土壌流出
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土壌流出(どじょうりゅうしゅつ)とは、地面の傾斜や風などの影響によって表面の土壌が流亡する現象のことである。土壌侵食とも[1]。アメリカ合衆国の畑作でしばしば問題視され、1トンの小麦を生産する際に約1トンの肥沃な土壌が流失していると言われている。
土壌侵食は、作用する営力によって大きく水食と風食に分けられる。とくに水食では、裸地化した土壌がまず雨滴の衝撃で分散し、その後に生じる薄い地表流によって表層が一様に失われる面状侵食が起こる。さらに流水が集中するとリルが形成され、これが発達するとガリーへ移行するため、土壌侵食は「表土の一様な剥離」から「溝状の侵食」へと段階的に進む現象として理解できる[2]。
日本の森林モニタリングでも、土壌侵食の痕跡として土柱、リル、ガリーの有無が記録されており、落葉や下草などによる地表被覆の低下は侵食痕の出現率の上昇と強く関係するとされる[3][4]。そのため、土壌侵食は単に「土が流れる」現象ではなく、降雨や風だけでなく、地表の被覆状態や土地利用のあり方によって進行のしやすさが大きく変わる過程として捉える必要がある[2][4]。
土壌流出の量は農法や地形等によって変化する。また、土壌流失は森林の伐採や過度の放牧などにより、地表を覆っていた植物層が失われ、地表が露出した場合に、雨や風の影響を受けて発生する。このことは浸食作用を受けやすい山地において著しく、保水力の低下や下流域での洪水の要因になるとともに、世界の5分の1から3分の1に及ぶ地域での農地の生産性低下の原因になっているとみられている。これらを防ぐために等高線状に耕地を造成する等高線耕作や防風林造成などによって対策がとられることもあるが、しばしば放棄され大規模に砂漠化(土漠化)することも多い。
出典
[編集]- ↑ “環境用語集:「土壌侵食」|EICネット”. 一般財団法人環境イノベーション情報機構 (2009年10月14日). 2023年4月15日閲覧。
- 1 2 佐久間, 敏雄「土壌侵食による生産機能の劣化と環境影響」『環境科学会誌』第8巻第1号、1995年、93-102頁、doi:10.11353/sesj1988.8.93。
- ↑ “土壌侵食の状況”. 林野庁. 2026年3月18日閲覧。
- 1 2 “森林モニタリングの土壌侵食調査手法を海外普及に向けて発信” (PDF). 森林総合研究所 (2013年). 2026年3月18日閲覧。