アルパカ

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アルパカ
Corazon Full.jpg
アルパカ Vicugna pacos
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
下綱 : 真獣下綱 Eutheria
階級なし : (未整理[1]
北方真獣類 Boreoeutheria
上目 : ローラシア獣上目 Laurasiatheria
: 鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
亜目 : ラクダ亜目(核脚亜目) Tylopoda
: ラクダ科 Camelidae
亜科 : ラクダ亜科 Camelinae
: ビクーニャ属
Vicugna Lesson1842
: アルパカ V. pacos
学名
Vicugna pacos
Linnaeus1758
シノニム

Lama pacos
(Linnaeus1758) *

和名
アルパカ
英名
Alpaca
Leefgebied alpaca.JPG
アルパカの主要な棲息地域
エクアドルで飼育されるアルパカ。4種類の毛色が揃う。
白・黒・茶が混じり合った体色の、アルパカの個体

アルパカ学名Vicugna pacos、羊駱駝)は、南アメリカ大陸原産の家畜の一種であり、1鯨偶蹄目ラクダ亜目ラクダ科に分類されるビクーニャ属genus Vicugna)の模式種ビクーニャV. vicugna)からの派生種。

極めて良質な体毛を具えており、古来、衣類を始めとする生活用品への体毛の加工利用が品種改良の目的であった。

生物的特徴[編集]

分布[編集]

南アメリカ大陸原産の家畜種。ビクーニャ、グアナコから派生したもの。 ただし、一方でアルパカとラマの間には雑種が生まれやすいにも関わらず、中間型がいないため、絶滅した野生種から生じたという説もある。 特に、南アメリカ大陸の、特にペルー南部、また、それに接するボリビアアルゼンチン北部の、海抜およそ3,500 - 5,000mのアンデス湿潤高原地帯で放牧されている。アルゼンチンなど南アメリカ南部にはほとんどいない。

現在は多くの場所でアルパカ牧場やペットとして飼育されている。アメリカではペットとして飼っている人も多くいる。

形質[編集]

体長(頭胴長)約2m、体高(肩高)約0.9 - 1.0m。体重は約50- 55kg。ビクーニャよりやや大きく、グアナコより少し小さい大きさである。時速40km前後の走力がある。妊娠期間は約11ヶ月で、一産一子。

上の前歯は無く、の代わりに硬質化した皮膚がある。下には牙のような目立つ歯が生えていて、短い草を挟んで千切って食べている。 唇がとても器用に動く。

比較的近縁のリャマ(ラマ)と共通するが、威嚇・防衛のために「つばき」を吐きかけるという習性を持つ。このつばきには反芻胃(はんすう い)の中にある未消化状態の摂食物も含まれており、強烈な臭いを放つ。この行動によって危害を加える可能性を持った相手を遠ざける。

常に群れをなして暮らし、現地では1年中放牧されていて、を好んで食べる。 通常時は「フェ〜」「フーンフーン」などといった鳴き方をするが、危険を感じると警戒の声を発する。

毛を利用するために品種改良された家畜であり、その毛は今日でも広く利用されている。毛の太さは12 - 28μm。アルパカの毛は刈り取るまで伸び続けるため、約2年間くらい切らずに放置しておくと地面に届くほどに伸長する。

毛色はネズミ色の4種類(右列の画像を参照)に大分されるが、さらに細かく分けると25種類ほどにもなる。アメリカ合衆国などの国では認められていない毛の色もある。

また、白色以外のアルパカの毛は染色しづらく、そのため色のあるアルパカは飼育を敬遠される傾向にあり、絶滅のおそれが指摘されている。アルパカの毛の種類は「ワカイヤ」と「スリ」の2種類がある。「ワカイヤ」はふわふわでもこもこしている毛で、「スリ」はさらさら、少しドレッドヘアのようにツイストしている。

分類[編集]

系統分類[編集]

ラクダ科の下位分類を示す。 は「絶滅」の意。

種分類[編集]

人間との関わり[編集]

文化的利用[編集]

インカ帝国においては高地の物資が不足しやすいと言う特性から、糞までをも燃料として使用し余すところ無く利用されていた。

また、医薬用、宗教儀式用としても使われていた。

現代では、アンデスの繁殖儀礼の儀式でアルパカの幼獣が使用されることがある。

また、アルパカの(ひづめ)は、擬音楽器として利用されることもある。

経済的利用[編集]

アルパカと飼育者(ポンチョをまとったボリビア人男性)

同じアンデス地方で飼われている家畜であるラマ(リャマ)が主に荷役に用いられるのに対して、アルパカはもっぱら体毛を利用する(cf. 動物繊維)。その毛で、インディオ伝統のマントポンチョ、そのほかのさまざまな衣類を作り、自分達で着たり輸出したりしている。

服飾業界において「アルパカ」の名は複数の意味で用いられる。毛について言う場合、たいていはペルー産のアルパカのものを指す。しかし、生地としてはより広く、アルパカの毛でペルーにて作られたものだけでなく、イタリアイギリスのブリランテ(brillante. cf.)などを混ぜて作ったものも「アルパカ」と呼ばれる。

生地として最高級品質とされるのは、生まれて初めて刈り取ったアルパカの毛で作ったもので、「ベビー・アルパカ」と称される。1回の採毛量は3 kgほどで、隔年に刈り取りを行う。1頭のアルパカからの刈り取りは生涯で3 - 4回ほどに過ぎない[2]。部位別に見ると背中の毛が価値が高く、腹、脚と地面に近くなるにつれ価値が下がっていく。

アルパカは体毛の利用が主ではあるが、荷役に用いる場合もある。しかしラマより体形が小型で、1回に運べる荷は50 kg程度でしかない[2]

南米古来の動物で毛を用いるのは、ビクーニャおよびアルパカ、ラマおよびグアナコの4種である。ビクーニャとアルパカはいずれも毛が重要視されるが、アルパカの場合、毛の品質と量の点で優れており、ビクーニャは柔らかさ、きめ細かさ、希少さと高品質の点で珍重されている。グアナコの毛はビクーニャより若干劣るが、量はやや多い。

その他の事象[編集]

日本では2008年平成20年)、マスコットキャラクター的位置づけで株式会社クラレの企業CMに起用されたことをきっかけとして人気に火が付いた。

脚注[編集]

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  1. ^ 分類学上、未整理の分類群(タクソン)
  2. ^ a b 『図説 動物文化史事典』pp.204 - 205

参考文献[編集]

  • J・クラットン=ブロック 『図説・動物文化史事典』 増井久代訳、原書房1989年8月15日、初版(日本語)。ISBN 4-562-02066-0

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • アルパカとは - アルパカ牧場 那須ビッグファーム:日本で初めてアルパカの牧場飼育を開始した施設。輸入の経緯やアルパカの特徴など。