粉塵

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粉塵(ふんじん)とは、のように細かく気体中に浮遊する(ちり)状の固体粒子である。「塵」の字が常用漢字外であるため、法令では粉じんと書かれる。

物の燃焼等に伴い発生するものは、煤煙(ばいえん)といい、このうち、いわゆる「すす」のことを煤塵(ばいじん)という。

粉塵の種類[編集]

安全衛生上問題となる粉塵には次のようなものがある。

  • 金属粉塵
    金属の切断・研磨・溶接作業などの際に飛散する粉塵[1]
  • 鉱物粉塵
    鉱山からの鉱石の採取や鉱石の加工の際に飛散する粉塵[1]
  • 動物・植物性粉塵
    毛皮の加工や木材の加工の際に飛散する粉塵[2]

粉塵の測定[編集]

クリーンルーム内の粉塵の測定法についてはISO 14644-1で規定されている。クリーンルームでは浮遊微粒子濃度と呼ばれる単位を用い、粒径範囲内の粒子の個数濃度である(個/m3)(個/L)(個/ft3)などで表される。

一般家庭やオフィスビルなどの建築物内は質量濃度(mg/m3)を用いる。「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」で室内環境基準において浮遊粉塵の量が0.15mg/m3以下と規定されている。

粉塵の影響[編集]

健康被害[編集]

粉塵を吸い込むと塵肺という病気の原因となる。このため、一定以上の粉塵が漂う場所での作業には防塵マスクの着用が必要である。

炭鉱労働者は石炭の粉塵による塵肺での死亡が非常に多かった。

塵肺の種類[編集]

有機粉塵
綿肺コルク肺、農夫肺、砂糖きび肺、線香肺、合成樹脂
無機粉塵
珪肺石綿肺蝋石肺、滑石肺、珪藻土肺、アルミニウム肺(金属粉)、酸化鉄肺溶接工肺)、黒鉛肺、炭鉱夫じん肺、炭素肺(活性炭粉
特定粉塵
石綿(アスベスト)

粉塵の規制[編集]

日本の大気汚染防止法では、「物の破砕、選別その他の機械的処理又はたい積に伴い発生し、又は飛散する物質」のこととし、煤煙自動車排出ガスと共に規制している。同法では、人の健康に被害を生じるおそれのある物質を「特定粉じん」、その他を「一般粉じん」と定めている。現在、特定粉じんは、石綿のみである。これは、石綿(アスベスト)が発癌性物質であるためだが、石綿以外の粉塵でも、塵肺を起こす可能性があるため、充分に注意が必要である。

また、労働安全衛生法では、粉塵を業務に危険性または有害性をもたらすもののひとつに挙げている。このため、粉塵の要因となる原料のメーカーや取り扱い業者には化学物質安全性データシート(MSDS)などの資料により、現場の作業員に危険性、有害性、対処方法の周知をさせることが定められており、また関係行政機関も粉塵の発散を防止するために、必要に応じて注水するなどの措置を行なうよう呼びかけている。

粉塵爆発[編集]

気体中にある一定の濃度の粉塵が浮遊していると、火花などで引火して爆発を起こすことがある。これを粉塵爆発という。

脚注[編集]

  1. ^ a b 増本清、増本直樹『職場の安全衛生Q&A 100選』労働調査会、2007年、174頁
  2. ^ 増本清、増本直樹『職場の安全衛生Q&A 100選』労働調査会、2007年、175頁

関連項目[編集]

外部リンク[編集]