培養肉

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シャーレによってハンバーグ状に形成された培養肉
ハンバーグとして調理中の培養肉

培養肉(ばいようにく)とは、動物個体からではなく、可食部の細胞組織培養することによって得られた肉のことである。

概要 [編集]

動物を屠殺する必要がない、厳密な衛生管理が可能、食用動物を肥育するのと比べて地球環境への負荷が低い、などの利点があり、従来の食肉に替わるもの(代替肉)として期待されている。2019年現在のところ、高価であることが培養肉の課題の1つである[1][2]。しかし、技術の発展によって、従来の食肉と同等程度までに低価格化することができると予測されている[3][4]。一方で、人工的に生産された肉を食することに否定的な意見もある[5]

実用化に向けた動き[編集]

21世紀において、いくつかの培養肉研究プロジェクトが実施されている[6]。2013年8月にオランダのチームによって世界初の培養肉ビーフバーガーが実現し、ロンドンでデモンストレーションとして食された[7]。ほか、2016年日本の有志団体によるDIYバイオによる製造実証[8][9]、同団体発のスタートアップによる培養フォアグラの製造[10]、2017年7月フィンレス・フーズ社による培養魚肉の製造[11]、2017年3月メンフィス・ミーツ社が家禽(鶏肉と鴨肉)の細胞培養肉などの事例がある。

2019年3月末には、JAXAが「宇宙食料マーケット」の創出を目指し、「Space Food X」というプログラムを立ち上げた。30以上の企業、大学、研究機関等が参加し、「培養肉」を含む宇宙で食料を地産地消できる技術の開発を行う。これは宇宙移民の実現に向けた動きの一環で、将来的には宇宙ステーション火星に培養肉の研究所または工場を建設する予定。[要出典]

2020年12月1日、シンガポールの食品庁は、アメリカの企業に対して、実験室で培養した鶏肉の販売を承認した。製品は人工培養した鶏の細胞から作られたもので[12]シンガポールのレストランでチキンナゲットとして2021年に提供された[13]

脚注[編集]

  1. ^ 信州大学と細胞回収技術に関する共同研究を開始”. 時事通信社. 2019年10月31日閲覧。
  2. ^ Building a $325,000 Burger
  3. ^ Temple, James (2009年2月23日). “The Future of Food: The No-kill Carnivore”. Portfolio.com. http://www.portfolio.com/views/columns/dual-perspectives/2009/02/23/The-No-kill-Carnivore 2015年2月3日閲覧。 
  4. ^ Preliminary Economics Study of Cultured Meat Archived 2015年10月3日, at the Wayback Machine., eXmoor Pharma Concepts, 2008
  5. ^ Chiles, Robert; Magneson (2013-12-01). “If they come, we will build it: in vitro meat and the discursive struggle over future agrofood expectations”. Agriculture and Human Values (Springer Netherlands) 30 (4): 511–523. https://doi.org/10.1007/s10460-013-9427-9 2015年2月3日閲覧。. 
  6. ^ Siegelbaum, D.J. (2008年4月23日). “In Search of a Test-Tube Hamburger”. Time. http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1734630,00.html?imw=Y 2015年2月3日閲覧。 
  7. ^ World's first lab-grown burger is eaten in London
  8. ^ 培養肉作って食べてみた! Shojinmeat Project、2020年10月23日閲覧
  9. ^ "Shojinmeat Project"~自宅で作る培養肉、2020年10月23日閲覧。
  10. ^ “培養フォアグラ”の開発に日本のベンチャーが成功! 気になる味や値段を担当者に聞いた 、2020年10月23日閲覧。
  11. ^ Finless Foods: Pollution-Free Fish, Thanks to Biotech Indie Bio、2020年10月23日閲覧。
  12. ^ シンガポール、人工培養鶏肉の販売を承認 世界初”. CNN (2020年12月3日). 2020年12月4日閲覧。
  13. ^ 培養肉のチキンナゲット、初の販売開始 「安全で健康」”. 朝日新聞. 2021年4月1日閲覧。

関連項目[編集]