ボリス・ジョンソン

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ボリス・ジョンソン
Boris Johnson
Boris Johnson official portrait (cropped).jpg
公式肖像(2019年撮影)
生年月日 (1964-06-19) 1964年6月19日(58歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク
出身校 オックスフォード大学ベリオール・カレッジ
前職 ジャーナリスト
現職 イギリス政治家
庶民院議員
所属政党 保守党
配偶者 アレグラ・モスティン=オーウェン
(1987年9月 - 1993年4月)
マリナ・ホイーラー英語版
(1993年5月 - 2020年11月)
キャリー・サイモンズ英語版
(2021年5月 - )
子女 7人
親族 スタンレー・ジョンソン(父・元欧州議会議員)
ジョー・ジョンソン(実弟・庶民院議員、一代貴族)
サイン Boris Johnson's signature.svg

イギリスの旗 第77代 首相
内閣 第1次ジョンソン内閣
第2次ジョンソン内閣
第2次ジョンソン改造内閣
第2次ジョンソン再改造内閣
在任期間 2019年7月24日 - 2022年9月6日
女王 エリザベス2世

内閣 第1次メイ内閣
第2次メイ内閣
在任期間 2016年7月13日 - 2018年7月9日

当選回数 2回
在任期間 2008年5月4日 - 2016年5月9日

選挙区 ヘンリー選挙区
アクスブリッジ・南ライスリップ選挙区
当選回数 5回
在任期間 2001年6月9日 - 2008年6月4日
2015年5月7日 - 現職

その他の職歴
Partidoconservadoruk.png 第28代 保守党党首
2019年7月23日 - 2022年9月5日
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アレグザンダー・ボリス・ド・フェファル・ジョンソン Hon FRIBA英語: Alexander Boris de Pfeffel Johnson[注釈 1]1964年6月19日 - )は、イギリス政治家庶民院議員(4期)。

同国第77代首相(在任: 2019年7月24日 - 2022年9月6日)、外務・英連邦大臣ロンドン市長(2期)、保守党党首を歴任した。

来歴[編集]

生い立ち[編集]

1964年6月19日、ニューヨークマンハッタンアッパーイーストサイドで、コロンビア大学の学生だったスタンレー・ジョンソン作家欧州議会議員)と最初のである画家シャーロット・フォーセット英語版長男として誕生した[2]。後に家族と共にイギリスに戻った。オックスフォード大学に通う母親とともにオックスフォード郊外の高級住宅地サマータウンに住みはじめ、が生まれてロンドン北部のクラウチ・エンドに転居、その後父親の世界銀行勤務のため再び米国に渡り弟が誕生、1969年に英国に戻り、サマセット州にある自然に囲まれた父方の別荘で暮らしたのち、ロンドン指折りの高級住宅街プリムローズ・ヒルに落ち着き、地元の小学校に通う。幼いころは難聴で、幾度か手術をした。イートン校オックスフォード大学ベリオール・カレッジを卒業[3]。専攻は古典ラテン語古代ギリシャ語[4]。大学では選抜されたごく少人数のみ入会できるブリンドン・クラブに所属[5][6]。しかし、ブリンドン・クラブはエリートクラブで特権意識と暴力的騒ぎで悪名高い。1979年に両親が離婚(妻はのちに夫のDVを告白)した。

先祖[編集]

オスマン帝国末期の内務大臣だったアリ・ケマルの子孫である(父方の祖父であるオスマン・ケマルは、第一次世界大戦中にイギリス国籍を取得し、自らの母親の旧姓であるジョンソンを姓に定めた)。父方の先祖にはイギリス王ジョージ2世がいる。ジョージ2世の玄孫であるヴュルテンベルク王子パウルが女優兼オペラ歌手であるドイツ人の愛人のフリーデリケ・ヴォースとの間にもうけた庶出の娘が、ジョンソンの高祖母にあたる(ド・プフェッフェル(de Pfeffel)は高祖母の嫁いだ男爵家の家名である)。ただし庶子を通じての血筋を引くに過ぎないため、英国王位継承資格は認められない。父方曽祖父にジョージ・ウィリアムズ (YMCA)。母方の曾祖父にはロシア帝国出身のリトアニアユダヤ人で、アメリカ古文書学者となったイライアス・ロウ英語版がいる[7]。彼は多国籍に渡る先祖(キリスト教徒ユダヤ教徒、ムスリムからなる)について触れ、自らを『ひとり人種るつぼ』(one-man melting pot)と称している[8]

欧州懐疑派のジャーナリスト[編集]

1987年9月にアレグラ・モスティン=オーウェンと最初の結婚を果たし、1993年4月に離婚した。同年、L.E.K.コンサルティング就職するが、退屈のあまり1週間で退職した[9]。家族のコネで保守系紙『タイムズ』で働き始めるが、エドワード2世の宮殿を巡る歴史考古学関係の記事で学者の発言をでっち上げたため、すぐ解雇されている[10]。続いてやはり保守系紙の『デイリー・テレグラフ』記者となり[3]、1989年から1994年まで同紙のEC特派員となった。ブリュッセルに駐在していたジョンソンは反EC色の強い記事を書き続け、特に欧州統合の強力な推進者であったジャック・ドロールを厳しく批判し、ECの首都たるブリュッセルの地にあって、数少ない欧州懐疑主義のジャーナリストとして知られるようになっていった[11]が、当時の彼を知る記者たちの多くは、彼の記事はECの信用を傷つけるために虚偽の事実や誇張を交えていたと批判的に振り返っている[12]

こうした記事によって、彼は欧州懐疑派の代表的な人物として知られるようになる[13]。また以前は左派によって主張されることが多かった欧州懐疑主義を、右派にとって魅力的なものに変貌させるのに大きく貢献した。その影響は現実政治の世界にも及び、1990年代前半のイギリス独立党の出現に一役買ったとされている上[14]、保守党内における親欧州派、懐疑派の軋轢を刺激することにもつながったという[15]。首相としてはヨーロッパと距離を置きがちであったマーガレット・サッチャーもジョンソンの記事の愛読者であったとされるが、マーストリヒト条約の締結に尽力するなどヨーロッパとの関係修復に尽力した後任首相のジョン・メージャーにとっては、ジョンソンは煙たい存在であり、当時の外務・英連邦省ではジョンソンの記事に対応する特別チームが設けられるほどであった[16]。1997年5月の総選挙における保守党大敗と政権転落の大きな原因の一つは党内における欧州懐疑派の台頭に伴う混乱とされているが[17]、ジョンソンの記事はそうした混乱の一因と見なされたため、その後しばらく保守党の政治家たちの不興を買うことになった[18]

1993年5月に幼馴染のマリーナ・ホイーラーと結婚し、4子をもうけた。その後2020年11月に離婚した。

1994年にロンドンに戻ると政治コラムニストとなり、ユニークなスタイルで評価を得る一方、黒人ゲイへの差別的な記事や植民地支配を賞賛する記事で物議を醸した。『スペクテイター』誌の政治コラムニストを経て、1999年7月から同誌の編集者となり、政界入り後は2005年12月に影の内閣の高等教育大臣に任命されるまで務めた。

庶民院議員[編集]

1回目の庶民議員時ののジョンソン(2006年3月28日)

2001年6月からは庶民院議員を2期務めた。2004年にはタブロイド紙によって、2000年以来『スペクテイター』の記者と恋愛関係にあり、2度妊娠(1度は流産、1度は中絶)[19]させていたことを暴露された。ジョンソンは当初否定していたが、事実と判明した後、党の役職を解かれた[20]

ロンドン市長[編集]

2012年ロンドンオリンピック閉会式にてオリンピックの旗を持つジョンソン(2012年8月12日)

2008年5月にロンドン市長に就任した。市長就任後、ジョンソンは『デイリー・テレグラフ』紙においてウィークリー・コラムを再開することを発表した。『ガーディアン』紙は、彼がコラム執筆を年俸25万ポンドで同意したと報じている(年俸のうち2万5千ポンドずつ、ジャーナリズムを学ぶ学生の奨学金、古典学を学ぶ学生の奨学金に寄付している)[21]。同年8月の中華人民共和国での2008年北京オリンピックの閉会式で五輪旗を引き継ぎ[22]2012年ロンドンオリンピックの準備を行った。

2009年に芸術コンサルタントのヘレン・マッキンタイアとの間に女児をもうけていたことが後に暴露された[23]

2012年5月3日に投票が行われたロンドン市長選挙においてケン・リヴィングストンを破り、再選を果たした[24]。2期目在任中の2015年5月7日、再び庶民院議員に当選した。市長は2016年5月9日まで務めた。

2014年11月に「イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドは同じ国家元首を共有している」としてこれらの国とシェンゲン協定のようなものを結ぶ構想(俗にCANZUK英語版アングロスフィア英語版と呼ばれるもの)を提唱して物議を醸した[25]

EU離脱を主導[編集]

議員としても、かねてから「欧州連合(EU)の規制で経済的関係が強い中国とのFTAが結べない」と発言[26][27]するなどEUに批判的な言動で注目を浴びており、2016年6月23日に実施されるEUからの離脱の是非を問う国民投票においてどのような立場に立つか、注目を集めていたが、2月21日に「ずいぶん頭を悩ませたが、他の余地はない」として離脱を支持することを表明、以後はブレグジット(Brexit)推進派で離脱の旗振り役として積極的に活動した[28]アメリカバラク・オバマ大統領がイギリスのEU残留を求めた際には、「オバマにはケニア人の血が入っており、反英感情がある」と発言し、人種差別的であるとして物議を醸した[29]

外務・英連邦大臣[編集]

その国民投票にて離脱派が勝利したことによって、デーヴィッド・キャメロン首相が首相及び保守党党首を辞任することを発表した際にはポスト・キャメロンに期待されたが、ジョンソンは2016年イギリス保守党党首選挙には名乗りを挙げなかった[30]。その後、保守党党首に選出されたテリーザ・メイが新首相に任命されて、新内閣(第1次メイ内閣)を組閣するに当たり、ジョンソンが外務・英連邦大臣に起用された[31][32]。ジョンソンの外務・英連邦大臣就任を記者会見中に知らされたアメリカのマーク・トナー国務省報道官は失笑した[33]。初の対外公務となったフランス大使館でのレセプションでは招待客からブーイングで迎えられ、さらにフランスのジャン=マルク・エロー外相からは「嘘つき」だと名指しで批判された[34]2018年7月9日、メイ首相の穏健なEU離脱方針に反発したため外務・英連邦大臣を辞任した(第2次メイ内閣)。後任には、ジェレミー・ハントが就いた[35]

保守党党首及び首相就任[編集]

2019年6月7日、テリーザ・メイが党首辞任を表明したことを受けた保守党党首選挙に出馬し、5回の議員投票では一貫して1位を保ち、ジェレミー・ハント外相との決選投票に進出[36]。党員投票の結果、9万2153票を獲得し、4万6656票のハントを下し、7月23日に新党首に選出された[37]。翌7月24日、バッキンガム宮殿エリザベス2世女王に謁見し組閣の大命(首相の任命)を受け、正式にイギリスの首相となった。

ダウニング街10番地の首相官邸前で就任演説を行ったジョンソンは、「この国をもっと良くしたい」と宣言した。また、10月31日に欧州連合(EU)離脱を実現する予定については、「『たられば』はなしだ」と強調し、「決定権は私にある」と表明した。その上で、期日までのブレグジット(イギリスのEU離脱)について「疑う人、悲観的な人、悲しみに暮れている人」は間違っていると述べた[38]

ジョンソン内閣[編集]

第一次ジョンソン内閣の閣議(2019年7月25日)

第2次メイ内閣の後継政権として成立したジョンソン内閣の主要ポストにはブレグジット(イギリスのEU離脱)強硬派を置く新内閣を発表し、7月25日朝に初閣議を開いた[39]。「モダン英国内閣」と呼ばれるこの内閣は、33閣僚のうち8名もの女性閣僚、BAME (黒人―Black,、アジア人―Asian、少数民族―Minority Ethnicの頭文字をとったもの)のルーツをもつ非白人閣僚4名が起用されており、ガーディアン紙は「民族的には多様だが、思想的には均質」と評している[40]。いっぽうでこの組閣に際して、11名もの閣僚を解任し、他の6名の辞任を受けた。これは戦後最大の改造であったが、ジョンソンの同盟者であるナイジェル・エヴァンスは「夏の大虐殺に値するほどの改造ではない」とした[41]

外交[編集]

対米関係では、ボリスが首相当選すると、ドナルド・トランプ米大統領はすぐさま「偉大になるだろう!」とSNSで祝福した[42]。"英国のトランプ"とトランプは、当初は前政権と打って変わって良好な関係に思われた[43]。しかし、トランプが5G通信機器からファーウェイを排除する反中国政策への協調で圧力を強めると、ギクシャクし始め、2020年アメリカ大統領選挙ではトランプ落選を願っているとも報道された[44]。大統領選でジョー・バイデンが勝利すると、祝福した。

対中関係では、香港Phoenix TVとのインタビューで、ジョンソン内閣は非常に「親中内閣」になると述べた。 ジョンソンは中国習近平国家主席のインフラの投資努力・一帯一路への「熱狂的な支持」を表明し、イギリスを中国の投資のため「ヨーロッパでもっとも開かれた経済」を維持することを約束した[45]

対EU関係では、2020年1月31日に離脱して47年の歴史に終止符を打った後も[46]、通商協定交渉で揉め、「合意なき離脱」も辞さないとした。結果的には12月24日に合意した[47]。離脱後は、ブレグジットに伴う功績を主張したが、離脱とは関係ないものばかりであった[48]。2022年5月17日、対EU通商協定(北アイルランド議定書)を一方的に変更する国内法案を発表した。EUはイギリスが法案可決に進むなら「あらゆる手段を使って対応する」と述べ、緊張が高まった[49]

2021年にはイギリスのコーンウォールG7サミットが開催され、ジョンソンは議長を務めた[50]

2022年のロシアによるウクライナ侵攻では、侵攻前から何度も警告していた。侵攻後はウクライナ支援を前面に出し、大量の兵器や資金を投じた[51]。ロシアに対しては積極的な経済制裁を打ち出し[52]、4月には原油禁輸も発表した。しかし、これにより世界的なインフレが加速し、イギリスは特に打撃を受けるとIMFに警告された[53]。国民は相対的に貧困化し、デモの発生と支持率低下を招いた[54]

議会閉鎖処置[編集]

2019年8月28日、ジョンソンは9月12日から10月13日までの間に(14日に再開)イギリス議会を閉鎖する要請をエリザベス女王に提出し、承認された。これにより新法可決もしくは不信任投票を行うことで強硬離脱防止を狙う反対派は議論の時間がより制限されたものとなった。庶民院議長のジョン・バーコウはこの決定を「憲法違反」だと述べ、強く非難した。また労働党のジェレミー・コービン党首は、「議会を中断することは容認できず、それは不可能だ。首相がやっていることは、民主主義を強引につかんで合意なしへと引きずり込むことだ」と述べた。ウェストミンスターに集まったデモ隊は反離脱のプラカードとEU旗を携え、「クーデターは止めろ!」と連呼した[55]

EU離脱[編集]

EU離脱協定英語版に署名をするジョンソン(2022年7月7日)

2019年9月3日、さらなる離脱期限の延期なら「ノタレ死“DEAD IN A DITCH”のほうがマシ」と述べるジョンソン[56]は元閣僚(フィリップ・ハモンド)、チャーチルの孫、最年長の現職議員らをふくむ21名を強行離脱を避けるために政府に反抗したとして保守党から解任した。彼らは、内閣初の重要な投票でジョンソンを敗北させ、政府だけが新しい法律を提案できるとする庶民院の規定を無効とした。また、野党とともにEU離脱期限(デッドライン)を既定の10月31日から2020年1月31日まで延期するよう求めるとした。つづく5日には閣外大臣を務める自身の弟ジョー・ジョンソンもツィッタ―上で辞意を表明[57]、庶民院議長バーコウも10月中の退任を発表した[58]。21名もの追放処分は前例のない処置とされ、その動機に関してエリザベス女王を誤解させたことも併せてメディアに非難された[59][60][61]。ジョンソンの強行路線は逆に反対派の抵抗を強める結果となった。

9月24日、イギリス最高裁判所は先のスコットランド高裁での判決同様、議会閉鎖は「違憲」で「無効」である旨の判決を下し、議長ジョン・バーコウは25日の議会再開を宣言した。これにより強行離脱も辞さないとしたジョンソンの目する10月末までの離脱はより見通しづらい状況となった[62]。しかし12月の総選挙で保守党は歴史的な圧勝を見せ、2020年1月31日をもってイギリスはEUからの離脱を果たした[63]

新型コロナウイルスの流行への対応[編集]

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のイギリスでの流行拡大にかかる危機が、首相に就任して一年足らずのジョンソン首相にのしかかることとなった[64]。当初、イギリスは集団免疫の獲得を目的とした独自の対応策を採用していたが、最終的に数十万人が死亡する予測だったことから批判を浴び、方針転換を余儀なくされた[65]

2020年3月27日、新型コロナウイルス感染症の検査を行ったところ、陽性反応であったことを明かした[66]。その後は自宅に自主隔離を行い[67]、会議にはテレビを通じて参加。高熱などの症状が続き、4月5日には念のため検査入院したが[68]、翌6日、意識はあるものの容態が悪化し、人工呼吸器が必要になった場合に備えて集中治療室に入った[69][70]。その後持ち直し、9日夕方に集中治療室から出て一般病棟に移った。12日、退院した[71][72]。27日、公務に復帰した[73]

2020年12月、ファイザービオンテックが共同開発した新型コロナウイルス感染症COVID-19)のワクチン接種を表明した。

コロナ禍において、2020年通年のGDP成長率が歴史的な前年比マイナス9.9%となるほど[74]、新型コロナウイルス対策で自粛が求められている中で、首相官邸を含む政府機関で複数のパーティー(首相のバースデーパーティーを含む[75])が開かれていたことが明らかになり、2022年1月26日の下院議会では、野党党首らが問題として取り上げ首相に辞任を迫る一幕があった。これに対しジョンソンは辞任を否定し、引き続き首相として仕事を続ける意思を示した[76]。4月12日には、自身に警察当局から新型コロナウイルス対策の規則違反の罰金の通知が来たことを明らかにし、謝罪した[77][78]。しかしこの問題はパーティーゲート事件英語版と呼ばれ国民の批判を浴び[79]、5月5日に投開票された地方選挙で保守党が大敗した一因になったとされる[80]。このため党内からもジョンソンの資質に疑問の声が上がり始め、6月6日に党首信任投票英語版を実施[81]。同日夜の投票では投票した下院議員359人のうち211人(58.8%)が賛成、148人(41.2%)が反対し、反対票が不信任に必要な過半数に届かなかったためジョンソンはひとまず続投となった[82]

首相辞任[編集]

保守党党首を辞任することを表明するジョンソン(2022年7月7日)

2022年7月、委員会での不信任投票は乗り越えたものの、上記の「パーティーゲート事件」に加え、痴漢行為をしたと報じられた議員を保守党の要職に任命していたことに閣内からも反発が生じ、7月5日にはリシ・スーナク財務大臣をはじめ40人にのぼる政府関係者が辞任する事態となった。相次ぐ離反を受け7月7日、ジョンソンは保守党党首を辞任し、また新たな党首が選ばれるまでは引き続き首相としての職務を行うことを発表した[83][84][85]。9月5日に後任の党首がリズ・トラス外相に決定したことでジョンソンは正式に党首を退き、翌6日にはエリザベス女王の滞在先であるバルモラル城を訪れ辞表を提出し、首相も退任した[86]

人物[編集]

自転車に乗るジョンソン

二重国籍[編集]

  • 1964年6月にアメリカのニューヨークで出生してから外務・英連邦大臣に就任した2016年7月までの52年間に渡り、この間に庶民院議員に3回、ロンドン市長に2回それぞれ当選し、また、イギリスのEU離脱を主張するブレグジット・キャンペーンのリーダーでもあったが、その間ずっとアメリカとの二重国籍であった。
  • 2017年2月になってアメリカ財務省により、2016年にアメリカ国籍を離脱した人物のリストに掲載されたことから、アメリカ国籍の離脱が明らかになったが、このリストはあくまでも「離脱した」という事実を事後的に明らかにするだけのものであるため、外務・英連邦大臣に就任した時点で、まだ二重国籍だったのか、既にアメリカ国籍を離脱していたのかについては、明らかになっていない。

コカイン・大麻使用歴[編集]

  • 2007年、GQ誌上のインタビューの中で、ジョンソンはコカイン大麻の使用歴を認めている。インタビューによれば、大学在学中にコカインを試したものの「くしゃみ」をしてしまい、なんの効果もあらわれなかったという。大麻は大学入学前に試し、とても「楽しく素敵だった」が、子供たちにはドラッグは試させたくはないと述べている[94]
  • 2008年、マリー・クレール誌とのインタビューにおいて、再びジョンソンはコカイン摂取を尋ねられ、以下のように答えた。「まあ、それはわたしが19歳のときでした。時には何も言わない方が良いでしょう。わたしは完全に薬物に反対します。子供に薬を飲ませたくはありません」。2005年、BBC関連の番組に出演したジョンソンは「実際、わたしは粉砂糖をやっていたのかもしれない」とも語っている[95]

家族[編集]

  • 妹のレイチェルはジャーナリスト、長弟のジョーは国会議員、次弟のレオは起業家である。ジョーは何度か閣僚の経験があり、2019年発足のジョンソン政権では大学・科学担当の閣外相を務めていたが、兄のボリスのEU離脱強行の姿勢に反発して辞任している[96]
  • 1993年5月に幼少時代から家族ぐるみの付き合いがあったマリナ・ホイーラー(法廷弁護士。父はBBC特派員チャールズ・ホイーラー)と結婚し、4子がある[97][98]。2018年9月にマリナとの離婚の手続きを開始し[99]、2020年11月に正式に離婚した。
  • 2020年11月のマリナとの離婚成立前から元保守党の広報担当キャリー・サイモンズ(『インディペンデント』紙の共同創業者、マシュー・サイモンズの娘)と交際していたが[100]、2020年2月29日に婚約を発表した[101]。4月29日朝にキャリーが2人にとって第1子となる男の子を出産し[102]、2021年5月29日にキャリーと結婚式を挙げた[103]。首相が在任中に結婚したのは1822年のロバート・ジェンキンソン首相以来で、史上2人目である[104]
  • マリナとの間に4子、キャリーとの間に2人、このほか婚外子が1人(娘)おり、ジョンソンは合計で7子がいることになるが[105]、婚外子については長年公式には認めず、その存在について報道しないよう裁判所に申し立て却下されたこともある。2021年9月になってその存在を公式に認めた[106]

著作(日本語訳)[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ Pfeffel の発音は[ˈfɛfəl][1]

出典[編集]

  1. ^ "Boris Johnson". Who Do You Think You Are?. 20 August 2008. BBC。
  2. ^ About Boris”. Boris Johnson. 2008年5月8日閲覧。
  3. ^ a b Who is Boris Johnson? A profile of Britain's new Foreign Secretary The Daily Telegraph, 13 Jul 2016
  4. ^ 道化師「英ボリス新首相」が何気に人気の理由 トランプとは根本的に異なる部分がある? 東洋経済
  5. ^ 「大学前」で決まる超・学歴社会ニューズウィーク日本版
  6. ^ 英国に実在!最高峰の秘密会員制クラブの凄まじい階級意識を描く『ライオット・クラブ』公開!シネフィル、2016-06-29
  7. ^ “So you think you know who you are Boris Johnson”. The Daily Mail. (2010年6月12日). http://www.thefreelibrary.com/So+you+think+you+know+who+you+are+Boris+Johnson-a0228704016 2010年9月27日閲覧。 
  8. ^ Will Woodward, chief political correspondent (2007年7月17日). “Phooey! One-man melting pot ready to take on King Newt”. London: Guardian. http://www.guardian.co.uk/politics/2007/jul/17/localgovernment.london 2010年7月7日閲覧。 
  9. ^ Edwards & Isaby 2008, p. 46; Purnell 2011, pp. 94–95; Gimson 2012, pp. 87–88.
  10. ^ Purnell 2011, pp. 100–102; Gimson 2012, pp. 90–96.
  11. ^ Purnell 2011, pp. 115–116.
  12. ^ Purnell 2011, pp. 121, 126; Gimson 2012, pp. 98–99, 100–101.
  13. ^ Gimson 2012, p. 102.
  14. ^ Purnell 2011, p. 115.
  15. ^ Purnell 2011, pp. 118, 124.
  16. ^ Boris Johnson: Super ambassador?James Landale,BBC,2016年7月15日
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  18. ^ Purnell 2011, p. 124.
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  20. ^ Edwards & Isaby 2008, p. 47; Purnell 2011, pp. 265–267; Gimson 2012, pp. 222–223.
  21. ^ Stephen Brook, press correspondent (2008年5月15日). “Boris to return to Telegraph column”. London: The Guardian. http://www.guardian.co.uk/media/2008/may/15/dailytelegraph.pressandpublishing 2010年7月7日閲覧。 
  22. ^ Stephen Brook, press correspondent (2008年8月28日). “Why Boris Johnson refused to button up for Olympics”. London: The Guardian. https://www.theguardian.com/politics/blog/2008/aug/28/boris.olympics2008 2019年6月4日閲覧。 
  23. ^ “Public has right to know about Boris Johnson's secret lovechild, court rules”. The Daily Telegraph (London). (2013年5月21日). http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/10070055/Public-has-right-to-know-about-Boris-Johnsons-secret-lovechild-court-rules.html 2016年3月6日閲覧。 
  24. ^ ロンドン市長選で現職再選時事ドットコム、2012年5月5日閲覧
  25. ^ “London mayor wants to make it easier for Aussies to live and work in Britain, proposing a 'bilateral mobility zone' agreement like the one between Australia and NZ”. デイリー・メール. (2014年11月4日). https://www.dailymail.co.uk/news/article-2819783/London-mayor-wants-make-easier-Aussies-live-work-Britain-proposing-bilateral-mobility-zone-agreement-like-one-Australia-NZ.html 2019年6月22日閲覧。 
  26. ^ “Boris's Brexit Gamble With China”. (2016年6月17日). http://www.huffingtonpost.co.uk/paul-reza-afshar/brexit-eu-referendum_b_10501664.html 2016年6月26日閲覧。 
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外部リンク[編集]

グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国議会
先代
マイケル・ヘーゼルタイン
ヘンリー選挙区英語版
選出庶民院議員

2001年6月9日 - 2008年6月4日
次代
ジョン・ハウエル英語版
先代
ジョン・ランドール英語版
アクスブリッジ=南ライスリップ選挙区英語版
選出庶民院議員

2015年5月7日 -
現職
公職
先代
テリーザ・メイ
イギリスの旗 イギリス首相
第77代:2019年7月23日 - 2022年9月6日
次代
リズ・トラス
イギリスの旗 行政機構担当大臣
2019年7月23日 - 2022年9月6日
イギリスの旗 第一大蔵卿
2019年7月23日 - 2022年9月6日
先代
フィリップ・ハモンド
イギリスの旗 外務・英連邦大臣
第18代:2016年7月13日 - 2018年7月9日
次代
ジェレミー・ハント
先代
ケン・リヴィングストン
Flag of the City of London.svg ロンドン市長
第2代:2008年5月4日 - 2016年5月9日
次代
サディク・カーン
メディア
先代
フランク・ジョンソン英語版
スペクテイター』誌編集者
1999年7月 - 2005年12月
次代
マシュー・ダンコーナ英語版
党職
先代
テリーザ・メイ
イギリスの旗 保守党党首
第22代:2019年7月23日 - 2022年9月5日
次代
リズ・トラス