騒音

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騒音(そうおん、noise pollution)とは、騒がしくて不快と感じるのことである。ただし騒音は一般には不快で好ましくない音をいうが、主観的な面があることは否めない[1]

騒音の分類[編集]

騒音公害は、発生源の種類等によって工場・事業場騒音、建設作業騒音、自動車騒音、鉄道騒音、航空機騒音、その他(生活騒音、低周波音等)に分類される[2]

このうち自動車騒音、鉄道騒音、航空機騒音などは交通騒音という[3]。工場・事業場騒音、建設作業騒音、生活騒音などは環境騒音という[3]

統計上、2007年(平成19年)度の日本全国の騒音苦情の件数を発生源別にみると、工場・事業場に係る騒音が最も多く、次いで建設作業騒音となっている[4]

交通騒音[編集]

建設工事現場に設置された騒音・振動表示器

自動車騒音、鉄道騒音、航空機騒音などを交通騒音という[3]

航空機騒音をめぐる主な事件・裁判[編集]

嘉手納飛行場に近い道の駅かでなに設置された騒音計

鉄道騒音をめぐる主な事件・裁判[編集]

環境騒音[編集]

環境騒音とは、工場・事業場の機器、建設作業に用いる機械、営業騒音(カラオケ装置等の営業機器、商業宣伝・選挙等用の拡声器)、テレビ・音響機器等、事業所や家庭における空調設備など屋外に設置される機器による騒音である[3]

営業騒音[編集]

店舗や住宅街における商業宣伝の拡声器使用について、1989年(平成元年)の旧環境庁の通達[5]により、各都道府県に条例によって音量や使用方法の規制が設けられている[6]。近年、住宅街を巡回する廃品回収車や移動販売車が増加していることから拡声機に係る騒音苦情の件数が増加傾向にあり、2009年度には前年比27.7%増と急増している。

生活騒音[編集]

東京都環境局では、生活騒音として次の5つを分類している[7]

  1. 家庭用機器からの騒音 - 冷蔵庫、掃除機などの音
  2. 家庭用設備、住宅構造面からの騒音 - ドアの開閉音など
  3. 音響機器からの音 - ピアノ、カラオケ、ステレオ、テレビなどの音
  4. 生活行動に伴う音 - 話し声など 食器の音
  5. その他 - 自動車(主にクラクションやエンジン音、タイヤロードノイズ等)、ペットの鳴き声、風鈴の音など

近年では保育所や幼稚園、小学校など幼児・児童を預かる施設に対して「子供の声がうるさい」などの苦情が近隣住民から寄せられる事が増えており、中には裁判にまで及ぶ事例もある[8][9][10][11][12]

日本以外でもドイツで同様に子供の声が騒音だと問題になったが2011年5月26日、ドイツ連邦議会において『「連邦イミシオン防止法を改正案」乳幼児、児童保育施設及び児童遊戯施設から発生する子どもの騒音への特権付与』を可決した。これ以前にもベルリン市など自治体レベルで同様の条例が可決している[13][14][15][16][17]

環境騒音をめぐる主な事件・裁判[編集]

低周波騒音[編集]

騒音測定車
街宣車の取締り)
都内桜田通り土器坂付近にて
(2006年2月27日撮影)

人の耳に直接聞き取ることのできない低周波域の音(低周波音)による騒音は、低周波騒音と呼ぶ。

騒音の基準[編集]

道路における騒音計測

騒音の大きさは、周波数特性を踏まえ音圧レベルを補正した騒音レベルを用いる。 騒音レベルの単位はデシベル (dB)。かつては単位に「ホン」も用いられていたが、日本では計量法により1997年9月30日に廃止された。 航空機騒音の場合は、騒音レベルを元に時間帯などを考慮して再計算された指数「WECPNL」が用いられてきたが、国際的な状況等を受けて2013年4月1日からLden(註:denは下付文字である)に移行した。 シンガポールでは日・時間帯・区域によって許容されるdB数が環境省(NEA)によって定められている[21]

騒音の規制[編集]

世界保健機関(WHO)は1999年に「環境騒音ガイドライン」を公表し、交通騒音に起因する心疾患について言及している[22]

欧州WHO事務局は2009年に「欧州夜間騒音ガイドライン」、2011年に「環境騒音による疾病負荷」を公表している[22]

日本では、騒音公害は、環境基本法により、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、振動、地盤沈下、悪臭とともに典型7公害に含まれている[1]。2014年(平成26年)度には総務省における公害苦情調査において、件数が大気汚染を抜いて最多事例となった[23]。また、騒音規制法では、特定施設を使用する事業場や、特定建設作業に規制基準が設定されている。

騒音の影響[編集]

騒音が人体に与える影響[編集]

騒音障害防止のため耳当て(イヤーマフ)を着用している
  • 心理的不快感、イライラ、ストレス
  • 頭痛(頭痛が悪化し嘔吐)
  • 睡眠妨害
  • 難聴(職域における騒音性難聴労災である)
  • 集中力の低下
  • 認知力の低下
  • 体力の消耗
  • 共感覚により身体的衝撃等の音以外の刺激を実際に知覚する
  • 感覚の衰退
  • 精神障害など
  • 重度の脳障害
  • 痒み・またはアトピーの悪化
  • 視力低下
  • 記憶低下

騒音が生態系に与える影響[編集]

風力発電施設の設置をめぐっては、騒音による鳥類の生息環境の悪化、騒音による鳥類の餌資源の逃避・減少への対策が課題となっている[24]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 公害とは 公害等調整委員会、2016年11月6日閲覧。
  2. ^ 豊中市の環境保全 豊中市、2016年11月6日閲覧。
  3. ^ a b c d 騒音ラベリング制度導入マニュアル 環境省水・大気環境局大気生活環境室、2016年11月6日閲覧。
  4. ^ [|公害等調整委員会総務課] (2008年11月14日) (Excel). 平成19年度公害苦情調査 (Report). 総務省. p. 40. http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001029046&cycleCode=0&requestSender=search 2016年4月6日閲覧。. 
  5. ^ 商業宣伝等の拡声機放送に係る騒音の防止対策の推進について 環境省
  6. ^ 環境確保条例の拡声機に係る基準(東京都) 拡声機の使用(大阪府) など
  7. ^ 生活騒音(東京都環境局ウェブサイト内)
  8. ^ 子どもは社会の"迷惑"か!?
  9. ^ 「子供の声」を騒音の対象外にすべきか 東京都、条例改正の検討を開始
  10. ^ 「保育園の子どもの声がうるさい」近所に住むの男性が提訴 神戸
  11. ^ 子供の声は「騒音」か…脅迫、訴訟、保育所そばに「ドクロ」「般若」の看板まで
  12. ^ 子どもの声は騒音か、それとも希望の響きか
  13. ^ 子どもの声は「騒音」からはずす
  14. ^ 「『騒音苦情』に悩む保育園。ドイツでは特権付与も…」どうすれば解決する?
  15. ^ ドイツでは「子ども施設の子どもの騒音への特権付与法」が成立していた
  16. ^ ドイツの「子どもの声」を騒音から外す条例はベルリン市から始まっていた
  17. ^ 2011年・ドイツ連邦議会で「子どもの声を騒音としない」法改正の内容とは何か
  18. ^ 知っておきたい基本判例 - 総務省
  19. ^ 近隣騒音の解決事例について-渋谷区騒音事件の処理を参考にして(PDF) - 総務省
  20. ^ 横浜市緑区のマンション住人が「足音がうるさい」と上階に住む男性にナイフで切りつけた男逮捕 FNNニュースネットワーク 2008年10月26日付
  21. ^ http://www.nea.gov.sg/anti-pollution-radiation-protection/noise-pollution-control
  22. ^ a b 「航空機騒音による睡眠妨害と健康影響」、京都大学大学院工学研究科 准教授 松井利仁 日本音響エンジニアリング、2016年11月6日閲覧。
  23. ^ [|公害等調整委員会]; 公害等調整委員会事務局総務課 (2015年11月30日) (PDF). 平成 26 年度公害苦情調査- 結果報告の要旨 - (Report). 総務省. p. 2. http://www.soumu.go.jp/main_content/000387058.pdf 2016年4月6日閲覧。. 
  24. ^ 鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引き 環境省自然環境局野生生物課、2016年11月6日閲覧。

外部リンク[編集]