アフリカゾウ

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アフリカゾウ
アフリカゾウ
ソウゲンゾウ Loxodonta africana africana
保全状況評価[1][2]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 VU.svgワシントン条約附属書I[脚注 1]
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 長鼻目 Proboscidea
: ゾウ科 Elephantidae
: アフリカゾウ属 Loxodonta
: アフリカゾウ L. africana
学名
Loxodonta africana (Blumenbach, 1797)[2]
シノニム

Elephas africana Blumenbach, 1797[2]

和名
アフリカゾウ[3][4][5]
英名
African elephant[2]

分布域

アフリカゾウLoxodonta africana)は、長鼻目ゾウ科アフリカゾウ属に分類されるゾウ。

分布[編集]

アンゴラウガンダエチオピアエリトリアガーナガボンカメルーンギニアギニアビサウケニアコートジボワールコンゴ共和国コンゴ民主共和国ザンビアシエラレオネジンバブエセネガルソマリア赤道ギニアタンザニアチャド中央アフリカ共和国トーゴナイジェリアナミビアニジェールブルキナファソベナンボツワナマラウイマリ南アフリカ共和国南スーダンモザンビークリベリアルワンダ[2]ガンビアブルンジモーリタニアでは絶滅[2]

形態[編集]

体長6 - 7.5メートル[3][5]。尾長1 - 1.3メートル[5]。肩高3 - 3.9メートル[4]。最大体重10,000キログラムと[3]、現生する陸棲動物では最大種[4]。皮膚は分厚く、多くの皺がある[4]。深く被い皺により皮膚の水分が保持しやすくなる役割があるとされる[5]。皮膚の色彩は灰色で[4]、老齢個体ではピンク色[3]

耳介は非常に大型で幅広く、放熱や体温調節などに役立つと考えられている[4]門歯(牙)は雌雄共に発達する[4]。オスでは最大350センチメートルに達する[4]。この牙は争いや、塩や木の根を食べるために土を掘る時に用いられる[4]。生後30年ほどのオスは興奮すると側頭部から液体が分泌される(マスト)[5]。鼻の先端には上下にそれぞれ1つずつ突起がある[5]

出産直後の幼獣は肩高85 - 140センチメートル、体重90 - 135キログラム[4]

分類[編集]

分子系統学的解析から亜種シンリンゾウ(マルミミゾウ)を独立種として分割する説もある[4]。IUCNレッドリストでは扱いを保留しているため[2]、別記事はあるものの亜種としても紹介する。

Loxodonta africana africana (Blumenbach, 1797) サバンナゾウ、ソウゲンゾウ Savanna elephant
前肢の蹄は4本、後肢の蹄は3本[3][4]
Loxodonta africana cyclotis Matschie, 1900 シンリンゾウ、マルミミゾウ Forest elephant
頭部や耳介が丸みを帯びる[4]。牙は細く直線的で下方に向かう[3][4]。前肢の蹄は5本、後肢の蹄は4本[3][4]

生態[編集]

サバンナ森林に生息する[3]。100 - 3,700平方キロメートルの行動圏内で生活する[4]。メスとその幼獣からなる少なくとも3 - 10頭の群れを形成する[4]。群れが代を重ねることで数百から1,000頭に達する大規模な群れに発展することもあるが、通常は分散する[4]。群れでは採食場や水場などの情報が共有・伝承される[4]。オスは生後12 - 16年で群れを離れ、単独もしくは若いオスのみの繋がりの緩い群れを形成し生活する[4]。幼獣のいる群れに危険が迫ると、成獣が幼獣の周囲を囲うようにして保護する[4]。皮膚の乾燥防止や駆虫のために水浴びや泥浴びを好み[5]、泥浴びを行った上で岩や木に体を擦り付ける[4]

食性はほぼ植物食で[4]、基亜種は主にを食べる[3]。地域によっては600種の植物を食べていた例もある[4]。1日あたり100 - 300リットルの水を飲み、乾季に水が無くなった時は干上がった川底などの地面を牙や前肢で掘って水を探す[4][5]

繁殖形態は胎生。発情間隔は16週間[5]。繁殖期になるとオス同士で発情したメスを巡って争う[4]。通常は地域で優位のオスが決まっておりそのオス以外は交尾を行わないが、マスト状態の興奮したオスは優位のオスに戦いを挑む[5]。妊娠期間は22か月[3][4][5]。1回に1頭の幼獣を産む。出産間隔は4 - 9年[4]。授乳期間は2 - 3年だが、生後8 - 10年は母親のそばを離れずに生活する。メスは生後10年で性成熟するが、生後15 - 18年で初産を迎える[4]。寿命は60 - 80年[4]

嗅覚は非常に鋭い。東京大学の新村芳人の研究チームがゲノムを解析した所、アフリカゾウの嗅覚受容体遺伝子数は2,000個であり、イヌの800個、ヒトの400個を大きく上回っている[6]。アフリカゾウは、ゾウを狩る民族と、しない民族を嗅ぎ分けているという[7]

人間との関係[編集]

干ばつ、民族紛争、象牙目的の乱獲などにより生息数は減少した[3][4]。象牙の高騰化や、内乱や民族紛争によって自動小銃・機関銃などの火器が密猟者に渡ったことにより幼獣も含めた群れの虐殺が行われるなどの密猟の手口が悪質化している問題もある[3][4]。ガンビアでは1913年に、ブルンジでは1970年代に、モーリタニアでは1980年代に絶滅した[2]。スワジランドでは1920年代に絶滅したが、1980年代から1990年代に再導入された[2]。 一部地域では減少傾向にあるが地域によるものの1960 - 1980年代を底打ちに生息数は漸増傾向にあると推定され、2000年代には大半を占めるアフリカ大陸東部個体群や南部個体群では生息数は年あたり4%の上昇率で増加しているという報告例もある[2]。1970年代における生息数は2,700,000頭、1980年における生息数は1,000,000頭、1988年における生息数は620,000頭と推定されている[4]1995年における生息数は約280,000頭が確認され、580,000頭と推定されている[4]

日本ではゾウ科単位で特定動物に指定されている[8]

国内での繁殖[編集]

出生日 出生場所 性別 名前 父母 備考
1986年5月5日 群馬サファリパーク オス タンゴ リチャード/サキューブ 2010年6月13日死亡。
1987年 群馬サファリパーク メス ナツコ 生年月日、没年月日共に不明。
1989年 群馬サファリパーク オス タンゴ2 生年月日、没年月日共に不明。
1991年5月29日 姫路セントラルパーク オス タカ 2005年3月10日広島市安佐動物公園に移動。
1998年4月25日 多摩動物公園 オス パオ タマオ/アイ 2001年10月17日富士サファリパークに移動。その後2007年7月11日死亡。
2002年6月13日 多摩動物公園 メス マオ タマオ/アイ 2006年6月13日盛岡市動物公園に移動。
2006年11月9日 愛媛県立とべ動物園 メス アフ/リカ
2009年3月17日 愛媛県立とべ動物園 オス 砥夢 アフ/リカ 2012年11月26日多摩動物公園に移動。
2013年6月1日 愛媛県立とべ動物園 メス 砥愛 アフ/リカ

脚注[編集]

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  1. ^ ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ、南アフリカ共和国の個体群はワシントン条約附属書II

参考文献[編集]

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  1. ^ Appendices I, II and III<https://cites.org/eng>(accessed Oct 3, 2015)
  2. ^ a b c d e f g h i j Blanc, J. 2008. Loxodonta africana. The IUCN Red List of Threatened Species 2008: e.T12392A3339343. http://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2008.RLTS.T12392A3339343.en . Downloaded on 03 October 2015.
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科4 大型草食獣』、平凡社1986年、120、130頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah 小原秀雄 「アフリカゾウ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社2000年、36-40、154頁。
  5. ^ a b c d e f g h i j k 祖谷勝紀 「最大の陸生動物」『動物たちの地球53 哺乳類II 5 ゾウ・サイ・シマウマほか』増井光子編著、朝日新聞社1992年、132-137頁。
  6. ^ アフリカゾウはイヌの2倍もの嗅覚受容体遺伝子を持つ”. 東京大学. 2014年11月23日閲覧。
  7. ^ 草下健夫 (2014年7月28日). “ゾウの嗅覚はイヌの2倍 動物で最多の遺伝子確認 東大”. 産経新聞. http://www.sankei.com/life/news/140728/lif1407280036-n1.html 2014年11月23日閲覧。 
  8. ^ 特定動物リスト (動物の愛護と適切な管理)環境省・2015年10月3日に利用)

関連項目[編集]