ロコ・ソラーレ(Loco Solare)は、日本の女子カーリングチームを運営する一般社団法人。LS北見という名称でも知られていたが、2018年11月の一般法人化により、「ロコ・ソラーレ」の名称での全試合出場が規則上可能となったため、チーム登録名称をロコ・ソラーレに統一した[1]。北見カーリング協会所属。練習拠点はアドヴィックス常呂カーリングホール。2018年平昌オリンピック日本代表。
2010年、2度の冬季オリンピック出場を経験した本橋麻里が、それまでに自身も含め多くのカーリング選手を輩出[2]した地元・北見市において、市民の生涯スポーツとして広い年代に親しまれている[2]カーリングの地盤がある一方で、アスリートとして世界レベルを目指しトップレベルで競技続行できる環境(特にスポンサーとなりうる大企業)に乏しく[3]、有力選手が就職や進学を機により良い競技環境のある青森県や長野県などの強豪チームへと流出[4]してしまったり、カーリング競技から離れてしまう[5]状況に一石を投じたい、また北見・常呂に深く根差し、地域に愛され続ける「実業団ではない」クラブチームを作りたい[6]など複数の要因からなる強い思いによりチーム設立に至った[7]。
チーム名の由来は「ローカル」と、「常呂っ子」から「ロコ」+イタリア語で太陽を意味する「ソラーレ」[8]。
日本カーリング選手権大会など日本カーリング協会(JCA)主管試合では、LS北見として登録されていた。これは、JCA競技者ユニフォーム規定[注釈 1]により、試合では「ロコ・ソラーレ」をチーム名として使用できないことによるものであり、LS北見の"LS"は、公式にはチームキャプテンである本橋麻里が所属するNTTラーニングシステムズの略称として登録していたが、2018年8月に一般社団法人として登記、9月18日に本橋を代表理事とした一般社団法人化を公表した[10][11]。このことにより、正式に「ロコ・ソラーレ」のチーム名で出場可能になった[11]。
- 2010-11シーズン
- 2010年7月、元「チーム青森」で旧常呂町出身の本橋が関係者と共に新しい環境の元、同町の出身者5名[12](本橋・馬渕恵・江田茜・鈴木夕湖・吉田夕梨花)により結成[13]。
- 2010年12月、オホーツクブロックカーリング選手権初優勝。
- 2011年1月、北海道カーリング選手権初優勝。第28回日本選手権への出場権を獲得。
- 2011年2月、第28回日本カーリング選手権に初出場。ラウンドロビンを全勝で1位通過するが、プレーオフで敗れ、3位。
- 2011-12シーズン
- 2012年2月、第29回日本カーリング選手権で初の決勝進出を果たす。決勝では藤澤五月率いる中部電力に敗れ、準優勝[14]。
- 2012-13シーズン
- 2013-14シーズン
- 2013年9月、ソチオリンピック世界最終予選日本代表決定戦にて、決勝進出を賭けたタイブレークで藤澤率いる中部電力に敗れ、ソチ五輪出場権を得られなかった。
- 2013年10月、アドヴィックス常呂カーリングホールが落成。チームの活動拠点となる。
- 2014年2月、第31回日本カーリング選手権に出場し、3位に終わる。
- 2014-15シーズン
- 2014年6月、北海道銀行から、旧常呂町出身の吉田知那美が移籍加入[15]。
- 2014年10月、ワールドカーリングツアー(WCT)でツアー初優勝。また、グランドスラムにチーム初挑戦。オータムゴールドに出場し、ファーストノックアウト2回戦、セカンドノックアウト2回戦、サードノックアウト2回戦でそれぞれ敗れ、トリプルノックアウトステージ敗退。
- 2015年2月、第32回日本カーリング選手権で2度目となる決勝進出を果たしたが、決勝で北海道銀行に敗れ準優勝。
- 2015年4月、馬渕が選手活動を引退[16]。
- 2015-16シーズン
- 2015年5月、中部電力から北見市出身の藤澤が移籍加入[17]。
- 2015年11月、第25回パシフィックアジアカーリング選手権(PACC)に女子日本代表として出場。本橋が産休のため、帯広市出身の石崎琴美がリザーブとして参加[18]。同大会で日本勢10年ぶりの優勝を達成。
- 2016年2月、第33回日本カーリング選手権にて、決勝で富士急に勝利。3度目の決勝進出にして日本選手権初優勝を達成。世界選手権と翌シーズンのパシフィックアジアカーリング選手権の出場権を獲得。
- 2016年3月、世界選手権に女子日本代表として出場。ラウンドロビンを9勝2敗の2位で通過。決勝でスイスに敗れたが、日本勢初の準優勝。銀メダルを獲得。
- 2016年4月、チャンピオンズカップに出場し、ラウンドロビンを2勝2敗。プレーオフ進出を賭けたタイブレークで敗れる。
- 2016-17シーズン
- 2016年11月、第26回パシフィックアジアカーリング選手権に女子日本代表として出場。ラウンドロビンを6勝1敗で3位通過。準決勝で中国に敗れる。3位決定戦ではニュージーランドに勝利したが、優勝国に与えられる翌年の世界選手権の出場権を逃した。
- 2017年1月、コンチネンタルカップに世界選抜の一員としてチーム初出場。
- 2017年2月、第34回日本カーリング選手権で3年連続の決勝進出を果たしたが、決勝で中部電力に敗れ準優勝。2連覇はならなかった。
- 2017-18シーズン
- 2017年8月、WCTどうぎんカーリングクラシック初優勝。ツアー通算2勝目。
- 2017年9月、平昌オリンピック日本代表決定戦(3勝先勝方式)で中部電力と対戦し、通算3勝1敗で平昌五輪代表権を獲得[19]。
- 2017年11月、第27回パシフィックアジアカーリング選手権に女子日本代表として出場。ラウンドロビンを6勝4敗で3位通過。決勝では韓国に敗れ、準優勝となった。
- 2017年12月、WCT軽井沢国際カーリング選手権初優勝。ツアー通算3勝目。
- 2018年1月、コンチネンタルカップに2年連続世界選抜の一員として出場。
- 2018年2月、平昌オリンピックに日本代表として出場。予選4位で男女を通じて五輪初の準決勝に進出した[20]。準決勝の韓国戦は延長戦の末7-8で敗れたが[21]、3位決定戦でイギリスを5-3で破り銅メダルを獲得した[22][23]。
- 2018年4月、日本のカーリングチームとして初めてプレーヤーズ選手権に出場、ラウンドロビンは2勝3敗もタイブレークに勝利し全体8位で通過、ベスト8入りする。なお、同月に行われたチャンピオンズカップではスキップの藤澤が世界ミックスダブルスカーリング選手権に出場する為、チームを一時離脱。代役でサードの吉田知がスキップを務めたが、ラウンドロビン4戦全敗で終えた。
- 2018年5月、パシフィックアジア選手権代表決定戦(3勝先勝方式)で富士急と対戦し、通算3勝0敗で代表権を獲得。
- 2018年6月、本橋が選手としての一時休養を発表。チームの運営及びセカンドチーム代表責任者に専念[24]。
- 2018-19シーズン
- 2018年9月、一般社団法人「ロコ・ソラーレ」を設立[10]。また、2018-19シーズンよりワールドカップ(W杯)が新設され、日本代表として第1節に出場。ラウンドロビンは3勝3敗のグループ2位に終わり、決勝進出はならなかった。
- 2018年10月、マスターズに出場し、ラウンドロビンを2勝2敗。プレーオフ進出を賭けたタイブレークで敗れる。
- 2018年11月、第28回パシフィックアジアカーリング選手権に女子日本代表として出場。ラウンドロビンを6戦全勝で1位通過。決勝では韓国に敗れ、2年連続の準優勝となった。この大会には石崎がリザーブとして参加。また、育成チーム「ロコ・ステラ」を結成[25]。オフィシャルサイトにてメンバーが初お披露目された[26]。
- 2018年12月、W杯第2節に出場。ラウンドロビンは5勝1敗のグループ首位で決勝進出。決勝では韓国に7-6で勝利し初優勝[27][28]。グランドファイナル(最終節)の出場権を獲得。なお、男女を通じて日本代表が世界カーリング連盟(WCF)主催の世界大会(冬季五輪・世界選手権・W杯)で優勝するのは史上初の快挙である。また、日本の女子カーリングチームとして初めてナショナルに出場。ラウンドロビンを3勝1敗の全体5位でプレーオフに進出したが、準々決勝で敗れる。
- 2019年1月、日本のカーリングチームとして初めてカナディアン・オープンに出場。ファーストノックアウト3回戦、セカンドノックアウト3回戦、サードノックアウト3回戦でそれぞれ敗れ、トリプルノックアウトステージ敗退。
過去の所属選手[編集]
- 江田茜 - 冬場が繁忙期の菓子店でパティシエとして働きながら創設からチームに参加。3シーズン戦った後、2013年9月にチームを離脱した[29]。
- 馬渕恵 - チーム創設から参加。チーム最年長として本橋を支え、2015年4月、後進に道を譲る形で引退した[29]。現在はサポートメンバーとしてチームを支えている。
スタッフ[編集]
主な戦歴[編集]
冬季オリンピック[編集]
世界選手権[編集]
ワールドカップ[編集]
パシフィックアジア選手権[編集]
冬季アジア大会[編集]
日本選手権[編集]
- 第29回(2011-12シーズン) - 準優勝
- 第32回(2014-15シーズン) - 準優勝
- 第33回(2015-16シーズン) - 優勝
- 第34回(2016-17シーズン) - 準優勝
ワールドカーリングツアー[編集]
グランドスラム[編集]
| 略語の説明
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| W
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優勝
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| F
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準優勝
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| SF
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ベスト4
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| QF
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ベスト8
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| R16
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ベスト16
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| RR
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ラウンドロビン敗退
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| TK
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トリプルノックアウト敗退
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| T2
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ティア2(2部)出場
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| DNP
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大会不参加
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| N/A
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開催せず
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現行グランドスラム
| 大会
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10–11
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11–12
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12–13
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13–14
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14–15
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15-16
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16–17
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17–18
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18–19
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| エリート10
|
N/A
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DNP
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| マスターズ
|
N/A
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DNP
|
DNP
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DNP
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DNP
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DNP
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DNP
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RR
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| ツアーチャレンジ
|
N/A
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DNP
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DNP
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DNP
|
DNP
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| ナショナル
|
N/A
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DNP
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DNP
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DNP
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QF
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| カナディアン・オープン
|
N/A
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DNP
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DNP
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DNP
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DNP
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TK
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| プレーヤーズ選手権
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DNP
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DNP
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DNP
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DNP
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DNP
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DNP
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DNP
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QF
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| チャンピオンズカップ
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N/A
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RR
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DNP
|
RR
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旧グランドスラム
| 大会
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10–11
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11–12
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12–13
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13–14
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14–15
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15-16
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| ソベイスラム
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DNP
|
N/A
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| ウェイデン・トランス
|
N/A
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| マニトバ・ロト
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DNP
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DNP
|
DNP
|
DNP
|
N/A
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| オータムゴールド
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DNP
|
DNP
|
DNP
|
DNP
|
TK
|
N/A
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| コロニアルスクエア
|
N/A
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DNP
|
DNP
|
DNP
|
DNP
|
N/A
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レギュラー[編集]
- Avonair Cash Spiel(2014-15シーズン) - 優勝
- どうぎんカーリングクラシック(2017-18シーズン) - 優勝
- 軽井沢国際カーリング選手権(2017-18シーズン) - 優勝
世界ランキング[編集]
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10–11
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11–12
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12–13
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13–14
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14–15
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15-16
|
16–17
|
17–18
|
18–19
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| シーズン開始
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-
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249
|
198
|
126
|
66
|
33
|
16
|
32
|
10
|
| シーズン終了
|
-
|
277
|
171
|
148
|
56
|
22
|
22
|
18
|
|
| 最高位
|
-
|
216
|
159
|
126
|
45
|
22
|
16
|
18
|
6
|
その他[編集]
- 第30回北海道カーリング選手権(2010-11シーズン) - 優勝
- 第25回オホーツクブロックカーリング選手権(2010-11シーズン) - 優勝
- 第26回オホーツクブロックカーリング選手権(2011-12シーズン) - 優勝
- 第27回オホーツクブロックカーリング選手権(2012-13シーズン) - 優勝
- 第33回NHK杯カーリング選手権(2012-13シーズン) - 優勝
- 第33回北海道カーリング選手権(2013-14シーズン) - 優勝
- 第28回オホーツクブロックカーリング選手権(2013-14シーズン) - 優勝
- 第34回NHK杯カーリング選手権(2013-14シーズン) - 優勝
- 第29回オホーツクブロックカーリング選手権(2014-15シーズン) - 優勝
- 第34回北海道カーリング選手権(2014-15シーズン) - 優勝
受賞歴[編集]
エピソード[編集]
- チーム創設当初はスポンサーも無く、カーリングチームの活動費には用具・スタッフ費・遠征費など年間3000万円は最低必要とされるが[41]、ロコ・ソラーレ発足当初の活動資金は400万円ほどだったという[41]。海外遠征など遠征費用も多いカーリング競技の活動資金確保のため、本橋が飛び込み営業で地元企業を回りスポンサー集めに奔走した[42]。本橋はトリノ五輪以後のCM出演などで先に知名度が有り、テレビ局からのバラエティー番組出演依頼なども多くあったが[12]、「今テレビに出演するよりも、コツコツスポンサー探しをしていた方が良い」と出演を断り協賛企業集めを続けた[12]。カーリングが盛んと思われる北見地域であっても「カーリングって何?」「オリンピックの時だけでしょ?」と全く相手にされないこともある[43][44]中で地道に交渉に回り続け、2017年時点で理解を得られた20社近くのスポンサーを獲得[43]。選手の勤務先となる協賛企業・団体のサポートも獲得し[7][45]、地元に支えられるチームの地盤を築いた。
- 本橋はチームのあり方として「みんなが一時的に競技をやめる状況になったとしても、戻って来られるような環境をつくりたい[46]」と語る。
- チームのコーチは選手を幼少期から知る小野寺亮二が務める[47]。なお、小野寺の本業はじゃがいも農家であり[48]、娘の小野寺佳歩は北海道銀行フォルティウスでプレーしている。
- 日本代表としての活動時には、JCA(日本カーリング協会)のナショナル・コーチ[49]であるカナダ出身のジェームス・ダグラス・リンドが加わりチームをコーチングする体制となる[50][51]。
- 2015年春に加入した藤澤はそれまでにも「練習量を信じてプレーした」と試合後コメントするなど自身の練習量に対する自負があった[52]が、ロコ・ソラーレに入った第一印象で「本当に毎日こんなにトレーニングするの?」 [53]と驚いたという。曰く「練習メニューを見て量に驚いた。それを毎日みんなが淡々とこなしていて刺激を受けた」。
平昌オリンピック[編集]
- 試合中「そだねー」「押ささる」「○○かい?」などの北海道方言を多用して戦術を話し合っていたことから「そだねージャパン」という愛称がつけられ、特に「そだねー」は世間でも流行した[54]。
- 第5エンド終了後にある7分間のハーフタイムでイチゴやバナナ、チーズケーキなどを食べていたこと(「おやつタイム」「もぐもぐタイム」[注釈 2]と呼ばれた)が話題になり、特にメンバーが食べていたチーズケーキ(地元北見市の清月が製造する「赤いサイロ」)は注文が通常の10倍近く殺到する事態となった[56][57]。「もぐもぐタイム」という言葉はカナダ戦後、日刊スポーツの取材時に本橋も使い始めている[58]。なお、ハーフタイムでの間食自体は他国のチームも行っており、「氷上のチェス」の名が示すように頭脳戦の側面が強いカーリング競技では糖分補給などの目的もあって定常的に行われていることである。
- 生中継されたNHK総合のテレビ視聴率は準決勝・韓国戦で26.4%、3位決定戦のイギリス戦では25%の番組平均視聴率を記録(ビデオリサーチ調べ)。3位が決定した22時43分の毎分瞬間視聴率は42.3%の高視聴率を記録[59]し、高い注目を集めた。
- イギリスを破り銅メダルを獲得した際に、アメリカ合衆国の放送局であるNBCは日本代表(すなわちロコ・ソラーレ)に対して、『Japan's Sunshine team』と命名した[22]。
- 吉田夕の勤務先である医療法人の理事長は馬主としても著名な人物であり、五輪後自身の競走馬に「ソダネー」と命名した[60]。
新語・流行語大賞[編集]
- ^ チーム名には選手名(代表者の苗字)、所属する協会名、居住している地域名、在職・在籍あるいは雇用契約関係にある法人名及びその略称、在学する学校名及びその略称以外の使用が禁止されている[9]。
- ^ 「もぐもぐタイム」という言葉は、旭川市旭山動物園が、飼育担当が動物にエサを与えながら、特徴ある行動について解説を行う時間をいうのに用いている[55]。
外部リンク[編集]
| 歴代の新語・流行語大賞の受賞者 (年間大賞選定以後・2011-) |
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| 第28回(2011年) | | | 第29回(2012年) | | | 第30回(2013年) | | | 第31回(2014年) | | | 第32回(2015年) | | | 第33回(2016年) | | | 第34回(2017年) | | | 第34回(2018年) | |
※受賞者の役職は当時のもの。 第1回 - 第7回 | 第8回 - 第27回 | 第28回 - |
|