バーゼル条約

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有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約
通称・略称 バーゼル条約
署名 1989年3月22日(バーゼル
効力発生 1992年5月5日
寄託者 国際連合事務総長
条約番号 平成5年条約第7号(日本について効力発生:1993年12月16日)
言語 アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語
条文リンク 1 (PDF)2 (PDF)3 (PDF) - 外務省
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バーゼル条約(バーゼルじょうやく、Basel Convention)は、正式には「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」といい、一定の廃棄物国境を越える移動等の規制について国際的な枠組みおよび手続等を規定した条約である。

国連環境計画(UNEP)が1989年3月、スイスバーゼルにおいて採択、1992年5月5日発効。2012年12月現在締約国数は178カ国、1機関(EC)。日本は1992年に国内法(特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律、通称バーゼル法)を制定し、1993年に加盟している。バーゼル条約上の日本における「中央連絡先」としては外務省地球環境課が、「権限のある当局」としては環境省適正処理・不法投棄対策室が指定されている。条約に定められた業務(締約国への通報等)を行うため、ジュネーブに事務局が設置されている。事務局職員の人事権はUNEPが有している。

概要[編集]

バーゼル条約は、前文、本文29カ条、末文および9の附属書(ただし、附属書VIについては未発効)からなり、その主たる規定は次の通り。

  1. この条約に特定する有害廃棄物およびその他の廃棄物(以下、本資料において「廃棄物」という。)の輸出には、輸入国の書面による同意を要する(第6条1項-3項)。
  2. 締約国は、国内における廃棄物の発生を最小限に抑え、廃棄物の環境上適正な処分のため、可能な限り国内の処分施設が利用できるようにすることを確保する(第4条2項(a)および(b))。
  3. 廃棄物の不法取引を犯罪性のあるものと認め、この条約に違反する行為を防止し、処罰するための措置をとる(第4条3項および4項)。
  4. 非締約国との廃棄物の輸出入を原則禁止とする(第4条5項)。
  5. 廃棄物の南極地域への輸出を禁止する(第4条6項)。
  6. 廃棄物の運搬および処分は、許可された者のみが行うことができる(第4条7項(a))。
  7. 国境を越える廃棄物の移動には、条約の定める適切な移動書類の添付を要する(第4条7項(c))。
  8. 廃棄物の国境を越える移動が契約通りに完了することができない場合、輸出国は、当該廃棄物の引き取りを含む適当な措置をとる(第8条)。
  9. 廃棄物の国境を越える移動が輸出者または発生者の行為の結果として不法取引となる場合には、輸出国は、当該廃棄物の引取を含む適当な措置をとる(第9条2)。
  10. 締約国は、廃棄物の処理を環境上適正な方法で行うため、主として開発途上国に対して、技術上その他の国際協力を行う(第10条)。
  11. 条約の趣旨に反しない限り、非締約国との間でも、廃棄物の国境を越える移動に関する二国間または多数国間の取決めを結ぶことができる(第11条)。

ブラウン管、使用済ニッケル電池カドミウム電池などを、有害廃棄物として条約で定めた[1]

背景[編集]

1980年代に、ヨーロッパ先進国のごみがアフリカの途上国へ捨てられ、環境汚染を引き起こしたことを受け、経済協力開発機構国連環境計画により、本条約に関する話し合いが始まった[1]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 池上彰監修『ニュースに出てくる国際条約じてん 4環境』彩流社、2014年 ISBN 9784779150111

関連項目[編集]

外部リンク[編集]