エシカル

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エシカル(ethical)とは、「倫理的」「道徳上」という意味の形容詞である。近年は、英語圏を中心に倫理的活動を「エシカル(ethical)○○○○」と表現し、エシカル「倫理的=環境保全や社会貢献」という意味合いが強くなっている[1]。身近な倫理的活動としては、主にエシカルコンシューマリズムが挙げられる。

用語[編集]

エシカルコンシューマリズム[編集]

エシカルコンシューマリズムとは、「動物や環境や人や社会に配慮した工程・流通で製造された商品を選択し、そうでないものを選択しない」という消費活動である[2]。エシカルコンシューマリズムの内、最も注目されている商品カテゴリには、エシカルファッションが挙げられる[1]

エシカルコンシューマー[編集]

倫理的消費者という意味で、「人権に配慮した商品を買うこと」「動物に配慮した商品を買うこと」「寄付金付き商品を買うこと」などを行う消費者をエシカルコンシューマーと呼ぶ[3]。1989年に英国で創刊された「エシカル・コンシューマー」(Ethical Consumer)という雑誌がこの運動の発祥と言われる。消費者向けに、各企業が人権、動物の権利、環境、持続可能性、および政治的活動の分野において、どれだけエシカルな取り組みをしているかの情報を提供する[4]

エシカルファッション[編集]

以下のような過程で作られた衣類、ファッション雑貨やアクセサリー及びそれらを重視したスタイルを、エシカルファッションと呼ぶ。

  1. 素材の選定、購入において、テキスタイルであればオーガニックコットンや天然染料のものを使う、皮革であれば食肉の副産物を利用する、浄化システムを完備した工場で作られた素材を使う、金具パーツであれば紛争の資金源になるようなメタルは使わないなど。
  2. 企画・デザインにおいて、材料の無駄がでないようなデザインを心がける、大量生産や廃棄を促進するファストファッションではなく、定番のアイテムを企画・デザインするなど。
  3. 製造において、フェアトレード(最低価格の保証、フェアトレード・プレミアムの支払い、長期的な安定した取引、前払い、児童労働・強制労働の禁止、安全な労働環境、民主的な運営、労働者の人権を守るなど)や環境負荷の低減(CO2や水を大量使用しない、毒性の高い成分を河川や大地などに排出しないなど)などに配慮する、手仕事や伝統技法を多用するなど。

エシカルファッションのルーツは60年代頃に生まれたヒッピーファッション、自然派ファッションに遡る。言葉としては2004年にフランスのパリで開催された「エシカルファッションショー」で使用されたのが最初と言われている。その後欧米を中心に急速に普及してきたが、2013年のラナプラザ崩壊事故により世界的に大きなムーブメントとなる。ラナプラザ崩壊事故とは、バングラディシュで、縫製工場の入ったビルが倒壊し1129人が死亡した産業事故。この縫製工場では多くの世界的に有名なブランドの製品が作られていたが、ブランド側は彼らの劣悪な労働環境を把握しておらず、そのため事故責任も果たそうとしなかった。[5]同様に、フェアトレードを自称しているブランドでも、フェアトレード認証を持った海外の工房から買い付けをしているだけで、自社工房を持っているわけでも現地に自社駐在員を派遣しているわけでもなく、実際の現地の労働環境は把握できていないというブランドは未だに多く問題となっている。[6]

様々な課題は抱えつつも、次世代のファッションのあり方として確実に注目を集めており、市場規模は世界的に成長している。日本においてはまだまだ市場が大きいとはいえないが、これらのコンセプトにのっとったブランドが少しずつ出はじめ、注目されている[7]

エシカルジュエリー[編集]

エシカルファッションのうち、特にジュエリーをエシカルジュエリーとカテゴライズすることもある。人や社会・自然環境に配慮をした素材(フェアトレードやリサイクルの素材)を使用して作られる[8][9]紛争ダイヤモンドなど紛争の引き金となる素材を使用しないことや、採掘や生産の過程において不当に低賃金な労働や児童労働が存在していない鉱物を使用したジュエリーのことを指す[10]。また、「負の要素」のないジュエリーとして、結婚指輪等の記念的な用途にも用いられる。

エシカルヒーロー[編集]

自分の利益を犠牲にしても倫理的に正しいことを行い賞賛される人物をエシカルヒーロー[11]と呼ぶ。

エシカルハッカー[編集]

高い倫理観と道徳心を兼ね備え、高い技術を持ったハッカーのことをエシカルハッカー(またはホワイトハッカー)[12]と呼ぶ。

エシカルインベストメント[編集]

エシカルの概念を判断材料に採り入れた投資手法[1][3]。この考え方で設定されたファンドをエシカルファンド[13]と呼び、エコファンド等と共に、SRI(社会的責任投資)の一形態とされる。

エシカルビューティー[編集]

美容を通じて社会や環境に配慮する考え方で「ヘアー、ネイル、メイク、ファッション、フード」などすべてを通じて女性が美しくなる過程で その行為が環境と社会に配慮したものであるという考え方。佐藤公祥氏発足による美容師が発信するエシカルな活動[14]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 時代を読む新語辞典”. 「エシカル」. 日経BP (2008年3月4日). 2011年9月29日閲覧。
  2. ^ http://www.ethicalconsumer.org/shoppingethically/ourethicalratings.aspx
  3. ^ a b ビジネス用語辞典”. 「エシカル」. Wisdom (2011年6月2日). 2011年9月29日閲覧。
  4. ^ エシカル・コンシューマー『Our Ethical Ratings』
  5. ^ 【声明】バングラデシュ 「ラナプラザ」後も続く低価格競争のなか、縫製工場の搾取的労働が今も続いている
  6. ^ フェアトレードのおかしな真実(英治出版)
  7. ^ Movement”. 日本人発信のエシカルムーブメント. My Lohas (2011年7月27日). 2012年12月31日閲覧。
  8. ^ msn 産経ニュース”. エシカルジュエリー、大丸神戸店に期間限定で出店. 産経新聞・産経デジタル (2011年9月5日). 2011年9月29日閲覧。
  9. ^ msn 産経ニュース”. エシカルジュエリー 労働・環境に配慮…途上国支援. 産経新聞・産経デジタル (2012年2月20日). 2012年2月20日閲覧。
  10. ^ International Development News”. ジュエリーの輝きに紛争も搾取もいらない 〜エシカルジュエリーを通じたビジネスの可能性に挑む. Devex (2009年7月31日). 2011年9月29日閲覧。
  11. ^ Inspire Magazine”. Vote for your Ethical Hero. Observer. 2011年9月29日閲覧。
  12. ^ Cyber Ssecurity”. 米国、韓国等におけるハッキングコンテストの概要. 経済産業省 商務情報政策局 (2011年3月3日). 2011年9月29日閲覧。
  13. ^ 金融経済用語集”. 「エシカルファンド」. iFinance. 2011年9月29日閲覧。
  14. ^ 「一般社団法人エシカルビューティー協会」から引用

関連項目[編集]

外部リンク[編集]