国連軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

国際連合軍(こくさいれんごうぐん、: United Nations Forces)は、国際連合安全保障理事会(安保理)の決議によって組織された国際連合の指揮に服する軍隊を指す。

概要[編集]

国際連合憲章第7章においては、平和に対する脅威に際して、軍事的強制措置をとることができると定められている。憲章第42条で、安全保障理事会は国際の平和と安全を維持または回復するために必要な行動をとることができると規定されている。憲章第43条に従ってあらかじめ安全保障理事会と特別協定を結んでいる国際連合加盟国がその要請によって兵力を提供することになっており、安全保障理事会が当該兵力を指揮する。憲章第46条により安全保障理事会は軍事参謀委員会の援助により、兵力使用の計画を作成し、憲章第47条3項により軍事参謀委員会が兵力の指揮に関して助言する。これまで、この兵力提供協定を結んでいる国がないため、国際連合憲章第7章に基づく、安保理が指揮する国連軍が組織されたことはこれまで一度もない。

日本と朝鮮戦争における特殊な国連軍[編集]

日本は、1953年7月27日朝鮮戦争休戦協定の発効を受けて1954年2月19日アメリカ合衆国(米国)・イギリス(英国)・フランスなど9ヶ国と「日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定」(国連軍地位協定)を結んでいる(のちにタイ王国も加わり10ヶ国となる[1][2][3][4][5])。同協定は同年6月11日に発効している。

2014年1月現在、国連軍に認められた後方司令部の構成国は、米国、英国、フランス、オーストラリアニュージーランドフィリピン、タイ、韓国、トルコの8か国である[6][7]

1957年7月、同協定に基づきアメリカ太平洋軍第8軍司令部隷下の在日米陸軍・国連軍・第8軍後方司令部としてキャンプ座間に「後方司令部」が設置され、1959年3月、第8軍後方司令部の役割を解除されて「在日米陸軍・国連軍後方司令部」となり、2007年11月1日横田飛行場に移転した。司令部には、司令部要員として4名が常駐しているほか、各国大使館駐在武官の兼務を含めて23人の連絡将校団が常駐。3~4ヵ月に1回程度の頻度で情報交換のための非公式会合を行っている[8]

同協定第24条によれば、国連軍後方司令部は朝鮮半島から国連軍が撤退するまで有効で、国連軍撤退が完了したのち90日以内に日本から撤退しなければならない。

在日米軍基地のうち、座間と横田を含めた次の7カ所が協定に基づく国連軍施設に指定されている。

  1. キャンプ座間
  2. 横須賀海軍施設
  3. 佐世保海軍施設
  4. 横田飛行場
  5. 嘉手納飛行場
  6. 普天間飛行場
  7. ホワイト・ビーチ地区(沖縄県うるま市

現在も、必要に応じて国連軍参加各国が国連軍基地を使用している。国会答弁等から分かる使用実績は次の通り。

  • (1997-1999年)艦船7隻、航空機23機が寄港・飛来[9]
  • (2000-2002年)艦船寄港21回、航空機着陸10回を記録[10]
  • (2006年,2009年)北朝鮮の核実験に際して、大気観測を行う英軍機VC10が国連軍地位協定を活用して嘉手納空港を補給等のために使用[11]
  • (2007年)嘉手納で米豪共同訓練を実施[12]

そのほか、2014年にはフランス海軍フリゲート艦プレリアルが、沖縄の米海軍基地をはじめ日本の各地に寄港している[13]

国連軍の歴史[編集]

国連軍の歴史は、1950年の朝鮮戦争と、それ以降の平和維持活動における平和維持軍に大別することができる。詳細は、朝鮮戦争平和維持活動のページに紹介されている。なお、安全保障理事会および総会の決議により各国が自発的に派遣した軍隊の連合(多国籍軍)は、国連軍ではないため注意が必要である。

所謂第二次世界大戦で戦った連合国軍も当時U.N.Forceと呼ばれたが国連軍とは区別される(国際連合が正式に発足したのは大戦終結後の1945年10月である)。

登場作品[編集]

  • 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- - 第1話冒頭で霧の艦隊と「国連軍最終決戦艦隊」の戦闘が描かれている。なお、原作にこのシーンは存在しない。
  • アフターバーナー クライマックス - 国連傘下の軍事組織「G.H.O.S.T.」が登場。G.H.O.S.T.内の特殊航空部隊が主役となる。
  • アルジェントソーマ - 陸海空軍のほかに宇宙軍が存在するほか、内部に対エイリアン組織である「フューネラル」が編成されている。
  • 宇宙戦艦ヤマト2199 - 国連傘下の軍事組織として「国連統合軍」が登場。作中には主にその下部組織である「UNCN(国連宇宙海軍)」が登場している。
  • ウルトラマン80 - 作中に登場する国連直轄の地球防衛軍の正式名称は「UNDA(United Nations Defence Army)」となっている。
  • ウルトラマンガイア - 国連と科学者集団アルケミー・スターズが共同で設立した軍事組織「G.U.A.R.D.」が登場する。
  • A-JAX - 国連軍内の特殊戦闘部隊「A-JAX」が主役となる。
  • エースコンバット3 エレクトロスフィア - NUN(新国際連合)傘下の治安維持対策機構として、独自の軍事力を備えた「UPEO」という組織が登場する。
  • エースコンバット インフィニティ - UNFという名称で登場し、キャンペーンモードにおいてはリッジバックス隊が存在する(のちに民間軍事会社「アローズ社」所属のボーンアロー隊と合同で「アローブレイズ」が結成される)。また、オンライン協同戦役及びチームデスマッチにおいて臨時編成部隊のアルファ隊・ブラボー隊がプレイヤーの所属部隊となる。
  • 終りなき戦い - 異星人トーランの襲撃から太陽系外への移民船団を護衛すべく結成された「UNEF(国連探検軍)」が登場する。
  • 火星三部作 - 各国軍を吸収した組織となっており、下部組織として地球復興間の治安維持を担当する「UNAG(国連アドバンスドガード)」が存在する。
  • 機動戦士ガンダム00 - 1stシーズンに登場。架空の国家連合であるユニオン、AEU、人類革新連盟(人革連)が統合したもので、2ndシーズンより地球連邦軍に改名。
  • ケツイ〜絆地獄たち〜 - 国連軍とは名言されていないが、巨大兵器メーカーEVAC社への武力介入を目的とした国連主導の特殊戦闘部隊が主役となる。
  • 航空宇宙軍史 - 作中に登場する「航空宇宙軍」は、国連軍と同様に国連安全保障理事会傘下の航空宇宙軍小委員会の下に設立されたものとされている。
  • サブマリン707R - 海洋の平和維持を目的とした国連直轄の「PKN(平和維持海軍)」が登場。なお、原作にはPKNに相当する組織として「P.S.G.」という国際組織が登場する。
  • サンダーバード - 第26話「海上ステーションの危機」に登場。
  • 重鉄騎 - 半導体が全滅した世界において、半導体を使用しない旧式兵器を多数保有するアジアの大国が主体になっている。
  • JSA
  • 新海底軍艦 - 地空人の侵攻に対応すべく、「国連軍特別平和維持部隊」の艦隊が南極に展開する。
  • 新世紀エヴァンゲリオン - セカンドインパクト発生を受け、戦略自衛隊を除く各国軍の戦力を吸収して発足した組織として登場する。
  • 戦闘妖精・雪風 - 本作に登場する、異星体ジャムに対抗すべく結成された「フェアリィ空軍(FAF)」は、国連地球防衛機構の下部組織とされている。また、FAFとは別に、超空間通路が出現した南極圏を国連軍艦隊が監視している。
  • 蒼穹のファフナー - フェストゥム殲滅のために「新国連」の下に各国軍を統合した「NUNHF(新国連人類軍)」(通称・人類軍)という軍事組織が登場する。
  • ZONE OF THE ENDERS - 「UNSF(国連宇宙軍)」として登場。
  • タイドライン・ブルー - 国連に代わる国際機関「新国連」傘下の軍事組織として「新国連軍」が登場する。
  • 太陽の簒奪者 - 地球外知的生命体リング・ビルダーとの接触に備え、本来通りの国連安全保障理事会統括下にある組織として設立された「UNSDF(国連宇宙防衛軍)」が登場する。
  • 地球移動作戦 - 「UNSF(国連宇宙軍)」として登場。
  • 地球防衛企業ダイ・ガード - 「国連安全保障軍」(通称・安保軍)の名で登場。民間防衛・警備企業の「21世紀警備保障株式会社」に出資しているほか、自衛隊を指揮下に置いている。
  • 地球防衛軍 - 本作に登場する「地球防衛軍」は、対ミステリアン戦のために国連の下に各国が合同で結成したものであり、予告編では「国連軍」とされている。
  • 超時空戦艦まほろば - 機動帝国「怒国」の傀儡的な組織として描かれている。
  • 沈黙の艦隊 - 正確には国連に派遣された深町ら海上自衛隊員4人。
  • 鉄腕アトム - 「ロボット宇宙艇の巻」に登場。ガンガラ島に設けられた監視基地がブロンズ共和国艦隊の奇襲を受ける。
  • トリコ
  • トンマッコルへようこそ
  • ノー・マンズ・ランド - UNPROFORが登場する。
  • Project BLUE 地球SOS - 州軍を除く各国軍を吸収している組織として登場。なお、本作に登場する国連マークは現実のものとは異なる。
  • 平成ゴジラシリーズ - 国連G対策センターの傘下にある軍事組織「Gフォース」が登場する。
  • HALOシリーズ - 本作に登場する軍事組織「UNSC(地球軍)」は、「国連宇宙司令部」とも呼ばれる。
  • ほしからきたもの。 - 異星人による侵略に対抗すべく結成された「国連宇宙軍(UNSF)」が登場する。
  • ほしのこえ - 地球外知的生命体タルシアンの探索を目的として結成された「国連宇宙軍」が登場する。
  • 星を継ぐものガニメデの優しい巨人巨人たちの星 - UNSSEP(国連太陽系探査計画)遂行のために設立された「UNSA(国連宇宙軍)」が登場。各国正規軍解散後に設立された組織だが、軍よりも宇宙機関的な面が強い。
  • ホテル・ルワンダ
  • マブラヴマブラヴ オルタネイティヴ - 対BETA戦のために、本来通りに国連安全保障理事会指揮下に発足した「国連統合軍」が登場。各方面軍のほかに「国連統合海軍」と「国連宇宙総軍」が存在する。
  • マーセナリーズ - 内戦状態の北朝鮮にて「国家連盟(AN)」傘下の軍事組織として「国家連盟軍」がPKOを行っている。
  • 見知らぬ明日 - 宇宙人の侵略を受けて国連傘下に設立された、既存の国連軍制度を大幅に上回る武力を指揮下に納める「大国連軍」が登場する。
  • ムーの白鯨
  • メタルブラック - 本作に登場する軍事組織は名称こそ不明だが、ネメシスに対抗すべく国連安全保障理事会によって各国に残存する陸海空軍の指揮系統が一本化されたものとされている。
  • 惑星大戦争 - 国連宇宙局傘下の軍事組織「UNSF(宇宙防衛軍)」が登場する。

脚注[編集]

  1. ^ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S38-P1-3_1.pdf
  2. ^ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S38-P1-3_2.pdf
  3. ^ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S38-P1-3_3.pdf
  4. ^ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S38-P1-3_4.pdf
  5. ^ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S38-P1-3_5.pdf
  6. ^ http://www.yokota.af.mil/news/story.asp?id=123378294
  7. ^ http://www.yokota.af.mil/shared/media/document/AFD-150924-004.pdf
  8. ^ 第145回国会参議院日米防衛協力のための指針に関する特別委委員会会議録-5号, 1999年5月12日, p41
  9. ^ 第145回国会参議院日米防衛協力のための指針に関する特別委委員会会議録-5号, 1999年5月12日, p41
  10. ^ 第156回国会衆議院沖縄及び北方領土問題に関する特別委員会会議録-2号, 2003年2月25日, p24
  11. ^ 第171回国会参議院外交防衛委員会-16号, 2009年6月4日, p9
  12. ^ Kadena Air Base, "Base Hosts 1st RAAF training in Japan," 10/11/2007. <[1]
  13. ^ http://www.ambafrance-jp.org/article7618

関連項目[編集]

外部リンク[編集]