計量法

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計量法
日本国政府国章(準)
日本の法令
通称・略称 なし
法令番号 平成4年5月20日法律第51号
効力 現行法
種類 産業法環境法
主な内容 適正な計量の実施など
関連法令 メートル条約
条文リンク 総務省法令データ提供システム
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計量法(けいりょうほう、平成4年5月20日法律第51号)は、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的とする(第1条)日本法律である。経済産業省が所管する。

概要[編集]

旧計量法(1952年(昭和26年))を全部改正して、1992年(平成4年)に制定された。もともとは日本における計量の基準を定め、取引が統一基準の下に行われることを目的とした法律(度量衡法)であったが、現在の計量法は国際単位系(SI)の採用により、国際的に計量基準を統一することと、各種計量器の正確さを維持するためのトレーサビリティの維持を主な目的としている。(一部例外的に「用途を限定する非SI単位」が定義されている。)

また、計量の専門家である計量士環境に関する計量については、環境計量士)の育成、環境問題への対応のための環境計量への対応がなされている。

現在、計量法の課題は日本工業規格(JIS)との整合性を図ることであり、そのために計量法での具体的規定を、JISを参照するようにすることが検討されており、特定計量器についてJISを引用する形への条文改正が進行中である。

附属法令に、計量単位に関する事項を定めた計量単位令(平成4年政令第357号)と、それ以外の事項について定めた計量法施行令(平成5年政令第329号)があり、それぞれに対応する経済産業省令(計量単位規則・計量法施行規則)がある。

法定計量単位[編集]

計量法第2条第1項第1号は、「物象の状態の量」のうち、熟度の高いもの 72量と、熟度の低いもの 17量の、合計89量について法定計量単位として定めている[1]

A 熟度の高いものとして、次の72量を計量法第2条第1項第1号で定めている。
B 熟度の低いものとして、次の17量を計量単位令第1条で定めている。

SI単位との関係による分類[編集]

  • 表1 SI単位に係る計量単位 65量[2]
  • 表2 SI単位のない量の非SI単位 7量[3]
  • 表3 SI単位のある量の非SI単位 5量[4]

計量単位に関する規制[編集]

計量法第8条第1項では「法定計量単位以外の計量単位(非法定計量単位)は、第2条第1項第1号に掲げる物象の状態の量について、取引又は証明に用いてはならない。」と定めており、72の物象の状態の量について、取引又は証明において非法定計量単位の使用を禁止している。これに違反すると50万円以下の罰金に処せられる(第173条第1項)。非法定計量単位を計量する計量器を販売したものも同様である[5]

取引における計量[編集]

「取引」の定義:有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為(計量法第2条第2項)

取引における計量とは、契約の両当事者が、その面前で、ある計量器を用いて一定の物象の状態の量の計量を行い、その計量の結果が契約の要件となる計量をいう。工程管理における計量等、内部的な行為にとどまり、計量の結果が外部に表明されない計量や契約の要件にならない計量は含まれない。 計量した物に計量の結果を表示する場合については、その物が取引の対象となり、表示した計量の結果が契約の要件となるときは、その表示をするための計量は、取引における計量に該当する。内部の工程管理における計量結果の表明であり、工程管理上その計量結果の表示を用いる場合は、その表示のための計量は取引における計量に該当しない。

証明における計量[編集]

「証明」の定義:公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明することをいう。(計量法第2条第2項) 「公に」、「業務上」、「一定の事実」、「真実である旨を表明すること」の解釈は以下のとおり。

「公に」とは: 公機関が、又は公機関に対して、であること。

「業務上」とは: 継続的、反復的であること。

「一定の事実」とは: 一定のものが一定の物象の状態の量を有すること。特定の数値で表されるのが一般的であるが、ある一定の水準に達したか、達していないかという事実も含まれる。

「真実である旨を表明すること」とは: 真実であることについて一定の法的責任等を伴って表明すること。参考値を示すなど、単なる事実の表明は該当しない。

取引又は証明に該当するもの・しないもの[編集]

具体的には、次のようなものが、「取引」に該当する。つまり、「計量の結果が契約の要件となる計量」である。

  • 物品の質量による計量販売(牛肉500グラム)
  • 物品の規格値による取引(10ニュートンの力に耐える木材)
  • 関係会社、協力会社を問わず、 他社又は他法人などとの、“有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為”[6]
  • 農家が庭先で農産物を販売する際の計量
  • 服地販売に際しての長さの計量
  • 倉庫に物品を保管する際の保管料算定のための長さ、体積の計量
  • 委託加工賃を物品の質量等によって決定する際の計量
  • 店舗の賃借料を決定する際の面積の計量
  • 内容量の表示(缶詰、びん詰め、ジュース等)
  • 契約書上での表示(○○○万円/m2など)
  • 仕様書(商取引に伴う表示)
  • 計量器への計量目盛、計量単位の付与[7]

具体的には、次のようなものが、「証明」に該当する[8][9]

  • 土地の登記のための測量
  • 工場などが都道府県に提出する排水量の計量
  • 製品の品質性能証明
  • 健康診断書に記載された体重測定結果
  • 自治体が一般に公表するために行う濃度等の計量
  • 国税庁が行う酒税賦課のためのアルコール濃度の計量

次のようなものは、「取引又は証明」に該当しない[10][11]

  • 計量の結果が外部に表明されない計量や契約の要件にならない計量
    • 工程管理における計量
    • 製造工程における内部的な計量
  • 研究所等で行う内部的な各種計量
  • 家庭内での計量(家事における計量)
  • 日曜大工などにおける計量
  • 銭湯に設置したはかりを使用しての計量(単なる自己の健康管理用)
  • 参考値の付与
  • 契約書に添付する参考資料
  • カタログ上の数値
  • 取扱説明書
  • 広告類
  • 新聞、テレビ等におけるニュース報道等
  • スポーツ、ゲームなど取引又は証明に関係の無い日常生活における単位の使用
  • 学術論文など学術研究における単位の使用
  • 学術書等の書物上での事実の表示
  • 学校教育において、教育上の観点から教育段階に応じて適当と判断されて定められた単位の使用
  • 友人間等での一回的な物品のやりとりの際に行う計量(業務上とは認めがたいもの)

取引又は証明に用いられない計量単位については、計量法の規制の対象とならないが、計量法の目的に照らせば非法定計量単位の使用が普及することは望ましくなく、法定計量単位を使用することが望ましい。

用途を限定する非SI単位[編集]

構成[編集]

  • 第1章 総則(第1条・第2条)
  • 第2章 計量単位(第3条―第9条)
  • 第3章 適正な計量の実施
    • 第1節 正確な計量(第10条)
    • 第2節 商品の販売に係る計量(第11条―第15条)
    • 第3節 計量器等の使用(第16条―第18条)
    • 第4節 定期検査(第19条―第25条)
    • 第5節 指定定期検査機関(第26条―第39条)
  • 第4章 正確な特定計量器等の供給
    • 第1節 製造(第40条―第45条)
    • 第2節 修理(第46条―第50条)
    • 第3節 販売(第51条・第52条)
    • 第4節 特別な計量器(第53条―第57条)
    • 第5節 特殊容器製造事業(第58条―第69条)
  • 第5章 検定等
    • 第1節 検定、変成器付電気計器検査及び装置検査(第70条―第75条)
    • 第2節 型式の承認(第76条―第89条)
    • 第3節 指定製造事業者(第90条―第101条)
    • 第4節 基準器検査(第102条―第105条)
    • 第5節 指定検定機関(第106条)
  • 第6章 計量証明の事業
    • 第1節 計量証明の事業(第107条―第115条)
    • 第2節 計量証明検査(第116条―第121条)
    • 第3節 特定計量証明事業(第121条の2―第121条の6)
    • 第4節 特定計量証明認定機関(第121条の7―第121条の10)
  • 第7章 適正な計量管理
    • 第1節 計量士(第122条―第126条)
    • 第2節 適正計量管理事業所(第127条―第133条)
  • 第8章 計量器の校正等
    • 第1節 特定標準器による校正等(第134条―第142条)
    • 第2節 特定標準器以外の計量器による校正等(第143条―第146条)
  • 第9章 雑則(第147条―第169条の2)
  • 第10章 罰則(第170条―第180条)
  • 附則
  • 別表第一(第3条関係)
  • 別表第二(第4条関係)
  • 別表第三(第4条関係)

資格[編集]

  • 計量士(一般、環境(騒音・振動、濃度))

引用[編集]

  1. ^ 表1 SI単位に係る計量単位
  2. ^ http://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/11_images/1.pdf
  3. ^ http://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/11_images/2-3.pdf
  4. ^ http://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/11_images/2-3.pdf
  5. ^ 2.取引又は証明における規制 経済産業省
  6. ^ 新計量法とSI化の進め方ー重力単位系から国際単位系(SI)へー p.28 付録1 Q&A、1. 取引・証明について、Q2/A2
  7. ^ 東京地裁 S39 年「計量器に非法定計量単位が示されているときは、その販売または販売のための所持は、~略~同法(旧計量法)10 条 1 項本文に違反するものと解するのが相当である」
  8. ^ 新計量法とSI化の進め方ー重力単位系から国際単位系(SI)へー p.3 2.適正な計量の実施、2.1適正な計量
  9. ^ 「取引・証明以外用」表示のあるはかりを使用する際はご注意下さい 群馬県、産業経済部計量検定所
  10. ^ 計量法の読み方 p.9、2-2-2具体的事例、高原隆、日本計量新報社
  11. ^ 新計量法とSI化の進め方ー重力単位系から国際単位系(SI)へー p.28 付録1 Q&A、1. 取引・証明について、Q1/A1

関連項目[編集]

外部リンク[編集]