豊島 (香川県)

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豊島
Teshima island.jpg
高松→土庄の船中から遠望
手前左は男木島
座標 北緯34度28分53.9140秒 東経134度4分40.6971秒 / 北緯34.481642778度 東経134.077971417度 / 34.481642778; 134.077971417座標: 北緯34度28分53.9140秒 東経134度4分40.6971秒 / 北緯34.481642778度 東経134.077971417度 / 34.481642778; 134.077971417
面積 14.4 km²
海岸線長 19.8 km
最高標高 339.82 m
最高峰 檀山
最大都市 家浦
所在海域 瀬戸内海
所属諸島 直島諸島
所属国・地域 日本の旗 日本 香川県小豆郡土庄町
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唐櫃棚田
家浦の街並み
豊島横尾館
豊島美術館

豊島(てしま)は 瀬戸内海の東部、小豆島の西方3.7kmに位置する直島諸島に属す。

行政区分は香川県小豆郡土庄町に属し、島内の大字には豊島家浦てしまいえうら豊島唐櫃てしまからと豊島甲生てしまこうの3つがある。

地理と自然[編集]

檀山[編集]

標高339m。島のほぼ中央に位置し、頂上からは瀬戸内の島々を一望できる。天気の良い日であれば、瀬戸大橋淡路島も見ることができる。

山頂付近には樹齢100年から250年前後と見られるスダジイの群生林が見られ、麓にはクヌギ林が広がっている。ごく最近まで人の手が入っていたようで、里山の様相を呈する。

唐櫃の清水[編集]

唐櫃岡(からとおか)地区にわき出る湧水。喉の渇きを覚えた弘法大師が杖で地面を掘ったところ、清水がわき出たとの伝承がある。古くから地区住民の生活・交流の場として用いられてきた。

壇山の麓に広がるクヌギ林が豊かな水を涵養していると見られ、河川、ため池、水路などの水面面積は他の離島[どこ?]の3倍にもなる。

遺跡[編集]

礼田崎貝塚 
島の南に位置する、西日本では最も古い部類の貝塚。およそ9,000年前のものであることが確認された。
水ヶ浦遺跡・横引ヶ浜遺跡 
島の西端に位置する、縄文時代末期から弥生時代にかけての遺跡。住居跡らしき形跡や出土品があったが、後述する産廃の不法投棄事件の折、事業者によって破壊された。

産業[編集]

豊島石[編集]

「豊島石」という石材を産出する。塩基性角礫凝灰岩。耐火性に優れ、多くは生活用品に加工された。また苔が付きやすい特性のために、灯籠などの石材にも重用された。

豊島村史によれば平安末期からおよそ1,000年にわたって石の採掘が行われていたという。

一次産業[編集]

水資源に恵まれ、自給して余るほどの農産物が生産されていた。また早くから酪農も行われていた。瀬戸内の潤沢な漁場に恵まれて漁業も盛んで、文字通りの「豊かな島」であったが、過疎化と高齢化の煽りを受け、いずれの産業も不振に見舞われている。

教育と福祉[編集]

  • 土庄町立豊島小学校
  • 土庄町立豊島中学校
  • 乳児院「神愛館」- キリスト教社会運動家賀川豊彦によって、第二次世界大戦前のサナトリウム跡を利用して設立された乳児院
  • 農民福音学校 - 賀川豊彦によって設立された農民学校で、セツルメント論に基づく教育が行われ、今日の大学レベルの農学が教えられた
  • 特別養護老人ホーム「ナオミ荘」
  • 知的障害者更生施設「みくに園」

交通[編集]

  • 小豆島豊島フェリー
    • 北岸にある、豊島の中心地の家浦港と、北東岸の唐櫃(からと)港にフェリー乗り場がある。宇野港から、家浦港・唐櫃港に寄港し、土庄港とを結ぶ旅客フェリー1隻と旅客船1隻が運航されている。
  • 豊島フェリー - 家浦港と高松港を結ぶ不定期旅客フェリーと、定期高速船を運航
  • 四国汽船 - 家浦港と直島(宮浦港)・犬島を結ぶ高速船を運航(休航日あり)
  • 島内では、土庄町が家浦港-唐櫃港・家浦港-甲生集会所前を結ぶバスを運行している。(自家用車両を使用しているが有料)
    • 瀬戸内国際芸術祭の会期中は増便されるが、こちらは小豆島交通の営業用バスを使用している。

観光・名所・名産[編集]

イベント[編集]

豊島事件(産廃不法投棄)[編集]

産業廃棄物を豊島の廃棄現場より直島の処理施設へ輸送する専用の特殊コンテナ

豊島総合観光開発(豊島開発)が、1975年から16年間、産業廃棄物を違法・大量に投棄・野焼きし、1990年に兵庫県警が摘発した。公害等調整委員会が実態調査を行い、投棄された廃棄物は約56万トンとされた。同委員会が調停手続し、豊島開発が住民に解決金を支払うこと、香川県が住民に謝罪し廃棄物を撤去・処理すること等を定めた調停が成立した。

この調停に基づき、香川県直島にある三菱マテリアルの施設へで移送され、14年間にわたり処理され続けた。 この問題発覚時、地元局の山陽放送がスクープする。その後も住民側を取材し、香川県側の黙認姿勢を追及した。不法投棄現場は一般市民の立入りを禁止し、重機による産廃の掘り出しと、直島に産廃を移送するための梱包作業が2017年3月まで行われていた。移送は高気密性を保つ専用の海上コンテナと、これを積載して輸送するダンプカーを直島まで海上輸送するために、フェリータイプの廃棄物専用輸送船を使って行われた。事前予約をすれば、産廃現場と産廃問題に関する資料館を見学できた。後の調査で産廃物の量は、香川県が2017年1月に88万8千トンとする最終的な推計値を発表した[1]。しかし搬出期限が迫る中、その後の精密測量調査で次々と新たな産廃が発掘されて、最終的な産廃量は当初の推定50万トンを大きく上回る91万2373トン、体積61万6525立方メートルにも達した。2017年3月末までに費やされた公費も約727億円にも及んだ。撤去量が増えた一因は産廃から漏れ出たベンゼンなどにより汚染された土壌も除去したためで、地下水の汚染問題は依然残っている[2][3]

豊島廃棄物等処理事業等(関連資料)[編集]

豊島産廃輸送専用コンテナ積載ダンプトラック一覧表
車番号 所属地 コンテナ本体番号

※青字は該当画像

シンボル

車体記号

備考事項
01   豊 
  島 
  地 
  区 
  所 
  属 
  車 
  両
NTLU-010001(0) 【 A 】
02 NTLU-010002(6) 【 B 】
03 NTLU-010003(1) 【 C 】
04 NTLU-010004(7) 【 D 】
05 NTLU-010005(2) 【 E 】
06 NTLU-010006(8) 【 F 】
07 NTLU-010007(3) 【 G 】
08 NTLU-010008(9) 【 H 】
09 NTLU-010009(4) 【 I 】
10 NTLU-010010(8) 【 J 】
11 NTLU-010011(3) 【 K 】
12 NTLU-010012(9) 【 L 】
13 NTLU-010013(4) 【 M 】
14 NTLU-010014(0) 【 N 】
15 NTLU-010015(5) 【 O 】
16 NTLU-010016(0) 【 P 】
17 NTLU-010017(6) 【 Q 】
18 NTLU-010018(1) 【 R 】
37 NTLU-010019(7) 【 S 】 ※予備車
19   直 
  島 
  地 
  区 
  所 
  属 
  車 
  両
NTLU-020001(0) 【 1 】
20 NTLU-020002(5) 【 2 】
21 NTLU-020003(0) ※【 3 】※[4]
22 NTLU-020004(6) 【 4 】
23 NTLU-020005(1) 【 5 】
24 NTLU-020006(7) 【 6 】
25 NTLU-020007(2) 【 7 】
26 NTLU-020008(8) 【 8 】
27 NTLU-020009(3) 【 9 】
28 NTLU-020010(7) ※【 10 】※[5]
29 NTLU-020011(2) 【 11 】
30 NTLU-020012(8) 【 12 】
31 NTLU-020013(3) 【 13 】
32 NTLU-020014(9) 【 14 】
※33※[6] NTLU-020015(4) 【 15 】
34 NTLU-020016(0) 【 16 】
35 NTLU-020017(5) 【 17 】
36 NTLU-020018(0) 【 18 】
38 NTLU-020019(6) 【 19 】 ※予備車
車番号 所属地 コンテナ本体番号

※青字は該当画像

シンボル

車体記号

備考事項
  • 車番号・・・・・・・・・・・・・トラック正面のバンパー部分のみに取り付けられている、01 〜 38迄の私有地となる島内のみの専用ナンバープレートであり、一般道は一切走行できない所謂、《 構内専用プレート 》である。
  • コンテナ本体番号・・・・コンテナ毎に上部の四面全てに記載されている。
    豊島 ⇔ 直島間、8kmの海上輸送及び、両島内の関連施設での輸送等において廃棄物等や汚水が外に漏れないように、 CSC (コンテナ安全条約) に基づくISO (国際標準化機構) の基本認証を受けた密閉型コンテナの構造規格に基づき付与されている、アルファベット四文字と七桁の数字の組み合わせによる国際的な管理番号。
  • シンボル車体記号・・・コンテナ毎に両側の二面に、豊島地区所属のコンテには【A】〜【S】迄の連続19文字、直島地区所属のコンテには【1】〜【19】迄の連続19文字が夫々、シンボルマークとして車体のカラーリングと同調して描かれている。[7][8]

年表[編集]

  • 1975年12月 産業廃棄物業者の豊島総合観光開発が産業廃棄物処理業の許可を香川県に申請する。
  • 1978年02月 香川県は、豊島総合観光開発に対して産業廃棄物収集運搬業(汚泥木くず及び家畜ふん)、処分業(みみずによる土壌改良剤化処分)を許可する。
  • 1990年11月 兵庫県警が豊島総合観光開発を廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反容疑で事業場を強制捜査する。
  • 1990年12月 香川県は、豊島総合観光開発に対して産業廃棄物処理業の許可を取り消し及び産業廃棄物撤去等の措置命令を行う。 
  • 1991年01月 兵庫県警が経営者等を逮捕する。
  • 1991年07月 神戸地裁姫路支部が豊島総合観光開発と経営者等に有罪判決を下す。罰金50万円、懲役10月(執行猶予5年)。
  • 1993年11月 豊島住民が県知事に公害紛争処理法に基づく公害調停を申請する。
  • 1993年12月 公害調停の書類が国の公害等調整委員会に移送される。
  • 1996年02月 豊島住民が高松地裁に豊島総合観光開発に対して損害賠償提訴する。
  • 1996年08月 菅直人厚生大臣(当時)が現場を視察。問題解決の端緒となった。
  • 1996年12月 高松地裁が豊島総合観光開発に対して慰謝料の支払いと、廃棄物の撤去を命じる判決を出す。(豊島住民勝訴)
  • 1997年03月 豊島総合観光開発及び経営者に対し、破産宣告
  • 2000年06月 公害調停成立。
  • 2000年11月 瀬戸内オリーブ基金を設立。
  • 2012年03月 豊島の汚染土壌を、滋賀県大津市内の民間業者が施設内で処理する計画が明らかとなり、業者の周辺住民らが、琵琶湖の汚染の恐れがあるとして滋賀県公害審査会に公害調停を申請(記事)。
  • 2012年05月 前述の調停に関して、香川県と業者が契約解除で合意し、汚染土壌の県外処理は白紙に(記事)。
  • 2017年03月28日 廃棄物撤去完了。産廃量は当初の推定50万tを大きく上回る約91.1万tにも及んだ[9]
  • 2017年06月 無害化処理終了。

産廃特措法適用[編集]

特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)にもとづき、2003年12月9日、不法投棄事案として環境大臣同意[10]。概算費用は281億円。

行政責任として、公害調停の最終合意に際して、廃棄物の認定を誤り原因者(豊島開発)に対する適切な指導監督を怠ったことを認め、申請人を含めた豊島住民に対して知事から直接謝罪した[11][12]

出典[編集]

外部リンク[編集]