間接税の導入は否定せず[15]。
- 1986年(昭和61年)6月 - 第38回総選挙・第14回参院選の同日選に向け、中曽根首相は「大型間接税と称するものはやるつもりはない」と言明[15]。
- 1987年(昭和62年) - 中曽根首相は「大型間接税」ほどの包括性をもたない「新型間接税」であるとして売上税法案(税率5%)を国会提出。しかし、かねてより小売業界が強く反対しており、自民党内でも異論がくすぶっていた上、第11回統一地方選挙で自民党が敗北したため、廃案で与野党合意[15]。
- 1988年(昭和63年) - 竹下内閣時に、消費税法が成立。この際、自民党によって強行採決が行われた。12月30日公布。
- 1989年(平成元年)
- 1994年(平成6年)2月 - 細川内閣にて細川護煕首相が、消費税を廃止し税率7%の目的税「国民福祉税」を導入する構想を発表するが、担当となる閣僚を含めた政権要人からも反対論が上がり即日白紙撤回。
- 1997年(平成9年)4月1日 - 村山内閣で1994年(平成6年)11月25日に成立させた税制改革関連法案[16]に基づき、地方消費税の導入と消費税等の増税(3%から5%に増税、うち地方消費税1%)を橋本内閣が実施。「福祉を充実させる」という名目であった。この年の税収入は前年と比して1.8兆円増(消費税分は3.2兆円増だが、法人税は1兆円分減少)。中小企業への救済措置であった簡易課税制度の上限が5億円から2億円へ引き下げられ、限界控除制度についても廃止された。
- 1998年-1999年(平成10年-11年) - 増税前である1996年の国税収入52.1兆円と比較し、国税収入が2.7兆円減少する(所得税収は2.2兆円、法人税収2.1兆円の減少、GDP成長率は-1.8%)。
- 2004年(平成16年) - 消費税の導入から15年が経ったところで、複数口にわけて会計を行う不適正会計防止および消費者の利便を考慮する(税込価格の計算の手間を省く)ため、価格表示の「税込価格」の総額表示が義務づけられる。
- 2009年(平成21年) - 導入以来の累計213兆円(2009年度予算含む)
- 2011年(平成23年) - 民主党の野田政権の税制調査会にて2014年(平成26年)4月1日に8%、2015年(平成27年)10月1日に10%に増税する案が提出。2014年8%の案は後に実行に移された[17]。
- 2012年(平成24年)8月10日 - 野田第2次改造内閣にて消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法案「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律(平成24年法律第68号)」が成立、施行日は一部の規定を除き2014年(平成26年)4月1日とされる。
- 2013年(平成25年)10月1日 - 2011年の野田政権の決定を受けて第2次安倍内閣にて消費税率(国・地方)を5%から8%に増税すると閣議決定[18]、併せて施行日等も確認された。
- 「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(平成25年法律第41号)」が施行され、総額表示の義務化から9年半になり、2004年度以降から導入されていた「総額表示の義務化」を廃止する(2段階の引上げに伴う「価格表示を書き換える手間とコストがかかる」という、店側だけの一方的な都合により「特例」という名目で一旦廃止され、総額表示は「任意」の扱いとなる)。
- これにより、2004年以前の「税別価格のみ」(税込価格の併記なし)へ逆戻りする形の表示も合法化され、大半の店舗が「税別価格」のみの表示に戻すか、または「税込価格」を小さく併記する表示にされるようになったが、(「価格表示が紛らわしい」(客=消費者の支払う本来の価格と異なる)旨のクレームが懸念されること[19]や、複数口に分けて会計を行う不適正会計などがありうるため)自主的に従来通りの「税込価格」による表示[20]を優先(または税込価格での表示を明言)している企業も少数存在する(スーパーマーケット、ディスカウントストアなど[21])。また、「1商品ごと税込価格に1円未満の端数を出さない商品」しかない場合も多く存在し(スターバックスコーヒーなど)、またNTTコミュニケーションズは1回線ごと会計に課税のため複数口に分けて行う不適正会計防止のためだと思われる。この特別措置法によると「税別価格」のみの表示を認める期限は2021年3月31日(当初2017年3月31日までの予定で、再増税先送りに伴い2018年9月30日までの予定に変更されたものの、後述の2度目の再増税先送りに伴う法改正により再変更)となっており、それまで総額表示は「任意」とされているため、2021年4月1日以降は再度総額表示の義務化がなされる見通し。
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)12月12日 - 自民党の谷垣幹事長はこの日の夜、公明党の井上幹事長らと改めて協議した結果、2017年度の標準税率10%への消費増税にともなう軽減税率の導入時の対象品目は「外食」「酒類」を除いた、「生鮮食品」と「加工食品」、「週2回以上刊行される新聞」とし、税率は現在の8%のまま据え置くことで合意した。その結果、2017年度からの消費税は、標準税率10%、外食・酒類を除く飲食料品全般に対する軽減税率8%が課されることが決まった。消費税は1989年(平成元年)4月の創設以来、初めて税率が複数になる。そして、必要と見込まれる1兆円の財源を巡っては、両党が安定的な恒久財源の確保に責任を持って対応すること、さらに事業者の納税額を正確に把握するため、税率や税額を記載する請求書「インボイス(税額票)」を、2017年度の軽減税率の適用から4年後となる2021年度から導入することでも合意した。
しかし、軽減税率は財務省が特定の品目を軽減対象として認める代わりに、その関連業界の団体・企業に天下りをさせ、族議員ら企業や団体からの政治献金・選挙協力という見返りを得るために公明党・自民党が導入させようとしていると批判されている制度である[24]。
- 2016年(平成28年)
- 5月13日 - 安倍晋三首相は、消費増税を再び先送りすることを決めた。首相周辺によれば、安倍首相の増税見送りの決断は去年(2015年)11月といい、チャイナリスクの顕在化による、日本の実体経済への波及リスクが背景にあるという。一方で、自民党の谷垣幹事長は、およそ一ヶ月後の6月5日の街頭演説において、個人消費の低迷を理由に挙げた。
- 5月28日 - 安倍晋三首相は、この日の夜、2017年(平成29年)4月1日に予定する、8%から10%への消費増税を2年半先送りする意向を自民・公明両党幹部に伝達した。この結果、10%への消費増税は2019年(平成31年)10月1日まで延期されることになった。軽減税率8%は、従来の決定にもとづき、消費税率引き上げ時に施行する。
- 6月1日 - 安倍総理大臣は、総理大臣官邸で記者会見し、来年2017年4月1日に予定する、消費税率8%から10%への引き上げを2019年10月1日まで2年半再延期し、それにともない軽減税率を導入する考えを正式に表明した。この中で、安倍首相は、消費増税の再延期の理由を、中国をはじめとする新興国の経済に陰りが見えるとした。また、首相は「リーマンショック級や大震災級の事態」は発生していないと言明し、「リーマンショック級や大震災級の事態が発生しない限り、2017年4月から消費税を8%から10%に引き上げる」という自らの公約を破棄した「新しい判断」であることを認めた。しかし、1991年のバブル崩壊後、日本の外需依存度は、9~18%で推移しており、増税再延期の口実に新興国経済のリスクを利用したのではないかという批判もある。
- 6月5日 - 自民党の谷垣幹事長は、都内の街頭演説で、安倍総理は個人消費の低迷に悩んでいると訴え、消費増税の再延期の理由は、個人消費の低迷であることを示唆した。消費増税再延期を正式表明した、6月1日における総理の記者会見においては、冒頭においても、質疑応答においても、安倍首相から「個人消費の低迷」ついて言及はなかった。
- 6月10日 - 自民党の麻生財務大臣は、アジア欧州首脳会議(ASEM)において、消費増税を2年半再延期したことについて、企業利益の改善にくらべて個人消費が低迷したと増税再延期の経緯を説明した。
イタリア[編集]
2011年9月にイタリアのシルヴィオ・ベルルスコーニ政権が付加価値税(VAT)の税率を1%引き上げたが、同税の受取額は減少し、4月末までの1年間の徴収額は2006年以降で最低に落ち込んだ[25]。
中国[編集]
中華人民共和国にも「消費税」(消費税)と呼ぶものがあるが、一部の「贅沢品」だけにかかる特別税で、日本の制度としては既に廃止された物品税に近い。日本の消費税に類似する一般間接税は「増値税」(增值稅、付加価値税の意味)と呼ばれる。
消費税がない国と地域[編集]
| 国名(地域名) | 備考 |
|---|---|
| 湾岸協力会議(GCC) | |
| 湾岸協力会議(GCC) | |
| 湾岸協力会議(GCC) | |
| 湾岸協力会議(GCC) | |
| 湾岸協力会議(GCC) | |
| 湾岸協力会議(GCC) | |
| 中国の特別行政区 | |
| 中国の特別行政区 | |
| イギリスの海外領 | |
| イギリスの海外領 | |
| イギリスの海外領 | |
| イギリスの海外領 | |
| イギリスの海外領 | |
| イギリスの海外領 | |
| イギリス王室属領 |
経済への影響[編集]
消費は所得の存在を前提として発生することから、消費に課税することによって所得税などで十分に把握できない所得に対して間接的に課税することになる。ただし、所得の中には貯蓄に回される部分があるために、所得の大小と消費の大小は必ずしも一致せず、消費者の消費性向が実際の消費税の負担に対して影響を与える。
消費税増税の悪影響は、
- 駆け込み需要による一時的な反動減(駆け込み需要とその反動減は、消費時期が異なるために起こる現象であり、通じてみるとプラスマイナスゼロになるとされている[26])。
- 増税による可処分所得の低下による所得効果(実質所得の低下効果[27]、増税によって可処分所得が減少し、消費が減少することを「ケインズ効果」という[28])
の2つに大別できる[29]。
また、逆進性の問題があり、消費者の消費税負担の割合は、高所得者より低所得者の方が高い[30]。
イギリスでは1979年に、インフレ対策の一環として付加価値税(VAT)を8%から15%に引き上げたが、その後は景気後退を招いている[31]。
脚注[編集]
- ^ a b c OECD 2014, p. 9.
- ^ 菊池 威「モーリス・ローレ著『付加価値税論』」、『亜細亜大学経濟學紀要』第1巻第12号、1975年、 179-189頁、 NAID 110004849880。
- ^ a b c OECD 2014, p. 15.
- ^ a b c d e 鎌倉治子 2008.
- ^ OECD 2014, p. 14.
- ^ a b c d OECD 2014, Chapt.4.
- ^ OECD 2014, p. 41.
- ^ OECD 2014, p. 60.
- ^ OECD 2014, p. 36.
- ^ OECD 2014, p. 35.
- ^ Taxes by State Retirement Living Information Center, Inc.
- ^ a b NEWS FILE 米国が今も消費税を導入しない「もっともな理由」 PRESIDENT Online - プレジデント 2013年9月16日
- ^ OECD 2009, Overview.
- ^ “一般会計税収の推移” (プレスリリース), 財務省, (2012年11月2日) 2012年11月16日閲覧。
- ^ a b c d 鄭子真 "中曽根内閣と消費税 : 導入失敗の過程" 大阪大学大学院国際公共政策研究科紀要論文 国際公共政策研究 vol.14 no.1 pp.191-205 2009年9月
- ^ 第131回国会概観 参議院
- ^ 消費増税案を民主決定 14年4月8%、15年10月10%
- ^ 消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について 財務省
- ^ 「税別価格」が数万円〜数十万円になれば、消費税分の差額は数千円〜数万円単位にもなり、消費者にとって無視できない金額となるため、税込価格が判別できないとクレームの要因になるおそれがある。
- ^ 表示例としては「税込価格のみ」か「税込価格(税別価格)」(税込価格が目立つよう表示)などがある。
- ^ 大手のチェーン店では、しまむらやヨドバシカメラなどが(2014年度以降も)「税込価格で表示する」旨を明言している。
- ^ a b 地方税法改正(地方消費税関係)のお知らせ(平成27年4月改訂) 総務省
- ^ 【衆院選】首相会見詳報 消費税再増税の先送りを正式表明 衆院解散は21日(1/6ページ) 産経ニュース 2014年11月19日
- ^ [1]問題だらけの軽減税率 ~天下り先確保、野放しの脱税、そして増税…得をするのは金持ちだけ
- ^ イタリアの増税が裏目に、付加価値税収減少-緊縮策強化で Bloomberg 2012年6月13日
- ^ 政治・社会 【日本の解き方】消費支出最悪水準の理由は天候不順では説明できない 増税で減少した可処分所得(1/2ページ) ZAKZAK 2014年9月4日
- ^ 読んでナットク経済学「キホンのき」 消費増税、影響が「想定内」でなかったワケ 東洋経済オンライン 2014年10月11日
- ^ 高橋洋一の俗論を撃つ! 日銀総裁の講演の疑問点を読み解く 景気後退への最善策は5%への消費減税 ダイヤモンド・オンライン 2014年9月18日
- ^ 政治・社会 【日本の解き方】エコノミストは気楽な稼業だ 本格化する消費増税の悪影響(1/2ページ) ZAKZAK 2014年8月5日
- ^ 三木義一 『日本の税金』 岩波書店〈岩波新書〉、2003年、104頁。
- ^ 消費税率8%で痛手受ける日本経済、欧州が20%でも耐える訳 Bloomberg 2014年11月19日
参考文献[編集]
- Consumption Tax Trends 2014 (Report). OECD. (2014). doi:10.1787/ctt-2014-en.
- OECD Economic Surveys: Japan 2015, OECD, (2015-04), doi:10.1787/eco_surveys-jpn-2015-en, ISBN 9789264232389
- 鎌倉治子 (2008年10月). 諸外国の付加価値税(2008 年版) (Report). 国立国会図書館調査及び立法考査局.
| 出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2014年8月) |
- 内野順雄「消費税」(『社会科学大事典 10』(鹿島研究所出版会、1975年) ISBN 978-4-306-09161-0)
- 仙田左千夫「消費税」(『歴史学事典 1 交換と消費』(弘文堂、1994年) ISBN 978-4-335-21031-0)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Consumption tax - OECD
- 日本
- 消費税など(消費課税)に関する資料(平成25年5月末現在) - 財務省
- 皆様のご質問に副大臣がお答えします - 財務省
- 消費税 税目別に調べる - 国税庁
- 消費税 タックスアンサー - 国税庁
- 今後の経済財政動向等についての集中点検会合 - 内閣府
- 消費税転嫁対策コーナー - 公正取引委員会
- 消費税など(消費課税)に関する資料(平成25年5月末現在) - 財務省
- 1988年12月24日 消費税法が成立『広く薄く』税の新たな柱 - 東京新聞
- 消費税導入(1989年) - NHKアーカイブス
- 消費税8%へ(2014年) - NHKアーカイブス