クマタカ
クマタカ | ||||||||||||||||||||||||
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![]() クマタカ Nisaetus nipalensis
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保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ![]() * ワシントン条約附属書II
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Nisaetus nipalensis (Hodgson, 1836) | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
クマタカ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Mountain Hawk-eagle |
クマタカ(角鷹、熊鷹、鵰、Nisaetus nipalensis)は、鳥綱タカ目タカ科クマタカ属に分類される鳥。遺伝的背景に基づき、かつてクマタカが含まれていたSpizaetus属は中南米の2種のみを含む属となり、本種を含む残り7種はNisaetus属として独立した。[1]
分布[編集]
- 亜種 クマタカ N. n. orientalis
形態[編集]
全長オス約75cm、メス約80cm。翼開長は約160cmから170cm。日本に分布するタカ科の構成種では大型であることが和名の由来(熊=大きく強い)。胸部から腹部にかけての羽毛は白く咽頭部から胸部にかけて縦縞や斑点、腹部には横斑がある。尾羽は長く幅があり、黒い横縞が入る。翼は幅広く、日本に生息するタカ科の大型種に比べると相対的に短い。これは障害物の多い森林内での飛翔に適している。翼の上部は灰褐色で、下部は白く黒い横縞が目立つ。
頭部の羽毛は黒い。後頭部には白い羽毛が混じる冠羽をもつ。この冠羽が角のように見えることも和名の由来とされる。幼鳥の虹彩は褐色だが、成長に伴い黄色くなる。
生態[編集]
森林に生息する。飛翔の際にあまり羽ばたかず、大きく幅広い翼を生かして風を捕らえ旋回する(ソアリング)こともある。基本的には樹上で獲物が通りかかるのを待ち襲いかかる。獲物を捕らえる際には翼を畳み、目標をめがけて加速を付けて飛び込む。日本がクマタカの最北の分布域であり北海道から九州に留鳥として生息し、森林生態系の頂点に位置している。そのため「森の王者」とも呼ばれる。高木に木の枝を組み合わせた皿状の巣を作る。
食性は動物食で森林内に生息する多種類の中・小動物を獲物とし、あまり特定の餌動物に依存していない。また森林に適応した短めの翼の機動力を生かした飛翔で、森林内でも狩りを行う。
繁殖は1年あるいは隔年に1回で、通常1回につき1卵を産むが極稀に2卵産む。抱卵は主にメスが行い、オスは狩りを行う[2]。従来、つがいはどちらかが死亡しない限り、一夫一妻が維持され続けると考えられてきたが、2009年に津軽ダムの工事に伴い設置された猛禽類検討委員会の観察により、それぞれ前年と別な個体と繁殖したつがいが確認され、離婚が生じることが知られるようになった[3]。
人間との関係[編集]
クマタカは森林性の猛禽類で調査が容易でないため、生態の詳細な報告は少ない。近年繁殖に成功するつがいの割合が急激に低下しており、絶滅の危機に瀕している。
大型で攻撃性が強いため、かつて東北地方では飼いならして鷹狩りに用いられていた。
クマタカは、「角鷹」と「熊鷹」と2通りの漢字表記事例がある。歴史的・文学上では双方が使われてきており、近年では、「熊鷹」と表記される辞書が多い。これは「角鷹」をそのままクマタカと読める人が少なくなったからであろう。なお、鳥名辞典等学術目的で編集された文献では「角鷹」の表記のみである。
保全状態評価[編集]
- LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
- ワシントン条約附属書II
- 絶滅危惧IB類 (EN)(環境省レッドリスト)
- 国内希少野生動植物種(種の保存法) - 1993年
画像[編集]
参考文献・脚注[編集]
- ^ http://www.jazga.or.jp/tennoji/nakigoe/2010/07/report01.html
- ^ 森岡照明他 『図鑑日本のワシタカ類』 文一総合出版、1995年、191-192頁。
- ^ 2010年1月29日東奥日報朝刊
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- クマタカと広島クマタカ生態研究会 - ウェイバックマシン(2000年9月19日アーカイブ分)
- Yachoo!オンライン野鳥図鑑クマタカ
- 2006 IUCN Red List of Threatened Species
- BirdLife International 2004. Spizaetus nipalensis. In:IUCN 2006. 2006 IUCN Red List of Threatened Species.
- CITES homepage
- 釧路市動物園クマタカのページ(2008年に人工孵化と育雛に成功している)
- 環境省 自然環境局 生物多様性センター
- 生物多様性情報システム:RDB種情報検索