ジャパンSDGsアワード

ジャパンSDGsアワードは、持続可能な開発目標（SDGs）達成に向けた企業・団体等の取組を促し、オールジャパンの取組を推進するために、2017年に創設された表彰制度である[1]。SDGs達成に資する優れた取組を行っている日本国内の企業・団体等をSDGs推進本部が選定し、表彰する[1][2]。同アワードは、環境省の「グッドライフアワード」や消費者庁の「消費者志向経営優良事例表彰」など、各省庁が主催するSDGsに関連する表彰制度の中でも、最も権威のある賞の一つとして位置付けられている。

審査機関[編集]

この賞はSDGs達成に優れた取組を行っている企業、団体等に対し、内閣総理大臣を本部長とし全ての国務大臣で構成されるSDGs推進本部が表彰する。またNGOやNPO、民間セクター、国際機関等の広範な関係者が集まる「SDGs推進円卓会議構成員」から構成される考委員会の意見を踏まえて決定される。

受賞部門[編集]

受賞部門は以下の4つに分かれている。^[1]

1. SDGs推進本部長（内閣総理大臣）賞：極めて顕著な功績があったと認められる企業・団体等

2. SDGs推進副本部長（内閣官房長官）賞：特に顕著な功績があったと認められる企業・団体等

3. SDGs推進副本部長（外務大臣）賞：特に顕著な功績があったと認められる企業・団体等

4.特別賞:特筆すべき功績があったと認められる企業・団体等

各企業の受賞状況[編集]

第1回は2017年12月に開催され、北海道下川町がSDGs推進本部長（内閣総理大臣）賞を受賞した。^[2]第6回（2022年度）では、特定非営利活動法人ACE（中小企業）がSDGs推進本部長（内閣総理大臣）賞、株式会社太陽油化（中小企業）と株式会社FrankPR（零細企業）がSDGs推進副本部長（外務大臣）賞を受賞している。^[3]

直近の第7回（2023年度）では、一般社団法人WheeLogがSDGs推進本部長（内閣総理大臣）賞、雪ヶ谷化学工業株式会社（中小企業）がSDGs推進副本部長（内閣官房長官）賞を受賞した。過去の受賞企業としては、大企業の株式会社ユーグレナや富士メガネ、中小企業のTABETEレスキュー直売所プロジェクト共同体などが挙げられる。

特筆すべきは、夫婦2人で経営する資本金100万円の零細企業である株式会社FrankPR（大阪府大阪市）が、第6回ジャパンSDGsアワードでSDGs推進副本部長（外務大臣）賞を受賞したことである。同社は革製品ブランド「ラファエロ」を通じて、エシカル消費の仕組みづくりや、シングルマザーの雇用支援など、1つの事業で10個のSDGsゴール達成を目指す活動が評価された。^[4]

受賞企業は30社程度と少なく(2024年4月現在)、その多くは教育機関や社団法人である。帝国データバンクの調査によると、中小企業の半数は資金不足や人材不足でSDGsに取り組めていないという。一方で、SDGsに取り組んでいる企業の7割がその効果を実感しているとの結果もある。今後は、企業規模に関わらず、より多くの企業がSDGsに取り組むことが期待される。^[5]