騒音

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騒音測定車
街宣車の取締り)
都内桜田通り土器坂付近にて
(2006年2月27日撮影)

騒音(そうおん、noise pollution)とは、騒がしくて不快と感じるのことである。

法律[編集]

日本では環境基本法で典型7公害の1つに定義されており、環境基準が設定されている。また、騒音規制法では、特定施設を使用する事業場や、特定建設作業に規制基準が設定されている。

騒音源[編集]

統計上2007年(平成19年)度の日本全国の騒音苦情の件数を発生源別にみると、工場・事業場に係る騒音が最も多く、次いで建設作業騒音となっている[1]。また、2014年(平成26年)度には総務省における公害苦情調査において、件数が大気汚染を抜いて最多事例となった[2]

生活騒音[編集]

東京都環境局では、生活騒音として次の5つを分類している[3]

  1. 家庭用機器からの騒音 - 冷蔵庫、掃除機などの音
  2. 家庭用設備、住宅構造面からの騒音 - ドアの開閉音など
  3. 音響機器からの音 - ピアノ、カラオケ、ステレオ、テレビなどの音
  4. 生活行動に伴う音 - 話し声など 食器の音
  5. その他 - 自動車(主にクラクションやエンジン音、タイヤロードノイズ等)、ペットの鳴き声、風鈴の音など

騒音の基準[編集]

騒音の大きさは、周波数特性を踏まえ音圧レベルを補正した騒音レベルを用いる。 騒音レベルの単位はデシベル (dB)。かつては単位に「ホン」も用いられていたが、日本では計量法により1997年9月30日に廃止された。 航空機騒音の場合は、騒音レベルを元に時間帯などを考慮して再計算された指数「WECPNL」が用いられてきたが、国際的な状況等を受けて2013年4月1日からLden(註:denは下付文字である)に移行した。 人の耳に直接聞き取ることのできない低周波域の音(低周波音)による騒音は、低周波騒音と呼ぶ。 シンガポールでは日・時間帯・区域によって許容されるdB数が環境省(NEA)によって定められている[4]

騒音の利用[編集]

騒音は人の心理に多大なる悪影響を与え、あさま山荘事件日大紛争での利用例がある。

騒音のトラブル[編集]

古くは1974年のピアノ騒音殺人事件から2005年の騒音おばさん(奈良騒音傷害事件)にかけて、現在もなお続く問題である。

店舗や住宅街における商業宣伝の拡声器使用について、1989年(平成元年)の旧環境庁の通達[5]により、各都道府県に条例によって音量や使用方法の規制が設けられている[6]。近年、住宅街を巡回する廃品回収車や移動販売車が増加していることから拡声機に係る騒音苦情の件数が増加傾向にあり、2009年度には前年比27.7%増と急増している。

近年では保育所や幼稚園、小学校など幼児・児童を預かる施設に対して「子供の声がうるさい」などの苦情が近隣住民から寄せられる事が増えており、中には裁判にまで及ぶ事例もある[7][8][9][10][11]

日本以外でもドイツで同様に子供の声が騒音だと問題になったが2011年5月26日、ドイツ連邦議会において『「連邦イミシオン防止法を改正案」乳幼児、児童保育施設及び児童遊戯施設から発生する子どもの騒音への特権付与』を可決した。これ以前にもベルリン市など自治体レベルで同様の条例が可決している[12][13][14][15][16]

騒音が人体に与える影響[編集]

  • 心理的不快感、イライラ、ストレス
  • 頭痛(頭痛が悪化し嘔吐)
  • 睡眠妨害
  • 難聴(職域における騒音性難聴労災である)
  • 集中力の低下
  • 認知力の低下
  • 体力の消耗
  • 共感覚により身体的衝撃等の音以外の刺激を実際に知覚する
  • 感覚の衰退
  • 精神障害など
  • 重度の脳障害
  • 痒み・またはアトピーの悪化
  • 視力低下
  • 記憶低下

騒音を原因とする主な事件・裁判[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ [|公害等調整委員会総務課] (2008年11月14日) (Excel). 平成19年度公害苦情調査 (Report). 総務省. p. 40. http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001029046&cycleCode=0&requestSender=search 2016年4月6日閲覧。. 
  2. ^ [|公害等調整委員会]; 公害等調整委員会事務局総務課 (2015年11月30日) (PDF). 平成 26 年度公害苦情調査- 結果報告の要旨 - (Report). 総務省. p. 2. http://www.soumu.go.jp/main_content/000387058.pdf 2016年4月6日閲覧。. 
  3. ^ 生活騒音(東京都環境局ウェブサイト内)
  4. ^ http://www.nea.gov.sg/anti-pollution-radiation-protection/noise-pollution-control
  5. ^ 商業宣伝等の拡声機放送に係る騒音の防止対策の推進について 環境省
  6. ^ 環境確保条例の拡声機に係る基準(東京都) 拡声機の使用(大阪府) など
  7. ^ 子どもは社会の"迷惑"か!?
  8. ^ 「子供の声」を騒音の対象外にすべきか 東京都、条例改正の検討を開始
  9. ^ 「保育園の子どもの声がうるさい」近所に住むの男性が提訴 神戸
  10. ^ 子供の声は「騒音」か…脅迫、訴訟、保育所そばに「ドクロ」「般若」の看板まで
  11. ^ 子どもの声は騒音か、それとも希望の響きか
  12. ^ 子どもの声は「騒音」からはずす
  13. ^ 「『騒音苦情』に悩む保育園。ドイツでは特権付与も…」どうすれば解決する?
  14. ^ ドイツでは「子ども施設の子どもの騒音への特権付与法」が成立していた
  15. ^ ドイツの「子どもの声」を騒音から外す条例はベルリン市から始まっていた
  16. ^ 2011年・ドイツ連邦議会で「子どもの声を騒音としない」法改正の内容とは何か
  17. ^ 知っておきたい基本判例 - 総務省
  18. ^ 近隣騒音の解決事例について-渋谷区騒音事件の処理を参考にして(PDF) - 総務省
  19. ^ 横浜市緑区のマンション住人が「足音がうるさい」と上階に住む男性にナイフで切りつけた男逮捕 FNNニュースネットワーク 2008年10月26日付

外部リンク[編集]