ロジスティクス

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ロジスティクス: logistics[† 1])とは、原材料調達から生産販売に至るまでの物流、またはそれを管理する過程

定義[編集]

ロジスティクスは、たとえば以下のように定義される。

ロジスティクスとは、サプライチェーンプロセスの一部であり、顧客の要求を満たすため、発生地点から消費地点までの効率的・発展的な「もの」の流れと保管サービス、および関連する情報計画、実施、およびコントロールする過程である[1]

ロジスティクスは、物流において生産地から消費地までの全体最適化を目指す。

歴史[編集]

もともとロジスティクスは兵站を表す軍事用語であり、経済活動におけるロジスティクスはビジネス・ロジスティクスとも言われ、区別されることもある。

ロジスティクスの研究はマーケティングの研究の一部として発展してきた。2000年ダグラス・M・ランバート米国におけるロジスティクス研究の歴史をまとめた。以下はその引用である。

  • 1901年 - 農産物流通におけるコストとその他の要因を論じる書籍の出版。
  • 1916年 - ロジスティクスの戦略的な側面を論じる書籍の出版。
  • 1916年 - マーケティングと流通チャネルコンセプトを紹介する書籍の出版。
  • 1922年 - 物流と物の所有権の移動に影響を与えるものとしてマーケティングが紹介されている書籍の出版。
  • 1927年 - 現在使われているような意味でロジスティクスの定義付けが行われた。
  • 1950年代 - マーケティングのコンセプトの発達。
  • 1954年 - ビジネス界と教育界の権威がその著作『The other half of marketing』にてマーケティングにおける物流 (Phisical distribution) の側面を調査する必要性を唱える書籍を出版。
  • 1956年 - ロジスティクスにおけるコスト分析のコンセプトを紹介する書籍の出版。
  • 1960年代初期 - ロジスティクスマネジメントのコンセプトの企業による実践を紹介するレポートの出版。
  • 1960年代初期 - ミシガン州立大学オハイオ州立大学でロジスティクスの教育開始。
  • 1961年 - 物流 (Phisical distribution) の初期のテキスト出版。
  • 1962年 - ピーター・ドラッカーが雑誌記事「経済の暗黒大陸」でロジスティクスを論じる。
  • 1963年 - 業界団体「National Council of Physical Distribution」発足。(現CSCMP)
  • 1969年 - Donald J. Bowersox がその著作で歴史的な視点からロジスティクスマネジメントを論じる。
  • 1972年 - ロジスティクスの成功における会計情報の重要性を論じる論文の出版。
  • 1976年 - Douglas M. Lambert がロジスティクス費用の構成要素と在庫コストの計算を論じる論文を出版。
  • 1976年 - Bernard J. Ladonde 等が米国企業の顧客サービスの評価方法を論じる論文を出版。
  • 1978年 - A. T. Kearney (コンサルティング会社)が物流 (Physical distribution) の効率性測定を論じるレポートを発表。
  • 1970年代1980年代 - MRP, MRPII, DRP, DRPII, Kanban, Just-in-time 等の技術の発達。
  • 1970年代末期~1980年代初期 - 空運陸運鉄道海運業界の規制緩和
  • 1980年代 - ロジスティクス管理におけるコンピュータの利用増加。
  • 1984年 - ハーバード・ビジネス・レビューでロジスティクスの重要性が論じられる。
  • 1985年 - マイケル・ポーターバリュー・チェーンにおけるロジスティクスの役割を論じる。
  • 1987年 - 米国議会による Malcolm Caldrige National Quality Award の創設。

ロジスティクスのフレームワークス[編集]

ランバート(2000)はロジスティクス活動として以下の14点を挙げる。

物流は各ノード(工場や倉庫や小売店)間の輸送、保管、荷役、包装、流通加工、物流情報処理を表す下位概念である。

日本におけるロジスティクス[編集]

日本におけるロジスティクス研究は米国に比べると10年以上の開きがあると言われている。代表的な研究機関は、流通経済大学流通情報学部及び同大学院物流情報学研究科や、東京海洋大学海洋工学部流通情報工学科、日本通運子会社シンクタンクの、日通総合研究所早稲田大学のネオ・ロジスティクス共同研究会、海洋ロジスティクス科学講座を持つ神戸大学大学院海事科学研究科など。また、普及振興等を図る組織として日本ロジスティクスシステム協会がある。資格試験としては、ビジネス・キャリア検定試験のロジスティクス分野[2]がある。

ロジスティクスの学会[編集]

国際ロジスティクス学会(The International Society of Logistics)(SOLE)が組織され、年1回アメリカ合衆国で総会があり、日本にも日本支部がある[3][4]

上記とは別に一般社団法人 日本ロジスティクスシステム学会が存在する。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 英語発音: [ləˈdʒɪstɪks]スティクス

出典[編集]

  1. ^ これは Council of Logistics Management の定義であり、原文は以下。 Logistics is that part of the supply chain process that plans, implements, and controls the efficient, effective flow and storage of goods, services and related information from the point of origin to the point of consumption in order to meet customers' requirements.
  2. ^ 「ロジスティクス」分野の仕事 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
  3. ^ 国際ロジスティクス学会[SOLE日本支部報告]
  4. ^ グローバル対応の統合輸配送管理システムの講演会

参考文献[編集]

  • M.v.クレヴェルト著、『補給戦;ナポレオンからパットン将軍まで』、佐藤佐三郎訳、原書房、1981年
  • W・Gパゴニス 『山・動く―湾岸戦争に学ぶ経営戦略』、同文書院インターナショナル、1992年
  • 谷光太郎 『ロジスティクス-戦史に学ぶ物流戦略』、同文書院インターナショナル、1993年 ISBN 978-4810380194
  • D・J・バワーソックス他著、松浦春樹・島津誠訳、『サプライチェーン・ロジスティクス』 朝倉書店、2004年

関連項目[編集]