この記事は検証可能 な参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。出典検索? : "力のモーメント" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2011年10月 )
古典力学
F
=
d
d
t
(
m
v
)
{\displaystyle {\boldsymbol {F}}={\frac {\mathrm {d} }{\mathrm {d} t}}(m{\boldsymbol {v}})}
運動の第2法則
歴史 (英語版 )
力のモーメント (ちからのモーメント、英語 : moment of force )とは、力学 において、物体に回転 を生じさせるような力 の性質を表す量である。力の能率 (ちからののうりつ)とも呼ばれる。また、明らかな場合は単にモーメント と呼ばれることもある。とくに機械などで固定された回転軸 をもつ場合、その回転軸のまわりの力のモーメントをトルク (torque )またはねじりモーメントと呼ぶ。
単位として通常はニュートンメートル (N m )が用いられる。
物体に2つの力が作用するとき、2つの力が釣り合う条件は
2つの力の大きさが等しい
2つの力の方向が反対
2つの力の作用線が一致する
1番目と2番目の条件は、力をベクトル として表したとき、力のベクトル和がゼロと表される。
3番目の条件は、力のモーメントを導入することで、モーメントの和がゼロと表される。
2つの力の作用線が一致していないとき、つまり、力のモーメントの和がゼロでないとき、物体は作用線を一致させるように回転する。
言い換えれば、力のモーメントは物体を回転させるような力の性質である。
物体を回転させるために必要な力の大きさは、力が作用する位置によって異なり、回転中心からの作用線の距離に反比例する(てこの原理 )。
力のモーメントを作用線の距離に比例するように定義することで、等しい力のモーメントに対して物体は同じように回転する。
従って、力のモーメントは一次のモーメント である。
物体に3つ以上の力が作用するとき、それらの力が釣り合う条件は、力のベクトル和とモーメントの和がそれぞれにゼロとなることである。
力のベクトル和がゼロであるが、モーメントがゼロでないような力はとくに偶力 と呼ばれる。
一般に、力のモーメントは中心をどこに選ぶかによって変わる。
しかし、作用する力のベクトルの和がゼロであるときは中心の選び方によらない。
つまり、釣り合い条件はモーメントの中心の選び方によらない。
また、偶力はモーメントの中心の選び方によらない。
物体に作用する2つの力の系で、力のベクトルの和とモーメントの和がそれぞれに等しいとき、それらは等価である。
変形が無視できる剛体 に作用する等価な力の系は同等で、それぞれ置き換えることができる。
特に、一点に集中して作用する力と偶力の系に置き換えることができる。
適当な点 P のまわりの力のモーメントは、力を F 、力の作用点 の点 P からの位置 を r とすれば
N
=
r
×
F
{\displaystyle {\boldsymbol {N}}={\boldsymbol {r}}\times {\boldsymbol {F}}}
で定義される。ここで × はベクトル積 である。従って、力のモーメントの大きさは
N
=
r
F
sin
θ
{\displaystyle N=rF\sin \theta }
となる。ここで θ は F と r のなす角である。作用線の点 P からの距離を d とすれば、d = r sinθ であり、N = Fd となる。また、力のモーメントは作用線と点 P を含む平面と直交し、向きはフレミングの右手の法則 で定まる。従って、大きさが等しい力で、作用点が同一の作用線上にあれば、それらの力のモーメントは等しい。
これはベクトルの計算によっても導くことができる。作用線に沿って作用点の位置を r' = r + a と移動したとき、力のモーメントは
N
′
=
r
′
×
F
=
r
×
F
+
a
×
F
=
N
+
a
×
F
{\displaystyle {\boldsymbol {N}}'={\boldsymbol {r}}'\times {\boldsymbol {F}}={\boldsymbol {r}}\times {\boldsymbol {F}}+{\boldsymbol {a}}\times {\boldsymbol {F}}={\boldsymbol {N}}+{\boldsymbol {a}}\times {\boldsymbol {F}}}
となる。しかし、作用線に沿って動かしているので a は F と平行で、第二項はゼロとなり力のモーメントは変化しない。
モーメント中心の移動 [ 編集 ]
力のモーメントは、どの点のまわりで考えるかによって変化する。物体に複数の力が作用しいるとき、その物体に作用する力のモーメントは全ての力のモーメントのベクトルとしての和となるが、和をとる場合には同じ点のまわりのモーメントを考える必要がある。
点 P から位置ベクトル q で表される点 Q を考える。
点 Q のまわりのモーメントは
N
Q
=
∑
i
(
r
i
−
q
)
×
F
i
=
∑
i
r
i
×
F
i
−
q
×
∑
i
F
i
=
N
P
−
q
×
∑
i
F
i
{\displaystyle {\boldsymbol {N}}_{\text{Q}}=\sum _{i}({\boldsymbol {r}}_{i}-{\boldsymbol {q}})\times {\boldsymbol {F}}_{i}=\sum _{i}{\boldsymbol {r}}_{i}\times {\boldsymbol {F}}_{i}-{\boldsymbol {q}}\times \sum _{i}{\boldsymbol {F}}_{i}={\boldsymbol {N}}_{\text{P}}-{\boldsymbol {q}}\times \sum _{i}{\boldsymbol {F}}_{i}}
となる。モーメント中心の移動によるモーメントの変化量は、中心の移動量と、作用する力のベクトル和によって定まる。特に、作用する力のベクトル和がゼロならば、モーメントは中心の選び方によらない。
運動方程式 [ 編集 ]
物体の慣性モーメント I 、角加速度 α、力のモーメント N の間には、ニュートンの運動方程式 とよく似た関係が成り立つ。
I
α
=
N
.
{\displaystyle I{\boldsymbol {\alpha }}={\boldsymbol {N}}.}
回転運動と直線運動 [ 編集 ]
回転運動に関する量のあいだには、直線運動で成り立つ法則に対応する類似の法則を見出すことができる。というよりも法則が似るように回転運動での量を定義したのである。したがってトルクは力ではなく力のモーメントであり、慣性モーメントは質量に距離の2乗をかけたものである。対応する量は次元 からみて別のものであることに注意する必要がある。
回転運動と並進運動の対応一覧
量
回転運動
並進運動
力学変数
角度
θ
{\displaystyle {\boldsymbol {\theta }}}
位置
r
{\displaystyle {\boldsymbol {r}}}
一階微分
角速度
ω
=
d
θ
d
t
{\displaystyle {\boldsymbol {\omega }}={\frac {d{\boldsymbol {\theta }}}{dt}}}
速度
v
=
d
r
d
t
{\displaystyle {\boldsymbol {v}}={\frac {d{\boldsymbol {r}}}{dt}}}
二階微分
角加速度
α
=
d
ω
d
t
{\displaystyle {\boldsymbol {\alpha }}={\frac {d{\boldsymbol {\omega }}}{dt}}}
加速度
a
=
d
v
d
t
{\displaystyle {\boldsymbol {a}}={\frac {d{\boldsymbol {v}}}{dt}}}
慣性
慣性モーメント
I
{\displaystyle I}
質量
m
{\displaystyle m}
運動量
角運動量
L
=
r
×
p
{\displaystyle {\boldsymbol {L}}={\boldsymbol {r}}\times {\boldsymbol {p}}}
運動量
p
=
m
v
{\displaystyle {\boldsymbol {p}}=m{\boldsymbol {v}}}
力
力のモーメント
N
=
r
×
F
{\displaystyle {\boldsymbol {N}}={\boldsymbol {r}}\times {\boldsymbol {F}}}
力
F
{\displaystyle {\boldsymbol {F}}}
運動方程式
d
L
d
t
=
N
{\displaystyle {\frac {d{\boldsymbol {L}}}{dt}}={\boldsymbol {N}}}
d
p
d
t
=
F
{\displaystyle {\frac {d{\boldsymbol {p}}}{dt}}={\boldsymbol {F}}}
運動エネルギー
1
2
I
ω
2
{\displaystyle {\frac {1}{2}}I\omega ^{2}}
1
2
m
v
2
{\displaystyle {\frac {1}{2}}mv^{2}}
仕事
N
⋅
Δ
θ
{\displaystyle {\boldsymbol {N}}\cdot \Delta {\boldsymbol {\theta }}}
F
⋅
Δ
r
{\displaystyle {\boldsymbol {F}}\cdot \Delta {\boldsymbol {r}}}
仕事率
N
⋅
ω
{\displaystyle {\boldsymbol {N}}\cdot {\boldsymbol {\omega }}}
F
⋅
v
{\displaystyle {\boldsymbol {F}}\cdot {\boldsymbol {v}}}
ダンパー とばね に発生する力を 考慮した運動方程式
I
α
+
c
ω
+
k
θ
=
N
{\displaystyle I\alpha +c\omega +k\theta =N}
m
a
+
c
v
+
k
x
=
F
{\displaystyle ma+cv+kx=F}
慣性力と力のモーメントの関係 [ 編集 ]
慣性力は見かけの力であり、慣性の法則が働いているために物体が観測者の進行方向と逆向きに置いていかれる現象であり、実際に力が加わっていないためにモーメントは起こり得ないとされている。しかし、これには例外もあり、加速している物体(物体1とする)とその上に乗せた物体(物体2とする)との間で摩擦力が働いているときに限り、慣性力の力のモーメントが働く。これは物体2の底面が摩擦力が働き、慣性の法則により物体1から置いていかれるのを防ぎ物体1と同様の物体として運動するとみなせる一方で物体2の上部は直接摩擦力が加わっていなく、また、底面と太い棒でつながっているに過ぎないため、物体2の上部が慣性の法則により加速度と逆向きに置いていかれるため、それを物体1に接着している物体2の底辺が引っ張る形になり、これが向心力になるため物体2は回転してしまう。また、この回転の動きを阻止するのが重力であり、この慣性力は向心力と同じ大きさのため、慣性力と重力のモーメントで表すことができる。
関連項目 [ 編集 ]
古典力学 のSI単位
線形・直線運動の量
角度・回転運動の量
次元
—
L
L2
次元
—
—
—
T
時間 : t s
absement : A m s (英語版 )
T
時間 : t s
—
距離 : d , 位置 : r , s , x , 変位 m
面積 : A m2
—
角度 : θ , 角変位 (英語版 ) : θ rad
立体角 : Ω rad2 , sr
T−1
周波数 : f s−1 , Hz
速さ (速度の大きさ): v , 速度 : v m s−1
動粘度 : ν ,比角運動量 (英語版 ) : h m2 s−1
T−1
周波数 : f s−1 , Hz
角速度(の大きさ): ω , 角速度 : ω rad s−1
T−2
加速度 : a m s−2
T−2
角加速度 : α rad s−2
T−3
躍度 : j m s−3
T−3
角躍度 : ζ rad s−3
M
質量 : m kg
M L2
慣性モーメント : I kg m2
M T−1
運動量 : p , 力積 : J kg m s−1 , N s (英語版 )
作用 : 𝒮 , actergy : ℵ kg m2 s−1 , J s (英語版 )
M L2 T−1
角運動量 : L , 角力積: ΔL kg m2 s−1
作用: 𝒮 , actergy: ℵ kg m2 s−1 , J s
M T−2
力 : F , 重さ : F g kg m s−2 , N
エネルギー : E , 仕事 : W kg m2 s−2 , J
M L2 T−2
トルク : τ , 力のモーメント : M kg m2 s−2 , N m
エネルギー: E , 仕事: W kg m2 s−2 , J
M T−3
yank : Y kg m s−3 , N s−1
仕事率 : P kg m2 s−3 , W
M L2 T−3
rotatum : P kg m2 s−3 , N m s−1
仕事率: P kg m2 s−3 , W