蒜山
蒜山 | |
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![]() 中央が上蒜山で、右が中蒜山 | |
標高 | 1,202 m |
所在地 |
岡山県真庭市 鳥取県倉吉市 |
位置 | 北緯35度19分30秒 東経133度39分49秒 / 北緯35.32500度 東経133.66361度座標: 北緯35度19分30秒 東経133度39分49秒 / 北緯35.32500度 東経133.66361度 |
種類 | 成層火山 |
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蒜山(ひるぜん)は、岡山県の真庭市北部、鳥取県の倉吉市南部および日野郡江府町北東部に跨って位置する火山である。
概要[編集]
中国山地の主峰より北側に独立して主に象山(1,085 m)・擬宝珠山(1,110 m)・二俣山(1,083 m)・皆ヶ山(1,159 m)・上蒜山(1,202 m)・中蒜山(1,123 m)・下蒜山(1,100 m)の各主峰で構成されるが、通常は上蒜山・中蒜山・下蒜山を総称して「蒜山」または「蒜山三座」と呼ばれる。
南側斜面中腹に風光明媚なリゾート地である蒜山高原を抱える。蒜山および蒜山高原一帯は、岡山県下では倉敷美観地区や後楽園・岡山城と並ぶ屈指の観光地であり、観光客数では倉敷(約300万人)に次いで2番目となる約250万人となっている[1]。
また、近接する大山とセットにした観光も盛んで、蒜山から大山を結ぶ観光道路である蒜山大山スカイラインがある。
蒜山は大山、三瓶山とともに大山隠岐国立公園として国立公園に指定されている。
火山活動史[編集]
擬宝珠山・二俣山・上蒜山・中蒜山・下蒜山の各火山を総称して蒜山火山群[2]と呼ぶ。
蒜山火山群は、約100万年前から約40万年前(更新世のカラブリアン~チバニアン)に噴出したデイサイト~安山岩質の溶岩からなる成層火山群である[2]。噴出した溶岩の岩質や形成時期は、北隣の大山火山の古期のものと類似する[2]。そのため、蒜山火山群は広義の大山火山に含むものとされている[2][3]。
最初期に形成された火山は下蒜山火山と考えられており、下蒜山登山道8合目付近の溶岩から約91万年前のK-Ar年代が得られている[2]。この年代値は大山火山の最初期のものに相当する[2][4]。下蒜山火山は犬挟峠西方300mの溶岩から得られた約76万年前のK-Ar年代が最新の年代値であり[2]、他の蒜山火山群の噴出以前に活動を停止したと考えられる。
二俣山火山で約60万年前、中蒜山火山で約51万年前、上蒜山火山で約49万年前のK-Ar年代が得られている[2]。
活動を停止してから長期間経過しているため、火山形成時の地形(火山原面)はほとんど侵食され、多くの開析谷が形成されている[4]。南側の山麓部には、蒜山火山群が侵食される過程で生じた土石流などにより、複数の火山麓扇状地や崖錐が形成されている[5]。
自然環境[編集]
年表[編集]
- 1963年(昭和38年) : 大山国立公園に蒜山地域と島根県の隠岐・島根半島、三瓶山が編入され、大山隠岐国立公園となる[6]。
- 2015年(平成27年) : 9月より「国立公園 蒜山」の愛称を用いるようになる[6]。
登山[編集]
大山に劣らず登山客が多い山で、三座を結ぶ縦走路など豊富なコースがある。
三座を縦走する場合、上蒜山側は上蒜山スキー場駐車場、下蒜山側は犬挟峠から登るのが一般的である[7][8]。また、塩釜の冷泉から中蒜山へ直接登ることもできる[8]。中蒜山山頂には避難小屋が設置されている。
ギャラリー[編集]
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ 平成16年岡山県観光客動態調査報告書より
- ^ a b c d e f g h 津久井・西戸・長尾 (1985). “蒜山火山群・大山火山のK-Ar年代”. 地質学雑誌 91: 279-288.
- ^ 山元 孝広 (2017). “大山火山噴火履歴の再検討”. 地質調査研究報告 68: 1-16.
- ^ a b 日本の地形6 近畿・中国・四国. 東京大学出版会. (2004年06月04日). p. 155
- ^ 蒜山原団体研究グループ (1975). “岡山県蒜山原の第四系(1)”. 地球科学 29: 153-160.
- ^ a b “愛称「国立公園 蒜山」でPR 9月から真庭市、認知度アップへ”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2015年8月28日) 2015年9月8日閲覧。
- ^ “蒜山 ― 3つとも登ってみたい蒜山三座 ―”. www.jac.or.jp. 2019年6月3日閲覧。
- ^ a b “「真庭登山ガイドマップ」をご利用ください |真庭市役所”. 岡山県真庭市役所ホームページ. 2019年6月3日閲覧。