持続可能な開発目標

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持続可能な開発目標は国連主導のイニシアティブ活動である

持続可能な開発目標(じぞくかのうなかいはつもくひょう、英語: Sustainable Development Goals)は、SDGs(エスディージーズ)とも呼ばれる。持続可能な開発のための17のグローバル目標と169のターゲット(達成基準)からなる[1]

2015年9月の国連総会で採択された[1]我々の世界を変革する: 持続可能な開発のための2030アジェンダ』(Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development)と題する成果文書で示された具体的行動指針。

国連で2015年9月に採択された持続可能な開発目標(SDGs)について語るパネルトーク。中央はヨハン・ロックストローム教授。2015年11月11日。日本科学未来館において

グローバル目標[編集]

17の分野別の目標と、169項目のターゲット(達成基準)が盛り込まれている。

持続可能な開発目標の基本構造を説明するヨハン・ロックストローム教授。右下の女性が国連SDGアドボケートとして出席されたスウェーデン王国ヴィクトリア皇太子殿下[2]、中央下の桃色の服をお召しの後ろ姿の方が高円宮久子妃殿下。2017年04月19日に東京渋谷の国連大学での国連シンポジウム「持続可能な開発目標 SDGs への取り組み-海洋のサステイナビリティを中心に」で撮影。
国連MDGsとSDGsの違いを説明する外務省相星孝一審議官(2017-06-01)
SDGsの背景:地球システムの限界=プラネタリー・バウンダリー(2017-06-01)

17の目標[編集]

以下の17の目標がある[3][4]

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に保健福祉
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全なトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長
  9. 産業技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくり
  12. つくる責任つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. の豊かさを守ろう
  15. の豊かさも守ろう
  16. 平和公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

各目標に付随する169のターゲット項目[5][編集]

1:あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる

  •  1.1 2030 年までに、現在 1 日 1.25 ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困 をあらゆる場所で終わらせる。
  • 1.2 2030 年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、 女性、子どもの割合を半減させる。
  • 1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030 年まで に貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
  • 1.4 2030 年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービ スへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、 天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的 資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
  • 1.5 2030 年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、 気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に 暴露や脆弱性を軽減する。
  • 1.a あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上 国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協 力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
  • 1.b 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧 困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。 

2:飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する

  • 2.1 2030 年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場 にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
  • 2.2 5 歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを 2025 年までに達成するなど、2030 年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年 女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
  • 2.3 2030 年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び 高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、 女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業 生産性及び所得を倍増させる。
  • 2.4 2030 年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極 端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的 に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭 (レジリエント)な農業を実践する。
  • 2.5 2020 年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生 種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統 的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する。
  • 2.a 開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強 化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜 のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。
  • 2.b ドーハ開発ラウンドの決議に従い、すべての形態の農産物輸出補助金及び同等の効果 を持つすべての輸出措置の並行的撤廃などを通じて、世界の農産物市場における貿易 制限や歪みを是正及び防止する。
  • 2.c 食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正 な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを 容易にする。

3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

  • 3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。
  • 3.2 すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
  • 3.3 2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
  • 3.4 2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
  • 3.5 薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
  • 3.6 2020 年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
  • 3.7 2030 年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画へ の組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できるようにする。
  • 3.8 すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのア クセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを 含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
  • 3.9 2030 年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾 病の件数を大幅に減少させる。
  • 3.a すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強 化する。
  • 3.b 主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研 究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS 協定) 及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアク セスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特にすべての人々への医薬品のアクセ ス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS 協定)」の柔軟 性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。
  • 3.c 開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人 材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。
  • 3.d すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因 子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。

4:すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する

  • 4.1 2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもた らす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。
  • 4.2 2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び 就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。
  • 4.3 2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教 育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
  • 4.4 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及 び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。
  • 4.5 2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立 場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスで きるようにする。
  • 4.6 2030年までに、すべての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び 基本的計算能力を身に付けられるようにする。
  • 4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、 男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様 性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可 能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
  • 4.a 子ども、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安 全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。
  • 4.b 2020 年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、ならびにア フリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログ ラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。
  • 4.c 2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員 研修のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。

全文[編集]

このアジェンダは人間、地球と繁栄のための行動計画である。また、これは、より多くの自由のために世界の平和を統合することを目指している。私たちは、極度の貧困を含むあらゆる形態と側面の貧困を解消することが地球規模の最大の課題であり、持続的な発展のために不可欠な要件であると認識している。[6]

進捗状況[編集]

  • 2017年7月 - 国際連合の事務総長であるアントニオ・グテーレスは、SDGsに掲げられている多くの分野の前進が2030年までに達成できるペースをはるかに下回っているとし、前進を加速すべく取り組みを強化する必要があるとする国連報告書を発表した[7]

日本での取り組み[編集]

日本では、企業が経営に導入するなど[8]、多様な主体による取り組みがおこなわれている。

日本政府は、持続可能な開発目標(SDGs)に係る施策の実施について、全国務大臣を構成員とする「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」を設置している。 同本部は、2016年12月22日に「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」を決定した。そこでは優先課題として、2030アジェンダに掲げられている5つのP、すなわちPeople(人間)、Planet(地球)、Prosperity(繁栄)、Peace(平和)、Partnership(パートナーシップ)に対応した8項目が示されている。

People(人間)

1. あらゆる人々の活躍の推進 関連する目標:1(貧困)、4(教育)、5(ジェンダー)、8(経済成長と雇用)、10(格差)、12(持続可能な生産と消費) 2. 健康・長寿の達成 関連する目標:3(保健)等

Prosperity(繁栄)

3. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション 4. 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備

関連する目標:2(食料)、6(水と衛生)、9(インフラ、産業化、イノベーション)、11(持続可能な都市、人間居住)

Planet(地球)

5. 省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会 関連する目標:7(エネルギー)、12(持続可能な生産と消費)、13(気候変動) 6. (生物多様性)、森林、15(海洋)等の環境の保全 関連する目標:2(食料)、3(保健)、14(海洋)、15(生物多様性)

Peace(平和)

7. 平和と安全・安心社会の実現 関連する目標:16(平和)

Partnership(パートナーシップ)

8. SDGs実施推進の体制と手段 関連する目標:17(実施手段)

また、外務省など日本政府は2017年7月に開かれた国連の持続可能な開発目標に関する会合に合わせ、ヒット曲「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」などで知られるピコ太郎に依頼して替え歌パフォーマンスを通じたSDGsの普及啓発もおこなっている[9][10][11]

脚注[編集]

  1. ^ a b United Nations Development Programme (2015年9月24日). “World leaders adopt Sustainable Development Goals” (English). 2017年5月28日閲覧。
  2. ^ スウェーデン皇太子、ヴィクトリア王女来日中!♥ 皇居訪問&スーパー視察もプリンセス”. 25ans(ヴァンサンカン)オンライン. 2017年5月18日閲覧。
  3. ^ 国際連合広報センター. “2030アジェンダ” (日本語). 2017年5月28日閲覧。
  4. ^ United Nations. “Sustainable Development Goals” (English). 2017年5月28日閲覧。
  5. ^ 2015 年 9 月 25 日第 70 回国連総会で採択 (国連文書 A/70/L.1 を基に外務省で作成)
  6. ^ http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000101402.pdf
  7. ^ 国際連合広報センター (2017年7月20日). “国連報告書、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた取り組みの加速を要請” (日本語). 2017年7月23日閲覧。
  8. ^ 企業も経営に導入 国連「持続可能な開発目標」日本経済新聞HP 2016/12/8付
  9. ^ 国際連合広報センター (2017年7月20日). “日本のユーチューブスター、ピコ太郎さんが国連デビュー! SDGs(エス・ディー・ジーズ)をPR” (日本語). 2017年7月29日閲覧。
  10. ^ 朝日新聞 (2017年7月18日). “ピコ太郎さん、国連本部でPPAP「ウケてよかった」” (日本語). 2017年7月29日閲覧。
  11. ^ 時事通信 (2017年7月18日). “開発目標、ピコ太郎さんがPR=国連で替え歌披露” (日本語). 2017年7月29日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]