代替肉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
肉の代わりにテンペを用いたテンペバーガー
豆腐を代替肉とした酢豚
大豆タンパクで作ったミートパイ

代替肉(だいたいにく)とは動物を屠殺・食肉処理した通常の肉ではなく、大豆など植物性原料を使い肉の味や食感を再現して作られた、肉の替わりとなる植物ベースの食品である。

フェイクミート、大豆ミート、大豆肉、ソイミート、疑似肉、植物性タンパク、アナログミートなどとも呼ばれる。日本でも2019年ごろから代替肉は拡がりを見せてきている。

2020年時点での代替肉は割高となっているが、市場が拡大するにつれて価格は安くなることが予想される。コストコは2024年までに少なくとも一つの代替肉製品は肉と同等の値段、あるいはそれより安く販売すると約束している。

また本来の肉でも動物の飼育を伴わない培養肉(人工肉)の開発も進んでおり、世界人口の増加や畜産に伴う環境負荷、動物倫理などの解決策として注目されている。

背景[編集]

2050年には世界人口が100億人に達すると言われており、FAO(国連食糧農業機関)は2011年に世界の食肉消費が2050年までに73%、乳は58%増えるだろうと発表した[1]。2017年の世界の家畜・家禽と畜数は「肉用鶏665億6,672万5000羽」「採卵鶏78億3,838万羽」「豚14億8,598万6756頭」「肉牛3億441万4,858頭」「乳牛2億7,801万4,142頭」と世界人口の10倍以上にのぼる。さらに魚も含めると、人間の食のために年3000億もの動物が消費されていることになる。

これら大量の家畜を飼養するために、地球上の居住可能な土地の約40%[2]畜産業に使われており、森林破壊温室効果ガス排出、水資源の大量消費など環境破壊の主要原因となっている。2006年にFAOは調査報告書「家畜の長い影」(Livestock’s long shadow)で「畜産業はもっとも深刻な環境問題の上位2.3番以内に入る」と発表したが、それ以来畜産業は拡大を続けている。2019年12月、科学者たちは、畜産業がこのまま拡大し続けるなら2030年には気温1.5度上昇するのに必要な二酸化炭素の49%を畜産業が排出することになる、と述べ、畜産業は「これ以上家畜生産を増やさない」というピーク点を設定すべきだと表明した[3]

2019年、世界経済フォーラムはダボス会議の前に代替肉についての報告書を出し、肉に替わるタンパク質は食品汚染のリスクが無く、温室効果ガス排出量の大幅な削減につながる可能性があるとして今後の増加する人口のタンパク質需要を満たすためにはタンパク質システムの変革が必要だろうといっている。

また、2019年1月16日付の英医学雑誌The Lancetには「野菜を多くとり、肉、乳製品、砂糖を控えるよう」に提案する論文が発表された。栄養や食に関する政策を研究する世界の科学者30人が3年にわたって協議し、100億人の食を支えるために各国政府が採用できる案をまとめたもので、こうした食の改革を行わないと、地球に「破滅的」なダメージが待ち受けているという[4]

現在地球上の農業用地のうち77%を畜産業が使用しているが、そこから得られるカロリーはたったの18%にしか過ぎない[5]

こういった動物性食品にともなう環境負荷や、持続可能性への意識の高まり、そして効率重視の工場型畜産に伴う動物倫理問題(家畜の拘束飼育や過密飼育など)が代替肉市場の拡大へつながっている。

新型コロナウイルス感染症の影響[編集]

2019年末からパンデミックを起こした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は畜産システムの脆弱性を露呈した。ベルトコンベア式に多くの人が密接して食肉処理・加工しなければならない屠殺場ではクラスターが発生し、アメリカでは22の屠殺場が次々と操業を停止し、4月12日には巨大な屠殺場であるスミスフィールド・フーズ屠殺場も無期限で停止した。屠殺場が停止したことにより、行き場のなくなった農場の殺処分される事態にまで発展した。食料品店は肉の販売を制限し始めたことで、肉の代替品はこれまでにないほど需要が急増した。代替肉の大手であるビヨンド・ミートは、2020年4月、シェアが49%にまで上昇した[6]。またニールセンがビジネスインサイダーに4月に提供したレポートによると、4月11日までの4週間で、精肉の代替食品の需要が前年比で272.2%も急増したという。

動物倫理[編集]

ヴィーガンのような、脱動物搾取という考えは、代替肉市場の拡大のトリガーとなっている。

世界3か国を除くすべての国(北朝鮮、バチカン市国、エスワティーニ(スワジランド))の消費者がVeganuary運動(ヴィーガニズムを奨励する運動)[7]に参加しており、2014年にこの運動が始まって以来、参加者は毎年二倍以上増えている。Veganuaryによると、推定で人口の3〜10%は肉を食べない[8]

2015年に設立され、現在では代替肉や培養肉をプロモートする世界的イニシアチブであるGood Food Instituteの目的は動物の犠牲を減らすことにある。同団体の創設者であるBruce Friedrichはもともと毛皮へ抗議するなど動物の権利活動家であったが、より効果的に動物の犠牲を減らすために同団体を設立したという[9]

代替肉移行へのもう一つのイニシアチブと言えばFAIRR(FARM ANIMAL INVESTMENT RISK & RETURN)だ。FAIRRは、投資機関に畜産のリスクを啓発することを目的とした投資機関ネットワークで、FAIRRをサポートする投資機関は2019年12月で199名、その運用資産は2197兆円(20.1兆ドル)にものぼる。FAIRRは代替肉への移行を企業に促すプロジェクトを進めている。FAIRRの創業者でCEOであるジェレミー・コラー英語版は、動物の権利や、工場畜産の恐怖について、長年問題提起してきた。ただ彼はそれらの解決方法として「動物がかわいそう」というメッセージではなく、人々に工場畜産を「人間の世界的な持続可能性の問題」として提起している[10]

2019年9月には、ヴィーガン気候変動対策のためのETF(上場投資信託)が米国証券取引委員会に登録され、2020年1月から投資受付を開始され、。同信託はアメリカの大企業のうちヴィーガン気候変動に配慮した企業のみで構成され、動物性食品を取り扱う企業や動物実験を実施している会社の株はすべて除外されると言われている[11]

世界ではじめてつくられた培養肉(人工肉)に資金提供したのはGoogleの共同創業者のセルゲイ・ブリンであるが、投資の理由を「動物福祉のためだ」と述べている。「人々は近代の食肉生産に間違ったイメージを持っている。人々はごく一部の動物を見て自然な農場を想像する。しかしもし牛がどんなふうに扱われているかを知ったら、これは良くないと分かるだろう。」[12]

代替肉の先駆的存在である、ビヨンド・ミート社のサイトには次のように書かれている。「私たちは、人間の健康の改善、気候変動へのプラスの影響、天然資源の保護、そして動物福祉の尊重に尽くします」。同社の創業者兼CEOのEthan Brownはヴィーガンだ。7歳で「人間は犬をペットとして大事にするが、とてもよく似た豚は食用にして、尊重しないのは何故か?」と疑問抱き、成長するにつれて食肉大量消費の問題を知ったという[13]

EAT JUST社は、もっとも有名な「代替卵」の会社で、2020年12月には動物飼育を伴わない「培養鶏肉」を世界で初めて販売開始した。同社の設立者の一人であるJosh Balk英語版は、食肉処理場や工場畜産の覆面調査員として働き、工場畜産反対キャンペーンを展開したあと、HSUS(アメリカの動物保護団体)の副社長で畜産動物保護を担当している人物である。

2019年、EU農業アウトルック会議は「EUの食肉消費は、これまで増加傾向で推移してきたものの、菜食主義者の定着、健康志向および環境、動物福祉への配慮などによる植物性たんぱく質への移行や、EU市民の高齢化などもあり、緩やかに減少すると予測されている。なお、1人当たり総食肉消費量は、2010年から2020年までの間に3キログラム増加するも、2020年から2030年までの間で約1キログラムの減少が見込まれる」[14]と報告した。

世界の動向[編集]

経営コンサルティング会社ATカーニーの分析は、2040年には「肉」市場における培養肉・代替肉の占める割合は60%になるだろうと予測、現在の畜産由来の肉は実に40%にまで低下するだろうという[15]

シンクタンクのRethinkXもまたレポート「Rethinking Food and Agriculture 2020-2030」[16](2019年)の中で、アメリカの植物性タンパクの産業が急速に拡大するだけでなく、今後15年間で動物タンパク産業に匹敵するものになると予測する。このレポートは、植物性および培養されたタンパク質は、2030年までに動物タンパク質より5倍安くなると予測しており、牛乳の需要については2035年までに90%減少し、他の畜産物も同様の道をたどると言う。

株式会社矢野経済研究所によると、2020年における代替肉の世界市場規模(植物由来肉・培養肉計)は、メーカー出荷金額ベースで2,572億6,300万円、2025年は6,732億1,900万円に拡大し、2030年には1兆8,723億2,000万円に達すると予想されている[17]

2197兆円分の投資機関ネットワークFAIRR(FARM ANIMAL INVESTMENT RISK & RETURN)は「2050年までに2度上昇するとする温暖化シナリオにおいて、食肉部門は数十億ドルのリスクを抱える」と報告しており[18]、現在食肉企業を含めた多くの大手企業が代替肉の開発、販売を始めている。2020年時点でネスレ、テスコ、ユニリーバなどの大手食品会社の40%は植物ベースの製品のチームを持っており、食品小売業者の47%が「肉の棚」で植物ベースの代替肉を販売しているか、販売する予定でいる[19]

カナダ政府は2018年11月に、植物性たんぱく質に1億5300万ドル投資することを発表した[20]

Food Frontierの新しいレポートは、2030年までにオーストラリアにおける植物性食品の消費支出が30億ドルに成長すると予測する[21]

中国では2020年に入ってからケンタッキー、スターバックスといった大手飲食チェーンが代替肉の採用を開始した。中国の2人の上級当局者は、植物ベースおよび細胞ベースの肉を推進することを国に要求している[22]。中国国家発展改革委員会は、豚熱拡大をうけて、植物性肉への投資を奨励すると発表した[23]。Euromonitorによると、中国の植物性食品市場は、2014年以来33.5%成長し、2018年は97億ドルにまで上昇した。2023年までには119億ドルになるだろうと予測されている[24]

スイスの金融大手UBSは2018年に約5千億円だった植物肉の世界市場が、30年には9兆円を超えると見込む[25]

欧州連合は、温室効果ガス削減のための行動計画を定める「欧州グリーンディール」の中心となる Farm to Fork[26]を2020年5月に発表し、「代替タンパク質の研究に資金を提供」「植物ベースの食事の促進」が掲げられた。

日本の動向[編集]

2019年、環境省はミートフリーマンデー(週に一日肉を食べない)を推進するミートフリーマンデーオールジャパン(MFMAJ)に環境大臣賞を授与した。

2020年3月には新しい「食料・農業・農村基本計画」で「多様な食の需要に対応するため、大豆等植物タンパクを用いる代替肉の研究開発等、食と先端技術を掛け合わせたフードテックの展開を産学官連携で推進し、新たな市場を創出する」が盛り込まれ、農林水産省は同年4月、フードテック研究会を設立、最先端技術(フードテック)を活用したタンパク質の供給の多様化が話合われている。7月の中間とりまとめでは、代替肉や培養肉は重要な分野だとの認識を示した[27]

代替肉の有名企業[編集]

ビヨンド・ミート社(Beyond Meat)[編集]

ビヨンド・ミート社の100%ヴィーガンビヨンド・ミートはすでに市場に出ており、スーパーマーケットのWhole Foods Marketやテスコ、ファーストフードのA&W Canada、2019年7月からはダンキンドーナツ(米国)でも販売されている。9月からは、サブウェイが米国とカナダの685の店舗で、代替肉を使った「Beyond Meatball Marinara」を販売すると発表した。

同社は2019年5月2日にナスダック市場に上場し、株価は一時IPO価格の3倍を超えた[28]マクドナルドで4年間取締役だったDonald Thompsonは同社を退職し、ビヨンド・ミート社の役員に就任した。同社へは大きな注目が集まっている。ビヨンド・ミート社のサイトには次のように書かれている。「私たちは、人間の健康の改善、気候変動へのプラスの影響、天然資源の保護、そして動物福祉の尊重に尽くします」。

インポッシブルフーズ社(Impossible Foods)[編集]

代替肉の製造・開発のために2011年に設立された同社は2019年までに7億5000万ドル以上の資金調達に成功している。インポッシブルフーズ社のIMPOSSIBLE BURGERは、アメリカのバーガーキングで販売がはじまっており、2019年9月からはカリフォルニア州のスーパーでの販売も開始し、一般の消費者も生の状態で購入できるようになった[29]。2020年10月、同社は来年中に研究開発チームを倍増させ、新製品開発を加速するために100人以上の科学者を雇用する計画を発表した[30]。同社は2035年までに動物性食品の必要性を排除することを目標にかかげている[31]

著名人による代替肉への投資[編集]

NBAの選手であるDeAndre Jordan、Kyrie Irving、Chris Paul[32]や、レオナルド・ディカプリオがビヨンド・ミート社に投資している。ディカプリオは2018年9月26日、自身のツイッターで次のように述べている。「植物性のハンバーガーは、牛肉のハンバーガーよりも水の使用量が99%少なく、土地の使用は93%少なく、エネルギーの使用量は50%近く少ない。そして温室効果ガスは90%削減される。未来のタンパク質への投資家であることを誇りに思う」。

インポッシブル・フーズ社には、マイクロソフトの創設者であるビル・ゲイツや、コースラ・ベンチャーズ、グーグル・ベンチャーズ、ホライズン・ベンチャーズ、UBS、バイキング・グローバル・インベスターズ、テマセク、セイリング・キャピタルなどの機関投資家が投資している[33]

企業の動き[編集]

世界[編集]

・2016年10月に畜産物パッカー最大手であるタイソン・フーズがフェイクミート製造企業であるビヨンド・ミート社の株式を5%取得すると発表(2017年、タイソンフーズは同社への投資を追加[34])。さらにタイソンは2018年2月、自社製の代替肉を販売することを発表(このためビヨンド・ミート社への投資は終了)[35]、2019年6月には独自の植物由来商品ブランド『Raised&Rooted』を立ち上げた[36]

・2017年9月に米国食品卸最大手であるシスコ・コーポレーションがビヨンド・ミート社と業務提携すると発表。

・2017年9月、ネスレUSAが、植物ベースの冷凍食品(ブリトー、サンドイッチ)、植物ベースの冷凍バーガー、プロテインの製造業者であるSweet Earthを買収することに合意[37]

・2017年12月には、カナダの肉会社、Maple Leaf Foodsが米国の肉代替会社 Field Roast Grain Meatを1億2000万ドルで買収。この取引は、先だって同社が植物性たんぱく質の製造会社Lightlife Foodsを1億4000万ドルで購入したことを補完するものである。Maple Leafの社長Michael McCainは「買収は持続可能なたんぱく質のリーダーとなり、社会に貢献するという我々の目的に合致する」と述べている。

・ドイツでは2018年、国内最大の家禽生産企業であるPHW Groupがビヨンド・ミート社と契約。PHW社は「米国の植物性タンパク質会社との提携を通じて、事業を多様化することができることは喜ばしい」と述べている[38]

・アメリカで4番目に大きいブロイラー会社のPerdue Farmsは2018年9月、ヴィーガン食や植物ベースのタンパク質などの非肉タンパク質事業を検討している、と報道陣に対して語った[39]

・2018年12月、ユニリーバがオランダの食肉代替会社であるThe Vegetarian Butcherを買収すると発表。ユニリーバはこの買収を、「消費者の間で増加しているベジタリアンヴィーガンの需要に応えるもの」と述べている[40]

・米国大手ハンバーガーチェーンのバーガーキング社は一部の地域で2019年4月よりインポッシブル・フーズ社のIMPOSSIBLE BURGERを用いた『インポッシブル・ワッパー』の試験販売を開始したが、予想を上回る販売数量を記録したことから、同社は8月初旬から全米の店舗で同商品を販売[36]

・2019年8月、アメリカの食肉会社Smithfield Foods(WHグループ)は、植物ベースのタンパク質(乳ゼロのチーズや植物性のバーガーパテなど)の販売を開始すると発表。

・2019年8月、ケンタッキーが植物由来のフライドチキンを米アトランタの店舗で試験販売開始。(従来のチキン製品よりも500%高い売上を達成[41]

・2019年5月に、ブラジルの世界大手食肉加工会社JBSが植物性のハンバーガーIncredible Burgerを発表[42]

・2019年5月、KFCの代表はCNNに対して、鶏肉の代替の検討を進めていると話した。また同じ鶏肉のファストフードであるChick-fil-Aもすでに代替鶏肉について検討している[43]

・2019年9月、食品企業ADMと、ブラジルで2番目に大きい食肉加工会社が、ブラジルで植物性タンパク質ベースの製品を生産、販売するために協力。牛肉と同じ食感と味の植物性食品の開発を開始[44]

・2020年1月、スターバックスは環境計画の中で、植物由来の朝食メニューの追加を発表。同社CEOは「私たちは朝食メニューの肉の代替品を模索しています。世界中のお客様は、植物由来の選択肢が増えることを期待できます」と述べた[45]

・2020年1月、世界第4位、タイのCPFoodsの最高責任者は「今年は植物由来の肉代用品を導入する」と述べた[46]

・2020年1月、アメリカで10番目に大きいレストランチェーンPaneraは、メニューの半分を植物性にすると発表。同社CEOは、「あなたにとって、そして世界にとって、環境にとって、そして動物にとってより良い」と述べた[47]

・2020年4月、KFC(ケンタッキーフライドチキン)が、中国において期間限定で、穀物大手カーギル社の植物性のフライドチキンの販売を開始[48]

・2020年5月、食肉加工世界第9位、世界有数の牛肉生産者のMarfrigと、世界的な大手栄養会社であるADMが植物ベースの販売事業のPlantPlus Foodsの設立に合意。

・2020年7月、KFC(ケンタッキーフライドチキン)は、鶏の細胞組織と植物由来成分からなる材料を使った3Dバイオプリンティング技術による「ナゲット」の開発を開始。「生産プロセスは動物にいかなる害も引き起こしません」とのこと。

・2020年7月、ネスレは代替肉のパティ「ガーデングルメ センセーショナルバーガー」の販売を欧州で始めた。同社は中国では1億スイスフラン(約114億円)を投じ、年内にも現地で代替肉の生産を始めるという[49](同社の植物ベースの売上高は、2020年上半期に40%増加[50])。

・2020年9月、テスコはWWF UKとのパートナーシップで、2025年までに植物ベースの肉代替商品を300%まで増やすと発表。

日本[編集]

三井物産は上場したビヨンド・ミートに出資(比率は未公表)。日本での販売に向けて準備をしている[51]

・食品卸売業者の西本Wismettacホールディングス株式会社は、Ocean Hugger Foodsが開発したトマト、醤油、砂糖、水、ゴマ油から作られたマグロの代替品であるAhimiを全世界で売り出す予定。西本ではナスからつくった「うなぎ」も開発しているという[52]

・2019年4月、食品宅配のオイシックス・ラ・大地が米国のヴィーガン食宅配会社のスリーライムズを買収し、米国で食品宅配事業に参入[53]

丸大食品伊藤ハムヱスビー食品大塚ホールディングスケンコーマヨネーズなども代替肉食品を売り出している[51]

・「食肉国内最大手の日本ハムが3月、植物性の材料を使う「植物肉」市場に参入」「動物保護や健康志向の高まりといった観点から植物肉の需要は世界で急増し、2030年には9兆円市場になるとの予測もある」[54]

・2020年夏、モスフードサービスが、代替肉などを使った植物性100%のハンバーガーを全国販売開始。

大豆由来の植物肉原料(ミラクルチップ)を開発・製造するスタートアップであるDAIZ株式会社が、株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)、三菱UFJキャピタル株式会社等の5社を引受先とする第三者割当増資により、総額6.5億円の資金調達を実施[55]

日清食品ホールディングスは、カップヌードルの「謎肉」や「卵」を、100%植物由来の素材で代替することも検討。動物の細胞から食用の肉を作る「培養肉」についても、研究開発を進めていく[56]

・2020年7月、「地球を終わらせない」というキャッチコピーで、代替肉の研究開発・販売を手掛けるネクストミーツ株式会社が、おいしくて健康的かつSDGs(国連が採択した持続可能な開発目標)な代替肉ハンバーガー「ネクストバーガー1.2」をリリース[57]

魚介類の代替[編集]

2019年2月から、Whole Foodsなどの小売店は、アメリカのGood Catch社が開発した植物由来のツナの販売を開始。他の植物由来の代替食品のメーカー(ビヨンド・ミート、インポッシブル・フーズなど)と同様、Good Catch社も急増する需要への対応に苦労しており、資金調達を急ぐために2019年6月26日、コンバーチブルノート(転換社債の一種)の発行により1000万ドル(約10億8400万円)を調達したという。

持続可能な食品の開発をしている Terramino Foodsも、真菌ベースに藻類を組み合わせて作った魚を使わない「サーモン」のバーガーを開発し、2018年末に売り出される予定となっている[58]

ドイツの食品テクノロジ―企業Kuleana(クレアナ)は、植物性寿司を研究。初めに開発された商品はVeganマグロ”Akami Tuna Sashim“。

2019年、食肉加工大手タイソンフーズは、海藻大豆タンパク質を使用してエビを作る植物ベースの新興企業であるNew Wave Foodsに投資[59]

2020年中国のスタートアップZhenmeatが、新製品として、植物性の「海老」を発表[60]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ World Livestock 2011 - Livestock in food security”. www.fao.org. 2020年11月4日閲覧。
  2. ^ Ritchie, Hannah; Roser, Max (2020-01-15). “Environmental impacts of food production”. Our World in Data. https://ourworldindata.org/environmental-impacts-of-food. 
  3. ^ Harwatt, Helen; Ripple, William J.; Chaudhary, Abhishek; Betts, Matthew G.; Hayek, Matthew N. (2020-01-01). “Scientists call for renewed Paris pledges to transform agriculture” (English). The Lancet Planetary Health 4 (1): e9–e10. doi:10.1016/S2542-5196(19)30245-1. ISSN 2542-5196. PMID 31838020. https://www.thelancet.com/journals/lanplh/article/PIIS2542-5196(19)30245-1/abstract. 
  4. ^ 肉を半分に減らさないと地球に「破滅的被害」” (日本語). natgeo.nikkeibp.co.jp. 2020年11月4日閲覧。
  5. ^ Ritchie, Hannah; Roser, Max (2020-01-15). “Environmental impacts of food production”. Our World in Data. https://ourworldindata.org/environmental-impacts-of-food. 
  6. ^ “Fake-Meat Startups Rake in Cash Amid Food Supply Worries” (英語). Bloomberg.com. (2020年5月1日). https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-05-01/fake-meat-startups-rake-in-cash-amid-coronavirus-food-worries 2020年11月4日閲覧。 
  7. ^ Veganuary - the international movement inspiring people to try vegan!” (英語). Veganuary. 2020年11月4日閲覧。
  8. ^ Chicken buyers most open to meat alternatives” (英語). PoultryWorld. 2020年11月4日閲覧。
  9. ^ Popper, Nathaniel (2019年3月12日). “This Animal Activist Used to Get in Your Face. Now He’s Going After Your Palate. (Published 2019)” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2019/03/12/technology/bruce-friedrich-animal-activist.html 2020年11月4日閲覧。 
  10. ^ How to nail tax cheats and fund the UN sustainability goals”. Financial Times. 20210306閲覧。
  11. ^ 投資もエシカルに。ニューヨーク証券取引所に世界初「ヴィーガン」ETFが上場へ | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン” (日本語). IDEAS FOR GOOD (2019年8月30日). 2020年11月4日閲覧。
  12. ^ Google's Sergey Brin bankrolled world's first synthetic beef hamburger” (英語). the Guardian (2013年8月5日). 2020年11月4日閲覧。
  13. ^ Why We Don't Need Animals to Keep Enjoying Meat”. TIME USA, LLC.. 2021年2月10日閲覧。
  14. ^ 持続可能性(サステナビリティ)を最優先課題とするEU農畜産業の展望〜2019年EU農業アウトルック会議から〜|農畜産業振興機構” (日本語). 農畜産業振興機構. 2020年11月4日閲覧。
  15. ^ Article - Kearney” (英語). www.kearney.com. 2020年11月4日閲覧。
  16. ^ Food and Agriculture Report” (英語). RethinkX. 2020年11月4日閲覧。
  17. ^ 「代替肉」の世界市場は2572億円に、国内では植物由来肉を使用した新商品が続々登場”. moneyzine. 20201105閲覧。
  18. ^ Climate financial model shows billions of dollars at risk in meat sector” (英語). New Food Magazine. 2020年11月4日閲覧。
  19. ^ Investors Are Hungry for More Than Just Low-Methane Burgers” (英語). FAIRR. 2020年11月4日閲覧。
  20. ^ Canada Is Seriously Committing $150 Million Dollars Into The Vegan Food Industry” (英語). www.narcity.com (2018年11月15日). 2020年11月4日閲覧。
  21. ^ The Aussie industry tipped to go from $30m to $3b”. www.9news.com.au. 2020年11月4日閲覧。
  22. ^ Chicken buyers most open to meat alternatives” (英語). PoultryWorld. 2020年11月4日閲覧。
  23. ^ Staff, Reuters (2020年7月31日). “China to encourage foreign investment in livestock breeding, plant-based meat substitutes” (英語). Reuters. https://www.reuters.com/article/us-china-foreigninvestment-agriculture-idUSKCN24W0YZ 2020年11月4日閲覧。 
  24. ^ Goh, Pei Li, Brenda (2019年11月19日). “Beyond Meat vs Zhenmeat: The battle for China's meatless market” (英語). Reuters. https://www.reuters.com/article/us-china-agriculture-plant-based-focus-idUSKBN1XS2MG 2020年11月4日閲覧。 
  25. ^ 日本経済新聞. (20191220). 
  26. ^ “[https://ec.europa.eu/food/sites/food/files/safety/docs/f2f_action-plan_2020_strategy-info_en.pdf Farm to Fork Strategy For a fair, healthy and environmentally-friendly food system]”. 2020年11月4日閲覧。
  27. ^ 農林水産省フードテック研究会中間とりまとめ”. 2020年11月4日閲覧。
  28. ^ Staff, Reuters「植物原料バーガーの米インポッシブル・フーズが3億ドル調達」『Reuters』、2019年5月15日。2020年11月4日閲覧。
  29. ^ Inc, mediagene (2019年9月24日). “お肉じゃないよ。人工のお肉「インポッシブルバーガー」ついに発売” (日本語). www.gizmodo.jp. 2020年11月4日閲覧。
  30. ^ Lucas, Amelia (2020年10月20日). “Impossible Foods looks to hire more than 100 scientists in quest for dairy-free milk and meat alternatives” (英語). CNBC. 2020年11月4日閲覧。
  31. ^ Impossible Foods Announces $300 Million Funding Round to Accelerate Scaleup”. AP NEWS (2019年5月14日). 2020年11月4日閲覧。
  32. ^ Sprung, Shlomo. “DeAndre Jordan, Kyrie Irving, Chris Paul Invest In Plant-Based Food Company Beyond Meat” (英語). Forbes. 2020年11月4日閲覧。
  33. ^ Staff, Reuters「植物原料バーガーの米インポッシブル・フーズが3億ドル調達」『Reuters』、2019年5月15日。2020年11月4日閲覧。
  34. ^ Tyson Foods further invests in Beyond Meat” (英語). www.wattagnet.com. 2020年11月4日閲覧。
  35. ^ El-Bawab, Nadine (2019年4月24日). “Tyson Foods sold its stake in alternative protein company Beyond Meat” (英語). CNBC. 2020年11月4日閲覧。
  36. ^ a b 米国における食肉代替食品市場の現状|農畜産業振興機構” (日本語). 農畜産業振興機構. 2020年11月4日閲覧。
  37. ^ Plant-based protein interest increases” (英語). www.meatpoultry.com. 2020年11月4日閲覧。
  38. ^ PHW Group to distribute Beyond Burger in Germany” (英語). www.wattagnet.com. 2020年11月4日閲覧。
  39. ^ Perdue considering non-meat protein options” (英語). www.wattagnet.com. 2020年11月4日閲覧。
  40. ^ Unilever buys Dutch meat-free company The Vegetarian Butcher” (英語). FoodBev Media (2018年12月20日). 2020年11月4日閲覧。
  41. ^ Veganuary: Fast food giants launch plant-based meals as red meat sales plummet” (英語). edie.net. 2020年11月4日閲覧。
  42. ^ JBS launches plant-based burger line in Brazil” (英語). Beef Central (2019年5月23日). 2020年11月4日閲覧。
  43. ^ Lucas, Amelia (2019年5月30日). “KFC is considering plant-based fried chicken but has no plans to test right now, executive says” (英語). CNBC. 2020年11月4日閲覧。
  44. ^ ADM (2020年11月3日). “ADM and Marfrig Team Up to Produce Plant-based Burgers in Brazil” (英語). ADM. 2020年11月4日閲覧。
  45. ^ New planet-saving goals at Starbucks focus on plant-based foods at breakfast” (英語). Nation's Restaurant News (2020年1月21日). 2020年11月4日閲覧。
  46. ^ Setboonsarng, Chayut (2020年1月7日). “Thailand's CPF to launch plant-based meat substitutes across Asian markets” (英語). Reuters. https://www.reuters.com/article/us-chareon-pokphand-foods-strategy-idUSKBN1Z61G4 2020年11月4日閲覧。 
  47. ^ Stern, Carly (2020年1月10日). “Panera will make at least half of its menu plant-based”. Mail Online. 2020年11月4日閲覧。
  48. ^ Staff, Reuters (2020年4月20日). “KFC to sell plant-based fried chicken made by Cargill in China” (英語). Reuters. https://www.reuters.com/article/us-yum-china-china-plantbased-idUSKBN2221K7 2020年11月4日閲覧。 
  49. ^ ネスレ、人工肉生産を世界3極で 健康志向追い風に” (日本語). 日本経済新聞 電子版. 2020年11月4日閲覧。
  50. ^ foodnavigator.com. “Nestlé's vegetarian and plant-based products grow 40%” (英語). foodnavigator.com. 2020年11月4日閲覧。
  51. ^ a b 金脈眠る未来の食、「ビーガン関連株」に大相場の気配 <株探トップ特集>” (日本語). s.kabutan.jp. 2020年11月4日閲覧。
  52. ^ Vegan sushi goes global with help of Japanese food wholesaler” (英語). Nikkei Asia. 2020年11月4日閲覧。
  53. ^ オイシックス、米国のミールキット宅配会社を買収、ビーガン食に特化 _小売・物流業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】” (日本語). 小売・流通業界で働く人の情報サイト_ダイヤモンド・チェーンストアオンライン (2019年4月29日). 2020年11月4日閲覧。
  54. ^ “[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54365520U0A110C2MM8000/ 日本ハムが植物肉、3月から参入 健康志向で需要増 【イブニングスクープ】]”. 日本経済新聞. 20201105閲覧。
  55. ^ 植物肉スタートアップのDAIZ、 シリーズAで総額6.5億円の資金調達を実施、累計調達額は12億円に”. daiz. 20201105閲覧。
  56. ^ 日清食品、カップヌードル「謎肉」100%植物由来も検討 - TBS News”. 20201105閲覧。
  57. ^ 〈大豆ミートビジネス最前線〉「代替肉で地球を救え」、ハンバーガー・焼肉など有識者や大学と連携して商品開発/ネクストミーツ”. 20201105閲覧。
  58. ^ Monaco, Emily. “Fungi-Based Salmon Burger Joins the Sustainable Meat Alternative Market” (英語). Organic Authority. 2020年11月4日閲覧。
  59. ^ FAIRR_Sustainable_Proteins_Hub”. www.fairr.org. 2020年11月4日閲覧。
  60. ^ Kharpal, Arjun (2020年6月18日). “Chinese Beyond Meat rival launches plant-based pork and crayfish to feed the home-market appetite” (英語). CNBC. 2020年11月4日閲覧。