ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。帯刀 丹 (会話 | 投稿記録) による 2021年2月1日 (月) 09:34個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ゲゲゲの鬼太郎 > ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター

ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター(ゲゲゲのきたろうのとうじょうキャラクター)とは、水木しげる漫画作品およびそれを原作とするアニメ、映画『ゲゲゲの鬼太郎』にて登場する架空のキャラクター(その大半は伝承上の妖怪都市伝説で占められている)の一覧。貸本劇画版である『墓場鬼太郎』にて登場した人間や妖怪などについては墓場鬼太郎の登場人物を参照。アニメやアニメ映画、実写映画といった映像化作品それぞれで設定が微妙に異なり、原作に於いても別の話と矛盾する設定が出てくる場合も多々ある。

鬼太郎とその仲間たち

鬼太郎には同じ妖怪や人間、動物などの生物、神仏など異次元の存在も含めて幅広い仲間・理解者がいる。ここでは鬼太郎と身近な仲間から、協力してくれる者たちや最初は敵対するも後に分かりあえる関係になった者たちを含めて仲間たちを挙げる。

鬼太郎ファミリー

主人公の鬼太郎と、その鬼太郎と家族のように行動を共にする主要な仲間達。砂かけ婆、子泣き爺、一反木綿、ぬりかべの四名は日本妖怪の中でも選りすぐりの精鋭であることが、原作『妖怪大戦争』及びアニメ第5作32話で言及されている。

鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎、墓場の鬼太郎)
声 - 野沢雅子(第1作、第2作、墓場鬼太郎、映画妖怪ウォッチなど)、戸田恵子(第3作)、松岡洋子(第4作)、高山みなみ(第5作)、沢城みゆき(第6作)、松本梨香(異聞妖怪奇譚)/ 演 - ウエンツ瑛士(実写映画版)
本作の主人公。妖怪の中でも名門とされる幽霊族の最後の生き残り。生まれた時から左目を失い前髪で隠している。武器になる下駄とちゃんちゃんこを着用している。温厚で争いを好まないが、悪者を許さない正義感を秘めている。妖怪と人間が自然界で共存共栄できる平和な世界を望む。惚れっぽく世間に疎いといったとぼけた面も多い。非常に強い霊力と様々な超能力(髪の毛針、リモコン下駄、霊毛ちゃんちゃんこ、体内電気、指鉄砲など多彩)を持ち、その能力で悪事を働く様々な妖怪たちと戦い、人間に対しても身勝手な者たちには厳しい制裁を与える。当初は人望が薄めで、あまり超能力も使わず「墓場の鬼太郎」と呼ばれていたが、妖怪と戦う過程で正義感の強い性格になり、潜在能力も発揮するようになり「ゲゲゲの鬼太郎」と名乗るようになった。
目玉おやじ(目玉の親父)
声 - 田の中勇(第1作~第5作、墓場鬼太郎、実写映画版など)、大竹宏(第2作代役)、野沢雅子(第6作)、郷里大輔(墓場鬼太郎第1話・鬼太郎の父親本体の姿時)、熊倉一雄(異聞妖怪奇譚)、島田敏(ドラマ、CM、映画妖怪ウォッチなど)
鬼太郎の父親の左側の眼球から変化した幽霊族の妖怪。元々は人間と同様の体を持ち、晩年は溶ける病に侵されミイラ男のような風貌となり、やがて妻共々死亡したが、鬼太郎への愛情から目玉だけで蘇生した。小さな体の一つ目と甲高い声が特徴。物知りで妖怪のことなら大抵何でも知っている(稀に知らない妖怪が出現すると周囲に驚かれるほど)。茶碗風呂が趣味でそれが日課のひとつである。その体ゆえに力そのものは弱いが、生命力と霊力では鬼太郎同様に強い。
ねずみ男(ネズミ男)
声 - 大塚周夫(第1作、第2作、墓場鬼太郎など)、富山敬(第3作)、千葉繁(第4作)、高木渉(第5作)、古川登志夫(第6作)、野沢那智(異聞妖怪奇譚)、大塚明夫(映画妖怪ウォッチ)/ 演 - 大泉洋(実写映画版)
鬼太郎とは腐れ縁の悪友。人間と妖怪の間に生まれた半妖怪で、人間界の社会情勢には敏感。鼠のような顔つきと常に着ている薄汚いマントが特徴。悪だくみ・裏切り・だましが得意なトリックスター。金と美女に弱く敵の誘惑にもそそのかされやすいが、根は優しい一面もあり、いざとなると頼もしさも見せる。不潔で力は弱く自分が騙されたと知るとすぐ鬼太郎たちに泣きつくが、オナラと口臭・体臭による悪臭を武器にしており、悪臭は強力な妖怪でも気絶するほどの威力。猫が苦手で、猫娘には頭が上がらない。無知な面もあるが、妖怪界や人間界の知識は鬼太郎や猫娘より詳しい。異名「ビビビのねずみ男」。
猫娘(ねこ娘、ネコ娘)
声 - 山口奈々(第1作第20話ゲスト)、小串容子(第2作)、三田ゆう子(第3作)、西村ちなみ(第4作)、今野宏美(第5作)、庄司宇芽香(第6作)、宮村優子(異聞妖怪奇譚)、皆口裕子(映画妖怪ウォッチ)/ 演 - 田中麗奈(実写映画版)
本作のヒロイン。人間と妖怪の間に生まれた半妖怪で、人間界の社会にも溶け込んで暮らしている。おかっぱに結んだリボンがトレードマーク。鬼太郎の幼馴染(1年年長)。お転婆で勝気な性格だが、鬼太郎にしおらしい恋心を抱く。普段は可愛い女の子の容姿をしているが、鼠や魚を見るか怒らせると猫の本性が出てしまい、口が大きく裂けた化け猫のような形相となり、猫のような鋭い爪で相手を引っ掻き、鋭い牙で噛み付く。ねずみ男が悪さをするとお仕置きをするが、腐れ縁的な仲でもある。異名「ニャニャニャのねこ娘」。
砂かけ婆(砂かけばばあ)
声 - 小串容子(第1作、第2作初登場第2話のみ)、山本圭子(第2作、第4作、第5作)、江森浩子(第3作、映画妖怪ウォッチ)、田中真弓(第6作)、堀絢子(異聞妖怪奇譚)/ 演 - 室井滋(実写映画版)
鬼太郎の仲間。奈良県出身で、白髪に大きな目玉をした老婆の妖怪。砂を自由自在に操り攻撃する。ある程度医術や占術も心得ている。短気だが世話好きで面倒見がよく、鬼太郎や猫娘たちのお婆さん的存在にして母親代わりでもある。子泣き爺とは長い付き合いでお目付役でもある。妖怪アパートを経営していて、ゲゲゲの森では目玉おやじに次いで妖怪の事に詳しい。人間嫌いを公言する事も多いが、困っている人には相談に乗って手を貸す優しさを見せる。仲間からは「オババ」と呼ばれている。
子泣き爺(子泣きじじい、児啼き爺)
声 - 北川米彦(第1作初登場第7話のみ)、永井一郎(第1作、第2作代役、第3作)、富田耕生(第1作代役)、矢田耕司(第2作)、はせさん治(第2作代役)、塩屋浩三(第4作、映画妖怪ウォッチ)、龍田直樹(第5作)、島田敏(第6作)、穂積隆信(異聞妖怪奇譚)/ 演 - 間寛平(実写映画版)
鬼太郎の仲間。徳島県出身で、割れたハゲ頭で金と書かれた前掛けに蓑を着た老人の妖怪。敵にしがみつき赤ん坊の声で泣くと石化して重くなり押し潰したり、硬い石頭で頭突きする攻撃が得意。のんびり屋で迂闊な面も多いが、戦う時は真面目になり、鬼太郎たちのお爺さん的な存在でもある。茶飲み友達で長い付き合いの砂かけ婆には、いつも叱られており頭が上がらない。酒好きで酔っぱらって失敗することも多い。将棋が趣味で暇な時はよく妖怪仲間としている。目玉おやじや砂かけ婆ほどではないが、妖怪界の事にも詳しい。
一反木綿(一反もめん)
声 - 杉浦宏策(第1作第10話ゲスト)→富田耕生(第1作第22話ゲスト)、キートン山田(第2作)、八奈見乗児(第3作、第5作)、龍田直樹(第4作、妖怪ウォッチぷにぷに)、山口勝平(第6作)、緒方賢一(異聞妖怪奇譚)、柳沢慎吾(実写映画版)
鬼太郎の仲間。鹿児島県出身で、空を飛ぶ一反の布の妖怪。主に移動手段として活躍するが、目玉おやじにベテランと言わしめるほどの豊富な戦闘経験をもち、空中戦のサポートと長い体による締め付け攻撃が得意。登場当初は硬派だったが、段々とひょうきんな性格になる。九州弁熊本弁を流暢に話し、可愛い女の子を見るとすぐナンパするという女好きな一面も見せるようになる。布だけあって火やハサミが苦手だが、水につけるか縫い合わせると元に戻る。
ぬりかべ(塗壁)
声 - 北川米彦(第1作第10話ゲスト)→内海賢二(第1作第57話ゲスト)→富田耕生(第1作第60話ゲスト、異聞妖怪奇譚)、キートン山田(第2作)、屋良有作(第3作)、龍田直樹(第4作、第5作)、島田敏(第6作)、最上嗣生(妖怪ウォッチぷにぷに)、伊集院光(実写映画版)
鬼太郎の仲間。福岡県出身で、巨大な壁の妖怪。巨体を活かした怪力で戦う。壁による防御で鬼太郎達を守り、倒れこんで敵を押し潰したり、敵を体内に塗り込む攻撃などが得意。体の大きさをある程度変えられて巨大妖怪とも互角に戦い、地中をかなり自在に移動する事も可能。温和でおとなしい性格で、低い声で「ぬりかべ~」と言う以外は基本的に口数が少ない。鬼太郎の仲間では子泣き爺に次いで酒好きでもある。女性の優しさに惚れやすい純情な面もある。

以上のキャラクターについて詳細はリンク先のページを参照。

隣人妖怪

鬼太郎父子と共通の在住(妖怪アパート、ゲゲゲの森、妖怪横丁など。同居も含む)描写がある妖怪たち。

呼子(よぶこ)/ 山彦(やまびこ)/ 山小僧(やまこぞう)
声 - 大竹宏(第1作)、キートン山田(第2作)、杉山佳寿子(第3作)、中野聖子(第3作代役)、上村典子大本眞基子(第4作第92話より)、中山さら(第5作)、祖山桃子(第6作)
山で音声を反響させる妖怪。わら頭巾をかぶった顎や前歯が大きい男児の姿で、眼や足は1つだったり2つだったりする。上記のように3つの呼称がある。大声でショックを与える、音波攻撃を反射する(『妖怪千物語』)、本人そっくりの声真似ができる、かなり遠くからでも「ヤッホー」と呼ばれると相手と場所を特定できる、日本中やあの世までも自分の声を届かせて呼びかけられる(以上第5作)など、音に関係した術が得意。わら頭巾を取った頭には数本の髪の毛が生えている(アニメ第4作第112話では無毛)。
音関連以外の能力では、「若返りマッサージ」(『死神』にて死神の息で老化した鬼太郎に施した、ただし砂かけの台詞のみで直接描写は無い)、霧の発生(『鬼太郎ベトナム戦記』)、第3作第79話で仲間の名を呼んで分身させる「山彦の術」、第5作第49話で一息で数人分の空気を供給できる肺活量、携帯電話に呼びかけると助けを求めている人にメールが届くなどを有している。
アニメでは第1作第10話で初登場し、以後第2作から第4作まで準レギュラー的ポジションで登場。
第5作では妖怪長屋の住民。レギュラーとなり活躍も多く、第17話から登場した蒼坊主の迎え役でもある。第79話で妖怪四十七士の鳥取県代表になる。
第6作では第28話で初登場し、過去作同様準レギュラー的にゲゲゲの森のシーンで登場する。アニエスの追放運動に参加したが、鬼太郎の説得で考えを改めた。第42話で初めて台詞付の登場となり、妖怪大裁判で友人の一つ目小僧が鬼太郎(百々爺が化けた)に殺されるのを目撃した証人として呼び出され、やむなく証言した。第49話では本作で初めて人間界の街中へ出て他の妖怪たちと共に人間を救助し避難させていた。第73話ではオグロ山の呼子について鬼太郎に教えたり、第75話ではねずみ男に九尾の狐(玉藻前)のことを伝えた。第95話以降ぬらりひょんの策略で総理に鬼太郎が消滅させられたことで人間を憎むようになり、ゲゲゲの森の他の仲間妖怪と共に人間との戦争へ突入しそうになるが、最終話でねずみ男の説得を聞いて争いをやめ、他の妖怪仲間や人間たちと共に鬼太郎を応援する。
化けガラス(ばけガラス)
外見は単に大きめのカラスだが、実は妖怪。種族的に複数体存在している。人語を話せる個体もいて、事件の発生を鬼太郎たちに知らせるなど連絡係として活躍、戦闘では大勢のカラスを率いて集団戦術を行う。武器の「封じフン」は鳥もちのように相手にへばりついて身動きを封じる。原作初登場は『妖怪大裁判』、アニメ初登場は第1作第2話。
普通のカラスにも鬼太郎の友は大勢おり、情報活動(手紙の配達、偵察など)や空輸力で活躍する。普通のカラスと化けカラスも互いに鬼太郎たちに協力し合っている。
カラスヘリコプター
鬼太郎たちが移動手段に使う。多数の化けガラスで各々ロープの端を持ち、吊り下げて飛ぶ。腰掛け型が多いが腕でぶら下がる形や気球のようなゴンドラ型もある。数が揃えば重量級なぬりかべも運搬可能。アニメ第4作では、鬼太郎を探していた村上祐子を化けガラス同士が寄り添って作ったじゅうたんに乗せ、鬼太郎たちのいる現場まで運んだこともある。スピード、機動力、小回りは一反木綿に劣るため、戦闘には不向き。鬼太郎たちはカラスの他に、コウモリにヘリコプターを頼む場合もある。
ろくろ首(ろくろくび)
声 - 山口奈々(第1作)、木下しのぶ(第3作)、豊嶋真千子(第5作)、久川綾(第6作)/ 演 - YOU
伝承には首が分離して人間を襲うものもあるが、本作に登場するのは首が長い伝承の方(首が分離するものについては「ぬけ首」も参照)。登場個体のほとんどは女性だが、アニメ第1作第1話の「ろくろ兵衛」、『相撲の巻』の「ろくろ山」など、男性のろくろ首も登場している。週刊実話版『ろくろ大合戦』では敵として老婆のろくろ首が登場。長い首で敵に巻き付いたり、首を縮めて人間に擬態することができる。
アニメでは第1作第7話で女性のろくろ首が初登場し、第27話で再登場。
第3作では劇場版『妖怪大戦争』と第32話と第103話に登場。
第4作はオープニングにのみ描かれ、本編には未登場。
伝承でも知名度の高い妖怪ながら、原作・アニメ共に長らく群衆扱いされ続けてきたが、第5作では容姿端麗な砂かけ婆の妖怪長屋の住人としてレギュラー入りを果たし、ネコ娘に次ぐヒロイン的位置付けとなった[注釈 1]。第6話より登場。首は伸縮自在で、縮めていれば人間の女性と変わらない外見だが長時間縮めると肩が凝り、恋煩いになった心理的影響で首が縮められなくなったこともあった。戦闘では、首を伸ばして相手に巻き付き締め上げる「首巻き」を得意技としている。滞納している妖怪長屋の家賃を稼ぐため、人間界では「ろく子(ろくこ)」と名乗って第21話からネコ娘と共に働く。その際知り合った人間の青年・鷲尾誠と交際し、後に婚約を結ぶ。
第6作では準レギュラーとして第23話から登場し、50年前から「爽快アパート」に住む。姉御肌の性格で、仲間の唐傘やあかなめらのリーダー格的な存在。人に危害を加えることはしないが、住人に悪戯して(自身は一緒に遊ぶことを強要する形で)怖がらせていたため、困り果てた大家・春夫が呼んだ鬼太郎と対峙。人間の味方をする鬼太郎を敵視して襲うが、あっさり成敗される。その後、泣きながら鬼太郎に連れられ出て行こうとしたところで、アパートを愛してくれる彼女らを追い出すのは忍びないと思い直した春夫に引き留められ、住民の前に現れたり悪戯はしないことを条件に、引き続き居住を許された。33年前には鬼太郎ファミリーの手を借りてアパートを地上げ屋から守り、その後生まれた大家夫婦の孫娘・夏美の遊び相手になる(幼い夏美からの愛称は「ろくろぴー」)など良い関係を築いていた。夏美が人間の友達より妖怪たちと遊ぶ方が楽しいと言ったことを聞き、彼女の将来を考えて姿を現さないと決めるが、それでも夏美を見守り続けていた。春夫の没後、夏美が婚約者と思っていたヒロ(33年前の地上げ屋の子分)に騙されアパートの権利書と実印を奪われた際には再び現れ、ヒロを脅かし退散させ、傷心の夏美を慰める。その後、鬼太郎ファミリーが地上げ屋から権利書と実印を取り返して再度念入りに懲らしめた後、夏美が新たなオーナーとなって砂かけ婆に妖怪用アパートとして管理を任せてからは、ろくろ首も台所に立って料理を担当するようになる。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
2007年の実写劇場版では「和江(かずえ)」という名のろくろ首が登場。妖怪の溜り場「墓の下倶楽部」の常連で、輪入道の妻でもある。輪入道が唯一頭の上がらない妖怪。
油すまし(あぶらすまし)
声 - 小林通孝(第3作)、塩屋浩三(第3作・地獄編)、中井和哉(第4作)、平野正人(第5作)、江川央生(第5作・劇場版『日本爆裂!!』)、龍田直樹(第6作)
地蔵のようなすまし顔に蓑を着た妖怪。初登場は『妖怪大裁判』だが、当時は敵側の群衆扱い。
1980年代以降の原作では鬼太郎や仲間の妖怪が住む「ゲゲゲの森」の村長として頻繁に登場する。大の将棋好きで、デザインも髷が加えられた。鬼太郎達に加勢する事も多く、体から油を出す術や、敵の術を破る術、逆用する術などを駆使する。原作では、目玉親父、砂かけ婆、子泣き爺に次ぐブレーンとして戦いに参加・活躍することも多い。
アニメでは第3作が本格的な初登場(第2作では群衆扱いのみの登場)。『地獄編』では地獄の旅に同道、地獄に関する知識(その知識は目玉おやじより上)で一行を支えた。第4作では妖怪アパートの住人。第5作では妖怪横丁の町内会長。
第6作ではゲゲゲの森の住人。いきなり現れて相手を脅かすことが多い。鬼太郎とは将棋をする仲。その後はアニエスを追い出そうとしたり、人間たちを避難させるなどそれなりに見せ場があった。妖怪大同盟の一員としても登場しており、ねずみ男から鬼太郎の死を聞かされた時は他の妖怪共々悲しんだ。
かわうそ
声 - 山本圭子(第1作)、小宮山清(第3作)→田中和実(第3作・第98話)、柏倉つとむ(第4作)、丸山優子(第5作)、浦和めぐみ(第6作)、又村奈緒美(異聞妖怪奇譚)
初登場は『オベベ沼の妖怪』。オベベ沼に住む妖怪で、通称オベベ。貧しさ(アニメ3作以降は寂しさ)から人間を騙して金儲けをしていた。人間に化けることが出来、口や手から水鉄砲を発射し攻撃する。服装はシリーズによって「Tシャツ半ズボンに鍔広帽」と「着物に笠」の2種類に大別、後者では笠を投げて攻撃に使うこともある。川魚(第5作ではフナ)が大好物で、魚を焼く匂いを嗅ぐと変身が解けてしまう。原作やアニメ第1作では鬼太郎の旧友とされているが、3~6作ではオベベ沼の事件が初対面となっている。
アニメでは第1作第40話初登場。第2作では第2話から登場するが、ほぼモブキャラのような扱いで、時々鬼太郎の仲間たちと共闘するなどの戦闘描写もあるが、台詞はない。
第3作では第31話初登場。一頭の牛がオベベ沼に沈みかけたのを助けようとするが、それを目撃した村人に沈めようとしていると勘違いされ、動揺している間には牛は沼に沈んでしまう。それ以来、村人たちに危険な妖怪と誤認されオベベ沼に近づく者が居なくなったことで捻くれ、構って貰おうとして悪さをするようになった。その事情と孤独な境遇を聞いて同情・共感したねずみ男と組み、二人で村の水源を溢れさせて田を荒すが、鬼太郎に懲らしめられる。鬼太郎に訳を話し、可哀想な奴だから許してやって欲しいとねずみ男が嘆願したこともあって改心し、もう二度と悪さはしないと誓う。その後、罪滅ぼしとして鬼太郎やねずみ男と一緒に荒した田を戻し、村人に謝罪・和解して村を水害から守る良い妖怪になった。以後も時々鬼太郎に協力する。
第4作では第71話初登場。水鉄砲は発射しないが腕っぷしが強い。人をペテンにかけ、ねずみ男も財布を騙し取られた。ぬらりひょんを騙したため、悪河童に追い詰められ川に転落。一人暮らしの老人(声 - 伊井篤史)に孫と思われ介抱され、金よりも心の繋がりが大切だと気づいて所持金は老人を借金取りのヤクザ(声 - 川津泰彦千葉一伸中井和哉)から助けるために渡す。その後ぬらりひょんに追いつめられるが鬼太郎に助けられ、鬼太郎から「お前の罰はしばらくお爺さんの相手をすること」と命じられしばらく老人の孫として暮らす。第79話、80話では傘化けと共に中国妖怪チーとの戦いに応援に駆け付けたが、チーの妖術で反物にされる。
第5作では砂かけ婆の妖怪長屋の住人としてレギュラー入りを果たし、途中から登場したアマビエとコンビを組む形で鬼太郎ファミリーの一員となった。本作では、顔や体型は原作や過去のシリーズと同様だが妖怪画と同じ着物姿をしている。基本的にやる気のない性格となっている。原作や歴代シリーズで初登場として描かれたオベベ沼の事件は過去の出来事として回想シーンで語られ、今作は自力で人間態は取れず沼の祠の水神石の力で化けた。塩水は苦手だが鬼太郎の窮地には自ら海に向かうことも多い。妖怪四十七士の石川県代表。
第6作では第18話初登場。オベべ沼に住む悪戯好きの妖怪で、空腹の少年の振りをして周辺の住人を騙し、食物を貰って暮らしている。ねこ娘も被害者の一人で、彼女が育てている野菜を騙し取られた。一方で、崖から落ちて動けなくなっていた老女を介抱し、彼女の為に食糧を集めるなど根は悪い妖怪ではない。また、過疎化が進み山村から人々が去っていく現状を寂しく思っていた。依頼で駆け付けた鬼太郎によってねこ娘に悪事がばれ追い回されるものの、本来の寂しがり屋な心情を吐露したことで、ねこ娘に誘われてゲゲゲの森で暮らすようになった。その後も度々姿を見せている(ただし、前作ほどのレギュラー扱いはされていない)。88話では豆腐小僧と共に数合わせでねずみ男の出会い系シェアハウス「ビビビハウス」に参加、まーちゃん(声 - 渕上舞)に恋した一反木綿を応援するが、まーちゃんから告白され戸惑っていた。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
妖怪千物語の「妖怪大レース」では一族が登場。盗まれた宝がレースの賞品に出ていたため、相談された鬼太郎はレースで優勝し彼らに宝を取り戻した。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』ではむじなの仲間として登場したが、ねこ娘で2回説得した後にむじなに利用されたことに気づき、仲間にすることが可能。
蛤船(ハマグリぶね)
「妖花」及びそのアニメ版(第1、3、4、6作)に登場する巨大なハマグリの船。殻の中(身の上)は地面があり、一軒家や植木、畑まである。殻を閉じて潜水も可能(第6作では殻の内側から海中が透けて見える)。原作や第3、6作ではかわうそが船頭を務める。妖花の源を探りに船出する際、鬼太郎は当初いつものようにを使うつもりだったが、依頼人の女性が同行を願い出たのでより快適な船旅ができるよう特別に用意した。
第4作77話ではこれとは別に、より小さいお化けハマグリが夜行さんの作った妖怪潜水艦の船体になる。殻の中には座席が作り付けてある。
第5作では登場せず、妖花の島へはクジラ型飛行船に乗って行った。
豆腐小僧(とうふこぞう)
声 - 難波圭一(第3作)、阪口大助(第5作)、関根有咲(第6作)
笠を被った男児の姿で、持ち歩いている豆腐を食べるよう勧めるという妖怪。本作では丸い目と舌を出した大きな口がトレードマーク。
『豆腐小僧』では山神の部下で、山林を破壊する人間に怒り豆腐カビをばら撒いた。妖怪で被害を受けたのはねずみ男(豆腐を食べた彼から以下全員に感染)、鬼太郎、目玉おやじ、砂かけ婆、子泣き爺、一反木綿、シーサー。天井なめが呼ばれて鬼太郎たちや人間たちは全員カビを落とされ回復した。分身能力もあるが、豆腐を撃たれると消えてしまう。本体が残った所で山神が止めに入り和解した。
アニメ初登場は第3作106話で、原作同様に山神の部下で、同様の動機で豆腐カビをばら撒いた。豆腐を食べたねずみ男から豆腐カビが妖怪たちにも感染し、鬼太郎、目玉おやじ、砂かけ婆、一反木綿、シーサーの他に、原作では感染しなかったネコ娘も被害を受けた。子泣き爺は感染しなかったが、豆腐小僧から直に頭へカビを植えられた。原作同様に天井なめが呼ばれて鬼太郎たちや被害にあった人間たちは元に戻れた。本作では分身は舌を撃たれると消えてしまう。山神が止めに入り和解し、鬼太郎たちで山を乱開発する社長を懲らしめた。
第5作では妖怪横丁の住民で、豆腐屋を営む。拳銃の弾程度なら舌で受け止めてしまう。第3作と違い目が大きい。
第6作では準レギュラーとして出番が増え、豆腐を運ぶだけの妖怪という特徴を全面に押し出している。第5作同様目が大きい。口調は語尾に「なのら」と言うのが特徴。1話で鬼太郎吸血木の枝に腰掛ける姿が妖怪の存在を信じ始めたまなの眼に一瞬だけ映る形台詞なしで初登場。本格的な登場は23話からで、爽快アパートに入居する。61話では電池組のカナと意気投合しマネージャーとなり、ねずみ男ともタッグを組んでファンに豆腐の試食サービスを始めるが、ねずみ男が妖怪カビの生えた豆腐まで軽率に食べさせたことでライブ会場や周囲の街が妖怪カビに侵されてしまい、ねずみ男や駆けつけた鬼太郎、目玉おやじ、ねこ娘にまでカビが感染してパニックに陥ってしまうが、豆腐小僧は天井なめを呼んで鬼太郎たちのカビを落とし、共に街を元に戻した。事件後はカナと豆腐小僧はそれぞれの役目を果たすことを誓った。74話では石動零に囚われ、偽の依頼状で誘き出された子泣き爺、ぬりかべ、砂かけ婆の前で人質にされてしまう。砂かけをつけて来たまなに庇われゲゲゲハウスで手当てを受ける。88話ではかわうそと共に数合わせでねずみ男の出会い系シェアハウス「ビビビハウス」にいて、特製湯豆腐を振舞った。最終話では特殊部隊に襲撃されるも蒼馬・裕太・大翔に助けられ、直後に蒼馬たちやねずみ男の説得を聞いて改心した人間たちと一緒に鬼太郎を応援した。
新妖怪千物語でも横丁住民。10話で花見の喧嘩に巻き込まれて悲しい気持ちで作った豆腐料理がカビ豆腐になってしまう。カビ落とし豆腐を作る特別な大豆を得るために鬼太郎と隠れ山里に向かい、さがりの森や番人妖怪、彼を利用しようとする骨女の妨害を切り抜けて豆を持ち帰った。ここでは豆腐を賽の目切りにして分身を作る。
豆腐カビ / 妖怪カビ
豆腐小僧の持っている豆腐に生えているカビ。まずカビ豆腐を食べた者(妖怪でも人間でも)の全身に生え、胞子を吸った者にも感染する。最悪には生気を奪われ命を落としかねない。治すには天井なめの胃液で作った薬(新妖怪千物語ではカビ落とし豆腐)が必要である。
なお第6作10話でも、ねずみ男が妖怪カビに侵されたと言っている(まなから貰ったパンも結局食べずに肌身離さず持っていたため、カビが生えてしまっていた)が、そちらは特に原因や治った経緯は描かれず、後の61話の物と同種のカビかは不詳。
お歯黒べったり(おはぐろべったり)
声 - 中友子(第5作)
目鼻がなく、お歯黒を付けた口のみの顔をした女妖怪。
アニメでは第1作7話『ゆうれい電車』で初登場。妖怪ショーに参加したが、乱暴な2人組に落書きをされてしまった。
第5作では妖怪横丁の銭湯「大風呂屋敷」の女将としてレギュラー登場し、白髪で紅色の着物を着ている。砂かけ婆ほどではないが、かなり年配の女妖怪で、煙管を嗜み妖怪界の知識もそれなりに豊富。戦闘では丈夫な歯での噛みつきを得意としている。人間と妖怪の恋愛には否定的で、第21話では人間に恋をしたろくろ首に「妖怪と違い、百年程度しか生きられない人間とでは、必ず相手が死ぬのを看取ることになる」「残されて何百年も悲しむくらいなら、地獄に落ちる方がまだ良い」と苦言を呈しているが、一度失恋したろくろ首が鷲尾から改めて告白されて付き合うことになった際は「バカな女だよ」と言いながらも嬉しそうにしている。第23話では、ねこ娘たちと一緒に人間界のリゾートホテルへと出掛け、プールで泳いだりレストランで食事を楽しんだりもしており、他の回でも時々人間界に出ていくことがある。その際にはサングラスや水中メガネ、パーカーのフードなどで目元を隠すことで人間のように振舞い正体を人間たちに気づかれないように配慮している(ただし、黒い歯を見せながら声を出して笑ったりするので、子供から怖がられたりもしている)。第6作では第7話から登場。第5作とほぼ同じデザインで、幽霊電車に現れ人間を脅かした。ゲゲゲの森に住んでいて、時々他の仲間妖怪と共に登場するが、いずれも台詞は無い。
つるべ火(つるべび)
声 - 杉浦宏策(第1作)、高塚正也(第5作)、蓮岳大(異聞妖怪奇譚)/ 演 - 軽部真一
老人のような顔がある火の玉。鬼太郎の助っ人として時々登場し、敵妖怪を焼き払ったり照明(朝日に偽装できるほど明るくなれる)になったりする。アニメ第2,4,5作では群れで登場したこともある。初登場は原作『モウリョウ』、アニメでは第1作第1話初登場でねずみ男よりも先に登場している。
第3作では炎の妖怪五人衆の一員。
第5作では空間を繋ぎ変える力を持ち、妖怪横丁の灯篭で外界との通路を一日一度変えることが出来る。第51話ではその応用でビル地下の赤エイを海上へ解放した。
第6作では第78話に登場で出番はこの回のみ。姥ヶ火や化け火と共に魍魎退治に参戦。光で怨霊を追い払い魍魎を追い詰めるも、隙を見て拘束を解いた魍魎に3体とも吹き消された。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では最初から仲間として登場。
妖怪ランプ(ようかいランプ)
アニメでは、「妖怪ランプ」の名称では第1作と第2作で登場。つるべ火と同じ火属性の妖怪だが、つるべ火と比べて小さい分火力は弱く、主に鬼太郎の家の室内照明となっていることが多い。だが初登場の第2話では、夜叉にとどめを刺し、第12話では現場写真から消えていたぬらりひょんの姿を炙り出す、第18話では魔女の箒に火を放つなど活躍。第14話では水虎に負けてしまい、つるべ火と交代している。直接話す場面がないのもつるべ火と異なる点。第2作でも登場し、ねずみ男が「鬼太郎の家の妖怪ランプ」という言い方をしているので、他の妖怪の住処にも同族が存在していることも仄めかされている。第5作では、つるべ火が鬼太郎の家で妖怪ランプの役割も果たしている。
シーサー
声 - 山本圭子(第3作・第5作)、鉄炮塚葉子(第4作)、一龍斎貞友(異聞妖怪奇譚)
沖縄の著名な獅子の妖怪(本作でメインに登場する個体は、まだ子供なので小犬サイズ)。本作では頭頂部で跳ね上がる鬣と口から覗く2本の牙が特徴(第4作ではそれぞれの牙が二又になっている)。ドリルのように高速回転して地中を掘り進むのが得意。アニメ第4,5作では怪力を持つ成獣形態になることもできる。成獣幼獣問わず二足歩行が可能。
色はシリーズ毎に明る目や赤黒い、基本の色調が異なるなど差がある。水木による画とアニメ第3作では肌色や黄などを基調とするが、後年の作品では濃緑の毛髪と髯、黄土色や茶色などの身体をしている。体全体が薄赤で金の体毛のシーサーもいる。成獣形態の方もデザインに差異があり、第3作で見られた先代の模造品は青黒い体に青灰色の毛色、第4作では臼歯が見え、鼻が大きくて全体的に黒々しく(置物のシーサーに近い)、第5作では緑と黄のより明るい色調で唐獅子らしさを増した風貌だった。原作初登場は1980年代コミックボンボン『最新版』第1話『大妖怪がしゃどくろ復活』、少年マガジン『新編』の『妖怪大百足』[注釈 2][注釈 3]。出会い時は突然やって来て遠足に出かける鬼太郎ファミリーに同行。出先で遭遇した大百足戦の功績を認められ下宿することとなる。地獄編では命がけの大活躍をし、勇敢な所を見せた。『鬼太郎国盗り物語』では沖縄に帰っていて、両親と共に登場(父親は置物に近く、母親は息子を大きくしたようなデザイン)。口調は当初タメ口の時と敬語の時と登場するたびに使い分けていたが、徐々に敬語が主になっていった。
アニメでは、原作でレギュラーとして活躍していた1980年代当時に放送されていた第3作の第73話『シーサー登場!!沖縄大決戦』で初登場し、アニメでもレギュラーとなる。鬼太郎の力を試すために攻撃を仕掛けた事もあるが、その後は彼を慕って下宿している子分的存在。気のいい妖怪で、鬼太郎たちには常に敬語で接するが、お調子者な面も多く、ねずみ男の口車に騙されることも頻繁だった。沖縄空手や手裏剣の技を披露する事もある。キジムナー曰く、沖縄では先代(父親)のように頼り甲斐のある存在ではないとの事。
第4作では63話のみのゲスト登場。本作では人間に化けたり幻惑を見せる能力も持つ。
第5作でもゲストとして複数回登場[注釈 4]。本作では沖縄を崩壊させてしまうほどの力を持つ。アカマタの唯一無二の親友。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では特定条件下で仲間にできる。
アマビエ
声 - 池澤春菜(第5作)
熊本県出身でピンク色の髪を生やし、鳥のような口をした幼女風の人魚(首から下が鱗に覆われている)。「ひらめき」で近い未来の出来事や隠されたものの在処などを知ることができるが、大抵は悪い出来事の予知(しかも近過ぎてほとんど手が打てない)や誰でもわかることばかりひらめく。他には空中に浮いたり海水を吐いたりする能力がある。原作には未登場。アニメでは第5作第26話で初登場。高飛車な性格で近隣住民と揉めていた所を蒼坊主と出会い、人付き合いを学ぶために横丁に行き鬼太郎に会うよう言われたが、なぜか横丁のアイドルになれと言われたと勘違いした。ぬらりひょん達に「皆殺しの矢」で射られて暴走した砂かけを救う為、予知能力を駆使して鬼太郎やかわうそと協力し、以来横丁住民の一員となってレギュラー登場する。その後しばらく鬼太郎を気に入って付き纏い、猫娘を嫉妬させた時期もある。かわうそとは迷コンビであり、彼に度々陰口を言われてビンタすることが多い。妖怪四十七士の熊本県代表。第62話ではその予知能力を生かして占い師を開業(顔半分をベールで覆い、両腕を露出しない服装で人間に変装)。
第5作の制作中にスタッフの間で「予知能力を持つわがままなキャラ」を加えようと案が出て登場となった。「鬼太郎マガジン VOL.1」によれば他に後述のくだんが候補に上がっていた。
第6作では登場しなかったものの、公式YouTube動画において鬼太郎が会っていると言及している[1]
べとべとさん
声 - 石井一久(実写映画版)
大きな口だけの頭に二本足が生えた姿の妖怪。姿を隠して人の後ろを歩き、足音を聞かせて怖がらせるが、それ以上の悪さはしない。
原作では「鬼太郎霊団」にて、鬼太郎霊団の一員として登場。つかみ所のない体で大入道を転倒させた。
実写劇場版にも登場しており、団地から人間を追い出すアルバイト要員としてねずみ男に雇われていた。
「新妖怪千物語」では足が無く、口が付いた半透明の饅頭型の姿。第2話では複数がすねこすりと共にほうこうに捕まり、漬物にされかけた。最終回では人間の思い出を体に詰め込み、忘れないようにと後を付いて来る思い出妖怪。強盗犯の兄貴分の頭に乗りながら豆蔵に亡母の声で呼びかけるが、兄貴分に撃たれてしまう。彼らが地獄に向かうバスや船に亡骸が乗っていた。
アニメでは第6作第4話初登場。ゲゲゲの森の住人で、伝承にもあるように人の後ろを歩いて驚かせるが、「べとべとさん、お先にどうぞ」と声をかけられると姿を現し、無言で一礼して去るのが習性(この対処方法は、実際に原作者の水木しげるが少年時代に「のんのん婆」と呼ばれていた景山ふさという拝み屋の老女から聞かされていたもの)。
牛鬼(うしおに)
サンデー版や1980年代のマガジン版に強敵として登場する同族(その詳細は後述の「1960年代マガジン版・アニメ第1作初出」の「牛鬼(ぎゅうき)」の項目を参照)の別個体。こちらは鬼太郎の仲間で、外見は敵として登場した牛鬼個体とほとんど同じ形態だが、収録本によって呼称が「ぎゅうき」ではなく「うしおに」とされている方が多い。伝承や敵の牛鬼(ぎゅうき)は主に海の妖怪とされるが、この「うしおに」は陸上で生活している。
アニメ版には未登場。
仲間内ではぬりかべと共にトップクラスの怪力を誇る。体の方もゲゲゲの森の仲間内では巨体ながら、かつて敵として登場した牛鬼よりは小柄で、通常時のぬりかべと大差ない大きさである。また、知性もあって仲間たちとも会話し、敬語も使える。表情も笑顔を見せたりしている。敵と戦う時は荒っぽいが、比較的大人しい性格である。敵であった別個体のように生きた気体ではなく、鬼太郎たち同様に肉体や骨格も外見通りの実体を持ち、敵の妖怪に攻撃されると物理的な命の危機に瀕するダメージも負う。
天井なめ(てんじょうなめ)
声 - 田中和実(第3作)、松山鷹志(第6作)
長い舌で天井を嘗め染みを作るという妖怪。緑色の体と付箋のような毛がトレードマーク。原作「釜なり」で妖怪アパートの住民として初登場。
「豆腐小僧」及びそのアニメ化第3作第106話ではカビを好んで食べ、豆腐小僧が蔓延させたカビを取る為に呼ばれた。多人数にカビが生えた為食べきれず、また彼ですらねずみ男のカビを直接嘗めるのは嫌がった(実際に「ねずみ男だけは死んでも舐めたくない」と言っている)ため、胃液を水で薄めてカビ消し薬を作る。第6作では茶色の体で登場し、第61話で妖怪アパートに生えたカビを舐め落としてもらうため砂かけ婆に呼ばれた。その後、妖怪カビが生えた街を元に戻すため、豆腐小僧に連れられて大量のカビを食い尽くした。また、大量の胃液を桶に吐き出す所を見せた。大量のカビを食べつくした直後の状態は媒体ごとに異なり、原作では胴囲が数倍、第3作では腹の膨れた描写無し、第6作では家一軒分の大きさにまで膨れた。
第4作第87話では倉ぼっこの迷い家を荒らす人間への懲らしめに協力する。
つるべ落とし(つるべおとし)
声 - 江川央生(第5作)
突然樹上から目の前に落ちて驚かすとされる、巨大な頭のみ(小さな足が描かれることもある)の妖怪。本作では禿頭ひげ面に厚い唇、左右非対称な目となっている(なお、目の色は作品によっては赤だったりすることがある)。敵を大頭で押さえつけたり口に収めたりする。
初登場は『釜なり』で、多くのアパート仲間と共に釜なり退治に参加した。
アニメでは第2作第19話初登場。
第5作では妖怪横丁の雑貨屋(本人曰くコンビニ)の店主として登場。ひげを手のように使ったり、周囲に多数の釣瓶を落とす(伝承のつるべ落としのバリエーションのひとつでもある)能力を持つ。
第6作ではゲゲゲの森に住んでいるが台詞は無い。
かみきり
声 - 戸谷公次(第3作)
カラスのような顔で両手が鋏状の妖怪。原作「釜なり」で妖怪アパートの住民として初登場。
「まぼろしの汽車」では目玉おやじの呼んだ汽車にいつの間にか乗り、吸血鬼化した鬼太郎とねずみ男を「体が痺れる網」で捕らえた。
アニメ第3作第63話では穴ぐら入道が操る蜘蛛の糸を鋏で切る。
第4作では第40話妖怪運動会で短距離走に出場。夜行さんに負け2着になった。
「国盗り物語」では吸血花ラグレシアの茎を猫娘や傘化けとのトリオ攻撃でぶった切った。
あみきり
声 - 塩屋翼(第3作)
鋏状の両手で蚊帳や漁網などを切るという妖怪。鋏状の手や鳥のような顔などかみきりと似ているが、節足動物のような外皮で下半身は蛇のようになっている。『釜なり』で妖怪アパート住人として初登場。
『UFO宇宙突撃隊』では鬼太郎が宇宙人に洗脳されて暴れ逮捕された時、ねずみ男や一反木綿と留置所に行き鉄格子を切って救出した。
月曜ドラマランド版ではぬらりひょん一味。他シリーズと違い2足歩行で人間態も取る。美しい物を切り刻むのが趣味。
アニメ第3作72話では一反木綿に乗って駆け付け、髪様に切り付けて鬼太郎が八咫の鏡を壊す機会を作った。
第4作40話では運動会の観衆として登場。手のハサミは小さめ。
第6作34話では、ゲゲゲの森の妖怪たちの起こしたアニエス追放運動に参加するが、鬼太郎の説得で改心。48話では畑怨霊の賛同者として登場。第49話では一反木綿たちと共に人間を乗せて飛び、救助し避難させていた。

その他の仲間妖怪

ここでは普段は鬼太郎たちの身近にいないが、仲間として鬼太郎たちと繋がりが有ったり、危機の時に駆けつけて協力してくれる仲間の妖怪を挙げる(厳密には妖精や仙人や精霊の類などもいるが、便宜上仲間妖怪として、ここに分類する)

鬼太郎の母親・岩子(いわこ)
声 - 坪井章子(第3作・地獄編)、鈴木れい子(墓場鬼太郎)
目玉おやじ(鬼太郎の父親)の妻で鬼太郎を身ごもった状態で病死、その埋葬された遺体から鬼太郎は生まれ出た。
鬼太郎誕生当時を描いた作品では母の名は出てこないが、原作「地獄篇」最終回「最後の出会い」や実写映画「千年呪い歌」では「岩子(いわこ)」という名が明かされている。幽霊族の女性だが、「地獄篇」では元はお岩さんの親類で妖怪に近い人間の女性だったとも自身が語っている。詳細は「墓場鬼太郎の登場人物」・「鬼太郎#種族と家族」を参照。
アニエス
声 - 山村響(第6作)
アニメ第6作27話から登場する魔女[注釈 5]、同作「西洋妖怪編」(第27話~第37話)に於けるヒロインにして、同作全編では、ねこ娘、まなに次ぐ第3のヒロイン的な役割でもある。金髪のロングヘアと光彩の鮮やかな紫の瞳が特徴的な整った容姿で、外見年齢はまなと同年代の少女。元はバックベアード軍団の幹部で、軍団を統率する女将軍アデルの妹。様々な呪文を唱えて、多様な魔法を駆使する。特に「ダイナガ・ミ・トーチ」の呪文で手のひらから炎を放射する魔法は、攻撃用として使用頻度が高い。
初登場の第27話で西洋妖怪の秘宝・“アルカナの指輪”をバックベアード城から盗み出し離脱。マレーシアからの難民妖怪が持っていた宝石の一つに変身して日本に入り込み、ゲゲゲの森で変身が解けて鬼太郎達と出会う。直後に現れた狼男ヴォルフガングに連れ戻されそうになり、彼と鬼太郎ファミリーの戦闘が始まった隙に一旦は逃げ出すが、箒にしがみつきついてきたねずみ男からの「どこへ逃げれば安全なんだ」という質問から追っ手から逃れ続けることは不可能と考え直して舞い戻り、ヴォルフガングの弱点である銀の銃弾を鬼太郎に渡し、ヴォルフガングを退却させる。鬼太郎に自分を守って欲しいと頼み行動を共にすることになる。第29話で偶然出会ったまなから興味を持たれ、箒が起こしたアクシデントで服が汚れたこともあり犬山家で一泊し、交流を深める。その後は迷惑をかけまいと去った所をヴィクター・フランケンシュタインに見つかり、追って来て巻き込まれたまなを助けたことから、鬼太郎に爽快アパートの一室を紹介される。
当初は指輪のことで必死になるあまり周囲への配慮を欠く言動や行動もあったが、鬼太郎やまなの優しさに触れ、彼らと打ち解けるようになってからは本来の優しさや善性も見せるようになり、他者を気遣うことも多くなった。鯛焼きやケーキに舌鼓を打つスイーツ好きな一面もあり、鯛焼きはカスタード味が好みであったことが小豆洗いの怒りを爆発させる原因になってしまったが、後に餡子の美味しさも絶賛していた。優秀な姉と比べて自分のことを落ちこぼれと評しているが、実は高い潜在能力の持ち主であり、魔法を覚え始めたばかりの幼い頃にその魔力をバックベアードに着目され「ブリガドーンのコアになりうる存在」として選ばれていた。
第34話ではバックベアードの策略で多くの日本妖怪の知己が行方不明になり、その原因がアニエスにあると見なしたねずみ男[注釈 6] を含む多くの妖怪[注釈 7] から国外退去を命じられ、森を飛び出して孤立していた所をバックベアードに捕らわれる。駆けつけた鬼太郎がバックベアードの催眠術で洗脳されたねこ娘らとの同士討ちを強いられる様を見せられ、悲しみと絶望に呑まれかけるが、自身を含めた仲間達を救おうと強靭な意志力で立ち向かう鬼太郎の奮戦を見て戦意を取り戻し、彼との連携でバックベアードを撃破。しかしバックベアードは大したダメージを受けておらず、逆に魔力の成長を見抜かれる。その後鬼太郎に別れを告げてその場を去り、第35話でまなと初めて仲良くなった場所に座り込んでいたところをねこ娘の連絡を受けたまなと出会い、自分の家族とブリガドーン計画のことを話し、「みんなと出会わなければ、迷惑をかけずに済んだのに」と落ち込むが、まなから元気づけられる。まなの手にお礼のキスをして別れ、ゲゲゲの森で誤解した妖怪たちからの襲撃を受けるが、鬼太郎ファミリーに庇われながら鬼太郎の家に向かい、自分のこれまでの行いを謝罪し心から助けて欲しいと頼む。第36話では調布に出現したアルカナの指輪を鬼太郎ファミリーと探す中、指輪を手にしたまなをアデルたちから助けるために箒に乗せ離れようとするが、まなはアデルから指輪を奪われた挙句転落してしまう(ただし、まなは着ていた鬼太郎のチャンチャンコの霊力に守られて無事だった)。駆けつけた鬼太郎もベアードに捕らわれ、自分もブリガドーン計画を実行させるべくアデルによって捕らわれた。だが、アデルが彼女の身代わりとなってブリガドーンを開始し、アニエスを助けるためにバックベアードの命令に忠実に従っていたという真意を知る。アデルではコアになり得ずブリガドーンは未発動に終わり、バックベアードにいたぶられるアデルと鬼太郎を助けるためコアとしてブリガドーンを発動させられる事態となる。第37話でアデルと彼女の頼みを引き受けたまなの尽力により指輪を外されたことで、ブリガドーンは止まって妖怪化した人間も元に戻り、鬼太郎の活躍でバックベアードも敗北し、指輪も消滅して、アデルとも和解する。その後ゲゲゲの森に住むように提案されたが、バックベアードの支配下や魔女の軛から解放され自由になった分、アデルと共に世界を見て回る旅に出ることを決意した。初めてゲゲゲの森に入ってきたまなに感謝の言葉を示し、鬼太郎ファミリーやまなに見送られながらアデルと共にゲゲゲの森を後にした。
第57話でカミーラがバックベアード復活のために人間の生き血を集めていること、今来日して吸血事件を起こしている吸血鬼はラ・セーヌであろうことを、砂かけ婆の砂通信で鬼太郎に伝えた[注釈 8]。また鬼太郎を封じた結界魔法を遠隔で解き、ラ・セーヌを欺く偽の結界も用意する。
第75話では鏡爺からまなの要請を伝えられアデルと共に救援に駆け付け、西洋の地獄を経由することで九尾の狐・玉藻前に気づかれずに地獄に潜入。地獄の霊的エネルギーの流入を食い止め、玉藻前を弱体化させ鬼太郎たちの勝利に貢献する。
第96話では閻魔大王からの事情説明を受け、ぬらりひょんによって暴走状態に陥ったバックベアードによる世界滅亡の危機を食い止めるべく、同様にぬらりひょんの策謀で消滅させられた鬼太郎を復活させるためにアデルと共に日本に駆け付け、爆撃からまなとねこ娘を助けた。続く最終話では目玉おやじの頼みで戦争を止めるために奔走し、鬼太郎が死んだと思い込み絶望していたねずみ男にアデルと共に鬼太郎は生きていることを伝え立ち直らせる(これが、ねずみ男が妖怪と人間の戦争を止めて和解させ鬼太郎を応援させる行動のきっかけの一助ともなる)。その後鬼太郎が復活して事態が解決するも代償にまなの記憶が無くなってしまったことをねこ娘と共に悲しみ、帰国後も鬼太郎たち同様に身を案じていたが、10年後に記憶が蘇ったまなと鬼太郎ファミリーとの不死見温泉への旅行に参加するなど交流を再開する(妖怪であるため、姉妹とも鬼太郎ファミリー同様に10年後も外見は変わっていない)。
アニエスの箒(ほうき)
声 - なし
アニエスが空を飛ぶために使う箒。魔法で命を与えられているらしく、自分の意思を持って行動する。直接言語を発したりはしないが、自分の意志を具体的な言葉でアニエスへテレパシー的に伝えることは可能で、柄の部分が胴体、穂先部分が頭に該当して感情の表現を見せる。基本的にアニエス以外の命令は聞かず、彼女曰く他人に噛み付くこともあるそうだが、まなのことは一目で気に入って懐いている。アニエスがまなを自分に関わらせまいと立ち去ろうとした際には、彼女を川に突き落として別れないように仕向けるなど、主人の意思に反する行動をとることもある。
アデル
声 - ゆかな(第6作)
アニメ第6作27話から登場[注釈 9]。アニエスの姉で、ねこ娘以上の高い頭身に銀髪のストレートヘアと赤い瞳が特徴の整った容姿をした妙齢の魔女。第6作ではアニエス同様に「西洋妖怪編」(第27話~第37話)に於けるキーパーソン兼同作全体の準レギュラーとして活躍する。戦闘時には右腕に赤い手甲を装着している。様々な魔法石を媒介に飛行魔法、隠蔽魔法、転移魔法、結界魔法といったアニエスよりも多彩かつ高度な魔法を扱い、妖力を強化された鬼太郎の攻撃を傷一つ負わずに受け切るなど相当な実力の持ち主。しかしアニエスや母と比べ本来の魔力は低く、その力は魔法石や彼女自身の一徹な努力によって高度なレベルまで補われたものである。初登場時はバックベアード軍団を率いる最高幹部の女将軍で、一族が代々仕えてきた誇りからバックベアードには絶対の忠誠を誓っていた。魔女の使命を全うしようとする行動には妥協が無く、時には他者を犠牲にするのも厭わない非情さも垣間見せた。一方で、妹や母に対する肉親としての情は深く、頑なにブリガドーン計画実行に向け突き進んだのも「妹に魔女としての本懐を遂げさせてやりたい」「母のような気高い魔女でありたい」という彼女なりの想いがあったためであり、後に、魔女としての使命と妹への想いで板挟みとなっていた複雑な心情も吐露している。
第28話で逃亡したアニエスを追い精鋭である西洋妖怪三人衆を引き連れ日本へ侵攻し、ゲゲゲの森の殲滅作戦を実行。アルカナの指輪消失後はヴィクター・フランケンシュタインにアルカナの指輪の出現の波動を探らせ続けており、第36話では西洋妖怪三人衆と共に調布に侵攻、争奪戦の末指輪を奪取する。アニエスを守るため自身が犠牲となってブリガドーンを開始するが、意図を見抜いていたバックベアードから見限られて痛めつけられ、指輪も奪われてしまう。まなに鬼太郎を回復させるための魔法石を託し、自身はブリガドーンのコアとなったアニエスのもとに赴き命を賭してブリガドーンを止めた(この時に手甲は一度砕けたが、75話以降の戦いでは再び着用している)。戦いが終わった時は完全に改心しており、アニエスや鬼太郎ファミリーとも和解、アニエスと共にバックベアード軍団侵攻の犠牲者たちの弔いも兼ねて世界中を巡る旅へ向かった。
第75話ではまなの要請に応じ鬼太郎たちに協力、地獄にてアニエスと共に玉藻前への霊的エネルギーの流入を止める活躍を見せた。
第96話では閻魔大王からの事情説明を受けてアニエスと共に日本に駆け付け、バックベアードの爆撃からまなとねこ娘を助けた。続く最終話ではアニエスと共に戦争を止めるために奔走し、まなの記憶が無くなってからはアニエスと同じく身を案じていたが、10年後に記憶が蘇ったまなとの不死見温泉への旅行に参加するなど交流を再開する。
アデルとアニエスの母
声 - 小山茉美(第6作)
アニメ第6作29話・35話の回想場面に登場。故人の魔女。髪と瞳の色はアニエスに似ており、目元はアデルに似ている。バックベアードの命令に従い、マレーシアでブリガドーン計画のためにアルカナの指輪に自らの命を捧げた。アデルはその決断を尊重し、静かにその最期を見届けたが、アニエスは母の死を深く悲しみ、この一件が彼女にバックベアードへの不信感と魔女の運命への疑念を抱かせる一因となった。日本でブリガドーン計画が止められたことでアルカナの指輪は消滅したが、その際にアデルは母の姿を見ており、指輪の中の彼女の霊が力を貸してくれた事も示唆されている。
寝太り / 寝肥り(ねぶとり)
声 - 釘宮理恵(第5作)、くじら(第6作)
アニメ第5作80話に初登場。自身は妖怪であることを知らず、普段は(はるか)という女性の姿で生活をしている(少なくとも三十年前から全く容姿が変わっていない)が、男性と食事をしている際に幸せな気持ちになると食欲が止まらなくなって大食いし、直後に眠って巨大な肉の塊に変貌してしまう。その体質の為に建物を破壊して肉の隙間に人間(過去の交際相手たち)を閉じ込め行方不明にする事件を起こし、何度も謎の爆発事故として世間を騒がせていたが、遥自身は寝太りになっていた際の事は全く覚えておらず、何故か交際相手が何度も姿を消してしまうと思っていた。現在交際している男性・一太郎(いちたろう、声 - 岡本寛志)からレストランでプロポーズされた際に寝太りとなって彼を肉の中に閉じ込めてしまい、落ち込んでいた彼女を慰め一太郎の捜索の手助けをしてくれたねずみ男を自宅へ招いて食事を御馳走するが、その際にも寝太りに変貌してしまう。本来は肉の膨張は一瞬だけで済むが、驚いたねずみ男が遥を起こしたはずみにテレビの画面に写った自分の姿を見て気絶したことで膨張が止まらなくなり街そのものを押しつぶす程になってしまう。事件解明の調査をしていた鬼太郎も駆けつけ何とか遥(寝太り)を起こそうと尽力し、ねずみ男が放った屁の匂いによって遥は目を覚まし、肉は元に戻り閉じ込めてしまっていた人間たちも解放された。その後一太郎との再会を喜ぶが、鬼太郎とねずみ男から「今後、食べ過ぎないと約束してください」と言われ、理由は解らなかったが我慢できるよう努力することを誓った(鬼太郎とねずみ男は、遥が寝太りに変貌した事を覚えておらず、これまでの事件の被害を自分が起こしていたと知れば精神的に不安定になってしまうだろうと考慮し敢えて訳は話さなかった)。
第6作では94話で不死見温泉の女将として登場。先々代から妖怪専用の宿として決めており、そのため自らキャンセルしたねずみ男に代わったまなを一発で見破った。一方で忘れっぽいところもある。数十年ごとに災害が起きないように富士山のエネルギーを特殊な土器で吸収する儀式をしていたが、50年前の儀式以降太り過ぎのため洞窟に入れなくなってしまう。まなの代行で解決するが、直後にぬらりひょんと朱の盆に襲撃されて負傷、エネルギーを吸収した土器を奪われてしまう。命に別状はなく、最終話でも鬼太郎ファミリーとまな、アデル・アニエス姉妹が再び旅館に泊まっている写真を撮影していた。まなや鬼太郎たちに真剣にダイエットに励むと宣言していたが、その後の10年経つまでにどれだけダイエットに成功したかは不詳なままの現状となっている。
花子(はなこ)さん
声 - 佐倉綾音(第6作)
アニメ第6作第10話初登場。学校の七不思議として有名なおかっぱ姿の女の子の妖怪で、ねこ娘とは友達の間柄。目玉おやじも褒めるほど可愛らしい容姿をしている。まなが通う中学校の3階女子トイレの奥から2番目に住む七不思議のひとつだったが、ヨースケくんのストーカー行為に耐え切れず学校を逃げ出し、妖怪温泉で旅行中の鬼太郎親子に出会って悩みを打ち明ける。第49話では他の妖怪たちと共に人間を避難させていたほか、第51話では鬼太郎の依頼で幼児化したねこ娘を一時預かるなど、鬼太郎の仲間として度々登場する。
蒼坊主(あおぼうず)
声 - 古川登志夫(第5作)
アニメ第5作第17話から登場する青い衣を着た行脚僧姿の青年妖怪。眉毛や頭髪も青い。右手に六尺棒という武器を持っている。額には一本角と第三の目(通常は閉じている)があるが、普段は笠で隠している。鬼太郎の兄貴分でもあり、かつて妖力を制御できずに暴走させてしまった幼い頃の鬼太郎を鎮め、自身の力の恐ろしさに怯える鬼太郎に対し「目玉だけになってしまった親父さんの代わりに、何度でも身体を張って止めてやる」と慰め、それ以来鬼太郎からは「蒼兄さん」と呼ばれ深く信頼されており、ふだん中々逢えないこともあってか、久々に横丁に訪れた際には普段は落ち着いた性格の鬼太郎が待ちきれずに駆けつけ、彼が去る時には思わず寂しそうな表情を浮かべるほどであり、蒼坊主自身も鬼太郎を実の弟のように可愛がっている。重傷を負ってもお互いの危機が訪れたらつい無茶をしてしまうなど似た者同士でもある。横丁メンバーからの信頼も厚く、猫娘のことを「猫ちゃん」、目玉親父のことを「親父さん」、ねずみ男は「ねずみ」と呼んでいる。呼ばれ方は猫娘からは「蒼さん」、目玉おやじからは「蒼」、砂かけ婆、子泣き爺からは「蒼坊」、呼子からは「蒼坊主おじさん」、ねずみ男ら他の妖怪からは「蒼ちゃん」と呼ばれている。別れが苦手なタチでいつも黙ってこっそり旅に出ようとする。
人間の行脚僧として振舞いながら生活しているが、実は悪妖怪の封印を巡視する役目を持ち、日本各地を旅しており、鬼太郎の師匠ポジションでもあるため戦闘力はかなり高い。しかし、酷い方向音痴でもあるため目的地と反対側に行ってしまうこともしばしばあり、そもそも東西南北が分からないらしく地図を読んでも目的地にたどりつけない。緊急時には呼ばれれば場所がわかる呼子が迎え役となるが、迎えに行けない場所に迷い込んでいることも多く、そのたびに涙ぐんでは助けを求めている。
額にある第三の目を開くと幻惑の術を使うことができ、その能力を使ってぬらりひょんやバックベアードの陰謀を阻止している。
伝承上の青坊主をモデル・モチーフとしてはいるが、容姿や役目・能力などほとんどアニメオリジナルの設定である。
独脚鬼(どっきゃくき)
声 - ボルケーノ太田(第6作)
アニメ第6作28話に初登場。牙が生えた中年男性の姿の中国妖怪。日本で表向きは人間として振舞いながら中華料理店『独脚鬼』を経営しており、正体を知る日本の妖怪たちも常連客として訪れている。日本にバックベアード軍団が侵攻するという噂を聞いた時は、店を畳んで逃げることを考えたが、その後鬼太郎ファミリーがバックベアード軍団を撃退したため店は継続され、81話以降もねずみ男や一反木綿、ひでり神など妖怪たちが来店している。なお、店では下半身がカウンター下に隠れているので人間態でも「独脚」かは不詳。
座敷童子(ざしきわらし)
声 - 加藤みどり(第1作)、山本圭子(第3作)、柏倉つとむ(第4作)、広橋涼(第5作・第6作)
東北地方に住む子供の妖怪。大人には見えないが子供や妖怪には見え、住み着いた家を栄えさせる。見た目とは裏腹に強い妖力をもつ。初登場は「笠地蔵」。四角い坊主頭に常に眠そうな目をした男児の姿をしているが、第5作では髪の毛を生やし人間の子供とさほど変わらない容姿で登場した。
アニメでは第1作第60話初登場。冬越しに入った家の老夫婦の貧しくも情け深い様子を見て、鬼太郎達に相談して贈り物をした。第3作では第12話で登場し、その後も呼子と共に時々準レギュラー的に登場する。第4作では第55話にゲストとして登場し、「福を齎す」よりも「家を守る」面が強い。
第5作では第7話初登場。本作では少女の姿の座敷童子も登場して、共に準レギュラーとなる(なお、男児での座敷童子が登場したのは第85話)。第85話ではねずみ男に目をつけられて男女共々妖怪城に取り込まれてしまう。その後、ぬらりひょんに止めを刺されて妖怪城に食べられた鬼太郎を助けに来たミウによって鬼太郎が復活して妖怪城から脱出する際、2人とも岩手県代表で妖怪四十七士に覚醒した。
第6作では87話登場。見返りを全く求めずに福を齎し、「人の喜ぶ顔を見るのが好き」という共通点で偶然出会った石橋綾と意気投合し、石橋家に住み着いて店を大繁盛させた。しかし、金に目が眩んだ綾の両親に利用され幸せを呼ぶ妖力を使い過ぎて衰弱し、ついには唆されて暴走しかける(作中では、家の中の物を浮遊させてぶつける妖力を使用)が、貧乏神と綾に止められ鎮静し、綾と改心した両親に見送られて石橋家から去って行った。
すねこすり
声 - 矢田耕司(第2作)、内山夕実(第6作)
犬か猫を丸っこくしたような、夜道で人のすねに擦り寄る妖怪。伝承では、歩きにくくなること以外に害は無い。
アニメでは第2作14話初登場。犬妖怪の扱いで、仲間である犬達が自動車にひき殺されるのを怒り、人食い藻クズで作った怪自動車に人間を乗せて車を持たないよう脅す(原作は鬼太郎の登場しない短編「妖怪自動車」。怪自動車のみで、すねこすりも登場しない)。
第3作の劇場版『激突!!異次元妖怪の大反乱』では怪気象の妖怪で、妖怪皇帝や朧車の部屋のドア係。
第5作では第63話で柄が面白そうという理由で虎男に襲われて反物にされる。劇場版では妖怪四十七士の岡山県代表になる。
第6作では第6話に初登場。普段は愛らしい三毛猫のようだが、戦闘時は巨大な狼のような姿になる。人間並の知性を持ち言葉も話せる。人懐こい性格で悪意はないが、擦り寄った人間の気力を吸収する性質がある。住処の集落は昔は宿場として栄え、多人数から少しずつ吸っていたので人間たちも異変を感じない程度で害は全く無かった。だが集落が寂れて、一人に長期間に渡って擦り寄るようになり、そうなると吸われた人間は少しずつ衰弱し、そのまま吸われ続けると最後にはミイラのように干からびて死んでしまう。だが、すねこすり自身はその性質に気付かず、自身が妖怪であることもほとんど無自覚なままで長い歳月を生きてきた。集落で独り暮らしの老女・マサエ(声 - 斉藤貴美子)に拾われ、シロと名付けられて可愛がられるが、先述の性質から彼女を衰弱させてしまう。マサエの息子・(しょう、声 - 金本涼輔)が村に帰ってきた際にマサエと喧嘩になったことから敵視し、彼の帰り際に正体を現して威嚇したため、妖怪だと気付いた翔がポストで知らせたことで鬼太郎と対峙。鬼太郎から自分が人の気力を吸う妖怪だと聞かされ最初は信じなかったが、その後で衰弱したマサエに近づいたところ、彼女がさらに苦しみだしたことで、ついに別れることを決心する。人里を離れて山中に入って行ったが、それを追ったマサエが熊に襲われたため、妖怪の正体を現して撃退。その姿を見ても自分をシロと認めて寄り添うマサエの前で葛藤するが、マサエを追ってきた翔が母親を庇う姿を見て、やはり去ることを決め、悪い妖怪を装ってマサエに襲いかかり、翔にやられたふりをして逃げるように山奥へ消えて行った。ただしマサエも真意には気付いており、別れた後も「シロ、ありがとう」と涙を浮かべていた。その後、鬼太郎に誘われゲゲゲの森に移住し、第8話で歩く姿が見られ、第28話ではゲゲゲの森の仲間たちとともに西洋妖怪軍団と戦っていた(普段の姿のままカミーラの分身コウモリに飛び掛かっている)。第49話では他の妖怪たちと共に人間を救助し避難させていた。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
「妖怪千物語」ではゲゲゲの森に同族個体が何体か住んでいる。猫妖怪の扱いで、人語は話せないが猫娘と会話可能。
井戸仙人(いどせんにん)
声 - 北川米彦(第2作)、青野武(第3作)、八奈見乗児(第4作)、矢田耕司(第5作)/ 演 - 笹野高史
井戸の底に漂うメタンガスを吸って幾千年を生きる仙人。元は人間だったがガスの毒気の影響もあり、永い年月を経て個性的でグロテスクな顔つきになってしまっている。中国出身でユーラシア大陸方面の妖怪や術に詳しく、また妖怪医術や薬学にも長けているため、仙人であると同時に妖怪仲間として認識されている。初登場は原作『妖怪反物』。反物にされた鬼太郎を元に戻し、万能ガラス玉を使ってチーの正体を見破った。アニメでは第2作で初登場。
第3作以降は『妖怪反物』を原作としたエピソード[注釈 10] 以外でも準レギュラーとして鬼太郎たちに協力している。妖怪だけでなく妖精についても詳しい描写がなされている。第3作ではネコ娘の事が好きになり、会う度に「可愛い子ネコちゃん」と言いながら抱きつくのでネコ娘に迷惑がられる。第4作では劇場版『大海獣』に初登場、目玉おやじに大海獣に変身した鬼太郎を戻す方法を教えた。ただし、物忘れが激しく、肝心な所を思い出せない傾向で呆れられるシーンも多い。第5作では妖怪横丁から離れた山中にある井戸に住んでいるが、井戸から外に出るのが大嫌いで自己中心的かつ偏屈な性格であり、やたらと口が悪く、目玉おやじとは古い付き合いだが顔を合わせれば互いに悪口を言い合ってしまう。しかし、目玉おやじに要請されれば井戸仙人は文句を言いながらも助けに現れ、目玉おやじも井戸仙人の妖怪医学の知識と薬作りの腕には一目を置き、実際はお互い気遣っている面が多く、鬼太郎は「ケンカ友達」と評している。また、本作では雲に乗って空を飛ぶ術を使用している。第6作では『妖怪反物』のエピソードがないため登場しない。
提灯お化け(ちょうちんおばけ)
上下半々に破れかけた提灯で、上半分に眼が付き破れ目が口になった姿の妖怪。傘化けと並ぶ器物妖怪の代表格だが、本作では出番が少ない。
アニメでは第2作OPに登場。墓場の提灯が姿を変え中からカラスが飛び出す。
「地獄マラソン」(アニメ化第3作84話)で仮死状態で地獄の入口に来た女子マラソンランナー・花子に地獄マラソンの説明をする。アニメではスターターも務めたがうっかり掛け声と共に火を吹き、ねずみ男と一反木綿の顔を焦がした。
第4作では87話で倉ぼっこの迷い家を荒らした人間の前に巨大な姿で現れ脅かす。
第6作ではゲゲゲの森の住民で複数登場。
物の怪(もののけ)
声 - 塩屋浩三(墓場)
月刊ガロ掲載「鬼太郎夜話」に登場。
科学の発達により、人間を脅かすことができなくなり貧乏生活をしている、小男の姿をした物の怪。聖徳太子が活躍した飛鳥時代から生きており、藤原鎌足が活動していたころは、神として祀られたこともあるとの事。
ねずみ男が吸血木を植えるために買い取ったボロ家に住んでいて、彼と共に吸血木を育てて、せこい金儲けに奔走する。借金取りに雇われた鬼太郎が取り立てに来るが、水神の居場所に案内することで見逃してもらう。
吸血木から再生した三島由紀夫を鬼太郎と共に助け、お礼として三島の家で鬼太郎と一緒にランチをご馳走になった後、再びもとのボロ家に帰り、悠々自適の生活を送る。
初出は貸本版『墓場鬼太郎』シリーズの「鬼太郎夜話」編第2巻「地獄の散歩道」と第3巻「水神様が町へやってきた」(アニメ版第3、6話)。
小豆洗いや、あまめはぎとも外見が似ている。
案内人
声 - 茶風林(墓場)
両腕の他に腰と背中から計3本の腕が生え、頭の代わりに2本の脚が生えた奇妙な男。「案内人」は通称で、正式名称は不明。
月刊『ガロ』掲載『鬼太郎夜話』に登場。鬼太郎の夢じらせの中に現われ、ねずみ男と人狼を出口まで案内し、鬼太郎の言うことを聞くように2人に約束させた。
1980年代の『最新版ゲゲゲの鬼太郎』では、同様の姿の妖怪が霊界テレビのニュースレポーターとして登場。
アニメ第4作エンディングテーマの映像でも、鬼太郎ファミリーや他の妖怪たちと共に夜の街を百鬼夜行的に行進している姿が描かれている。
初出は貸本版『墓場鬼太郎 怪奇一番勝負』(アニメ版8話)で、こちらでも鬼太郎の夢じらせの中に現われ、この時は人間の金田と村田を出口まで案内し、鬼太郎の言うことを聞くように2人に約束させていた。
酒小僧(さけこぞう) / 袖引小僧(そでひきこぞう)
月刊『ガロ』掲載『鬼太郎夜話』に登場。深大寺のすき焼きパーティーに参加し、パーティー途中でうわばみ酒を持って現れた。
貸本版『墓場鬼太郎』シリーズの『鬼太郎夜話』編第2巻『地獄の散歩道』では、袖引小僧として登場(アニメ版未登場)。
天火(てんか / てんぴ)
顔が不明瞭で長い尾を引く火の玉。原作では貸本「地獄の散歩道」に名前のみ登場。
アニメでは第3作第35話初登場で炎の妖怪五人衆の一員。
丸毛(まるげ)
声 - 八奈見乗児(第1作)、野田圭一(第2作第2話)、はせさん治(第2作第43話)、塩屋翼(第3作)、沼田祐介(第4作・第5作)
毬藻のような体の小妖怪。初登場は『げた合戦』。逆柱に子供たちを人質に取られ、貯金箱に化けて金を盗み集める奴隷にされていた。鬼太郎により解放されてからは仲間として活躍。『妖怪反物』では目玉親父と共に中国妖怪の根城に侵入し、箱の中から反物にされた鬼太郎たちを助け出した。しかし『妖怪大裁判』では百々爺たちの圧力でかわうそと共に鬼太郎に有利な発言をすることができなかった。
アニメでは第1作第44話初登場。
第2作では第2話から登場。上記同様の活躍を見せる。43話ではタイタンボウの山でねずみ男を見かけたと鬼太郎に伝えた。
第3作では劇場版『最強妖怪軍団!日本上陸!!』で初登場。中国妖怪の起こした風圧で飛ばされたネコ娘の下敷きにもなり、「娘の尻はかくも重たいものなのか?」と嘆いていた[注釈 11]。また、その際の反物騒動ではねずみ男から「雑巾くらいにしかならねえな」と散々な言われ方もされている。それでも、劇中ではねずみ男が閉じ込められた反物の箱の鍵を開けたり(本人曰く秘術「錠前破り」)[注釈 12]、チーが紙に描いた絵から妖神が現れたのを見てそれを鬼太郎に話したことから妖神を倒す糸口に繋げるなど活躍した。その後テレビシリーズでも第52話から登場。52話では逆柱によって招き猫に入れられお金を盗んだが鬼太郎によって招き猫が割られ解放される。ただし、閉じ込められていた時の記憶は残ってなかった。
第4作では第79、80話に登場。原作同様に中国妖怪軍相手に活躍。逆柱の話(83話)には登場しない。
第5作では第15話から登場。上記同様の事で妖怪横丁の家々から財布を盗むが、目玉おやじに追い詰められて事情を話し助けを求める。一方逆柱は鬼太郎によって本来の向きに戻されて改心した。その後、縁側の下にいた子供たちも解放してもらった。
第6作のオープニングでは綱引きの応援を魑魅と共にしている。本編では94話で不死見温泉への道中に登場。
岩魚坊主(いわなぼうず)
声 - 広中雅志(第3作)、佐藤正治(第4作)、辻親八(第5作)、中村光樹(第6作)
年経たイワナが化けた僧形の妖怪で、死者の霊を導いたり悪霊を封じたりする法力を持つ。原作には未登場。
アニメでは第3作第53話初登場。鬼太郎が押さえたモウリョウを経を唱えて石に封じ込めた。
第4作では第59話初登場。オバリヨンと親しかった少女の死期を知り、その魂の昇天を一日遅らせて姉と会わせた。第103話では旧鼠を生み出す元になった廃寺の不浄霊を浄化する。
第5作では第92話初登場。物や妖怪を岩に変える力を持つ。イワナが好物。浪小僧に弟子入りを志願されて当初は断ったものの、目玉親父の勧めもあり入門させる。気が短いところがあるため、大らかな性格の浪小僧との相性が心配されており、一度は誤解から浪小僧を破門させるものの、訳も聞かずに怒ったことを反省し、猛霊八惨と浪小僧の対決に加勢、強い絆で結ばれた師弟は共に四十七士に覚醒した(岩魚坊主は岐阜県、浪小僧は静岡県代表)。第100話では浪小僧と共に天狗大本堂を訪れ、群馬県の温泉街で松明丸と戦った。
第6作では同族が大勢おり、その中の一体は第23話で初登場し、爽快アパートであかなめと将棋をしていた。第28話では同族が集まり西洋妖怪と戦ったが、何体かがヴィクターの合成生物に食い殺された。48話では一体が畑怨霊の賛同者として登場。第49話では同族や他の妖怪たちと共に人間を救助し避難させていた。95話では人間と妖怪との戦争が勃発しそうになり、一体は夜行さんが人間の集まる場所を何か所か襲撃する計画に他の妖怪たちと共に参加するが、標的の一つに病院も含まれた時は、他の妖怪が賛同する中で「病人や負傷者を襲うなんて間違ってる」と唯一反対していた。しかし、その優しさも空しく対妖怪専用の武器を持った政府の派遣する警察や自衛隊関係者たちに急襲され、夜行さんら他の妖怪たちと一緒に射殺されてしまう。96話以降は複数体が妖怪大同盟に参加、最終回で邪魅らと共に戦死した者もいたが、生き残りはねずみ男の呼びかけを聞いた。
ガマ坊主(ガマぼうず)
カエルのような姿をした妖怪。岩戸の番人を務める。手に持った杖で妖力を操り、電撃で相手を液体のように溶かしてしまう。妖怪のエネルギーを蓄え、千年も生き続ける。水晶玉と一心同体している。岩魚坊主とは親戚関係。「岩戸のガマ坊主」に登場(生前の水木のデザインとアイデアを元に作られた水木プロによる完全新作書き下ろしである)。
ミウ
声 - 浅野真澄(第5作)
アニメ第5作に登場するアマミ一族姉弟の姉。西洋妖怪の侵略から自分たち姉弟を救った鬼太郎に想いを寄せ、彼を人生の師と仰ぐ。第32話初登場。瀕死の母[注釈 13] から体内に秘宝・『地獄の鍵』を託されたことで、ミイラ男バルモンドの執拗な拷問を受けた。その際、命がけの駆け引きで敵を牽制して島民を守り、自分も生き残るという困難な課題を見事に達成した。西洋妖怪への恐怖心や母親を殺された恨みなどといった個人的感情に流されず、自分の命と引き換えに島民を守ることで鬼太郎への愛を示そうとした一連の勇気ある行動は彼女を殺して地獄の鍵を回収しようとした地獄の高官・五官王の心をも動かした。ネコ娘やドラキュラ三世が見とれるほどの美人で、鬼太郎が好む女性のタイプを知っている猫娘からはライバル視される。子ども好きであり、子ども達の前では笑顔を絶やさない。ネコ娘とは第51話の東京見物で知り合い、入ったビルが災害に遭った際に皆を救う為の互いの行動を讃え合った。母親を亡くした体験から他者の命を守ることには命を賭けている。妖怪としての能力は強力な治癒(鬼太郎のちゃんちゃんこなど物も瞬時に修復できる程)とテレパシー、一族由来の水中能力であるが、攻撃用に爪を鋭く延ばすことが可能。陸の幽霊族と海のアマミ一族と称されるように幽霊族とは近い系統の種族であるため、また『地獄の鍵』の守護を地獄から任命されていたこともあり、穏やかな感情で封じてはいるが実は鬼太郎と互角レベルの戦闘力を持つ。鬼太郎の体内電気すら通用しない。使用する機会と武器としての使用が知識にも心にもなかったために『地獄究極奥義』を使用した事はない。
第85話ではぬらりひょんに連れ去られ、蛇骨婆に催眠術で操られて妖怪城の花嫁にされた。催眠術で操られたことで穏やかな感情を失い、妖怪城へやってきた鬼太郎を痛めつけた。その後、ぬらりひょんにとどめを刺された鬼太郎が妖怪城に食べられたあと催眠術が解けて用済みとなり、蛇骨婆の蛇に右腕を噛まれ毒で始末されそうになるも、呼子と共に駆けつけた蒼坊主に毒を吸い出され助けられた。その後、妖怪城に取り込まれた鬼太郎を助けるために自ら妖怪城の内部に行き、妖怪城に取り込まれた妖怪たちと共に妖力を鬼太郎に分け与えた。
カイ
声 - 下野紘(第5作)
アマミ姉弟の弟。姉思いの優しい少年。姉共々第32話初登場。鬼太郎より背が高く、大人びていて高校生のような風貌をしている。作中で見られた泳法はドルフィンキック。第85話で姉が連れ去られた際には彼に関する描写が無く、その後も登場していない。
バケロー
声 - 田中秀幸(第5作)
アニメ第5作第55話から登場。元は妖怪百目の杖だったが、百目が鬼太郎に倒された時に壊れ魂だけとなった。その後色々な物に取り憑いて生き延びてきたが、携帯電話フィーチャー・フォン)に取り憑いた時に人間の少年(声:置鮎龍太郎)に買われ、現在の体である携帯電話の型番「BAK600」をもじって「バケロー」と名付けられた。隆と一緒に過ごすうちに彼に情が移ったらしく、百目の魔手から守り、鬼太郎に百目をもう一度倒すように頼んだ。百目との戦いで壊れるが妖怪横丁で直してもらい、目玉おやじとも仲良くなって鬼太郎の仲間に加わった。ワンセグ(目玉おやじがテレビを見る場面もある)、GPS、ネット検索やメール、計算といった当時の携帯電話の機能を揃えている。また、霊界電波を送受信できるので地獄との通話や特殊空間のGPS探知も可能。
バンダイの関連商品「DX携帯妖怪 BAK600(バケロー)」のタイアップとして登場したキャラクター。
古今東西妖怪大図鑑(ここんとうざいようかいだいずかん)
通称「古今(ココン)」。アニメ第5作第17話初登場。意志を持った書物で、第17話より飛騨の天狗から蒼坊主を通して鬼太郎父子に贈られた。多くの妖怪についての情報が記されており、しかもその内容は風の便りを受けて自動追加されていく。また、その情報を元に特定の妖怪を封印する御札を作り出せる。表紙の丸窓部分が顔、また錠前に付いた綱を手足のように使って動ける。人語は話せないようで「ココーン」としか言わない。下心に敏感で、着いて早々ねずみ男のそれに反応して逃げ出し、目玉おやじがどうにか宥めて連れ戻した事がある。以降、鬼太郎の家でのペット的存在だが、時々近いサイズの妖怪達と遊びに行ったり放浪の旅に出たりして留守の時もある。
バケロー同様にバンダイの関連商品「DX妖怪大図鑑」のタイアップとして登場したキャラクター。
川男(かわおとこ)
声 - 小西克幸鈴木琢磨(第5作)
伝承では川沿いにいる大柄な人のような姿の妖怪。
アニメ第5作第42話初登場。二人組で一人は大きな鼻髭と顎髭を生やした中年姿でもう一人は顎に無精ひげを生やした青年姿でいずれも長髪で両手足に鰭のような物がある。常に飄々とした雰囲気で沼や川の近くに座り込んで話をしている。基本的に会話は青年の方が話して中年の方が答える形で始まる。自身達の目の前の川が干からびても「水のない川って川って言うのかな?」と相手に尋ねたり自身達の先祖の水妖怪の残した大事な水神石がなくなっても「気配を感じないからなくなっているかもね」と言うなどかなり無頓着な性格でねずみ男から「呑気な連中」と評されている。42話のラストでは「総理大臣の支持率、微塵も上がらないね」という現実的な会話もしていた。登場した話は必ずラストの方で事件解決に関する彼らの会話が入る。
二宮 金次郎(にのみや きんじろう)像
声 - (台詞なし)
アニメ第6作第10話登場。学校の七不思議として、まなが通う中学校校内や外を走ることがある。砂かけ婆たちとは連絡を取り合う仲で、「ニノ」と呼ばれている。像そのものが妖怪なのか、二宮金次郎の霊が像に憑依して生まれた妖怪かどうかは不明。
化け鯨(ばけくじら)
体長数百m超に及ぶ巨体を持つ、クジラの骨格を模した姿の妖怪(水木による妖怪画とアニメでは尾びれの形状が異なる)。
原作には未登場だが、水木しげるが化け鯨に関する話を執筆中に体調を崩したエピソードがある(化け鯨を参照)。
厳つい容姿だが、一見すると微笑んでいるようにも思える眼窩が特徴(初登場話の鬼太郎たちとの邂逅前では怒っているように見える場面もある)。多数のクジラの魂の集合体とも言われるが正体は謎。骨鯨とも呼ばれ、日本海に出現した時は多数の妖怪魚を引き連れていた。
アニメでは第4作第18話「深海の奇跡!化け鯨」で初登場。「象の墓場」ならぬ「鯨の墓場」の守護神であり、強大な妖気と体躯に見合った怪力をもつ。尾の一撃は、西洋妖怪四天王の一角で巨体のブイイ(後述)を海中深くに沈めるほど。その反面、仲間を傷つけないように繊細な力と海水のコントロールが可能。第104話「恐怖!吸血妖怪の島」では、海水に弱い吸血樹を潮吹き等で殲滅したことも。また、伝承によればすり抜けて攻撃を受け付けないらしい。北陸から東京湾まで数時間で到達するほどの猛スピードで海面を泳ぐことや、凍らされた仲間を体内で溶かすこともできる。しかし、必要以上の攻撃はしないようで人間を無暗に襲ったりすることはなく、警告程度に済ますようである。鯨らしく知能が高く寛大なようで、嵐の中で命を落とした鯨の研究者の魂を(彼が鯨を愛していた事も全て見通した上で)引き取り、多数の鯨の霊と共に「クジラの墓場」で安住させていた。背中に乗せた者達が眠るのを邪魔しないように静かに泳ぐなど親切な妖怪でもある。クジラの霊の安息の聖地である周辺海域を汚した人間に対する警告と、鬼太郎および上記の鯨研究家の娘を呼ぶために暴れ、親子の再会を許したと共に、聖地を荒らすなというメッセージを鬼太郎たちに託した。その後は第98話「試練・妖魔城への道!」および第99話「決戦!妖怪王対鬼太郎」など、何度か鬼太郎の助っ人に現れて一行の絶体絶命のピンチを救ったりしている。
妖怪千物語では海の生き物や生態系を守る「海の守護妖怪」として紹介され、半魚人が操る大イカとの戦いで鬼太郎に協力した。
モノワスレ
演 - 谷啓
実写版に登場。目玉親父の旧友で、老人の姿をした自然と草花を愛でる妖怪。花(忘れ草)を媒体にして人間の記憶を消す能力を持つ。三浦実花・健太姉弟から鬼太郎の記憶を消し去った。
三つ木霊(みつこだま)
演 - 向井地美音(ハルカ)、佐々木麻緒(ヒビキ)、荒木博斗(ワタル)
実写版に登場。菊、椿、紅葉に古木から生まれた幼い三つ子の木霊。ハルカは長女、ヒビキは次女、ワタルは長男で末っ子。コケシに変身して連絡を取り合う役割をする。

かつて敵だった味方の妖怪

ここでは敵役として登場し、戦いの末に降参または和解、そして後に鬼太郎の味方として活躍する(原作重視)者を挙げる。敵対した事はあっても群衆扱いだった者は前項を、“敵と味方で別個体と思われる(封印したのに再登場したなど)者”や“原作では倒されたが一部のアニメなどで味方になった者”は後述の「日本妖怪」を参照。

鬼童・伊吹丸(きどう・いぶきまる)
声 - 古谷徹(第6作)
アニメ第6作で「大逆の四将」の一体として第69話に初登場。伝承では『古今著聞集』などに登場する、日本三大妖怪の一角・酒呑童子の息子といわれる鬼。本作では「伊吹丸」という名前が付けられている[注釈 14]
左額の角を除けば美青年風の面持ちだが、その風貌とは裏腹に鬼の中でも最強クラスと称される実力の持ち主。常に携えている刀からは強力な斬撃を放ち、鬼太郎とも互角以上に渡り合い、刀の鞘で軽く突くだけで猫娘を戦闘不能にしている。また、呪禁道などの呪術や知識にも長けており、鬼道衆の操る呪装術は一切通用しない。かつては父親の酒呑童子を首魁とする大江山の鬼の一党に与していたが自身は人間の支配などには興味がなく、心を通わせていた人間の娘・ちはや(声 - 山崎和佳奈)や奴隷の人間とともに出奔、遠く離れた地に里を築き穏やかに暮らしていた。しかし近隣の国主によって里を滅ぼされ、ちはやも殺されたことで復讐の鬼と化し、国主とその血族をはじめとした人々を皆殺しにして国ごと滅ぼしたことで鬼道衆に討たれ千年前に地獄に投獄されたが、ぬらりひょんの手により脱獄する。脱獄後は私利私欲で暴れた他の四将とは違い、首を斬り放されたちはやの胴体を探し成仏させるため探索を開始、憑坐(よりまし)となり得るまなに目を付け連れ去ってしまう。胴体が眠るダムを破壊しようとしたため鬼太郎と対立するが、事情を知った鬼太郎たちの協力により胴体を発見し、ちはやと千年ぶりの邂逅を果たす。目的を果たした後は潔く地獄へ戻る道を選び、鬼太郎に人間と妖怪が共存することの難しさ、零に復讐の虚しさを説きながら連行されていった。
第75話ではまなの申し出により半身(魂)[注釈 15] の状態で現世に復活、零に自身の力を与え九尾の狐との決戦の場へ誘った。事件解決後、閻魔大王より功績を認められ半身(魂)[注釈 16] の状態で現世に留まることを許可され、零を一人前に鍛えるべく修行の旅についていくことになった。
第96話でぬらりひょんの裏切りによって暴走したバックベアードによる世界滅亡の危機に憑依していた零と共に駆け付け、自身が知る限りの「あらざるの地」に関することを語り、あらざるの地への入り口を開く零の術をサポートする。最終話終盤でまなが記憶を失くしてしまった際は、その代償の大きさに対し零と共に複雑な思いを抱くも取り乱さず、鬼太郎たちには「犬山まなの命、助かっただけでも良しとせよ」と諭していた(それでもやはり鬼太郎やねこ娘、アニエス、鬼太郎ファミリーはショックのあまり動揺せずにはいられなかった。10年後にまなは記憶を取り戻す)。
鏡爺(かがみじじい)
声 - 永井一郎(第1作)、宮内幸平(第3作)、丸山詠二(第4作)、石塚運昇(第5作)、塩屋浩三(第6作)
古い鏡の中に潜む老人姿の妖怪。鳥山石燕画の百々爺が姿の原型で、妖怪としては「ゲゲゲの鬼太郎」オリジナルのキャラクター。
若い女性や少女が鏡を用いる際に鏡の中から覗き見たり、いかがわしい真似を働くやや好色な面がある。他方、アニメ第3〜6作では女性や子供を守る紳士的な面もある。
原作「鏡爺」では少女の姿を奪い鏡に閉じ込める(被害者の実体は透明になる。アニメ第1作では捕らえた姿を奴隷にしようとした)。「形が無い故に鬼太郎の必殺技が通じない」という特性で鬼太郎を苦しめたが、本体である鏡に戻った際(普段の姿は老人の遺体に魂が憑依したもの)にその鏡を破壊されて退治された。鬼太郎たちの奪われた姿も一緒に失われるかも知れず一か八かの賭けだったが、彼らは元に戻ることができた。
アニメ第1作では8話に登場。カオリ(声 - 杉山佳寿子)という少女を襲い、捕らえた姿を奴隷にしようとしたが、鬼太郎に鏡を破壊されて消滅した。
第3作では2話から登場。天童ユメコを襲い、彼女が鬼太郎と知り合うきっかけを作る重要な役回りになる。元々はある山村で少女達の守護神とされた鏡だったが、過疎化で村ごと捨てられて屈折していた。多数の鏡を操って囲い込む術や分身能力を使っての猛攻で鬼太郎たちを苦しめ優勢になるが、ユメコが大事にしてくれた女性・はな(鏡じじいは「おはなちゃん」と呼んでいる)の孫と知って改心。原宿の古道具屋に移り住む。その後70話で雲外鏡に騙された鬼太郎たちにぬりかべの妖怪漆喰で封じられるが、無実を信じるユメコに助言し、磯女の協力も得て雲外鏡の魔手から鬼太郎たちを救った。この時ユメコは鏡爺を「ちょっとエッチでロリコンだけど優しい妖怪」と語っている。
第4作では全ての鏡の向こう側に通じる「鏡の世界」の住人として4話から登場。村上祐子達の学校にある大きな鏡の中に住む学校の守護神とされていたが、校長の判断で鏡が粗大ゴミにされて激怒した。子供たちを誘拐し「鏡の世界」に閉じ込めた事で鬼太郎と対峙する。鏡の世界では無敵を誇る鏡爺の猛攻に鬼太郎は苦しめられ劣勢となるが、砂かけ婆の「合わせ鏡の術」で鏡の世界からの脱出に成功。深追いした鏡爺は鬼太郎と砂かけ婆の連携攻撃に倒れ降参して改心。田舎の学校に移り住む。その後13話でねずみ男が開催したお化け屋敷にて幼少時の母親の死によるトラウマから失語症になった少年・太郎(声 - 大谷育江)を笑わせてくれるよう父親が鬼太郎に懇願した際、子泣き爺や砂かけ婆らと共に少年を笑わせるのに協力している。
第5作では劇場版に登場。鏡だけに限らずつるつるして姿が映る物なら何にでも移動でき、大きさも自由自在に変えることもできる能力も加わった。元々は大霊山のヤトノカミの封印の番人で人々を蛇神から守る守護神の役目をもっていたが、自身の本体である鏡を祀った社を大事に管理していた風祭華の祖母が亡くなり、華の母・琴から「赤ちゃんが生まれたら会いに来る」という約束を忘れられて孤独と失意の中で屈折していたところを大蛇女に唆され、華を襲い、永遠に心の美しい少女のままにしようとする。ネコ娘や子泣き爺を「妖術・鏡流し」で日本各地へと転送したり、鬼太郎のちゃんちゃんことリモコン下駄を奪って目玉おやじと一緒にアジトに封じ鬼太郎を鏡の世界に閉じ込めたりと苦しめるが、ねずみ男が起こした騒動で鬼太郎は脱出に成功。霊力が低下した鬼太郎を相手に分身能力を使っての猛攻で優勢になるが、本体の鏡に体内電気を食らって分身が消滅し、ちゃんちゃんことリモコン下駄を取り戻されて鬼太郎の霊力が復活し逆転される。鏡の中へ逃げようとしたところをねずみ男の痰攻撃に封じられ、鬼太郎の渾身の一撃を食らって倒れ本体の鏡ごと拘束される。妖怪長屋で砂かけ婆と夜行さんに監視されていたが、ねずみ男と大蛇女によって二人が昏倒させられ妖怪横丁から脱出。鬼太郎と華のもとへ現れヤトノカミ達と合流する。大霊山の社の鏡扉の封印を解き華からヤトノカミの魂を取り出せば後は自由にしてよいと言われていたが、そうすれば華は死んでしまうと知り、用済みとして大蛇女に致命傷を負わされたことで騙されていたと気付き改心。完全体となったヤトノカミとの戦いの際、最後の力を振り絞り鬼太郎の霊界符と風祭家の鏡を繋ぎヤトノカミに壊された華と琴の絆を取り戻させた。それまで琴が大人になったことで心の美しさを失ってしまったと嘆いていたが、自分の知る「おことちゃん」の本質は琴の潜在意識の中では変わっていなかったことを知り、彼女に「華と仲良くな」と言い残して消え去った。
第6作でも全ての鏡の向こう側に通じる「鏡の世界」の住人として第8話から登場。女の子を鏡の中から覗き見ることを好む好色な面は原作や第3作と同じだが、それ以上の悪戯はしない。山村の旧家・緒方家の老婆の嫁入り道具である古い鏡(元はその老婆の母親の嫁入り道具)に長年住んでおり、その老婆を守護していた。学級で緒方家の見学と掃除に来たまなたちは、それ以来怪現象に見舞われ、消息を絶ったまなの姿を部屋の鏡に見つけた鬼太郎たちは鏡爺の仕業と考え、緒方家の鏡から鏡の世界に入った。だが実はまなたちを狙ったのは庭の石碑から蘇ったがしゃどくろで、鏡爺はそれをいち早く察知しまなを鏡の世界へと避難させ助けていた。内気な性格ゆえ鬼太郎たちにうまく訳を話せなかったが、がしゃどくろに襲われるまなが見つかって誤解が解け、彼女を守り鬼太郎たちと共闘した。まなを見守っていたのは「初恋の人に似ていたから」と言うが(それだけでも鬼太郎たちにドン引きされかけたが)、その後ねこ娘にも同じことを言って惚れるなど実はただの女好きで鬼太郎たちに呆れられてしまい、結局は両者にフラれた。本作では砂かけ婆や子泣き爺と顔見知りの仲。50話から鬼太郎たちに頼まれて大逆の四将についての情報を収集する。74話で地獄の異変をねこ娘に伝え、75話でねこ娘とまなが鬼太郎たちの援護で地獄へ向かうために協力し、アニエスとアデルに連絡を取る活躍をする。
『パチスロ版』では、鬼太郎のコピーであるブラック鬼太郎を誕生させる。
傘化け(かさばけ) / カサやん / からかさ小僧(からかさこぞう) / 化け傘(ばけかさ) / 唐傘(からかさ)
声 - 兼本新吾(第2作)、小林通孝(第3作初登場第23話のみ)、平野正人(第3作)、草尾毅(第4作)、小西克幸→高戸靖広(第5作・第53話以降)、稲田徹(第6作)、金子はりい(異聞妖怪奇譚)、デーブ・スペクター(実写映画版)
古びた傘が魂を持った妖怪(いわゆる付喪神)。傘に一つ目と両腕、片足を生やしたような姿をしている(作品によっては口が描かれていることがある。両腕は引っ込めることが可能)。傘の色は原作では茶色だが、アニメでは赤が多い。上記のように呼称が多数あるが、「傘化け」以外はその都度記す。
ほとんどの技は一本足を軸にした回転に由来し、飛行・催眠術・丸鋸式に切断・攻撃の跳ね返し・強風を起こすなど多彩。更に必殺技として目から高出力熱線を放つが、鏡に反射されてしまうのが欠点。
鬼太郎作品への初登場は貸本「ボクは新入生」で、ブリガドーンに住む幼い個体「カサちゃん」が登場。
連載作品初登場は『電気妖怪』(初アニメ化第1作第25話)で、ゲゲゲの森の住人で「カサやん」と呼ばれる2体が鬼太郎と子泣き爺をかみなりの住処へ運んだ。
アニメ初登場は第1作第7話。妖怪ショーに参加するが、乱暴な2人組に骨を抜かれる。
サンデー版の原作『傘化け』及び第2作第24話ではねずみ男に騙されて鬼太郎からちゃんちゃんこを奪い、その霊力を利用して大富豪の一人息子に化けて本物と成り代わり財産を手に入れようとするが、鬼太郎との再戦で熱線を鏡で反射され焼け焦げて敗北、原作では完全に燃え尽きてしまう。第2作では敗北後、ねずみ男が鬼太郎に自分を退治させて礼金をせしめようとしていたことを知って激怒し、当分の間ねずみ男を召使いとしてこき使うことで勘弁することにする。
第2作では24話で敵対した傘化けとは別に「カサやん」と呼ばれる仲間が登場。
『鬼太郎のお化け旅行』第15話では、海外遠征中の鬼太郎ファミリーの元へ飛来、留守中の日本に再び悪事を働く妖怪が現れたことを伝え、ベアード戦に加勢する。16話の帰途でも一緒にハイジャック犯を退治するが、ねずみ男と共にブードーの秘曲を盗んだ。
雪姫編の『傘化け』では悪意を持った妖怪として生を受け、熱線を放って暴れたり雪姫をさらってこき使ったりしたが、サンデー版同様に鏡台で反射された熱線で燃え尽きた。
第3作では6話と26話で「からかさ小僧」、23話などで「化け傘」の名で登場。敵対する話はない。23話では雨山博士の施したコーティングでかみなりの放電を防ぎ、26話では妖怪野球チーム選手として登場しバット代わりに和傘を振って試合初のヒットを放った。空輸力として頻繁に登場し、多数で飛ぶ回もあった。
『幽霊大戦争』では複数でぬりかべを現場に運んだ。
第4作では第31話に登場。目玉おやじ曰く「オバケの良い性格だが、あまり頭は良くない」とのこと。無人の炭鉱跡でひっそりと暮らしていたが、仙人を名乗るねずみ男に唆され、鬼太郎を襲撃してちゃんちゃんこを奪う(実際にちゃんちゃんこを奪ったのはねずみ男で、傘化けの熱線が起こした火事の煙に紛れて鬼太郎の頭を殴って気絶させた)。ちゃんちゃんこの霊力で一年前に亡くなった大富豪の老人・伊集院寿太郎に化け、その妻・タエの前に現れて屋敷で暮らすが、自分を夫だと思い込んでいるタエが語った「多忙な金持ちになる前の貧乏な暮らしのほうが長く一緒にいられて幸せだった」という言葉に、「幸せとは決してお金があることではない」と教えられる。その後、ちゃんちゃんこの反応を辿って来た鬼太郎と戦うが、奪い返されたちゃんちゃんこで目隠しをされて落下、逆エビ固めを食らってギブアップし鬼太郎に自分を唆した仙人の似顔絵を描いて教え、黒幕がねずみ男だと判明する(悪事がバレたねずみ男は、砂かけ婆の妖怪アパートで無償労働をする罰を受ける)。最後にもう一度だけちゃんちゃんこを借り、大切なことを教わったお礼として寿太郎を演じ、「自分はもう死んでいて、急な別れが心残りで戻ったがもう行かねばならない。のんびり待っているから、子供や孫たちと長生きして欲しい」と別れを告げてタエの元を去る。劇場作品『おばけナイター』では第3作同様打席に立つが普通のバットを使い、頭上に打ち上げた球を傘(自分)の上で回す芸を披露し審判に「上手いわ、でも(自分の打球に最初に触ったから)アウトよ」と言われた。79-80話では中国妖怪軍との戦いに加わるが、最初の城攻めで敗れ反物にされた。オープニングでは顔の輪郭がついた全く違うデザインとなっている。
第5作では妖怪長屋の住人として登場。普通の唐傘になりすますことが出来る。ある人間の女性と親しかったが別れてしまった過去から、人間とは距離を置くべきと考えており、58話では鷲尾とデートの準備をするろくろ首の邪魔をしたり、雑巾妖怪ギュギュ(白うねり)を飼い始めた子供たちに、手に負えなくなることを見越して早く成長させる方法を吹き込んだりした。回転を得意とすることから横丁一のコマ回し名人でもあり、自身をコマ、一反木綿を紐に見立てた連携技を使う。
第6作では唐傘の名称を持つ。50年前からろくろ首、あかなめと共に爽快アパートに棲みついており、オーナー夫婦と共に暮らしてきた。豪快で情に厚い妖怪だが、やや浅慮で押しつけがましい面があり、鬼太郎も巻き込んで人間とひと騒動を起こしたこともある。また器物妖怪という性質故か、モノが大事にされることに関して非常に強い想いを持つ。鬼太郎を苦しめてきた過去シリーズと違い大した実力は持っていないが、鬼太郎のちゃんちゃんこを着用した際には妖力を増し、熱線攻撃や傘骨針など多彩な技で鬼太郎を終始圧倒していた。他にも5話では鬼太郎を助けるために子泣き爺を現場へ運んだり、7話で幽霊電車作戦に協力するなど活躍の場も多い。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
妖怪千物語では封じ札を貼られてお堂に転がっていたのが、雨宿りした子供たちの一人に封じ札を剥がされ復活。熱線を放って暴れ催眠術でねずみ男と猫娘を操り鬼太郎共々焼き殺そうとしたが、ぬりかべ反射鏡で跳ね返され自分が焼け敗北。鬼太郎に火を消されて助命され改心、以降は仲間になる。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』ではねこ娘や子泣き爺に成りすまして放火していた。特定条件下で仲間にできる。
あかなめ
声 - 北川国彦(第2作8話)、今西正男(第2作28話)、つかせのりこ→頓宮恭子、難波圭一(第3作)、粕谷雄太(第6作)
浴室に現れて長い舌で湯垢を舐めるという妖怪。ザンバラ髪で緑色の肌をした子供の姿で描かれることが多い。
『あかなめ』(初アニメ化第2作28話)では人間が捨てたゴミが集まり変化した巨大あかなめが出現、緑色の肌をしたあかなめとは別種の存在で、触れた物全てを自分の体と同化させる。東京を占領してゴミや害虫の王になろうとし、鬼太郎をも吸収した。進化した蝿・ブン太の入れ知恵でねずみ男が古代植物の種を探し出し、猫娘を騙して植え付けさせたため体の養分を全て取られ東京湾に倒れ緑の島になった(『妖怪千物語』では猫娘と目玉親父が種を探し出して植えた)。このあかなめもまた、牛鬼と並ぶ鬼太郎の手には負えず鬼太郎以外の人物が対応した数少ない妖怪である。『釜なり』『傘ばけ』などでは妖怪アパートの住人としてあかなめの姿が見られる。
アニメ第2作8話では、更に別種の老人姿のあかなめが登場。外見は登場したあかなめの中で一番人間の姿に近く、汚れを浄化する力を持ち清潔好きな性格。人間の環境汚染に怒って汚れを養分に育つマンモスフラワーを繁殖させたが、鬼太郎との話し合いで和解した。
伝承や水木の妖怪画にも描かれているザンバラ髪で緑色の肌をしたタイプは、アニメ第3作の第8話が初登場。だるま妖怪相談所の客として訪れ、現代の人間の風呂が清潔過ぎて舐める湯垢が無いことを嘆いていた。33話でゴミの化学物質を食べ巨大化した時(原作『あかなめ』がベース)は獲物を舌で捕らえ呑み込んでいた。古代植物の力で元に戻った後は鬼太郎の仲間となる。舌でくすぐる位しか能力は見せなかったが、劇場版第3弾や57話では工事用保護帽と角材で武装して中国妖怪や八百八狸との戦いに参加する。
第4作では第16話に登場。本作では言葉を喋ることが出来ず、声もほとんど発しない[注釈 17]。ねずみ男の住む廃アパートに白溶裔と住み付き、インチキ商売の片棒を担ぐことになる。清掃会社「クリーンネズミ」の特殊作業員として、あらかじめ白溶裔がつけたカビを舐め取って綺麗にしていたが鬼太郎たちにバレてしまい、クリーンネズミは解散となり、名残惜しみながらねずみ男のもとを去っていく。都会の汚れを吸収して白溶裔と同様に巨大化するが過去のシリーズのように狂暴化はしておらず、白溶裔に吹き飛ばされそうになったねずみ男を助け、白溶裔の汚れを舐めて元に戻そうとする。抵抗する白溶裔の尾の攻撃を食らって倒れこんでしまうが、風神と雷神が起こした暴風雨で衰弱した白溶裔をねずみ男と共に必死で庇う。その後、元の姿に戻り、白溶裔、ねずみ男と一緒にアパートに帰っていった。
第6作では、第23話でろくろ首、唐傘と共に50年前に爽快アパートに住み付いた妖怪として初登場。第4作と同じく言葉を喋らないが、鳴き声的な発声で妖怪同士では意思が通じる。ヤモリのように壁や天井に貼り付いて風呂場に現れ、湯垢を舐めて住人を怖がらせたが特に危害を加えることは無い。体から紫色の煙を出して煙幕を張る能力を持ち、アパートにやって来た鬼太郎と対峙した際に、この力でろくろ首をサポートするがあっさり成敗される。最高の垢を舐められるアパートから出て行きたくないとろくろ首たちと号泣し、大家の計らいで住むことを許されてからは、地上げ屋を鬼太郎ファミリーの手を借りて追い払ったり、大家夫妻の孫娘の夏美と遊んだり(幼い夏美からの愛称は「あかにゃー」)と良き住人となる。夏美の将来を考え、長い間姿を消して見守っていたが、彼女が交際相手に騙された際に姿を現わし、落ち込む夏美を慰めようと頬を舐め、それが彼女の忘れていた記憶を呼び覚ますきっかけとなった(夏美を騙した交際相手は、以前に現れた地上げ屋の一員で、鬼太郎たちが再び地上げ屋事務所に出向いて全員を徹底的に懲らしめた)。アパートが妖怪専用アパートになってからは、新たなオーナーとなって時々アパートにくる夏美を喜んで迎えている。34話では鬼太郎ファミリー失踪の件で、本心ではアパート仲間になったアニエスに悪いと思いつつも、親代わりに慕う砂かけ婆まで失踪したためにやむを得ず、カミーラに騙されたねずみ男を中心とするアニエス追放運動に参加してしまうが、35話で鬼太郎の説得を聞いて行動を改める。
ブン太(ぶんた)
声 - 八奈見乗児(第2作)、龍田直樹(第3作)
『あかなめ』(アニメ化作品第2作28話、第3作第33話)に登場。元々はただの蝿だったが、ゴミ捨て場にいた時に有機物が起こした化学変化の影響による進化の結果、知力が異常に発達し人語が話せるようになった知恵蝿(チエバエ)(厳密には「妖怪」か蠅の進化した「新種の生物」か、分類の言及が本編でもされておらず不詳である)。自分の住処でもある汚い場所がゴミの不法投棄などで、今や様々なゴミが大量に集まりすぎたせいで、想像もつかない化学変化が起き始めていると鬼太郎たちに忠告し、危惧していた通り巨大なゴミの妖怪あかなめが生まれる。あかなめにより鬼太郎親子も犠牲になってしまい成す術がなくなってしまうが、生命の強さで有名な古代植物の一種の種の在処を教え(第2作ではゴミの山から掘り出し)ねずみ男に託し、ねずみ男が猫娘を唆しそれを植え付けさせたことであかなめは巨大な樹と化し結果的に街を救った。その後、東京に緑が戻ってしまったことで自分の住む場所ではないと判断し、人間に「人間共、過ちを再び犯すなかれ」と聞かれることなく忠告を残した後、新しい住処を求めて旅立って行った。
アニメ第3作では、若干上から目線となっており同様の役回りであったが暴走したあかなめの退治方法までは知らず去ってしまい、その役は閻魔大王が担った。
小豆洗い(あずきあらい)/ 小豆とぎ
声 - はせさん治(第1作)、平野正人(第3作)、田中和実(第3作代役)、西村知道(第4作)、小西克幸(第5作)、宮澤正(第6作)
河原で歌いながら小豆を磨ぐ妖怪。ゲゲゲの森の住人。禿頭の老人のような姿をしている。
原作「小豆連合軍」では敵として登場。工場廃水で小豆畑を汚染された報復に仲間の小豆はかり・小豆婆と共に工場の機械を壊し、人間の顔から養分を小豆として搾り取る術をかけた。ゲゲゲの森に畑を持つことで鬼太郎達と和解した。
アニメでは第1作第7話初登場。第3、4作にも登場し、特に4作では現代社会に生きる善良妖怪として、哀愁を漂わせている。
第5作では妖怪横丁で饅頭屋を営んでいる。第83話で山梨県代表の妖怪四十七士に覚醒した。
第6作では第31話に登場。人間が小豆の存在を忘れつつあることを嘆いており、ねずみ男に唆され小豆はかり、小豆婆と共に動画配信によって小豆を宣伝しようとする。配信は人気を博したものの方向性の違いによる小豆連合の解散やねずみ男の見限りによって小豆の復権という計画は頓挫、逆恨みで人々に小豆畑を植える術をかけ混乱を起こすが、小豆はかりや小豆婆の説得により改心し小豆連合としての再出発を決意した。第7話や第35話でもモブキャラクターの一人として登場している。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
また、彼と外見が似ている妖怪「物の怪」(あまめはぎとも似ている部分がある)が「鬼太郎夜話」に登場している。
小豆はかり
声 - 塩屋浩三(第3作、第6作)、里内信夫(第4作)、小形満(第5作)
民家の天井裏から小豆を撒く音を立てる妖怪。大量の毛に覆われた大きな頭と小柄な体格が特徴。小豆連合軍の一人。太鼓を叩いて、人間の顔から小豆を搾り取った。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
小豆婆(あずきばばあ)
声 - 青木和代(第3作)、宇和川恵美(第4作)、上村典子(第5作)、斉藤貴美子(第6作)
小豆洗いと同じく、河原で小豆を磨ぐ老婆の妖怪。小豆連合軍の一人(アニメ第3作・第4作ではリーダー的存在)。アニメ第6作では普段は「あずきぃ」としか発言しないように振舞っているが、本当は従来の作品同様に普通に他者と会話できる。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
地獄童子(じごくどうじ)
声 - 堀川亮(第3作・地獄編)
閻魔大王の従者兼用心棒として現れた謎の少年。正体は鬼太郎と同じ幽霊族の血を引く半妖怪。長いエリマキが武器で、ロープとして妖力で硬直させて剣としても使用する。はじめ鬼太郎とは敵対するが、和解して共闘した。最終回ではぬらりひょん撃破後、地獄の平和を守っていくとして地獄に残った。原作では貸本時代のエピソードを元にした「妖怪水ころがし」にて溶けてしまう。後日談的な内容の3部最終作SFC版でも彼の最後的な内容の終わりがある(その最後は敵妖怪に肉体を乗っ取られたのか殺されたのか真意は定かではない)。
登場は原作『最新版』およびアニメ第3作『地獄編』のみ。原作・アニメとも幽子(ゆうこ、声 - 江森浩子)という名の亡者の少女を恋人にしている。考案者は1980年代当時に水木プロで『最新版』を作画していた森野達弥。1994年に森野はスピンオフ作品「地獄童子」を発表している。
のっぺらぼう
声 - 富田耕生(第1作)、安西正弘(第3作)、山口勝平(第4作)、くまいもとこ(第6作)
顔がなく口だけのどこか間の抜けた感じのする妖怪。初登場は『のっぺらぼう』。
墓地で人魂を捕えて天麩羅にし、それを食べさせた相手から顔を奪い取る能力を持つ。また、奪われるのは顔全体ではなく、鼻から上の部分(つまり被害者はのっぺらぼうと同じような顔となる)。ねずみ男に人魂の天麩羅を食べさせて顔を奪い、取り返しに来た鬼太郎を餅にして食べようとするが、体を変形させた鬼太郎に包まれ腹の中に入れられて降参する。
アニメでは第1作第45話で初登場。最初は死人の顔を盗んでいたが、あまり長持ちしない為生きた人間の顔を奪うことに変更する。初めにねずみ男の顔を奪った(人魂の天麩羅、人魂のスープ、墓地の梅で作った梅酒でもてなした)が、「見れば見るほど間延びしたくだらん顔」として気に召さず、鬼太郎を見て「奴の顔なら一級品」として人魂のスープで握った握り飯を食べさせて顔を奪うことに成功する。その後、ねずみ男と手を組み人魂入りのポップコーンを配り36人の顔を奪い続ける。しかし、鬼太郎に人魂入りのアイスクリームを食べさせられ顔を奪還される。その後、降参するふりをしながらあらかじめ仕掛けておいた落石の仕掛けで鬼太郎を潰し、餅の中に入れて鬼太郎餅にして食べようとしたが、逆に自分が餅に包まれて完全に降参し36人の顔を返し、二度と顔を盗まないことを鬼太郎と約束した。第2作では、第2話でチー一味との戦いに参戦。
第3作では第16話初登場。人魂を食べないと生きていけない妖怪で、相手に抱きつき体内に取り込むことで顔を奪い取る妖術を持つ。奪った顔は体内に貯めこまれており、取り込んだ相手に別の顔を着けることも可能。また、飛行能力も備えている。本来は無欲で善良な妖怪らしく、ぬらりひょんに人魂の豊富な場所を紹介された恩義から、妖術で顔を奪い指名手配中の犯人の顔を取り換えるという役目を担う。大金を手に入れたぬらりひょんにお金を差し出されるも本人は「人魂の豊富な場所を教えていただいているから、それだけで十分」として受け取らなかった。その直後、鬼太郎と対峙するが、オカリナロープで腹を絞められて奪っていた顔を全部吐き出して敗れた。その後は、改心したようで鬼太郎の仲間として度々登場した。
第4作では第7話初登場。美味しいと評判の蕎麦屋を営み、客から代金の代わりに顔を奪っていた(ねずみ男も被害に遭った)。直接相手の顔を「食べる」ことで顔を奪う妖力を持ち、鬼太郎のちゃんちゃんこを菜箸で絡めて鍋に入れる、箸でリモコン下駄を受け止め天井に刺すなど料理道具を使った武術に秀で、調理場では無類の強さを発揮する。改装中のホテルの調理場で猫娘、一反木綿、ぬりかべの顔を奪い、鬼太郎も餅に包み食べようとしたが、鬼太郎を食べたはずが実際食べたのはちゃんちゃんこで、鬼太郎が腹の中でちゃんちゃんこを膨らませ破裂寸前まで追い詰められ降参、二度と顔を奪わないと誓い持ち主全員に顔を返す。改心した後は田舎で無農薬農業をして暮らしており、同じく人間が顔を奪われる事件が発生した第21話にて再登場。真っ先に疑われたが、真犯人が白粉婆と判明し鬼太郎と共闘、白粉婆の顔を奪って顔を盗られた被害者と同じ苦しみを味わわせ、人間たちの顔を取り戻す。その後も準レギュラーとして度々登場し、第40話の運動会では飴探し競争で一位をとった。第64話では妖怪ラリーにトラクターで参加、食べ物の幻影に引っかかって脱落。
第6作ではオープニングで綱引きをしている姿が確認できる。第35話でアニエスを追い出そうとするゲゲゲの森の住民妖怪の一人として初登場。この時は特に目立った言動は無かったが、第44話でエピソードの中心人物として登場。善良で人間の子供と遊ぶのが好きな妖怪だが、見た目を恐れられ逃げられてしまうことが多い。過去に出会った少年・北島敦(きたじま あつし、声 - 岡本寛志)の事を親友としてずっと思い続けており、敦が成長して姿が見えなくなってもSNSで連絡を取り合うなど陰から見守り続けていた。一度は誤解から敦に拒絶されてしまうも、敦を妖怪・白粉婆の襲撃から身を挺して守ったことで晴れて親友になった。最終話ではねずみ男の説得を聞いて敦と共に、鬼太郎を応援した。
『妖怪千物語』では悪役扱いで第18話に登場。ラーメン屋台を開いて人間に人魂の天麩羅(味は美味らしい)を食べさせ顔を奪いコレクションにし、顔を奪われた人間を操っていた。鬼太郎は自分の顔を霊力で消しのっぺらぼうに接近するが、見抜いていたのっぺらぼうは鬼太郎に無理矢理天麩羅を食べさせ顔を奪い、奪った顔を飲み込み鬼太郎の顔と能力も奪い取る。しかし鬼太郎の念力で顔を締め上げられ苦しみ降参、顔を持ち主に返す。
「人魂の天麩羅を食べさせ顔を奪う」構想は『のっぺらぼう』以前に鬼太郎以外の水木作品『なまけの与太郎・顔ぬす人』でも描かれている。そこでの「顔ぬす人」の姿はねずみ男だった。
ぬっぺらぼう / ぬっへふほふ / ぬっへほふ
声 - 永井一郎(第1作)、龍田直樹(第6作)、海津義孝(異聞妖怪奇譚)、きたろう(実写映画版)
顔のような皺のある肉塊に手足が生えた姿の妖怪で、のっぺらぼうとも同系統の存在。本来は日本本土の妖怪だが、初登場の「朝鮮魔法」およびそのアニメ第3作版の66話では韓国、初アニメ化の第1作57話「隠形魔法」では沖縄の妖怪とされた。3人兄弟が歌声で獲物を魅惑して若さを奪い、抵抗する者を“魔法”で叩き潰す。鬼太郎も若さを奪われ、“魔法”に立ち向かったぬりかべは腹を蹴破られた。だが鬼太郎が悪臭の息を“魔法”にかけると蝿の大群が集って巨大なぬっぺらぼう(透明かつ巨大な4人目の兄弟)の正体を現し、蝿を食べに集まった雀の群れに突かれ、その傷からの出血で集まった蛭の群れに血を吸い尽くされて倒される。追い詰められた残りの3人はエキスにして集めた若さを返し逃げ去った。
第3作では4人目は蜜をかけられ蜂の群れに集られて正体を現し拘束される。若さを返した後は農耕で暮らすと約束し4人とも許された。
第5作では妖怪横丁の住民。
第6作では第82話に「ぬっぺっぽう」という名で登場。ねずみ男と手を組んで、美容クリームと称し若さを奪うクリームを売るが、実はぬらりひょんの軍資金調達に利用されていた。歌声の妖術で鬼太郎、猫娘、一反木綿も老化させ(砂かけ婆はクリームを使っていた影響で認知症になってしまう。ぬりかべは耳がないため効かなかったが、原作同様謎の力に腹を蹴破られた)苦戦させたが、謎の力は砂かけ婆の砂を浴びて巨大ぬっぺっぽうの正体を現し、砂かけ婆と子泣き爺の大火炎岩石弾で消滅。その後老化させられた鬼太郎たちは全て元の状態に戻った。
「魔笛エロイムエッサイム」ではぬらりひょん一味だが、処刑用毒井戸の実験台にされる悲惨な役。
ずんべら
声 - 青木笑児(第2作)、久川綾(第6作)
アニメ第2作第41話「霊形手術」、第6作第15話「ずんべら霊形手術」に登場。原作は鬼太郎の登場しない短編『霊形手術』。のっぺらぼうやぬっぺほふと同じ系統の妖怪で、本作では顔を盗るのものっぺらぼうと共通しているが、のっぺらぼうと唯一違う点は、のっぺらぼうが顔を盗ると口だけ残るのに対してずんべらは口を含む顔全体が無くなってしまう点である。2作では男性型だが、6作では女性型で登場。
第2作ではスーツを着た男性の姿で、人前では収集した死人の顔を付けている。生きている人間の顔を盗ることもできるが、普段は死人の顔を収集しており、目玉おやじ曰く、「顔をコレクションすることこそ、奴の因果な宿命、存在理由」。人魂を入れたドーナツやケーキを食べさせることで面の皮を剥がして手に入れるなど、やり方ものっぺらぼうと全く変わらない。面の皮は、自分の言う事しか聞かない特殊な金庫に入れて保管する。面の皮が剥がれた人間は手描きで顔を描くことができるが、布で拭かれたり涙を流すと溶けて消えてしまう。整形を繰り返している人間の女性・月子の婚約者であるがお世辞にも美男とは言えない三吉は、「見た目が醜い」という理由で虫けらのように忌み嫌われ中々結婚を認めてもらえず自分も整形をすると告げるが月子は「整形はある程度の土台が無いと効果が無い」と罵倒して相手にしなかったため深く傷つく。その後、ある喫茶店でねずみ男と知り合い、顔の土台を綺麗さっぱり無くすことができる霊形手術の話を持ち掛けられ、1万円を払ってズンベラを紹介される。人魂入りのドーナツを食したことにより面の皮を剥がされ自ら顔を描き、改めて月子に結婚を申し出るが、逆に月子はその手術を施したズンベラに興味を抱き是非自分にも紹介してと懇願した。その様子を猫娘が見て鬼太郎親子に相談したところ、ねずみ男も一枚噛んでいることから危険視し、ズンベラの顔盗り作業に立ち会いに行く。すると、そこではズンベラと月子の結婚式が挙げられそうになっていた。このままでは街中に顔盗り事件が氾濫してしまうことを恐れた鬼太郎はその結婚に反対して面の皮が入った金庫を盗み出し、それを目玉おやじに預け深い山の中へ隠した。しかし、月子は自分の面の皮を自ら剥がして捨てズンベラの顔のコレクションを返すようせがんできたため、あまりの欲望に凝り固まりコチコチの石と化してしまった。ズンベラは鬼太郎たちが来る前に月子から「人魂を養殖して顔を集めよう」と唆されたと語っており、彼女のあまりの欲深さを見た鬼太郎は「妖怪以上の妖怪だぜ、この人間は」と酷評していた。石になった月子は三吉に抱きかかえられて運び出され、鬼太郎も「あの石はあの人に供養させるのが一番良いかもしれない」と判断して見送った。その後、鬼太郎はズンベラに金庫を返す代わりに三吉の顔を返して貰い、ズンベラも改心してねずみ男とも縁を切り、生きている人間から顔を盗るのを止めて死人の顔だけを収集することを決め鬼太郎たちと別れた。
第6作では黒い和装の美女の姿で(老婆の姿になることもできる)、美を追求するあまり水銀(昔は仙薬になると信じられていた)を飲んで中毒死した女性が妖怪化した存在。霊形手術には人魂の天ぷらを使い、剥ぎ取った顔はつづらの中の木箱に入れて保管している。「美に狂う女たちが愛おしい」として、美への執着心が強い女性に近づき、その顔を剥いで死人の顔に張り替える霊形手術を無償で施す。しかし、死人の顔は長くは持たず時間が経つと消えてしまい、のっぺらぼうと同様の顔無しになってしまうため、美しい顔を維持するには定期的に顔を張り直さなければならない。作中ではまなの同級生で、自分の顔にコンプレックスを持つ少女・房野きらら(ふさの きらら、声 - ゆかな)と、彼女が追いかけをしていた男性アイドル・ユウスケ(声 - 赤羽根健治)のファン代表(声 - 川庄美雪)に霊形手術を施すが、二人とも程なくして顔が消えてしまう。まなから助けを求められた鬼太郎と猫娘は、きららたちを連れてずんべらを訪ね、顔を戻すように要求すると、ずんべらは素直に承諾し、保管していた二人の顔を返す。ファン代表は自分の顔を受け入れるが、自分の顔へのコンプレックスが強いきららは元に戻ることを拒絶し、その場から逃げ出してしまうが、彼女を見つけたユウスケから「自分は外見よりも君の心の美しさが好きだった」と説得を受け、ようやく元の顔を受け入れた。その後、鬼太郎から人間の顔を取るのは止めるように言われたずんべらは「私は何もしないさ、女が私を必要としない限り」と含み笑いしながら告げ、鬼太郎たちと別れた。全てが丸く収まったかに見えたが、物語の結末で、美しい顔で女優としてハリウッドデビューしたきららの姿を見てユウスケ達が愕然としており、本当に整形した顔なのか霊形手術を施し続けているのか真相は不明。第50話以降のオープニングでは、まなの後ろに立つ妖怪の一体として登場する。
白坊主(しろぼうず)
声 - 平井啓二(第5作)
足の無いのっぺらぼうのような姿の妖怪。
アニメでは第3作初登場。
第5作では大阪府出身。輪入道が営む運送屋に火車と共に勤める。第90話で火車が冤罪を晴らすために鬼太郎と入れ替わったことを知り、輪入道に伝えて共に畑怨霊戦の応援に駆け付ける。顔から放つ光線で姿を隠した畑怨霊を見破り、この戦いで輪入道や火車と共に妖怪四十七士に覚醒した。
毛目玉(けめだま)
声 - 矢田耕司(第2作)、はせさん治(第3作)、田の中真弓(第5作)
目玉おやじに毛が生えたような姿の妖怪。
初登場は『鬼太郎のベトナム戦記』で、ベトナムで百年眠っていた目玉おやじの従兄弟という設定だった(幽霊族との関連性には触れられていない)。少年誌初登場は『髪さま』(単行本にて『髪の毛大戦』と改題)。『ベトナム戦記』とは別設定で、離島を支配する髪様の忠実な僕として登場。
鬼太郎に髪様が敗れてからはしばらく登場しなかったが、『妖怪危機一髪』では鬼太郎の仲間として登場、役割上は『妖怪反物』での丸毛と一緒で、この時は目玉おやじと共にヒ一族のアジトに潜入した。
アニメでは第2作第9話『髪さま』で初登場。「(目玉おやじとは)関係ない」と言っている。アニメ第3作および第5作では、親類である原作とは異なり髪様の部下である。
第5作44話では、髪様の妖力強化のために鬼太郎の妖力を狙い、目玉おやじを捕らえ自分の毛を剃ってなりすまし妖怪横丁に潜入。本物がイメチェン宣言した直後なので雰囲気が変わっても住民たちはなかなか気づかなかった。だが鬼太郎と過ごす内に情が移り、彼を生贄にする段になって髪様を止め、お供えを増やすことで妥協してもらった。その後性格がかなり丸くなり目玉おやじとも意気投合し友人になる。
第6作の第2エンディング映像では、鬼太郎が開けたゲゲゲハウスの模型からスライム[注釈 18] に押し出されるように飛び出す。第5作と同じデザイン。第6作の本編には未登場であった。
夜行さん(やぎょうさん)
声 - 大竹宏(第3作)、掛川裕彦(第4作)、川津泰彦(第4作第47話)、佐藤正治(第4作第114話)、楠見尚己(第5作)、高塚正也(第6作)
1つ目の髭を蓄えた鬼。首切れ馬に乗っている。初登場は1980年代『最新版』第2話で、百鬼夜行衆の大将。当初はぬらりひょん一味だったが、第6話で鬼太郎に敗れ、部下共々鬼太郎ファミリーに入った。地獄編「最後の出会い」では餓鬼道の番人。他シリーズの夜行さんと似た姿の部下多数を、鉄の皮膚を持つ大将が率いている。
アニメ第3〜5作では妖怪発明家という設定で妖怪戦車などを製作している。
第4作では妖怪検事の資格も持っている。約束事には厳しい。最終回ではヒ一族の巫女の策で毒で倒れた鬼太郎に解毒剤を飲ませ救い、妖怪自動車で無明彼岸の世界に向かう死神の汽車を止める活躍をした。
第5作では妖怪横丁に研究所を構えるが研究所に中は埃だらけ。
第6作では第5作とほぼ同じデザイン。西洋妖怪と戦い、アニエスを追い出そうしたが鬼太郎の説得を聞くと改心した。48話では畑怨霊の仲間妖怪として登場。第49話では他の妖怪たちと共に人間を救助し避難させていた。89話ではぬらりひょんの書いた檄文を読んでいた。95話では人間を襲う場所を考えていたところを妖対法の特殊部隊によって他の妖怪共々殺されてしまった。
首切れ馬(くびきれうま)
夜行さんが乗る頭部の無い馬。『最新版』6話、「最後の出会い」、アニメは第3作113話、第4作37話に登場。第5作では「妖怪横丁ゲゲゲ節」の歌詞に名が出ているものの、本編未登場。
夜道怪(やどうかい)
声 - 中田譲治(第5作)
風呂敷包みを背負った旅装束の僧侶の姿をした妖怪。伝承では子供をさらうとされる。
「魔笛エロイムエッサイム」ではぬらりひょん一味。獣のような顔で、杖から炎や電光を放って攻撃する。
アニメ初登場は第5作第52話。一人称は「あっし」。闇を自在に操る力を持ち、一宿の恩に報いようとする義理堅い性格だが人間の感覚とはズレがある。塾での成績が振るわない少年・光一(声 - 高木礼子)の家の軒先で雨宿りをし、その礼に「成績が一番になりたい」という願いを、塾生(声 - 日比愛子[注釈 19] を次々と闇の中に引き込み「競争相手がいなくなる」形で叶えようとし、塾生を襲っていたところを偶然近くにいた鬼太郎と遭遇する。髪の毛針やリモコン下駄を風呂敷や杖で防ぎ、ちゃんちゃんこの拘束を闇に潜って逃れ、逆に鬼太郎を撤退させる等、かなりの強者。光一を除く塾生全員を闇の中に引き込み、せっかく願いを叶えたのに光一から感謝されず、彼の「なにも考えずに言った」という発言に怒って闇の中に引き込もうとしたところで鬼太郎と再び対峙する。強い光を苦手としており、つるべ火の大群で照らし出され闇を無くした状態で鬼太郎ファミリーに囲まれるが、僅かに生じた影から次々と鬼太郎ファミリーを闇の中に引き込んで苦戦に追い込む。しかし、鬼太郎の第二の策で周りを闇一色にされて逃げ道を断たれ、百年前の食べ物を「燃料」にしたねずみ男の屁を食らって気絶する。反省して子供達を解放し、鬼太郎と和解し去って行った。後に72話で、妖怪城の風竜の攻撃でピンチに陥った鬼太郎達を引き込んで救い、横丁へ送り届けた。さらに79話では呼子の声を聞き、鬼太郎達の元へ駆けつけ埼玉県の妖怪四十七士として覚醒し、影を操り槌の子の動きを封じて鬼太郎を勝利へ導いた。以後は四十七士の中でも折り紙付きの実力者として活躍し、最終回で再び呼子に呼ばれ、水龍丸の水流の攻撃を闇に吸い込み多くの人々を救い、劇場版『日本爆裂!!』では横丁以外の四十七士で一番に駆けつけ、ヤトノカミの攻撃から鬼太郎を救う。
ひでり神(ひでりがみ)
声 - 内海賢二(第1作)、はせさん治(第3作)、立木文彦(第4作)、小野坂昌也(第5作)、江原正士(第6作)、大竹宏(異聞妖怪奇譚)
一眼の狒々のような姿の妖怪(一腕一足とされる伝承と違い、手足は2本ずつある)。初登場は『ひでりがみ』(初アニメ化第1作43話)。口から熱風や火炎を吐き、高温に晒されるほど強くなる。また、黒雲に障子戸が付いた「妖怪ホバークラフト」で空を飛び移動する(第6作では白雲で、自宅も兼ねている)。ねずみ男と組んで週刊雑誌「妖怪パンツ」の編集者2名を誘拐し、身代金を要求したため鬼太郎と対峙。一度は火山の火口に落とされるが炎の塊のような姿にパワーアップして鬼太郎を苦戦させる。しかし鬼太郎が誘導した野づち塚へ攻撃を当て塚を壊し、冬眠から目覚めた野づちに吸い込まれてしまう。吐き出された時にはエネルギーを吸い尽くされて老化しており、もはや暴れる気力も無く「山に入って死を待つばかりだ」と言い編集者たちの居場所を教えて去って行った。目覚めた野づちは鬼太郎が説得して冬眠に戻った。新編ゲゲゲの鬼太郎『月の妖怪桂男』では回復していて救援に呼ばれ、口から猛烈な「日照り」を桂男に浴びせ、水分を蒸発させ桂男を縮めて降伏させる。
アニメ第3作では、29話初登場。うっかりもので食いしん坊の基本的には大人しい妖怪で、絵を描くことを趣味としている。棲み処の地下洞窟で絵を見たねずみ男が一儲けしようと企んで手を組み、漫画雑誌の編集者に売り込むも、子供の落書きレベルの絵を見た編集者から「売り物にならん」とダメ出しされてしまう(激怒するが編集者に怒鳴り返され、「だから嫌だと言ったのに」と酷く落ち込む)。仕方なく誘拐作戦に切り替え、ねずみ男が地下洞窟に編集者を隠している間に身代金を取りに来たところで鬼太郎と対峙。原作通り野づちに吸い込まれて懲らしめられ、地下に戻った。その後は老化も回復し改心して仲間になり、45話のさら小僧戦などで救援に来ていた。劇場作品『最強妖怪軍団!日本上陸!!』では再登場した日本妖怪の中でも目立つ存在で、趣味を活かして友好盆踊り大会の垂れ幕の文字を書くなど会場設営の手伝いをしており、その後も日本妖怪軍団の一員として中国妖怪との戦いに参戦。妖怪ホバークラフトの黒雲を画皮に吹き飛ばされてしまい、残った窓の障子だけで滞空していたところへ、「美味いものをやろう」とチーに丸薬を放られつい食ってしまい反物化する。因縁ある野づちとは、進軍時に「今日は仲良くやろうぜ」と声を掛け、反物にされた際にも「仇は頼んだ」と言うなど、むしろ仲が良かった。
第4作では76話登場。本作以降は野づちとは無関係。北陸の農村で山の神として祀られ、年に一度、地酒「山一錦」を祠に供えられることで天気を見守っていた。しかし、酒造工程が機械化されたことで味が変わったのを「ニセモノを渡された」として激怒し、妖怪ホバークラフトで雨雲を吸い取り、伝承通りに日照りを起こして人々を困らせていた。インチキ雨乞いを行っていたねずみ男と組んで「本物の山一錦を三樽と現金百万円を持ってくれば雨を降らせる」と要求し(ひでり神自身は金などどうでもよかった)祠に樽酒を持ってこさせ味見するが、「山一錦ではない」と余計に苛立つ。山一酒造の蔵元が「正真正銘の山一錦だ」と主張したことにより激昂し、危害を加えようとしたことで鬼太郎と対峙。口から放つ熱線で枯草を燃やし辺りを火で囲むが、鬼太郎に巴投げで火の中に投げ込まれる。しかし、熱を吸収して巨大化し、鬼太郎とねこ娘を追い詰めるが、砂かけ婆が妖怪ホバークラフトに蓄えられていた雨雲を解放して降らせた大雨で弱体化したところをリモコン下駄を目に食らって元の姿に戻る。その後も「自分は悪くない」と主張するが、子泣き爺が連れてきた蔵元の父親が私用に仕込んだ酒を飲み、「これが待ち望んでいた味だ」と感激する。自分の作った酒を喜んでくれたことを先代に感謝されると共に、工程の機械化と大量生産も止むを得ないと判断したことを説明される。自分がいる限り手作りの酒を供えることを先代から約束され、「爺さんの無念も知らずにすまなかった」と謝罪する。一件落着の後に山一酒造で開かれた宴会に鬼太郎たちと共に参加し(ねずみ男は便乗して金を巻き上げようとした罰で、外に樽詰めで放置される)、純米吟醸の酒風呂に入る目玉おやじに「贅沢だ」と苦言を呈している。
第5作では妖怪界の小説家で、他シリーズと違い着物を着ている。基本的に温厚な性格をした大人しい妖怪だが、書いた小説をねずみ男の紹介で訪れた雑誌の編集者に差し出していたところを魔女ザンビアに妖怪操縦機で操られ暴れ出してしまう。事態収束後は売込みが破談したために鬼太郎とねずみ男に書いた作品を見せるが、内容はかなり怖いものらしく原稿を1枚見ただけで2人揃ってかなり怖がっていた。
第6作では81話登場。外見は第5作とほぼ同じ。葛飾北斎の作品を初め約200年来の漫画好きで、執筆を思い立ち出版社に持ち込みを始めるも見た目のせいで怖がられていたが、「週刊少年マシンガン」副編集長の角富(すみとみ、声 - 楠大典)と出会い、彼の指導やねこ娘たちの協力もあって「ロケットメン」を連載、人気を博し日本コミック大賞の候補に挙がる。しかし、ねずみ男の違法漫画サイト摘発の影響で妖怪が漫画を描くことに難色を示した出版社上層部の意向で漫画は打ち切りとなり悲しみに暮れるが、編集長や上層部のやり方に愛想を尽かし辞表を叩きつけた角富や多くのファンの励ましを受けて再スタートを決意し、角富と立ち上げた雑誌「月刊少年マグナム」で新連載を開始する。最終話ではねずみ男の説得を聞いて角富と共に、鬼太郎を応援した。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では特定条件下で仲間にできる。
だるま
声 - 北川米彦(第1作)、滝口順平(第3作・第8話)→大竹宏(第26話)→田中康郎(第55話以降)、田中信夫(第4作)、麦人(第5作)
文字通り手足の生えただるまの妖怪。別名「おばけだるま」。腹から大量の子だるまを出す。子だるまはだるまの内臓でありその内の心臓に当たるもの(アニメ第1作では白、第3作では青色、第4作では止まっているときに脈打っている、第5作では黄色でサングラスをかけた「笑いのツボ」)が弱点。
初登場は『だるま』。とあるマンションビルに存在しないはずの4階(「4」は忌み数であるため、「3階」の一つ上を「5階」と呼んでいた)に住まわせてくれるよう懇願し(大家は「無い物は貸せない」と当初は断ったが、「無い物に金を払うのだから、損はしない」と言い包められ了承してしまう)、妖怪仲間を引き連れて入居するが本当の目的はビルを乗っ取ることであり、妖怪仲間と共にビルの住民たちを怖がらせ次々と追い出した。鬼太郎の策で煙草の煙で妖怪仲間は燻し出され、自身は鬼太郎との一騎打ちで腹から子だるまを出して反撃に転じあと一歩という所まで追い詰めたものの、心臓の子だるまを掴まれ噛まれてしまい、降参して命乞いをし「もう二度とこの世には姿を現さん」と約束して許してもらいビルを去った。
アニメでは第1作第59話初登場。忌み数「4」を飛ばすことで生じた空間に住んでいたがそれが少なくなった事情が加えられている。原作同様ビルを乗っ取り、鬼太郎と一騎打ちし投げ飛ばされてもだるまの名に恥じない特性で絶対倒れなかったが、リモコン下駄で両目を失い、原作同様に子だるまを出すも心臓の子だるまを掴まれ敗北。目玉おやじによると「ヨーロッパにでも渡っておんぼろビルの13階にでも住むかもしれんな」という(西洋では13が忌み数だから)。このことから、鬼太郎に「考えてみるとだるまもかわいそうな妖怪ですね、人の嫌がる所を見つけてひっそりと暮らすんですから」と同情された。第2作では、第2話で鬼太郎に味方してチー一味との戦いに参戦。
第3作では第8話初登場。ビルへの入居の経緯や終盤の鬼太郎との対決への展開は原作とほぼ同様。ねずみ男の入れ知恵で文明の発展に悩む妖怪たちの相談を受ける「妖怪相談所」を開くも思うように相談料が手に入らず、ビル乗っ取りを勧められて行動に移してしまう(ねずみ男は大家夫妻から鬼太郎の仲介料を取ろうとも画策していた)。だるまが鬼太郎に負けてビルを去った後(「お邪魔しました」と挨拶した)、ねずみ男は罪滅ぼしとして、全室に新しい入居者が集まるまでただ働きさせられる羽目になった。だるまは第26話以降、鬼太郎の味方として頻繁に登場した。
第4作では第105話登場。人間や妖怪を呑み込みだるまに変える能力を持ち(猫娘もだるまにされた)、火だるま攻撃、雪だるま攻撃、だるま落とし等多彩な技を持つ。元々は「少しでも楽な生活がしたい」という人間たちの切実な願いを聞いて応援する役目を大切にしていたが、現代の人間たちの多くが、だるまに願掛けをしながらも昔のように正当な努力をまるでしない(選挙工作や裏口入学、インサイダー取引を行う等)上に「願い」がほとんど「欲」になっていた事と、用済みのだるまを粗末に扱うようになった事に怒り、だるまの気持ちを人間たちに思い知らせようと考え、日本中の人間をだるまに変えて欲のない清らかな「だるま王国」にする事業の手始めに治法戸市(ちほうとし)の全住民をだるまに変えてしまう。昔気質な性格と価値観を有しており(「ウーマンリブともやしっ子が大っ嫌い」と発言している)、自身の行ったことに対しやり過ぎだと異を唱えた鬼太郎たちに怒って襲い掛かるが、「だるまさんが転んだ」と言われると反射的に動きを止めてしまう癖が原因で心臓を見破られて降参し、だるまにした者全員を元に戻した。しかし人間たちが今後も考えを改めなければ、いずれ再びだるまに変えてやると考えており、事件後に目玉おやじも「あやつの言うことも一理あった。願いと欲は似ているようで別物じゃ」と同意していた。
第5作では第93話登場。普段はだるまのような顔の長髪の人間の姿に化けている。100年以上前から建つ「石垣ビルヂング」の存在しないはずの「4階」で100年前から妖怪相手の美術商を営むが、ビルが取り壊される事を知ってオーナーの石垣金五郎に抗議しに現れ、その翌日に工事業者を「4階」に連れ去る。その後、鬼太郎たちを交えた金五郎夫婦と交渉にあたり、金五郎の祖父と正式に契約書を交わした上で「4階」に住むれっきとした住人であることも判明する。工事を中止しなければ人質は解放しないと主張し、業を煮やした金五郎の妻が工事を強行したことに怒って金五郎も「4階」に連れ去り展示物に変えようとするが、砂かけ婆の発煙砂で燻り出される。鬼太郎に妖怪横丁に来るように誘われるが、長年住んできた愛着あるビルから離れることを断固拒否し、正体を現して鬼太郎と交戦。指鉄砲や体内電気も効かない強敵だったが、「笑うと負けを認める」とされ、鬼太郎のにらめっこは通じなかったが目玉おやじが言ったダジャレに「笑いのツボ」の子だるまが反応したことから弱点が判明する。猫娘に「笑いのツボ」をくすぐられ、必死に笑うことに抵抗するも遂には真っ白になって気絶し負けを認める。しかし、だるまのビルを守ろうとする姿と、幼い頃に友達からビルの外観を「おんぼろビル」とからかわれていたことを気にしていた際に、「他人がどう思おうが自分の価値観を持ち、それを貫けば良い」とだるまに教えてもらった事を思い出した金五郎がビルの解体を撤回し、補修工事のみで済ませることを決めた(金五郎は当初補修工事のみを行うつもりだったが、周囲の勧めを断り切れずにいた)ため人質を解放し、改めて「4階」に住み続けることになった。
毒娘(どくむすめ)
体内に猛毒を持つ女性の半妖怪で、古いネコイラズ屋「元祖ねこいらず・猫毒屋」の店長。『国盗り物語』に登場。口から毒の息を吐き、相手を病気にさせたり、呪いのかかった品を無力化したりできる。猫娘とは知り合い。色仕掛けで旧鼠王を騙し、日本銀行から大金を盗ませた上で毒殺する。ダンプで逃亡を図るが、それに気付いて追ってきた鬼太郎を振り切ろうとして事故に遭い、計画は失敗し、重傷を負った。その後鬼太郎の家で治療をうけているうち改心しはじめる。吸血花ラグレシアとの戦いで、敵に自らの毒の血を捧げる捨て身の手段で倒し、息を引き取る。その後、ラグレシアに島を占領されていた人々が墓を立ててくれた。

人間

原作やアニメ第2作までは、人間の登場人物は主に怪事件の被害者・依頼人でほとんど一回きりの登場だったが、アニメ第3作以降は依頼人から鬼太郎の友人や知り合いに進展してレギュラー出演する者達も登場するようになる。以下は主に鬼太郎たちと仲間・知人関係となった人間たち(当初は成り行きで敵対していたが後に和解した者及び、改心などして共闘した者も含む)。

犬山 まな(いぬやま まな)
声 - 藤井ゆきよ(第6作)
アニメ第6作の人間側ヒロイン。中学生。前向きな性格で、いじめを許さないなど人一倍正義感が強く[注釈 20]、誰とでも分け隔てなく接する優しさを持ち、出会った当初は距離を置こうとしていた鬼太郎やアニエスも打ち解けて友達になる。ねこ娘のことを「ねこ姉さん」と呼んで尊敬している。第6作では普通の人間に入ることができないゲゲゲの森に出入りが出来、それを妖怪たちからも認知されている唯一の人物でもある。拝み屋の血筋でもあるため、妖怪についての感度も並みの人間より遥かに強い。強気で男勝りな面もあり、腕っぷしも強く、咄嗟に思いついた方法で敵の正体を見破るなど頭も冴えている。好奇心旺盛で順応性も高いが、度胸の据わった活発さ故に同じような無茶を何度も行う傾向もある。隣に住む裕太の話を聞いて妖怪ポストに手紙を出したことから鬼太郎と出会い、「人間と妖怪の共存共栄」を理念とするようになる。独特のセンスを持ち、大仏の顔やぬりかべをイメージしたスマホケースなどを愛用している。

詳細はリンク先のページを参照。

犬山 純子(いぬやま じゅんこ)
声 - 皆口裕子(第6作)
まなの母親。第8話より準レギュラーとして登場。まな同様に整った容姿で口元にほくろがある。家族想いで性格もしっかりしている。勤めており、出張で家を空けることも多い。第18話でまなから尊敬するお姉さんとして猫娘の話を聞いたり、第29話で突然まなの帰宅時に同行したアニエスを分け隔てなく受け入れて自宅に泊めたりするなど、分け隔ての無い優しさと寛容な心を持っていて、柔軟な考え方もできる。第18話ではオべべ沼の妖怪(かわうそ)の噂話を、凄みある表情と声でまなや夫の裕一に語って聞かせている。
第47話ではジョン・童という人物が社長を務めるインターネット関連事業の会社「オメガ」に秘書として勤めていた。しかし、社長の正体は名無しで、利用されて操られ、妖怪じみた姿(髪を除く体の部分は影のように黒くなり目は赤く輝く)となり、口から衝撃波を発して猫娘と対峙させられる。猫娘の爪攻撃で元の姿に戻る(妖怪にされた時の記憶はない)が、重傷を負ってしまい、第48話で病院に運ばれ治療を受けて意識を取り戻した(ただし、名無しの幻術によって病室外のまなには死亡したと聞かされてしまう)が、怪物に変身した名無しの張り手によって裕一や他の患者・医者たちと共に病院及び周辺の広範囲な建物と住民たちもろとも消滅する。第49話終盤で名無しの怨念消滅と同時に他の消された医療関係者や住民たちと共に建造物毎消滅前の状態で再生し、まなや裕一とも無事に再会でき、その後完治して退院した(その後は直接登場せず、時々まながスマホで会話しているシーンやスマホで撮った画像などが描写される程度だった)。
犬山 裕一(いぬやま ゆういち)
声 - 高塚正也(第6作)
まなの父親で純子の夫。無精髭を生やしている。純子曰く台風で鉄道が全線運休になっても会社に行くほど真面目な性格。鳥取県の境港出身で、郷里に実兄・庄司がいる。建設関連の会社に勤め、自宅のパソコンモニターの横に会社用のパスワードを貼り付けている。第2話では職場が事件現場の設計に携わっていたことから、まながパソコンから現場の見取図を鬼太郎に提供した。しかしこの事で、ねこ娘には「セキュリティーの甘い父親」と評されている。第11話より準レギュラーとして登場。仕事の時以外は遊び好きな人物で、娘やその友達と遊ぶ機会があると子供のようにはしゃぐ。第29話でも自宅に泊めたアニエスを屈託なく歓迎していた。
第48話では、純子が負傷したことで病院に駆け付け、まなに何があったのか尋ねるが、まなは混乱して泣き崩れてしまう。その際、押しかけてきた報道陣の「(ねこ娘を消した力が)純子さんの血筋に関係するって本当ですか?」という質問から母の血筋が気になったまなに問われ、母方の曾祖母(裕一も直接会ったのは純子との結婚の挨拶に一度だけで、当時から寝たきりだった)の経歴やまなの名前が付けられた経緯を教えた。その後純子は命に別状なく意識を取り戻すが、怪物に変身した名無しの張り手によって純子や他の患者や医者たちと共に病院及び周辺の広範囲な建物と住民たちもろとも消滅する。第49話終盤で名無しの怨念消滅と同時に共に消された純子や医療関係者や住民たちと一緒に再生し、まなや順調に回復した純子と無事に再会して涙ながらに喜ぶ。第60話ではまな達とキャンプに行くが、出先で復活したぶるぶるの騒動に巻き込まれてしまい、助けに来た鬼太郎たちと初の対面となる(ただし、その後は直接登場せず、時々まながスマホで撮った画像などが描写される程度だった)。
犬山 庄司(いぬやま しょうじ)
声 - 魚建(第6作)
まな基準で父方の親戚。まなの伯父で裕一の実兄。鳥取県の境港で漁師をしており、毎年夏休みには姪のまなが訪れる。かつては甲子園に出場した高校球児で、センターを務め「スナイパー庄司」と呼ばれていた。第16話より準レギュラーとして登場。海座頭によって船幽霊にされてしまったが、わずかに自我が残っており、まなの機転によって正気を取り戻し、海座頭の顔面へ野球ボールを命中させ、鬼太郎の勝利へのアシストを務めた。第17話では砂かけ婆の買い物に付き合って鬼太郎ファミリーが滞在する神社に来たところ蟹坊主の奇襲に遭遇、彼女と目玉おやじを連れて家に逃げ、まなと4人で烏天狗に相談しに大山へ行こうとするが、砂かけ婆を追って来た蟹坊主からまなを庇い、銅像にされる。小次郎が持って来た霊水で元に戻り、事件後は蟹坊主を慰めるために妖怪の銅像作りに協力した。弟夫婦(まなの両親。第16、17話では裕一の都合でまなと一緒に境港へ行けず、第17話の解決後に姿を見せた)に先んじて、鬼太郎ファミリーと交友を築いた。第65話では鳥取県知事で旧知の仲の野沢雅史(のざわ まさし、声 - 沼田祐介)の政策とダジャレ(彼のダジャレのファンでもある)に違和感を感じ、その正体が「鳥取愛」を広め世界を「大鳥取帝国」に築こうと画策していた魔猫であることを突き止め、人々を洗脳して鬼太郎達もがその手に堕ちてしまったが、それ以上に「鳥取愛」を持っていた庄司にはそれが唯一通用せず、最終的に魔猫が洗脳強化用に作った「うっとり鳥取」を偶然飲み、一時的に筋肉質となり「鳥取力(とっとりりょく)」フルパワーになる効果が現れ魔猫を叩きのめした後(その姿にまなは唖然とし、庄司本人も何が起きたのかよくわかっていなかった)、魔猫を許し改心させた。第66話でまなが隠れ里に誘い込まれた時は、知人の勝巳(声 - 中村光樹)と共に200年前の文献を調べ鬼太郎に情報提供した。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
実在の境港の「水木しげる記念館」館長である庄司行男がモデル。
犬山 リエ(いぬやま リエ)
声 - れいみ(第6作)
まな基準で父方の親戚。庄司の妻でまなの伯母、裕一の義姉。第16話より準レギュラーとして登場。まなが大好物のイワシのつみれ汁を作っては、まなに喜ばれている。最終話ではねずみ男の説得を聞き鬼太郎を応援した。
沢田 淑子(さわだ としこ)
声 - 高島雅羅(第6作)
まな基準で母方の親戚。千葉に住んでいる純子の伯母で、まなからは大伯母にあたる。年齢は90歳を越えており、ハッキリとしない(=曖昧な)事が苦手である性格の持ち主。親戚間では変わり者とされ距離を置かれているが、唯一姪の純子は気に入っている。毎年お盆の時期になると、家の屋根や壁面、庭を覆いつくすほど妖花が咲くという。入院中に見舞いに来た純子とまなに家に花が咲いているか見てほしいと頼む。若い頃の顔つきはまなや純子によく似ており、左眼の下にほくろがある。その当時の整ったルックスは歳を取った現在も意志の強い表情の中に面影が残っており、まなや純子とも共通する部分がある。戦時中当時に恋におちて結婚を約束していた男性・総二郎がいたが、急に音信不通になったことで誰にも愛されない、愛さないと考え独身である。実は総二郎は結婚に反対する親に入隊を強制され、その事情を伝える手紙を出すことも叶わず戦死していた。後に鬼太郎達がその手紙を回収し、受け取った淑子は妖花が総二郎の想いによるものと理解し涙した。この一件で、まなは学校の歴史の授業で学んだ以上に太平洋戦争の悲惨さを知り、二度と戦争を起してはいけないと痛感。その後夏休みの自由研究のテーマとして、図書館等で関連書籍を熟読したり知り合いで戦争を体験した人々に改めて当時の事を話してもらうなど第二次世界大戦の事を詳細に調べ、二学期に校内で発表した。
妹(未登場)がおり、それが純子の母であり、まなの祖母である。
ふく
声 - 桑島法子(第6作)
まなと純子の先祖の親族で、第49話の回想シーンで存在と素性が正式に判明(それ以前も第12話以降に断片的な記憶という形で、名無しやまなの回想シーンで謎の女性としてイメージ的に何度か登場していた)。面影はまなにそっくり。名無しの母親で、鬼と結ばれるという禁忌を犯したことにより、父親(声 - 高塚正也)からも「我が娘ながら汚らわしい」と罵倒される(「せめて(鬼との間に授かった)この子がこの世に生を受けるまで、後生です」と殺される直前まで哀願していた)。胎内の子供を守るため逃げ出すも敢え無く処刑されてしまった(胎内の子は生まれることはなく、葬られた胎内の子が名無しとなったが、名無しも半妖怪として生誕していれば、人間側では犬山家ともやがて血筋で遠い先祖の親戚関係となっていた可能性が示唆されている)。
水木(みずき)
声 - 大川透(墓場鬼太郎)
鬼太郎の育ての親で、血液銀行に勤めていたごく平凡なサラリーマンの青年。
勤めていた血液銀行が扱っている血液の中に「幽霊族の血」が混じっていたことを社長から聞き、その血を輸血した事で幽霊になってしまった患者がいるという病院を訪れ調査することになる。その供血者の住所が自宅と同じであったことから隣接する古寺に夜中に行き、幽霊族の夫婦(鬼太郎の両親)と出会う。妻の方が供血したことと彼らの種族の出生の歴史と事情を教えられ、妊娠していた妻から「赤ちゃん(鬼太郎)が生まれるまで誰にも黙っていてください」という頼みを聞き入れる。その8ヶ月後、死んでいた夫婦を見つけ考えてみるとあわれな種族だという慈悲から妻を墓に埋めてなぐさめた(夫は体がどろどろに溶けていてとても気持ち悪かったので、墓まで運ぶ元気が持てず放置した。3日後に流れ落ちた左の眼球より小さな体が生えた形で「目玉おやじ」として蘇生する)。3日後に墓から生まれた鬼太郎を最初は不気味に思い一瞬殺そうしたが、鬼太郎が自分を頼りとすることから哀れに感じ、引き取って育てる。しかし6年後、順調に育っていた鬼太郎が夜中に墓へ出歩くようになり、鬼太郎へ夜中出歩くことをやめるか退去するかを命じる。そして鬼太郎は水木の家を出る。その後、鬼太郎親子を警察とともに追い詰めようとして一度地獄に落とされてしまうが、「鬼太郎を育てた恩もある」という目玉おやじの計らいで、現世に戻れる。
それ以降の水木、ないしは『墓場鬼太郎』(原作・アニメ)における水木と家族などの周辺関係者は「墓場鬼太郎の登場人物」を参照。
第6作では赤ん坊の頃の鬼太郎を助けた人間としてその存在が語られ(回想シーンにて姿も描かれるが、台詞は再現されていない)、鬼太郎が人助けをする理由付けとなっている。第6作準拠の小説「ねずみ男ハードボイルド」(「朱の音」収録)では、その時点で故人であることが明かされ、毎年鬼太郎ファミリーが命日に墓を訪れている。
原作者のペンネームと同姓だが、後に登場する原作者のキャラクターとは無関係[注釈 21]
水木の母
声 - 真山亜子(墓場鬼太郎)
息子の説得により鬼太郎を育てることになるが、不審な行動をとる鬼太郎を不気味に思っていた。鬼太郎が水木の家を出て以後の消息は不明だが、アニメ第6作準拠の小説「ねずみ男ハードボイルド」(「朱の音」収録)では、その時点で故人であることが明かされている。
『墓場鬼太郎』(原作・アニメ)における水木が一度地獄に落とされて以降の事は、「墓場鬼太郎の登場人物」を参照。
一刻堂(いっこくどう)
声 - 京極夏彦(第4作)
アニメ第4作に登場する陰陽師。第101話に登場。家業は宮司陰陽道いかるが流の当主[注釈 22]。副業は憑物落としの拝み屋で「妖怪の天敵」とも評される言霊の使い手。八重歯が生えており、和装で赤い襦袢、黒の羽織、赤い裏地のある漆黒の着流し、黒い手甲、黒足袋と赤い鼻緒の黒下駄を纏っている。終始不機嫌な仏頂面をしている。
「そもそも妖怪など存在しない」とも言い放ち、言葉一つで、その伝承を生んだモノや現象に変えてしまう言霊の力を持つ(詳しくは後述)。その正しい言葉の前ではどのようなまやかしも邪な行為も通用しない。動きは神出鬼没で他者に気配を感じさせずいつの間にか姿を現したり背後に立ったりする、体幹に優れ瞬時に位置を変えてその場から姿を消すように去ることもできる。式神として瀬戸大将護法童子などを操り、光明真言も唱えるなど真言密教にも通じている。彼の言葉が現実になるのではなく、彼は真実を語っているだけである。
ぬらりひょんから500年前に先祖が交わした契約を突きつけられ[注釈 23]、彼の依頼で鬼太郎達の始末にかかる。その際に「この世に不思議なものなどないのだよ!」と言っている。鬼太郎たちを金縛りにする五芒星の秘術と言霊の力で鬼太郎の仲間たちの名前を忘れさせ次々にただのモノに変えていく圧倒的な力を見せるが、ぬらりひょんと朱の盆が思わず鬼太郎の名前を叫び、鬼太郎が自分の名前を思い出したことで術が解けて失敗してしまう。しかしうろたえることも無く、自分の言葉が正しいから何度でも術はかかるが鬼太郎たちを消すことはしてはならないから失敗したと安心し、約束である以上守らなくてはいけないと筋は通したが元々鬼太郎たちを祓うことは不本意であり、ぬらりひょんの邪魔を理由に「二度と手は貸さぬ」と約束を無効としてぬらりひょんと完全に縁を切り鬼太郎たちと和解。「妖怪はこの世に居てはならないモノ。しかし、居なくてはならないモノでもある」と、鬼太郎たち妖怪の存在とその価値を元来認めている。ぬらりひょんと先祖の約束による成り行きで対峙したが、本来は鬼太郎たちの味方である。
水木しげるの弟子筋である小説家・京極夏彦がオリジナルで第101話の脚本を担当。キャラクターデザインと声も京極本人によるものである。百鬼夜行シリーズの主要登場人物・中禅寺秋彦(京極堂)とは別のキャラクターながら、素性・言動等が非常に似通っている[注釈 24]
以下のように鬼太郎たち妖怪は姿を変えられかけるが、本作特集ムックの水木との対談等でも京極は、「これが各々『妖怪の正体』なのではなく、名前を失った場合の真実で本当の姿であり、名前による姿形や音、気配等がある以上は、作中の一刻堂の言及通りに妖怪はこの世に居なくてはならないモノ」と言及している。
  • 朱の盆→古い朱塗りの盆
  • 砂かけ婆→つむじ風と砂山
  • 一反木綿→一反の布
  • ぬりかべ→朽ちた土壁
  • 子泣き爺→かぼちゃ
  • 半妖怪のねこ娘→猫を抱いた少女
  • 目玉の親父→目玉のオモチャ
  • 鬼太郎→不明(自分の名前は忘れてしまうが、変えられるまで至らずに済んだ)
  • ぬらりひょん→タコ(聞かなかったため、変えられずに済んだ)
  • 半妖怪のねずみ男→不明[注釈 25](自分の名前は忘れてしまうが、変えられるまで至らずに済んだ)
天童 ユメコ(てんどう ゆめこ)
声 - 色川京子(第3作)
アニメ第3作の人間側ヒロイン。父母、弟との4人家族。小学4年生で、正確な誕生日は不明だが4月生まれ(29話でねずみ男曰く)。濃い茶髪のロングヘアが特徴。身長143cm、体重39kg、将来の夢は絵本作家[2][3][4]
第2話より登場。鏡じじいに狙われて姿を奪われたが鬼太郎たちに救出され、それをきっかけに鬼太郎たちと友達になり、ゲゲゲの森に出入りするようになる。一見控えめだが、「これからは人間と妖怪、仲良くしなくっちゃ」と強気で積極的。勇気もあって危険な所へ鬼太郎を助けに行く時も妖怪たちと同行し、劇場版第4弾では火車・山童を猫娘と共にゴルフクラブで殴打して気絶させるなど、過激な面も多い。鬼太郎ファミリーに対してほぼ全員「さん」付けで呼び、ファミリーからは「ユメコちゃん」と呼ばれる(マスコット的な扱いもされるシーサーのみ呼び捨てで、彼からは「ユメコさん」と呼ばれる)。
小学生の割に実年齢以上の大人びた美しい顔の外見ゆえ、女好きな妖怪の目標にされることも少なくない。自分を襲った妖怪をも思いやって改心させるほどの優しさや寛容さを持つが、その一方で自身の願望からねずみ男などの自分への好意を利用したりもするなど、好奇心も旺盛である。自分の容姿が美形であることへの自意識も強い。自身を救ってくれた鬼太郎を愛するようになり、第49話に至ってはキスをせがむといった積極的な行動までしている。ねずみ男にも惚れられて付き纏われることには辟易しているが、時には逆手にとって自分の非をねずみ男に擦り付ける。ちゃっかりした計算高さも潜ませているため、自分の思惑通りにならなかったら鬼太郎やねずみ男たちにも理不尽に八つ当たりする事まであった。猫娘とは鬼太郎を巡る恋敵であると同時に親友でもある。ユメコとネコ娘が一緒の時は、よく周囲の男性からネコ娘と対比されてユメコは可憐な少女に扱われる[注釈 26]
第93話では能力を進化させる「知恵の実」を隠れて手に入れようと画策し、危険だという鬼太郎の忠告に反発してねずみ男を利用する。最後は知恵の実を服の中に隠して持ち帰ろうとするなど、腹黒さを次々と発揮した。しかし鬼太郎たちは即座にあっさりと見破り、呆れながらユメコの隠し持っていた知恵の実を没収した。
地獄編ではねずみ男が掘り出した奇妙な枕の魔力で地獄に落とされてしまう。後を追った鬼太郎たちと再会し同行する。最終回では地獄から地上に向かう際、ヌルリ防を倒して後から追いついた鬼太郎に駆けよる途中で天井の岩が崩れて落下し、その岩で頭部を強打して死亡するが、鬼太郎の母から閻魔大王に与えられた命を譲られて生き返った。その後鬼太郎達と出会う前の時間に戻され、鬼太郎達との出会いや思い出は一度は夢として消えたが、忘れたくない思いが通じたことで再び会えた(再会を果たしたユメコが鬼太郎達に駆け寄るところで第3作は幕を閉じた)。
後に漫画でも、『最新版』第11話「ぬらりひょん、最後の戦い」に登場している。中学生になっており、二人の関係が最終的にどうなったかを暗示させていた。この『最新版』では、鬼太郎に助けられて友達となった山田健太と中学校の同級で、席も隣同士である。
アニメの後日談的な内容のスーパーファミコン版『ゲゲゲの鬼太郎 復活! 天魔大王』では大人になった未来のユメコが1980年代の鬼太郎へ1999年の鬼太郎の危機を報せる手紙を時を越えて送るシーンがプロローグとなっている。
実写映画第1作のノベライズ版では三浦健太が鬼太郎の話や妖怪ポストの場所を知っていたのは、ユメコの親類に当たる少年から聞いたという流れになっている。
天童 星郎(てんどう ほしろう)
声 - 高坂真琴(第3作)
ユメコの弟で小学生。腕白な性格。第2話より準レギュラーとして登場。姉が行方不明になった時は彼が鬼太郎への依頼を提案した。この時は鬼太郎を「日本のゴーストバスター」だと両親に説明している。姉共々ゲゲゲの森に出入りし、鬼太郎を尊敬している。成績はあまり芳しくなく、優等生の姉と比べられることをコンプレックスにしている。
天童 優子(てんどう ゆうこ)
声 - 川浪葉子(第3作)
ユメコと星郎の母親。第2話より準レギュラーとして登場。茶髪のショートヘアが特徴。彼女の母「おはな」が鏡じじいを守護神と崇める村に育ち、鬼太郎たち妖怪にも理解がある。
天童 正夫(てんどう まさお)
声 - 佐藤正治(第3作)
ユメコと星郎の父親。第2話より準レギュラーとして登場。厳格な雰囲気の会社員で頭が固く、何度か妖怪の被害を受けても素直に存在を信じようとしない程に頑固な性格。
はな
声 - 色川京子(第3作)
天童優子の母でユメコと星郎の母方の祖母。姓及び「はな」の正式な表記は不明。鏡爺からは「おはなちゃん」と呼ばれている。少女時代はユメコに瓜二つで、鏡じじいを守護神と崇める村に住み、村の少女たちの中でも特に鏡じじいの宿る鏡を大切にしていた。第2話にて鏡じじいの回想や目玉おやじの再現映像(少女時代から、結婚して優子を出産するまで)のみの登場で、第3作本編の時点で健在かは不明。
石動 零(いするぎ れい)
声 - 神谷浩史(第6作)
アニメ第6作に登場する高校生男子。第50話から登場。一本ずつ赤い線が通った無数の跳ねた毛の黒髪と鋭いつり目、両耳にしたピアス、細身ながら筋肉質の体が特徴的。普段はパーカーを着ているが、鬼神の腕を使う時は脱ぎ捨て黒いタンクトップ姿になる。両親は既に他界しており、孤児だった自分を鬼道衆の師匠に拾われ育てられた経緯を持つ(鬼道衆との血縁関係はない)。自分の恩人である師匠らの里を何者かに壊滅させられ、「守るべき者を守れなかった」ことに負い目を感じている。本編で直接語られていないが(設定では)、奈良県出身の16歳で、里を滅ぼされたことをきっかけに新宿の高校に転入し、東京を中心に復讐の機会を窺っていた[5]。倒した妖怪の魂を「オン(唵)」の掛け声で取り込み、その力を身に宿して使う呪装術を使用できる(その呪装術は妖怪を倒せば倒すほど強くなる能力だが、妖怪の魂を大量に取り込むことは諸刃の剣であり、いずれ肉体が耐え切れなくなる禁断の術であることが第74話で判明)。霊弓や霊符を扱える技術も持ち、黒坊主以前に登場した妖怪を難なく倒し、鬼太郎と互角に戦うなど高い戦闘能力を持つ。格闘センスも優れており、飛び掛かったマンモスの攻撃を簡単にかわして回し蹴りでKOしている。また妖力の込められた声を最新の消音イヤホンで防ぐなど、文明の利器も活用する。その一方で、記録が少ない黒坊主の正体や鬼道衆の術の秘密を知らないなど、鬼道衆一族の全ての知識を完全に極めている域までには達していない。里を滅ぼされた恨みから妖怪に対する憎しみと復讐しか頭に無く、鬼太郎に対して宣戦布告ともとれる発言を言い放つ。それなりに正義も志してはいるが、独りよがりな思考が目立つ。妖怪(半妖怪も含む)に対しては無慈悲で、害悪と見なせば事情があったり戦意喪失していようと容赦ない攻撃や拷問を加え抹殺し、魂を自分の力の糧として利用し「人間に仇なす妖怪の類は全て狩られるべき害悪」と言い切る。しかし、人間に無害で悪の心を持たない妖怪であっても、その能力欲しさに殺してしまう冷酷さも見せるため、鬼太郎たちは妖怪をただの道具としか見ていない零に強い怒りと嫌悪感を露わにした。人間に対しては「良かろうが悪かろうが生かす」主義で悪人相手にもそれなりに制裁はするが抹殺はしない。復讐心のためか、自分の命さえも軽視している節もある。
第74話で妖怪を取り込みすぎ体はすでに限界を迎え始めるが、それに構わず玉藻前を倒すために子泣き爺、ぬりかべ、砂かけ婆を取り込み、ムジナの能力で玉藻前の分身に近づき戦うも返り討ちに遭う。第75話で一反木綿までも取り込み完全に肉体が限界に達した状態で鬼太郎と再び対決するが、「人間は善、妖怪は悪」という自分の物差しでしか価値を決められない発言が鬼太郎の怒りを買い、取り込んでいた「子泣き爺」「ぬりかべ」「砂かけ婆」「一反木綿」の魂に抑えられ敗北してしまう。その際にサヤの声に説得され、鬼太郎にこれまで取り込んでいた「子泣き爺」「ぬりかべ」「砂かけ婆」「一反木綿」「鵺」の魂を鬼太郎に還す。その後、伊吹丸の魂を経て鬼太郎に協力し、共に玉藻前を撃破した。先の鬼太郎たちとの戦いやサヤの声、伊吹丸の声かけで自分の間違いに気付き改心しており、鬼太郎に魂の処置は譲った(「鵺」以外は閻魔大王が功績を認めて復活している[注釈 27])。
事件解決後は伊吹丸の魂と共に(伊吹丸曰く「鬼道衆としてはまだまだ未熟でこれから修行をやり直させる」とのこと)旅立った。別れ際に鬼太郎に何か言いたかったらしく、笑みを浮かべて一瞬考えながら「いつかはあいつ(鬼太郎)を倒すと伝えてくれ」とまなへ伝言を頼み、それに対しまなは「鬼太郎なら返り撃ちだよ!」と微笑みながら返答した。
第96話でぬらりひょんの裏切りによって暴走したバックベアードによる世界滅亡の危機を見かね、伊吹丸と共に駆け付けて鬼太郎を復活させるためにまなたちに協力する。お互い存在は聞きつつも先の玉藻前との戦いでは現場で入れ違いになったため、今回アデル・アニエス姉妹と初対面となり、まなから「鬼太郎の仲間」と紹介された際は「仲間でもないが敵でもない」と告げて中立的な言動も見せるが、最終的に鬼太郎復活時は笑顔を見せ、味方の立場・態度を取っている。
サヤ
声 - 祖山桃子(第6作)
アニメ第6作に登場した鬼道衆の里の少女。左目を前髪で隠して着物を着ている。零を「零兄ちゃん」と呼び親しかったが、玉藻前に里を壊滅させられた際、零に看取られながら落命しており、「妖怪が、鬼道衆よくもって、お師匠様、守ってくれた、けどみんな」と途切れ途切れではあったが意味深な遺言を残し、零はサヤの死を悲しみながら弔った。第75話中盤では鬼太郎に敗北した零に「もうやめて。みんな(妖怪)の魂を返してあげて」と悲しみながら語りかける描写があり、零は鬼太郎に仲間や鵺の魂を返した。
師匠
声 - 谷昌樹(第6作)
アニメ第6作に登場する鬼道衆の一人で零の師匠。本名は不明。第74話で零の夢の中に登場。両親を亡くした零を拾い育てた。玉藻前に里を壊滅させられた際に落命している。
桃山 雅(ももやま みやび)[注釈 28]
声 - 祖山桃子(第6作)
アニメ第6作に登場するまなと同級生の少女。濃い黒色のロングヘアで、まな同様整った容姿をしている。背はまなより少し低い。まなとは親友で、日常的場面で頻繁に行動を共にすることが多い。父(59話初登場、声 - 天野ユウ)、母(52話初登場、声 - 進藤尚美)と三人暮らしで、ベルという犬(パグ)を飼っている。明るく活発で、根は友達思いな優しい性格だが、当初は反抗期で我儘な面も目立ち、調子に乗りやすいところもある(第52話で、勉強は苦手らしくテストの点もあまり良くないという描写がなされている)。
第3話より登場。当初は主にまなと登下校時に一緒にいるシーンくらいしか登場しなかったが、第25話からはストーリーに関わるようになる。それまでにまなが関わった一連の事件もあって妖怪の存在を信じていないわけではないが、呪いなどについては本気にしていなかったため、まなに対する同級生・山根香凛の陰湿な態度に不快を感じて憂さ晴らしの軽い気持ちで呪いのアプリに手を出し、まなにも半ば強引に登録させた挙句、自分も香凛に呪われて怪我をした。その後呪いのアプリ増殖で困惑し、まなに申し訳ないと思いつつも精神的に追い詰められてしまい、悲痛な表情を浮かべて「ごめんね! 知ってる人じゃないと効果ないの」と心の中で謝罪を呟きながら呪いのアプリにまなの名前まで書いてしまったが、鬼太郎たちの活躍でくびれ鬼が退治されて呪縛から救われた。
その後も、まなとは変わらずに親友同士で行動している。
第52話では些細なことで母親と揉めてしまい、家を飛び出して木の子の森に迷い込む。最初は木の子達と楽しみながら時を過ごし、元の世界には帰りたくないと思い、助けに来た鬼太郎(彼とはこれが初対面)にも帰ることを拒絶してしまう。しかし、木の子達にいつの間にか母親に言われていたことと同じことをやっていたことに気付き、母親が大変な思いをしていたことを察する。山天狗に連れ去られてしまうが、鬼太郎に助けられ、人間の世界に帰ることを決意し、木の子達と涙ながらにお別れの挨拶をし「人間と精霊が一緒に住めるようになったら、また一緒に遊ぼう」と言われ「うん、必ず」と約束した。その後、まなと再会し喜び合って抱き合い、仲違いしていた母親とも和解してわだかまりを解いた。木の子の森と人間界との時間差で一時的に身体が成人女性並みに成長するが、短期間だったので本来の年齢に戻れた。
木の子たちとの出会いと体験以降は、我儘な言動はしなくなり、少々お調子者だが他者を気遣うことの方が多い優しい性格へと心境の変化が見られるようになった。
95話から最終話にかけて、ぬらりひょんとバックベアードの攻勢で両親と祖父(最終話登場、台詞なし)が危機に陥るが、なんとか家族全員無事に乗り切ってねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援する。事態が収束した代償で鬼太郎達と出会って以降のまなの記憶が無くなった後もまなを気遣いながら友情は続き、10年後に電話でまなにこの時期に出没している妖怪の話をすることで、まなが鬼太郎達との記憶を取り戻させるきっかけの一助となる。
石橋 綾(いしばし あや)
声 - 石橋桃(第6作)
アニメ第6作に準レギュラーとして登場するまなや雅や蒼馬と同級生の少女。髪を二つ縛りにしてメガネをかけており、まなや雅と同様に整った容姿をしている。背はまなより少し高い。第8話より登場し、まなや雅と共に行動していた[注釈 29]。第46話からストーリーにも関わるようになる。まなや雅とは一緒に登下校したり、初詣や休日のショッピングも一緒に行くほど仲が良い。将来の夢はパティシエールになること。当初はまなや雅同様に妖怪の存在を否定まではしないながらも、それ程本気に信じてはいなかったが、まなが関わった一連の事件もあって妖怪の存在や御利益を本格的に信じるようになった。まなと同じく家族思いで友情(妖怪を含む)に厚い。
両親(父・智也、声 - 置鮎龍太郎、母・睦子、声 - 前田愛[6] は「モモ」という名の喫茶店を経営しているが、綾が生まれる前にあくどい会社を作って人々から金をむしり取っていた事で貧乏神に取り憑かれ会社は倒産して無一文となり、喫茶店を開店して現在に至っていた。綾はそんな両親の経歴は全く知らなかった為、87話で店に住み着いていた貧乏神を自分たち家族を苦しめた元凶と思い込んで追い出してしまう。その後、偶然出会い意気投合した座敷童子が居着いたことで店は大繁盛したが、両親が再び金に目が眩んで座敷童子を利用してしまい、彼らの過去を再度現れた貧乏神から聞かされて愕然となる。綾は、貧乏に逆戻りするのを拒んで邪魔者の鬼太郎・ねこ娘・貧乏神を排除するべく座敷童子を暴走させ始めた両親に目を覚ましてもらう為、そして綾の為と歯止めが効かずに妖力を使用していた座敷童子を止める為に金を跡形も残さず燃やし、このことで両親は自分たちの過ちに気付き今度こそ改心し、座敷童子も自分の行いが間違っていたことに気付いた。そして綾たち石橋一家は分不相応な財産を処分して座敷童子ともお別れし、元の店から出直して再出発を始めた。
95話から最終話にかけて、ぬらりひょんとバックベアードの攻勢で世界中が危機に陥るが、なんとか無事に乗り切って最終話でねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援する。事態が収束した代償でまなの鬼太郎達と出会って以降の記憶が無くなった後もまなを気遣いながら雅たちと共に友情は続き、まなの記憶は10年後に再生された。
裕太(ゆうた)
声 - 古城門志帆(第6作)
アニメ第6作に準レギュラーとして登場する小学生の男児。姓は不明。第1話より登場。まなの家の隣に住み、眼鏡をかけている。鬼太郎と同じくらいの身長。いじめられっ子のように気弱な性格だが、まな同様に好奇心は旺盛。まなには、お隣同士という縁があることから弟のように大事に思われており、「まな姉ちゃん」と呼び慕っている。妖怪に詳しい祖母の影響から妖怪はいると信じており、鬼太郎を始め多くの妖怪のことを知っている[注釈 30]。鬼太郎ファミリー全員を「さん」付けで呼び、敬語で話している。大翔とは同級生でよくからかわれているが、お互いに友達同士ではある。
祖母から聞いた話で、人間が木(吸血木)に変わる一連の怪事件は妖怪の仕業であると蒼馬と大翔の兄弟に主張していたが信じてもらえず、唯一構ってくれたまなに「妖怪ポストに手紙を入れれば鬼太郎が来てくれる」と話し、半信半疑ではあったがまなが手紙を妖怪ポストに出すというきっかけを作った。
4話では、まなから鬼太郎たちの事を詳しく聞き[注釈 31] ゲゲゲの森に行けないものかと入口を探した結果、トンネルを見つけ偶然ゲゲゲの森に迷い込んで(出入りを許されていないため出られなくなってしまった)、鬼太郎たちと出会い、目玉おやじの提案で鬼太郎に「森にあるものには決して触れない」ことを約束して森を案内してもらう。途中でつい好奇心に負けて約束を破り、山爺の赤い木の実をもぎ取ったせいで山爺を怒らせゲゲゲの森に異変を起こしてしまうが、そのことに気付いた鬼太郎の指示に従い実を返したことで異変は収束した。反省して山爺に謝罪し好奇心と無知さを咎められながらも、まだ善悪の細かい判断が付くまで成長していない子供として許され、二度としてはいけない戒めの印として掌に×印を書かれ、ゲゲゲの森に行ったことを誰にも話さないことを条件に人間界へ送り返された。砂かけ婆や一反木綿が言うところによると、過去にも人間がゲゲゲの森に迷い込んだ事は何度かあり、裕太の前に来たのは寅吉(とらきち)という人物(当時は少年)だったが、それは二百年以上も前の出来事で、油すましも「人間がゲゲゲの森に来るのは珍しい」と語っていた。また、一反木綿は昔の寅吉や今回の裕太など稀にでも人間の中から子供の時にゲゲゲの森に入れる者が現れる理由を疑問視していたが、それについて目玉おやじは「人間は子供の時には魂がまだ安定しておらず、その時点では人間と妖怪の中間のような精神状態」という理由から、「妖怪の存在を信じて純真に縁のある者だけが入れるのではないか」と推測している[注釈 32]
60話ではまな達が復活したぶるぶるに連れ去られ一人だけ残った。まな達と再会した際、鬼太郎達に「守ってもらってばかりじゃ嫌だ」と言うが、目玉おやじから「人間には誰だって弱い所がある、だが、誰かを守る気持ちがあれば強い力を発揮できる」と語られ、勇気を出して見事ぶるぶる退治に貢献するなど、一回り成長した。
最終話では戦争に巻き込まれ蒼馬や大翔に寄り添っていた。そして戦争を止め、ねずみ男の説得を聞いて最初に鬼太郎を応援した。
蒼馬(そうま)
声 - 新井良平(第6作)
アニメ第6作に準レギュラーとして登場するまなと同級生の少年(小説「3・11の獏」にてまな曰く、幼稚園からの腐れ縁)。姓は不明。第1話より登場。弟・大翔が同級生である裕太をからかっていると、兄であることからまなによく成敗される。最初は妖怪などを信じていない現代っ子だったが、実際は小心者でもあり鬼太郎が突然現れた際は、まなを見捨てて一目散に逃げ出すなど無意識に得体の知れないものへの怖さは感じていた。時折悪ふざけも見えるが、自分の非を反省したり恩義を感謝するなど、捻くれた面の多い弟の大翔よりは年長者に対する良識とかはわきまえている。12話で八百八狸に政権を乗っ取られ狸政権となった際は、弟共々狸の尻尾を付けられ反たぬき派の男児を虐めていたが、狸政権崩壊後は反省し、この一件で妖怪の存在も信じるようになる。19話では大翔共々、見上げ入道たちの誘いに乗ってお化けの学校に行き妖怪に改造されそうになり、助けに来た鬼太郎たちとはこの時初めて明確に対面している。この戦いではまなをたんたん坊の痰から庇って固められるも、彼女が見上げ入道撃退の呪文を唱える機会を作る(後でふざけながら見返りに宿題代行を要求して冗談交じりにまなに叩かれた)。妖怪絡みの事件に巻き込まれる事も比較的多い。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
大翔(ひろと)
声 - 森下由樹子(第6作)
裕太の同級生の男児。蒼馬の弟。兄や裕太と一緒に第1話から準レギュラーとして登場。かなり生意気な性格で、よく裕太をからかっており、そのたびに兄がとばっちりを受ける。まなの事は「デカまな」というあだ名で呼んでいる。兄・蒼馬同様、妖怪など非科学的なことを全く信じようとしない現代っ子。12話で八百八狸に政権を乗っ取られ狸政権となった際は、兄共々狸の尻尾を付けられ反たぬき派の男児を虐めていたが、狸政権崩壊後は一応妖怪の存在を認識するようにはなった。19話ではかまいたちの鎌で顔を妖怪らしく「整形」されそうになり気絶、兄は彼を担いで逃げ回る破目になった。直後に鬼太郎たちに助けられて明確に対面した。兄以上に捻くれているが、普段はからかいつつも裕太とは兄の蒼馬と3人で一緒に遊ぶことが多く、裕太が危機の時は心配する様子も見せる。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
電池組(でんちぐみ)
アニメ第6作に準レギュラーとして登場する3人組の女性アイドルグループ。決め台詞は「あなたのハートを充電しちゃうぞ」。初登場の第2話で大勢のファンと共に見上げ入道に霊界送りされてしまうが、鬼太郎とまなの活躍により救出される。第16話の境港の祭にも登場。第61話ではニッケルカナがメインとなる話で登場。第67話ではニューシングルを発売。カナ曰くアイドルカーストでは真ん中の位置。直接登場しなくても看板やポスター等で割合頻繁に姿が描かれることは多い。3人とも下の名前は本名らしく示唆されるが、正式な表記やフルネーム等は不詳。最終話ではねずみ男の説得を聞いて3人とも、鬼太郎を応援した(事態が収束した後の活動等は不詳)。
ニッケルカナ
声 - 森下由樹子(第6作)
単二アイドル、衣装はレモン色。オレンジ色の短髪の眼鏡っ娘の女性。キャラ付けは不明。アイドルになる前は黒髪の長髪で、同級生から「塩対応」と言われるほど暗い性格の潔癖症スクールカーストの最下層にいた。そのため上の人達を見返したくなり、ある日スマホで見つけた短髪の美女に憧れ、自ら髪を切ってアイドルになった経緯を持つ(まな達と同じ制服だった)。本来は視力2.0で悪くないのだが、キャラを付けるために眼鏡をかけるようになり、先述の潔癖症の為人に触れることが苦手でも握手会で我慢する、好物は酒だがプロフィールにイチゴと書き込むなどアイドルとしての自分を保つための努力をしていた。
グループ内カーストではいつも最下位で行き詰っていたところ、豆腐小僧と出会い、彼から元気付けるためにもらった豆腐を食べたことでその美味しさで活気を取り戻し、その過程で豆腐小僧がマネージャーとなる。その後ねずみ男が便乗して「ニッケルカナの手作り豆腐黒蜜きな粉かけ」を本人が食べさせることで人気を急上昇させることに成功、最トップとなるがカナ自身はこれで本当に良いのかと思い悩む。そこへねずみ男が妖怪カビが生えてしまった豆腐にまで手を出したことで、ライブ会場ばかりか街中がカビだらけとなってしまい恐怖と罪悪感にかられる。しかしそんな中、カビ塗れになってしまったファンから「いつもカナちいに元気をもらっているから」と励ましの言葉を聞かされ、豆腐小僧から豆腐をもらって元気をもらった自分を思い出し、カーストに拘りすぎて自分を見失っていた事と、自分がもらった元気を運んでみんなに笑顔になってもらいたかった為にアイドルになった事に気付き、皆を助け出す為鬼太郎たちと協力してカビを除去する。その後、自分が進むべき道を見つけるきっかけを与えてくれた豆腐小僧に感謝し、「唯一無二のアイドル」になることを目指し始める。
豆腐小僧と出会った際に、豆腐に手足が生えたような姿の「豆腐妖怪」を想像している(ぬりかべのような外見で、「とうふ~」という口癖も似ている)。
マンガンアヤナ
声 - 古城門志帆(第6作)
単一アイドル、衣装は水色。黒髪の長髪の女性。キャラ付けは「元気ハツラツ」。本編で明言はされていないが、一番手カウントとグループ活動時は常にセンターポジションであるなど3人の中のリーダー格らしき位置であることも示唆されている。但しカナやユリコのように性格や経歴を掘り下げた描写はなかった。
アルカリユリコ
声 - 祖山桃子(第6作)
単三アイドル、衣装はピンク。赤毛の長髪の濃い眉毛の女性。キャラ付けは「おっとりお姉さん」。カナの様にメインに据えられたエピソードは無いが、登場頻度は3人中最多。第38話では2nd写真集を発売。第59話で26歳年上の投資家・横井沢翼と婚約したが、すぐに破棄してしまった(横井沢が投資していたかまぼこ相場が、半魚人の工場でのねずみ男が起こしたバイトテロで下落したことが関係したように語られている)。おっとりキャラで売り出しているが、ハッキリと感想を言う性格で、第88話で一反木綿に告白されると、無表情かつ冷静に「私、妖怪はタイプじゃないの。それと、薄っぺらい姿もダメなの。ごめんなさい」と詫びの言葉も入れて即答で断っている。
夏美(なつみ)
声 - 中尾衣里(第6作)
アニメ第6作で、砂かけ婆が人間界にて管理人を務める妖怪アパート「爽快アパート」のオーナー。セミロングヘアで眼鏡をかけた若い女性。姓は不明。
第23話から準レギュラーとして登場。50年前に爽快アパートの経営を始めた夫婦・春夫(はるお、声 - 島田敏)と冬子(ふゆこ、声 - 山崎和佳奈)の孫娘で、母親は春夫と冬子の娘・アキ(声 - 祖山桃子)。幼い頃はアパートに住み付いていた妖怪たちを愛称で呼ぶなど懐いて遊んでもらっていたが、夏美が人間の友達より妖怪たちと遊ぶ方が楽しいと言ったことを聞いたろくろ首たちは彼女の将来を考え、姿を消した状態で見守られる事になる(この時既に祖母の冬子と両親のアキ夫妻は、詳細は不明だが相次いで他界している)。夏美は成長する過程で幼い頃の記憶が薄れ、妖怪の存在も信じなくなり、春夫の没後に爽快アパートを取り壊し駐車場にしようとする。思い留まるように鬼太郎が語ったアパートの来歴とろくろ首たちの話も最初は信じようとせず、婚約者と思っていたヒロ(声 - 坂井易直)という男に騙され(33年前にもアパートを狙って鬼太郎たちに懲らしめられていた地上げ屋の子分であることが判明する)アパートの権利書と実印を奪われてしまう。だが、再び姿を見せたろくろ首たちがヒロを脅かし退散させ、その際に幼い頃の事を思い出して彼女らにずっと見守られていた事も知り、「自分たちがいるから一人ぼっちではない」と慰められ涙する。その後、鬼太郎ファミリーが地上げ屋の事務所に乗り込み、権利書と実印を取り返して再度徹底的に懲らしめアパートに近づかないよう釘を刺した(地上げ屋たちの懲らしめられたその後は不明)後、アパートが砂かけ婆に管理を任されて妖怪用のアパートになってからは、新たなオーナーとなって妖怪たちに会いに度々訪れるようになる。第61話や第71話などのように、アパートの掃除もこまめに行っている。第49話で鬼太郎とまなが名無しと対峙していた時は、名無しの威力で倒壊していた街から逃げる人間たちを砂かけ婆たちと共に誘導した。71話でも人間が傘を粗末に扱う様子に悲しんでいた唐傘へ傘用のアクセサリーをプレゼントするなど、アパートの妖怪たちとは良好な関係で優しい気遣いも見せている。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
姫香(ひめか)
声 - 上田瞳(第6作)
アニメ第6作に準レギュラーとして登場するまな、雅、綾、蒼馬と同級生の少女。姓は不明。まなや雅や綾と同様に整った容姿をしており、後ろ髪を一ヶ所で束ね、前髪を切り揃えている。第46話より登場し、まなたちと女子4人で行動することが多い。まなたちと違い本編で特に目立った活躍をすることもなく、他の準レギュラーの同級生たちより登場頻度も少なめだったが、最終話ではねずみ男の説得を聞いて他の皆と一緒に鬼太郎を応援し、事態が収束した代償でまなの鬼太郎達と出会って以降の記憶が無くなった後もまなを気遣いながら雅や綾たちと共に友情は続き、まなの記憶は10年後に再生された。
鷲尾 誠(わしお まこと)
声 - 草尾毅(第5作)
アニメ第5作で準レギュラーとして登場する青年。第21話初登場。初登場時は鴉山大学の理工学部3年生で、大学の購買部で猫娘とバイトしていたろく子(ろくろ首)と出会う。おどろおどろに操られた女子大生達に襲われて古い倉庫にろく子と逃げるが、床が抜けて転落して足を怪我してしまう。その時、一緒にいたろく子が首を伸ばして助けを呼んだため彼女が妖怪だと知るが、それでもろく子を1人の女性として愛し、テレビの人探しでその気持ちを彼女に伝え、正式に交際を始める。
第34話で逃走中のギャングの車から子供を庇って轢かれてしまい、意識不明の重体となったが、幸いにも間もなく意識を取り戻した。第43話でろくろ首が商店街の福引きで引き当てたミステリートレインの旅に彼女や鬼太郎達と同行。鬼太郎達は事件に巻き込まれていたが、鷲尾とろくろ首は事件にすら気付かず展望デッキで二人の世界に浸っていた。
少々天然な面が見られるが学業成績は優秀(後述のOB曰く「特待生の天才児」)で、大学院に進み、ろく子との結婚生活を夢見て就職活動にかかる。
第91話ではOBが務める会社の見学に行った際、周囲に自分を人間と思い込ませて働く一つ目小僧(一つ橋)に出会うが、すでに妖怪が存在すると知っていた彼には術が効かなかった。この時点でバケローの連絡先を知っているなど、かなり妖怪慣れしていた。目玉おやじからも言われたが、ろくろ首を本気で愛して彼女と一緒になる以上は、自身は人間でも妖怪たちと関わって生きていく決意をしている。
シリーズにおいて人間のレギュラーでは初の若い男性である。第91話まで登場場面がなかった(ろくろ首が話題に出すことは数回あった)が、スタッフブログによるとシナリオ段階では度々登場していたものの都合でカットされたとのこと、そのため設定上は本編で描かれなかった間に、ろくろ首との交際を通じて鬼太郎たちとも頻繁に会っており、実は妖怪横丁の事も詳しくなっていた。
風祭 華(かざまつり はな)
声 - 小林沙苗(第5作)
アニメ第5作劇場版『日本爆裂!!』の人間側ヒロイン。中学生。黒髪のポニーテールが特徴[注釈 33]。文武両道で、呼子は「完璧な美人」と評価している。
心優しいにも関わらず、周囲からはきつく冷たい性格と思われて友達はいない。学校の鏡に引きずり込まれてしまうも逃れられた。帰宅する際、幼き頃に祖母からゲゲゲの鬼太郎の呼び出す方法を教えてもらい、手紙を妖怪ポストに入れた。帰宅後に鏡の世界に引きずり込まれ、鏡爺によって姿を奪われてしまう。その後、鏡の世界に閉じ込められた鬼太郎と出会う。鬼太郎に鏡爺が倒されたことで姿を取り戻したが、鬼太郎も弱って倒れてしまい、彼を妖怪横丁まで連れて行った(その際アマビエが目の前に現れて驚かそうとするが、ひよこか魚の認識程度で全く怖がっていなかった)。妖怪横丁で妖怪たちと仲良くなり、その後人間界に戻って家に帰宅するが、母と京夜が自分を忘れていて絶望させられる。そして、「人間の世界なんか壊れてしまえばいいのに」と思ったことで異常現象を引き起こしてしまう。閻魔大王の命を受け自分を救うために駆けつけた鬼太郎から説得されるが、絶望感のあまり周囲の人間に負の感情を抱いてしまう。そこへ京夜がヤトノカミの正体を現し、鬼太郎を人質に取られ共に大霊山に行くよう強要され、ヤトノカミの毒に苦しめられる鬼太郎に見兼ねて承諾してしまう。大霊山ではヤトノカミ完全復活の為の鍵である自分の魂を抜き取る儀式に自分を生贄として台座に寝かされ、そこへ復活した鬼太郎が駆けつけるが魂は抜き取られ、ヤトノカミは完全復活してしまう。しかし、ヤトノカミの体内にある自分の魂に鏡爺の尽力によって鬼太郎が霊界符を通して語りかけ、更に鬼太郎の霊界符と風祭家の鏡を繋がれ母親が自分のことを思い出し、自身も母親の想いを理解する。母親に自分の魂を救い出されヤトノカミを弱体化させ、最後は鬼太郎がヤトノカミを倒したことにより生き返ることができた(鬼太郎は疲れから華の膝の上で寝てしまう)。そして、母親を連れ妖怪横丁への道があった場所へ向かったが、その時は見つけることができなかった。鬼太郎も最後は「『さよなら』ぐらい言いたかった」、と別れを惜しんでいた。
第3作に登場した天童ユメコをオマージュしたキャラクター。
風祭 琴(かざまつり こと)
声 - 折笠愛(第5作)
華の母親。鏡爺からは「おことちゃん」と呼ばれている。ヤトノカミの術で華を忘れてしまうが、鬼太郎や鏡爺たちの尽力で思い出し、助けを求める華の魂を救い出して鬼太郎たちの勝利に貢献する。その後、華に連れられて妖怪横丁の道があった場所へ向かうが、道を見つけられる状況には至らなかった。
華の祖母
声 - 江森浩子(第5作)
『日本爆裂!!』の冒頭にのみ登場。書籍に記録があった鬼太郎の事を華に教えていた。本編の時点で健在かは不明。
村上 祐子(むらかみ ゆうこ)
声 - 前田このみ(第4作)
アニメ第4作で準レギュラーとして登場する小学生三人組の紅一点。第1話より登場。赤茶色のセミロングのおかっぱヘアで、身長138cm、体重33kg。地味だが優しく世話好きで、学校の成績も上位の方である[7][8]。初登場時は小学3年生で、途中から4年生に進級。登場以前から妖怪ポストの噂も聞いていて、第1話で見上げ入道に神隠しにされたことをきっかけに鬼太郎たちと知り合う。おかしな事件に巻き込まれて悩む級友に鬼太郎を紹介することもあった。ゲゲゲの森には入ったことがない。大人しく見えるが行動的で度胸もあり、鬼太郎を助けるべく化けガラスで出来たじゅうたんに乗って現場に駆けつけたり、草薙の剣を巡ってぬらりひょんと対決するといった活躍もあった。カナヅチで泳げない。マンションで両親と暮らしている。両親は共に鬼太郎達妖怪を「祐子の変わった友達」と見ており、鬼太郎が住んでいるマンションを訪問した際に目玉おやじがドアスコープから顔を出した時は気絶したり、一反木綿をタオル代わりにした時も驚いていた。
第53話以降は出番が減って行き、時々姿を見せることもあったが、直接登場せずに鬼太郎たちが妖怪の事件を知った祐子からの手紙を受け取って調査に出るという展開の方が増えていった。
谷本 淳(たにもと じゅん)
声 - 沼田祐介(第4作)
アニメ第4作の準レギュラー小学生三人組の一人。第1話で神隠しにされた祐子を見つけるべく翔太とともに妖怪ポストを探し出し、鬼太郎を呼び出す。割とずぼらで学校の成績もあまり良くないが運動は得意で、三人組では唯一浮き輪なしで泳げる。活発だがガキ大将というわけではない。祐子のことは呼び捨てにしている。第29話では祖母からダイダラボッチの言い伝えを聞いており、そのことを鬼太郎に教えるなど、割合的に妖怪や伝承の類に詳しい面もある。
祐子と比べて出番は少なめだった。
鈴木 翔太(すずき しょうた)
声 - 松井摩味(第4作)
アニメ第4作の準レギュラー小学生三人組の一人で眼鏡をかけた男児。第1話より登場。気が弱く怖がりで大人しいが、少し調子に乗りやすい面もある。祐子のことは「村上さん」と呼ぶ。淳と違って学校の成績も悪くはない。あまり運動は得意ではなく、祐子同様カナヅチで泳げない。
祐子と比べて出番は少なめだった。
三島 由美夫(みしま ゆみお)
月刊ガロ』掲載『鬼太郎夜話』に登場。
登場当時の流行歌手兼作家。終電でねずみ男に吸血木の芽を植えつけられる。吸血木によって血液を吸い取られて変わり果てた姿になり、その後は生け花「草風流」の家元・勅使河原草風(てしがわら そうふう)に拾われ、喫茶店「ザ・パンティ」[注釈 34] の植木として飾られていたが、店の支配人・助部(すけべ)から90万円で買い取ったねずみ男によって府中の先の蛇ヶ島に埋められ、最終的には成長した吸血木の果実から鬼太郎達によって助け出される。
モデルは三島由紀夫[9]
貸本版『墓場鬼太郎』シリーズの『鬼太郎夜話』第一巻『吸血木と猫娘』と第二巻『地獄の散歩道』(アニメ版第3、4話)ではトランク永井(- ながい)(アニメ版ではトランプ重井〈- おもい〉〈声 - ピエール瀧〉)が該当する。こちらの名前と外見のモデルはフランク永井。詳細は「墓場鬼太郎の登場人物」を参照。
山田 健太(やまだ けんた)
アニメ第3作時に「水木プロ」名義で描かれた原作『最新版 ゲゲゲの鬼太郎』に準レギュラーとして登場。容姿は水木作品常連のサラリーマン山田であるが、本作では中学生の少年。
第1話より登場。がしゃどくろの呪いで同級生から虐められて自殺しかけたところを鬼太郎に助けられ(後にマガジン版の数話と合わせ再編された「鬼太郎誕生編」では、手の目に手を操られた少年の役と重ねられている)、以後は友人になってゲゲゲの森へも何度か出入りするようになる。天童ユメコとは本作では同じクラスの中学生であることが物語中盤の11話「ぬらりひょん、最後の戦い」で判明した。
三太郎(さんたろう)
声 - 日髙のり子(第4作)
アニメ第4作の劇場版2作目『おばけナイター』に登場する少年野球チーム「バトラーズ」の選手。野球は下手の横好きでバットをボールに一回も当てたことがなく、「三振三太郎」と呼ばれている。バトラーズをクビにされたその日の帰り道にねずみ男に妖怪バットを与えられ、状況が一変する。バットを取り返そうとした鬼太郎たちと野球の試合となり、鬼太郎チームの最後の攻撃に普通のバットで挑むがあえなく三振し敗退。責任感から鬼太郎たちに魂をとるのは自分だけにしてくれと悲願するが、最初から魂を取る気はなかった鬼太郎たちは妖怪バットの返却だけに留める。バトラーズの一員として認められた三太郎は努力を重ねついにバットをボールに当てることができた。
1999年に花やしき他遊園地やイベントで上映された3D映画『鬼太郎の幽霊電車』でも同名の少年が登場し、容姿も瓜二つで声も『おばけナイター』と同様に日髙のり子が担当しているが、同一人物かどうかは本編での明言が無く不詳。算数のテストで0点を取ったため昨日に戻りたいと願い、ねずみ男に「妖怪ポストに昨日に戻りたいと手紙を書いて出せばいい」と言われ鬼太郎に会い幽霊電車に乗る。そこで悪戯をする過去の自分(一昨年では稲荷神社にゴミを投げつける、去年では亀の甲羅に落書きをした)と向き合い改心、「もうズルはやめにする」と誓った。
若杉(わかすぎ)
声 - 雨宮一美(第3作)、柴田由美子(第3作代役)
アニメ第3作に準レギュラーとして登場する若い女性教師。フルネームは不明。ユメコの学級担任を務める。ショートヘアに眼鏡をかけている。第3話より登場し、学級で遠足に行った猫塚村で事件に巻き込まれ、猫仙人が操る猫たちに児童たちと包囲された所を鬼太郎たちに助けられた。実家はオベベ沼の近くの農家。
当初は妖怪がらみの受難が多かったが、徐々にそういう事は減って行き、出番は少なめだった。
サラリーマン山田(やまだ)
声 - (※全アニメシリーズに様々な名前・役柄・設定で何度も登場するため、担当声優も多岐に渡っている)
便宜上代表的な通称で表記したが、原作・アニメ全シリーズで様々な役柄(サラリーマン、強盗、ギャング、貧乏芸人、科学者など)にて頻繁に登場する人物で、ほとんどが同一人物ではなく、それぞれの関連も皆無に近い。いわゆる「メガネ出っ歯の男」の容姿をしたキャラクターである。また、必ず成人男性とも限っておらず話によって少年として登場する事も多く、時には女性や老人の場合まである。少年の場合は本名ではなくあだ名で「めがね」など呼ばれたりもする。
鬼太郎の知り合いとしてはマガジン版最初期に豆腐屋の又八(またはち)という人物がいた(「夜叉」の回などに登場)。他には原作でレギュラーとして固定されたケースで前述の中学生・山田健太がいる。
『鬼太郎』シリーズ以外にも水木しげるの描く作品には概ね登場している。水木作品全体の詳細は「サラリーマン山田」を参照。
モデルは水木の貸本漫画家時代の友人・桜井昌一
水木 しげる(みずき しげる)
声 - 富田耕吉(第1作)、あずさ欣平(第3作)、島田敏(墓場鬼太郎)
原作者の水木しげる(本名・武良 茂、むら しげる)も時折作中に登場し、鬼太郎たちと共演している。また、水木が描いた様々な史伝・評伝作品にも鬼太郎ファミリーや他の妖怪たちも登場する事があり、水木も案内・解説役で各作品本編に登場する事が多いので、共演も頻繁である。他には実在する水木の家族や友人・関係者が各業界の著名な人物も含めて登場し、鬼太郎ファミリーや山田(メガネ出っ歯)などと共演する場合もある。主な詳細や水木の家族・関係者については、「墓場鬼太郎の登場人物」・「妖怪博士の朝食」・「コミック昭和史」・「神秘家列伝」・「水木しげるの古代出雲」・「木槌の誘い」・「東西奇ッ怪紳士録」・「ゲゲゲの女房」・「のんのんばあとオレ」などを参照。
阿部の奉連想(あべのほうれんそう)
『鬼太郎霊団 阿部の奉連想』に登場。陰陽師・阿部の晴明の血を引く天才少年。
ジンバブエで発掘された古代の財宝を基に霊文化を研究するというプロジェクトの日本代表に選ばれるが、「子供だから」という理由で取り消されてしまう。その仕打ちに対する抗議として、陰陽道における最高の術である「屍の法」を用い仮死状態となる。表向きは自殺したということにして葬儀もあげている。しかし、首相らに反省の色が見えなかったため強硬手段を取る。
式神を用いて人々を襲い、襲った人間を次々と妖怪に変えていくことで社会を混乱させるも村山田首相(当時の内閣総理大臣である村山富市に似せて描かれてある)の要請を受けた水木しげるがねずみ男を介して呼んだ鬼太郎霊団と戦い、敗れる。
その後、首相らと和解し、晴れて日本代表に選ばれた。
メリー
1960年代マガジン版の後日譚に当たる『その後のゲゲゲの鬼太郎』のヒロイン。ニューギニア近海にあるとされる「幸福の島」の酋長の娘。幸福の島は近くにある死者の領域「死の島」との間を誕生と死によって往来する独特の輪廻転生システムをとり、戦いに疲れて船旅に出た鬼太郎達はそこに漂着して島の掟で定住を余儀なくされる。鬼太郎はそこでメリーと出逢い恋に落ちたが、酋長に取り入って保安官になったねずみ男にキスシーンを目撃されてしまう。彼女に気があったねずみ男は鬼太郎が島民の経済格差を解消する革命に加わった事も調べ上げ逮捕、鬼太郎は死の島に流され肉体を失う。だが鬼太郎は死の島の霊魂達の協力を得てメリーの胎内を借りて復活(後に目玉おやじはメリーの妊娠について疑問を口にしたが、鬼太郎は赤面して回答を拒んだ)、革命に成功(ねずみ男は職権乱用の罪で終身刑に処された)。初代自由酋長となってメリーと暮らす。そのため、資料によっては彼女を鬼太郎の「妻」と記しているものもある。その後「死神大戦記」では幸福の島にいた鬼太郎が事件を知って行動を起こし、戦いの後はまた島に戻る形をとっているがメリーは登場しない(ねずみ男も解放されている)。更に後に舞台は再び日本に戻るが、鬼太郎がいつなぜ日本に戻ったかも謎である。そして鬼太郎は未婚の状態(設定)に戻り、再び目玉おやじや仲間の妖怪たちとゲゲゲの森で暮らしている。
ゆうた
松本しげのぶ版に登場する男子小学生。鬼太郎と友達になり、頻繁にゲゲゲハウスに出入りしている。非常に怖がりな性格で敵味方問わず妖怪に怯えているが、時に機転を利かせて事件解決に貢献する。同時期の第6作に登場する裕太と似通った点が多いが関連は不明。
実写劇場版に登場した関係者
実写劇場版第1作と第2作でも鬼太郎たち妖怪と知りあいになった人間が数人いる。
人物の名前や詳細は「ゲゲゲの鬼太郎 (実写映画)」を参照。

鬼太郎たちは妖怪や人間の他に動物たちとも交流がある。ここでは猫の仲間を挙げる。

クロ
声 - 豊嶋真千子(第5作)
アニメ第5作に登場する黒猫。鬼太郎とは別の意味でのネコ娘の相棒として活動する。普段はネコ娘のアルバイトの手伝いをする事もあり、妖怪の事件を目撃した際は先ず彼女に情報を提供する。首輪には鈴ではなく勾玉がついている。特徴は白い眉毛があり、その雰囲気からしてに見える。表情は人間並みで二本足で直立もできる。人語は喋れないが理解する事ができて、潜入調査も得意。妖怪横丁にもよく出入りし、目玉おやじを頭に乗せて移動手段となる時もある。
アニメ第6作でも、クロと同一個体かは不明だが、妖怪ポスト投函の手紙を中継配達したり、ねこ娘に妖怪出現情報を報告する黒猫(声 - 庄司宇芽香[10])が時折登場する。
猫楠(ねこぐす)
本来は別作品で南方熊楠(みなかた くまぐす)を描いた伝記漫画『猫楠-南方熊楠の生涯-』に登場する猫。見た目は雑種で虎のような縞模様である。体格は寸胴でやや太め。熊楠に命名される。熊楠の友人・喜多幅(きたはば)の経営する医院で飼われていた「花子猫(はなこねこ)」という猫をガールフレンドとしている。「猫楠」のラストシーンで、普通の猫ではなく大昔から人間の幸福の観察者として暮らしていた事が判明。以後他の水木作品にも花子を連れて登場。原作やアニメの「鬼太郎」本編には直接姿を見せていないが、鬼太郎と仲間たちの集合図や児童向けの絵本等の挿絵では度々一緒にいるように描かれている。
NHK連続テレビ小説・『ゲゲゲの女房』に猫楠らしき猫が登場(声 - 永井一郎)。トイレにいた水木しげるに妖怪「いそがし」にとり付かれたことを教える。

地獄関係者

小学館入門百科シリーズ『妖怪百科』で描かれた原作『鬼太郎の地獄めぐり』およびアニメ第6作では、「千引の岩」をどかすことで地獄へと繋がる道・黄泉比良坂が開かれている(日本神話の黄泉の国の記述に準じている)。

閻魔大王(えんまだいおう)
声 - 永井一郎(第1作)、柴田秀勝(第2作・第4作)、郷里大輔(第3作・第5作)、大友龍三郎(第6作)、津嘉山正種(実写映画版)
伝承でも世間に広く語り継がれている地獄の最高権力者で東洋の地獄神。
鬼太郎たちが見上げるほどの圧倒的な巨体。鬼太郎親子の力を高く評価しており、彼らに助言や協力をしたり、逆に地獄と現世に跨るようなトラブルの調査・解決を依頼したりする。名の初出は貸本『アホな男』で、鬼太郎親子を訪ねて来た記述がある。姿の初出は『死神大戦記』。
アニメ第1作は20話、第2作は34話に登場。どちらの作品も鬼太郎親子と親しい描写はない。
第3作では特に出番が多く、鬼太郎達だけでは為す術がなくなった際に助言や協力をしてくれた。
第4作でも鬼太郎親子とは親しい様子で、事件の依頼をすることもある。怒ると現世に雷雨が轟く。
第5作では地獄の盟主なだけあって、鬼太郎同様に「地獄究極奥義」を繰り出せるが、使用した獄炎乱舞の威力と規模は鬼太郎の比にならないほど強大。閻魔大王の場合、奥義の発動に「地獄の鍵」を必要としない。
第6作では過去作と異なり、鬼太郎親子は終始対等な口調で接している。名無しによって消滅させられた猫娘の復活を嘆願してきた鬼太郎と「密約」を結び、ねこ娘を甦らせる代わりに何者かの手で地獄から脱獄した「大逆の四将」の捕縛任務を鬼太郎に命じた。74話では九尾の狐・玉藻前の本体に食い殺され、地獄を支配されてしまったが、玉藻前が倒されたと同時に復活[11] した。そして、鬼太郎が四将の捕縛を達成すると功績を認め、砂かけ婆、子泣き爺、一反木綿、ぬりかべを復活させた(ねこ娘と違い、通常の状態で復活している)。また「大逆の四将」の一体である伊吹丸に関しては玉藻前の撃破協力した功績により半身である「魂」のみ現世に釈放という処置が取られ、零と共に旅立った。事件解決後の76話冒頭で誰が四将を解放させたのかは所持する「浄玻璃鏡」をもってしてもわからず、僅かな目撃情報があるのみで引き続き鬼太郎に調査を依頼した。鬼太郎たちの調査が進む内にぬらりひょんが四将を脱獄させた事が判明。しかし、96話でぬらりひょんとバックベアードが手を組み、大量の死者が出たうえに鬼太郎も卑怯な日本政府の女性総理の手で(裏で導いたのはぬらりひょん)消滅させられ、浄玻璃鏡で調べても現世にも地獄にもいないことが判明し、自身も管轄外で手出しができない「あらざるの地」に陥ったと推測して、その旨を目玉おやじ・ねこ娘・まな・アニエス・アデルに説明した。
五官王(ごかんおう)
声 - 広瀬正志(第5作)
伝承では嘘をついた罪を裁く。アニメ第5作では十三王の一柱で閻魔大王の副官。武骨で荒々しく最初は鬼太郎を快く思わなかったが次第に認めていく。剣術を主に戦うが、バリアーや雷と共に飛来する能力を披露している。「地獄の鍵」とその使用法にも詳しいが、彼含め十三王(閻魔以外の十二柱)自身が奥義を使用できるか否かは知られていない。下記の宋帝王と共同で、閻魔大王不在の場合代わりに地獄の保持を司ることも可能。
宋帝王(そうだいおう)
声 - 竹本英史(第5作)
伝承では異性を騙した罪を裁く。アニメ第5作では十三王の一柱で閻魔大王の副官で五官王と双璧をなす。穏やかで物腰の柔らかい人物である。当初は彼に化けた初代ドラキュラ伯爵が登場し、本物は数十年前に血の池地獄に沈められ封印されていたが、ねずみ男と猫娘のおかげで解放された。
泰山王(たいざんおう)
声 - (台詞なし)
伝承では陰陽道の主祭神でもあり、死者の裁きの最後に控える。別名・太山府君(たいざんふくん)。アニメ第5作では十三王の一柱として、小柄な白ひげの老人姿。
蓮華王(れんげおう)
声 - (台詞なし)
十三王の一柱。アニメ第5作では顔のほとんどを布で覆った小柄な女性。丸盾に鎖分銅を付けたような武器を背負う。
慈恩王(じおんおう)
声 - 中友子(第5作)
十三王の一柱。アニメ第5作では蓮華王の頭に乗るほどの小柄な女性で、リスのような顔をしている。「〜ちゅうに」が口癖。
五道転輪王(ごどうてんりんおう)
声 - 小西克幸(第5作)
十三王の一柱。アニメ第5作では眉毛を生やした両生類のような顔。
祇園王(ぎおんおう)
声 - 真殿光昭(第5作)
十三王の一柱。アニメ第5作では口ひげを生やしたカエルのような顔で、地獄一クイズ大会で慈恩王・五道転輪王と共に司会を務めた。
秦広王(しんこうおう)
声 - (台詞なし)
十三王の一柱。アニメ第5作では大柄な白髪の初老男性の姿。
都市王(としおう)
声 - (台詞なし)
十三王の一柱。アニメ第5作では赤ら顔の巨漢。両端が三日月状の鎖を持つ。
平等王(びょうどうおう)
声 - (台詞なし)
十三王の一柱。アニメ第5作では長い金髪の青年姿。
初江王(しょこうおう)
声 - (台詞なし)
十三王の一柱。アニメ第5作では黒い眉と口ひげを伸ばした中年姿。鉞を背負う。
変生王(へんじょうおう)
声 - (台詞なし)
十三王の一柱。アニメ第5作では黒髪の女性。双身の刀を持つ。
奪衣婆(だつえばばあ)
声 - 増山江威子(第3作)、鈴木れい子(第3作)、山本圭子(第3作・地獄編)、れいみ(第6作)
賽の河原三途の川)の番人の一人で、死後やって来た全ての亡者の衣を奪うように脱がして、それを河原に生えている木の枝に掛けて、その重さによる枝のしなり具合で罪の有無と罪の大きさを量るという、伝承でも有名な鬼女。
初登場は「死神大戦記」。「奪衣婆」(アニメ化第3作39話)では人間界の新聞で老婆と青年のデートを見て真似たくなり、閻魔大王から「万有自在玉(ばんゆうじざいだま)」を盗んで人間界に来て、美女への変装と玉の力で盗んだ宝で男を誘おうとした。誘ったねずみ男が与えた宝を売って警察沙汰になった事を怒り、彼や鬼太郎を玉の力で消してしまう。目玉おやじは地獄へ調べに行って又五郎鬼から「金剛針」を借り、それで玉を壊すと奪衣婆は無力化し鬼太郎達も元に戻った。婆は地獄へ強制送還される。
地獄編の「血戦三途の川」では閻魔大王の命令で鬼太郎一行の地獄侵入を阻む。相棒の懸衣爺と組み、霧を吐いて一行を分断した後に三途の川の大蛇や十鬼(じっき)を率いて襲う。最後は全てを食い尽くす地獄蟻を琵琶の音で操って鬼太郎達を追い詰めるが、目玉おやじに脳操縦されて自分を襲わせる曲を弾かされ自滅した。アニメ第3作では初めから婆で娘時代の思い出が無いことを嘆き、万有自在玉で地獄への通路を開いて若い男を誘い込み、エキスを取って若返ろうとした。追って来た鬼太郎たちには玉の力で鬼や地獄犬を操って対抗。だが猫娘によって又五郎鬼から借りた針で玉を破壊された上、閻魔大王によって地獄を追放され人間に転生する罰を受ける。被害者たちは閻魔が特別手配した霊界列車で帰された。後に地獄編2話でぬらりひょんによって復活。子供の亡者に化けて鬼太郎を欺き、武器を奪い大蛇に食わせようとしたが、大蛇を撃退されて逃げようとした所を地蔵菩薩の光で消された。
第6作では第7話登場(クレジット表記は「脱衣婆」)。電車事故で死亡した社長(声 - 手塚秀彰)の魂を乗せた幽霊電車が鉄橋を渡る頃に窓の外に姿を現し、影状の姿で車内を飛び回って天井から実体化、「三途の川を渡る亡者の衣を奪い、罪の重さを計る」という役割の通り、社長のジャケットを奪った。この社長は生前に酷いパワハラを繰り返し何人もの社員を自殺に追い遣った人物で、亡者となった社員の恨みで電車に引き込まれて死亡するが、そのことに気付かず現世を彷徨い続けていたため鬼太郎の手引きで地獄行きの幽霊電車に乗せられた。
懸衣爺(けんえじじい)
奪衣婆の相棒の鬼。「血戦三途の川」に登場し、刀で鬼太郎を襲うが、指鉄砲とリモコン手に敗れた。アニメでは第3作第39話の解説画に少し映ったのみ。
牛頭(ごず)と馬頭(めず)
声 - 半田裕典(第6作・牛頭)、高塚正也(第6作・馬頭)
牛と馬の獣人のような姿をした地獄の兵士たち。大王庁の護衛や侵入者の排除、罪人の刑罰を担当している。また、地上で人間が悪事を働くと彼らに目をつけられる。
アニメ第6作の51話から登場。
三虫(さんちゅう)
声 - 塩屋翼(第3作)
伝承もあるが、本作では「猫娘とねずみ男」(アニメ第1作20話、第3作55話)に登場。人間の体内に棲むとされる虫のような魔物で、宿主の悪行を閻魔大王に報告するなどして寿命を縮める。ねずみ男はそれを利用して「長寿教」を興し、病人や老人に三虫を弱らせると言ってインチキ薬を売りつけたり、悪事で儲けた財産を浄化すると言って寄付を巻き上げたりした。そのため財産を失ってのたれ死んだり、偽薬を飲んで更に体を壊し死んでしまう老人が続出する。そのため、ねずみ男の体内にいた三虫がこの悪事を報告(原作や第1作は説明のみで、第3作のみねずみ男の体から飛び出し面倒そうに報告に向かう画像が描かれた)、閻魔から処罰指令を受けた鬼太郎は猫娘に協力を頼む。
アクアク
声 - 北川米彦(第2作)
アニメ第2作第35話「イースター島奇談」に登場。イースター島に伝わる地獄の使者。骸骨のような顔に地面に着きそうな白い長髪が生え、髑髏が付いた杖を携えている。不気味に笑いながら歩き、相手に恐怖を感じさせる。占い師の男・福島(声 - 野田圭一)が商売敵となった同じ占い師の女性・アレスを殺して海外へ高飛びするが、福島は失踪した父親(声 - 増岡弘)が遺した日記に「イースター島の地獄の使者に会った暁には金も命も幸福も思うままにすることができる」と記されていたのを読み、自分もその術を手に入れるためイースター島へ向かう。同じ頃、鬼太郎はねずみ男と猫娘がアレスの助手をしていた縁で事件を知り、霊界テレビで一部始終を見てアレスを虫けらを捻り潰すように殺した福島の行為に憤慨、ねずみ男の案内で福島の家に向かうが既に引き払った後であった。それでも手がかりとしてイースター島の地図を見つけ悪事の報いを与えようと島へ向かう。そしてモアイ像地下の隠し部屋で見つけた石碑の文字を目玉おやじが解読し「赤い月が中天にかかるとき、13匹の蝙蝠が空に舞うとき、石像の目が血の涙を流すとき、汝の影は三時になり地獄の使者はアクアクの精霊に招かれ汝の呼びかけに答えるであろう」という方法が判明。福島はそれを実行した結果アクアクが現れ、恐れおののいている内にモアイ像が倒れ重傷を負う。アクアクは鬼太郎に福島の身柄を渡すよう頼まれるが「そんな奴ならなおのこと地獄へ連れて行かねばならん。儂に任せとけ、お前の気が済むような処罰はしてやる」と笑いながら告げて福島を地獄へ連れて行った。帰国後に猫娘から福島が自首してきたと聞いた鬼太郎たちが留置所に行くと、福島は彼らの目の前で突然白骨と化した。鬼太郎たちは「これが地獄の処罰だ」と評し驚いていた。
極楽鳥(ごくらくちょう)
「死神大戦記」に登場。サタンからユニコンの鏡を取り戻そうと考える水木達に、閻魔大王が付けさせた鳥。その姿は妖怪画にある陰摩羅鬼そっくりである。千里眼を持っており、喋ることも可能。人間を掴んで空を飛ぶこともできる。溺れていた少年・カラスを助けた後、なぜか姿を見せなくなった。
又五郎鬼(またごろうおに)
声 - 西尾徳(第3作)
「奪衣婆」(アニメ化第3作39話)に登場した、地獄の鬼の一人。太目の体格でギョロ目と大きな前歯が特徴。原作では名の読みは「またごろうき」。現世に現れた奪衣婆の事を地獄へ調べに来た目玉おやじと会い、奪衣婆が盗んだ「万有自在玉」を壊す「金剛針」を渡した。
火男(ひおとこ)
声 - (台詞なし)
地獄編「最後の出会い」とアニメ地獄編6話に登場。地獄に住む溶岩の妖怪。燃え盛る灼熱の体を持ち、大きな声を上げると集団で襲いかかってくる。鬼太郎達を襲い、血の池へ追い込んだ。
ヌルリ坊
声 - 塩屋浩三(第3作・地獄編)
地獄編「最後の出会い」に登場。血の池地獄の主を名乗る妖怪。怪力と口から吐く息が武器。血の池に入った鬼太郎一行を体内で飼っている蛭の群れに襲わせるが、体内電気で蛭を倒され、自身はリモコン手と指鉄砲で倒された。アニメでは初登場の地獄編6話にて津波を起こして鬼太郎達を離れ離れにさせた。最終話ではぬらりひょんの部下として登場しており、その怪力で鬼太郎達を追い詰めた。最後は鬼太郎のリモコン下駄で天井の岩を落とされその岩が頭上に突き刺さり破裂した。

神と仏

大昔にこの世のありとあらゆる天地を創造、それを手伝った者達が作中では挙げられる。自然を支配する力を持っており、妖怪より格上の存在。伝承では仏などの類が神として扱われている者達も登場する。また、聖域を荒らされたことに怒り、聖域に住む無関係の人間の大人を生贄として神隠しにした後で、犯人である人間を祟りで死に至らしめたタイタンボウのような劇中で直接姿を現さない神も存在する。

迦楼羅(カルラ)
声 - 柴田秀勝(第2作)、内海賢二(第3作)、河合義雄(第4作)、野田圭一(第6作)
千手観音を護った二十八部衆の一人である異境の神。伝承ではインド神話の神鳥ガルダが仏教に取り込まれ護法善神となり、八部衆後に二十八部衆の一員となったのが迦楼羅天と言われており、翼が生え頭部の背後に光背を付けた鳥のように尖った口の鳥人の容姿をしている。
『牛鬼』の回に登場し、八万年程前ある島へ牛鬼を退治に現れて牛鬼の本体である生きた気体を牛鬼岩に封じた。自身が吹く横笛の音(アニメではシリーズによって音色が異なる)で牛鬼を火口まで誘導することができ、牛鬼を火口へ落とした後分離した本体(牛鬼の本体である生きた気体は誰にも目視できないが、迦楼羅は目視できるのかもしくは気配を感じたのかは不明)を透かさず袋(もしくは風呂敷)で包み封じる。普段は島の鎮守の社に祀られており、よほどの大事が起きない限り千年でも二千年でもじっとしているが人間の力ではどうにもならないことが起きた時、社の前で人間が一心に祈り手を合わせた時に現れ力を貸す。復活した牛鬼を倒し鬼太郎を救うために、目玉おやじ(アニメ第3作では子泣き爺、第6作では島民の少年・恭輔〈きょうすけ、声 - 津田美波〉の祖父〈声 - 田中亮一〉)が迦楼羅の社へ島民を誘い、集まり祈りを捧げると現れ、牛鬼を火口(アニメ第4作、妖怪千物語では海)に誘導して落とし鬼太郎から分離した本体を再封印し(原作では島民に穴を掘らせ、その穴に牛鬼を閉じ込め石で蓋をしてを作るというやり方)自身の素性と牛鬼の秘密を明かした後、「もう誰も牛鬼岩(何人たりとも触れてはならないという昔からの印)に近づくことも手を触れることもあってはならぬぞ」と人間に無知と思い上がりに釘を打ち社へ戻って行った。
アニメ第2作15話では黄土色の肌で登場。口は尖っておらず人間と差ほど変わらない顔付きをしている。
アニメ第3作42話では赤い肌で登場。燃え盛る巨大な炎が人の形となって現れるという登場をしている。
アニメ第4作6話では半透明な姿で登場。本作以降は飛びながら横笛を吹く。袋や風呂敷は使わず牛鬼の本体を札に封じる。目玉おやじの親心に打たれ、鬼太郎達を海から引き上げた。
アニメ第5作14話ではほとんどの人間が社に祈ろうともしなかったため人間に愛想を尽かしたが、鬼太郎が牛鬼を道連れに自分から火口の中へ落ちた後鬼太郎の身を案じる目玉おやじ、自分の身代わりになった鬼太郎を何とか助けたいというねずみ男、誤って落ちそうになり鬼太郎の死を無駄にしたくない為ねずみ男を助け出そうとするネコ娘の姿に心を打たれ、透明な姿で鬼太郎を助けた。鬼太郎は助けられた時の記憶が無く迦楼羅のことは知らなかったが、「良い父と仲間を持ったな」という声は聞いていた。また、目玉おやじには迦楼羅の存在が見えて感謝していた。
アニメ第6作22話では緑の肌に強調された尖った口が特徴で目が赤い。横笛を吹き始めると嵐が一瞬で収まる。
『最新版』では、武器(髪の毛、ちゃんちゃんこ、下駄)を敵に奪われた鬼太郎に、海の幽霊族の遺産である霊類のヨロイ(髑髏の兜、逆三角形の盾、鍔が霊界スコープになっている剣)を貸した。
『妖怪千物語』では、神社の裏にある洞窟の奥の注連縄がかけられた岩戸に住む。目玉おやじたちの祈りで姿を現すが、人間が驕り高ぶり牛鬼を復活させたことから自分にはもう助ける義理は無いと頑なに拒否し、周りの重力を変え重くし押し潰される前にさっさと立ち去るよう忠告した。しかし、目玉おやじの必死の頼みと子を想う親心に心を打たれ牛鬼を海に誘導して落とし鬼太郎から分離した本体を袋に回収し、目玉おやじに「子を想うお前の親心こそが神の心であった」と告げ、牛鬼岩に袋を封印すると元の洞窟へ戻った。
大日如来(だいにちにょらい)
真言密教の教主であるであり、密教本尊[12][13]。一切の諸仏菩薩本地[12]
『死神大戦記』では、太陽系を支配する宇宙神としても登場し、全知全能不死身の存在である。自身や秘宝である太陽にエネルギーを送り、この世に光を送る神秘の鏡「ユニコンの鏡」の護衛としてユニコンや、側近に多数の仏を従えている。かつて天国の天使長であったサタンが自分の地位である宇宙神の座を奪おうと反乱を起こしたため地獄へ追放した。現在で復活したサタンに「ユニコンの鏡」を奪われ太陽が消滅する太陽消失事件を起こされてしまうが、鬼太郎一行の活躍によって無事鏡が戻り、失われていた太陽の輝きを復活させた。口から巨大な息を吹いて瓢箪に閉じ込められたサタン達を今度は宇宙の彼方に追放した。
弥勒菩薩(みろくぼさつ)
仏教において、釈迦牟尼仏の次に現われる未来仏であり、大乗仏教では菩薩の一尊。
作中では、「ユニコンの鏡」を巡って起こる宇宙戦争が解決されるたびに、解決した八百万の神々を大日如来のもとへ送り届けてきた仏として登場。鬼太郎一行を襲ったサタンの術を破り、さらに鏡を取り戻した鬼太郎と水木しげるを神として迎えた。
釈迦(しゃか)
紀元前5世紀前後の北インドに実在した人物で、仏教開祖
作中では生前人間から極楽の住人になった存在として登場し、天使長であったサタンとも縁があったようにも描かれる。弥勒菩薩に導かれて極楽へやってきた鬼太郎達を、大日如来のもとへ送った。
地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
地蔵(じぞう)と略称される、六道の衆生を見守る菩薩。閻魔大王の本地仏でもある。
初登場は『蓮華王国』。奈良時代でダイバダッタの転生した鑑真即身成仏を妨害しているため、力になれる者を求め昭和時代に現れ鬼太郎に依頼した。
アニメ初登場は第3作110話、三途の川に現れる。鬼太郎抹殺に失敗して逃げる奪衣婆を消し、サラメーヤの鳩を遣わした。閻魔からの連絡が途絶えているため鬼太郎に調査を依頼する。
第5作89話ではいそがしを退治した後に、哲也・まゆ兄妹が壊れた祠に傘を差し掛けた石地蔵が井戸仙人の「石を動かす薬」をかけられて動き出し、鬼太郎や妖怪横丁の住民達と共に兄妹の母の入院先へ向かい、鬼太郎たちが提供した霊力を使って彼女の意識を回復させるのに協力する。無事に役目を果たし、「この世もまだまだ捨てたものではないですな」と言って石像に戻った。
十二支(じゅうにし)
宇宙で巨大な円形の文字盤・クロノス(時)を回している十二柱の動物神。
風の神(かぜのかみ)/ 風神(ふうじん)
声 - 田中和実(第3作)
袋を持った風を司る鬼神の妖怪。原作には未登場。
アニメでは第3作第14話初登場。さざえ鬼達の住む海を汚した工場を、排煙を逆流させ懲らしめた。その後も何回か風力で鬼太郎達を支援する。
第4作では第16話初登場。雷神(電気妖怪かみなりとは別の存在)とのコンビで風雨を起こし、巨大化した白うねりとあかなめの汚れを洗い流した。劇場版『ゲゲゲの鬼太郎 おばけナイター』では野球チームに参加。打席では球を風で飛ばして反則アウト。
第5作では第25話登場。運動会では障害物役を務めた。
雷神
第4作第16話で初登場。風神と共に、砂かけ婆の要請に答えて、(人間の技術では落とせない)汚れを発生させた白うねりと、白うねりを抑えていたあかなめを洗った。白うねりとあかなめを庇うねずみ男の涙、それを見た鬼太郎の祈りに雷神と風神が応えて、白うねりとあかなめは救われた。
山神(やまがみ)
声 - 北村弘一(第3作)
山に宿る神の総称。
『豆腐小僧』に登場した山神は、東京郊外の山の神で、部下の豆腐小僧が自然を破壊する人間に怒り豆腐カビをばら撒いたことで鬼太郎と戦いになったため、止めに入り和解させた。お詫びの印として「カビ落とし」という腹の中をきれいにする特製豆腐を鬼太郎やねこ娘たちにご馳走している。
アニメ登場は第3作106話で、本作では山で最も古い木の中に住んでいたが、山と体がシンクロしているため、人間が自然を破壊したことで体を壊し寝込みがちになってしまう。その昔、とうふ小僧にカビを発生させる粉を手渡していた。とうふ小僧が森林を次々伐採していく人間に怒り豆腐カビをばら撒いたため、山神は止めに入り、鬼太郎たちが森林伐採の元凶である山を乱開発していた社長を懲らしめた
古代の神々
『こそこそ岩』に登場する数万年前地上に降り立ち、魔物達を破った神々。現在はすでに地上を去っているが、いずれ復活し地上を支配しようという魔物達の企みを予見し、魔物達が利用しようとしていた魔物達の眠りを覚ます青い血を持った少女・木村さゆり(きむら さゆり)の血の中に魔物を狂わせる物質を入れ、さらにその遺伝子に自分たちの分身を宿らせていた。そうして先手を打ち、血に含まれていた心を狂わせる物質で、魔物達を仲間同士で争わせ自滅させ、分身も役目を終えて消え去った。血を奪われた為に一度は死亡したさゆりも神が降らせたと思われる血の雨を吸収し、再び生き返った。
スィームルグ
「鬼太郎のベトナム戦記」で活躍した霊鳥でトルコ出身。ベトナム戦争時に空中戦力として鬼太郎に招集された。小柄だが、子泣き爺が石化した状態で背に乗っても空を飛べるほど力が強い。偵察に使われた事もあるが、嘴攻撃(かみ砕き)や糞攻撃などで、敵の航空戦力の減少や戦闘車両の無力化などの戦果を上げている。
ユムチャック
アニメ第2作第44話「雨神ユムチャック」、アニメ第3作第83話「雨神ユムチャック伝説」に登場。古代メキシコに栄えたマヤ文明を支配していた雨の神。ユカタン半島チチェン・イッツアという遺跡の街の中央に泉が湧いている。更にその泉の源にもう一つの秘密の隠された泉がありそこに住んでいると言われている。
アニメ第2作では、エリート研究者の菅原と内田が、マヤ文明の遺産が隠されているという雨神ユムチャックの泉を探している所から始まる。最初は莫大な財宝と名誉が目当てであり、ねずみ男と手を組み鬼太郎を言葉巧みに騙して協力させメキシコに調査へ向かう。チチェン・イッツアのある飲み屋で菅原はカルメンという美少女と出会い一目惚れしてしまう。その場所で、ユムチャックの話を聞き出そうとしたがどこの家でも門前払いされ追い出されてしまう。菅原は、カルメンから直接話を聞き「悲しかったからです」という答えを聞き、夜の儀式で運ばれるカルメンを見て彼女が生贄にされるという悲しい真実を知り苦悩するが、最後は彼女と運命を共にすることを決意する。しかし、もう一方の内田は、すっかり欲望の虜となり協力者であったねずみ男を裏切り殴り倒す。遺跡に入った鬼太郎を尾行し、鬼太郎は遺跡の仕掛けで壁の石像の口が開き入口を見つける。そこで、鬼太郎はカルメンと出会い助けようとしたが、「これはマヤの掟なのです」「日照りで作物が萎れると、雨神を慰めるために16歳の娘と宝を捧げるのです」と断られるが、鬼太郎は迷信だとしてなおも助けようとしたが、結果的に「神でも妖怪でも構いません、私はユムチャックを信じます」と運命を受け入れ「ユムチャック様、どうか御召しを」と唱え泉の底に沈んでいく。その後、裏切られたことで怒ったねずみ男が鬼太郎を内田と間違えて取り押さえてしまい、更に口を滑らせて当初の宝目当ての計画がバレてしまう。一方同じ頃、内田は宝目当てで菅原はカルメンを探すために泉へ潜り、とうとう雨神ユムチャックの永遠の国(別世界)に入り込む。そこで菅原はカルメンと再会し二人とも喜び合い抱き合う。内田は醜くも宝を見つけ狂喜する。その後、菅原は「金も名誉も必要なしさ。永遠の命と永遠の愛、それだけで十分満足してるんだ」と内田と別れカルメンと共にユムチャックの国に残ることを決める。内田は、宝を持って「マヤ文化発見の名誉まで独り占めか、ありがたい。礼を言うぜ」と言い残し去って行った。しかし、その光景に菅原から「礼を言うのは僕の方だよ。僕に欲の醜さを教えたのは内田、君なのだから」と皮肉られる。その後、内田は宝を盗み出したことでユムチャックの怒りを買い落石や渦潮、津波などの攻撃を喰らい、宝を落とし鬼太郎に助けられてもなお宝を持って行こうとしたため最終的に欲の為に命を落とすという自業自得な最期を遂げた。その後ユムチャックがカルメンの祈りを聞き入れたのか、遺跡近辺の町には久しぶりの雨が降り始めた。
第3作では大昔、小笠原諸島の一島・魔矢ヶ島(まやがしま)を訪れたユムチャックはそこに住んでいた雨降り小僧を日本の雨神と認識し、理想郷の番人に任命し門の鍵となる金の笛を託す。本編の時代ではその笛をカルメン(声 - 富沢美智恵)という女性が継承し、妹アルメラ(声 - 荘真由美)と暮らしていた。悪徳考古学者・内田(声 - 塩沢兼人)はアルメラを人質にカルメンを脅し、理想郷の門を開けさせ笛を奪って侵入する。内田は財宝を手にし、笛を抑えればユムチャックも来ないと雨降り小僧を唆し味方につけるが、笛を再度吹かせないと出られないと知って島に神託を送り、カルメンを生贄として呼ぼうとする。アルメラの手紙で呼ばれた鬼太郎によって生贄の儀式は中止されるが、雨降り小僧は彼らとカルメンを理想郷に引きずり込み、鬼太郎を攻撃するが敗北。内田はカルメンを人質に、鬼太郎たちを残して自分だけ外界に戻ろうとするが、カルメンがユムチャックを呼ぶ曲を吹いたため、現れたユムチャックの放つ激流に呑まれ、財宝を手放さず溺れる最期を迎えた。怒れるユムチャックは理想郷と外界を完全隔絶することにし、カルメンは彼を慰めるため残る決意を伝え鬼太郎たちを帰す。帰還後アルメラに顛末を伝えた鬼太郎父子は「理想郷は与えてもらうのではなく自分たちで築くものだと思うんだ。地上を理想郷にできた時にカルメンさんたちもきっと帰って来る」と語った。
原作は鬼太郎の登場しない短編『雨神ユムチャック』。
第5作でも、スタッフブログによれば「100話以降も続いていれば登場させる予定だった」との事。
貧乏神(びんぼうがみ)
声 - 宮内幸平(第2作)、青野武(第3作)、龍田直樹(第6作)/ 演 - 藤井隆
住み着いた家を貧乏にする神。アニメ第2作では普通の人間のような姿で、第3作以降は杖を突きボロボロの服を着た顔の長い老人という水木の妖怪画の姿で登場している。
鬼太郎外作品「サラリーマン死神」の「枯葉」を原作としたアニメ第2作42話で初登場。日本経済が豊かになってやりにくいため死神と組む。自動車会社・シンシン工業で新製品紹介と称して公開殺人めいたショーを行い、倒産に追い込んで失業者や自殺者を出そうとした。止めに来た鬼太郎もそのショーに使った車・「ゆりかごから墓場まで」で火葬するが、復活した彼に追い詰められ、自分達が「ゆりかごから墓場まで」に閉じ込められて警察に突き出された。
第3作では「笠地蔵」を原作とした12話に登場。貧しいが気の優しい老夫婦の家に住み着いており、彼らに直接危害を加えたわけではないが住むこと自体が迷惑となるため、座敷童子や鬼太郎達に「悪事で儲けている奴の所に行け」と言われて追い出され、最終的にねずみ男を気に入って取り憑く。「猫娘とねずみ男」を原作とした55話でも、猫娘達に呼ばれてインチキ宗教で儲けたねずみ男の家にやって来る。
第6作では87話登場。過去作と違い、ぶっきらぼうだが善良な性格。綾の両親が経営する喫茶店に住み着いており、当初はまなにしか見えていなかったが、まなに導かれた綾にも見つかった上にフライパンで殴られ追い出されるが、その後も石橋家の様子を窺っていた。座敷童子が暴走しかけた際に再び姿を現し、かつて綾の両親があくどい商売で多くの人を苦しめた為に石橋家に取り憑き、同じことを繰り返させないように見張っていたことを語り、鬼太郎達と共に座敷童子を諫める。綾の両親が改心した事件後は、彼らから金を強請ろうとしたヤクザたちに取り憑こうとこっそりと付き纏っていた。
鬼太郎作品でも原作「野球狂の巻」では墓の下高校の経理担当として登場。実写劇場版第1作では、「墓の下倶楽部」の従業員として登場している。

死神

声:あずさ欣平(第3作)、塩沢兼人(第4作)、白鳥哲(第6作)

本来は生命を司るとされる伝説上のだが、本作に登場する死神はドクロを擬人化したような顔をしている者が大半を占めている。人間の寿命である「命の灯」を見届け、死人をあの世へ渡す役目も担う。キャラクターとしては、ねずみ男などと同様に他の水木作品でもたびたび登場している。初登場は原作『死神』、アニメ化作品第2作第30話(アニメ2作目の死神についての詳細は後述)。地上支配を狙い、魔女(アニメ第3作では亡者「花子」、第4作ではヒ一族の巫女)と結託、ねずみ男にも生き別れの兄(第3作では父)と偽り懐柔、鬼太郎を倒そうとする。目玉おやじを宇宙旅行と称して大砲で上空へ打ち上げ、魔女に「あの世から呼んだ鬼太郎の母」を演じさせ鬼太郎毒殺を試みる。だが魔女は返り討ちに遭い、自ら鬼太郎に老化の息を吐きかけた上に魂を奪って逃げようとするが、上空から風呂敷状に膨張して戻った目玉おやじに捕らえられ敢え無く敗北した。第3作では44話登場。第4作では最終回の114話に登場。大鎌を振って攻撃する。第6作では66話登場。4作同様大鎌を振り、それで真空の刃を飛ばしたり竜巻を起こして攻撃する。死神界での大出世を目論んで、200年に一度開く隠れ里を利用して子供たちの魂を奪おうとしている。邪魔者の鬼太郎を始末するためにねずみ男を騙して、鬼太郎を底なし沼に沈める。ねずみ男も用済みとして見捨て、隠れ里へ向かいそこで再び鬼太郎と対峙。最後は鬼太郎のちゃんちゃんこで身柄を拘束され指鉄砲を受け消滅した。『死神大戦記』では本項の死者を直接導く存在ではなく、地獄を支配する神や大悪魔を指して死神と呼ぶ。週刊実話版の『ダメな死神』や『貧乏クジ』には人間に近い姿の死神が登場。ゲーム『幻冬怪奇譚』では火車とモウリョウが起こしていた事件の黒幕として登場。 個別の名称がある者は、後述。

42号
声 - 神山卓三
アニメ第2作に登場。サンデー版鬼太郎『死神』の敵役と水木の別作品『サラリーマン死神』シリーズの主人公・死神106番の設定を元にしたキャラクター。鬼太郎たちに敗れた(サンデー版『死神』を原作にした第30話)後、(『サラリーマン死神』同様に)死者の魂の回収業績不振で閻魔大王直々の辞令を受けて、魂回収ノルマを達成するまで人間界へ左遷され、魂集めのために色々な妖怪と組んで鬼太郎との対立を繰り返す準レギュラーとして活躍した。妻の青子と息子の骨太の三人家族で、家族を養うために魂集めに努力する人間くさい個性を見せ、どちらかと言えば対立しているはずの鬼太郎たちを時々「さん」付けして呼び、敬語で話す場合もある。死神族は不死故に、しぶとい反面「死神のノルマ」に縛られる人間社会のサラリーマン的な悲哀も帯びている。最終回の45話でアラブの死神パシャが持っていた魂を手に入れ、ようやくノルマを達成すると、なんだかんだで世話になった鬼太郎たちに礼を言って妻子と共に地獄へ帰る。
名前番号の「42」の由来は、「しに」から。
99号
声 - 田中秀幸
アニメ第5作第35話に登場。妖怪横丁の住民で、横丁から人間界にある死神の出張所へと通勤している。元々優しい性格なので魂がうまく取れず(事故で死ぬ予定の親子を助けてしまう、臨終の老婆のもとに集まった家族に同情している間に他の死神に魂を取られる等)、家族は貧しい生活を送っている。家族の名前などアニメ第2作の42号と同様の準レギュラーとしての設定や『サラリーマン死神』シリーズを原作としている。
青子(あおこ)
声 - 小原乃梨子(第2作)、上村典子(第5作)
水木の別作品『サラリーマン死神』シリーズの主人公である106番の妻。
アニメ第2作45話でも『サラリーマン死神』シリーズと同様の設定で、42号の妻として登場する。
第5作では第35話登場。42号に近い設定の99号の妻として登場。設定のベースは『サラリーマン死神』シリーズと同様だが、第2作より逞しく夫を尻に敷いている。
骨太(ほねた)
声 - 坪井章子(第2作)、桑島法子(第5作)
水木の別作品『サラリーマン死神』シリーズの主人公である106番の息子。
アニメ第2作45話では42号の息子で、父親とアラビアの死神・パシャが「直接人間を殺してはいけない」死神の掟を破ろうとするのを知り、彼らが抜いた鬼太郎の魂を返し父を止めるよう頼む。
第5作では42号に近い設定の99号の息子として第35話に登場。父の不甲斐なさを案じ、ハワイの死神・マヒマヒとねずみ男の魂集めに協力するが、親しく話した老夫婦の魂を奪うのを躊躇してマヒマヒに見限られ、父の気持ちを理解した。なお99号夫妻には、骨太の下にもう一人子供(赤ん坊)がいる(この赤ん坊に該当するキャラクターは原作「涙ののるま」では母の胎内にいる間に父に誤って殺されてしまっている)。
100号
声 - 竹本英史
アニメ第5作第35話に登場。第2作に登場したアラビアの死神・パシャに似た性格の嫌味たらしいエリート死神。

外国の死神については#外国の死神を参照。

日本妖怪

上記の鬼太郎の仲間となった者たち以外の日本妖怪を挙げる。大半は敵役として登場。また、敵対しても“敵と味方で別個体だったり、初登場時に封印したのに再登場した者”や“原作では倒されたが一部のアニメなどで味方になった者”、そして特に敵対してはいないが、仲間と言うほどの親しい関係でない妖怪なども含む。多くは日本の古来より伝承上に記録もある存在。種族分類の項で紹介されている妖怪の中には鬼太郎たちの仲間関係になっている者も多い。アニメ第3作以降、原作や実写版も含めて、ぬらりひょんが日本妖怪の総大将的な立場で鬼太郎達と敵対する傾向にあるが、その他にも日本妖怪の中には組織的に配下を率いて悪事を企む者もおり、その規模の大小も様々である。

ぬらりひょんと関係者

アニメ第3作以降、鬼太郎たちの宿敵の1人となったぬらりひょんと、それに協力した妖怪たちを挙げる。

ぬらりひょん
声 - 槐柳二(第1作第12話ゲスト)、千葉耕市(第3作初登場第4話のみ)、青野武(第3作・第5作)、西村知道(第4作)、大塚明夫(第6作)、滝口順平(異聞妖怪奇譚) / 演 - 緒形拳
伝承では、忙しい夕暮れ時に誰にも気づかれず勝手に他人の家に上がり込み、家人のような顔をして飲み食いをするなどと言われ、日本妖怪の総大将でもあるとされる。
原作『妖怪ぬらりひょん』で初登場し、その後は多数のシリーズで「鬼太郎の宿敵」の代表格となっており、アニメ第3作以降ではシリーズを通して登場するが、シリーズによって若干性格や位置づけが異なる。
朱の盆(しゅのぼん)
声 - 小林通孝(第3作)、郷里大輔(第4作)、小西克幸(第5作)、チョー(第6作)
朱の盤とも書く。大きな頭で額から一本角が生えた赤鬼のような姿の妖怪。
初登場したアニメ第3作4話『妖怪ぬらりひょん』以降、後のシリーズでも、ぬらりひょんの子分かつ腰巾着として登場。ぬらりひょんの登場するシーンには必ずと言って良いほど付き従っている為、ぬらりひょん同様レギュラーで登場。シリーズを通してのんびり屋で間抜けな小悪党として描写されている。なお、第3作と第5作ではぬらりひょんより小柄だが、第4作と第6作ではぬらりひょんより大柄になっている。
第3作では、伝承の通り人間に化け突然正体を現して驚かすくらいしか術がなく(伝承ではそれで人間をショック死させているが、作中ではただ驚くのみ。第4作以降では化けてすらいない)、人間の大人7人を突き飛ばす力がある(第60話)が、妖怪同士の闘いでは無力同然で、半妖怪のねずみ男に悪臭技すら使われることなく倒される(第108話)ほど弱い。第58話ではぬらりひょんの命令でユメコをさらって人質にしたが、人を驚かすことしか能がないと嘆いた際にユメコに慰められ、励まされたことがきっかけでユメコに対して心を開き、この回に於いては最終的にぬらりひょんを裏切り、ユメコを脱出させて解放する。この時以来朱の盆はユメコを「天使」と思い感謝する。第3作最終回の第115話(地獄編の第7回)ではユメコの優しさに決定的な感銘を受け、ついに改心。ぬらりひょんを裏切り、ユメコに永遠の別れの言葉として感謝の心を伝え、「親分の始末はわしにまかせろ!」と言い一反木綿に飛び乗ってぬらりひょんに突撃。自分ごとぬらりひょんを地獄の溶岩の中に転落させ沈んでいった。
第4作では、先にぬらりひょんが登場して何度か鬼太郎と敵対するエピソードが描かれた後にぬらりひょんの子分として第60話より登場。ぬらりひょんの身の回りの世話もするなど使用人的描写も多い。第3作同様に腕力はそれなりに強いが、のんびりとした性格のため戦闘にはまるで不向きで、鬼太郎の下駄の音やちゃんちゃんこの模様にビクビクしたり、ぬらりひょんなど他者の言動にバカ正直に釣られてしまう面も多く、他人の力を当てにするだけの企ても多いぬらりひょんに対し「いつもながらぬらりひょん様って、自分じゃ何にもしないんですねぇ」と笑いながら突っ込みを入れて叱られることもあるなど(第83話)よく天然ボケな発言をするが、第113話でねずみ男に騙されるも渡した財布からお金をあらかじめ抜き取っておくなどちゃっかりした面もある。人間界の食堂で代金を支払う際などに「おいくらですか?」と丁寧語で聞くなど(第71話)、ぬらりひょんの悪事に加担していない時は妖怪・人間を問わず割合に礼儀正しい性格。第101話では一刻堂の「正しい言霊」で「古い朱塗りの盆」に変えられてしまう(その後元の姿に戻される)。
第5作では第4話から登場。歴代シリーズと比べてやや頭が小さく頭身が高い姿をしており、ぬらりひょんの最古参の配下で付き人のような位置にいる。ヘマをして叱られてばかりいるが、ぬらりひょんのように立派な悪党妖怪になるのを夢とし、爆破したビルを背景に二人で記念撮影した写真を大切に所持する等、小悪党なりにぬらりひょんを尊敬しており、ぬらりひょんも第72話で朱の盆の努力を誉めるなど彼を大切に思っている。戦闘でやられるシーンばかり目立つが、第85話では大きな頭を活かした頭突きを駆使して、鬼太郎ファミリーを相手に善戦した。
第6作では、第53話でぬけ首が持っていた「妖怪のうわさ大特集」という雑誌の表紙に描かれ、その後第76話から登場。ぬらりひょんが大逆の四将を地獄の最下層から脱獄させた際に、獄卒の鬼たちに朱の盆が「赤い顔の妖怪」として目撃されていたことが76話の序盤で判明。従来のシリーズ同様のぬらりひょんの秘書や運転手等の役割の他に身辺警護も担い、ドジを踏む間の抜けた面は変わらないがコミカルな描写は過去作より少なめで、ぬらりひょんに極めて忠実な側近として描かれている。お人好しな小悪党で戦闘能力も低めだった過去作と異なり、本作では人間を直接殺めることを一切躊躇しない根っからの悪党であり、怪力や耐久力、更には俊敏さを駆使して鬼太郎と対等に戦えるなど高い戦闘能力を持つが、護符の文字が読めないなど知能は低い。普段は強気だが、想定外の事には極度に緊張したり騒がしくうろたえるなど、過去作の様な小心者な部分も時折に表情に出る。自然に対しては心優しい面もあり、第77話で猫塚の封印を解く際にも傍らの花を踏まないよう配慮していた(しかし、朱の盆自身は気づいていないが猫塚を破壊した際に石が散らばり、そのまま花を直撃する結果を招いてしまった)。第95話で本来人間の武器であるガトリングガンを自ら使用して(片手で一丁ずつ持つという、人間には到底不可能な状態で使用)妖対法の特殊部隊の人間たちを容赦なく射殺し(ただし朱の盆に射殺された特殊部隊の者たちも、鬼太郎の死を悲しむねずみ男を遠慮なく銃殺しようとしていた)、「人間はいけ好かねえが、人間の武器は悪かねぇ」と言い放った。最終話では鬼太郎たちの活躍で事態が収拾したことを驚き、その後は自爆したぬらりひょんの死を悲しんで、一人寂しくため息をついていた。
原作では『鬼太郎国盗り物語』の「妖怪大相撲」で初登場。この時はぬらりひょんも登場するが主従関係ではなく、朱の盆は相撲選手、ぬらりひょんは審判の一人を務め、共に鬼太郎たちとも敵対していない。
実写劇場版第1作では大裁判の原告団の一人として、群衆扱いで登場。第2作『千年呪い歌』には登場せず、ぬらりひょんとは無関係。
蛇骨婆(じゃこつばばあ)
声 - 麻生みつ子(第1作)、山本圭子(第3作)、津田延代(第4作)、鈴木れい子(第5作)/ 演 - 佐野史郎
伝承では首に蛇を巻いた老婆の姿で、夫が眠る蛇塚を守るとされる妖怪。
原作「妖怪ぬらりひょん」(初アニメ化第1作12話)で初登場。ぬらりひょんの仲間で医療・知恵袋的な立場を担う(鬼太郎側での砂かけ婆の役割であり、実写劇場版では彼女達は古くからの仇敵同士でもある)。他のぬらりひょんの部下とは違い、ぬらりひょんとは古くからの旧知であり同格の言葉遣いをする。ぬらりひょんに依頼されて共に鬼太郎を謀殺しようとするも、逆に鬼太郎に出し抜かれてぬらりひょんと共に先史時代に送られてしまう。ぬらりひょんが鬼太郎の宿敵として準レギュラー化したアニメ第3作でも、ぬらりひょんの参謀的立場として4話で初登場する。しかし、ぬらりひょん、朱の盆と共に先史時代に送られてしまい、ぬらりひょんが現代に舞い戻ってきて以降も朱の盆のように行動を共にしておらず、滅多に登場しなかった。第4作では78話で初登場する。従来同様にぬらりひょんとは旧知の仲だが、前作に引き続きゲスト扱いである。それまで何らかの理由により壺に封じ込まれていたが、本作でその封印が解かれ、以降その壺を自身の懐に隠し持っている。自身特製の妖怪コンクリートで鬼太郎を生き埋めにする(鬼太郎は逆にコンクリートの妖気を吸収し3日かけて復活した)もリモコン下駄だけ埋めそこなっており、一か八か自分が隠し持っていた壺に下駄を封じ込めようと躍起になる。その際、白髪の生えた大蛇という正体を現し、襲って来たリモコン下駄を咥えて捕獲するもぬらりひょんに下駄もろとも封印されそうになり、下駄は難を逃れ彼女のみが再度壺に封印されることとなった。鬼太郎の生い立ちを聞き知っており、ぬらりひょんに詳細に語って聞かせた。106話で再登場するが、これは鬼太郎を「妖怪ノイローゼ」に陥れた百々爺の妖術で作られた幻だった。第5作でもぬらりひょんの一味として8話で初登場する。本作では伝承通り蛇を従えている。登場シーンは朱の盆より少ないものの初めて準レギュラー的存在になり、ぬらりひょんの一味が座敷で酒宴を催すシーンではぬらりひょんの横に控えるなど従来同様ぬらりひょんとはほぼ対等に話し、他の部下よりも地位が高い。蛇を使役し、毒牙による攻撃や潜入・偵察などを行う。第6作には登場せず、ぬらりひょんたちから存在を語られるようなこともなかった。
実写劇場版では『千年呪い歌』で登場。前述の通り砂かけ婆の仇敵で、互いに「一芸ババア(砂かけ婆)」「にょろにょろババア(蛇骨婆)」と罵りあっている。ぬらりひょんのアジトに侵入した砂かけ婆を、屍を操るクグツの術で追い詰めるが、ねずみ男の放屁攻撃でクグツ諸共に全滅した。
狐者異(こわい)
声 - 銀河万丈(第3作)
本所七不思議の妖怪の一体で燈無蕎麦に出現。漫画では炎の体で鬼太郎に抱きついて焼こうとするが、ちゃんちゃんこに川の水をかけられ消えた。アニメでは第3作第108話登場。爪で襲い掛かったが、逆にオカリナ鞭でバラバラにされた。
おいてけ堀
声 - 石森達幸(第4作)
本所七不思議の妖怪の一体で幽霊のような姿(アニメの設定画では一本足)で堀から手を伸ばし鬼太郎を引き込むが、雷獣から受けて体内にためていた電気をプラスして威力を倍にした体内電気を喰らって消滅した。アニメでは第3作第108話登場。
アニメ第4作第94話では水仙人として登場。井戸仙人とは旧知の仲。東京湾の主で穏やかで魚に甘くうっかりした性格。魚を釣る人間に「置いてけ~」と囁き、無視した人間に飲めば魚になる「魚眼丸」(「回復丸」を飲めば元に戻る)を渡し魚の気持ちをわからせようとする。魚眼丸を渡された少年の沢井達也(さわい たつや、声 - 大塚瑞恵)は鯛に変身してしまい、鬼太郎とねずみ男が探すことになり、誤解から吸引力で鬼太郎たちを飲み込み腹痛を起こしてしまう。誤解が解けて東京湾中の魚たちに達也を探すように呼び掛けるも、達也は漁船に釣られて市場に運ばれ寿司屋(声 - 増谷康紀)に売られてしまう。鬼太郎たちの必死の捜索のおかげで達也は寿司屋の包丁にさばかれる前に助けられ元に戻った。
送り提灯(おくりちょうちん)
声 - 川浪葉子(第3作)
本所七不思議の妖怪の一体でアニメ第3作第108話のみの登場。提灯を持った女の姿で鬼太郎を足洗邸に誘導した。
足洗い(あしあらい)
声 - 銀河万丈(第3作)
本所七不思議の妖怪の一体で目玉親父が監禁された足洗邸に出現。天井から巨大な足を振り下ろし、連戦で消耗した鬼太郎を踏みつける。だが鬼太郎親子を助けに来た多数の仲間達に押さえ付けられ全体を現す。漫画ではぬりかべの体内に塗り込まれた。アニメでは第3作第108話登場。闇の中では実体がなく攻撃が突き抜けるが、破れた屋根から入った朝日の光を浴びて消滅した。
鉄鼠(てっそ)
鉄より硬い体を持つ大ネズミ(人間サイズ)の妖怪。
漫画初登場は1980年代『最新版』の「世紀の妖怪アイドル、幽子」。猫妖怪の五徳猫を妻にしており、彼女の妖術で亡者の少女・幽子を現世に召喚して歌手デビューさせ金儲けを企む。それで幽子の恋人・地獄童子や鬼太郎と争いになり、鬼太郎に角を折られて猫の本能に戻った妻に襲われ、夫婦でもつれ合い玉になった。だがこれで幽子も地獄に戻される。この時点ではぬらりひょんと無関係だったが、後に彼が復活した際に蘇らせて貰い、その礼に霊界から歴史上の美女を妃として呼ぼうかと胡麻をすっていた。
アニメでは幽子の話をアレンジした第3作地獄編第4話に登場。婚約者の五徳猫と共にぬらりひょんに雇われ、幽子を人質にして地獄童子にユメコを捕らえさせ鬼太郎を葬ろうとした。その一方で親戚筋のねずみ男(彼には叔父と名乗る)とネコ娘は丸め込んで結婚式の立会人にする。幽子を返す約束を破った為に地獄童子に裏切られ、漫画同様に鬼太郎と地獄童子のタッグに敗れる。
第5作では劇場版『日本爆裂!!』で妖怪四十七士の滋賀県代表として覚醒。
「魔笛エロイムエッサイム」ではぬらりひょんの部下として登場。経典の巻物で敵を縛る術を使う。
辻神(つじがみ)
声 - 岩崎ひろし(第5作)
伝承では丁字路に面した家に入り込むとされる一種の疫病神
一反木綿に角と牙の生えた口を付けたような姿をしており、第3作では劇場版第4弾でぬらりひょん(妖怪皇帝)を乗せる飛行要員として登場。地獄編最終話ではヌルリ坊の投げた岩の下敷きとなった(生死は不明)。
第5作では74話で登場。伝承の通り辻に出没する、一反木綿と同じ鹿児島の妖怪。凶悪な妖怪として天狗ポリスから指名手配されており、偶々鹿児島に里帰りしていた一反木綿が誤認逮捕される羽目になった。石敢當に封じられている力を完全に解放して尾の邪気を拡散するが、一反木綿のもめん切り(千切られた部分を鬼太郎の霊毛ちゃんちゃんこで補い、更に妖怪四十七士の紋章を発動させて繰り出した)と天狗ポリス達の放った松明丸の追撃を喰らい、真っ二つになって燃え尽きた。
邪魅(じゃみ)
声 - 内海賢二(第1作)、銀河万丈(第3作)、郷里大輔(第4作)、竹本英史(第5作)、半田裕典(第6作)
初登場は『妖怪関ヶ原』(初アニメ化第1作50話)。毛むくじゃらで奥歯の牙にも毛が生えた容姿をしているが、本来は水木しげるの妖怪画集関係では「魍魎」として描かれているが、なぜか本作では魍魎が邪魅に近い容姿をしており、両者は入れ替わった感じで姿がデザインされている。
毒気を出して人を狂わせる妖怪で、ガマ仙人の封力によって百年もの間ガマの姿に変えられていた。鬼太郎を騙して封印の石を動かさせ、元の姿に戻った後は、毒気で鬼太郎を狂わせて子分にし、銀行強盗などの悪事を働かせた。ガマ仙人に復讐するため家に放火しようとしたが逆に騙され、再びガマに変えられてしまった。鬼太郎が銀行強盗させられた金は全額返金された。
アニメ第4作54話ではぬらりひょんの入れ知恵で鬼太郎を誘き出した。
アニメ第5作27話では、黄泉の国の亡者の怨念から生まれた凶悪な妖怪として登場。鬼太郎に引けを取らない力を持っており亡者達も恐れている。元々は地上で死体を食べていたがいつからか生きている人間を襲って食べるようになり地獄に幽閉されていたが、宋帝王に化けた初代ドラキュラ伯爵によって解き放たれた。その後、ねずみ男が霊石を地獄の非常口に戻したため地獄に戻された。悪知恵のあった過去作品と違い、怪獣のように描かれる。
第6作ではアニエスを追い出そうとする妖怪として初登場。89話ではぬらりひょんのばら撒いた檄文を読んで憤慨し、妖怪排斥を訴える看板に八つ当たりするなど、ぬらりひょんに同意していた。95話では妖怪大同盟に賛同するゲゲゲの森の妖怪のリーダーとなり、妖怪を次々と殺す人間たちを憎んでぬらりひょんたちと手を組もうとするが、実は既にぬらりひょんと接触しており、ゲゲゲの森で扇動を行う役目を担っていたことが96話冒頭で判明した。最終話ではねずみ男から「こうなったのも全部ぬらりひょんのせいだ」と諭されるも、「どうせみんな死ぬんだから、人間を一人でも道連れにしてやる」と考えを変えず戦争を続けようとするが、ミサイルの直撃により他の妖怪仲間共々、人間への憎悪を貫いたまま死亡してしまった。
百々目鬼(どどめき)
声 - 桑島法子
盗みをやめられなくなった人間が妖怪化したもの。普段は人間の姿をしているが妖怪形態は全身に眼がつきカエルのように口が裂けた姿である。元が盗人の為妖気等の気配を断つのがうまい。人間が妖怪となったものなので正確には人間の姿が正体。
アニメでは第5作第8話登場。ぬらりひょんの手下の一人。ひとみという元々の人間の姿で鬼太郎を油断させ、ちゃんちゃんこを奪い弱体化させた。しかし鬼太郎に敵だと知られても自分を案じてくれた事に人間だった大昔の頃を思い出して改心。ぬらりひょんの攻撃から鬼太郎を庇って致命傷を負い、鬼太郎たちに看取られながら息絶えて肉体は消滅した。その後の妖怪大裁判では、ねずみ男により霊体として登場し鬼太郎を弁護する。
火取り魔(ひとりま)
声 - 楠見尚己
上半身が炎の塊で下半身が着流しという姿をした、夜道を行く人の灯火を吸い取って奪う妖怪。
アニメ第5作第17話に登場。電気やガスなど現代の熱エネルギーも吸収することが可能で、ぬらりひょんの指示で街のエネルギーを吸収して火力を上げ、鬼太郎を飲み込んで焼き殺そうとした。パワーアップした自身の力に酔って増長し、ぬらりひょんの命令を聞かなくなり、さらに力を得ようとして工場地帯のエネルギーを吸収しようとするが、霊毛ちゃんちゃんこと鬼太郎ファミリーに取り抑えられ、蒼坊主によって古今の封じ札で封印された。
片車輪(かたしゃりん)
声 - 稲田徹
アニメ第5作第30話に登場。輪入道の近似種とも言える、燃え盛る車輪の妖怪。炎と鬼面が本体で、車輪のように回る部位がある物に乗り移る。蛇骨婆の儀式で封じ絵から復活し、古い車輪→オートバイ→トラックと移動、暴走の末に霊毛ちゃんちゃんこで包まれて倒されたかに見えた。だが模型自動車に移り逃げ延びて目玉親父をさらい、そのまま遊園地の巨大遊具に移って人間の街を焼き払おうとする。父を助けに向かう鬼太郎の姿を、ぬらりひょんは「鬼太郎は人間に味方して同胞である妖怪を攻撃する裏切り者」であるかのように日本各地の妖怪に向けて放送するが、夜行さんの応援要請を受け鬼太郎の行動を見抜いた天狗ポリス、雪女族、河童族が駆けつける。河童の水鉄砲+雪女の冷気+天狗の風による氷のミサイルで大打撃を受け、最期はちゃんちゃんこで回転を封じられて河口に墜落し消滅した。

化け狸

日本の妖怪の中でも強大なのが、八百八狸(はっぴゃくやだぬき)という四国山中の地下に封じられていた化け狸一族。姿は服を着て直立歩行する狸そのもので、腹鼓を打つ外見こそユーモラスだが実態は凶暴な人食いの怪物。高僧・天海上人の護符により封印されていたが、ダム開発工事の影響で巣窟を塞ぐ岩から護符が剥がれたことで復活。地上に狸王国を築き、人類を奴隷・食糧(日本中の美人を狸城の女中にし、男はソーセージにしようとした)として支配しようとした。巣窟がある日本の地下は無数の地下道で繋がっていて、八百八狸たちは地下道を通って四国から東京にやって来た。地下には川が流れており森も存在する。この事は、人間はおろか鬼太郎さえも知り得ず拉致された総理大臣は「私の今までの60年間の知識が根底から覆された気分だ」と大変驚いていた。首長・刑部狸は強力な妖術使いであり、他の狸は岩に化ける程度の術しか見せていない(アニメ第1作版)が、脅威の部隊能力と政治家に直接交渉をしかけるほどの高い知性はそれを補って余りある。また、妖怪であるがゆえに人間の武器は一切通用せず、さらに切り札として蛟龍、大なまず、要石といった強大な戦力も擁しており、最終的に日本を実力で制圧、公務員に狸の尻尾を付けて奴隷化してしまう(第6作では狸に従順になった一部の一般人にも付けて反狸派の人間を迫害していた)。自分たち以外の妖怪すら敵視しており、支配下に置いた人間たちには狸以外の妖怪を讃えることを重罪として厳しく取り締まった。その凶悪さは、一度はいつものように寝返ったねずみ男が八百八狸が勝利したら自分たち他の妖怪にも未来はないと恐れおののき、再び鬼太郎達に味方したほど(アニメ第3作では寝返ることはなく不利な時に弱音を吐く程度だったが、逆に第6作では最後まで鬼太郎達の側に表返ることはなく、崩壊する地下に置き去りにされた)。圧倒的な強さを見せた狸軍団によって、彼らとの約束を破って封印した鬼太郎は呪いで狸に変えられかけ(封印を解くと狸化は解け、後に再封印しても再発動しなかった)、失明、石化、蛟龍や大なまずを倒すために溶解、凍結、再生して赤ん坊になるなど非常に苦しめられ、一反木綿も寸断され一時死亡するなどの犠牲を出したが、最終的には目玉おやじとねずみ男の活躍で再封印された。しかし、彼らの活躍は人間達に知られることなく(米軍による要石への爆撃が再封印と偶然同時だったため、爆撃で八百八狸を退治できたと誤認された)、むしろ一度政権を奪われた失態から当時の内閣閣僚達に役立たずと罵られ、報いられることはなかった(アニメ第1作の科学庁長官は状況を理解し鬼太郎に感謝した。第3作の首相は国連軍の功績と誤認したが鬼太郎を罵ってはいない。第4、6作では鬼太郎と政府関係者の間に接点はない)。登場話『妖怪獣』は週刊少年誌連載作中としては全10回と最も長い。初アニメ化は第1作21、22話で、更に第3、4、6作と計4作品でなされているが、全て前後編構成になっている。第5作ではアニメ化されなかったが、刑部と団三郎が妖怪四十七士に名を連ねており、当初は八百八狸の話が描かれたうえで和解する予定だった。第6作では原作や過去のシリーズ同様に要石へ護符を貼られて封印状態だったが、名無しが護符を剥がしたことで復活した。テレビや携帯電話の電波をジャックして日本征服を宣言、スマホが使えず妖怪ポストで鬼太郎に相談しようとしたまなをねずみ男の告げ口で捕らえた。原作同様、圧倒的な戦力を背景に人間の政権を奪って支配下に置き、要石を破壊しに来た鬼太郎も要石にかけられていた「妖怪を石化する呪い」で石化する。しかし、人間ゆえに呪いが効かない(半妖怪にも効かない可能性が示唆されたが、ねずみ男やねこ娘は触らなかったので不明)まなが要石を破壊したことで全滅、同時に地下帝国も崩壊した。刑部の怨念が宿った蛟龍も鬼太郎に倒されたが、その亡骸の妖気と、支配下で互いの不和を掻き立てられた人間たちの邪念と刑部達が今まで自分たち(タヌキ派も反タヌキ派も含めて)を苦しめた怒りが名無しによってまなの右手に流れ込み「木」の字を成した。その後人間たちが自由の身になり化け狸を自分たちの敵だと政権ごと追放した。

刑部狸(ぎょうぶだぬき)
声 - 富田耕吉(第1作)、柴田秀勝(第3作)、仲木隆司(第4作)、堀内賢雄(第6作)
八百八狸の長。巨大な僧形の化け狸。抜群の統率能力を持ち、配下の八百八狸の大軍勢、蛟龍(こうりゅう)や大なまずといった妖怪獣を縦横に操る。妖怪獣や触れた物全てを石に変える巨石・要石(かなめいし)を操る念力、特定の人物に毛を植えつけ、苦しめたり支配する呪術を用いる。原作等では鬼太郎の頬に接吻をし、約束を破って封印されたときに呪いで鬼太郎を狸に変えようとした。
第5作では隠神(いぬがみ)刑部狸の名で、妖怪四十七士の愛媛県代表。原作の数珠を持った姿ではなく、太鼓を首から下げた水木しげるの妖怪画に近い姿で登場。
第6作では妖怪たち全員に自分の支配下につくよう説得しろと鬼太郎に迫り、人質として犬山まなの右手に接吻(頬に接吻するはずだったが、まながとっさに防いだ)して、約束を守らない場合は彼女を化け狸に変える呪いをかけた。まなたちが要石を破壊しに来た際には呪いを発動してまなを化け狸に変え妨害した(この姿で要石に触れればまなも石化してしまう)が、一反木綿に首を絞められたことで呪いが解けてしまい、人間に戻れたまなに要石を破壊されて他の狸たちと共に倒れる。それでも体から抜け出た怨念が蛟龍に憑依し暴れるが、まなの手に宿った要石の残りの力を乗せた鬼太郎の指鉄砲に撃たれて完全に倒された。
蛟龍(こうりゅう)
巨大な妖怪獣。一反木綿の説明では「70年生きた蛇が蜃気楼の中で産んだ卵が孵り、地下で数百年育った後に天に昇って蛟龍になる」という(アニメ第6作では「七百年生きた蛇が蜃気楼の中に入って卵を生む妖怪でその卵が地下に入り、更に数百年が経過すると、再び天に昇り妖怪となる」と目玉おやじが解説した)。本作では巨大な目と大きく裂けて鋭い歯が並ぶ口を持ち、全体の形は蛇や龍というよりデフォルメされた類人猿にも見える。目からは蜃気楼を起こす光線を出す(アニメ第3作ではジェット機を消滅させてしまう光線となっている)。『妖怪獣』にて刑部狸に操られて登場。最初偽の月の中に収まっていたが、人間のミサイル攻撃によって月が破壊され地上に出た。圧倒的な破壊力で日本を制圧し鬼太郎を巨体で踏み潰すが、何でも溶かす鬼太郎の強力な胃液が体にかかりドロドロに溶解して倒れた。アニメ第6作では、全体から強力な衝撃波を発し広範囲に渡り建造物を破壊し、自衛隊を返り討ちにしてしまった。口から火球を吐く。八百八狸と同じく力の源とする要石を壊されて一度は倒れるが、刑部狸の怨念が乗り移って復活し、鬼太郎たちに襲い掛かる。鬼太郎の指鉄砲も通常では顔面直撃でも効かなかったが、要石を壊したまなに流れ込んでいた力を上乗せして撃たれ、口中から脳天にかけて貫かれ倒れた。しかし、その亡骸に残っていた妖気は名無しがまなに呪いをかけるための材料にされた。1985年の劇場版ではぬらりひょん配下として登場。南方妖怪チンポの船に攻め込む鬼太郎の筏に海中から襲い掛かった。一反木綿に両目を塞がれ鬼太郎のオカリナ剣で脳天を刺され暴走、チンポの船に激突して共に轟沈した。
大なまず(おおなまず)/ なまず神(なまずがみ)
地底湖に住む巨大なナマズの姿をした妖怪で巨大地震の元凶とも言われる。『妖怪獣』で登場。富士山人穴に大昔から置いてあった要石によって封印されていたが、八百八狸が要石を動かしたことで解放された。蛟龍が鬼太郎に倒された事で刑部狸が狸城護衛の為に急遽東京に召喚しようと念力で動かし、地中を移動して五千年ぶりに地上に出現した。陸上でも直立して活動可能で不死身の生命力を有しており、あらゆる近代兵器を受け付けない。口からは熱風や熱戦を吐き、それにより地面を温めることで一種の巨大な竜巻を発生させたり(竜巻は熱せられた地面の周りの空気が上昇気流となりそこに冷たい空気が流れ込むという現象が繰り返される事で発生する)、自由自在に地震を起こせるなど驚異的な力で米軍艦隊をも蹴散らし撤退させた。アニメ第1作では目から破壊光線も発射する。また、器用に動く長い髭で鬼太郎を捕まえて締め上げ先端を目に突き刺して失明させてしまった(目玉おやじが、鬼太郎の左目の代わりとなり補助した)。二度と生き返らぬ様、狸たちは鬼太郎親子をなまずに食べさせてしまおうとしたが結局は逃げられてしまった。最期は体内に侵入した鬼太郎に脳を掌握され、身体を操られてしまい北極海に連れて行かれ氷漬けとなり完全に活動を停止させられた。アニメ第4作の名称は「なまず神」。蛟龍と異なりアニメ第6作の八百八狸の話には登場しない(刑部狸の怨念が乗り移った蛟龍との最終決戦の場所が富士の裾野であった)。
玄蕃狸(げんばだぬき・第1作)/ シルクハット狸(第3作)/ タキシード狸(第4作)/ 団一郎(だんいちろう・第6作)
声 - 野田圭一(第1作)、千葉繁(第3作)、増谷康紀(第4作)、落合福嗣(第6作)
刑部狸の側近の一匹で理知的。原作では名が出ない。江戸時代に封印されたはずだが、どこで手に入れたのか復活時点からタキシードシルクハットを着用。「昭和40年代には妖怪の時代が訪れるというのに、どうして人間の味方をするのか?」と鬼太郎に指摘した。
第6作では三兄弟の長男。葉巻を愛用しており、葉巻カッターを鳴らす癖がある。シルクハットは武器にもなる。本気を出すと凶暴かつ屈強な姿に変身する。長男でありながら、戦いの最中に弟を見捨てるなど冷たい部分がある。
お富狸(おとみだぬき・第1作)/ 着物狸(きものだぬき・第4作)/ 団二郎(だんじろう・第6作)
声 - 坪井章子(第1作)、田中一成(第4作)、高戸靖広(第6作)
刑部狸の側近の一匹。女性的な日本髪と着物を着た姿だが、鬼太郎が邪魔者と見るや即座に殺そうと提案するなど残忍で好戦的な性格。原作では名が出ず、第3作には登場しない。よく「おたんこなす」という悪口を口にする。
第6作では三兄弟の次男。武器は。砂かけ婆に簪を折られ、砂太鼓で敗北。
団三郎狸(だんさぶろうだぬき・原作・第1作)/ 団十郎狸(だんじゅうろうだぬき・第3作)/ 鉢巻狸(第4作)/ 団三郎(第6作)
声 - 北川国彦(第1作)、西尾徳(第3作)、川津泰彦(第4作)、ボルケーノ太田(第6作)
伝承では日本三名狸の1匹として知られているが、本作では刑部狸の側近の一匹。気性が荒く鬼太郎を棒で殴り倒した。一反木綿を褌にしようとしたが、反撃のチャンスを窺っていた一反木綿に絞め殺されてしまった。
第5作では団三郎ムジナの名で、妖怪四十七士の新潟県代表。
第6作では三兄弟の末っ子。一反木綿に締め上げられるも引き裂いて褌にする。その後、子泣き爺との戦いで石化した彼に押し潰され団一郎に助けを求めるも見捨てられ、そのまま砂かけ婆の砂太鼓に敗北。
飛脚狸
声 - 大塚芳忠
第3作のみに登場。飛行兵姿の伝令役。
狸カメラマン
声 - 土門仁
第4作のみ登場。狸内閣設立の記念写真を撮影。
たぬきアナウンサー
声 - 蟹江俊介
第6作のみ登場。黒羽織を着て政権奪取後のテレビニュースを担当(第4作でも狸の1匹がニュースを担当したがノンクレジット)。
狸ばやし(たぬきばやし)
どこからともなく聞こえて来る狸の腹鼓。本所七不思議の妖怪の一つで、日本全国に伝わる音の怪異。
原作「狸ばやし」ではねずみ男が音源を探って掘り当てると、瓢箪に封じられていた大狸が復活して暴れ出す。ねずみ男や鬼太郎も、狸を瓢箪に封じ込めるのに失敗して逆に閉じ込められた。更に狸は目玉おやじを呑み込むが、脳操縦されて鬼太郎たちを解放し自分から瓢箪に入る。入りきる前に尻から出た目玉は鬼太郎たちに瓢箪を元通り埋めさせた。
アニメ第3作108話では、伝承通りに本所七不思議の一員として音だけ登場。鬼太郎を誘い出し、その隙に朱の盤が目玉おやじをさらった。
竹切り狸(たけきりだぬき)
声 - 草尾毅(第4作)、松山鷹志(異聞妖怪奇譚)/ 演 - ブラザートム星野亜希
原作「竹切り狸」に登場。親類である万年竹の復讐に鬼太郎を狙う。先ずやまこに運動能力を高める竹馬を与えて鬼太郎と戦わせ戦力を探り、鬼太郎の各急所に笹の葉手裏剣を刺して力を封じ尾の毛を刺して血を吸った。だが、利用されたことを怒ったやまこに反抗された隙に目玉おやじが心臓から葉を抜き、逆に血を吸われ始め一度は降参。しかし、なおも隙を突いて吸引口になっている陰茎で鬼太郎とやまこを陰嚢内に吸い込み消化しようとしたが、つるべ火に陰嚢を焼き破られて倒れた。
アニメは第4作に登場。刑部狸のやり方に反対して鬼太郎達に協力した。目玉おやじからは竹藪で竹を切ったり人間に悪戯をするのが好きな気の良い狸妖怪と評されている。
実写映画『千年呪い歌』では高尾山に住む夫婦が登場。こちらも八百八狸とは無関係。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では鬼太郎の前に立ちはだかる悪役として何度か出ている。
ふくろさげ
声 - 青野武(第3作)、徳丸完(第4作)
『ふくろさげ』(初アニメ化第2作20話)に登場。洞窟内の壺に隠されていた不定形の妖怪。近付く妖怪のエネルギーを貪欲に吸収する為、大昔の妖怪達によって封印されていた。2人組の泥棒が隠し場所の地図を盗み出し、彼らと組んだねずみ男が開封したが半分エネルギーを抜かれ退散。人間には忠実で、どんな所にも穴を掘って通れる力がある為、泥棒達はそれを利用して金庫破りを繰り返した。エネルギー補給のためにねずみ男の紹介で鬼太郎を誘き出して吸収を図るが、鬼太郎の膨大なエネルギーを無理に吸収してふくろさげは破裂した。
第3作では第27話登場。葉の帽子を被った狸のような姿という水木氏の妖怪画に近い姿に描かれている。携える袋は獲物に被せてエネルギーを奪う他、エネルギーを射出したり物を吸い込んだりもできる。また、相手に噛み付いて直接エネルギーを吸い取ることも可能。原作や第2作と違って自我が強く、自分を封じた妖怪たちへの復讐を考えており、復活後は子泣き爺、砂かけ婆、猫娘などを次々と襲ってエネルギーを奪った。また、人間と妖怪との仲を裂くことを目的として、泥棒たちの悪事に積極的に力を貸していた。鬼太郎も独力では歯が立たず一度は退却するが、エンマ大王の助力で大量の妖怪エネルギーを供給されて再戦。ふくろさげは原作同様エネルギーの吸い過ぎで破裂して再封印された。第91話ではヒ一族との戦いで呼ばれたぬらりひょん傘下の悪妖怪の中におり、鬼太郎たちと一時共闘する際にリーダー格を務めた。
第4作では欲望を持つ者を袋に取り込み消化する。本体は狸で袋は陰嚢。ぬりかべに袋を破られ、続いて中国風の甲冑と矛で鬼太郎と交戦したが、霊毛ちゃんちゃんこで妖力を奪われ豆狸に退化した。
妖怪だぬき
「妖怪ラーメン」に登場する額に十字型の傷らしき模様がある狸妖怪。大勢の狸仲間たちのボスとして、とある山の古寺で仲間と共に平和に暮らしていたが、自分たちの住処に人間が押し寄せ住処を追われ食べ物も奪われてしまったことで、何とか生きていこうと数年前に狸蕎麦の屋台を開いたが、現代ではカップラーメンの人気には勝てなかったため、その人気を落とそうと先祖代々伝わる「変身粉(化け粉)」を混入したカップラーメンを売り歩き、食べた人間を巨大なカップラーメンに変えてしまう。これが大成功するが、この事を知ったねずみ男は、鬼太郎をカップラーメンにして食べればより強い妖力を得られると唆し、物語冒頭で異様な容姿の男(実はねずみ男の変装)が変身粉を混入したカップラーメンを子供たちに10円で売りつけ、子供たちが次々とカップラーメンに変わってしまうという事件を引き起こし鬼太郎の誘き出しを図り、敵と戦う前に腹ごしらえをしようと狸蕎麦の屋台でご馳走する。しかし、この蕎麦にも変身粉が含まれていた為鬼太郎はカップラーメンになってしまい狸たちのいる場所へ飛んで行き目玉おやじはかぶと虫に乗り後を追いかける。狸たちは早速、鬼太郎のカップラーメンを食べようとお湯を注ごうとするが、これは鬼太郎が事件の黒幕や目的を知るための作戦で術にかかったフリをして様子を見ていただけだった。ボスの妖術も力が上だった鬼太郎には通用せず、元の姿に戻った鬼太郎に成す術は無くあっさり降参し、自分たちの事情やねずみ男に唆されていたことを伝えて謝罪して鬼太郎と和解し、元に戻す還元剤を渡した。その後、ねずみ男は自分のことを棚に上げ、お金に見せかけた木の葉を報酬に掴まされたと狸たちを責めたが、鬼太郎ファミリーに懲らしめられ観念し、カップラーメンになってしまった町の子供たちを還元剤で元に戻して謝罪してくることを申し出る。
絹狸(きぬたぬき)
声 - 小山武宏(第5作)
絹織物を着た狸の妖怪。
第5作38話初登場。妖怪横丁でもめんや(反物を売る店)を営んでいる。
「鬼太郎マガジン VOL.1」によればもめんやは当初一反木綿の店という設定だったが、放送が進むたびに「一反木綿の呑気な性格は経営に向いてないのでは」という意見が出て急遽スタッフが布に関する妖怪を探すことになり、絹狸が選ばれた。

化け狐

日本の妖怪は、主に妖狐族に属し、その上位に束ねる者たちが存在する。

天狐(てんこ)
声 - 内海賢二(第1作)、増山江威子(第3作)、川村万梨阿(第4作)/ 演 - 小雪
日本の妖狐族の総元締め。人間のような髪を生やし着物を纏った姿。悪事は働かず、滅多に姿を見せない。
「天狐」(初アニメ化第1作49話)に登場。人間の地下駐車場建設が彼らの領域に触れた為に部下達が事故を引き起こす。鬼太郎との交渉の末稲荷神社に油揚げを絶やさない条件で工事を許可した。男性の人格。
アニメ第3作以降は女性の人格をしている。地下鉄工事が彼らの聖域を侵したことに怒って作業者を捕えて人質とし、工事を直ちに止めるよう要求した。作業者たちを助けに来た鬼太郎が空狐たちと戦っているところへ現れ、自分が負けたら二度と人間たちの邪魔はしないと宣言して鬼太郎と直接対決する。鬼太郎との戦いで柱にぶつけられると負けを認めて約束通り部下を引き連れ消えて行った。戦いの後鬼太郎たちは天狐が明らかに余力を残しながら負けを認めたことについて、一族をこれ以上傷つけないために敢えて勝ちを譲ったのだろうと気高さを讃えた。工事の関係者たちにも彼らの気持ちは伝わっており、自ら進んで稲荷明神の社を建て彼らを祀った。
アニメ第4作では善狐としての性格を強めた。全ての稲荷の統率者であり、狐たちが悪さをしないように監視もしている。自分が眠っている間に無茶をした空狐を止める為に姿を現した。女性的で非常に徳が高く冷静で穏やかなど高貴な性格をしており、目玉おやじ含め妖怪たちからも高く尊敬される存在である。ある有力デパートの社長一族を初代の頃から相談や日々の報告に耳を傾け、次期社長の誕生と成長を共に喜ぶなど昔から見守ってきた。騒動の発生時は地下の世界で10年間の眠りの最中であったが、鬼太郎を飲み込んだ空狐と体内電気で対抗する鬼太郎の両者が共倒れになるのを絹糸のような物で包んで止めさせた。念力の他空狐や他の狐たちが引き起こした大規模な騒動(デパートや客の紛失)を容易く元に戻す力も持つ。稲荷神社は自分たちの力を信じる人間の善意で作るものと考えており、狐への尊敬の念を知らぬ次期社長に激昂し無理矢理作らせようとした空狐を「誇り高き狐族の名を汚すのか」と厳しく諭した。
アニメ第5作以降妖狐族は登場しない。
実写映画版では自分の言うことを聞かない空狐をただの狐に変える能力を持つ。人間と親しい鬼太郎を見込んで、妖怪石を大天狗に返すことと、人間に全国の稲荷神社に油揚げをお供えさせることを頼んだ。
空狐(くうこ)
声 - 関智一(第4作)/ 演 - 橋本さとし
天狐に次ぐ位。地水火風を自在に操る。天狐との面会を申し出た鬼太郎に試合で空狐の代表に勝ったら認めるとしたが、なかなか負けを認めないため天狐に叱られた。
なお、アニメの空狐はそれぞれ異なっており、アニメ第1作では九尾の狐に酷似しており、アニメ第3作では五人衆として登場、第4作では子狐(戦闘時は大型の狐)に酷似している。
アニメでは天狐に忠実だが、実写劇場版では人間に報復しない天狐に痺れを切らして下克上を企てる。
白狐(しろぎつね)
声 - 大本眞基子(第5作)
白い毛色を持ち、人々に幸福をもたらすとされる、善狐の代表格。
原作・アニメ共にこの名称で直接は登場していないが、第5作の収録DVDの「ゲゲゲ組」製作の特典映像で、オリジナルとして登場。狐妖怪の少年で、妖怪横丁近くに住んでいる。
気狐(きこ)
変化能力を得た妖狐。
野狐(やこ)
声 -北川国彦(第1作)
変化能力すらない最下級の妖狐。人間同様に二足歩行して手を使い話す程度はできる。
白山坊(はくさんぼう)
声 - 内海賢二(第1作)、はせさん治(第3作)、大塚周夫(第4・第5作)、高木渉(第6作)
布をまとった白い狐の妖怪。100年以上生きた古狐が妖怪と化したもので、伝承にもある白蔵主と同系統の狐妖怪に分類される。強い妖力を持ち、無生物を操ったり、無生物に化けたり出来る。また、術をかけることで人間に幸運を授ける、人の心を操る、普通の狐に言葉を話せるようにするなどの行為が可能。基本的には、危機的状態にある人間に対し「命を助けてやる、ただし娘が16歳になったら嫁にもらう」という契約を持ちかけ、その後もらった娘を嫁と称して食べようとするが、いずれも鬼太郎に阻止された。
日本の狐妖怪の一体だが、天狐たち妖狐族との直接的な関連は不詳で、単独で活動または独自に狐妖怪の集団を結成している。
アニメでは第4作まで敵として登場したが、第5作以降は鬼太郎の仲間となっている。
各シリーズでの活躍はリンク先のページを参照。
コン太
声 - 大谷育江(第4作)
アニメ第4作39話に登場した白山坊の弟子の言葉を話す狐。少々生意気だが、正義感は強い。白山坊の命令で茜が付けていた魔よけの髪飾りを奪うが、白山坊の本性と本来の目的を知る。そして当日、「茜さんを助ける代わりに自分が犠牲になる」と言い、裏切りに激怒した白山坊に噛み殺されかけたが、駆けつけた鬼太郎が白山坊を封印し、茜に手当され一命は取り留める。そして、白山坊が封印されたことで人語を話せなくなり、普通の狐に戻った。
おさん狐
声 - (台詞なし)
狐の女妖怪。美女に化けて男を騙す。
アニメ第5作劇場版『日本爆裂!!』で妖怪四十七士の広島県代表として覚醒。
狐つき
原作「狐つき」に登場。人間の死体などに憑依する狐の妖怪。最初は老人の死体に憑依していたが、鬼太郎と戦いになるとすぐに老人の体を捨てて雪姫に憑依し、ゲゲゲハウスを占領した。その後、目玉おやじの策で出された酒を飲んで寝ていたところを鬼太郎に飲み込まれ、鬼太郎の体内で雪姫と分離・分解されて気化蒸発し退治された。天狐たち妖狐族との関連は描写も言及も無く不詳。
キョウ
第6作準拠の小説「ねずみ男ハードボイルド」(『朱の音』収録)に登場する女妖狐(厳密には人間を母に持つ半妖怪)。妖力は乏しく変化も拙いが、美貌と男を篭絡する才覚で闇組織の長・猿鬼の愛人の座に着いている。

天狗

日本民間信仰において妖怪ともいわれる伝説上の存在。 本作に登場する天狗は、天狗ポリスという警察組織も形成しており、その他に裁判官を務めるなど妖怪界での法的機関に着任している者も多い。ただし、『妖怪大裁判』やそれを元にした話での天狗ポリスは百々爺の罠に引っ掛かり濡れ衣を着せられた鬼太郎を捕らえる立場になったりと法の下に中立な立場で、必ずしも鬼太郎側の仲間ばかりであるとは限らない。また、山天狗や黒雲坊など明確に敵対する邪悪な天狗も存在する。

大天狗(だいてんぐ / おおてんぐ)
声 - 富田耕生(第2作)、屋良有作(第3作)、笹岡繁蔵(第4作)、楠見尚己(第5作)、梅津秀行(第6作)/ 演 - 中村獅童
天狗ポリスの長と妖怪法廷の裁判長を務める最高位の天狗。彼の判決には原則として誰も逆らえない。強力な神通力を持ち羽団扇で突風を起こす。本編では一度濡れ衣の鬼太郎に有罪判決を言い渡すが、鬼太郎が冤罪を晴らすと真犯人に有罪判決を言い渡した。
第5作では目玉おやじと100年以上前からの知り合いで酒豪(目玉の方が多く飲める)。本名は赤嵐坊(せきらんぼう)。他シリーズに比べ豪放な性格。仇敵・黒雲坊の遺児である黒鴉を引き取って育てた。
烏天狗(からすてんぐ)
カラスに似た顔と背の翼を持つ天狗。多くの者が天狗ポリスとして従事している(ただし天狗ポリスと呼ばれない作品もある)が、中にはぬらりひょんの配下(「魔笛エロイムエッサイム」)や黒雲坊(第5作)のように悪の勢力に属している者もいる。名前や住処などの判明している者を以下に列挙する。
鞍馬山の烏天狗
声 - 富田耕吉(第1作)、宮内幸平(第3作)、新田三士郎(第4作)
「悪魔ベリアル」(初アニメ化第1作30話)に登場。幕末にベリアルの来日を察知し、魔力を封じ込めた。現代になって魔力を取り戻したベリアルに不意を突かれ、家ごと地中に封じられてしまい、危険を知らせる蚊文字を放つ。目玉おやじをして「彼をこのように封じられる者は日本にはおらぬ」と言わしめるほどの実力者。ベリアル退治後に鬼太郎の逆魔法で救出されたが、家が全壊したため一時砂かけのアパートに入居する。なお、天狗ポリスの面々と共に登場した事はない。アニメ第3作では一族の長老。
鳥目(とりめ)
1980年代の『最新版』に登場した3眼の烏天狗刑事。脱獄囚しょうけらの捕縛や復活したぬらりひょんの暴動の際に鬼太郎に協力を要請した。人間界では頭巾で顔を隠して行動。第三の目から妖怪を人間に変える光線を放てる。
黒鴉(くろからす)
声 - 緑川光
アニメ5作目に登場する天狗ポリスのエースにして武術の師範。群馬県榛名山出身で、年齢3000歳(外見は青年)。第5作における鬼太郎の協力者。第36話初登場。羽根手裏剣という羽根を撃ち出す技を持つ。常に敬語で礼儀正しい誠実な性格。鬼太郎の仲間であることを誇りにしている。第36話でネコ娘から黒い霊界符を貰った。第47話の妖怪大裁判では天狗ポリスの規則を守ろうとするが、最終的には鬼太郎の無実を証明するため規則を破り、鬼太郎共々地獄の罰を受ける羽目になった(本人曰く一人より二人のほうが楽)。第100話にて悪天狗・黒雲坊の遺児であった事が判明、実父の魂に操られて天狗大本堂を襲撃したが、大天狗や鬼太郎達の説得で自分を取り戻して四十七士に覚醒し、大天狗を「本当の父」と呼ぶ。涙しながら実父の黒雲坊にとどめを刺した。
ヒゴモ
声 - 浜田賢二
天狗ポリス鹿児島派出所の所長。太い眉が特徴。第5作74話で一反木綿を辻神と間違えて誤認逮捕してしまい、素直に謝罪した。その後も積極的に辻神の捜索に参加、辻神の尾からの邪気により倒れた人間達の救助や、成層圏で辻神と戦う鬼太郎と一反木綿を手から松明丸を放って援護した。最後は一反木綿を鹿児島代表妖怪として称えた。
リンゴロウ
天狗ポリス青森派出所の所長。リンゴのように赤く丸い頬が特徴。第5作85話で津軽海峡に出現した妖怪城を迎撃すべく黒鴉や鬼太郎達と共闘した。
黒雲坊(こくうんぼう)
声 - 大塚周夫
アニメ第5作において、3000年前に「天狗は邪悪であるべき」と主張して赤嵐坊(現・大天狗)と対立、敗れて封印された悪天狗。36話からその存在を匂わせていた。100話で魂を息子・黒鴉に乗り移らせ、使い魔(松明丸・水竜丸・天狗傀儡)を操り天狗大本堂を襲撃、大天狗を殺そうとした。だが大天狗や鬼太郎達の説得で自分を取り戻した黒鴉によって魂を羽毛の剣で貫かれ滅びた。
長老
声 - 中博史
アニメ第6作17話で初登場。大山に住む烏天狗一族の長老。150年前に悪魔ベリアルの魔力を封印したこともある実力者で、竜巻を起こして水を操る術や分身の術などが使える。人間との関わりを嫌い、弟子の小次郎たちには厳しく恐れられているが、本当に困った際には助力したり、自分の教えに背いた行動でもあまり責めずに許してやったりと、頑迷ではなく寛容さも持ち合わせている。戦国時代には一武将に加担した蟹坊主にも警告していたが、警告を無視した蟹坊主は封印されてしまう。復活した蟹坊主が銅像化騒ぎを起こした際にも助けを求めて来た目玉おやじたちには蟹坊主の過去を話しただけで当初助けるつもりはなかったが、小次郎が自分の考えに背いて干渉したことや正体を現した蟹坊主が暴れたことから「しようがねえな」と言いつつも竜巻で大山の霊水を撒き降らせて銅像化された者たちを戻し、戦況を逆転させた。望遠鏡でまなを眺めている小次郎を見つけるが、「人間に関わるのも結構だが、蟹坊主みたいになるなよ」と軽く注意する程度で許していた。しかし32話では、小次郎がまなへの恋煩いで上の空になり修行の成果も出せなかったことできつく叱り、「人間に恋をするなどもっての外」と厳しく戒めた。その後、魔力を取り戻したベリアルによって他の烏天狗もろとも生き埋めになったが、アニエスの魔法で元に戻った。そして、ベリアルとの戦いの中、恋の力で「心眼戒定慧」を会得したという小次郎の報告を聞き彼の恋を認めた。なお、ベリアルの復活は小次郎の不注意によるものだが、それを咎める様子も無かった。42話では大天狗の脇に座する5名の烏天狗の1人として妖怪大裁判に登場したが、台詞は無い。
小次郎(こじろう)
声 - 阪口大助
アニメ第6作17話で初登場。大山に住む烏天狗一族の若者。大山の夜道で足を踏み外したまなを助け彼女に一目惚れした。長老に背き(もっとも、長老はお見通しだった)、蟹坊主に銅像化された者たちを戻すのに大山の霊水を使うことを提案し、まず水筒一杯を汲んでまなの伯父の庄司にかけて成功する。暴れる蟹坊主には六尺棒や火薬玉で応戦するが圧倒的な防御力の前に対抗できなかった。事件解決後、望遠鏡でまなを眺めているところを長老に見つかり注意された。32話ではまなに惚れて以来修行に集中できず相手の実体を見抜く「心眼戒定慧」の修得が滞っていたため、長老に叱られ、その場を飛び去ってしまう。その時に境港を訪れたアニエスとまなに、あわや正面衝突の形で偶然出会う。まなにいい所を見せようと山頂からの風景を覆う雲を吹き飛ばす際、うっかりベリアルの封印を解いてしまい、戦いを挑むが相手にならず一方的に痛めつけられてしまう。打ちひしがれ「未熟者の自分が恋にうつつを抜かしたのが間違っていた」と自分を責めるが、まなから「恋することに間違いなんかない」と励まされ、奮起して再びベリアルに戦いを挑む。駆けつけた際には百倍分裂したベリアルに鬼太郎が追い詰められていたが、「心眼戒定慧」に開眼して弱点を見抜き鬼太郎に反撃のチャンスを与え、見事ベリアルを撃破。アニエスの魔法で里は戻り、長老からも恋を認められた。まなからも恋を応援されるが、その後もまなには惚れていることを気づかれていないことを知ると唖然とした。42話では百々爺の罠に引っ掛かり、鬼太郎の逮捕や裁判で被告となった彼の付き添い警備を担当。まなの出廷に驚くが一切私情を挟まず任務に徹し、無実が判明した鬼太郎を釈放すると偽証罪のねずみ男に怒りの尻叩き100回の刑罰を行った。第50話以降のオープニングでは、まなの後ろに立つ妖怪の一体として登場する(ただし離れた場所にいる)。それ以降は登場していなかったが、最終話では鬼太郎を応援した。
雨ふり天狗
声 - 山田俊司(第2作)、阪脩(第4作)
「雨ふり天狗」に登場。風を操るが雨が降ると羽団扇が濡れるのを防ぐために石になる。風人峠に住んでいたが、自動車道が開通して食糧のに排気が混ざり、怒って運転手達を風化(風と化してどこかへ消し去る)させた。妖怪自動車で調査に来た鬼太郎と対決、指鉄砲で左目を潰され逃走する。数日後村に現れ、目医者に目玉おやじを移植してもらうが、帰途で雨が降って化した石から目玉は脱出。鬼太郎は排気の及んでいない深山に妖怪保護区を設けてもらって天狗を移住させ、風穴に捕われていた人々を救出した。
アニメ初登場は第2作4話。鬼太郎との初戦で髪の毛針を左目に受け、医者に目玉おやじを移植させようとしたところで再戦中に雨が降り石化する。石化した天狗を爆破しようと言う医者を止め毛針を抜いてくれた鬼太郎や自然を守る決意を語る医者の息子に感心し、風化した人々が富士の風穴にいることを教えた。
第4作では23話登場。風吹峠に住んでいるが、車の排気ガスで食料であるカスミ草が枯れたことに激怒し、峠に通る人間を吹き飛ばし風穴に閉じ込めていた。鬼太郎のリモコン下駄で目を負傷し、医者(鬼太郎に事件の依頼をした少年の祖父)に治療してもらう。事情を知った医者がカスミ草の栽培を約束すると和解し、山に帰った。
めんこ天狗
声 - 塩谷翼
「めんこ天狗」(アニメ化第3作105話)に登場。丸顔の少年型天狗で、めんこの修業で天狗になったと言われる。人間の子供とめんこで遊ぼうとしたが時代遅れと笑われて怒り、子供達をめんこに変えてしまう。鬼太郎をも激戦の末に隙を突いてめんこに変えるが、めんこのまま脱出した鬼太郎は猫娘に自分を使わせ、めんこ勝負で子供達のめんこを奪う。最後は天狗自身がめんことなって鬼太郎めんこと一騎討ち、敗れて鬼太郎や子供達を還元した。
山天狗(やまてんぐ)
声 - 岸野幸正(第3作)、松山鷹志(第6作)
原作「木の子」に登場。山に棲む巨体の天狗で、黒雲坊と同様に鬼太郎作品では珍しい悪天狗である。木の子達が一緒に暮らしていた人間の少女・モモコを連れ帰られたくないあまり呼び寄せた。鬼太郎を天狗礫や天狗倒し、鼻毛針などで苦しめ、一度倒したかに見えたが、その報酬にモモコの生き胆を要求する。復帰した鬼太郎に止められ、下駄や指鉄砲で目鼻を塞がれ降参。
アニメでは第3作89話初登場。天狗の森の祠に封印されていたが、モモコ(声 - 荘真由美)を返したくない木の子達が封印を解いてしまい復活。羽団扇で鬼太郎の鼻を伸ばして動きにくくするが、シーサー達が奪った羽団扇で元に戻った鬼太郎により再封印された。
第6作では52話登場。木の子の森の近くに棲んでおり、木の子たちから恐れられている。人間の女性を気に入ると嫁に娶ろうとするが、逃げ出そうとした場合は食い殺しており、住処には夥しい人骨が転がっている。森に迷い込んだ雅を鬼太郎が連れ戻そうとしたため彼女を返したくない木の子に助けを求められ、彼女を森から返さないことを約束するが、雅を一目見ると気に入り連れ去ってしまう。目玉おやじの説得で雅を返す気になった木の子の協力で鬼太郎と戦い、鼻毛針(髪の毛針同様、鼻毛の針を飛ばして攻撃)、天狗礫(扇からイシツブテを飛ばして攻撃)、天狗倒し(衝撃派を起こして柱を倒す)などの攻撃を繰り出すが、リモコン下駄で鼻を塞がれた隙に指鉄砲で眉間を撃ち抜かれ消滅した。
風の又三郎
声 - 難波圭一
アニメ第3作69話に登場。季節風を導く役目を持つ、西洋妖精風の少年型天狗。大ガラスの姿にもなれる。季節風の精の休み場所である「風の谷」が自動車道建設で潰されそうなのを抗議して暴れ、近くの村の少女・風子(声 - 渡辺菜生子)をさらう。風子と意気投合して彼女を旅に連れて行こうとするが、風子の両親が心配しているのを見て帰した。自動車道は鬼太郎達の尽力で風の谷を避けてトンネルが通された。
当時のコミックボンボンのアニメ解説頁では、この69話の解説に雨ふり天狗の絵が描かれ、「雨ふり天狗」のアレンジであるような描写になっている。
天狗の使い魔
松明丸(たいまつまる)
天狗火の一種で、普段は小さな松明だが集合して巨大な火の鳥になる。第5作36話では独自に動き連続放火を引き起こす。妖怪横丁で合体して子ぬりかべの一体を取り込んだが目玉おやじの活躍で救出され、松明丸は鬼太郎・蒼坊主・黒鴉の一斉攻撃で砕け池に落ちて消えた。100話では数体が黒雲坊に操られて天狗大本堂を襲う。
水竜丸(すいりゅうまる)
水で出来た竜の姿をした、天狗の使い魔。第5作100話で鉄砲水を起こして群馬県の温泉街を襲った。
天狗傀儡(てんぐくぐつ)
第5作100話に登場。天狗を象った動く土人形。面が制御装置で、それを割られると崩れる。

河童・その系列妖怪

河童(かっぱ)は日本の妖怪伝説上の動物で、淡水生妖怪の代表格でもある。頭の皿、背の甲羅、手足の水掻きなどが特徴(これらのどれかがない種類もいる)。水が入った頭の皿が乾くと力が出せなくなる弱点がある。鬼太郎作品にも敵味方取り混ぜて、様々な種類・個体が登場する。 第3作7話では、磯女母子が住む磯を埋め立ててレジャーランドにしようとする悪徳社長たちを懲らしめるのに協力し、彼らの尻子玉(砂かけ婆が解説していた。本作ではピンク色のボールのような描写)を抜いた。尻子玉を抜かれた社長たちは真っ青な顔で病院へ駈け込んでいた(抜いた尻子玉は後で鬼太郎が返した)。 第4作では8話で河童淵に暮らす集団がかに坊主に襲われ、42話で親方が仕切る河童村に暮らす集団が一目入道の集団と争っていた。71話ではかわうそを倒すためにぬらりひょんに協力した悪河童の集団(集団でもかわうそに圧倒されるなど戦闘能力は低め)もいた。 第5作では妖怪横丁の住民としても登場したが、その個体(声 - 沼田祐介)は目立った活躍は無かった。63話では九州の河童(声 - 私市淳)が虎男によって妖怪反物にされてしまう。 第6作では9話登場。遠野の山奥の河童の里で平和に暮らしていたが、ねずみ男の紹介でIT企業に集団就職する。最初は時給のキュウリ3本に満足して働いていたが、熱が入るあまり次第に行動がエスカレートしていき、ついには社長とのトラブルを機に怒りで我を忘れて集団で人間の尻子玉(本作では実体の無い光の玉のような描写)を抜く大騒動に発展した。尻子玉を抜かれた者たち(人間だけでなく妖怪にも有効)は腑抜けとなり力もやる気も無くし倒れてしまう。連係の力もあって一時は駆け付けた鬼太郎ファミリーを戦闘不能寸前に追い詰めたが、いそがしが鬼太郎に憑依したことで形勢が逆転し今度は自分たちが戦闘不能に追い詰められ、次郎丸の訴えで太郎丸の鎮静後は尻子玉を持ち主に戻して里に戻った。69話では伊吹丸の恋人・ちはやの亡骸を探すのを手伝うために、ダム内で渦を起こし埋められた所の水を除けた。暴走の経緯などは太郎丸・次郎丸の項目を参照。

三吉(さんきち)
声 - 三輪勝恵
アニメ第3作85話に登場した子河童。彼の里では集団で遊ぶ習慣がなく、それがある人間の子供を羨んでいた。妖怪の生活に憧れた星郎と出会い、互いを羨んでいたところをたくろう火に利用される。人間の姿で河原(かわら)三吉と名乗って学校に転入するが、手に水掻きが残っていたため騒ぎになって抜け出し、ゲゲゲハウスを訪ねた。これによって星郎の行方とたくろう火の企みを知った鬼太郎たちを里へ案内する。
クッパ、コッパ、パッパ
声 - 高戸靖広、大塚瑞恵、白鳥由里(役名と同順)
アニメ第4作8話に登場した河童淵に住む子河童の三兄弟。かに坊主に淵を荒らされ他の河童たちが操られて人間に悪さを始めたので、鬼太郎に助けを求めた。クッパとコッパは鬼太郎がかに坊主の毒で動けなくなった時に助けようと奮闘し、パッパは操られた父親を体を張って止めようとした。
河童親方
声 - 田中亮一
アニメ第4作42話に登場した一目入道の集団と争っていた河童村に住む仕切り役。左頬に傷がある。ねずみ男とがんぎ小僧に河童巻きを振舞った。
ガラッパ
声 - 辻村真人
アニメ第5作19話に登場した河童池の長老。人間による池の埋め立てに対し一族が抵抗派と移住派に分かれたため、鬼太郎に相談し移住派代理の鬼太郎組(鬼太郎、ネコ娘、目玉おやじ)と抵抗派代表組(シバテン、ネネコ、メドチ)の勝ち抜き相撲を決行、行司を務める。物忘れが激しく都合が悪いと寝たふりをする。スケベでもある。
シバテン
声 - 高木渉
アニメ第5作19話初登場。当初は河童池の抵抗派リーダー。必殺技は屁と共に張り手連打を放つ「へのかっぱ」。鬼太郎と3番手同士の試合になるが、アクシデントから山下と改めて取り組むことになり、敗北。30話ではカンキチ他数名の河童と共に、「ライバルに死なれては困る」と片車輪と戦う鬼太郎の援護に駆け付けた。
ネネコ
声 - 小松里歌
アニメ第5作19話に登場した河童池の抵抗派で女河童。ネコ娘と2番手同士の試合になるが、両者の肌にやたら触れるガラッパに怒り揃って殴ったため、両者試合放棄。
メドチ
声 - 広橋涼
アニメ第5作19話に登場した河童池の抵抗派で小柄な河童。目玉おやじとの1番手同士の試合に勝つも、次のネコ娘の猫化顔に迫力負け。
カンキチ
声 - 千葉一伸
アニメ第5作19話初登場。河童池の移住派。温厚な性格で争いが嫌い。30話ではシバテンと共に援護に駆け付けた。
山下(やました)先生
声 - 稲田徹
アニメ第5作19話に登場。河童池のそばの小学校で教師を務めており(河童が人間に化けていたのか、人間が何らかの方法で河童になったのかは不明)、生徒から河童先生と呼ばれていた。人間である教え子の里見(さとみ、声 - 野中藍)が鬼太郎とシバテンの試合中に紛れ込んだため、掟で鬼太郎が交代することになり、代わりに参戦を名乗り出た。試合は最後まで描かれなかったが山下が勝って一族は移住したと鬼太郎の回想で語られた。
太郎丸(たろうまる)
声 - 阪口大助
アニメ第6作9話に登場。次郎丸の兄。キュウリ作りが得意な礼儀正しく気の良い河童で、砂かけ婆から畑作り向けの砂をもらっていて、しばしばキュウリを届けたりしていた。ねずみ男の斡旋で仲間の河童たちとともにIT企業に就職してからはリーダー的な存在になり、社長・郷原(声 - 松山鷹志)に労働環境の改善を提案するなどして「意識が高いね」と高く評価された。しかし、河童の労働待遇が人間のアルバイト以下であることを知って郷原に抗議するも、「法律上の待遇保障は人間にだけ適用」「ここを辞めたら雇ってくれる会社は無い」と足元を見られて一蹴される。そのことに怒って郷原の尻子玉を抜き[注釈 35]、更に人間社会で河童が堂々と働けるようにするための強行手段として仲間たちと会社の周囲一帯の人間の尻子玉を抜き始めた[注釈 36] ため、鬼太郎たちと対峙。鬼太郎、ぬりかべ、一反木綿(一見尻の位置が分かりにくいがあっさり見破られ抜かれてしまった)も尻子玉を抜かれて腑抜けになり、逃げ惑うしかなかったねこ娘[注釈 37] と砂かけ婆[注釈 38] も取り囲まれてしまうが、いそがしに憑依されやる気を出した鬼太郎の逆襲に遭い仲間の河童たちが瞬く間に全滅させられ、自身も郷原の社長室まで追い詰められてしまう。勝ち目がないと知りながらも抗戦する姿勢を見せたが、止めに入った次郎丸の訴えで自分たちが間違っていたと気づき鎮静、尻子玉を持ち主に戻した後に仲間と共に里に帰り、キュウリはその日食べる分だけあれば十分だと語った。69話では伊吹丸の恋人・ちはやの亡骸を探すのを手伝うために、ダム内の渦起こしに参加するが、台詞は無い。
次郎丸(じろうまる)
声 - くまいもとこ
アニメ第6作9話登場。太郎丸の弟。太郎丸や仲間の河童とともに郷原の会社で働くが、働き詰めの生活に馴染めず素朴で牧歌的な昔の生活に戻りたいと願うようになり、後に河童たちが暴走した際も彼だけは誰からも尻子玉を抜こうとせず、いそがしに憑依された鬼太郎と太郎丸が睨み合うところへ来て鬼太郎の尻子玉を戻すと「ここは僕たちのいる場所じゃない、里へ戻ろう」「百万本のキュウリより、兄ちゃんが半分くれたキュウリの方が美味しかった」と涙ながらの訴えで太郎丸を鎮静させた。69話では伊吹丸の恋人・ちはやの亡骸を探すのを手伝うために、ダム内の渦起こしに参加するが、台詞は無い。
さら小僧(さらこぞう)
声 - 内海賢二(第1作)、古谷徹(第3作)、高戸靖広(第4作)、松野太紀(第5作・第6作)
初登場は「さら小僧」。350年生きている河童系妖怪で、がんぎ小僧と似た容姿をしているが名前の通り皿がある点が決定的に異なっている。鬼太郎親子も恐れるほどの実力者で、頭から飛ばす水皿(原作では集光レンズとして目を眩ますが、アニメシリーズによっては集めた光が熱線化したり、固体の皿を飛ばして斬ったりする)や猛毒の小便が武器。自作の歌「ぺったらぺたらこ」(第3作のみ「闇夜に気をつけろ」)を歌うのが趣味で、他人に歌われることを極端に嫌う。歌を盗み聞きした「ザ・ビンボーズ」が自分たちの歌として発表したことに腹を立て、多数の仲間を引き連れて隠れ里に誘拐した。鬼太郎から人間たちを返すように求められても知らぬ存ぜぬを通し、痺れを切らして戦いを挑んだ鬼太郎を倒したが、ねずみ男の服を被せられて臭さのあまり正気を失いビンボーズの場所を白状する。その後救出されたビンボーズと入れ替わりに隠れ里の牢に閉じ込められた。
アニメでは第1作34話で初登場。原作と違いねずみ男の服の臭いでは怒らせただけだったが、「ぺったらぺたらこ」の歌詞から弱点を知った鬼太郎の策で水皿から発する熱線を誘導され頭の皿を焼かれて正気を失った。その後救出されたビンボーズは懲りずに「ゲゲゲの歌」を盗作しようとしたが、怒ったねずみ男が口臭で懲らしめた。
第3作では43話登場。本作では河童一族一の美声を自称するも実は建物も破壊するほどの音痴。歌を盗作した「ビンボーブラザーズ」に腹を立て、多数の仲間を引き連れて誘拐し、鬼太郎を苦戦させるが、ねずみ男の頼みで救援に駆け付けたひでり神の熱気で仲間諸共ダウン。ビンボーブラザーズのリーダーが病気の娘を励ますために歌謡大賞に出たがっていた事情を知り、レコード1枚につきキュウリ1本を支払う事と自分も歌謡大賞にゲスト出演させる事を条件に歌う事を許し和解した。その後ビンボーブラザーズは大賞を逃すもリーダーは前向きな娘を見て立ち直り、鬼太郎親子とねずみ男はリーダー親子を見守っていた。
第4作では33話登場。普段は物静かだが怒ると目が赤くなり、笑い声を上げながら襲い掛かる。ねずみ男が「憂歌団」を唆し、「自分をマネージャーにして売り上げの30パーセントを分け前として渡す」という条件で盗んできた歌詞と譜面を彼らに提供したことで事件が起きる。「ぺったらぺたらこ」は4番まで存在し、「禁断の4番」は時間を巻き戻す呪文であり(4番は歌詞にも譜面にも記されておらず、「決して歌ってはいけない」「この世の終わりがくる」といった話が伝わっていた)、鬼太郎に降参した振りをしたさら小僧が紅白夏の歌合戦会場で4番の歌詞を水皿に映し憂歌団に歌わせた結果、歌を盗む前の時間に戻された(霊力の弱い人間が歌った為にこの程度で済んだが、さら小僧本人が歌っていたら大変だったと目玉おやじは語っている)。42話で「ぺったらぺたらこ」のテープ(歌えば時間が戻るから録音は不可能なはずだが何故かテープが存在していた)が命を落としたがんぎ小僧を生き返らすのに使われた。
第5作では66話登場。非常に短気で、些細な事ですぐに怒って襲い掛かる。本作では同族の仲間が多数登場し、「ぺったらぺたらこ」は彼らの雨乞いの歌で5番まで存在する(5番の歌詞で雨がやむ)が、5番を知らずに盗んで歌った「ザ50回転ズ」や、CDやカラオケ等によって繰り返し歌が流れた結果、大雨で街が水没してしまう。誘拐したザ50回転ズ(鬼太郎は盗作を認めず忠告を無視した彼らに愛想を尽かし自業自得として見捨てるつもりだったが、彼らの歌で元気になった病気の少年が心配している新聞記事を見て不本意ながらも救出に向かった)の居場所と雨をやませる5番を教えることを拒否し、目玉おやじに土下座を強要したことで鬼太郎を本気で怒らせてしまう。自分に有利な水中戦で鬼太郎を苦戦させるが、第1作と同じく歌詞から弱点を察した鬼太郎の攻撃で甲羅・水掻き・頭の皿を損傷して降参し、5番を歌った事で大雨は収まった。その後救出されたザ50回転ズは懲りずに「ゲゲゲの歌」を盗作しようとしたが、怒った鬼太郎たちが懲らしめた。
第6作では第40話に登場。普段は物静かでのんびりとした口調だが、怒ると髪が逆立って目が光り、口調も凄味の効いたものになって他者の言う事にもほとんど聞く耳を持たない凶暴さで襲い掛かる。自作の歌「ぺったらぺたらこ」を歌うのが趣味で、他人に歌われたり貶されたりするのを極端に嫌う。落ちぶれた一発屋芸人・「ビンボーイサム(声 - 沼田祐介)」が歌を盗作して再ブレイクを果たすが、それを知ったさら小僧は怒り、イサムは鬼太郎から「これ以上歌うと大変なことになります」と忠告される。直後にさら小僧自身もイサムを問い詰めるが、「通りがかりに川から聞こえた歌声の美しさに魅かれてしまい、つい口ずさんで自分の芸にも使ってしまいました。もう二度と歌わないのでお許しを」という理由付けで謝罪されたので、「今回は目をつむってやる。だが二度と歌うな。次に歌ったら命は無いものと思え」と警告付きで一度だけ許すが、ねずみ男に仲介を頼んでネタを続行した(仲介は失敗して、ねずみ男は「ダサい歌」と小馬鹿にした)ため、本格的に怒りが頂点に達した。さら小僧はイサムとねずみ男を捕えて皿洗い一万枚の強制労働を課したうえで、檻に閉じ込めて底無し沼に沈めようとするが、イサムの妻子(<妻・メグミ(声 - 堀越真己)>、<娘・ミク(声 - 祖山桃子)>)に助けを求められた鬼太郎が駆けつけて対峙。水皿で鬼太郎の目をくらまし首を掴んで締め上げるが、リモコン下駄の攻撃を食らってダウンし、ちゃんちゃんこに捕えられ敗北。鬼太郎はイサム達を救出した後二度と「ぺったらぺたらこ」を歌わないとさら小僧の前で改めて誓わせ、鬼太郎立ち合いの上での約束という事で、さら小僧ももう一度だけ許す事にした。しかし、お笑いグランプリで新ネタが滑ったイサムは、脚光を浴びたい誘惑から妻子の事前の説得も空しくまたもや約束を破って「ぺったらぺたらこ」ネタを披露してしまう(本人も自覚はあった)、会場まで監視しに来ていた鬼太郎は愛想を尽かして立ち去り、モニターで様子を見ていたメグミはイサムの破滅を悟りミクを抱きしめ泣き崩れ、ネタを終え観客の喝采を浴びたイサムが「僕はこれが欲しかったんだ、もう他に何もいらない」と感無量に浸っている中、舞台袖で同じく監視に来ていたさら小僧は最後の警告まで無視された事に激怒しイサムに襲いかかった(この場面で40話は終幕となった)。
ひょうすべ / ひょうすえ
声 - 寺崎千波也(第6作)
皿や甲羅はなく、禿頭の猿のような姿の河童系妖怪。原作では「さら小僧」などに群衆扱いで登場。
第1作10話でアニメ初登場。11話では「姿を見た人間を病気にし、その患者を見た人間にも病気が感染する」妖力を持ち、バックベアードに洗脳された鬼太郎は以前面倒を見たことのあるひょうすべを利用して人間界に病気を蔓延させる提案をした(第3、6作では人間に姿を見せているが病気にした様子はない)。
第3作では6話から登場。32話や43話では百々爺やさら小僧に付いて敵に回ったが46話以降は味方に付いた。
1980年代『最新版』では、第2話で総大将側の妖怪たちの中にいたが第3話で鬼太郎側のスパイだと発覚。わいらとサガリに追い詰められて食い殺され、最期の力で鬼太郎に知らせる火矢を放った。
第4作では妖怪王編で小豆三妖怪と共に鬼太郎の助っ人に参上。ブイイの口に魚を投げ込んだ。
第5作では妖怪四十七士の佐賀県代表(一斉覚醒)。
第6作第7話では幽霊電車で脅かす妖怪の一体。28話では西洋妖怪との戦いに複数参戦。第34話では去年の慰安旅行でねずみ男が放屁した事で彼に来るなと言ったり、ねこ娘達がいなくなったのをアニエスのせいと誤解したりしていた。第35話ではいまだにアニエスを誤解して追い出そうとし「バックベアードは妖怪の国を作ろうとしているのだから、妖怪にとって良い事ではないか」と唱えるが、鬼太郎に「その妖怪帝国では彼に絶対服従するか抹殺されるかしかない」と説得される。第49話では他の妖怪たちと共に人間を救助し避難させていた。第95話以降は妖怪大同盟の一員になっていたが、生き残りは最終話でねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
川猿(かわざる)
伝承もある妖怪だが、原作「川猿」「ダメな死神」「タコ人間」「招かざる客」では、あの世に住んでいた妖怪として登場。お盆の特別列車に乗って人間界に遊びにきたが遊んでいるうちに三日間の滞在期間が過ぎてしまい、あの世へ帰れなくなった。押入の中に断崖を作り出したり幽霊を生者に戻したりといった不思議な術を使ってねずみ男を騙し、その魂を奪ってあの世までの乗り物にしようとしたが鬼太郎に見つかって断念。その後鬼太郎の下男として働いていたが、日本を訪れた魔女の力によって消されてしまった。
がんぎ小僧
声 - 永井一郎、八奈見乗児(第3作)、千葉一伸(第4作)、新井良平(第6作34・35話の登場個体)、高塚正也(第4作96話の登場個体)
河童系妖怪だが皿はなく、やすり状の鋭い歯を持った水棲妖怪。その歯はライフル銃をも噛み砕く。
アニメでは第3作第26話で妖怪野球チームの一員として初登場。第32話や第43話ではひょうすべ同様に敵に回ったが他では特に水中戦や水力戦で頻繁に鬼太郎に加勢した。
第4作では第42話に股旅姿で登場。行き倒れた所をねずみ男に救われた事があり、以来彼を「ねずみ男の兄い(あにい)」と呼び慕っていた。河童の領分争いに巻き込まれた際にねずみ男を庇って命を落としたが、「ぺったらぺたらこ」の禁断の4番(ねずみ男がさら小僧の声を録音したテープ)で2人が再会する場面まで時を戻されて生き返った。『妖怪千物語』でもこの姿で、妖怪樹との戦いに登場している。
第5作では第25話で運動会、第47話で裁判の傍聴人、第88話で地獄一クイズに登場。
第6作では第23話で初登場。子泣き爺や傘化け達と共に酒を飲んでいるシーンがあった。第28話では同族を大勢引き連れて登場。ヴォルフガングに銀の銃弾を撃つが、満月の夜の狼男は不死身のため全く通じず返り討ちに遭い全滅。それとは別にぬりかべらと共にヴィクターの合成生物と戦った組があり、そちらは最低一匹は生き残った。第34話では去年の慰安旅行でねずみ男が放屁したことで彼に来るなと言ったり、ねこ娘達がいなくなったのをアニエスの仕業と誤解したりしていた。第35話ではいまだにアニエスを誤解しており、他の妖怪仲間達と共にアニエスを追い出そうと石を投げつけたが、ねこ娘に止められ動揺する。それでも鬼太郎に抗議するが、説得され考え直す。第95話以降は妖怪大同盟の一員になっていたが、生き残りは最終話でねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
一目入道(いちもくにゅうどう)
声 - 里内信夫(第4作)、島田敏(第5作)
皿が一つ目(または目のような模様)になっている河童。伝承では加茂湖の主。
第3作43話にて、さら小僧の部下としてアニメ初登場。
第4作では第42話登場。がんぎ小僧が世話になっていた河童族の敵対勢力で気性が荒い。
第5作では第42話登場。オベベ沼の住人だが横丁へ移る前のかわうそが悪戯したせいで沼の妖怪の評判が悪くなり、親しかった人間の少女も沼に近付かなくなった。それを嘆いてかつてかわうそが悪戯に使った「水神石」でかわうそに化け、かわうそに濡れ衣を着せ少女達から声を奪う事件を起こす。
カシャボ
声 - 沼田祐介(第4作)
和歌山県の山に棲む河童の仲間の妖怪。皿や甲羅や水かきは無く長い顔をした約6~7歳ぐらいの子供のような姿をしている。水木の妖怪画では口を尖らせ右目が垂れている。
第4作61話でアニメ初登場。日本の南の果ての果てにある金比羅島に棲む。いやみによって無気力になってしまった鬼太郎を元に戻すために島に降りた目玉おやじ達を清めの泉に案内し、泉の水を飲んだ鬼太郎は元に戻った。
セコ
声 - 中山さら(第5作)
大分県の山に集団で暮らす一つ目の河童の仲間の妖怪。鰯の頭が大嫌い。
アニメ第5作第47話では裁判の傍聴人として登場し、第88話では「地獄一クイズ」での極寒地獄でかき氷を10杯食べる試練で自分たちのかき氷を鬼太郎にこっそり食べさせていた。劇場版『日本爆裂!!』では妖怪四十七士の大分県代表として覚醒。
波小僧(なみこぞう)
声 - 金田朋子(第5作)
静岡県出身の河童の仲間。
アニメ第5作第92話と劇場版『日本爆裂!!』に登場。両親の敵をとるために岩魚坊主に弟子入りする。
ミンツチ
北海道出身の河童。本作では痩身に鋭い目つきと嘴とシャープな印象の姿をしている。
第3作43話にて、さら小僧の部下としてアニメ初登場。
第5作では妖怪四十七士の北海道代表(劇場版『日本爆裂!!』で覚醒)。

冷凍妖怪

吹雪や冷気を操る日本妖怪たちで、主に気温の低い地域に住んでいる。

一本ダタラ (いっぽんダタラ)/ 雪入道(ゆきにゅうどう)
声 - 増谷康紀(第4作)、半田裕典(第6作)
一本足、一つ目の妖怪。年に一度12月20日にしか現れないと云われている。
体色は茶色が多いが、アニメ第6作のみ青。初登場は第3作劇場版『激突!!異次元妖怪の大反乱』で、この時は妖怪皇帝となったぬらりひょんの配下。警官に変装して水木家に押しかけたが返り討ちに遭う。その後、国会議事堂で他の妖怪達と共に現れるが、妖怪戦車の野づち砲で吸い込まれた。第3作91話のヒ一族との戦いでは一時的に鬼太郎達と共闘もした。第4作では51話に鬼太郎父子の顔見知りとして登場。冬眠していたが、冬眠中の熊と間違えた子達の悪戯で起きてしまい、空腹のあまり彼らを食べようと追い掛け回した。その後子狐達を探しに来た鬼太郎に餅を2個貰い、それを食べて再び冬眠した。79話でチーに反物にされた際は、特徴の一本足部分が突出した形になっている。第5作では一本ダタラと雪入道が別個に登場。第7話では雪入道が雪女・真白の姉を処刑した凶暴な妖怪として姿を見せる。雪女一族より格上の冷凍妖怪で、真白からも様付けで呼ばれている。目玉おやじが「強力な妖怪」と称していた。ぬらりひょんと結託し、真白が鬼太郎達に倒されて直後に現れて全員凍らせようとするが、真白と同じく地獄の炎で溶かされた。劇場版では同族の一本ダタラ(色は茶色)が妖怪四十七士の和歌山県代表に覚醒した。第6作では35話で登場し、アニエスを追い出そうとした。48話でも畑怨霊たちと共に登場。89話ではぬらりひょんの書いた檄文を読んでいた。95話では妖怪大同盟の一員として登場、色は茶色だがこちらは第5作同様雪入道と呼ばれている。
雪男(ゆきおとこ)
声 - 佐藤正治(第3作)、宇垣秀成(第4作)、平井啓二宮崎寛務(第5作)、広瀬正志(異聞妖怪奇譚)
初登場の原作『雪ん子』、アニメ第1、3、4作で雪ん子や雪女と組んで登場。外観はUMAとしての雪男よりもむしろなまはげ(アニメ第1作では原始人、第5作ではビッグフット)に似ている。原作では冷たい息を吐くだけだが、アニメではつららを振るったり雪崩を起こしたりと力技を披露する。第4作では正式に雪女の夫で雪ん子の父親として登場。冬の山の管理者であり動物たちの守護者でもある。大雪崩や氷柱を弾丸にして飛ばすなどの能力を持つ。強行的な行動を取ったが、人間らが山の動物たちを殺さなければ暴れない。
雪女(ゆきおんな)
声 - 小原乃梨子(第1作)、坪井章子(第3作)、中友子、松井摩味(第4作)、高島雅羅(異聞妖怪奇譚)
初登場は原作『雪ん子』で、アニメ第1、3、4作でも雪ん子や雪男と組んで登場(第3作では後に復活し、94話で雪ん子やつらら女らと組み、過熱したぬけ首を冷ますために鬼太郎と協力した)。また、アニメ第1、5、6作、『妖怪千物語』は原作やアニメ第3、4作とは容姿が異なり、端整な顔立ちをしている(原作やアニメ第3、4作は雪ん子とほぼ同じ顔立ち)。アニメ第1作では、鬼太郎が人間の味方をしていることを快く思っておらず、「人間は妖怪を眼の敵にする」「人間なんて狡くて弱虫で意地悪くって、それでいて生き物の中では一番偉いつもりでいる」など人間を酷評し罵倒していた。
第4作でも第58話で家族(雪男と雪ん子)と共に溶けたが後に復活、第98話・第99話でつらら女と組んで、ぬらりひょんや西洋妖怪に挑む鬼太郎に加勢した。家族同様、山の動物たちを想い庇う心の持ち主で、氷漬けにした人間たちも殺しはしなかった。雪ん子に助けられて蘇った鬼太郎が、彼らの秘密を知ったことから生かしておけないとしたが、鬼太郎の心を知った雪ん子が庇い、山で一緒に暮らすのなら許してやってもいいとも発言した。
『妖怪千物語』第25話では水虎と戦う鬼太郎の味方として登場した。
アニメ第5作以降は雪女に多数の同族個体が存在し、独自のコミュニティーを作っている。 また、第5作では飛行能力も持つ。「雪女」として以下の者達が主要キャラクターとして登場。
葵(あおい)
声 - 園崎未恵
アニメ第5作第77話で初登場した雪女。ポニーテールの髪形をしたグラマラスな体型の美女。雪女・真白の親友で彼女に次ぐ実力者。当初は真白を死なせた鬼太郎を(死なせたのが止むを得ない状況だったことも頭では理解していたが)どうしても許す事ができず、ネコ娘を人質に鬼太郎を呼び出して殺そうとした。鬼太郎に対抗する為の修行で雪女郎や真白を超えるほどの妖力を身につけている。自分の怒りと悲しみを正面から受け止めた鬼太郎の命がけの説得で改心したことで、妖怪四十七士の一士として覚醒し、その山形県代表となった。本来は明るく快活な性格で他者への思いやりが強く、同族に逆らって鬼太郎と戦うことの罪深さも自覚していた。地獄の炎を怖れずに鬼太郎を助けた勇気ある行動が四十七士に選ばれた理由であると鬼太郎は考えている。和解直後にネコ娘に恋の宣戦布告をしたり、第95話でバレンタインデー前に人間界の服を新調して鬼太郎を象った冷凍チョコを持参したりと、鬼太郎に好意を寄せる言動をしているが、毎回ネコ娘には「からかっただけ」と述べていて本心は不詳。
雪女郎(ゆきじょろう)
声 - 笠原留美
第5作第30話で初登場。雪女の元締め。左目の辺りに傷のような赤い模様がある。その地位相応に雪女の中でもトップクラスの実力を誇り、統制力もある。義理堅い姐御肌な性格。真白がぬらりひょんに唆されて暴れた事を承知していて、彼女を葬った鬼太郎を咎めず、河童や天狗ポリスと共に片車輪との戦いに協力した。第77話では四十七士の捜索にも協力を申し出る。第85話の妖怪城との決戦には、お黒と共に葵を補佐するため参戦した。100話の松明丸戦にも参戦。
真白[注釈 39](ましろ)
声 - 佐藤ゆうこ
第5作第7話で初登場。人間を愛して半妖怪の子供まで設けた姉が雪入道に子供諸共処刑されたため、人間と親しい妖怪を嫌い凍らせる。不意討ちとはいえ火の妖怪たちを凍らせるほどの強敵だったが、最後は地獄の炎を得た鬼太郎に倒され、溶けて消えた。この一件はぬらりひょんに唆されて起こした事で、生前は同族の中でもほぼ最強と格付けされていたため、それをぬらりひょんたちに利用された可能性が示唆されてもいる。第47話の妖怪大裁判では鬼太郎を弁護する側で、百々目鬼、がしゃどくろと共に霊体としてねずみ男に呼ばれる。ただし真白自身は無言のままで、証言は他の者たちがしていた。第77話で同族で親友の葵が鬼太郎に報復しようとした時も、彼女の前に霊体で現れ無言で阻止した。
お黒(おくろ)
声 - 中友子
第5作第77話で初登場。お歯黒べったりと顔と声が瓜二つの雪女で、性格も良く似ている。雪女の城でねずみ男のガイドについた。ねずみ男を気に入っている。一見変わった性格な雪女としてコミカルに描かれるが、実力は相応にあり、第85話では葵の補佐役として妖怪城の戦いに参加した。
ゆき
声 - 西村ちなみ
アニメ第6作第39話で初登場。ねこ娘の友人の若い雪女。厳密には、ねこ娘やねずみ男と同様に人間との間に生まれた半妖怪。
人間の青年・(しゅん、声 - 森田成一)に告白され、彼の押しの強さに根負けして交際を始めるが、恋愛は未経験で異性を好きになるという感情がよくわからず、さらに雪女と人間の生活スタイルや性格面の問題(ねずみ男の俊への間抜けなアドバイスも逆効果となった)からすれ違いを感じるようになり、一度は別れを宣言する。しかし、妖怪・沼御前が俊と一緒にいるところを見て自身の想いを自覚し、沼御前に襲われた俊の所へ戻って互いに伝えきれていなかった気持ちを打ち明け、相思相愛であることを確かめあった。その後、俊は駆け付けた鬼太郎によって沼御前から救出され、これからも様々な問題を二人で乗り越えながら交際を続けていくことを決めた。生真面目な性格で言葉使いも常に敬語で礼儀正しいが、やや思い込みが激しく(ねこ娘とまなの「素直になる」というアドバイスも意味をはき違えてしまった)融通の利かない面もある。49話では俊に抱えられながら名無し騒動から避難した。最終話では俊と共に鬼太郎を応援した。
ゆきの母
声 - 三田ゆう子
第6作第39話で登場。娘のゆきが人間男性・俊と交際していることを知り、人間の愚かさ・自分たちが冬の間しか人間界に居られない・妖怪と人間の寿命が大幅に違う等の理由などを言って怒りながら反対したが、二人がすれ違いや別れを乗り越えてよりを戻し今後も付き合っていく決意を固めたのを見て、考えを改め二人の恋を認めた。実は自身も人間男性と愛し合った過去があって、ゆきの父親も人間であり、ゆきと俊の姿をかつての自身と重ねながら戸棚の中の骨壺を眺めるシーンがある。ゆきとの会話では丁寧な言葉使いだが、一人呟く時は多少蓮っ葉な口調で話す。
つらら女(つららおんな)
口から冷気を吐く着物を着た女の妖怪。
アニメ第3作84話初登場。地獄マラソンに参加。90話では巨大なストレスの塊を止めるために登場。94話では抜け首を冷やすために登場するが、鬼太郎と敵対した雪女や雪ん子と協力することは不本意に思っていた。
第4作では妖怪王編で鬼太郎に加勢した。
雪ん子(ゆきんこ)
声 - 白石冬美(第1作)、山田栄子(第3作)、三輪勝恵(第4作)、竹内順子(異聞妖怪奇譚)
初登場は原作『雪ん子』(初アニメ化第1作48話)。わら頭巾を被った少女の姿だが、人間を凍らせアイスキャンデー状になった魂を取って食べる恐ろしい冷凍妖怪(アニメ第1作は原作や他のアニメ化作品と比べ、異なる顔つきをしている)。雪女や雪男と組んで北海道の大雪山系の洞窟を根城にし、近隣住民を凍らせて魂を集めていた。捜索に訪れた鬼太郎も凍らせようとするが、逆に熱放射(アニメ第3作では化け火が着火した石炭によって沸騰した水溜りに足を踏み入れた為)で溶かされる。溶かされた雪男・雪女の溶液と集まり氷の巨人になって逆襲するが、さらなる高熱を浴びて蒸発した。第3作ではその後復活しており、94話で雪女と共に鬼太郎からの要請を受けて渋々ながらぬけ首の冷却に協力する。
第4作では両親(雪男、雪女)と共に山の動物たちを殺した人間を氷漬けにしたが(従来と異なり、特製のアイスキャンデーを食べさせることで凍らせる)殺しはせず、人間によって殺された動物たちを一頭ずつ地蔵を作って供え物も用意して弔うなど優しい性格をしている。動物を殺したことのない鬼太郎の心と経歴を見抜いたため、両親に逆らってでも鬼太郎を助けた。鬼太郎の吐く熱光線で溶かされた雪男に駆け寄った事で余熱によって溶かされてしまったが、目玉おやじいわく「妖怪なので死なない。いずれまた両親と共に復活し、人間たちが動物に手を出さなければ現れない」との事。
ぶるぶる
声 - 中谷ゆみ(第3作)、沢海陽子(第4作)、堀越真己(第6作)
女性の幽霊のような姿をした暗闇で人の背筋を震えさせる妖怪で、「臆病神」とも呼ばれている。「峠の妖怪」(初アニメ化第1作23話)に登場。本作では妖怪メガネをかけなければ姿を見る事ができず、その体は鬼太郎の霊毛でしか固定する事ができない。また、ぶるぶるが体内に入ると、入られた者は徐々に体温が下がり、しまいには凍死してしまう。しかし一方で熱には弱く、風呂などに入られると抜け出ていく(ただし、風呂の湯や焚き火程度の熱では倒すまでに至らず、風呂も盛んに加熱しないとすぐ湯が冷め凍ってしまう)。ある古民家にあった封じ絵の中に閉じ込められていたが、大掃除の際にゴミと共に焼かれた事で解放され、付近の峠を通る車の運転手を狙っては震えさせ、事故を頻発させていた。鬼太郎によって最初は髪の毛針で木に貼り付けられるが、それをクラゲの干物と勘違いしたねずみ男が食べてしまい、彼を凍死寸前に追いやるも、風呂につかり身体を温めた彼の体内から追い出され、風船の中に閉じ込められて大空へ追放された。
第3作では25話に登場。ねずみ男ではなくユメコを凍死させようとするが(ねずみ男がキノコと間違えて鍋の具にしたぶるぶるを食べてしまった)、鬼太郎が彼女を入浴させることで追い出され、最期は一反木綿に乗った鬼太郎と化け火に空中戦で追い詰められ、岩壁に封じられた。
第4作では90話に登場。臆病者にしか姿が見えず、熱と光を苦手としている為に夜の間しか活動しない。暗闇で人間を驚かして寿命を奪って生きているが、時代が進むに連れて夜が明るくなり驚かし辛くなった為、峠の古いトンネル内の住処に臆病な人間を引きずり込んで寿命を奪っていた。閉じ込めた人間たちが勇気を取り戻した事で一旦は住処ごと消え失せたかに思われたが、ねずみ男の体内に入って操り鬼太郎に襲いかかる反撃を見せ、最期は多数のつるべ火に囲まれて体内から逃げ出したところを霊毛ちゃんちゃんこで包まれ、そのままつるべ火に炙られて蒸発した。
第6作では60話に登場。過去に悪事を働き巻物に封印されていた(原作や初期アニメのように自動車事故を起こしていた描写だが、目玉おやじの語りから封印したのは鬼太郎ではないように示唆されている)が、まなたちが行ったキャンプ場の薪置場にその巻物が紛れ込み、絵を眺めていた裕太から大翔が奪って焚き火にくべたために復活した。自由に姿を現したり消したりでき、人間を抱えて飛ぶほどの力がある。また、滅ぼすことはできず封印するしかない。裕一、蒼馬と大翔の順に連れ去り、猫娘に連絡したまなも裕太の目前で連れ去られる。駆けつけた鬼太郎に髪の毛針で木に貼り付けられるが、竪穴に閉じ込められたまなたちを救助に行っている間にねずみ男が金儲けに利用しようと解放してしまい、彼を凍えさせた後に裕一の車を襲いまなを捕らえる。しかし勇気を奮った裕太の挑発に乗って彼の体内に入り、鬼太郎に温泉に浸けられて逃げ出したところをちゃんちゃんこで捕らえられた。

1960年代マガジン版・アニメ第1作初出

たんたん坊(たんたんぼう)
声 - 緒方俊也(第1作)、田中康郎(第3作)、塩屋浩三(第3作86話、第6作)、立木文彦(第4作)、チョー(第5作)
妖怪城に棲む妖怪たちのリーダー格。巨大な頭のみの姿をしている。口から吐き出すタイヤ状の青痰が武器(第1作では青痰から目脂に変更され、第3作では口から吐く痰を「トリモチ唾液」と呼称)。誘導ミサイルのように敵を追い、膠のように張り付き、体中の穴を塞いで窒息死させる(鬼太郎は穴を掘って逃れた)。目からの怪光線や、その巨体で押し潰すなどの攻撃もする。妖怪城の封印が解かれた為、かまいたち、二口女とともに復活し、人間の子供を捕えて妖怪に改造し、日本を妖怪王国にしようとしていた。初登場は原作『妖怪城』およびそのアニメ化作品・第1作第3話。第3作では第1話登場。第4作では66・67話登場。第5作では第61話登場。第6作では第3話に登場して一度倒されるが、第19話で名無しに復活させられる(しかし、この時も結局は倒される)。
少年マガジンの巻頭特集では、アニメ第1作の内容を意識してやにやに坊という名前で紹介され、青痰ではなく目脂を飛ばす妖怪とされていた。
大かむろをモデルにした創作妖怪。
大かむろ(おおかむろ)
巨大な頭だけの妖怪。伝承では狸が化けた人を驚かす妖怪とされているが、本作では東洋の地獄の住人。住んでいた地獄がサタンに占領されたため、死者を道案内する役に格下げになった。ニタッウナルベから連絡を受け、水木しげると十二人の子供達を地獄へ導いて大昔から変わっていないこの世とあの世の世界の仕組みを教えた。
原作とアニメで登場した同系統妖怪である妖怪城の主・たんたん坊の創作モデルにもなった。
月曜ドラマランド版では「おっかむろ」の名でぬらりひょん一味として登場。頭だけの姿の他に胴体手足のある姿(胴や手足はゴリラに似て、尾は狸のように太い)や人間態も取る。何でも食べてしまう。
かまいたち
声 - 富田耕吉(第1作)、大竹宏、広中雅志(第3作)、鈴木琢磨(第4作)、菊池正美(第5作)、松野太紀(第6作)
旋風と共に現れ人肌に斬り付ける妖怪。本作では短髪で口の尖った男に描かれる。『妖怪城』(初アニメ化第1作第3話)では妖怪城に住む妖怪の1名で、呼吸で風を操り鬼太郎を苦しめた。『妖怪万年竹』では鬼太郎の味方として登場。両手の鎌で妖怪竹を斬ったが、万年竹本体には逆に鎌を折られてしまう。その後も日本妖怪が集結する際には参戦した。
アニメ第3作では高速で飛び回り、その時起こす風で物を切り裂く。その力で鬼太郎と砂かけ婆を追い詰めるが一反木綿に取り押さえられ妖怪城の封印方法を白状させられ地中に戻った。その後74話「妖怪万年竹」以降は鬼太郎側に付く。
第4作以降は風を操る能力と両手を鎌に変える能力の両方を使う。第4作では夜の間は無敵同然の強さを持つが、昼間では弱体化する。
第5作では妖怪城とは無関係。旋風を纏って空を飛び、両手の鎌から真空の刃を飛ばして攻撃する。ぬらりひょんに世話になった事があり、39話ではフリーの殺し屋をしていた。実は萌え系少女漫画マニアで、旧鼠にぬらりひょん脱獄を依頼され断るつもりだったがねずみ男に幻の少女漫画「乙女坂ころり」で買収され、力を貸した。しかし本は偽物だったため激怒し、ねずみ男を殺そうとするが鬼太郎に妨害され、決闘を挑むが、敗北。プライドを傷つけた鬼太郎を激しく恨み、ぬらりひょんの勧誘を受け一味に加わった(その後は本物の「乙女坂ころり」を読むシーンがある)。妖怪界でも屈指の実力者。
第6作では妖怪城から力を供給されている間はほぼ不死身。妖怪城の力の源である人柱を破壊された後は、一反木綿をパチンコのように使って石化した子泣き爺を飛ばす連携技で倒された。その後名無しによって復活した第19話では、当初お化けの学校にて良い教師を装ったが、真の目的は子供たちを妖怪に改造することであり、本性を現した際には怯える大翔に手の鎌を突き付け殊更に恐怖を煽った。ねこ娘の爪で切り裂かれて再び倒された。
草かまいたち
声 - 戸谷公次(第3作)
本所七不思議の妖怪の一体で片葉の葦に出現。鬼太郎と過去に対戦したことのある「妖怪城」の一体としても登場したかまいたちと同族だが、こちらは伝承通りの鎌鼬の姿で、葦の葉手裏剣と両手の鎌で鬼太郎を攻撃。漫画では火炎を浴びて取り押さえられ、目玉親父の監禁場所を白状して逃亡。アニメでは第3作第108話登場。目玉おやじの居場所を白状せず、鬼太郎にオカリナ鞭で木に叩きつけられて消滅した。
二口女(ふたくちおんな)
声 - 千々松幸子(第1作・第3話)、小串容子(第1作・第7話)、梨羽雪子(第3作)、阿部道子津賀有子(第4作)、金月真美(第5作)、永島由子(第6作)
伝承もある妖怪だが、本作では妖怪城に住む妖怪の一人として登場。顔とは別に後頭部に巨大な口を持ち、獲物を見つけると蛇になっている髪で捕え、食べてしまう。その髪は二百メートルも伸びる上に起重機のような力も備えており、鬼太郎をもそれで捕らえ食べようとしたが口に胡椒を撒かれ、怯んだ所を城から投げ出されて墜落死した(アニメ第3作第1話では砂かけ婆に砂を撒かれて視界が利かなくなり城から転落、第5作第61話では鬼太郎の体内電気を喰らい投げ飛ばされた。第1・4作では転落後も生存、城ごと封じられるまで暴れた)。第1作では顔が大口側だけの大口女(おおぐちおんな)として登場。
第4作のみ表の顔と後頭部の口とで、別人の声と喋り方になるという、独特の描かれ方がなされた。
第6作では第3話初登場。ねこ娘に全身を切り裂かれて倒されたが、第19話で名無しによって復活。お化けの学校で最初は良い教師を装ったが、目的は子供たちを妖怪に改造することであり、本性を現した際には蛇の頭髪で子供たちを捕えて妖怪ミキサーへ放り込んだ。最後は初戦と同様にねこ娘の爪に切り裂かれて倒された。
見上げ入道(みあげにゅうどう)
声 - 緒方俊也(第1作)、北川米彦(第2作、第4作・第1話)、田中康郎(第3作)、川津泰彦(第4作)、郷里大輔(第4作・第96話)、大川透(第5作)、池水通洋(第6作)、石原良純(実写映画版)
伝承では山道などで現れ、見る見る巨大化していく妖怪。
本作では一つ目の法師姿(鳥山石燕画の妖怪青坊主が原型)。空気を吸う(本人は“食べる”と表現)事による巨大化能力を持ち、逆に吐き出す事で小さくなったり、強風や空気の糸、炎などを吐いたりして攻撃する。炎の輪で敵を空へ巻き上げ、この世から消す秘法「霊界流し」を使う(鬼太郎は霊界に流されても、ちゃんちゃんこの加護で帰還可能)。全て呼吸による術なので喉を塞がれると使えないのが弱点。また、伝承では「見上げ入道見越した」という呪文を弱点としており、映像化作品の一部でもその描写がある。初登場は原作『見上げ入道』およびそのアニメ化作品・第1作第9話。原作やアニメ第1、3、5作では、妖怪学校を開いており悪戯好きな生き物や幼い人間を集めて妖怪にする教育を与えていた。『妖怪大裁判』にも登場し、検事側で「鬼太郎は妖怪のくせに人間の味方をして我々の仲間をやっつけてばかりいる」と批判したが、鬼太郎が無実を証明すると和解した。『国盗り物語』では金霊に惑わされて敵対したこともあったが、その後はムーに対抗するために共闘もした。
第4作では「霊界流し」は使わない。学校の裏手にある入道沼を工事していた傲慢な社長(声 - 笹岡繁蔵)が祠を蹴り倒したことによって封印を解かれ、工事現場にいた人々(祐子を含めて)を体内に吸い込み、駆けつけた鬼太郎の仲間たちを吹き飛ばそうとするもチャンスを狙った鬼太郎によって喉をちゃんちゃんこで塞がれぱんぱんに膨れてしまい、髪の毛針で破裂して吸い込んだ人々を吐き出した。体が縮んだ状態で逃げだそうとするも、ぬりかべによって逃げ道を塞がれ砂かけ婆に砂をかけられ子泣き爺に押しつぶされ弱ったところへ、鬼太郎に「見上げ入道見越した!」の呪文を唱えられ妖力を失って再び封印された。
第5作では妖怪の少子化を憂い後進の育成と教育熱心になり過ぎただけで、根は悪い妖怪ではない。妖怪学校の生徒を集める為にねずみ男に黒い封筒のダイレクトメールを配らせ、同封した質問に答えた子供(問題児)を強制的に入学させ妖怪になる教育を受けさせていた(落第した者はあの世に送っていた)が、交戦した鬼太郎を優秀な若手妖怪と認め妖怪の将来に安心して和解した。鬼太郎に助けられた問題児たちは反省し、真面目に勉学に励むようになった。
第6作では第2話で、山奥を通りかかったねずみ男の小便がたまたま石に貼られていた封印の札を剥がしてしまったことによって復活し、5万人の魂を霊界に送ることで無限の力を手に入れようと計画。ねずみ男を石で作った偽物の金塊で釣って手下にし、買収したアイドルグループ「電池組」のコンサートに集まった49,996人の観客を秘法「霊界流し」で霊界送りにした。観客を助けに来た鬼太郎・ねこ娘・まなと戦い、鬼太郎・ねこ娘を吸い込むも鬼太郎によって体内からの攻撃で喉を突き破られ弱ったところへ、まなに「見上げ入道見越したり!」の呪文を唱えられ妖力を失って消え去り、同時に人々も霊界から戻った。その後第19話で、名無しの逆五芒星の力によりたんたん坊・かまいたち・二口女とともに再度復活。異空間の中に作り上げた「お化けの学校」に蒼馬・大翔をはじめとする学校が嫌いな子供たちを呼び寄せていた。最初はかまいたちや二口女の授業で子供たちに勉強の楽しさを教え、自分は校長としてモンスターペアレントの理不尽なクレームに正論で反論するなど良い教師を装っていたが、子供たちが十分に揃ったのを見ると本性を現し、妖怪ミキサーに子供たちを放り込んで妖怪に改造しようとした。子供たちを助けに来た鬼太郎・ねこ娘・まなと再戦し、「霊界流し」を途中で止める形で鬼太郎の動きを封じ、ねこ娘も捕えて握り潰そうとするも今度は事前のダメージがほとんど無い状態で、まなにまたしても呪文を唱えられ再び妖力を失って消え去り、直後に動きを封じられていた鬼太郎も解放された。
月曜ドラマランド版にも登場。鬼太郎に「見越し入道見越した!」と呪文を唱えられ即座に退散している。
見越し入道(みこしにゅうどう)
声 - 長嶝高士(第5作)
伝承では見上げ入道と同系統の妖怪。
アニメ第1作では群衆扱い。首が節くれだった老爺のろくろ首のような姿。
1980年代「最新版」第22話では見上げ入道の弟で、姿は第1作にやや近いが若く悪人面。兄弟で鬼太郎の武器(髪、ちゃんちゃんこ、下駄)を奪って操ることを企んだが、迦楼羅様に海の幽霊族の武具を借りた鬼太郎に撃退された。
アニメ第5作では第38話に登場。肌が赤く額に瘤と第3の目がある。赤ん坊と住んでいた場所に道路が作られ車が出す排気ガスなどで生活圏を荒らされたことに怒り、持っている杖で地面を叩き地鳴りを起こして悪戯していたが、そうしている内に目を離した赤ん坊がいなくなってしまう。その後、妖怪横丁までやってきて赤ん坊を見つけ、一緒にいた鬼太郎に「人間と仲が良いお前は、人間に悪戯していた儂が気に入らず坊を攫い儂の邪魔をしたわけだな」と誤解し攻撃する。しかし、そこでも戦いに夢中になり赤ん坊を危険な目に遭わせ、面倒を見てやっていたねずみ男を怒らせたことから、自分の今までの無責任な行動を思い返して反省し、ねずみ男に礼を言い「本当に坊を思うなら古い住処にこだわって人間と争うより他所に移り住むべきだった、儂らはそうするよ」とお別れの言葉を残して赤ん坊を引き取り妖怪横丁を後にし去っていった。見上げ入道との関係は言及されていない。
見越し入道の赤ん坊
声 - 冬馬由美(第5作)
アニメ第5作第38話登場。赤ん坊だが怪力は父親譲り。親とはぐれたところねずみ男に拾われ、ねずみ男にだけ懐く(鬼太郎たちには一切懐かなかった)。ねずみ男は彼に「ネズミージュニア」と名付け面倒を見て情が移る。
百々爺(ももんじい)
声 - 柴田秀勝(第2作)、今西正男(第3作)、松尾銀三(第4作)、西村知道(第5作)、斎藤志郎(第6作)/ 演 - 神戸浩
陰険な手段を行う卑劣漢の妖怪。本作では鼻のでかい禿げた頭に左右に白髪を生やした老人姿である。鼻毛を飛ばす「鼻毛針」(威力は鬼太郎の髪の毛針と同等)や、幻覚ガス入りの鼻ちょうちんで分身を見せる「鼻もんもの術」を操る。初登場は『妖怪大裁判』(初アニメ化第2作3話)。鬼太郎を罠にはめ冤罪に陥れようとしたが、最終的に失敗し、天狗ポリスに身柄を拘束され嘘の証言をしたねずみ男共々有罪判決を言い渡された(原作と第2作では禁錮3年刑、ねずみ男は最初は禁錮1年刑であったが鬼太郎が嘆願してくれたことで3ヶ月に減刑)。アニメ第4作と妖怪千物語では鬼太郎を陥れようとした役割はぬらりひょんに変更された。第3作では32話で初登場後、101話にも登場して虚無僧に変装し板鬼を使って悪事を働いた。最期は板鬼共々井戸に落ちた。第4作では47話でカラスの糞だらけにされた恨みを糞で返そうと復讐を狙い、106話で井戸仙人から妖怪医学書を盗みカラスの糞を材料に格別に臭いガスを染み込ませた手紙を鬼太郎に出して妖怪ノイローゼに陥れたが、鬼太郎が恐怖を克服したため幻覚妖怪は消滅し反撃を食らって自分がガスを嗅ぎ、迫る幻覚妖怪に怯えながら恐れが淵へ落下する末路を辿った。第5作は47話に登場し、妖怪世界では慈善家として知られているが、本性は狡猾かつ卑劣な性格。鬼太郎が地獄の鍵の無断使用で投獄されたことを知り、自分の名声を高めるために鬼太郎が妖怪の秘湯を人間にバラしたと偽情報を流して彼を裁判にかけるが、賄賂で味方に付けていたねずみ男(元々味方になるふりをしていた)に裏切られ、その後は鬼太郎と交戦するもぬらりひょんの横槍で捕らえられた。第6作は42話に登場。自分の意志で鬼太郎をはめたのではなく、名無しに利用されていた(名無しの目的は傍聴妖怪の悪意を集めまなに「金」の字の呪いをかけることだった)。
松本しげのぶ版では最後の黒幕として第11、12話登場。妖怪界のはみ出し者とされるが、鬼太郎を妖怪たちへの傷害罪で天狗法廷に訴え、有罪判決を勝ち取り溶解刑を執行させた。妖怪たちが好き放題に暴れ出す中でダイダラボッチを復活させるが、実は自分以外の妖怪全てを恐れ嫌っており、ダイダラボッチに食い尽くさせようとした。だが大天狗を食わせたために鬼太郎の封印が解け復活、失策の指摘と出番終了をねずみ男に告げられながら屁を喰らって倒れた。
白カラス
アニメ第4作第106話に登場。百々爺の手下であり、「不吉なことの前触れ」と鬼太郎にさらなる怯えと恐れを抱かせ、妖怪ノイローゼを悪化させた。鬼太郎が恐怖を克服すると百々爺を置いて逃げ去った。
天邪鬼(あまのじゃく)
声 - 内海賢二(第1作)、野田圭一(第2作)、峰恵研(第3作)、田中和実(第4作)、平野正人(第5作)、楠見尚己(第6作)
初登場は原作『天邪鬼』(初アニメ化第1作47話)。その昔悪さを働いて狛犬の中に600年も封じ込まれていた根性曲がりの妖怪で、指図と他人の幸せを嫌い不幸を好む。また、燻製が大好物で、自分のアジトに燻製窯を作るほど。太平洋戦争で家族を失った悲しみから本来の優しい性格が意地悪になってしまった老人(第1作47話では名前が為助・声 - 北川米彦、第3作22話では名前が源次・声 - 石森達幸。第3作では世間の年寄りを敬わない傾向への不遇感や浮かれ過ぎて傲慢になっている若者たちへの不満を天邪鬼に付け込まれただけで、こちらも本来は優しい性格)の夢枕に立ち唆して封印を解かせ、現世に復活し町に下りて大暴れを始めた。自ら千人力と称する怪力の持ち主であり、戦闘車両も撃退したことで、自衛隊から要請された鬼太郎と戦う。さとりの怪とも呼ばれ相手の心や妖気も素早く察知し(第4作以降はこの能力をもっていない)、鬼太郎の潜入や変装を見破ったが、最期は岩で鬼太郎を潰そうとした時にリモコン手でくすぐられて逆に下敷きになり(アニメ第1作では沼地に誘導され沈んだ。第3作ではダム破壊のため用意した爆弾を子泣き爺に奪われ、谷間で鬼太郎を追っている時に頭上でそれを爆破され埋もれた)岩の上に魔除けの毘沙門天像を置かれて再び封じられた。原作『妖怪大裁判』(初アニメ化第2作3話)では見上げ入道たちと組んで鬼太郎を窮地に追い込んだが、百々爺に騙されたと知ると鬼太郎に謝罪し和解した。第5作では手の目とコンビを組んでおり、47話で行われた裁判で百々爺の指揮の下に鬼太郎を窮地へ追い込んだが、妖怪横丁の住民達に取り押さえられ、88話では地獄クイズ大会で鬼太郎暗殺を企んだが失敗し、一部始終を閻魔大王に見られていたため手の目共々釜茹での刑に処された。第3作劇場版『最強妖怪軍団!日本上陸!!』では、鬼太郎ファミリーや他の日本妖怪たちと組んで中国妖怪軍団の侵攻に対抗するが、首領格のチーに他の妖怪たちと共に反物にされてしまう(その後、鬼太郎たちがチーたちに勝利したことで全員元の姿に戻れた)。
第4作26話では心を直接読まないが洞察力には優れ相手の心理状態も正確に見抜き、自分が「自由」であることに凄まじい意志と信念を持つ。ねずみ男が誤って封印を解いたために暴れ出し、さらった大河内財閥のわがままな一人娘・百合香(声 - 荒木香恵)を鬼太郎たち共々燻製にして食べようとした。過去作同様圧倒的な怪力の持ち主で、機動隊も容易く撃退し、ぬりかべとも互角に戦うが、最期はぬりかべと組み合っていた最中に頭上から重石の石風車を落とされ(ぬりかべは瞬時に地中に潜って回避した)、さらに石化した子泣き爺が載ったことで耐え切れずに圧し潰され再び封じられた。
第6作92話ではぬらりひょんと朱の盆によって封印を解かれるが、敢えて自由に行動させることにして(他人から指図されることを極端に嫌うことを知っていた為)ぬらりひょんたちは早々に立ち去ったので、彼らとは遭遇していない。復活した直後に遭遇したねずみ男を通じて、落ち込んでいたテレビディレクターの奥田佑太(声 - 沼田祐介)に人々へ天邪鬼が悪戯や嫌がらせする映像を撮らせて番組内で放送させ、番組が高視聴率を立て続けに出してレギュラー化したことでその悪行もエスカレートしていった。過去作同様怪力で暴れるが、自分の間違いに気づいた奥田に見限られ、最期は鬼太郎の指鉄砲で倒された。
猫仙人(ねこせんにん)
声 - 大竹宏(第1作)、青野武(第3作)、矢田耕司(第4作)、江川央生(第4作・64話)、稲葉実(第6作)
「猫仙人」(初アニメ化第1作17話)に登場。不老不死の秘術を見つけ、猫塚と呼ばれる祠に1200年も生き続けている仙人。長い毛と大きな目が特徴(第3・4作では顔が猫のようになっている)。その秘術とは自分の肉体と魂を分離し、魂は普段猫の中に宿らせ(アニメ第3作では命の水が入った宝の玉に吹き込んでいた)、肉体は猫塚の中で冷凍保存して、非常時以外はなるべく使わないようにするというもの。幹線道路工事の為猫塚が破壊された事に怒り、工事現場と麓の村を猫の大群に襲わせ村を占領して人間達を奴隷のように扱った。伸縮自在の体を持ち、猫に限らず魂を生物から生物へと乗り移らせる事が出来る。一度は鬼太郎に敗れたように見せかけ村の少年(第1作ではねずみ男、第3作ではユメコ)に乗り移って油断している鬼太郎を毒殺しようとしたが、見破られて魂金縛りの術で石の中に封印される。第4作では改心し、身寄りのない猫たちを引き取りどこかへ去った。第6作では目が4つある。200年前に猫塚に封印されていたが、朱の盆によって封印を解かれた。目から相手を猫に変える光線を発射する。かつて猫が飼い猫からペットになってから大事にしない人間が増えており、多頭飼育崩壊などに怒り、その恨みとして多くの人々を同じ目に遭わせ、残りの人々を猫に変え苦しめた。鬼太郎も猫に変えるが最後はねこ娘に倒される。猫にされた人々は元に戻り感謝し、改めて猫を大切にする気持ちを持ったが、監禁から解放された一部の連中は自分の悪行を棚上げする態度を変えず、激怒したねこ娘に脅されて恐れをなし逃げて行った(後にぬらりひょんの誘導だと判明)。
『妖怪千物語』では3話登場。
大黒猫
第4・6作登場。猫仙人が化けた姿。その名の通り、巨大な黒猫の姿をしている。
のびあがり
声 - 田中康郎(第3作)、立木文彦(第4作)、津久井教生(第5作)
伝承もある妖怪だが、本作では「吸血木」(初アニメ化第1作19話)に登場。地中深くに棲む半透明でゲル状の体と無数の腕を持つ単眼の妖怪。松代群発地震によって千石岩にある龍宮穴にできた通路から地上へ這い出してきた。人間を次々に襲って眠り花の花粉で眠らせて血液を養分とする吸血木の芽を植え付けて吸血木にしてしまう。原作では厳密には「妖怪」ではなく、地上の生物とは違う発達をした「地下生物」という設定だった。また巨大な目は相手を催眠状態にさせ、飛行機を次々に墜落させた。調査に来た鬼太郎にも芽を植えつけて吸血木にするも、鬼太郎は驚異の生命力で木になった実から復活。水中で鬼太郎と格闘するも体内電気で感電、逆に吸血木の芽を植え付けられ大木となってしまった。原作や第1作では鬼太郎以外の木にされた犠牲者は元に戻れなかったが、第3作以降はのびあがりが倒されると元に戻る。第3作では2万年前に封印されていたのが地震によって復活し地上へ這い出してきた。人間の森林伐採に怒り、次々に襲って吸血木の芽を植え付けて吸血木にしてしまう。眠り花の花粉は使わず、結託したねずみ男に痺れ薬を盛らせて鬼太郎にも芽を植えつけて吸血木にするも、鬼太郎は驚異の生命力で木になった実から復活。ぬりかべが開けた穴で震源のマグマ溜まりと住処の洞窟を繋げられマグマに飲み込まれてしまった。第4作では10年前に遭難死した増本俊之(ますもと としゆき、声 - 立木文彦)の意志がのびあがりと合体し、雪崩から村人を守るために次々と直に手を触れて人々を木にしてしまう。のびあがり及び融合した俊之は木になった者としか会話できないため、事情を説明するため鬼太郎にも触れて木にするも、鬼太郎は驚異の生命力で木になった実から復活。融合していた俊之は雪崩から妻と娘を救い、のびあがりの苦手な朝日を浴びて水蒸気になってしまった。アニメで唯一善良な性格だった。第5作では砂風呂用の砂を掘った時に地上へ這い出してきた。小さい姿だが妖怪を次々に襲って種を飲ませて吸血木にしてしまい、そこから妖怪の生気を吸って巨大化し、妖怪横丁をパニックに陥れた。砂かけ婆の若返りの砂の失敗作をかけられ煙と炎に包まれ苦しみ暴れまわるが、吸血木にされた鬼太郎の意識がちゃんちゃんこを操り炎に包まれ生気を失いおとなしくなり、(本作では実はならず木からそのまま元に戻った)鬼太郎によって元の砂場に戻された。子供のように無邪気な性格で悪意は全く無く、アニメで唯一生存している。第6作では大昔に封印されていたのがチャラトミの悪ふざけで封印の札を剥がされたせいで復活し地上へ這い出してきた。東京都の地下貯水槽付近を根城にチャラトミをはじめ「悪意」のある人間を次々に襲って吸血木にしてしまう。目から光の衝撃波を発して相手を吹き飛ばす。眠り花の花粉は使わない。世間では「人が木に変わる原因不明の奇病」とされたが、それを妖怪の仕業と信じる裕太から話を聞いたまなが妖怪ポストで手紙を送り、依頼を受けて現れた鬼太郎と対峙。最初の戦闘では、まだ妖怪が見えなかったまなを庇った鬼太郎を捕えて種を植えつけて吸血木にするも、鬼太郎は驚異の生命力で木になった実から復活。再戦では、妖怪を見えるようになったまなに潜在していた「偶然力」が引き起こした事故で目が弱点であることを見破られ、髪の毛針・リモコン下駄・指鉄砲の連続攻撃を目に食らって爆散してしまった。
『妖怪千物語』では花見の最中に妖怪たちを吸血木に変えた。砂かけ婆と木になった実から復活した鬼太郎によって種を植えられ自ら吸血木となり自滅した。
ぐわごぜ
声 - 高橋和枝(第1作)、千葉耕市(第3作)、くじら(第4作)
伝承もある妖怪で、本作初登場は『朧車』(初アニメ化第1作第58話「おぼろぐるま」)。ねずみ男のようなガウンを纏った姿。怪気象を使って日本全土の占領を企んだ妖怪の国の初代総理大臣。妖気定着装置である朧車を操って、先ず調布一帯を怪気象で覆い尽くし調布市街にある水木しげる(アニメ第4作では木水しげる(声 - 田中秀幸))の家を国会議事堂にするべく占拠。目玉おやじを人質に取ったが彼を呑み込んだために脳を支配されて妖気定着装置を逆回転させられ、怪気象共々消えていった。カロリーヌという一人娘がいる(第4作では登場せず、存在も言及されていない)。第4作では70話に登場。人間に取り憑き欲望や妄想のエネルギーを吸収する妖怪で、目玉おやじとは旧知の間柄。怪気象と共に東京に現れ、マンガのアイディアに行き詰っていた木水の願望を利用して次々に妖怪を生み出させることで妖怪王国を作り出そうと企んだ。口から放つ石化光線で鬼太郎を石に変えてしまうが、目玉おやじを飲み込んだことが仇となり、体を操られて鬼太郎を元に戻されてしまう。最後はねこ娘たちの反撃を受けて黒い霧状の正体を現すが、鬼太郎がちゃんちゃんこで起こした旋風によって吹き散らされ、ぐわごぜと共に怪気象や妖怪たちも消え去った。
第3作劇場版「激突!!異次元妖怪の大反乱」では、妖怪帝国の建国を企む妖怪皇帝(正体はぬらりひょん)に臣従する異次元妖怪を纏める妖怪総理大臣として登場。カロリーヌと揃いのペンダントを持っており、ペンダントを通じてカロリーヌの居場所を探知できる。これを利用してカロリーヌを保護した鬼太郎たちに襲撃をかけ、さらにカロリーヌをさらったように見せかけて囮にし、国会議事堂へ鬼太郎を誘き出した。狡猾な策略家である一方娘思いの優しい父親でもあり、本当の望みは娘と幸せに暮らすことだったが、カロリーヌが朧車に殺されたことをねずみ男に聞かされて愕然となり、「国の為だ、娘の一人ぐらい我慢しろ」と妖怪皇帝から冷たくあしらわれた事で自分たちが利用されていたに過ぎないと気づき、さらにカロリーヌが最期まで「パパを許して欲しい」と頼んでいた事を知って目を覚ます。その後国会議事堂の上で鬼太郎を追い詰めた妖怪皇帝に「娘を返してくれ!」と迫り逆転の一助となるが、妖怪皇帝に剣で斬られて転落し、娘と同じく光の粒子となって消滅。事件後ねずみ男はカロリーヌとぐわごぜの墓を作り、彼等親子の冥福を祈った。
カロリーヌ
声 - 三輪勝恵(第1作)、藤枝成子(第3作)、江原詩織(墓場鬼太郎)
ぐわごぜの娘。水色の髪とタレ目をしている。詳細は上記のぐわごぜ、および「墓場鬼太郎の登場人物」の項を参照。原型である「墓場鬼太郎」ではガモツ博士の娘となっていて、「ゲゲゲの鬼太郎」と「墓場鬼太郎」で性格も若干異なっている。第3作劇場版では金髪に青い瞳で原作及び墓場鬼太郎とは全くかけ離れた可愛らしい外見で登場。土蜘蛛に襲われた地下鉄から逃げ遅れていたところを偶然ねずみ男に助けられたことで彼に懐く(その外見と、自身の名前以外には「ねずみ男ちゃん」としか当初は喋らなかったことから、外国人の子供だと思われていた)が、その後に白溶裔に連れ去られてしまう。実はぐわごぜから「鬼太郎たちと遊んで来なさい」と言われて向かう途中でねずみ男たちと出会ったのだが、カロリーヌ自身は策略に利用されていたことを知らず、誘き出された鬼太郎とぬりかべをぐわごぜが朧車に石化させる場面を目撃してしまう。国会議事堂内に潜入したねずみ男に助けられ、鬼太郎たちを元に戻すには朧車の涙が必要であることと自身がぐわごぜの娘だと教え謝罪するも、カロリーヌを思いやったねずみ男からは優しく許される。その後、朧車から涙を奪取するも、激怒した朧車に跳ね飛ばされて致命傷を負い、ぐわごぜを許して欲しい事と鬼太郎への謝罪をねずみ男に託し、「もし、もう一度妖怪に生まれ変われたら、ねずみ男ちゃんのお嫁さんにして」と最後の願いを告げた後に彼の腕の中で息絶えて消滅した。
水虎(すいこ)
声 - 緒方俊也(第1作)、大竹宏(第3作)、大友龍三郎(第4作)、掛川裕彦(第5作)、江川央生(第6作)
体が水状の妖怪。そのため殴る・切る等の物理攻撃が通用せず、霧状になることも可能。生物の形も取れるが基本形態はシリーズによって異なる(原作・第3作では髪の長い幽霊、第1作・第4作完全体・第6作では虎、第4作の雄は虎の獣人型、「鬼太郎国盗り物語」と第5作では日本伝承風に虎のような顔の大型の河童、妖怪千物語では中国伝承風に虎顔の半魚人)。ほとんどの個体は冷気が弱点。後述の長江の水虎とは同系統妖怪だが別個の存在。初登場は原作『水虎』。雄と雌とが別の壺に密封され埋められていたが、雄の壺が少年達に掘り出されてその一人が飲んでしまったことで、その少年は雄の水虎に操られ雌を掘り出し始めた。雌が掘り出されて日本中に繁殖されるのを防ぐ為鬼太郎は少年を水責めにして水虎を追い出すが、逃げられる。再度現れた水虎に、鬼太郎は寒い雪の日にと条件を付け対決を申込み、慢心していた水虎は了承。当日わざと水虎を自分に取り憑かせて負けを演じ、雪中に潜って凍らせ再封印した。
アニメでは第1作14話で初登場。あらゆる生物や物体から水分を吸い取って生きている妖怪で、500年ほど前に中国から渡ってきて高僧に壺の中に封じ込められたが、孤児の人間の少女ゆり子に助けを求め壺から出され復活する。この事から、ゆり子に恩義を感じていじめっ子に虐められているのを助けたりしたが、村中が水分を吸われ全滅する危機に瀕してしまい、鬼太郎と決闘することになる。決闘の直前、使いに来たゆり子に壺に戻るよう頼まれるが聞き入れず、決闘で鬼太郎の目を回させて倒し、口から体ごと体内に入って殺そうとしたが、これは鬼太郎の作戦で最後は雪中に潜られ凍らされ再封印された。
第3作では9話で登場。原作同様の姿が本来の姿だが、猫のような目がついた霧状の姿で頻繁に移動する。設定内容は上記原作とほぼ同じだが、今作は水虎に取り憑かれた少年は新一(しんいち、声 - 川島千代子)といういじめられっ子で無理に雄を飲まされている。巨大な虎に姿を変えて猛攻し鬼太郎の体内に入るが、雪中に潜った鬼太郎に凍らされ再封印され壺は雌が封じられた壺の隣に置かれ埋められた。
第4作では56話で登場。雪国の温泉宿の一人息子の(のぼる、声 - 高木早苗)が友人の剛助(声 - 宇和川恵美)と琢也(声 - 上村典子)の目の前で恰好をつけたいが為に洞窟の封印を解いた(昇本人は水虎の事を知らなかった)。目玉おやじですら存在を知らなかったが非常に強力な妖怪とされ、古代には数多の妖怪たちが協力して夫婦を割き各々を別個に封じ込めていた。妻である雌(赤いスライム状)の封印された壺は巻物に記してあった。雄単体では、人間より二回りほど大きくて、下半身が不完全な獣人型だったが、妻と合体した事で空も自在に駆ける巨大な虎になった。洪水や雪崩、口から激しい渦巻く水流を吐くなど水全般に関して高い能力を持つ。妻の封印されていたダムを決壊させようと企むが、水中で鬼太郎と対決。雪雲で冷気を取り込んだ鬼太郎が妖気冷凍の術を発動し、わざと水虎に飲み込まれて体内からダムの貯水ごと水虎を凍らせ再封印した。凍らされた水虎は片手で持ち上げられるほど小さくなっていた。
第5作では1話で登場。自在に液状に変幻する体を持ち、風呂場・トイレ・排水溝など、水のある場所に現れる。白石(声 - 浦和めぐみ)、黒田(声 - 摩味)、赤井(声 - 斉藤貴美子)、青木(声 - 日比愛子)の少年4人が沼の塚を壊し封印を解いたせいで復活し、青木、赤井、黒田を連れ去り、白石も連れ去られる寸前だったが、鬼太郎の体内電気で逃走。鬼太郎ファミリーは白石を囮にし水虎を学校のプールから屋上におびき寄せ交戦。水分を奪われて弱体化するが、封じの札を貼られる寸前に突然降り出した雨によって力を取り戻してしまう。体内に入った鬼太郎の体内電気だけでは倒せなかったが、砂かけ婆の用意した「吸水性の高い鳥取の砂」と「竜の息」(熱や電気に反応して燃え上がる特殊な砂)を調合した砂をかけられていたことで、電撃に反応して発生した高熱によって水分が蒸発し力を失い再封印された。
第6作では64話で登場。人間の心の闇(怒りや憎しみといった暗く歪んだ感情)を反映して虎の姿になる液体状の妖怪で、生き物から水分を吸い取ってミイラにして殺してしまう。元々はある滝の近くの祠に封印されていたが、落雷によって祠が崩れたところへ自殺を決意し滝壺を訪れた主婦・辰川翔子(たつかわ しょうこ、声 - 恒松あゆみ)を唆して封印を解かせ復活した。翔子の一家は夫・(いさお、声 - 金本涼輔)が務めていた会社の倒産がきっかけで引っ越したが、引っ越し先の地域を牛耳る鬼久保食品の鬼久保一家(幸三(こうぞう、声 - 松山鷹志)、愛子(あいこ、声 - 斉藤貴美子)、優介(ゆうすけ、声 - れいみ))に目を付けられ酷い苛めを受けており、「苦しみから解放してやる」と約束した水虎は鬼久保一家をはじめとする翔子を苦しめていた周囲の人間(鬼久保一家に支配されていたとは言え、苛めに加担していた)を次々にミイラに変えて殺害してゆく。「これで解放される」と翔子は安堵するが、水虎が勲と息子・(れん、声 - 川口桜)までも殺めてしまい、心の奥底で「『昔と変わってしまった家族』なんかいらない」と思っていたことを水虎に指摘されたことでようやく自分の過ちに気付く。その後水虎は学校で鬼太郎やねこ娘と対峙しプールの水を吸収して巨大化するが、最期は翔子が持ち出した液体窒素を吸い込み冷気を込めた鬼太郎の指鉄砲によって凍らされて砕け散り、ミイラ化した人々は元の姿に戻って生き返った。事件後、翔子を逆恨みして復讐を企てた鬼久保一家はねずみ男がリークした辰川一家を事故に見せかけて殺害すると発言した動画が証拠となって逮捕されて破滅し、辰川一家は別の町へ引っ越し、水虎は祠のあった場所に再封印されたが全く考え方を変えておらず、その後も誰かに封印を解かせようとずっと待ち続けている。
『妖怪千物語』ではぬらりひょんの部下。朱の盆と協力し、鬼太郎を誘い出す。鬼太郎の体内に入るが、雪女の冷気によって凍らされ、そのまま体内電気で砕かれた。鬼太郎に完全に倒された唯一の個体。
毛羽毛現(けうけげん)
声 - 永井一郎(第1作)、大竹宏(第3作)、八奈見乗児(第4作)、村松康雄(第5作)
伝承にもある妖怪で、原作では「墓場〜」から「ゲゲゲ〜」に改題しての初エピソード「妖怪毛羽毛現」(初アニメ化第1作55話)に登場。目鼻のついた毛そのものの姿をした、神代から生きている妖怪で大の文明嫌いな性格。妖術で恐竜など太古の生物を作り出して(原作やアニメ第1,3作では子供の魂を抜いて化石に移すことで復活させる。第5作では眼光で相手の体を変化させることで恐竜に変えてしまう)使役することができ、恐竜を東京に進撃させて世界を太古の昔に還そうと企んでいたが、鬼太郎のやぶにらみ催眠術を食らって敗北。自分のことを人間には秘密にするという約束で子供達の魂を元に戻した。
第3作では17話に登場。「自分と仲の良かった恐竜などの生物を絶滅に追いやった上に、魂の無い冷たい生物(自動車や飛行機の事)ばかりを造る」として人間を憎み、妖怪と他の生物が調和していた太古の世界に戻そうとしていた。しかし蘇らせた恐竜たちと人間の少女が仲良くする様子を見て人間を見直し、人間と妖怪が仲良くできる時代が来ることを信じて子供達の魂を返し、眠りに就いた。
第4作では11話に登場。動物の毛や羽毛が集まって生まれた彼らの代表意思のような存在で、本作では恐竜を使役していない。霊山の古い祠に封印されていたが、ねずみ男が封印を解いたことで復活する。その為ねずみ男には恩を感じており、鬼太郎を捕らえ処刑しようとした際には彼の説得を受け入れて中止している。霊山周辺に利権絡みの高速道路が作られ、排気ガスによる大気汚染や酸性雨で森の大半が死滅しかけた事を知って怒り、がしゃどくろを操って通行する車を襲わせ脅かしていた。ねずみ男から事情を知らされた鬼太郎たちは怪奇温泉ツアーと偽り、社長の立川(たちかわ、声 - 麻生智久)と大臣の沼田(ぬまた、声 - 田中亮一)に恐怖を味わわせ懲らしめ、二人に森を元に戻すと誓わせる。毛羽毛現は鬼太郎たちの誠意ある行為を認めて矛を収めるが、森の再生を信じて「今度こんなことがあったら、その時は許さんぞ」と鬼太郎たちに釘を刺した。
第5作では28話に登場。目玉おやじによれば太古には複数の毛羽毛現が存在していたがほとんど絶滅したとされ、終の住処を探す旅の途中にゲゲゲの森近辺で行き倒れていたところをランニング中の目玉おやじに保護された。本来は白い毛並みだが、発見当時は鬼太郎も青ざめるほどひどく汚れており(人間の街に誤って入り込んで汚染された)、二人の看病で回復、目玉おやじとは親友になった。文明嫌いな性格が強調され、常日頃から地球や生物は太古の姿に還るべきと信じており、「恐竜拳」なる独自の健康法も編み出していた。終の住処には完全な自然環境を求めており、訪れた妖怪横丁の喧騒を人間世界と大差ないと見て失望、自らの手で理想の住処を作り出そうとし、森に妖怪達を誘い込んで恐竜に変え、さらに横丁を妖怪恐竜達に蹂躙させ壊させようとした。恐竜を使役せずともかなりの実力があり、腕を伸縮させてリモコン下駄を容易く弾き、鬼太郎も恐竜に変えてしまうが、井戸仙人の目薬を注された鬼太郎達は元に戻る。ぬりかべ恐竜に踏み潰されそうになるが目玉おやじに嘆願された鬼太郎に救われ、騒動の終結後に目玉おやじに横丁に居を構えるチャンスを与えられるも全く態度を変えようとせず断り、「ここにはわしの理想郷はもうない。お前のような奴を友達と思ったわしがバカだった」と絶交すると、どこかへ去っていった。
ふらり火(ふらりび)
空を飛ぶ牛馬サイズのニワトリ型妖怪で、毛羽毛現の乗り物。原作とアニメ第1,3作に登場。ねずみ男が発見して「空飛ぶ自家用車」にしようとし、村の子供と鬼太郎も乗せて飛ぶが急に言うことを聞かなくなり、主人である毛羽毛現のいる山奥へと降り立ち、恐竜に追われて逃げ惑う鬼太郎達に鳥モチのような糞を落とした。
海座頭(うみざとう)
声 - 内海賢二(第1作)、大竹宏(第3作)、沢木郁也(第5作)、青森伸(第6作)
伝承にもある海に住む琵琶法師姿の妖怪で、本作では「海座頭」(初アニメ化第1作26話)に登場。沈没船員達の魂を奪って船幽霊にし、更に船を襲わせ、そこに積まれた財宝を納めさせていた。また、大鮫を用心棒に使役している。鮫を倒して船員の魂を解放した鬼太郎に襲いかかり、魂を奪おうとしたが、逆に精気を吸い取られて(アニメ第1作では体内電気を食らった)海底に消えた。
第3作50話では海で死んでいった人間の魂を鎮める事を役目としている。瀬戸内海のある島同士で漁場を巡って争う漁師達に憤慨して漁船を大鮫を使って沈め、漁師達を船幽霊に変えた。船幽霊達が捕らえられ、大鮫が敗れると姿を現し琵琶を鳴らして源平合戦で命を落として尚も争い続ける武士達の亡霊を見せ、鬼太郎達に人間は長い歴史の中で過去を振り返らず争いを続けて来た事を伝え、過去を忘れず語り伝えていく事が亡霊達を鎮める方法だと語って船幽霊達の魂を持っていく事を了承するも「もしその事を忘れた時は再び船を沈める」と警告し姿を消した。
第4作のみ登場せず、舟幽霊に船を襲わせるポジションは海和尚が担う。
第5作4話では朱の盆に「海に漬けた子供は美味い」と嘘を吹き込まれ(ぬらりひょんの命令の可能性がある)、妖力で作った貝を手にした子供達を配下の船幽霊にさらわせていた。掻き鳴らす琵琶の音色で海の水を自在に操り、巨大な津波を作り出したり、水の壁を作り攻撃を防いだり、波の先を鋭く尖らせた「水流銛」という技を繰り出す。一反木綿と親しくなった少女の(あや、声 - 雪野五月(現・ゆきのさつき))を襲い、一反木綿を退け鬼太郎にも海上で有利に立ったが、一反木綿と鬼太郎の連携による回転技で妖力の源である琵琶を壊されて力を失い降参。子供達を返し、その際に朱の盆の事を打ち明けた。
第6作16話では江戸の昔から境港近海に住みそこを航海する北前船の財宝を狙って船幽霊を操り沈めていた。壺の中に閉じ込められ海底に封印されていたが北前船の財宝を探していたねずみ男が壺を開けてしまった事で復活した。復活後は沈めた北前船の財宝を運び出す人手としてまなの伯父・庄司を含む漁師達の魂を抜き船幽霊に変えていた。琵琶の音色で巨大な水の竜巻を起こし鬼太郎を苦しめるも、正気を取り戻した庄司の投球を顔面に食らい怯んだ隙に指鉄砲を喰らい消滅した。
『新妖怪千物語』では海神島(人食い島)近辺の漁場をねずみ男に紹介したが、(上海かに坊主に操られた)人食い島が起こした嵐に巻かれ漁師達と共に捕われる。ここのみ敵ではなく、船幽霊も使わない。
船幽霊(ふなゆうれい)
声 - 大竹宏(第1作)、戸谷公次(第3作)、根本幸多、松本考平(第5作)
伝承にもある海難事故の犠牲者の死霊。柄杓で海水を船に汲み入れ沈める。
本作では「海座頭」(初アニメ化第1作26話)に登場。ここでは海座頭に魂を奪われた沈没船員達で、他の船を沈めて宝を奪うためこき使われていた。筏で旅していた鬼太郎が船上で栽培していたモヤシに海水をかけ枯らした所を捕まり、事情を明かす。鬼太郎は海底に隠された魂を封じた壺を開け、魂を取り戻した船幽霊たちは人間に戻った。
第3作では本来は大人しく悪さをしないと言われている。ここのみ船に乗って現れ、海座頭の使役する大鮫が船を沈めて船員が海に投げ出されるとその上から柄杓で水をかけ沈める。元は人間の魂だけに個々の実力は低い。
第4作では海和尚の海水を回転させる特殊な装置に人間の魂を入れる事で生み出した。ある程度の自我を持つが基本的に海和尚の命令に従っている。柄杓を渡されると合体して柄杓と共に巨大な一個体になって船を沈め、仮に底抜けの柄杓を渡されても集団で渦潮を起こす事で船を沈めようとする。装置の海水の回転を逆にして使用する事で元の人間に戻せた。
第5作では元が人間である事は強調されず、海座頭の使い魔的な存在。陸に上がり海座頭が狙いを定めた子供を見つけ、海座頭の前に差し出す。
第6作では海座頭が漁師達の魂を奪い、海底の祠に閉じ込めて生み出していた。庄司は自我が辛うじて残っており、捜索船を襲った際に姪のまなを逃がす。祠の様子を海底から上がったねずみ男から聞いた境港の人々は、まなの説得もあって力を合わせ、ねずみ男にかけさせた綱で岸から祠の扉を引く。海座頭の命令で妨害に入った船幽霊たちと綱引き状態になるが、ぬりかべたちの加勢で扉が開き、魂は取り戻された。この件で力を合わせたことが幸いして、新旧住民の意見相違で開催が危ぶまれていた港大漁祭も無事開催され、鬼太郎ファミリーも歓迎された。
猛霊八惨(もうれいやっさん)
声 - 八奈見乗児(第2作)
原作では水木の別作品「妖怪水車」に登場。海で死んだ人間の霊が化けた、船幽霊と同系統の妖怪。モデルは千葉県銚子市での船幽霊の異称「モウレンヤッサ」。一反木綿を厚手にして足をつけたような姿(アニメ第2,3作では主によって遺体を圧延されている為)。集団で渦潮を横にしたような大波「妖怪水車(ようかいすいしゃ)」を起こす。アニメでは第2作39話初登場。神主のような服装の「八惨の主(やっさんのぬし)」に率いられ、主は八惨を作る儀式を目撃した少年を呪い殺そうとしたが、鬼太郎のちゃんちゃんこで倒された。主の正体は水死者の霊毛の集まりだった。海底には猛霊八惨の世界があり、少年はそこで父母と束の間の再会をする。
第3作98話では八惨の主は水精の翁(すいせいのおきな)。八惨(ここのみ「はっさん」と読む)を慰める祭の本義を人間達が忘れた事を怒り、妖怪水車で村を襲う。水車は鬼太郎が呼んだ水棲妖怪達に防がれ、翁は小型水車を放って鬼太郎と化け火の火炎連弾との衝突の末、急所である鼻を焦がされ退散した。
第5作92話では主や八惨の世界は登場せず、人間や霊を海に引き込んで仲間に変える。浪小僧の両親の仇であり、彼が師事する岩魚坊主が封じた悪霊を解放して仲間に加え、妖怪水車を起こす。だが浪小僧の大波を岩魚坊主が石化した堤防で防がれ、その隙に鬼太郎の体内電気で倒された。
モウリョウ
声 - 永井一郎(第1作、第3作108話)、増岡弘(第3作)、松尾銀三(第4作)、田中大文、川津泰彦、森岳志(第5作)、廣田行生(第6作)
死体に乗り移って生きている妖怪。毛むくじゃらの巨大な体と怪物のような屈強な顔つきがトレードマーク。原作では歯は四角形だが、アニメではギザギザの歯である。
初登場は「モウリョウ」(初アニメ化第1作31話「もうりょう」)。乗り移っている死体が古くなると、新しい死体を求めて墓を暴く。死体に乗り移ったままでも姿を現せるが、これは幻のような物で、現在乗り移っている死体を完全に焼いてしまえば消滅する。墓を暴いている所を墓守をしていた少年・玉吉(たまきち、声 - 小串容子)に目撃され襲ったが、鬼太郎の呼び寄せたつるべ火に死体を焼かれて消えた。
アニメ第3作では未練を残した死者の体に入って操る。
第4作では火葬が普及して入る死体がないため、生者を死に追いやって乗り移ろうとした。ただし、相手が生きたいという未練があれば体を奪うことは不可能。実体がないため攻撃が一切通用しない。ねずみ男の斡旋で心臓発作で倒れた特撮映画「大猿人」のスーツアクター長島晴之助(ながしま はるのすけ、声 - 青野武)の体を手に入れようとするが失敗し、街中で次々に人間を驚かせて事故死を誘発しようとした為、鬼太郎と対峙。体を譲れば暴れないと鬼太郎に要求し、自ら魂を出した鬼太郎の体を乗っ取るが、それが仇となってちゃんちゃんこで包まれ消滅した。
第2作6話「死人つき」にも登場するが、こちらはロシア民話をベースとした鬼太郎の登場しない短編『妖怪 魍魎(もうりょう)の巻、死人つき』に準拠し、第1作とは別種で各容姿も異なる個体が複数出現している。女性の死体に取り付き、それに引かれて数多な魍魎が集まってくる。日光に弱く、朝になったことに気付かず自滅する。第5作64話「もうりょうの夜」では魑魅魍魎の名称で同種の妖怪たちが登場。鹿羽村(しかはむら)に特有の現象「死人つき」として恐れられ、死人つきが起きる時節になると方々から妖怪が引き寄せられる。約50年近く前(第2作と時代は近い)にも鬼太郎に退治されたが再び発生し、若く有能な病院長の息子・泰造(たいぞう、声 - 森田成一)が「しかばねむら」と呼ばれ続けてきた自分の故郷の現状を憂い、迷信として一連の現象を否定しようとしたが鬼太郎の提案した「一人で夜を過ごせたら好きにしてよい」という賭けに負け、「迷信には真実が隠されている事がある」ということを思い知らされる。女性の死体に取り付いた魍魎は第2作では牛頭鬼のような正体で暴れたが、第5作では取り付いたまま滅びたので正体は見せていない。一体でも残ると仲間を呼び寄せてしまう為、鬼太郎は一番鶏を鳴かせず、時計を止め、カラスたちで窓を覆って日光を遮断するなど、夜中と勘違いさせる策を周到に練って一網打尽にしている。
第6作では78話登場。光を苦手とするため昼間は姿を現さず、雄叫びで怨霊を呼び寄せる能力を持つ。50年前に六黒(むくろ)村で暴れ、鬼太郎によって湖底に封印されていたが、女性の死体に乗り移り写真家・久能恭平(くのう きょうへい、声 - 野島裕史)に付きまとっていた。その女性は久能の恋人(50年前の事件に立ち会った村の現住職の養女でもある)・水葉(みずは、声 - 照井春佳)であり、仕事に行き詰まっていた久能は誤って水葉を湖に転落させた際、溺れる様子(死に瀕した女性)を格好の題材と撮影に没頭し溺死させており、彼女の久能への想いを利用し結界を破る事で復活した事が判明する。正体を現した後はその強靭なパワーで鬼太郎を追い詰めたが、水葉の遺体が作動させたフラッシュで怯んだ隙を突かれ鬼太郎の指鉄砲を受け消滅した。水葉の想いを知った久能は写真展の後、自首した。
土精(どせい)
声 - 竹本英史(第5作)
魑魅魍魎中唯一名前が明らかな妖怪。他の魑魅魍魎では知覚できない八角円の結界内を見る事ができるが、瞼が大きく重いため仲間に持ち上げてもらう必要がある。第2作や元ネタの『妖怪 魍魎(もうりょう)の巻、死人つき』では一眼だが、第5作では二眼となっている。
おどろおどろ
声 - 富田耕吉(第1作)、北村弘一(第3作)、佐藤正治(第4作)、西村知道(第5作)、増谷康紀(第6作)
伝承では「おとろし」とも呼ばれ、長毛に覆われた鬼面の獣のような姿の妖怪。伝承では、日頃不信心な者が自分の身勝手で願いを寺社等にて唱えると、鳥居などから降りてくるように出現して脅かすと云われているが、本作では毛を突き刺して人間の血を吸う吸血妖怪として登場。
初登場は『おどろおどろ』(初アニメ化第1作27話)。科学者が自らの体で「毛生え薬」の人体実験を行い、その薬の副作用で妖怪になり、超能力が身についたが人間の血を吸わなければ生きていけない体となってしまう。最初は血液銀行から買った血を吸っていたが、不味い上に高価という理由で新鮮な子供の血を吸うことに変更する。自分が苦心の末に手に入れた「ホウキ元素(魔女の箒の中に含まれている特殊な元素で、彼以外の人間はまだ発見していない)」を入れたプラモデルの飛行機で子供を誘拐して死なない程度に血を吸い、証拠隠滅の為に霊界輸送機で霊界に送っていた。実は正太郎(しょうたろう、声 - 朝井ゆかり)という息子がおり、正太郎は人間に戻す研究をしているのでおどろおどろを殺さないように鬼太郎に頼むが、科学者当人は既に人の心を無くし秘密を知った者を全て葬る気でおり、霊界に送った子供達も帰す気は無かった。鬼太郎をも血を吸って殺そうとしたが逆に吸い返されて死亡し、子供達は霊界から助け出されたが、事件解決の後に正太郎は、科学者が人の心を無くしていた状態だったとは言え自分の父親の命を奪った鬼太郎に泣きながら石を投げつけ罵声を浴びせていた(この時鬼太郎本人は「可哀想だが、こうするしか無かった」と、複雑な気持ちで立ち去って行った)。
純粋な吸血鬼として登場する場合もある。墓場鬼太郎「下宿屋」のリメイクであるマガジン版「おどろおどろ対吸血鬼」では夜叉の代役として登場。ドラキュラ四世と相打ちになった(さらにガロ版『鬼太郎夜話』では牛鬼にも置き換えられていて、アニメ第3作では他者にとりついて変化させる性質、第6作では鬼太郎が牛鬼に乗っ取られた時、目玉おやじもねこ娘も如何したらいいのか分からず辛い体験をしたことが、後のおどろおどろの事件と同じことだと目玉おやじは例えるシーンが描かれる等、意味合いは異なるものの牛鬼ともなにかと作中で縁のある扱いをされている)。
「妖怪千物語」では封印の祠が研究所改築で崩されて復活、魂が科学者の髪にとりついた。体内に取り込んだ科学者を人質に息子の正太郎を脅して模型飛行機で子供達を誘拐させ血を吸う。鬼太郎の血と妖力を吸収して更に強大となるが、彼が引きちぎったおどろおどろの髪を受け取った正太郎は指示通りそれを祠で焼き、灰を模型飛行機で撒いておどろおどろを弱らせる。鬼太郎はその隙に妖力を吸い返し、おどろおどろが封印される前に科学者を切り離し助けた。
第3作では第37話登場。本体は妖気で、天命に背き欲望の虜となり人間の心を失った者にとりつき変化させる。不老不死の研究に没頭し過ぎた科学者が妖気に憑かれ変化し、原作や他シリーズと異なり口内に更に円形の口があり、そこから伸ばした触手で吸血する。息子は隆(たかし、声 - 塩沢兼人)という大学生の青年で、彼が父の獲物になる子供を誘拐。隆はそれを続けるのに耐えかねて逆説的に「この事件の犯人はぼくだ。手を出すな」と妖怪ポストに投函し、鬼太郎が事件の解決をするよう仕向け、父が倒された後は鬼太郎を憎まず感謝し警察に自首に向かった。
第4作では第38話登場。息子がいるという設定はないが助手(声 - 根谷美智子)が助命を嘆願、作りかけの元に戻る薬に鬼太郎が妖気を清めた血を入れ、それによって元の人間に戻り救われた結末を迎えた。
第5作では第21話登場。原作とは異なり完全な妖怪として登場。「関谷教授」に化けて大学に入り込み、恋をする女学生の血を好んで吸っていた。血を吸われた相手は操られる。鬼太郎の血を吸おうとするが、鬼太郎が体内に溜めた電気を吸収したことで感電し、髪の毛槍を喰らった後にちゃんちゃんこで包まれ妖気を吸収・圧縮されて消滅した。なお、この「関谷教授」の姿はマガジン版で相打ちになったドラキュラ四世に酷似していた(「ドラキュラなどという青っ白い西洋妖怪ではない」と発言する)。第47話では枕返しや黒坊主と共に鬼太郎を糾弾する検察側証人として、霊体の状態で妖怪大裁判に出廷する。
第6作では第43話登場。遺伝子研究者の小野崎彰悟(おのざき しょうご)が、研究開発した不死細胞が再現試験で悉く失敗してしまったことに焦り、遂に自身に人体実験を施した結果、不死身の体になるも副作用で妖怪になってしまう。普段は人間の姿で理性もあるが、定期的に血を吸いたくなると妖怪おどろおどろに変身して家を飛び出し人を襲って体毛から吸血していた(襲われた者の生死は不明)。おどろおどろになった際にも記憶は残るが理性はほとんど無くなってしまう。月日が経つにつれ変身する周期も縮んで行き、これ以上人を襲いたくないと苦しんだ彰悟は自殺(毒を飲む、飛び降り、自分の腕を刺すなど)を何度も試みたが人間時には死ねない体となってしまい(不死細胞となったことで、いくら傷つけようとも驚異的な回復力で瞬時に自己治癒してしまうため)、鬼太郎に「おどろおどろになったときの自分を殺してくれ」と依頼する。事情を聞いた鬼太郎は「考えさせて欲しい」と言って帰るが、彰悟は直後におどろおどろとなって通りすがりの女性を襲ったため鬼太郎と対峙。初戦では彰悟の娘の美琴が庇った隙に逃げ帰る。再び変身した際には美琴の事が心配になり捜すために外出したまなを襲ったため、まなを救出に入ったねこ娘と対峙し、そこへ駆けつけた鬼太郎と再戦。美琴は再び駆け付けて止めに入り、それに気を取られた鬼太郎をおどろおどろは髪で捕えて締め付けるが、衝動を抑えられず遂に美琴の血まで吸い始めてしまう。おどろおどろの中に僅かに残った彰悟の心が「娘を殺したくない、今のうちに自分を殺してくれ」と懇願したため、ついに鬼太郎も覚悟を決めて指鉄砲を発射。最期は彰悟の姿に戻り、美琴が自分の誕生日に贈ってくれたネクタイピンを手にしながら「これでいいんだ、これ(ネクタイピン)をありがとう」と駆け寄った美琴に言い残して消滅した。事件後に鬼太郎は小野崎家の墓を訪れ彰悟を弔ったが、そこですれ違った美琴は、いくら彰悟が望んでいたことだったとは言え自分の父親の命を奪った鬼太郎に「私はあなたを許さない。絶対に。」と憎悪の言葉をぶつけ、妖怪に憎しみを募らせるようになってしまった。美琴の詳細は、後述の「鬼太郎と敵対した人間」の「小野崎 美琴(おのざき みこと)」の項目を参照。
牛鬼(ぎゅうき)
声 - 斎藤志郎(第5作)
頭部は牛の角や耳を備えた鬼、胴は蜘蛛に似た怪獣サイズの海の妖怪。鋭い爪が武器。他にも日本各地で様々な伝承があり、その姿も土地ごとで微妙に異なる。
原作初登場はガロ版「鬼太郎夜話」で、貸本版「下宿屋」の夜叉とほぼ同じ役回り(後述の「中国妖怪」の「夜叉」の項目を参照)。
マガジン版「牛鬼」やアニメ(第5作を除く)、千物語では知性は見られず獰猛で狂暴な怪物として描かれており、破壊と捕食を繰り返す。その昔に神・迦楼羅によって封印されていたが、封印場所を荒らされたことで復活した。正体は細胞を変化させる生きた気体で、他の生物の体を乗っ取ることで初めて牛鬼としての実体を得る(この本体は目視することができない上に鬼太郎の妖怪アンテナにも反応しない為、誰にも気付かれることなく寄生できる)。宿主が死ぬと最も近くの生物に乗り換えその者が新しい宿主となる。牛鬼を殺した者は牛鬼になってしまうという伝承にもある通りに殺された場合は加害者に取りつき新たな牛鬼となる(その理由は、この場合加害者が一番近くにいるからとの事)。作中では主に前の宿主を倒してしまった鬼太郎に憑依し暴れるが、目玉おやじ達の祈りに応えて現れた迦楼羅の笛の音に誘われ鬼太郎の体から分離、回収、再封印された。シリーズを通して鬼太郎が完全に勝つことはできない数少ない妖怪で神である迦楼羅にしか退治できない。
アニメ版では第2作15話に初登場。千年ほど昔にある海沿いの村に現れたが牛鬼岩と呼ばれる岩近くの海中に封印されていた。しかし、何らかの形で忠太という少年の父親に寄生して実体を得て海中に潜んでいた。牛鬼岩で釣りをしていたねずみ男に釣り上げられ姿を現しねずみ男を飲み込み村を襲った。村を訪れていた鬼太郎の髪の毛で絞殺されねずみ男が脱出した後、鬼太郎に憑依した。駆け付けた目玉おやじ達や村人の祈りに応えて現れた迦楼羅によって火山の火口に落とされマグマに耐えきれず鬼太郎から抜け出て逃げようとするも迦楼羅の風呂敷に回収され、復活した鬼太郎の手で鉛の箱に入れられ再び海中に封印された。
第3作では42話に登場。全身、暖色系の色をしている。村人が立ち入り禁止している海鬼の磯に封印されていたが忠吉(ただきち、声 - 広中雅志)とサブ(声 - 難波圭一)という青年2人が小遣い目的に密漁に入り忠吉が封印石を動かしたことで彼に憑依して復活した。その後ねずみ男が釣りをしたのを機に姿を見せねずみ男を飲み込み一度は海に姿を消した。鬼太郎たちが駆け付けると再び姿を見せ、村を襲い鬼太郎の髪の毛針を目に受けて壁に激突しねずみ男が脱出した後息絶えたがすぐに忠吉の体を抜け出て鬼太郎に憑依した。最終的に子泣き爺の助言によって祈りが捧げられ姿を見せた迦楼羅によって火山の火口に落とされマグマに飲まれる寸前に鬼太郎から分離し、袋に回収され再び海鬼の磯に封印された。また、32話に先んじて妖怪パーティーの参加者の中に牛鬼らしき妖怪が参加して妖怪ダンスを踊っている描写がある(体色は黒く、背中に白い背骨のような模様がある)。サイズは、漫画版で鬼太郎の味方として登場している牛鬼(うしおに)と同じくらいの大きさ。
第4作では6話に登場。青色の体に赤色の模様を持っている。牛鬼岩に封印されていたが島の開発を目論んだワンマン社長の鬼頭(きとう、声 - 石森達幸)が釣りの際に封印の札を剥がしたことで復活。直後に鬼頭の操縦するクルーザーに撥ねられ鬼頭に憑依した。今作では牛鬼に憑り付かれた人間はまず影が牛鬼の影に変化し生肉を食らうようになり最終的に牛鬼になるとされている。また前の宿主を倒した分だけ強くなるので、更に手に負えなくなると言われている。鬼太郎の髪の毛で絞殺されそうになると鬼頭の肉体を抜けて鬼太郎に憑依しねずみ男などの仲間たちを次々に喰らうという展開になり目玉おやじの訴えで僅かに鬼太郎の意識が戻った隙に姿を見せた迦楼羅によって海に突き落とされ、鬼太郎から分離し新たな札に再封印され牛鬼岩に貼られた。鬼太郎たちも命を落としたと思われたが目玉おやじの親心に打たれた迦楼羅の恩情で鬼太郎たちは復活した。106話で百々爺の策略によって妖怪ノイローゼになった鬼太郎の恐怖が生み出した幻としても登場。口から突風を吐く。また、6話に先んじてオープニングに体色が渋い黄色の別個体が運動会でかけっこに参加している描写がある。サイズは、漫画版で鬼太郎の味方として登場している牛鬼(うしおに)と同じくらいの大きさ。
第5作ではデザインが変更され顔が小さめで胴体が細く足が長い。14話に登場。知性を持って言葉も話し、宿主の記憶や能力を利用する。殺生性は無く人間の恐怖心を食糧としており口から吐く糸で人間を生け捕りにして住処に閉じ込めて死への恐怖を与えるなどしている。数百年も昔、瀬戸内海の島々を全滅させたが蜘蛛島の守り神である迦楼羅に封印されていた。おごり高ぶった村長の息子らに金で雇われたねずみ男が復活させてしまい、まず最初はねずみ男に憑依、村人等を襲った後、より強い妖力を持つ鬼太郎に乗り変えようと画策し、おびき寄せるために暴れた。その後目論み通り現れた鬼太郎に憑依しちゃんちゃんこの柄が体表に表れ、毛針や大規模な体内電気を使うなど戦闘力も上がっているが、肉体を完全に支配することはできず、最期は牛鬼の意思をぎりぎりで負かした鬼太郎の意志で火山の火口に身を投げさせられた。燃え尽きる前に鬼太郎は迦楼羅(直接姿は見せていない)によって救出され、気体も鬼太郎から分離し袋に回収、再封印された(鬼太郎は詳しい記憶が無く溶岩で燃え尽きたと思っていた)。
第6作では22話に登場。オカルト番組の撮影に来たディレクター(声 - 稲田徹)とタレントの神宮寺(じんぐうじ、声 - 高塚正也)が島民の少年3人組(物語冒頭で祖父から聞いた牛鬼の伝説は本当の話だと主張していた恭輔を馬鹿にし島から追い出そうとしていた)(声 - 関根有咲、祖山桃子、内海安希子)からお小遣いを餌に牛鬼岩の場所を教えてもらい、岩の封印を解いてしまったために神宮寺に憑依し復活(肌は茶色で角は白)。コーディネーターとして同伴していたねずみ男(適当に金だけ貰ってずらかるつもりだったが、前金ももらえなかったため渋々同伴していた)を喰らい、更に街で暴れイベントと勘違いして逃げ遅れた人々をも喰らいパニックに陥れる。出動した警官の銃撃も物ともせずパトカーを発電塔にぶつけ街中を停電させる。見つかり襲われそうになったディレクターを庇ったねこ娘を爪で攻撃し右腕を負傷させるが、その直後駆け付けた鬼太郎と戦闘になる。角で鬼太郎を突き刺そうとしたがちゃんちゃんこを使った変わり身の術のように素早く躱され指鉄砲を額に受けて倒され、神宮寺は死んだが喰われたねずみ男や人々は助かった。だが直後に鬼太郎に憑依し再復活(肌は紫で角は赤)、街を破壊し暴走しながら迦楼羅の社に避難した人々を追い詰める(突然の大嵐の影響で島からの脱出も不可能な状態となっていた)。ねこ娘が囮を引き受けている間に島民と観光客、ディレクター、まな、目玉おやじ、ねずみ男の祈りが迦楼羅を呼び出し、火口に落とされ鬼太郎と分離し、風呂敷に回収、牛鬼岩に再封印された。この事件は鬼太郎親子にも大きな教訓として刻まれることとなり、第43話のおどろおどろの事件では同じ事例として鬼太郎親子の回想シーンに登場している。
『妖怪千物語』では15話で鬼太郎と一反木綿の螺旋槍を額に受け倒されると喰われた人々を生きたまま吐き出し、宿主は牛鬼の特徴を残した死体となり指名手配犯とわかる。本体は鬼太郎に憑依し(鬼太郎のちゃんちゃんこは残っていた)、16話で目玉おやじの親心に打たれた迦楼羅によって海に突き落とされ鬼太郎から分離、袋に回収、牛鬼岩に封印された。口から吐き出すよだれ(一反木綿曰く「臭い」)を武器にするが、鬼太郎に寄生後は毛針を使用した。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では特定条件下で仲間にできる。鬼太郎に寄生しながらも説得を受け、それを酌んだ迦楼羅によって寄生能力だけ封じられ、自分の体を持ったという展開。先述の仲間である牛鬼(うしおに)(その詳細は先述の「鬼太郎とその仲間」の「牛鬼(うしおに)」の項目を参照)の設定も加えられ、体も敵の時よりは小柄に縮んでいる。
逆柱(さかばしら)
声 - 北川国彦(第1作)、矢田耕司(第3作)、高木渉(第4作)、稲田徹(第5作)
伝承では上下が逆の古い木材で作られた柱の妖怪。本作では「げた合戦」に登場する。丸毛の子供を人質にして親丸毛に盗みをさせていた。丸毛を捕まえて調査に乗り出した鬼太郎のリモコン下駄を偽物とすり替え、それを履いた鬼太郎や触れたねずみ男をくっつけたまま踊り狂わせた。だが目玉親父に解放された本物の下駄に偽下駄を破壊され、しかもその下駄が本体だった為即死。1980年代「最新版」では電気を帯びた樹木の妖怪。野衾軍団を率いてその電撃で朦朧となった人間を集め、呑み込んで一人から二人の複製人間(実体は棒切れ)を部下として作り出した。鬼太郎達も複製したが[注釈 40]、根切り虫に根を齧られ根の塊の本体を現し(地上部は尾に過ぎない)、本物達を吐き出した後に湖に落ちて自分の電気で自滅。
アニメでは第1作第44話初登場。伝承通り上下が逆の柱が本体で、偽下駄は自分の一部で作った物。弱点は木材なので燃える事と上下を正しい向きに直されるとただの柱に戻る事。第3作では取り壊された名家の屋敷の跡地に立っていた柱が本体で、金を集めて屋敷を再建させようとしていた。伝承では家主に害を為す妖怪とされるが、本作では屋敷の柱として大事にしてくれた家主への恩返しが動機であり、根は邪悪な妖怪ではなかった。
第4作83話ではぬらりひょんに騙された。
第5作では妖怪横丁の寺に住む。逆向きではひねくれた性格になるが、正しい向きに直されるとおとなしくなる。
花子 / ミチル
声 - 山口奈々(第1作)、荘真由美(第3作)
花の妖精。「げた合戦」に登場。原作やアニメ第1作では気位が高く、普段は鬼太郎やねずみ男を軽蔑して口も利かないが、丸毛に貯金を盗まれて捜索を依頼して来た。アニメでは第1作第44話初登場。第3作では第52話登場。ねずみ男をも疑わない純真で優しい性格に変更され、彼が逆柱から奪還したリモコン下駄を受け取って鬼太郎に届けた。花吹雪を放つ術を使う。
1980年代『最新版』では第1話で後姿のみ登場。
小説「水木しげるの妖怪ふしぎ話」では「ミチル」と改称されている。
第3作第84話や地獄編に登場する同名のキャラクター(声 - 山本百合子片石千春〈地獄編〉)は人間であるため無関係。また、「トイレの花子さん」とも関連の無い別個の存在。
あまめはぎ
声 - 杉浦宏策(第1作)、槐柳二(第3作)、上田敏也(第4作)、飛田展男(第5作)、蟹江俊介(第6作第48話)、寺崎千波也(第6作第97話)
伝承にもある妖怪だが、本作では「こま妖怪」で伝承とは異なる姿のコマ回しが得意な妖怪として登場。頭にキノコを生やしている。子どもの足の裏の皮を食べるのが好きで、その妨げになる鬼太郎を倒そうとする。一度はコマ試合に敗れ引き下がったが、ねずみ男にイイナリ茸を食べさせて操り、鬼太郎を妖気消滅地帯に誘き出して術を封じ痛めつけた(あまめはぎのコマ技は妖気を必要としない)。だが脱出されて敗北、もう子供を襲わないと誓う。
アニメでは第1作第35話初登場。
第3作では第21話登場。「スーパーあまめはぎ」というフルパワー形態も披露している。
第4作では第52話登場。大雪でコマ神木が倒れ復活。子供好きで足の皮は食べないが、コマを粗末にする子供達に怒ってコマに変える。鬼太郎への術封じにはコマの結界を使用する。鬼太郎に敗れると、鬼太郎達の霊力で元に戻ったコマ神木で眠りに就いた。
第5作では第31話登場。土の中に眠っていたが、ねずみ男に頭のキノコを取られたことで土から出てきた。ねずみ男と手を組み、キノコを餌に子供達を襲うきのこ狩りにやってきたカズオ(声 - 福圓美里)にきのこを取られてコマ勝負を申し出る。自身が勝ったらカズオの足の裏の皮を食べようとしたが、鬼太郎に阻止される。その後、鬼太郎とのコマ勝負[注釈 41] で敗れた。その後、木の皮で作った巨大ゴマで再び鬼太郎とのコマ勝負で鬼太郎に勝利[注釈 42] し、鬼太郎にキノコを寄生させ苦しめた。カズオは鬼太郎を助けるために傘化けがコマ、一反木綿を紐にしてあまめはぎに3本勝負を挑むも、1勝1敗で傘化けがボロボロになってしまい、不戦敗となりかける前にねずみ男が鬼太郎を鍋で煮詰めた事でキノコが取れ復活した鬼太郎がカズオのコマとなりあまめはぎに勝利。鬼太郎たちに「二度と子供の足の裏の皮に手を出すな」と凄まれ、頭のキノコも剥がれ落ちて山に帰った。
第6作では鬼太郎と敵対せずほぼ群衆扱いで、第23話ではアパートにて、子泣き爺やがんぎ小僧、傘化けと共に酒を飲んでいた。その後、第34話では冒頭で妖怪慰安旅行にねずみ男は参加禁止の通告をし、第35話ではアニエス追放運動に参加しアニエスに石を投げつけたりしていた(猫娘を始めとする鬼太郎ファミリーが庇ったため中断)。第48話では妖怪に恐怖を抱きやられる前に妖怪たちを殲滅せんとする人間たちが調布のゲゲゲの森の入り口になだれ込もうとしてきたことから、もう我慢できなくなり他の妖怪たちと共に戦おうとする。その際、砂かけ婆や子泣き爺に「落ち着くんじゃ」「鬼太郎たちも戻ってこん、待ってくれ」と制されるが、「その前に俺たちが人間にやられちまう」と聞き入れなかった。第95話では妖怪大同盟の一員になっていたが、ベアード撃破後は人間や他の妖怪と共に喜んでいた。コマ回しは第6ED映像で披露。
また、彼と外見が似ている妖怪「物の怪」(小豆洗いとも似ている部分がある)が「鬼太郎夜話」に登場している。
手の目(てのめ)
声 - 富田耕吉(第1作)、銀河万丈(第3作)、石塚運昇(第5作)、茶風林(第6作)
『手の目』(アニメ化第1作37話)に登場。顔ではなく両の掌に目がある妖怪。本作では、その眼光を浴びた相手の手を一日に数時間操れる(アニメ第1作ではねずみ男の意識も操っている。第3,5作では眼光は破壊光線に変更)。人間の青年「山田」の手を操りサラリーマンを殺させ(アニメ第1作では重傷を負わせ)現金を強奪した。鬼太郎にも手を操ったり幻覚を見せたりして苦しめたが、彼と砂かけ婆に目を2つとも潰され、強盗殺人の真犯人として警察に突き出された。
アニメ第3作ではまず妖怪大裁判で百々爺の取り巻きとして登場。77話では餓鬼と共に洞窟に封じられていたのが人間が侵入して封印が解け、近隣の村人を捕らえワイン漬けにして食おうとした。飛ばす眼球はちゃんちゃんこをも突き破る。
第5作では第47話初登場。天邪鬼とコンビを組む。百々爺の指揮の下で鬼太郎を窮地に追い込む為、天邪鬼と組んで妖怪横丁のつるべ火を盗んだが、横町の住民達に発見されて取り押さえられる。88話でまたコンビで鬼太郎暗殺を企み、無間地獄の上で鬼太郎の命綱を眼光で切ったが仲間達が支えたため失敗、一部始終を閻魔大王に見られていたため、天邪鬼共々釜茹でにされた。
第6作では89話登場。本来はいたずら程度の悪さしかしない妖怪だったが、人間が妖怪を虐げる法律「妖対法(妖怪による不当な行為の防止等に関する法律)」を作ろうとしているとぬらりひょんから聞かされて人間を憎悪するようになり、「妖対法」の関係者の手を操り次々に殺害していた。鬼太郎の手を操ることで依頼人の弁護士・壬生陽子(みぶ ようこ、声 - 水沢史絵)を殺害しようとするも、ねこ娘が鬼太郎の手を切断したことで失敗に終わり、隠れ家での鬼太郎との対戦では、鬼太郎の左眼窩に潜り込ませた眼球を通じて仲間たちが人間に抹殺される幻覚を見せて苦しめるが、駆け付けた陽子に対妖怪用の特殊な銃弾で撃たれ倒れる(妖怪への恐怖心に駆られた陽子は鬼太郎たちにも銃を向けるも説得を受けて思いとどまるが、「妖怪にも生きる権利がある」「彼らもこの国の住人」と主張して「妖対法」に反対していた為に政府から危険因子として監視されており、直後に彼女諸共に妖怪を始末しようとする特殊部隊の襲撃を受ける)。最期は「俺の後を継いだ妖怪が人間どもを皆殺しにする」と言い残して鬼太郎やねこ娘、陽子や特殊部隊を道連れにしようと自爆した(鬼太郎のちゃんちゃんこで防がれ、大事には至らなかった)。事件後、妖怪の報復を恐れた関係者たちが総理を見限り辞職したために「妖対法」の制定は頓挫するが、計画を潰された総理は妖怪への憎しみを募らせ、妖怪側もぬらりひょんが手の目の犠牲を口実に決起を呼びかけたことで人間への憎しみを募らせた。陽子は相変わらず政府から監視されていたが、最終話で鬼太郎を応援していた。
人食い島(ひとくいじま)
声 - 青野武(第4作)
「人食い島」(初アニメ化第1作42話)に登場。和歌山県佐々岡村の沖に千年も前から住み、海神として毎月二人の生贄を村に要求し続けてきた。逆らうと嵐や大波を起こす。生贄は海神の住処と思われていた島の洞窟に送られていたが、その島こそが海神の正体である巨大な人間型生物「人食い島」だった。嵐や大波は島の凄まじい呼吸力による物。洞窟は口であり、そこから入った生贄は胃腸に送られ徐々に消化されてしまう。鬼太郎達に同行した村長は死んでしまったが、チャンチャンコの守りで消化を免れた鬼太郎に体内で胃液を撒かれたことで、逆に消化された。
第3作では元々は大人しく、村人から島神として祀られていたが急に生贄を要求。実は肺に寄生した海和尚の仕業で、鬼太郎が海和尚を倒すと元に戻った。消化力は全シリーズ最強で、鬼太郎も一度は消化され大便になってしまう。
第4作では動いたり話したりもできる。千年前「生贄は自分で最後にして欲しい」と身を捧げた姫に心打たれて食人をやめていたが、彼女の形見の首飾りをねずみ男に盗まれて暴れ出す。鬼太郎が首飾りを返すと鎮まった。消化液は人間には有効だが妖怪や半妖怪には無効。長い年月を経て人間のように容姿が変化するらしく、現在の姿は千年前と顔や髪型(に該当する木々の部分)が若干異なっている。
『新妖怪千物語』では昔は暴れ者だったが今は封印されて大人しくしている。封印の祠を上海かに坊主に悪用されて操られ、鬼太郎に助けを求めた。
ムジナ
声 - 大塚周夫(第1作)、安原義人(第3作)、高木渉(第4作)、根本幸多(第6作)、野沢那智(異聞妖怪奇譚)
アナグマの異称とされる、人を化かす獣。原作・第4・6作では鼻が尖った奇妙な外見だが、第3作ではかなり屈強な外見をしている。
『おりたたみ入道』(初アニメ化第1作第38話)に初登場。ねずみ男そっくりに化け(服には模様が入っている。アニメ第1作ではヒゲが少ない)子供たちから金を騙し取り、本人と鬼太郎に見つかるとおりたたみ入道をけしかけた。入道が倒されるとねずみ男の弟と名乗ったが、裾から尾が出ていて(第1作では2戦目で味方したねずみ男がちゃんちゃんこを燃やそうとした際、その煙で苦しみ)正体を見破られ逃げ去った。
第3作13話ではねずみ男の家に招かれるが、物を持ち去ろうとして鬼太郎に見つかり正体を現し戦う。まず眼光による幻覚を使い、見破られると陰嚢を部屋一杯に膨らませ鬼太郎を潰そうとするが、髪の毛短剣で破裂させられてしまう。砂かけに縫合してもらい感謝し反省、鬼太郎の頼みで一泊して山へ帰るまでねずみ男の弟を演じた(ただし44話で死神が父と名乗った際、ねずみ男は真相を知っていた)。エンディングの声の出演クレジットでは「ニセねずみ」と表記。
第4作36話でもねずみ男を騙し妖怪アパートに忍び込む。騙されたと気づいたねずみ男の怒りのビンタを受け反省し、山へ帰った。ムジナが去った後に自作妖怪シールの露店商売をしていたねずみ男は、幼い兄弟の客にただでサービスし、ムジナとの兄弟愛を思い出して「騙すならもう少し長く騙してほしかった」と涙ながらに呟いた。
第6作では50話に登場。今作ではおりたたみ入道とは組んでおらず、鵺からの命令で彼に化けて人々をさらい、廃墟となった鉱山労働者の集合住宅内で生気を吸い取っていた。鬼太郎と対戦になった際に自ら正体を明かし、「自分は鵺に脅されただけだ」と白状する。鬼太郎を追って来たねこ娘(地獄から復活した直後の幼女形態時)を人質に取り、見逃してもらおうとするが、零に本物の鵺の居場所を吐かされた挙句、殺され魂を吸収された。零は74話でムジナの化ける能力を使用し玉藻前に近づいた。
妖怪千物語では善良な性格でおりたたみ入道とは無関係。鬼太郎と敵対せず、西洋妖怪との戦いに加勢した日本妖怪の中にいた。第4作とほぼ同じデザイン。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では悪役として登場。見た目だけでなく声もねずみ男そっくりだったので鬼太郎達にはバレなかった。
ムジナがねずみ男に化けた際に着ていた模様の入ったマントは、他の水木短編作品でねずみ男本人が着用して登場する話も何度か描かれている。
おりたたみ入道(おりたたみにゅうどう)
声 - 内海賢二(第1作)、大竹宏(第3作)、川津泰彦(第4作)
『おりたたみ入道』(初アニメ化第1作第38話)から登場したビックリ箱のような妖怪で、むじなの背負うつづらの中にいる。水木しげるオリジナルの妖怪。
大きな口で何でも飲み込んでしまう。つづらの中に入ると無敵の防御だが、体内からの攻撃に弱く、鬼太郎に襲い掛かった際に毒まんじゅうを食わされて(アニメ第3作では一反木綿につづらから切り離された上に子泣き爺に押し潰され、第4作では食べた鬼太郎の体内電気を食らった後、霊毛ちゃんちゃんこで締め付けられて)倒される。
アニメ第1作のみ、正体がかかしとされており、育つのに100年掛かるらしい。原作同様毒まんじゅうで倒されるが、山の妖気で復活。再び鬼太郎を襲うも、また倒されてかかしに戻った。
妖怪千物語ではねずみ男(本人でむじなとは無関係)を唆して背負わせる。体内からの外道殱封で妖界の大気に封じられた。
かぶきり小僧
ムジナが幼い少年に化けた姿。人里の周辺に住んでおり、時々子供たちと遊んでいるという。「水飲め」と声をかけるが、その理由はわかっていない。
第5作では千葉県代表妖怪四十七士として覚醒。
レン
第6作準拠の小説「ねずみ男ハードボイルド」に登場するムジナ(鵺の影武者とは別個体)。戦闘力や人望には乏しいが知略と変化術に長け裏組織・猿鬼組のNo.2を務める。
雲外鏡(うんがいきょう)
声 - 杉浦宏策(第1作)、大竹宏(第3作)、鶴ひろみ(第3作・仮の姿・クモ子)、田中亮一(第4作)、久川綾(第4作・仮の姿)
「鏡合戦」(初アニメ化第1作29話)に登場。二千年以上経った銅鏡から生まれた妖怪で、少女の姿に化け、ねずみ男を利用して鬼太郎に近付き、鏡の中に閉じ込めた。少女の姿は仮の姿で本来の姿は長い髪を生やした巨大な頭。鬼太郎以上の妖力を持ち、砂かけ婆や子泣き爺も恐れをなして逃げ出すほどの実力者だが、聖なる鏡・照魔鏡の光を当てられると術が破られる。銅でできているため塩水に弱く、塩水入りのバケツを持った鬼太郎を飲み込んでしまったため(アニメ第3作では磯女が竜巻で飛ばした海水の雨を浴び、第4作や千物語では岩塩の粉を被った鬼太郎を呑み込み)赤錆と化した。第3作ではねずみ男に小便をかけられたが、通じず反撃した。
千物語では小学校にある古い鏡で、鏡像を操り、鏡像と本物を人知れず入れ替えることで人間界を支配しようとした。しかし鏡像のため姿は左右対称、人格も正反対であったため、難を逃れていた男子生徒・歩(あゆむ)が違和感を覚えて鬼太郎を呼び出す。最初は鬼太郎ですら妖気を察知できず、気のせいだと片付けられるところだったが、雲外鏡が鏡像の操作を始めたことで気配を感知した。
化け猫(ばけねこ)
声 - 永井一郎(第1作)、京田尚子(第3作)、青野武(第4作)
猫妖怪の総称としても使われるが、「ばけ猫」(アニメ化は第1作41話)では自動車に轢殺された猫達の亡霊として一個体が登場。自動車への復讐としてトラックに化けて突進、それで事故を起こした運転手はムチ打ち症ならぬ「猫うち症(いわゆる猫憑き)」に罹ってしまう。鬼太郎はねずみ男の運転する車でトラックを追跡して霊界に入るが、亡霊猫の群れに包囲される。ねずみ男が焚いたマタタビの煙(第4作では砂かけ婆の着物の袖に仕込んであったマタタビ香)で猫を眠らせ逃げ帰り、慰霊碑を建てて猫の霊を鎮めた。アニメでは猫の霊が集合して巨大な猫の姿にもなる。第1作では鬼太郎との格闘の末に足場が崩れ落石に潰され、鬼太郎に慰霊塔を建ててくれるよう言い残して絶命した。第3作では身を投げ出した鬼太郎に「お前たちを悼んでいる人間もいるんだ、僕を責めて気が済むならやってくれ」と言われ引き下がる。
第4作62話「怪奇!ばけ猫街道」では、交通事故に遭う猫達の守護者的存在で、犯人の人間たちを強く憎んでいた。人間が呪い殺される事で世間に広め、交通事故を減らす考えであった。事故を起こしていない存在には何もする気がないなど、本来ならば心根の優しい存在である事がうかがえるが、人間共への憎悪が激しく鬼太郎親子の説得にも耳を貸す余裕はなかった。高い呪力や運動能力、リモコン下駄を弾き返したり霊毛ちゃんちゃんこを軽く引きはがす、石化した子泣き爺を簡単に遠くへ放り投げる、口から毛針を跳ね返すほど強い息を吐いたり巨大化するなど、妖怪としても強い部類に入る(目玉おやじもかなり手強いと評している)が、マタタビには弱い。なお、ねずみ男も化け猫トラックに遭遇して事故を起こしているが、アニメ第4作以外は猫打ち症になっていない(第4作で猫の安否を気遣う運転手を邪魔してそのまま半ば強制的に放置させたのはねずみ男である)。第1作では同乗した鬼太郎が着けさせた幽霊族の品に守られたとされる。化け猫トラックによる事故を起こしても乗り手や車両に損傷はないが、妖怪自動車は最初ガードレールを突き破って河川敷に落下させられ、その後追突の形で猫の霊界に連れ込まれた。猫打ち症になると、三日三晩「猫踊り」を踊らされた挙句に霊界に引き込まれる。猫娘が砂かけ婆たちを説得して、轢かれた猫の飼い主だった農家のトラクターを借りて化け猫ダンプをおびき寄せた。なお、化け猫ダンプと直接体や車体が触れていないと猫の霊界には引き込めない(道路に落ちた砂かけ婆がタイヤの間を蹲ってやり過ごした)。マタタビ香で無力化された後は追撃もせず、人間たちやねずみ男の症状も治り事件も終結した。「妖怪大裁判」では大猫の姿で登場。百々爺率いる原告団に参加した(第3作以降は裁判後に登場したため参加していない)。
猫又(ねこまた)
声 - 江川央生(第4作)
歳を経て妖怪化した猫で、尾が二股に分かれている。初登場はアニメ第2作7話。「猫町切符」(初アニメ化第4作28話)では「猫町」の元締め。原作では人間が猫になる猫町切符を発行。アニメと新妖怪千物語では猫町に来た人間を連れ戻そうとする鬼太郎と争いになる。最後に鬼太郎達は逆猫町切符をもらって元に戻ったが、元から猫族のねこ娘以外は猫町の記憶を失った(原作ではねこ娘は登場しない)。
ジーダ
声 - 千葉順二(第2作)
第2作7話(水木の別作品「猫又の恋」が原作)に登場した、南方の島に住むシャムネコ風の猫又。飼い主が「娘に祟って嫁入りの邪魔をしているので始末して欲しい」と鬼太郎に依頼したが、実は別の妖怪・妖孤から娘を守っていた。老僧に化けてそれを伝え、最期は自分を犠牲にして妖孤を倒す。
猫子(ねここ)
声 - (アニメでは全登場作品において台詞なし)
鬼太郎の友達として『週刊少年サンデー』版に登場。
和服姿のボサボサ頭で、釣り目で円い頬の顔つきをした娘。ねこ娘と同じ性質を持ち、自身は「妖怪の一種」「人類には興味ない」など、本編内で人間ではないと言及し、猫が人の姿に変身して妖怪化した化け猫の一種のようにも解説されるが、関連書籍ではねずみや魚を見て化け猫と化す奇病を持つ人間であり、妖怪ではないとの記述もあり[14]、純粋な猫の化身妖怪なのか、妖怪的な奇病を持つだけで本来は人間なのか、作中でも厳密には不明確になっている(ねこ娘やねずみ男のような「半妖怪」との言及もない)。寝子と共にねこ娘の仲間とも扱われている[15]
原作本編では、ねこ娘同様に登場時は鬼太郎に惚れていたが、『週刊少年サンデー』版以降は明確に登場している描写がなく[注釈 43]、アニメでも原作における猫子の描写のほとんどが、ねこ娘の行動として描かれているが、第2作第19話(「釜鳴り」)など原作で仲間たちと一緒に登場する場面(いわゆるモブシーン)において、ねこ娘が別に登場する一方で猫子も登場している場合もある。
第4作40話(「夜の墓場は運動会!」)では、ねこ娘とは別に猫子も3シーンだけ登場し、夜の墓場で行われる「妖怪運動会」に他の多数の妖怪たちと共に集まって参加していた。
第6作第1話(「妖怪が目覚めた日」)では、レギュラーヒロインとして存在するねこ娘とは別に、アニメキャラ「ニャニャニャの猫子さん」として描かれている。
三毛(ミケ)
「雪姫ちゃん登場」に登場。誘拐事件が起きた村の少年の家に、少年の祖母の代からいる雄猫。少年達に鬼太郎を紹介し、捜査の間は雪姫の子守を引き受けた。
ノラ
声 - 島田敏(第5作)
第5作に登場。人間に育てられた猫が成長した。富山県出身で薬の専門家。97話にて人間を恨んで猫ショウになった兄弟を救いたい一心で妖怪四十七士に覚醒した。
猫魈(ねこしょう)
声 - 島田敏(第4作)、櫻井孝宏(第5作)
猫又が修学を積み、より強い妖力と無限の寿命を得た者。アニメでは「猫ショウ」と表記。
原作「妖怪猫魈」(初アニメ化第4作108話)では、ある学者が発見した「若返り法」の論文を盗んで食べた猫又が猫ショウになる。その方法は他者の生気を奪うことであり、人間や妖怪の生気を吸って最強の妖怪になろうとした。鬼太郎の生気も吸ったが、更に呑み込んだ際に逆に生気を吸い取られ死亡。第4作では最初に若さのエキスを吸い返した鬼太郎は使い方を知らず赤ん坊(精神は本来のまま)になり、呑み込まれた際に腹中の論文を読んで改めてちゃんちゃんこで猫ショウから若さのエキスを奪い普通の子猫に戻した[注釈 44]。第5作97話では猫又ノラの生き別れの兄弟で、人間に冷遇されてきた恨みからネコ娘やクロも含む猫達を操り復讐を企んだ。鬼太郎とノラに野望を阻止されて妖力を失うと自決して怨霊になろうとしたが、彼らに生命力を分与され子猫に戻る。ノラはその子猫を引き取りアサと名付けた。
姑獲鳥(うぶめ)
声 - 高橋和枝(第1作)、杉山佳寿子(第3作)、三田ゆう子(第4作)、山崎和佳奈(第5作)、勝生真沙子(第6作)、尾小平志津香(異聞妖怪奇譚)
人間の赤ん坊をさらって自分の子として育てる、巨大な鳥の姿をした女性妖怪。伝承では表記も「産女」とされて「うぶめ」と呼んだり、漢字表記を「こかくちょう」とそのまま呼んだりする場合もあり、共通する要素はありつつ人間の女の幽霊系な妖怪の解釈や鳥の妖怪の解釈もあるなど様々に異なる説が記録にある。本作では「姑獲鳥」(初アニメ化第1作46話)に登場。干してある布団に足形を付け、その布団で寝た子供におねしょをさせるという趣味がある。姑獲鳥石という石像に変えられ封じられていたが、自家用飛行機代わりにしようとしたねずみ男に神社から盗んだ羽毛を被せられて鳥の姿となって復活し(言い伝えによれば、更に羽毛を拭うと女怪になるという)、次々と赤ん坊をさらってコレクションしていた。武器はヘッドライトのような眼光と溶岩のような糞で、巨大な口は相手を一飲みにしてしまう。鬼太郎を丸呑みにして住処に連れ去り、檻に閉じ込めようとしたが、最期はつるべ火に羽毛を燃やされ、石像に戻った。
第3作では第24話登場。伝承の通り、道端で出産し亡くなった女性の魂が変じた妖怪で、親の役目を果たせなかった事への償いから赤ん坊をさらって育てる事に執着していた。ねずみ男が山中の姑獲鳥石と羽を持ち出し、知り合った大地主の男性・村山の命令で見世物にしようと復活させるが飛び去ってしまう。その後、病院を襲って多数の赤ん坊を連れ去り、ねずみ男や村山の息子の少年・秀男をさらってきて赤ん坊たちの世話をさせていた。鳥の状態から羽を被せられると石像に戻ってしまうのが弱点で、最期は髪の毛針で額に羽を貼り付けられ、姑獲鳥石に戻った。それまで成績優秀なことを鼻にかけていた秀男は、姑獲鳥との戦いで鬼太郎を助けたことを通じて「困難に立ち向かう勇気が本当に大切なこと」だと学び更生するが、父親の村山とねずみ男はその後も偽物の羽(本物は全て猫娘が回収して、人目のつかない場所へ葬ってやることにした)で姑獲鳥を復活させようとして醜態を晒しており、鬼太郎父子を呆れさせていた。劇場版『最強妖怪軍団!日本上陸!!』では、一反木綿が指揮を執る日本妖怪の空軍の一員として再登場するが、画皮の黒風に吹き飛ばされてしまう。
第4作では第81話登場。他シリーズと異なり、鳥の姿の際は前足が存在する。人間の女性の姿に化けることができ、ねずみ男に封印を解かれ彼の経営する24時間営業の保育所で子守のスペシャリストとして働いていたが、赤ん坊が集まったところで住処へさらい、永遠に赤ん坊のままで自分のものにしようとした。一反木綿に乗った鬼太郎と空中戦を行い遠くにおびき寄せられた隙に赤ん坊を救出され、最期はつるべ火に燃やされて落下し、石像に戻った。
第5作では第65話登場。今までと同じくねずみ男が復活させたが、他のシリーズと全体的な設定が大幅に異なっており、生前自分の赤ん坊を亡くした人間の女性の魂が妖怪化した存在で、子供をさらう理由が子育てではなく我が子を探すためで、「赤子返りの術」で子供のいる家に足跡を残しては、その家の子供を赤ん坊にしてさらっていた。身体が千年石で出来ており、外部からの攻撃は一切通じない。赤子返りの術で鬼太郎(の精神)まで赤ん坊にするが、猫娘の一喝で解け、最期は猫娘の猫騙しで怯んだ隙に鬼太郎に体内に入られ、弱点の羽根を体内電気で燃やされて倒される。その後成仏し、亡くなった赤ん坊と再会した。
第6作では第47話登場。親がそばにいない赤ん坊を住処に連れ去る習性があり、自身は「助けた」と言う。今作ではねずみ男に封印を解かれたのではなく、偶然住処に落ちて来た彼を育児にこき使っていた。子泣き爺を囮に住処を突き止めた鬼太郎達に見つかり、羽を矢のように飛ばしたり超音波で攻撃するが鬼太郎のちゃんちゃんこに拘束され体内電気を食らって懲らしめられ、二度と赤ん坊をさらわないと誓い赤ん坊達を帰してゲゲゲの森に移る。その様子はチャラトミの妖怪チャンネルで人間界に広く伝えられ妖怪に好感を持つ人間が増えるが、浮気で育児放棄して子供を衰弱させた卑劣な男女が姑獲鳥のせいに偽装報道したこと(男女のその後は不明)で、それは憎悪に変わり(妖怪チャンネルはこの展開を見越して名無しが仕組んでいた)、鬼太郎たちにも疑われた姑獲鳥(直後に、話し相手をしていた子泣き爺が「森から一歩も出ていない」「酒を一滴も飲ませてもらえなかった」とアリバイを証明した)は人間界に飛び出して傲慢な暴徒たちの罠に捕らえられる。まなが庇った隙に拘束を解き「人間なんて大嫌い」と叫び人間を憎みながらどこかへ飛び去った。
後神(うしろがみ)
声 - 小串容子(第1作)、池田昌子(第3作)、江森浩子(第4作)、土井美加(第5作)、桑島法子(第6作)
『後神』(初アニメ化第1作61話)に登場。
二つの目だけが付いた真っ黒な顔を持ち、足がなく浮遊する女の妖怪(アニメ第5作以外では人間態も取り、第3作では肌や髪に青みがかっている以外人間と変わらない整った容姿をしている)。サボテン好きな少年に妖怪サボテンを売り、そこの家族を始末して家を乗っ取ろうと企んだ。調査に来た鬼太郎達もサボテンに捕食させるが、サボテンを内側から倒されると自身に大した力はなく、鬼太郎のチャンチャンコで捕えられ、そのまま捨てられた(アニメ第1作では逃げ込んだ木ごと落雷で燃え尽きた)。第3作では59話に登場。鬼太郎ファミリーの男性が纏めてメロメロになるほどの美女で植物の世話が得意。一緒に花屋を開く約束をした人間の男性を捜して人里に現れ、ユメコの級友・野上カオリ(声 - 荘真由美)の一家が営む花屋を乗っ取った。髪を伸ばして敵を拘束するが、砂かけ婆でもちぎれるほど弱く降参。事情を知った鬼太郎達が男性の捜索を手伝い、救出された野上一家も滞在を許すが、彼は事故死していたことがわかり、悲しみを胸に山へ帰った。第4作では55話に登場。『幸せを運ぶサボテン』として妖怪サボテンをある一家の父親に渡し、一家を妖怪サボテンに喰わせて自身も生気を得ようとする等、妖怪サボテンとは共生に近い関係にある。影を操る能力を持ち、自身の操る影の世界で鬼太郎を苦戦させるが、つるべ火の大群に照らされて影が消滅し、影を求めて封印の壺に誘い込まれた事で封じられた。
第5作では第86話に登場。ダム建設で住処の祠を失い、人間の少女・真奈美(まなみ、声 - 福圓美里)の家にたまたまあった妖怪サボテンを利用して家を乗っ取った。サボテンを倒された仕返しに鬼太郎の背後に取り憑くも、それが仇となり体内電気であっさりと敗北。気の毒に思った砂かけ婆の誘いで妖怪長屋に行くが、「こんなボロい所には住みたくない」と断り、その後は自分で家を購入する費用を稼ぐため、妖怪横丁の大風呂屋敷に住み込みで働き始めた。
第6作では第59話に登場。元々は山奥に住む気性の優しい妖怪だが、人間たちの土地開発で住処を失ってしまい、新しい家を得るため名前の「後神」をもじった「八代(やしろ)ミカ」と名乗って(人間のフリをして)人間の街の花屋で働いていた際、三田村(みたむら、声 - 田中健大)という男性に出会い交際していた。仕事の都合だと言って去った彼の「2週間したら戻る、そしたら一緒に暮らそう。窓から飛行場の見える家で」という約束を信じて待ち続けるうちに、「『窓から飛行場の見える家』で2週間待っていればきっと帰って来る」「彼が帰って来ないのは家を間違えたから、駄目ね私、彼に怒られちゃう」と純粋だった思いが次第に屈折していき、2週間ごとに窓から飛行場の見える家を妖怪サボテンに襲わせ移り住むという狂気じみた行いを繰り返すようになってしまった。鬼太郎は連続失踪事件として追っていた中、桃山家が襲われたとまなから知らされ対峙。サボテンを倒された後神は、彼女が三田村へ全財産を渡した事を(数日前にサボテンに捕食される直前)聞かされたねずみ男より「帰っちゃ来ねえよ、その男は詐欺師だ」と正論を指摘されるが否定して飛び出し、偶然見つけた三田村の元に向かう。しかし、ねずみ男が指摘した通り三田村は悪質な結婚詐欺師で、その時も別の女性を口説いており、既に用済みとなった後神へ冷酷な態度で素知らぬ振りをして追い返そうとし、激怒した後神は三田村に襲い掛かる。直後に駆けつけた鬼太郎にちゃんちゃんこで止められ、「これに懲りたなら、もう二度と女性を騙さないと約束して下さい。そうじゃないと僕は後神を止められません」と鬼太郎は三田村に警告してその場は収めたが、この時後神は泣き崩れるも三田村の今後の行動を直感したらしく不気味な笑みを浮かべ、後神の予想通りにその後も三田村は性懲りなく女性を騙していた為、「やっぱり約束破ったのね。これからはずうっと一緒よ。あなたが死ぬまで…」と宣言した後神に取り憑かれる末路を辿り、鬼太郎に愛想を尽かされた。
妖怪サボテン(ようかいサボテン)
声 - 塩屋浩三(第3作)
サボテンの妖怪で、後神の相棒。愛称サボちゃん。花を伸ばして人間を捕食して養分にし、その度に瘤が増えていく。後神が狙った家の住人を捕食させたが、鬼太郎を食べた際に体内からの指鉄砲で退治され、食べられた人々は解放された。
アニメ版ではシリーズによって、棘を射出したり(アニメ第3、4作)、民家に入る程度の巨人型になったり(第4、6作)、催眠ガスを吹いたり(第5作)する。第3作では体内は広間のようになっていて、獲物は暫くしてから消化液で溶かされる。自我が強く人語も話し、後神の事情と彼女に同情して加担したことを呑み込んだ鬼太郎たちに語る。後神に惚れているとねずみ男に指摘され照れていた。後神が降参しても獲物を解放しようとせず、後神は止む無く中央の茎を切るように鬼太郎に伝え、切り口から溢れる水に流されながら鬼太郎たちは排出された。萎れただけで枯死はせず、最後は後神が山に連れ帰った。第4作では家人や座敷童子を呑み込むが、体内で童子に暴れられ苦悶。後神が封じられると鎮静化した。第5作では元々後神と組んでいたわけでなく、先にねずみ男によってゲゲゲの森に生えていたのを売られ置かれていた所を利用された。第6作ではいつの間にか獲物の傍に移動し襲う描写が繰り返される。第3作同様に体内は広間状で、獲物は触手で瘤に取り込まれる。やはり中央の茎が弱点だと目玉おやじは知っていたが、中の鬼太郎に伝えあぐねていた所をまながわざと呑まれて伝え、指鉄砲で倒された。被害者達は人魂状になって捕食された現場まで飛び元に戻る。
妖怪毒サボテン(ようかいどくサボテン)
『血戦小笠原』に登場。後神の相棒として登場した妖怪サボテンとは別種。ドラキュラたち吸血妖怪団が罠に使用。汁や射出する棘に強力な麻痺毒を持ち、鬼太郎を昏睡状態に陥れ、海水で洗う解毒処置をしても暫く十分な力を出せなくするほど。
陰摩羅鬼(おんもらき)
声 - 北川国彦(第1作)、北村弘一(第3作)、佐藤正治(第4作)、中尾隆聖(第5作)、檜山修之(第6作)
三つ目で蝙蝠の翼を生やした鳥のような姿の妖怪(水木の絵では人面鳥で口から火を吐く)。『陰摩羅鬼』(初アニメ化第1作64話。原作の雑誌初出時とアニメ第1作では「いんもらき」と読まれた)に登場。魂と肉体を分離でき、魂は死体に乗り移って操れる。地下五メートルの古墳状の家に太古から住んでいたが、上に人間の家を建てられて怒り、そこを相続した青年・哲夫(てつお、声 - 市川治[注釈 45])を殺して肉体と家を乗っ取ろうと企んだ。哲夫の急死した恋人・大下啓子(おおした けいこ、声 - 桂玲子)に憑いて機を窺っていたが、画家(アニメ第3作では探偵)に変装した鬼太郎の霊紙と霊筆を使った魂かなしばりの術にかかり、魂を焼き殺される。残った肉体がねずみ男の魂を奪ったものの、逆にねずみ男に使われてしまい、鬼太郎に眠り薬を飲まされて眠らされた。
第3作49話では吉永ルリ子の遺体に憑き、ユメコの叔父・伊集院に近付く。住処の上に館を建てられたといった怨恨の描写は無く、単なる結婚詐欺の悪党として描かれる。鬼太郎に正体を暴かれ、魂を身体に戻して逃げようとしたが、鬼太郎に撃墜された。
第4作24話では後継者の絶えた寺の供養不十分な霊の無念から生まれ、寺の娘だった小池小百合(こいけ さゆり、声 - 三浦雅子)を蘇らせ操り、寺を潰した村人を襲う。小百合はねずみ男を婿に迎え寺を継いで貰おうとするが、陰摩羅鬼が封印されると彼女も現世には居られず、二人は哀しい別れをしてしまう。ねずみ男は哀しみから立ち直り、墓の前で小百合を弔った。
第5作50話では祠の上に館を建てられ生贄を断たれた復讐に、まず通りすがりの美術大学生・綾野杏子(あやの きょうこ、声 - 雪野五月)を利用すべく命を吸い尽くして殺害。杏子の体を乗っ取って、館を相続した青年・中川邦夫(なかがわ くにお、声 - 森川智之)に近付き、邦夫を呪い殺そうとした(邦夫は杏子に絵を描かれる度に、呪いが痣となって浮かび上がっていた)が鬼太郎に正体を暴かれる。邦夫が杏子への未練から封印術を妨害した隙に鬼太郎を負傷させるが、杏子の霊に説得された邦夫に封じ絵を完成されて倒され、同時に鬼太郎と邦夫の痣は消えたが杏子も元の死体に戻った。その後邦夫は館を取り壊し、杏子の死を乗り越えて生きていくことを決意する。
第6作では80話に登場。まなの同級生・高木努(たかぎ つとむ、声 - 白石涼子)の急死した母(声 - 浅野真澄)の遺体に憑依し、努や周囲の人間の生気を吸い取っていた。陰摩羅鬼の肉体は努の家の中に保管されており、魂の指令により単独で行動可能。肉体の戦闘力は高い上に、魂と分離している時はどんな攻撃も通用しない。努は、母が既に死んでおり妖怪に憑依されていることも察していたが、父親とも一年前に死別しており、母まで失って一人きりになってしまうことを恐れて自分や周囲が生気を吸われても黙認していた。しかし、衰弱した努を心配したまなが家まで追跡した際に、母親の様子に不審を感じて鬼太郎と猫娘を呼び出し、二人と対峙。初戦では肉体の秘密を知らなかった鬼太郎たちを圧倒し倒すが、目玉おやじの策で画家に変装した鬼太郎によって魂を絵に封印されかかる。苦しんだ陰摩羅鬼は肉体を呼び出して妨害し、駆け付けた努に母親のふりをして絵を破くよう頼むが、目玉おやじの説得もあり現実を認めた努に絵を完成されて魂を封じられ、肉体も消滅した。
第6作準拠の小説「陰摩羅鬼・外伝」にはアニメ80話とは別設定で登場。
ほうこう
声 - 仁内達之(第1作)、玄田哲章(4作)、池田勝(第6作)、宮澤正(異聞妖怪奇譚)
「妖怪ほうこう」(初アニメ化第1作65話)に登場。漢字では彭侯と書く。般若と天狗が混ざったような顔をした妖怪。漬物が好物でねずみ男を騙して村中の大根を盗ませ漬け込み、捜査に来た鬼太郎をも毒牙を打ち込んで痺れさせ漬物に漬け込んで食おうとした(アニメ第4作では自らの妖力を高めるために鬼太郎をおびき出し漬け込む作戦だった)。しかし、目玉おやじ達の機転や、裏切ったねずみ男の手により失敗に終わる。直後、地水火風の4つの姿に分裂して襲い掛かるも復活した鬼太郎により、火と水、地と風という相反する者同士をぶつけ合わされ、無と化した。その正体は二千年以上経った巨大な縄文杉であり、長い年月の間に生命の本源である地水火風を操る力を持つようになった。
第4作では41話登場。
第6作では83話登場。原作通り四元素の姿に分裂するが「地水火風の決まった順番でしか攻撃できない」「(属性に関係なく)分身同士が接すると消滅する」といった弱点も持つ。元々は小高い丘の上の樹齢二千年のクスノキに宿り人間達を見守っていた土地の守り神のような存在だったが、ミュージシャン・ TAKUMI(声 - 寺島拓篤)のSNSでの木の写真の拡散により大挙した人間によって迷惑行為が頻発したため土地の管理者(声 - 谷昌樹)によって木が伐採され、住処を失ってしまった。その復讐のため遠因となった人間たちを攫い漬物にしており、依頼を受けた鬼太郎とも対立する。地・水・風は鬼太郎の機転でお互いぶつかって消滅、残った本体の火はTAKUMIの謝罪を受けその真意を知るも住処を失った自分の怒りが抑えられないことを悟り、最後はTAKUMIを襲うふりをして鬼太郎の指鉄砲でわざと倒され、「これでいい」と言い残し消滅した。心の支えとなったクスノキと希望を失い、死ぬことを望んでいたTAKUMIは「僕はこれからどうやって生きていけばいいんだろう」と落胆する(この場面で83話は終幕になった)がその後立ち直り、最終話で鬼太郎を応援していた。
『新妖怪千物語』ではぬりかべを騙して、すねこすりを漬物にする為の漬物石にした。
なお、地水火風を操る能力は本作独自のものであり、伝承のほうこうにそのような能力を使う設定は無い。
『異聞妖怪奇譚』では敵妖怪として登場。こちらでも分裂能力を披露した。
地ほうこう
声 - 永井一郎(第1作)、岐部公好(第4作)、高塚正也(第6作)
地の能力を持つほうこう。体色は黄色。体を砂や鉄のように変化させたり、地と一体化させる。第6作では地割れを起こしたり、念力で土塊を浮かび上がらせて相手にぶつけて攻撃する。
水ほうこう
声 - 北川国彦(第1作)、稲田徹(第4作)、落合福嗣(第6作)
水の能力を持つほうこう。体色は青。水流を起こす攻撃をする。第6作では水の粒を弾丸のように飛ばして攻撃する。
火ほうこう
声 - 杉浦宏策(第1作)、増田均(第4作)、池田勝(第6作)
火の能力を持つほうこう。体色は赤。炎を吐いて攻撃する。第6作ではほうこうの本体という設定で、火山の如く噴火し住宅街に火災を起こした。
風ほうこう
声 - 富田耕吉(第1作)、増谷康紀(第4作)、新井良平(第6作)
風の能力を持つほうこう。体色は緑。竜巻を起こしたり、体を回転させて体当たりする。第6作では口から突風の息を吐く。
泥田坊(どろたぼう)
声 - 永井一郎(第2作)、塩屋浩三(第3作)、増田均(第4作)、大場真人(第5作)、谷昌樹(第6作)
「泥田坊」(初アニメ化第2作1話『妖怪復活』)で登場。体が泥でできた隻眼の巨大な妖怪で、「田を返せ」としか喋らない(第3作と『妖怪千物語』では普通に喋っている)。本来は水田に住む妖怪(第4・5作では水田の守り神のような存在、第6作では苦労して開墾した水田が息子によって他人の手に渡り、悲しみながら死んだ農民の父親が死後妖怪化した存在)だが、田を奪われた事によって出現し暴れ出した(田を奪われた理由は原作で基地建設、第2、4作で減反政策、第3作で新幹線開通、第5作で宅地造成、第6作でゴルフ場建設・メガソーラー発電所建設とシリーズにより様々)。口から粘着性の熱い泥を吐き、原作及び第5作ではこの泥を浴びると高熱を出して寝込んでしまう。水が力の源であり、水分があれば何度でも再生する能力を持つ(そのため雨の降る最中等に現れ、熱や乾燥が弱点である)。一度は鬼太郎により粉々にされたが、その後雨が降った際に大群となって再生し逆襲する(第4作では当初大群で現れ、放水で溶かされた事で一体となって巨大化しぬりかべと格闘した)。原作では基地建設で弾圧された農民達の怨霊が正体だった為その慰霊碑を建て直し、アニメ2〜5作では住む水田を人間の有志が確保する事で鎮まった。
第6作54話では30年前に鬼太郎に倒されて以来眠りについていたが、ゴルフ場跡地にメガソーラー発電所を建てる再開発工事が始まったことで目覚め、工事関係者を再び襲い始めた。口から光線を吐く。鬼太郎は人間たちに工事をやめさせるから時間をくれと泥田坊の説得を試み、工事責任者の建設会社社長・黒須(くろす、声 - 山路和弘[注釈 46] にも死者が出る前に工事を中止するよう警告するが、黒須はメガソーラー発電所は財政破綻寸前の市の希望であり、既に多くの人や金が動いているため中止はできないと無視する。鬼太郎は30年前の事件で死傷者を出すまで暴れた泥田坊をやむなく退治したが、住んでいた田を人間の一方的な都合で奪われた境遇には強く同情しており、事情も省みない人間たちの態度には激怒していた。しかし、今回の事件では黒須から人間側の事情も聞かされ、どちらの言い分も一理あると悩むようになった[注釈 47]。そして結論も出ないまま、黒須は泥田坊と決着をつけるために戦いを挑み、熱に弱い泥田坊を多数の照明の光熱で乾燥させ粉々にするが、直後に降った雨で再生・分裂した泥田坊が黒須と息子の大輝(だいき、声 - 高橋花林)を襲ったため、鬼太郎はやむを得ず体内電気と髪の毛針で泥田坊を倒し、再び眠りに就かせた。その後メガソーラー発電所の建設は、ねずみ男が妖怪の出現をマスコミにリークしたために一時凍結を経て中止となり、黒須親子は跡地に泥田坊の墓を建てて弔った。なお、黒須親子は最終話で鬼太郎を応援していた。
『妖怪千物語』の妖怪大裁判編ではぬらりひょん配下。田とは無関係。呼子を人質に横丁住民が鬼太郎の弁護をしないように脅迫し、凶悪な妖怪の雰囲気を出していた。しかし、宴会の席に怒りの横丁住民達が攻めて来るとぬらりひょんを見捨ててあっさり逃げ出した。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では敵として登場。特定の条件を満たすと仲間にすることが可能。
ベビー泥田坊
声 - 鈴木麻里子(第4作)
アニメ第4作22話に登場した泥田坊の子供。一見、全身隈なく泥を被った人間の子に見える。人間の少年と仲良くなり、二人で親達の衝突を止めようとした。水に溶けてもすぐ再生する。
土転び(つちころび)
声 - 槐柳二(第3作)、古谷徹(第4作)、高戸靖広(第5作) 、間宮康弘(第6作)
毛むくじゃらで丸い身体をした妖怪。「土ころび」で初登場。原作では本来の土ころびは絶滅していたが、人間が工業排水混じりの水を飲んで変化。石油や電気などを食糧とするため、近隣の村から象のような鼻で吸い盗んでいた。ねずみ男に唆されて鬼太郎の妖力を狙い彼を吸い込むが、妖力が大き過ぎて爆死した。
『新編』では同名の別個体が登場する。こちらは一眼と触角を持つ姿をしており、食糧として育てたドングリ林を人間に伐採された事を怒り、跡に植えられた杉林や村を潰し回った。鬼太郎親子も押し潰されて球体に吸収されそうになったが、リモコン髪で触角を結んで平衡感覚を奪う。土転びは鬼太郎を分離して触角を解いてもらい、人間側を説得してもらう事で鎮まった。
アニメでは第2作第11話初登場。滅んでいた者が工業排水の作用で復活したとされる。猫娘から妖力を奪って老化させたり、火を吹いたりする。
第3作では住んでいた祠や眺めていた古い村がダムに水没したことに怒り、ねずみ男に「村の電気を奪えばダムは無くなる」と騙され人間に復讐することも兼ねて電気を奪っていた。最後は祠をダムから引き上げてもらい和解し新しい村を眺めることにした。
第4作では第73話登場。本作でも既に肉体を失って魂のみが祀られた存在として登場。ありとあらゆるエネルギーを栄養源にする。本来は旅人を脅かして楽しむだけの、人間好きで親切な愛らしい妖怪で、人間の傍にいたいが為、肉体が滅びた後も魂だけで山の中の祠に留まり人間を見守り続けてきた。その後、祠の一帯が開発され、祠自身もダムの水中に沈んだ(この時点では、水中に沈めば人間を見守る事ができなくなるが、それでも人間の生活の方が大事だと身を引いていた)。しばらく水中で眠っていたが、日照りで水底が露呈し目覚め、魂だけでしばらくぶりの人間社会を観察しに出かけた。そこで、人間共の電気の浪費ぶりと有難味を持たない心、自分がどんな想いでダムに沈んだで葛藤し、怒りが爆発して、人間に灸をすえる意味も含めて大切なもの(電気)を奪う事を決意。ちょうどその折、日照りにもかかわらず発電量を上げるように要求されたダムの発電所職員(所長)が、困り果てながらも電気を浪費する人間に怒りを覚ていた事に目を付けて憑依、人間の体を借りて実体化し、野球場や空港、遊園地や都心部など人間社会の方々で停電を起こして大騒動に達した。電線から大量の電気を吸い取り巨大化した。なお、土ころびの体内では所長と土ころびのそれぞれの意識が共存し協力して行動していたが、まだまだ怒りの収まらない土ころびと十分に人間に罰を与えたとする職員側とで相違が発生し、体から追い出そうとする所長にやけを起こした土ころびが所長の意識を眠らせて体を乗っ取った。地方の火力発電所まで鬼太郎たちを引きずり回し、そこでファミリーと交戦、発電所の炎や鬼太郎のゲタを食べたり鬼太郎の下半身に食らいつき、それぞれのエネルギーと妖力でさらに巨大化。だが、自らの想いを曝けた土ころびに鬼太郎が更なる妖力を送り込み、所長の意識も説得するが固執し続け、耐えられなくなった土ころびは体内から電気や炎を吐き出しながら破裂した。その後、痩せ細った職員が発見され、土ころびの魂も山へと帰っていった。憑依された所長は土ころびを「さん」付けして尊敬し、大量の死傷者を出す寸前に事態を発展させた事を目玉おやじに叱責されるが、同時に同情もされた。
第5作では第48話登場。ねずみ男に封印を解かれ復活する。電気が大好物で、全ての電気を吸い尽くそうと暴れる。最後は鬼太郎とゲゲゲハウスの共同で自分の体の中の電気を吸いかえされて手のひらに乗るほどのサイズに縮小し再び封印される。前作までと異なり獣じみており、人語が通じない。
第6作では『新編』準拠の設定を持つ個体が76話に登場。住処の山林がゴルフ場建設で伐採されたことで暴れており、説得に来た鬼太郎や猫娘を圧倒するが触角を結ばれ降参。鬼太郎が人間を説得する事を条件に休戦するが、結局ぬらりひょんの働きかけで工事が中止になった事で、ぬらりひょんの同志になる旨を告げ去っていった[注釈 48]。OPにもマガジン版の個体が登場する。
『新妖怪千物語』では豆腐小僧の一族の隠れ山里の番人。決められた時季以外に入って来た豆腐小僧と鬼太郎を追いかけ、彼らを襲う骨女とわいらに遭遇し突き飛ばした。
髪さま(かみさま)
声 - 北川米彦(第2作)、野本礼三(第3作)、掛川裕彦(第5作)
髪の毛のみの姿の妖怪。八咫の鏡の神通力によって、人間や妖怪の髪の毛を奪う事ができる。原作やアニメ第2作第9話では離れ小島の洞窟に住み、島民に生贄を要求していた。第3作・第5作では村人に恩恵をもたらしていたが、村人に忘れ去られた(第3作では過疎化、第5作では不景気が原因)と嘆いて復讐しようとした。また、髪の毛の中に一つ目があるデザインに変わり、名前の表記も「髪様」となった。第3作では最初に村人2名の髪を奪った後、毛目玉を通じて村で唯一の少女を生贄に要求する。生贄は村人の誠意を見たかっただけで危害を加える気はなかったのだが、彼らが八咫鏡を狙ってきたねずみ男を騙して生贄として差し出してきたことに激怒。村人全員の髪の毛を奪い、さらに少女の友達のカラスに呼ばれて来た鬼太郎や猫娘も襲って、猫娘の髪も奪ってしまった。その後、鬼太郎、猫娘と戦い、毛針やリモコン下駄を跳ね返すなどして苦戦させ、ついには鬼太郎を髪で捕えて締め付けたが、苦手とする妖怪あみきりが救援に現れ、切られて逃げ惑っている間に脱出した鬼太郎に八咫鏡を壊され敗北、村人や猫娘の奪われた髪も元に戻った。事件後は沈静化して修復された八咫鏡の中に戻り、村人からの事情の説明と謝罪を受け入れ、和解してこれからもこの村を守っていくと約束した。第5作では力が弱まり過ぎて髪を奪う事すら出来ず、部下の毛目玉に役を喰われてしまっている。
『妖怪千物語』では毛目玉に坊主頭の少年を騙させ、人々の髪の毛を奪いそれをエネルギー源にして、人間界征服を企む妖怪として登場。毛柱で人を髪ごと集めたが、少年に鏡を壊されて力を失ってしまう。
鏡を割られた時、原作やアニメ第3作・第5作では妖力が弱まって降参したが、第2作と千物語では完全に動けなくなった。
あしまがり
声 - 富田耕生(第2作)、池水通洋(第3作)、半田裕典(第6作)
「あしまがり」とは四国の方言で「足にまとわりつく」という意味。本作では『妖怪あしまがり』(単行本では『妖怪花』に改題、初アニメ化第2作5話)に登場。太鼓を持った狸の姿をした妖怪で、無類の大酒飲み。取り込んだ者を消化してしまう雲状の気体生物を飼い慣らしており、持っている太鼓で操ることが出来る。なお、第3作のみ「あしまがり」という名前は自主規制配慮で「用心棒(の狸妖怪)」という名前しか出なかった。妖怪花の生息地を開発しようとした人間側(アニメ第3作45話では妖怪花と共存していた業者を乗っ取ったぬらりひょん)に雇われ、開発を止めようとする鬼太郎と闘う。一度は鬼太郎を気体生物に取り込んだが、リモコン下駄で太鼓を逆用され、鬼太郎と入れ替わりに自分が取り込まれてしまった。原作とアニメ第2作では、鬼太郎は更に気体生物を操って妖怪花の生息地を占領したホテルを破壊する。
第6作では63話に登場。アニメで第3作以来の登場となる。人を襲うのが大好きな残忍な性格の妖怪という設定で、太鼓を使って黒雲を操る。黒雲は意思を持って動き、獲物を中に取り込んで同化してしまうほか、強力な雷を放ち、複数に分裂して別行動も可能。ある地方の笹薮に棲み付き人を襲っていたため、笹の花の精・星華によって洞窟に閉じ込められていたが、そこに来たねずみ男に埋蔵金があると嘘をついて脱出するために利用していた。ねずみ男は人間に笹薮を伐採させ、怒って妨害する星華を鬼太郎に倒させ排除しようとするが、小細工が鬼太郎たちにバレて失敗しそうになる。しかし今度は洞窟近くに来たぬりかべを騙し、封印の大岩をどかせてついに復活。星華に復讐するため雷で笹薮を焼き払おうとした。止めに来た鬼太郎・ねこ娘と対峙し、鬼太郎を黒雲に取り込ませたが、ねこ娘と一反木綿が太鼓を奪って操り鬼太郎は黒雲から脱出。制御を失った黒雲に逆に自分が取り込まれ、最期は黒雲ごと鬼太郎に指鉄砲で撃ち抜かれて消滅し、黒雲も消え去った。

1960年代マガジン版・アニメ第1作初出(味方としても登場した者)

輪入道(わにゅうどう)
声 - 銀河万丈(第3作)、郷里大輔、増谷康紀(第4作)、三宅健太(第5作)、江川央生(第6作)、西松和彦(異聞妖怪奇譚)/ 演 - 西田敏行
炎を纏った車輪に、厳つい入道顔が付いた妖怪。原作は「ダイヤモンド妖怪」が初出(初アニメ化第1作第36話)。炎を操る他、口から炭素光線を吐き生物をダイヤモンドに変えて喰らう(アニメ第4、6作では喰うのは魂でダイヤは抜け殻、第4作では欲深い魂ほど美味で無欲な魂ほど不味い)。その戦いでは最後に、光線を鏡で返され自滅した。原作や第1、3作では輪入道を倒すとダイヤにされた者は時間経過が少ない者だけ元に戻り、長時間経った者はダイヤのまま(原作)か白骨化(第1作)か消滅(第3作)したが、第4作以降は全て元に戻る。その後の作品では後述する妖怪車両の車輪や、「UFO宇宙突撃隊」「妖怪危機一髪」「決戦!箱根城!!」、アニメ4作の妖怪王編などで複数の個体が登場する。アニメ第3作や当時の『最新版』では妖怪車両以外はぬらりひょん側として群衆扱いの登場が多い。ダイヤモンド妖怪としての登場時は第6作まで全シリーズで退治されており、味方として出た者が同一個体かは不明(第4作でも、担当声優が異なるなど別個体である可能性が高い事も示唆されている)。
第3作5話では砂かけに懲らしめられ千年眠っていたが、ダイヤ目当てに出入りする人間に目を覚まされた。
第4作5話では「欲望の墓場」と呼ばれるゴーストタウンの廃墟ビルの地下に住みつき、ねずみ男と組んで彼がダイヤ商売で集めた主に欲深な人々をダイヤモンドに変えて魂を食っていた。魂を食うと大きくなり体の一部が欠けても炎を纏って修復できる。炭素光線を返されないように住処の鏡を全部砕く抜かりのなさもある。
第5作では妖怪横丁の住人として登場、敵対しておらず、妖怪四十七士の京都府代表に覚醒した。
第6作では第13話登場。顔の色は緑になっている。最初は第4作同様の手口でねずみ男と組んで概ね傲慢な人間たちの魂を食っていた。その後ダイヤモンドの採掘・販売・価格管理を世界規模で手掛けるシンジケートの構成員がねずみ男の商売に目を付けたことで、彼らと手を組み更に悪辣な方法で世界中から集めた人々(元鉱山労働者、身売りされた子供、難民など)の魂までも食うようになる。しかし輪入道はより多くの魂を求めてシンジケート構成員たちまでダイヤモンドにするなど手に負えなくなり、困惑したねずみ男が呼んだ鬼太郎と対峙。ねずみ男が鬼太郎を庇って飛び込ませた自動車から取れたサイドミラーを鬼太郎が拾い、それで炭素光線を反射させ輪入道を自滅させダイヤモンドに変えられた人々も元に戻った。
実写劇場版では子泣きの旧友。必要な車輪の数の分身を出して車両と合体できる。鬼太郎の頼みで妖怪機関車を動かしたほどの実力者だが、妻の和江(ろくろ首)には頭が上がらない。
『妖怪千物語』では西洋妖怪との戦いで鬼太郎に加勢した。その後、19話「炎上!輪入道」では敵として現れ、第4作同様の手口でねずみ男と組んでダイヤに釣られた人々を餌食にする。激しい炎で鬼太郎の攻撃をほとんど遮るが、電撃が弱点でスプリンクラーの水で通しやすくなった体内電気スパークを受け消滅。そして、29話「妖怪大レース」で鬼太郎の妖怪自動車として登場。
輪入道が車輪となる妖怪車両を以下に列挙する。
妖怪自動車(骸骨型)
車体は恐竜の頭蓋骨、ヘッドライトは鬼火。車輪となる輪入道は4体。初登場は少年マガジンの特集記事「大妖怪ショッキング画報」。物語への初登場は水木プロ原作の「最新版」第6話で、夜行さんとの戦いに備え目玉おやじの設計図に基づき改造、「ゲゲゲマシーン」と名付けられる。車輪は炎の輪だけで入道顔はない。
アニメ初登場は第4作37話。夜行さんの発明。輪入道は邪念をキーで封印されているものの、ねずみ男などだまし易い対象を見つけると口車に乗せて封印のキーを抜かせようとする。ねずみ男にキーを抜かせて暴走し(この際車体の形状や色も変化し、ハンドルに輪入道の顔が現れる)、閻魔大王庁の宝珠を手に入れ妖怪界最強の大輪入道になろうと目論んだが、駆けつけた夜行さんと鬼太郎によってスペアキーを差し込まれ元に戻った。第62話では事件を起こした車の妖怪の疑いを掛けられた事に憤慨し、捜査に協力した。ヘッドライトから鬼火を発射したり、車輪から直接火炎を放って敵妖怪の炎を相殺するなどの能力がある。輪入道が車体から分離しての攻撃も可能で、後述の中国妖怪、妖神(紙の精)を瞬殺した。分離時には若干大きくなる。114話ではヘッドライトから鎖を出して無明彼岸の闇に向かう死神の汽車を止めた(鬼太郎がヒ一族の巫女を倒した直後に鎖は限界で引きちぎれた)。
第6作は第6EDにて夜行さんの作ったラジコンとして登場。
『妖怪千物語』29話では鬼太郎の車としてレースに参戦。水虎にガソリン爆弾を投げられるが輪入道と鬼火で爆炎をおいしく吸収。終盤ベアードの光線で大打撃を受けるが、鬼太郎の体内電気を注入してのハイブリッドパワーで逆転優勝した。
妖怪戦車
アニメ第3作にて劇場版『激突!!異次元妖怪の大反乱』や78話、92話に登場。夜行さんの発明。車体は先述の自動車同様恐竜の頭蓋骨に似たデザインだが、ボンネットバスのように大きく、6体の輪入道の車輪、つるべ火と化け火のヘッドライト、屋根には野づちが大砲として配置されている。つるべ火と化け火を射出して周囲を焼き払う火炎放射、巨大な妖怪も瞬時に吸い込む野づち砲等、高い攻撃力があり、空を飛んだり野づち砲を利用して地中を掘り進んだりと機動力も高い。92話ではその巨体で体当たりを敢行し巨大化した人喰い家を撃破したが、さすがに自身へのダメージも大きくボロボロになった。
妖怪機関車
夜見の国へ行ける蒸気機関車型の乗り物。輪入道は左右の前輪と動輪に計4体の分身を付け、本体は前方の罐蓋に付く。
マンモス男(マンモスおとこ) / むく邪羅(むくじゃら)
- 屋良有作(第3作)
マンモスの胴と四肢のようにずんぐりした毛むくじゃら巨人形態の妖怪。あまりに毛深いため目鼻立ちや頭と胴の境目はわからない(マンモスのような耳・鼻・牙は見えない)。初登場は「おばけナイター」。同話の妖怪達では唯一名が出ている。外野手を務め、長身ゆえにホームラン級の打球も楽に捕球。日光が苦手で、夜が明けると真っ先に逃げ帰った。アニメでは第1作第1話初登場。「むく邪羅」と呼ばれた。第3作第26話では審判として登場、最初妖怪のルールで審判して人間側の不興を買った。その後も敵妖怪の住む洞窟を岩で塞ぐなどの力仕事で活躍。ここでは昼間も平気で行動している。
マンモス殿下(マンモスでんか)
マンモスのように長い毛むくじゃら形態の巨人妖怪。洞窟の中に住んでいる。「雪姫ちゃん登場」に登場。人間、特に子供の毛が好物で、金と力で従えたねずみ男を使って子供を集め、刈った毛を食べていた。体の毛を伸ばして操つる能力があり、子供たちを助けに来た鬼太郎に毛を巻きつけて身動きとれなくしたが、目玉おやじに火をつけられ炎上して「直径二メートルのビフテキ」と化した。『おばけナイター』に登場したマンモス男に酷似しているが、鬼太郎と面識はない。
海じじい(うみじじい)
声 - 北川米彦(第1作・第3作)、丸山詠二(第4作)
老いた浦島太郎のような外観の妖怪。「妖怪獣」の終盤にて大なまずを氷流しにして自分ごと凍らせた鬼太郎の溶液を極地で発見し、玉手箱に詰めて目玉おやじの元に連れ帰った。
アニメでは第1作22話、第3作57話、第4作111話に登場。
磯女(いそおんな)
声 - 麻生美代子(第1作)、山口奈々(第3作)、上村典子(第4作)、真山亜子(第5作)
半人半蛇の狂暴な海の妖怪で縄張りに踏み込んだ子供をさらおうとする。常に赤ん坊を抱いている。初登場は『磯女』(初アニメ化第1作)。実は抱えている赤ん坊が本体で、相手に抱きつき石のように重くなったり強力な吸引力を持ち、鬼太郎も呑み込もうとしたが、鬼太郎の空気ポンプの術で膨らむ赤ん坊を磯女が押さえようとして、一緒に破裂させられて倒された。『国盗り物語』では他の海妖怪達や鬼太郎と集まって、ムーの海底基地への偵察に参加する。
アニメ第1作では原作同様に人間をさらおうとした。鬼太郎との対戦で呑み込んだ鬼太郎の空気ポンプの術で膨らむ赤ん坊(声 - 小串容子)を磯女が押さえ続けるが、妖力が尽きて共に石化してしまい倒れた。
第3作では赤ん坊(声 - 三輪勝恵)とは本当の親子であり、昔から人間と共存してきた心優しい妖怪だったが、悪い人間がレジャーランド開発のために住処である磯を埋め立てようとしていることに怒り、磯に近づいた人間をさらっていた(さらわれた子供の家族も、住民のことを考えない開発の被害者だった)。鬼太郎と対戦後は、事情を知った彼らに破裂した赤ん坊を助けて貰って和解し、協力して住処を乱開発しようとする人間を懲らしめる(この時赤ん坊と子泣き爺とのコンビで、船を沈めた)。その後、鬼太郎の海の仲間として度々登場した。
第4作では大昔に人間をさらって食べていたが、警告の祠を作られたことで永い歳月縄張り内の海中深い洞窟で沈黙しており、現代人が自身の言い伝えを忘れて傲慢さから縄張りに近づくようになったため人間をさらって食べる事を再開した。鬼太郎とは空気ポンプの術で破裂後も本体の赤ん坊(声 - 三田ゆう子)の姿に再生して戦いを挑み、伸縮自在の腕で鬼太郎達を苦戦させるもが、ねこ娘の機転でねずみ男の屁を掛けられて苦しんでいる所をちゃんちゃんこ包みで倒された。
第5作では第3作同様に赤ん坊(声 - 嶋方淳子)とは本当の親子であり、赤ん坊は言葉を話せた過去作品と違い精神的には人間の赤ん坊と大差ない。昔から立ち入りが禁じられている自分たちの縄張りに侵入する人間が増え敏感な赤ん坊が頻繁にぐずるようになった為、磯女が縄張りに踏み込んだ者を捕らえおしゃぶり代わりとして住処に閉じ込めていた。鬼太郎は空気ポンプの術で赤ん坊を抑えて話し合いに応じさせ、家族の事を案じる気持ちは人間も妖怪も変わらないと磯女を諭し、今後人間を縄張りに入れないと約束して捕われた者達を解放させた。劇場版で妖怪四十七士の長崎県代表に覚醒。
『妖怪千物語』では、妖怪獣タコ男爵を生み出すために子供を集めてきた。水を槍状にして攻撃する能力をもつ。
かみなり
声 - 郷里大輔(第3作・第4作)、宝亀克寿(第6作)
俗に伝わる赤い肌に頭の2本角、長い髭と太鼓が特徴の雷様で、通称電気妖怪。伝承通り自由に雷を操ることが出来る。
初登場は「電気妖怪」(初アニメ化第1作第25話)。空中に浮かぶ巨大な岩に住んでいたが、相次ぐドライアイスによる人工雨の実験に怒り、調査に来た雨山博士の乗っているヘリコプターを墜落させて博士をさらった(更に、アニメ第1作では山奥の村に1年間も雨を降らせないようにした)。背中の太鼓は蓄電池になっており、これを使って鬼太郎を感電死させようとしたが、逆に電気を吸収された上に放電されて焼死した。学年誌版では空を独占しようと人間の飛行機を何度も撃墜。止めようとする鬼太郎を原作同様電気で焼き殺そうとするが、電気を吸収されて褌も履けないほど痩せてしまい、恥ずかしくて岩の中に逃げ帰った。
第3作第23話では雨山博士が開発した雷から電力を得る装置「エレキテルII」の実験で自分のエネルギーを奪われたと怒り、雨山博士をエレキテルIIごとさらった。原作や第1作同様に鬼太郎と組み合いになるが、死亡はせずエネルギー切れで降参した。戦いの後は鬼太郎たちと和解し、雨山博士と酒を酌み交わしながら自然と科学の調和について激論を交わした。後に串刺し入道との戦いや、豆腐小僧の住む山を荒らす人間を懲らしめる際などに鬼太郎に助力している。
第4作では、雷神とは明確に別のキャラクターとして登場している。第32話では雷から電力を得るため積乱雲にミサイルを撃ち込む実験に怒り、保谷博士をさらった。過去作同様に鬼太郎と組み合いになりダウンした。それに乗じて研究材料にしようと言う博士に目玉おやじは人間側の身勝手を叱り、かみなりを空へ帰した。
第5作では雷獣がかみなりと同様のポジションで第10話に登場し、かみなり自身は未登場。
第6作第5話では現代人が雷を畏れ敬わなくなったことに怒り、ねずみ男とヤクザの組長・雨山(あめやま、声 - 桐本拓哉)と出会って手を組み二人が立ち上げた電力会社の供給元になる。最初は電力収益で得た贅沢な暮らしや会社のマスコットキャラクターとなった「かみなり様」の人気に満足しており、ひょんなことからニュースキャスターの女性(声 - 元吉有希子)に惚れてしまい、いかつい雰囲気から別人のような姿でテレビに出演して彼女を嫁にしようとする[注釈 49] などコミカルな面も見せていたが、次第に増長してねずみ男の手を焼かせるようになっていき、ついには電力会社社長から市長になった雨山の指示で会社の脱税と贈賄を調査していた週刊雑誌の女性記者・五十嵐ゆり子(いがらし ゆりこ、声 - れいみ)を襲って感電死させるまでエスカレートする。鬼太郎に目を付けられることを恐れたねずみ男に活動を自重するように言われるが却って自尊心を刺激されて暴れだし、人間たちへの見せしめとして電力会社のある町を滅ぼそうとまでしたため鬼太郎たちと対峙。過去作同様に鬼太郎と組み合いになり消滅した。
朧車(おぼろぐるま)
声 - 山口奈々(第1作)、佐藤正治(第3作)、大友龍三郎(第4作)
牛車に大きな鬼面が付いた姿の妖怪。
本作では目から放つ光線と体当たりが武器。原作及び第1作では女性の妖怪だが、第3作や第4作では男性の妖怪として登場。初登場は「朧車」(初アニメ化第1作58話)。ぐわごぜの命令により怪気象を発生させていた。目から石化光線を放つが、原作や第1作では鬼太郎は石化されても動けて、怪気象が解けると同時に元に戻った。その正体は原作では蜂の巣に目が付いたような物体で、第1作・第3作ではお化けハマグリだった。『国盗り物語』では鬼太郎の仲間として登場。ゴーストカーによる失踪事件調査のため、鬼太郎たちを乗せ出動。車妖怪同士という事でゴーストカーとの交渉も受け持った。ここのみ鬼面は牛車本体ではなく、牛を繋ぐ部位に前輪と共に付いている。
第3作劇場版では石化された鬼太郎とぬりかべは完全に動けなくなり、元に戻すには朧車の涙が必要。カロリーヌとねずみ男によって涙を取られるも、激怒して二人に目掛け突進、カロリーヌが跳ねられ犠牲になった。カロリーヌの死によって怒りと悲しみに燃えたねずみ男は異次元妖怪たちをなぎ倒して石化した鬼太郎たちのもとへ辿り着き、涙を振りかけて元に戻した。その後国会議事堂の地下で鬼太郎と再戦した朧車は、ちゃんちゃんこ目隠しで光線を封じられオカリナ鞭で車輪を壊され、更にオカリナ剣で車体を砕かれ正体のお化けハマグリの姿に戻って絶命した。
第4作25話では数百年前の遺跡から発掘された牛車の木片が博物館で元の形に再現されたことで現代に蘇った。本作ではぐわごぜ達との直接かかわりはなく、ぐわごぜが中心になって暗躍した怪気象とも関連は言及されていない。何百年も自分が眠っていた丘を人間たちが壊そうとするのに怒り、工事を辞めさせようとして夜中に市内を暴走して多数の交通事故を発生させた。最後は鬼太郎の制止を振り切り工事車両に必死の体当たりをするも衝撃で大破。木片は引退する博物館長が引き取った。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』ではエリートの催眠術によって怪気象を発生させられていた。特定の条件で仲間にすることができる。
枕返し(まくらがえし)
声 - 北川米彦(第1作)、屋良有作(第3作)、肝付兼太(第4作)、石塚運昇(第5作)、岩崎ひろし(第6作)
寝ている人間の枕を移動させ睡眠妨害をしたり、人間の邪な心に枕移動を通して強烈な罰も与える妖怪。
夢を操る力と目に入った相手を眠らす砂(アニメ第5作のみ、この砂は砂かけ婆から盗んだ物)を持ち、塩に弱い。強面と渦巻き状の眉、肩胸を出した服(第3、4、6作では紫、第5作では緑)が特徴。初登場は原作「まくら返し」(初アニメ化第1作28話)。この原作やアニメ第1,4作では自分の領域に入った子供を夢世界に連れ去って食べようとした。原作と4作では塩で溶かされ、1作では動物園のバクに食われる。原作「羽衣」ではねずみ男に雇われ、彼と天女を取り合っていた鬼太郎に彼女に近付くと不運に見舞われる夢を見せ敬遠するようにした。
第3作では夢世界の番人として第19話初登場。ユメコの魂を使って廃れてきた夢世界を復興しようとし、彼女を守る鬼太郎たちには各々の弱点を突いた悪夢で苦しめた。だが獏に悪夢を食われ降参して妖怪証文に悪事をしないと誓約、またユメコの励ましで改心。第86話では封じられた妖怪を復活させる「妖怪香炉」をぬらりひょんに盗まれ、夢世界の異変を感じて助けに来た鬼太郎たちと共に戦う。
第4作第15話では子供を再びさらいにきた時、第3作とは逆に鬼太郎たちに願望の夢を見せ惑わした(鬼太郎の夢が亡母がらみなのは前作と共通)。
第5作第24話では子供の夢を壊す妖怪として登場。夢世界では彼の思ったことが本当になり鬼太郎も大苦戦したが、調子に乗りすぎて荒野となっていた夢世界が動物園を経営する夢を持つ子供と友人達の力で復活し、出現した動物園の獏に食べられてしまった。その後、妖怪大裁判に霊体で現れ鬼太郎に不利な証言をした。
第6作第14話では、かつて原作や過去のシリーズ同様に人間を夢の中に引きずり込んで魂を食べていたが、ある僧に叩きのめされ夢繰りの鈴を没収されて以来しなくなった。そのため目玉おやじから人生に躓いた大人たちが夢に囚われ眠り続ける事件の犯人ではないかと疑われたが無実を主張。まなが友達である内田マサシの父親・内田アキノリを探して救出するためにとった挑発作戦もあって夢世界を案内し、鬼太郎父子やマサシと共に真犯人である「夢繰りの鈴の少女」や彼女と遊ぶアキノリらと対峙する。基本的に戦いを傍観していたが、夢を描く力に太刀打ちできない鬼太郎を見かねた目玉おやじの頼みでおやじの全盛期(病気になる以前の元気だった頃)の姿を再現して逆転させた。解決後は、夢の世界にはまってしまったねこ娘とまなに呆れていた。
第6作準拠の小説「3・11の獏」(「蒼の刻」収録)では、多くの人々が災害の悪夢を見る事件を調べる鬼太郎親子とまなを再び夢世界に案内する。
「妖怪千物語」では人間を眠らせ自分の夢世界に引きずりこみ魂を食べる妖怪として登場。夢世界では無敵だが、夢世界から出ると弱体化する。夢世界において、無力の鬼太郎を痛め付けるが、兄を救いたいという少年の勇気で蹴ったサッカーボールが当たりそのショックで霊力が戻った鬼太郎に体内電気で倒される。目玉おやじ曰く、枕返しはイタズラ好きだが本来は大人しい妖怪らしい。その後ぬらりひょんに利用され、妖怪大裁判で鬼太郎に不利な証言をした。最終的に妖怪横丁の住民たちの逆襲でさっさと逃げ出した。
(ばく)
悪夢を食べるという幻獣。
本作では夢世界の妖怪をも食べ、枕返しにとっては天敵のような存在。初登場は「妖怪大裁判」(群衆扱い)で、アニメでは第1作第28話「まくら返し」(動物のバクと同一視)。なお、第3作・第5作に登場した獏は幻獣としての伝承の姿をしている。「鬼太郎のお化け旅行」第1話では夢を持った魂を食らう妖怪。世界遠征の夢を抱いた鬼太郎の魂を狙い寝ている間に繭で包み魂を呑み込む。だが目玉親父の魂に腹へ入り込まれ鬼太郎の魂を奪還された。
アニメ第3作19話では枕返しとの戦いで鬼太郎に呼ばれ、悪夢を食いつくし枕返しを捕らえた。86話でも妖怪香炉から生じた悪夢の軍団を吸い取る為に呼ばれたが、多数の妖怪の怨霊でもある軍団は吸い切れず破裂してしまった。
第5作では子供の夢の中の動物園で枕返しが壊した檻から出た数頭のバク(動物)が獏(幻獣)に変化。枕返しを食べてしまった。
小説版「3・11の獏」では東日本大震災被災者たちの苦しみを和らげようと、悪夢を多量に食べ巨大化・暴走。「東京の者たちは震災の事を忘れ、東北の被災者たちにばかり苦しみを押し付けている」と憤慨し多くの人々に災害の悪夢を見せ、渋谷に現れ暴れそうになった。だが、まなの説得で鎮静、元の姿に戻る。
さざえ鬼(さざえおに)
声 - 北川国彦(第1作)、千葉順二(第3作14話)、田中和実(第3作32話)、松野太紀(第4作・第5作)、岩田央生(第6作)
300年生き長らえたサザエが変化した妖怪で、本作では二頭身で目が前髪で隠れた(実際の目は舌の先についている)人型のようなユーモラスな外見をしている。お腹の模様は作品によって異なり原作ではフジツボ、第1作ではスカシカシパン、第3作では渦巻き、第4作ではフジツボと奇妙な模様、第5作では花柄、第6作では巻貝となっている。見た目とは裏腹に性格は獰猛。細胞を自由に変えることで他人に変身することができ、体を潰されても平気で腕を伸縮させることも可能。千葉の天狗岩近辺を根城にし、鬼太郎を食べて更なる妖力を得よう(アニメ第1作では更に、壷焼きにされた仲間の復讐に人間を壷焼きにする企みだった)と、鬼太郎に化けて街中で人魚の子を売り歩き鬼太郎の誘き出しを謀った。一度は鬼太郎をのしいか状にして食べる事に成功するも、毛穴から抜け出し再生した鬼太郎に本体である目の付いた舌を締め上げられ絶命した(その瞬間、鳥山石燕画のような姿になった。第1作では舌を引き千切られた後に正体を現して背後から襲い掛かるが、叩きつけられて絶命する)。雑食この上なく、鬼太郎のリモコン下駄や警官の出した手錠(アニメ第1作のみ)も食べてしまっている。初登場は原作『さざえ鬼』(初アニメ化第1作33話)。また原作『妖怪大裁判』では、鬼太郎が裁かれる事に嬉し涙を流して喜んでいた。
第3作14話では海洋汚染の犠牲者として描かれ、他シリーズほど獰猛ではなく、囮にした人魚の子も用が済んだら解放するつもりだった。弱った体を治す為に鬼太郎を食べようとしたが原作同様に再生した鬼太郎に舌を締め上げられ降参し、最後は事情を知った鬼太郎に助けられ、妖怪病院で食事療法をする為に転地する事になった(汚染の元凶の工場は鬼太郎の抗議を聞こうともせず門前払いした為、ぬりかべと風神の協力で廃水と煙を逆流させられる仕返しで懲らしめられた)。32話では原作のかわうそたちのように百々爺たちに睨まれて鬼太郎を弁護できなかったが、後半で堪えかねて鬼太郎に加勢した。以降は鬼太郎の仲間として度々登場した。
第4作では17話に登場。妖力を増して長生きすることに固執しており、格闘した際には髪の毛を伸ばして鬼太郎の髪の毛綱に対抗した。鬼太郎を食べた後に住処に忍び込んだねずみ男と人魚の子も食べようとするが、再生した鬼太郎の髪の毛針を舌に食らい、正体を現し長生きへの執着を言い残して倒れる。
第5作では23話に登場。本作では鬼太郎には化けず、普段の姿に似た人間体に化けている。グルメな面が強調され(レストランでローストビーフを口にした際は「味付けも酷いが、そもそも肉の扱いが悪い」と酷評している)、鬼太郎を「お金じゃ買えない、この世でただ一つの最高の食材」として食べようと計画。海辺のリゾートホテルにネコ娘たちを誘き寄せ(鬼太郎も一緒に来ると予測していたが鬼太郎は拒否したため失敗)、その後買収したねずみ男を使って鬼太郎も海中の屋敷へ招待する。体から出る粘液を操作して潤滑性や粘着性を持たせることで攻撃を防ぐことができ、鬼太郎の次はネコ娘たちをデザートに食べようとするが、駆け付けたかわうそが持参した砂かけ婆の吸水砂で粘液を無効化され、ネコ娘たち妖怪横丁の女妖怪たちに反撃を受ける。最後は再生した鬼太郎に髪の毛槍で舌を貫かれると小さな一つ目の妖怪じみたサザエの姿(この時騙した仕返しとしてねずみ男に食べられそうになったが、固すぎて歯が折れてしまった)になり海に放され魚や人間に追われる立場に戻った。
第6作は90話登場。アイドル活動していた人魚たちの事務所を乗っ取り、ネットアイドル「G鬼太郎(声 - 田村奈央)」を名乗って人気者になっていた。目的は原作同様に鬼太郎の妖力を手に入れることだが、動機は「回転寿司のネタにサザエを入れたい」というものだった。ねずみ男と手を組んで鬼太郎を寿司にして食べ、その妖力を我が物にしたが、人魚のうお子のべっぴんビームを食らって鬼太郎が体内から出てしまい、そのまま体内電気で倒された。さざえ鬼が倒された後、鬼太郎は事態を収束するために仲間たちからの後押しでG鬼太郎に代わってラストコンサートで引退宣言することを決心する。しかし、歌おうしたところで目が覚め、それまでの出来事はすべて鬼太郎の夢だったことが判明する。「ねずみ男から貰った寿司が原因で食中毒を起こし倒れていた」と砂かけ婆から説明されて鬼太郎は安心するが、子泣き爺が差し出したサザエの中に潜り込んでいたさざえ鬼(第5作同様の姿)と目が合ったところで物語は終幕となった。
赤舌(あかした)
声 - 柴田秀勝(第2作)、屋良有作(第3作)、増谷康紀(第4作)、飯塚昭三(第5作)、岩崎征実(異聞妖怪奇譚)
長毛犬とゴリラの身体が合わさったような姿をした巨大な妖怪。高波を起こすなど水を自由に操る。巨体相応のパワーは勿論、機動性においても水の車輪を履いて疾走したり雲を纏って飛んだりと優れる。好物は人間や妖怪の水分。獲物は腹中で水の触手でからめ捕り、水分を抜かれて石のような糞と化すが、妖怪なら(アニメ第3,5作や千物語では人間も)湯をかければ復活する。初登場話『妖怪ラリー』(初アニメ化第1作54話)では審判として登場。競技結果に文句をつけたベアードを一喝した。『赤舌』(初アニメ第2作31話)では、地上支配を企む悪の妖怪として登場。骨女を部下にしている。12人の人間を呑み込んで水分を吸い取り(アニメ第2作では鬼太郎のおかげで未遂。第3作では多数の被害者が出るが、先述のように湯をかけられ生き返った)、鬼太郎達もアパートごと呑んで石にするが、そこに残っていた鬼太郎の胃液を飲んで溶けてしまった。
アニメ第3作35話では子泣きが石になって脱水を免れ、仲間に湯をかけて復活させる。鬼太郎は炎の妖怪五人衆を引き連れ逆襲、赤舌を体内からあぶって蒸発させた。
第4作49話では優しい妖怪で普段はマリモぐらいに小さく大人しいが、親しかった少女・清滝涼子(きよたき すずこ、声 - ゆかな)が強盗の人質にされたと知って巨大化して助けに向かう。涼子を助けた後も暴走が止まらず(強盗たちはビルから落ち、一反木綿が死なない程度に一瞬だけ受けパトカーの上に落とした)、最後は海に飛び込み、淡水生なので死滅するかと思われたが元に戻った。
第5作82話「命カラカラ!赤舌温泉」では水の守り神として青森で祭られていたが、温泉の乱開発を繰り返し赤舌の住処の沼にも手を付けるなど水を粗末にする人間に怒り、水源を涸らした上に次々と鬼太郎たちや人間を飲み込み石に変えていった。浄水能力で鬼太郎の体内電気を無効化した(純水は電気を通さない)が、アマビエに海水をかけられて絶縁を破られ制止された後、説得されて人間をもう一度信じることにし、妖怪四十七士の青森県代表として覚醒した。第85話「鬼太郎絶叫!!妖怪城の切り札!!」の津軽海峡上での妖怪城戦にも参加し、空中を飛び回り波を操って妖怪城の動きを抑えた。
なお4,5作では彼の行動に骨女は関与していない。
妖怪千物語では弱点が熱。鬼太郎の体内電気電熱スパーク(電気を逆流させて鬼太郎自身が電熱器化)で蒸発。その前に妖怪大レースで、名前は出てこないが、司会・実況をしている。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では骨女に利用され、人間の水分を奪っていたが、鬼太郎に敗北後、用済みと体を小さくされてしまう。特定条件下で仲間にできる。
海坊主(うみぼうず)
声 - 坪井章子(第1作・小坊主)、坂本千夏(第3作・小坊主)、塩屋浩三(第3作・父親)、松山鷹志(第6作)
丸く大きな頭が特徴の、海の妖怪の代名詞的存在。初登場は『妖怪ラリー』(初アニメ化第1作54話)。子供が登場し、父のお使いで買った酒をラリーで来日したベアードの車にはねられ零してしまう。「よけないのが悪い」と全く謝意のないベアードに鬼太郎が抗議し、ねずみ男の仲裁でラリーに勝った方に従う形に。炎上した鬼太郎の車がゴールした後、海水を吐きかけ消火。鬼太郎が優勝したことで、海坊主の子は酒を弁償してもらい示談にした。
アニメ第1作54話のラリーでは、競技中に通りかかった所を、負傷した痛みを紛そうとしたベアードに酒を奪われた。
第3作51話のラリーでは、海坊主の子の呼称は「小坊主」。ぬらりひょんたちの企みを知り、事情がわからないまま外国妖怪に挑発された鬼太郎に伝える。一回り大きくチョビひげを生やした父の海坊主も登場、親子で鬼太郎を応援する。
週刊実話版『海坊主』では妖怪ではなく、地殻変動で海に没した人間たちが、海底の空気が溜まった所へ移り住み変化した種族。海上へ巨大気泡を飛ばして人間を捕らえ生贄にしていた。彼らを研究していた山田博士を捕え、助けに来た鬼太郎たちをも追い詰めるが、博士が捨て身で海底集落ごと爆破した。
『海坊主先生』ではエリート生物学者の臍曲(へそまがり)が、師と共同開発した進化薬を妻子と共に飲み、人間から進化した。超能力も身に着いたが人間の魂を食べないと生きていけず、田舎の小学校に赴任して学歴や勲章を絶対視したスパルタ教育で児童を自殺に追いやることで魂を得ようとした。鬼太郎とねずみ男にも経緯を語りつつ進化薬を盛って変化させるが、退化薬を開発した師が鬼太郎と霊波通信した目玉親父の案内で現れ、臍曲一家も鬼太郎たちも元に戻った。
妖怪千物語『捕食!海坊主』は『海坊主先生』を原作とするが、こちらは完全に妖怪。人間態で海主(かいず)と名乗りスパルタ教師を演じる。安田博一少年を自殺に追いやろうとするが、一反木綿の励ましで屈しなくなると海岸で直接捕食しようとし、助けようとした一反木綿ごと呑み込んだので鬼太郎も手が出せなくなってしまう。だが腹中から博一と一反木綿にのどちんこを引っ張られ、たまらず吐き出した所を体内電気スパークで倒された。
1980年代マガジン版『石妖』ではタコのような顔の黒い巨人。海中で力が出なくなった石妖を捕らえようとした鬼太郎の前に現れ、石妖をペットとしてしばらく預かった。
上記を原作とする第6作24話では、石妖から鬼太郎を助けた後、捕えた石妖を原作通りペットにしようとするが、ねずみ男が一戦交える覚悟まで見せて嘆願したことに免じて解放した。
穴ぐら入道(あなぐらにゅうどう)
声 - 北川国彦(第1作)、石森達幸(第3作)、屋良有作(第4作)、中博史(第5作)
「穴ぐら入道」(初アニメ化第1作51話)に登場。穴の中に住む妖怪で、虫の生態に詳しい。廃坑で食用のクモを飼い静かに暮らしていたが、「マンガ一家」というヤクザの親分(声 - 富田耕吉)が新しい家だと騙して冷蔵庫に閉じ込め、見世物にしようとした(ここでは冷気や水滴、大声などの攻撃手段を持つが、常人でも小道具で防げる程度)。説得に来た鬼太郎にもヤクザたちはシラを切るが、鬼太郎がある祠から「良心カビ」を出して吹き付けた(アニメ第5作では、鬼太郎に付いていた「いやけ虫」が入道を連れ出そうとする人間に乗り換えた)為に改心、入道は元の穴に返された。
アニメ第3作64話ではテレビ局まで連れ出され、照明に驚いて地下鉄に逃げ込み大グモを放って立てこもった。連れ出した一味の女性が改心、入道を庇って負傷し、彼女の手当てのために撃たれる覚悟で投降。間一髪で一反木綿が良心カビを撒いたので、包囲していた人間達に無事保護され山へ戻って行った。
第4作107話では開発による環境破壊で住処を追われ続けた事に怒り、病虫(びょうちゅう)や大百足を操って工事現場を襲う。その最中に水が噴出する事故が起き、大百足と共に石化してせき止めたがその気持ちはほとんどの人間には通じず、特に工事責任者・古野国権造(ふるやこく ごんぞう、声 - 田中和実)の態度は酷く、鬼太郎に殴り飛ばされた。
第5作69話にも登場。トンネルの奥底の祠に邪鬼と共存している。狭いところを好む。「誰さんかの?」と聞いてくる。これは禅問答のような物で、名前や肩書きを名乗るだけでは駄目。答えられない者には容赦なく、口から大量の虫を吐きかける。その反面、逆に自身の事を聞かれるのには弱い。突飛な行動が目立つが知性は高いとされる。頭髪や鼻毛などはある程度纏まった束になっており、それぞれが毛穴から這い出るなど生き物のように動き回る。
邪鬼(じゃき)
アニメ第5作に登場。穴ぐら入道の穴ぐらの前に住んでいる。人間に取り憑いて凶暴化させる(この時は赤色に変色し、液体状の体内に長時間いると鬼太郎達ですら溶かされてしまう)。合体して巨大化すると、手がつけられない。
野づち(のづち)
頭部が大きな口だけで、全身を毛に覆われた大蛇の妖怪。強力な吸引力で掃除機のように何でも吸い込む。知性があり、妖怪同士なら対話可能。普段は野づち塚で冬眠している。初登場は「ひでりがみ」(初アニメ化第1作43話)。暴れるひでり神を鬼太郎が塚に誘導した事で目覚め、ひでり神を吸い込む。そのままでは野づちが街で暴れてしまうため、鬼太郎は説得して鎮め、衰弱したひでり神を吐かせた後で野づちを再び眠らせた。「煙羅煙羅」では暴走する煙羅煙羅を捕える最終手段として呼ばれる。彼を吸い込み体内で毒素との分離に成功するが、その毒で腹を壊した。
アニメ第3作では29話登場。ひでり神を吸い込んだ後も冬眠を邪魔された怒りが収まらず街まで出て暴れようとしたが、鬼太郎の誘導で自分の尾を吸い込み動けなくなり、元に戻る方法(尾を吐き出す)を教えてもらう代わりに大人しく冬眠に戻った。その後も何度か登場。劇場作品『最強妖怪軍団!日本上陸!!』のチーとの戦いではチーを乗せた画皮と対決、画皮の吐き出す黒風と吸引力が災いして秘薬を飲まされ、巨大な妖怪反物にされる。元に戻った後、次の劇場作品『激突!!異次元妖怪の大反乱』では、夜行さんの作った妖怪戦車の何でも吸い込む主砲兼掘削機としても活躍した。
第4作27話では古代の神が決死の想いで野づち塚に封印したとされる。ひでり神とは対決せず、知性も見られない。体色は赤で毛の色は黄緑。体内で空間のねじれが発生して異次元空間に繋がっているので、無限に物を吸い込める。全シリーズでも最大の大きさ。冬眠していても少しずつ物を吸うので皆が色々不都合な物を塚に捨てていた(砂かけも四百年前、出し損ねた恋文を青春の思い出と共に捨てた)。ねずみ男が廃棄物処理業と称して大量のゴミを捨て、封印の注連縄を捨てたため目覚め暴れる。鬼太郎は異次元の腹中に入り、ちゃんちゃんこで起こした旋風「妖怪竜巻」で空間の歪みを直して中の物を吐き出させた後、野づちに自身の尾を吸わせて動きを止め再び塚に封じた。
ガマ仙人(ガマせんにん)
声 - 永井一郎(第1作)、青野武(第3作)、八奈見乗児(第4作)
かつて邪魅をガマに変えた多彩な術を使う仙人で、森の奥の大樹の家に住む。初登場は「妖怪関ヶ原」。彼の住む樹で採れる異次元光線を放つ妖怪キノコを入れたランプを使い、自分が無敵になれる特殊空間「妖怪関ヶ原」への扉を開く。邪魅の毒で邪悪になった鬼太郎を正気に戻すために異次元空間へ誘い出し、その攻撃を無効化し捕え、正気に戻した。そして鬼太郎に化けて(顔は老人のままだったが、「激戦でエネルギーを使い過ぎたが、ガマ仙人は倒してきた」とごまかした)邪魅を騙し、再びガマに変えた。仙人だが実質は妖怪でもあり、樹と命を共有しているらしく樹を燃やされると「妖怪関ヶ原」も自身の命も危うくなる。
アニメでは第1作第50話初登場。蛇が苦手。
第3作では第41話登場。鬼太郎を助けようと奮闘するユメコを見て姿を現し、正気に戻した鬼太郎に杖を貸して邪魅を封印させた。鬼太郎に化ける場面はない。
第4作では第54話登場。自分が無敵になれる特殊空間が「異次元の森」に改称された。原作や第1作同様鬼太郎に化け、妖怪キノコを封じ石に当てて邪魅を再びガマに変え、邪魅が悪さをしないよう管理する(自分の家は邪魅に焼かれてしまうが、「また造ればいい」と気にしなかった)。
百目(ひゃくめ)
声 - 大竹宏(第3作)、稲葉実(第5作)
全身に多数の目を持つ妖怪。その目玉で多彩な術(飛ばして偵察、機関銃のように打ち出す、金縛りの眼光など)を使う。作中では言及が無いが、鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』に描かれている妖怪としての百々目鬼(どどめき)の伝承からの関連も暗示されている(百々目鬼は先述の「ぬらりひょんと関係者」の「百々目鬼(どどめき)」の項を参照)。
アニメ第1作1話で百目の子(声 - 白川澄子)が「悪魔くん」の者と同様の姿と性格で登場。妖怪バットを失くし仲間妖怪に怒られると嘆いて鬼太郎に相談した。また、この原作「おばけナイター」の審判は少年マガジンの特集記事「墓場の鬼太郎 妖怪大作戦」にて「百目の親方」と呼称される(ただし目の他に口や肛門らしいものも多数ついている。第4作では「球妖怪」と呼称)。
第3作65話では婆尻刑務所の囚人を唆して脱走させ「警察が追って来ない場所」=地獄へ送る。50人集まるごとに自分の複製を1体作り、仲間を増やそうとした。鬼太郎との格闘の末に風船のように膨らみ飛んで逃げるが、金霊に乗った鬼太郎に腹を破られ墜落した。
「国盗り物語」では妖怪大相撲の行司を務める。
第4作92話では百目の子(第1作とは違う姿)が妖怪アパートに預けられる。ぬらりひょんが妖怪植物兵器を作っている所を偶然目撃して人質に取られたが、金縛り能力を開眼して脱出に成功した。親は妖怪屈指の実力者で、「子供に何かあったらえらい事になる」と砂かけ達は心配し通しだった。
原作「鬼太郎霊団」では鬼太郎の仲間として登場、奉連想配下の大入道に目玉機関銃を喰らわせた。
第5作55話ではこの世を支配しようと企む悪の妖怪として登場。過去に鬼太郎に倒され壷に封印されていたが、金儲けを企んだねずみ男に出され、逆にねずみ男を家来にした。封印前に鬼太郎にかけた呪い(全身に目の模様が浮かび苦しめる)も復活する。封印されていた後遺症で長く体を保てず、すぐ崩れそうになってしまう。優秀な人間50人を集め、自身の100個の目玉全てを交換し力を得ようとしたが、部下だった杖(後のバケロー)に裏切られ、鬼太郎との長期戦の末に体が限界に達して力尽き、体が崩れて自滅した。
雨降小僧(あめふりこぞう)
声 - 大竹宏(第1作)、塩屋翼(第3作)、田中一成(第4作)、小野坂昌也(第5作)、田村奈央(第6作)
和傘を被った男児姿の妖怪。雨を降らす能力をもつ。原作では群衆扱いのみだが、アニメでは以下のような設定で登場。
アニメ初登場でもある第1作第20話「猫娘とねずみ男」では悪い人間を地獄へ送る指令書を閻魔から受け取ったが、怖くて猫娘に代行を頼む弱気な妖怪。
第3作第83話ではメキシコの雨神ユムチャックから理想郷の門番に任命されたが、財宝を狙う悪人に唆されて背任。傘化けでも防げないほどの豪雨や落雷で鬼太郎達を苦しめたが、鬼太郎に雷を吸収逆転され倒された。自分の力を過信していた節もある。
第4作第40話では運動会を中止にしたい少年と雨を降らせる約束をし、見返りとして魂を奪おうとした。だが前夜の妖怪運動会中に降らせ始めて妖怪達に抗議され、少年も対価について知らなかったことから、鬼太郎の仲介により自分も運動会に参加させる条件で契約を白紙に戻した。「おばけナイター」では客席から人間チームに「魂ちょうだい」と脅かす。
第5作でも運動会の話(25話)に登場。所構わず雨を降らせる能力を持つ。運動会が好きだが引っ込み思案な性格で、自分がいると雨が降るからと妖怪大運動会の参加を自粛していたが、鬼太郎達のおかげで参加できた。地獄のクイズ大会で再登場、彼の能力は地獄では無効化されるため雨が降らないと張り切り喜んでいたが、第二関門極寒地獄(かき氷10杯の早食い競争)で脱落。
第6作は第21話登場。前作同様に引っ込み思案な性格。ねずみ男がプロデュースした遊園地のアトラクションで、人間型ロボット「ピグ」の着ぐるみを着てパフォーマンスをしていた。最初は口下手な性格のために人気が出なかったが、隣でアトラクションを始めた妖怪たくろう火と友達になり、励まし合いながらアトラクションの練習をして上達し、客席を満席にするほどの人気者になる。しかし、採算が合わないと判断したねずみ男の決定でアトラクションを閉鎖することになり、ステージは取り壊されピグの着ぐるみもたくろう火の目の前でスクラップにされてしまう。中に雨降り小僧が入っていたと知らず、友達を壊されたと怒り狂って暴れたたくろう火を見かねて、雨を降らせて沈静化させる。その後、自分をロボットと思っていたくろう火に正体を言い出せず騙していたことや、雨を降らせて彼を苦しめてしまったことの負い目に耐え切れずその場を逃げだそうとしたが、彼がピグの正体だと気付いたたくろう火に「君までいなくなったら、僕はまた一人ぼっちになってしまう」と引き留められ、改めて友達になる。第28話ではゲゲゲの森の仲間たちとともに西洋妖怪軍団と戦い、戦いの後で雨を降らせて炎上するゲゲゲの森を消火していた(たくろう火が隣で唐傘の下で雨宿りをしていた)。第34話では仲間の妖怪たちが鬼太郎ファミリー失踪事件をアニエスがいる所為と誤解している中、本心では彼女に悪いと思っているものの、周囲の雰囲気に呑まれて仕方なく一度はアニエス追放運動に加わったが、鬼太郎の説得を他の追放派妖怪たちと共に聞いて本心に従い行動を改めた。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
『妖怪千物語』では西洋妖怪との戦いで鬼太郎に加勢した。
半魚人(はんぎょじん)
声 - 兼本新吾(第2作)、はせさん治(第3作20話)、矢田耕司(第3作100話)、堀之紀(第4作)、松山鷹志(第6作)
『かまぼこ』(初アニメ化第2作13話)に登場。長髪で全身が鱗で覆われた海棲の妖怪。巨大なイカを飼い慣らしており、自身が餌食にしようとした海亀を巡って鬼太郎と対立し、イカに鬼太郎を襲わせて喰わせてしまう。更にはイカの意思を乗っ取った鬼太郎を元の姿に戻してやると騙して散々かまぼこ用の漁獲に酷使した挙げ句、ダイナマイトで鬼太郎イカを爆死させ、肉をかまぼこにして売るという狡猾で残忍な性格をしている。人間の生活に憧れてかまぼこの売り上げで豪邸を建てるが、目玉親父達が買い占めたかまぼこから復活した鬼太郎は女中に変装し彼を言い包め人間の体に改造してしまう。人間の生活で待っていたのは納税などの煩雑な義務、そしていつか訪れる老いと死であったため「妖怪に戻してくれ」と頼むが、鬼太郎は自分を散々利用し騙した彼を許すはずもなく、「お前は人間のまま永遠に苦しむがいい」と見限った。
第3作第20話「半魚人の恋」では、人間の若い海女・あかね(声 - 山本百合子)に恋をする、純粋で内気な妖怪として登場する。口から真珠を出す。ねずみ男の協力で、鬼太郎を化けイカに喰わせ貝に閉じ込め真珠に変え、ねずみ男が用意した妖怪惚れ薬(三々九度の杯に入れて飲ませると一度見た相手を永久に好きになってしまう)で結婚式までこぎつけるが砂かけ婆のおかげで鬼太郎が復活しねずみ男が惚れ薬を飲んで半魚人に惚れてしまったため失敗(化けイカを操る貝も壊され、支配から逃れた化けイカは故郷の南の海へ去った)。人間と結婚したい半魚人は鬼太郎からあかねに付き纏わないことを条件に妖怪病院で人間になるも、人間の生活に嫌気がさし妖怪に戻りたいと後悔する。後に妖怪に戻り、第100話で女王人魚と結婚、鬼道衆に囚われた彼女を鬼太郎たちとの協力で救出する。
第4作第60話「ぬらりひょんの陰謀!」ではぬらりひょんと結託。海難事故の増発と海難者を装って鬼太郎を海上におびき寄せ、毒液を顔にかけて海中に引きずり込んだ。その後鬼太郎を100年間待機させた妖怪イカに喰わせ(ぬらりひょん曰く妖怪イカは強く、体内に入れば二度と出てこられない)、妖力を妖怪真珠の中に封じ込めた(ぬらりひょんは地元にある妖怪灯台の灯にして世界中の妖怪を支配しようと企む)。この時、鬼太郎は食べられたというよりも体内で妖怪イカの妖力に囚われており(本人はイカにされたと言っており、ある程度はイカの操作も可能だった)、妖怪イカの胴体にはちゃんちゃんこの模様が浮かび上がっていた。その後、反撃に来た鬼太郎イカはぬらりひょんの居合切りでバラバラにされたが、半魚人もぬらりひょんに裏切られ、騙されたと気づくと怒って真珠を利用させないと奪って割り、ぬらりひょんに切られて傷を負い海中に消えたが、彼のおかげで妖力が戻った鬼太郎はぬらりひょんを撃退。ぬらりひょんに何度も切られたが鱗に守られて目玉おやじ曰く無事に生きており、鬼太郎も「罠に落ちてイカにされたが結局は助けられた」と半魚人を咎めず許した。
第6作では第58話登場。様々な効果を持つ深海妖術を操る。かまぼこビジネスを立ち上げるため、「頭脳」として目を付けた鬼太郎をペットのダイオウイカと一体化させてこき使い、挙句に深海妖術によって木っ端みじんにし、かまぼこにして売り出した。その後は砂かけ婆が鬼太郎かまぼこを買い占め、妖怪病院で元に戻った鬼太郎に騙されて人間になってしまい(医師には「一度人間になってしまえば二度と妖怪に戻れない」と告げられた)、切り捨てたねずみ男が報復で起こしたバイトテロで無一文になるという末路を辿り、残酷な世界で生きる羽目になり「妖怪に戻してくれ!」と後悔し鬼太郎に見限られる。偶然釣り中にねずみ男と再会しお互い驚いた(この場面で58話は終幕となった)。
新妖怪千物語では海の暴れ者。釣り少年・三好大哲(みよし だいてつ)と契約し、予告通り魚が釣れる代わりに1年後に三好の命を取ろうとした。止めに入った鬼太郎を妖怪イカに食わせてかまぼこに変え売ろうとする(高値にし過ぎたので売れなかった)。鬼太郎一派に突き止められると鬼太郎かまぼこを食べて力を得ようとするが毛穴から脱出される。イカは髪の毛槍で岩壁に貼り付けられ、自身は三好の釣竿と髪の毛網で捕らえられて北極へ氷流しにされた。
大イカ(おおイカ)
半魚人の配下の巨大なダイオウイカ(第3作では化けイカ、第4作と妖怪千物語では妖怪イカと呼ばれており妖怪の一種である)。どのシリーズでも鬼太郎達を苦戦させたが、いずれも返り討ちに遭っている。
妖怪花
声 - 杉山佳寿子(第2作)、島本須美(第3作)
草花の姿をした、最も弱いと言われる妖怪。読みは原作やアニメ第3,6作では「ようかいか」、第2作では「ようかいばな」。『妖怪あしまがり』(単行本では『妖怪花』に改題、初アニメ化第2作5話『あしまがり』)に登場。ある高原が日本唯一の生息地だったが、そこにホテルを建てられ花園を潰されてしまう。社長(声 - 矢田耕司)(第2作では花園跡を訪ねた猫娘)が何気なく鉢に移植した一株の生き残りは、客や従業員を操ってホテルを壊そうとした(最弱の妖怪だけに、同時に多人数は操れない模様)。ねずみ男の紹介で調べに来た鬼太郎は妖怪花の妖気を突き止めるもすぐ花を切ろうとしたねずみ男から庇う。妖怪花は鬼太郎の夢に妖精の美少女の姿で現れ事情を話し助けを求め、同情した鬼太郎はホテルを壊す側に回った。社長とねずみ男はあしまがりを雇って鬼太郎を倒させようとするも返り討ちに遭い、鬼太郎はあしまがりの気体生物を逆用してホテルを壊す。そして社長に「壊したホテルは弁償するが、二度とこの妖怪花の土地には建ててはいけない」と告げた(弁償できたのか、その費用はどうしたのかは不明)。暫く後、妖怪花は元通り咲き誇った。
第3作45話では起きている者の前にも妖精の姿を現せる。ホテル社長(声 - 西尾徳)は商売下手だが心優しい人で、妖怪花と心通わせ花園を守ってきた。ねずみ男の助力でホテルを繁盛させるものの、それに目を付けたぬらりひょんが社長らを監禁して成り代わり、拡張工事で花園を潰そうとする。花粉を飛ばして抵抗するも叶わず、烏に乗って鬼太郎へ助けを求めに行った。鬼太郎はぬらりひょんと用心棒狸を退け、救出された社長は今まで通り妖怪花の園を守っていくと約束した。
第6作63話では、笹の花の精・星華に妖怪花の役が当てられている。
星華(せいか)
声 - 金元寿子
第6作第63話に登場。笹林に住んでいる妖怪の少女。緑髪のお団子頭をした人間のような姿をしている。正体は笹の花の精で、一年のうち笹の花が咲く僅かな期間しかこの世に存在できない。原作の「妖怪花」に登場する花の精に位置づけするキャラクター。
昔、笹林に住みつき悪事を働いたあしまがりを封印したが、あしまがりに唆されて笹林を伐採しようとするねずみ男たちを切れ味の鋭い笹の葉を飛ばして脅し追い出そうとしていた。ねずみ男に呼ばれて来た鬼太郎たちも敵視し脅して追い払おうとしたが、怪我をして動けず鬼太郎たちと逸れてしまったぬりかべを笹の花の蜜で作った塗り薬で助けたことで知り合い、ぬりかべから好意を寄せられる。笹林を守り続ける理由を話す内に、七夕で人間たちが笹につけた短冊の願いを聞き届け続けてきたことを聞きぬりかべは星華自身も願いをするべきだと主張する。しかし、あしまがりに騙されてぬりかべは封印を解いてしまい、復讐として笹林を薙ぎ払われてしまう。責任を感じたぬりかべは自身がボロボロになっても星華を庇い、あしまがりは鬼太郎に倒されるが、星華はぬりかべに寄り添われ最初で最後の願い「あんた(ぬりかべ)とまたこうして手を繋ぎたい」と告げて消滅する。その後、星華が転生したと思われる笹の芽を見つけそれを大事に育て来年もまた星華に会うことを誓う(ぬりかべは体を綺麗にし蝶ネクタイを着けるなどおめかしをしていた。また、星華に濡れ衣を着せ傷付けたねずみ男を怒りで押し潰していた)。
90話ではG鬼太郎のドームコンサートにて観客として登場。
山爺(やまじじい)
声 - 稲田徹(第4作)、佐藤正治(第6作)
一眼一足、頭の大きな老人タイプの妖怪。
初登場はアニメ第1作10話。群衆扱い(鬼界ヶ島解放軍候補者)だが点呼に応えていた。伝承や後のシリーズと違い大きな両目を持つ。
1980年『最新版』第1話ではゲゲゲの森の宴会に参加。鬼太郎が連れてきた少年の茶碗に酌をしていた。
第4作113話ではぬらりひょんに雇われた「三匹の刺客」の1名。呑気な性格で常にボーッとしており、何を考えて行動しているのかもはっきりしない。鬼太郎への攻撃も袋からドングリを投げ付けるだけだった。
第5作では運動会の選手として登場。劇場版では妖怪四十七士の高知県代表として覚醒。
第6作では第4話にゲゲゲの森の住人として登場。普段は穏やかだが、森の中の自分の領域を荒されると怒り狂う性質があり、鬼太郎も警戒している。森に迷い込んだ裕太が鬼太郎に案内されていたとき、鬼太郎との約束を破って山爺の持ち物である赤い木の実をもいでしまったことに怒って巨大化して暴れ出した。地面から無数の手を伸ばしてねずみ男や子泣き爺などを手当たり次第に捕え、裕太も捕えようとするが、状況を察した目玉おやじに促されて裕太が実を返したことで鎮静化。反省した裕太が謝りに来た際には、「どの世界にも犯してはならない掟がある」と彼の行為を戒めながらも悪意が無く世の理も知らない少年だった事も考慮して許し、その手に「二度するでないぞ!」と警告の×印を残した。第35話では誤解からアニエスを追い出そうとしたが、他の妖怪仲間たちと一緒に鬼太郎に説得されて考えを改めた。第95話以降は妖怪大同盟の一員になっていた。
なまはげ
声 - 永井一郎(第1作)、平井啓二(第5作)
男鹿半島の行事で知られる鬼面の来訪神。
第1作63話で初登場。面を操って攻撃する。高慢な大学生・東大助(あずま だいすけ)が神社に祭られた面をつけていたずらをしたが、不意の事故で老人・六平を死なせてしまい、さらに面と顔が同化して、村人たちに妖怪と間違われる羽目になる。実は死んだはずの六平はなまはげ本人が化けて死んだふりをしており、東を懲らしめるために人々を騙していた(本物の六平は足のケガで動けなかった)。鬼太郎から逃げる途中で吊り橋を揺らされ、身動きが取れなくなり、降参した。東は鬼太郎に助けられても最後まで態度を変えなかった。原作は鬼太郎の登場しない水木の短編『なまはげ』で、アレンジされた展開になっている。
週刊実話版「野球の巻」では墓の下高校の野球部主将。
1980年代『最新版』第5話では東北の民家に現れる。家人は初め行事で人間が扮装していると思ったが、面皮の生身の感触から本物と知り驚愕する。
第5作では25話の運動会で北日本代表として登場。85話では妖怪城に囚われるが、妖怪四十七士の秋田県代表として覚醒し鬼太郎に力を貸した。格闘戦が得意。
サトリ
声 - 槐柳二(第2作)、高戸靖広(第4作)/ 演 - 上地雄輔
他者の思考あるいは未来を読む力を持った妖怪。以下3種が登場(「さとりの怪」の異名をもつ天邪鬼を入れれば4種)。
初登場は『妖怪反物』で猿人のような姿。反物化の薬を飲まそうと話しかけて来た中国妖怪チーに対し、その企みを読んで即座に逃げ延び、鬼太郎達に知らせる。戦闘にも参加し、負傷して包帯だらけになるもチーを封印するまで戦い続けた。井戸仙人への協力要請を提案したのも彼である。この話はアニメ第2〜5作で制作されたが、サトリの本編登場は第4作のみで、第3作劇場版では予告編に顔が出ていたのみ。第4作でも最初のチー城攻めで捕まって反物にされ、原作ほど活躍しなかった。「妖怪千物語」では釜鳴りの話に、より長身長毛の猿人型(鳥山石燕の絵に近い)が登場。
アニメでは第2作34話初登場。顔の赤い老人姿。何でも先の事が分かってしまうことから世の中がつまらなくなり何百年も前に山に籠ってしまったが、親戚である死神42号に協力し、周囲の“ねたみ”の視線で健康を害したエリート会社員の一家を死に追いやろうとした。企みを知った鬼太郎をも予知能力を駆使して事故死させたかに見えたが、仲間達の動向までは読めず一家と鬼太郎の死は阻止される。鬼太郎ファミリーのねたみの視線で苦しんで崖から転落、降参した(原作の死神106番とサトリはエリート会社員の魂獲得に成功している)。その後は、何でも先の事を知ることができてしまうつまらない自分は、やっぱり山に籠っていた方が一番いいと再び山に戻って行った。この事から、目玉おやじは「明日の事が分かっていたら生きている意味が無いようなもの」と解釈し、鬼太郎は「サトリも可哀想な妖怪ですね」と同情していた。
映画『千年呪い歌』では人面鹿の姿。元々は温厚だったが、人間の醜さに嫌気がさし、濡れ女の封印に使われた楽器を探す鬼太郎を襲う。読心能力で鬼太郎を翻弄するが、ちゃんちゃんこが独自に動けることを知らず敗北し、その後夜叉によって始末された。

サンデー版・アニメ第2作初出

マンモスフラワー
アニメ第2作・第3作・第4作に登場。妖怪的な植物。原作は鬼太郎の登場しない水木の短編『マンモス・フラワー』(ねずみ男は登場)。初登場は第2作第8話「マンモスフラワー」。ゴミの山の夢の島に突如現われ花を咲かせ、種を飛ばし東京中に数を増やした。政府は現代の科学技術では太刀打ちできないので鬼太郎に頼んだ。やがて鬼太郎はあかなめが真犯人と知りその住処に向かうが、あかなめはゴミ大量時代への警告を発するために汚れを養分にするマンモスフラワーを出現させたと告げた。それを知った鬼太郎は政府に助言して街を綺麗にさせ、その結果汚い所にしか生えないマンモスフラワーは姿を消した。第3作第78話では、ねずみ男が宝探しの最中に冬眠中の山男を見つけ起こしてしまい金儲けのために街に連れてきたところ山男が街を耕しマンモスフラワーの種を蒔いたことで大量発生した。花粉を吸った人間達は野生に還る。このままでは人間社会が崩壊してしまうため、鬼太郎は夜行さんの妖怪戦車でマンモスフラワーを焼却、吸引した。この山男は水木の短編『原始さん』が元である。第4作第65話では、第2作に似た形状だが妖怪がこの世に栄えだした頃に生えていた太古の植物として登場。植物であるが自ら動く、攻撃されると痛みを感じる仕草をとる、触手で物を感知するなど動物のように行動をする。現在では大きくなり過ぎた為絶滅したと思われていたがカンブリア紀島で種の化石が発見されそれを友松(声 - 風間信彦)と桜井(声 - 千葉一伸)の二人組が盗み出し植物学者の黒洋(くろなだ、声 - 丸山詠二)に無理矢理、復活させた。しかし、その種を清掃バイト中のねずみ男が食べ物と勘違いし(島名を「寒鰤焼き」と聞き違えた)食べてしまい、やがて彼の首から芽を出し急激に成長しその全身をも飲み込み完全に成長した。鬼太郎達が黒洋の指示で結実の準備を施し、カラスの超大群で元の島に植え替えるとやがて結実して枯れ、後には新しい種と元通りのねずみ男が残った。
呼子(よぶこ)(ヤマタノオロチの手下)
声 - 富田耕生(第2作)、頓宮恭子(第3作)、松野太紀(第6作)
鬼太郎の仲間(その詳細は先述の「鬼太郎とその仲間」の「呼子」の項目を参照)とは別個体の敵としての呼子。第2作12話初登場。ヤマタノオロチに拘束され悪事を働いている。ねずみ男を解放石に吸い込み入れ替わるが、自分が解放石に吸い込まれ元に戻る。第3作79話で「ニセ呼子」とも呼ばれる。解放石に閉じ込められた仲間たち共々ヤマタノオロチに逆らえずにいたが、オロチを倒せば自由になれると考え改心し呼子と協力した。第6作73話でもヤマタノオロチに拘束されて登場。この時「オグロ山の呼子」と名称される。欲で近づく人間に不幸を齎す存在で、ゲゲゲの森の呼子から「とっつきにくい」と思われている。ただし、鬼太郎たちと直接敵対はしておらず、鬼太郎は欲深な人間に警告して一応助けようと試みたが、オロチとヤクザに追い詰められたその人間は過ちを犯し、オグロ山の呼子だった人間と入れ替わり自由を失うという悲惨な末路を辿り、鬼太郎に愛想を尽かされた(但し新たに欲に近づく人間が現れ身代わりとなり自由を取り戻せる)。
ヤマタノオロチ
声 - 柴田秀勝(第6作)
日本神話で名高い八頭八尾の大蛇。原作は鬼太郎の登場しない水木の短編『やまたのおろち』。
初登場はアニメ第2作12話。呼子(鬼太郎の仲間とは別個体)が持つ解放石の中に住み、彼が呼び寄せた人間を引き込んで食う。図体の割には戦闘能力は大したことなく、鬼太郎の髪の毛針で首一本が簡単に倒れる程弱い。鬼太郎も引き込まれたが体内電気でオロチを気絶させ脱出、ねずみ男と入れ替わっていた呼子を解放石に引き込ませ元に戻させた。
第3作79話でも偽呼子が持つ解放石に住む。呼子並びに改心した偽呼子の助力で分身した鬼太郎の猛攻の末に首が絡まり、心臓をオカリナ剣で貫かれ倒れた。尾から出てきた剣を鬼太郎が振るい、解放石に閉じ込められた者は全員脱出した。
第4作74話では呼子や解放石とは無関係。ぬらりひょんが草薙の剣で復活させ地上で暴れる。鬼太郎は祐子達が奪った剣をオロチの中枢の頭に刺し再封印した。96話で妖怪王となったぬらりひょんが魔鏡を探す際に再登場。
第5作では第一夜オープニングで鬼太郎がヤマタノオロチらしき影に立ち向かう映像があるが、そのオープニングが使われている間には本編での対決はならず、代わりに劇場版『日本爆裂!!』にヤマタノオロチに良く似た姿をしたヤトノカミが黒幕として登場した。
第6作では73話に登場。過去作と違い言葉を話す。オグロ山の呼子が持つ解放石に住んでおり、手にした者のどんな願いも(曖昧なものでなければ)8つ叶えてくれるが、必ずしも願い主の意に沿った叶え方をする訳ではなく、周囲に不幸をもたらす結果を生み出すこともある。また、8つの願いを叶え切るまで持ち主の前から消えることはなく、たとえ解放石を手放しても願いを言う様どこまでも迫ってくる。神話に登場するヤマタノオロチと同一の存在かは不明。
縁切り虫(えんきりむし)
アニメ第2作第17話「縁切り虫」に登場。その名の通り、人と人との縁を切る恐ろしい毒虫。原作は鬼太郎の登場しない水木の短編『縁切り虫』。眼鏡をかけたような触角の無いサラリーマン山田に酷似した小型のカミキリムシのような容姿。首元に噛みついて、毒を注入しその者が他者との縁を切る気持ちにしてしまう。この毒素は、硫黄の煙により抜け出してしまう。目玉おやじは、「人間は誰も信じないだろうが、第1次世界大戦も第2次世界大戦も縁切り虫が各国の大統領や首領に噛みついたから起こったと信じている」と言う。作中では、まず財界のプリンス・濃沼(声 - 野田圭一、こちらもサラリーマン山田に酷似)と歌謡界の姫君・夢野なぎさ(声 - 平井道子)の結婚式に現れ、噛まれたなぎさは式場離婚を宣言する。拾った招待状で式場に潜り込んでいたねずみ男は、この虫を利用して「縁切り問題相談所」を開き金儲けしようと画策する。その前に、商売に邪魔な鬼太郎を始末しようと縁切り虫を差し向け他者との縁を切らせることに成功する。その後、相談所に来た濃沼と手を組み兵器会社の株を買い、箱根で行われる国際平和会議の各国代表を縁切り虫に噛みつかせて怒らせることで戦争を起こし、兵器会社の株が急騰したところで一気に売却しようという危険かつ悪質な商売を企てる。しかし、鬼太郎が自殺を願望してきたため、最も相応しい自殺場所として箱根山の火口へ案内し落とすが、そこに発生する硫黄の煙により鬼太郎は正気に戻って生還する。それでも、縁切り虫を差し出せと命令してきた鬼太郎たちにプラスチック製の模型を縁切り虫の死骸に見せかけ欺き、国際平和会議を縁切り虫に襲撃させ大喧嘩を起こした。しかし、事態の異変を察知した鬼太郎が体内に硫黄の煙を蓄え会議場に一気に吹き付けたことで事態は終息し、無事に平和会議は行われた。その後、破産してしまったことを悔いているねずみ男や濃沼を噛んだのを最後に縁切り虫は消息を絶つ。ねずみ男は解毒と懲らしめを兼ねて火口に吊るされたが、濃沼のその後は不明。
釜鳴り(かまなり)
声 - 山田俊司(第2作)、田中康郎(第3作)、青野武(第4作)、木内レイコ(第5作)
伝承は鳴釜。本作では『釜鳴り』に登場。使い古された釜に住む妖怪で、伝承では釜を被った毛むくじゃらの獣のような姿だが、本作では一つ目の影のような姿で描かれている。釜の中は異次元になっており、吸い込んだ者の生気を吸い取ってしまう。鬼太郎に不意打ちをしかけて髪の毛を奪い、妖力を強化させて暴れた。アニメでは第2作第19話初登場。アニメ第3,5作では物を粗末に扱う人間への復讐を狙っていた。第3作では第36話登場。昔は吉凶を占う神事の釜として祭られていたが、祭壇を子供たちの悪戯で壊されたあげく、そのまま捨て置かれたことを恨んで復讐しようとした。最初に鬼太郎を嘘の手紙でおびき出して髪の毛を奪い、その力で子供たちを襲って釜の中の異次元に閉じ込める。鬼太郎は釜の中に入って再び戦いを挑むも髪の毛が無いため力が出ず苦戦し、救援に来た砂かけたちも釜鳴りが操る巨大器物に襲われるが、巨大器物はぬりかべに破壊され、釜鳴りもつるべ落としと子泣き爺の連携で鬼太郎の髪の毛を奪い返されてしまう。それでも消滅はせず、再び髪の毛を奪おうと鬼太郎を襲うが、髪の毛針で目を潰され、オカリナ鞭に捕えられて降参。鬼太郎は、人間に物を大切にさせるから復讐は止めるようにと釜鳴りを説得し、後で祭壇も元に戻してやった。第4作では第95話登場。閻魔大王を倒し妖怪の頂点に立とうと目論んでいた。下駄やちゃんちゃんこまで奪って鬼太郎に化けた。本物と違い目が赤いのが特徴で、本物同様髪の毛針、リモコン下駄などを使用可能で、猛威を振るうが、父親である目玉おやじには通用せず、しかも後から来た本物に全て奪い返され正体を現し、弱点の目を攻撃されて敗北したため、釜もただの釜に戻った。第5作では第22話登場。鬼太郎の髪の毛や衣服を全て奪った。4作目同様本物と違い目が赤いのが特徴で、本物と同じ能力を使用可能(しかも本物より器用に使いこなす場面が複数ある)。おまけのカード目的でお菓子を捨てる子供や鬼太郎の仲間たちをあしらい次々と釜に吸い込む(その度に釜は巨大化している)が、父親である目玉おやじには通用せず鬼太郎から奪い取ったもの全て奪い返され、髪の毛針で目玉を攻撃され絶叫。鬼太郎たちが釜から脱出した後、大人しく釜の中に戻り、鬼太郎父子の手により神社らしき場所に奉納される。第6作では妖怪大同盟の一員として登場し釜鳴りのエピソードは無かった。
「妖怪千物語」では粗大ゴミとして捨てられた釜が妖怪になり、鬼太郎の髪の毛を奪い山の妖怪を次々に吸い込み暴れた。鬼太郎を釜に吸い込むが、妖怪達のお芝居作戦でおびき出されて髪の毛を奪い返され、体内電気で消滅。
巨大器物
釜鳴りに操られる、巨大な土瓶などの調理器具や食器。原作や第2作では事件が起きた一つ釜(ひとつかま)村に古くから伝わるコレクションで動かない。中には野原に置かれた通常サイズの和式便器もあり、近づいた者は用を足したくなってその隙を釜鳴りに襲われる(便器に関しては第3作も同様)。第3作では釜鳴りを網で捕らえようとした猫娘たちに土瓶、両手鍋、水差しが襲い掛かる。だがぬりかべによって塗り込まれたり踏み潰されたりして全滅した。第4,5作には登場しない。
千物語では髪を奪われたまま単身で釜鳴りに挑もうとした鬼太郎を襲う。リモコン下駄も効かないが、手に手に大槌を持って駆け付けた妖怪横丁の面々に粉砕された。
バリバリ
声 - 田中真弓(第5作)
アニメ第2作第21話「心配屋」、第5作第60話「働け!!妖怪バリバリ」に登場。原作はねずみ男を主人公とした、鬼太郎の登場しない短編『心配屋』。人間の体内に入り、強い意志と非凡な行動力を与える妖怪。第2作ではこの卵を人間の体に埋め込むと、バリバリは体温によって孵化し、その人間は自身の才能を伸ばされ、ベートーヴェン聖徳太子のような大天才となってバリバリ働き出す。ただし伸ばすのはあくまで「本人の才能」なので、時にはヒットラーのような、恐るべき危険人物をも生み出す可能性がある。目玉おやじの説明によると、人間と妖怪世界とのバランスが崩れそうな時こそバリバリの活躍の場だという。ねずみ男によって凸凹製薬株式会社の無気力な御曹司・凡太に埋め込まれたが、非凡になり過ぎて業界の存在意義を揺るがすような研究を始めた為、鬼太郎にねずみ男の垢を丸めた下剤を飲まされた事で排出され、空気に触れて消滅。凡太は元の無気力に戻ってしまった。
第5作では外見のデザイン(金平糖に目と手足が付いたような姿)が判明した。卵を体に埋め込まずとも寝ている人間の枕元に置くだけで孵って体内に入り込み、その人間の潜在能力を全開にさせるが、宿主はバリバリに養分を奪われながら休まず働くようになる為、最終的には過労で衰弱死してしまう。ねずみ男が妖怪闇市場で卵を幾つも購入した為、今回は被害者が多数[注釈 50] おり、シンジの体内に入り込んだ個体は目玉親父の説得によって自ら体外に出る[注釈 51]。その個体が他のバリバリを追い出す下剤作りに協力して放浪の旅に出た後に、シンジは父親(声 - 掛川裕彦)のプレッシャーから解放され(父親は猫娘に「プレッシャーが厳しいから萎縮しているだけ」と指摘され焦らずシンジを育てることを決めた)普通にやる気を出したが、居酒屋の息子は元の無気力に戻り、打田と蹴原は無理がたたって引退した。騒動の張本人のねずみ男は懲りずに更にバリバリをばら撒こうと画策していた為に、鬼太郎に下駄をぶつけられる場面で終幕になった。
骨女(ほねおんな)
声 - 小原乃梨子、中西妙子(第2作)、松島みのり→弥永和子(第3作)、山崎和佳奈(第4作)、沢海陽子(第5作)、斉藤レイ(異聞妖怪奇譚)
長髪を生やした骸骨の姿の女妖怪。『赤舌』で初登場。伝承では美女に化けて男を誑かすとされるが、本作でこの能力を用いる話は限られる(アニメ第3,4作や「決戦愛宕山」ではねずみ男に近付くため、小説「骨女」では人間界で暮らすために化けた)。体の骨を分解して撃つ攻撃手段を持ち、それ以上にねずみ男顔負けの弁舌と策略で強者に取り入るのを得意とする。原作では初め赤舌の部下として現れ、ねずみ男が骨壷を盗んだと警察官に嘘の密告をして呼び出し、赤舌の餌となる人間を集めさせた。赤舌が倒された後は真の主人・大首の食糧となる霊魂を集めるがまたも鬼太郎に阻まれ、大首が倒されると彼の念力で動いていた骨女もただの骨に返った。
アニメでは第2作第26話初登場。これと第31話の内容はほぼ原作と同じだが、順序が逆転している。
第3作では第35話初登場。自分の生命を持ち、第40話で大首が倒れた後も健在。第92話で家鳴と組み、住宅難に喘ぐ人間達を人食い家の餌にしようと企む。ここではねずみ男に惚れていて、強引に企みに誘っていた。鬼太郎達やユメコ曰く、とてもお似合い。ねずみ男は迷惑がって逃げ回っていたが、彼女が一時ただの骨に戻った時は涙ぐんで悲しんでいた。
第4作では第82話登場。大首になった王に仕えていた巫女で、王国再興の為に二人で妖怪化して生き続けてきた。策士より忠臣としての面が強調され、最後は大首と共に封印され眠りに就いた。
第5作では第41話登場。ピンク色の着物を着ている。ねずみ男に惚れていると偽って近づき昔の悪党ぶりを思い出させ、凶悪な妖怪舞首を復活させるために必要な人間の魂を集めさせた。骨でダシをとったスープを飲むと魂が抜ける(妖怪も例外ではない)。最後はねずみ男の見事な裏切りぶりに本気で惚れてしまった。
第6作準拠の小説「骨女」(「蒼の刻」収録)ではゲゲゲの森の住人で、思い込みの激しい所はあるが他シリーズのような悪辣さはない。飯島穂音美(いいじま ほねみ)と名乗って人間の病院で働いていた際に偶然目にしたレントゲン写真の骨格に惚れ、一反木綿に協力を取り付けてその骨格の男性を捜していた。後に、その男性・法医学者の萩原慎一(はぎわら しんいち)との交際を経て(萩原は骨に愛着を持ち、穂音美の正体を知っても受け入れた)結婚した事が鬼太郎への葉書で報告された。
新妖怪千物語では赤舌に付いて失敗した後、豆腐小僧のカビ豆腐能力を見て無理矢理養子にして利用しようとするが失敗し、鬼太郎の体内電気で倒された。
大首(おおくび)
声 - 今西正男(第2作)、石森達幸(第3作)、屋良有作(第4作)
『大首』(初アニメ化第2作26話)に登場。頭部だけの空を飛ぶ妖怪。風を操り敵を吹き飛ばし、また念力で骸骨を操る。縄文時代から富士山の地下で霊魂を食べて生きてきた。生者から霊魂を奪った為に鬼太郎達に嗅ぎつかれ、一度は強風で撃退するが、鬼太郎に霊食キノコを植えられ(第2作では、骨女が鬼太郎ファミリー毒殺用に用意したキノコを逆用された)石のようになって滅びた。第3作40話では富士山を噴火させて日本を征服しようとした。
第4作82話では元は古代人の王で、王国再興の為に人骨を食べて生き続けてきた。だが鬼太郎が骨女に放った言葉で、自身のやっている事の間違いに気付き、そして人外の者として生きるのに倦み疲れ、最後は骨女と共に封印され眠りに就く。
『異聞妖怪奇譚』ではギーガの配下として登場。一人称は「我」で語尾に「なり」を付け、古風な喋り方をする。死魂を捕食し、どんなにダメージを受けてもすぐに回復する不死身の肉体を持つ。攻撃時の決め台詞は「因果応報
いやみ
声 - 大竹宏(第2作)、飯塚昭三(第3作)、松尾銀三(第4作)、高戸靖広(第6作)
女の着物を着ているが、顔は爺という妖怪。目玉おやじ(原作)によると、人の楽しみを食べる妖怪だという。別名「エロモドキ」。首から下の胴体の部分が本体で、正体を現すと単眼の巨大な頭から直接手足が生えた姿に変貌する。初登場は少年サンデー版『いやみ』(初アニメ化第2作27話)。人間が住処に迷い込んだ為に冬眠から覚め、世の中の「楽しみ」を奪いエキス化して瓢箪に詰めて独占し、日本中をうつ状態にした。吸った者を色ボケにしてしまう「イロ気」を吐き、また手足はゴムのように伸縮自在。色ボケになったねずみ男は女の子(第2作ではいやみを起こした少女・春子、第3作48話ではユメコ)を誘拐、助けに来た鬼太郎も色ボケにされ彼女を取り合って喧嘩する破目に。しかし目玉おやじが魂を「みそぎ」して正気に戻す。イロ気の抜けた鬼太郎に頭部を蹴り落とされると正体を現し襲い掛かったが、力の源である睾丸を打ち砕かれ無力化、再封印された(第2作では鬼太郎と格闘して金的蹴りを食らうと萎み、住処ごと燃え尽きた)。
第4作61話ではイロ気は吐かない。とある神社で眠っていたが、願掛けに訪れた売れない落語家の「寄席で大爆笑取らせてみやがれ!!」の発言で目覚め、彼に取り憑いて「いやみ亭いやみ」の芸名で寄席に出演する一方で、街の人間のショウ気(正気または笑気とも書き、ショウ気を吸われた者は建前を無くして本音がむき出しになったり、笑いを忘れて凶暴化してしまう)を吸い集めていた。集めたショウ気は落語の時に放って客を笑わせるのに使ったり(それを知った猫娘たちは呆れ顔だった)、自身が吸って楽しんでいた(吸うと酒に酔ったようになる)。鬼太郎にグータラ毒を吹き込み無気力にするが、後に金比羅島にある清めの泉に入れられ復活される。再戦の際に落語家と分離し、原作と同様の正体を現すが、ちゃんちゃんこ包みで倒された。落語家は反省し、自分の力で頑張ることを決意した。
第6作では72話登場。普段はオネエ言葉で話すが、正体を現すと男口調になる。今作では楽しみを奪うことはなく、桃色吐息によって人や妖怪を色ボケにする能力のみ持つ。また、指笛によって色ボケになった者を招集することもできる。色ボケになった者はいやみを倒さない限り、元に戻れない。森で眠っていたところを起こされ復活、「愛は全ての人に等しく降り注ぐもの」「自分は愛の使者」という信条のもと、鬼太郎ファミリーをはじめ街で人々を次々と色ボケにして混乱に陥れた。ねこ娘に顔を切り裂かれ正体を現すが、戦闘力は大したことなく窮地に陥る。色ボケになった鬼太郎を呼び寄せて翻意させようとするも一蹴され、弱点の股間を蹴り飛ばされて消滅。同時に色ボケにされた者も全員正気に戻った(色ボケ時の記憶は無い)。
『雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎』シリーズではドラキュラたちに雪姫をさらうため雇われた。妖気を悟られない衣服と、相手の念力や怒りを炎にする舌型ライターで武装する。サンデー版とは逆に頭が本体で、ねずみ男の悪戯で胴を失いドラキュラたちから体の部位を借用。雪姫を捕らえると儲けを独占するためにドラキュラたちを焼き殺したが、鬼太郎に不意を突かれてライターを奪われ、自分も火葬された。訛りのある喋りが特徴[注釈 52]
『セクハラ妖怪いやみ』ではある電機メーカーに雇われ、ライバル社にイロ気を充満させセクハラ問題で打撃を与えようとした。他にも机を妖怪化したり、美女の姿をしたしもべ(乳房や陰茎を撃ち出す)を多数作り出したり、陰毛を伸ばして締め付けたりする術を使う。
ダイダラボッチ
声 - 今西正男(第2作)、江川央生(第6作)、大木民夫(異聞妖怪奇譚)
日本妖怪最大級の巨体を持つ雲突く背丈の、伝説の大巨人
『ダイダラボッチ』(初アニメ化第2作29話)に登場。地形を簡単に変えるほどの力を恐れられ、千年前に解体封印されていた。信奉者達によって封印の鍵が発見され、目、鼻、口、足、胴と頭、手の順に封印が解かれ復活。封印された復讐に日本列島を食い尽くそうとした。脳だけ地下に残して遠隔操作していた為にどんな攻撃も通じなかったが、鬼太郎が脳の在処を突き止め破壊、体も崩れ去った。第2作のみ原作と比べ人間に近いデザインで、第3作以降は原作準拠。第3作60話では創造と破壊の二面性を持つともされる。ぬらりひょんが自然環境の回復を願う人々を騙して復活させ、鍵で脳を操り兵器として利用した。脳を体に取り込ませる前に鬼太郎がぬらりひょんと鍵を撃ち落とし、正気に戻ったダイダラボッチは自ら眠りに就いた。第4作29話ではねずみ男に封印を解かれ復活。争いを収めると伝えられるが、それは争う者達を喰らうという意味。鬼太郎はそれを逆手に取り、争う振りをする策略でおびき出された隙にねこ娘らに竹槍で封印が解けていない脳を刺され海へ沈んだ。野づち同様、古代の神自身が対応せざるをえないほどの存在。96話ではウーストレルに操られ魔境の鏡を探している際に出現するが、これは妖怪王になったぬらりひょんに作られた幻だった。106話にも鬼太郎を妖怪ノイローゼに陥れようとした百々爺に作られた幻影妖怪の1人として登場するが、こちらは巨体ではない。エンディング曲『カランコロンの歌』『イヤンなっちゃう節』にも登場している。第6作では85話では長年妖怪研究に没頭してきた研究家の門倉(かどくら、声 - うえだゆうじ)によると日本を見守っていた心優しい妖怪と伝えられている。しかし最初に封印を解いた者の意のままになる性質があり、「ダイダラ教団」に変装した七人同行によって人類抹殺兵器として復活。ぬらりひょんが脳を復活させ意のままに操り、七人同行も用済みとして踏み殺した。最後は鬼太郎がぬらりひょん、朱の盆と対戦している間に、門倉が脳を破壊したことで消滅した。門倉はダイダラボッチの死を悲しむが、「いつか人間と妖怪がわかりあえる日が来る」と信じていた。そして、最終話では一時的とはいえそれが実現し、鬼太郎を他の人間や妖怪たちと共に応援していた。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』ではぬらりひょんによって一部のみ復活したが、鬼太郎に脳を破壊され再び封印された。その後、ドラキュラ達によって脳を復元され完全な姿へと復活。ギーガを飲み込んで強大な力を得たが、脳を集中的に攻撃された挙句、体内にいたギーガに体を乗っ取られ、世界を破滅しようとしたが、鬼太郎と一時協力したドラキュラ達によって動きを封じられ、仲間たちの妖力を授かった鬼太郎の渾身の一撃を受け消滅した。
信奉者(しんぽうしゃ) / ダイダラ教団
黒いフードを着た謎の集団。「ダイダラ教団」とも呼ばれる。先頭で指揮を執っているのがリーダー。第2作では全員目が無い顔をしている。第6作では七人同行がぬらりひょんに命じられ、「ダイダラ教団」に変装してダイダラボッチの封印を解くために行動している(本物の教団・信奉者は未登場)。
タイタンボウ
本来「タイタンボウ」はダイダラボッチの異称だが劇中では直接姿を見せないため詳細は不明。原作は鬼太郎の登場しない短編『足跡の怪』。
アニメは第2作第43話「足跡の怪」に登場。自然を支配する力を持つなど神に近い存在で、ある村の近くの「入らずの山」にある大きな岩を御神体として祭られており絶対に姿を現すことはない。中村と山田という二人の学者が岩の近くにある穴の中の聖域を荒した上に、岩の一部を壊して持ち帰ったことに怒り、村に嵐や地割れ等の天変地異を起こし、さらに村人を神隠しにした。中村と山田は鬼太郎から石を返すよう説得されるが無視したため、ついに二人にも祟りが降りかかる。山田は祟りによって右手の小指、右耳、右目、鼻と体の一部が溶けて無くなっていき、最後には首までが無くなった状態で走り去り、血のような赤い足跡を残してタイタンボウの岩近くの穴の中へ消えた。中村の方は体に欠損こそ現れなかったものの、山田が石を返そうと哀願しても、石に含まれる「未知の元素」「地球外ウィルスの可能性」の研究で名声を得ることしか考えず見捨てるなど残忍な性格に変わり果てており、目玉おやじから「タブーを犯した報いで人間の心を失ってしまった」と言われた。鬼太郎は中村から石を奪い返して元に戻すが、祟りはそれでも治まる様子はなく、そこへ石を取り返しにきた中村がニトログリセリンを手に襲いかかる。しかし中村もまた祟りで顔が一気に溶けて無くなり、そのまま穴へ転落。張本人であった二人の死により、ようやく神隠しに遭った人間は帰ってきた。鬼太郎とともに中村の最期を目の当たりにした村長は、「都会者はおっかないものが分かっていない」とその愚かさを酷評した。
第6作では70話に登場。氏神という設定で、入らずの山の番人を務める阿形(あがた)家の人間が4日おきにその御霊石(みたまいし)に祈りを捧げる事と、地元の町で生まれ育った以外の人間を山に入れてはならないという役目を負わされ、もしそれを怠れば恐ろしい祟りが町に降りかかるのだという。阿形家の跡取りに生まれた健人(けんと、声 - 小野将夢、少年時代は祖山桃子)は、二十歳の誕生日に受け継がれる役目から逃れるため御霊石を壊そうとするが、鬼太郎から13年前の事件について聞かされる。番人の儀式として父親の陽一郎(よういちろう、声 - 谷昌樹)、祖父の柳一郎(声 - 田中亮一)と親子三代で初めて祈りを捧げた後に健人が難病に倒れ、莫大な治療費が掛かることに悩んでいた際、富豪の息子たちである山田(声 - 松風雅也)と中村(声 - 沼田祐介)が刺激欲しさに大金を積み御霊石を見せて欲しいと頼んで来て、やむなく陽一郎が話を受けようとしたが、柳一郎が子や孫に代わって祟りを受けようと2人を山へ入れてしまう。だが2人は記念撮影だけで飽き足らず記念品だと御霊石を欠き取り(御霊石は傷つけると血のような赤い液体が流れ、磨くと綺麗に赤く輝く)、山から暗雲が垂れ込め町は雹や雷を伴う嵐に見舞われる。柳一郎からの手紙を受け取った鬼太郎は御霊石の欠片を取り返し、山田と中村は第2作同様の経緯で心身が崩れ去り(世間では未だ行方不明扱い)、柳一郎も健人の身代わりのように亡くなった事で漸く町を覆う暗雲が消えた。健人は鬼太郎が語った話を信じず御霊石を欠き取り、それに関わった友人の高志(たかし、声 - 落合福嗣)、(わたる、声 - 半田裕典)、千夏(ちなつ、声 - 伊藤かな恵)が次々に山田と中村のように祟りで体が崩れ去った。健人は中村の声に誘われるように現れたダイナマイトで御霊石を爆破するが、中村同様に地面に開いた穴に落ち無数の手に引き込まれた…と思ったら御霊石を壊してからのことは鬼太郎と砂かけ婆が幻覚砂で見せた幻だった。鬼太郎から「陽一郎は13年前に自分の代で番人を終わらせ健人には自由な人生を送らせようと考えたが、それをタイタンボウに悟られるように健人が病に倒れた為、以降は二度と危険な目に遭わせたくないという思いから、役目を継ぐように敢えて厳しく育てた」と聞かされた健人は、父や祖父、友人たちの気持ちを察し考えを改め番人を継いだ。山田と中村の魂は今でも御霊石付近の地下に囚われ呻き苦しみ続けている。
影女(かげおんな)
声 - 北浜晴子(第2作)、岡本嘉子(第4作)
アニメ第2作第36話「妖怪屋敷」、第4作第100話に登場。第2作では、容姿は下半身が幽霊のような形と肌の色を除けば人間と差ほど変わらないが、第4作では影に人間の女性の顔が付いた真っ黒な姿をしている。
第2作では、金太という人間の少年の父親が購入した古い洋館「幽霊屋敷」に住みついていたが、金太が幽霊や妖怪など存在しないことを証明するため犬を連れて乗り込んできた。その強情な金太に罰を与えようと見せしめに犬を殺し更に霊石を食べさせて生きたまま幽霊に変えてしまう。その後、事情を知り乗り込んできた鬼太郎親子を迎え撃ち、伸縮自在な下半身で鬼太郎を締め上げたりあらゆる攻撃が通用しない体質で苦しめたが、影がある限り無敵であることから目玉おやじの助言で影を作る源である光を消す為、ちゃんちゃんこで日光を遮られてしまい力を失い降参し(戦っているときは幽霊の怖い顔であったが、降参した際は美女の顔になっていた)金太少年を元に戻した。
アニメ4作では、悪意を抱いた人間を影の世界へ連れ込む妖怪で、地獄へ送られた罪深い人間たちの祖先から生み出された恐るべき妖怪という設定。かつて、人間たちの悪意を集めてこの世を乗っ取ろうとした罪で封印されかけ行方を眩ましたという。自分だけ良い思いをしたいという身勝手な気持ち(不平や不満)を抱く人間を影の世界へと引きずり込み悪意の塊にして1000の悪意を集めて、この世界を広げ人間界を蝕もうとした。人気アイドル渡辺千里(わたなべ ちさと、声 - 井上美紀)などの身勝手な気持ちを抱いた人間を影の世界へ引きずり込み、ねずみ男からの報せを受け助けに来た鬼太郎はおびき寄せようとするが悪意がない鬼太郎は子供たちに誤解されてしまう。しかし、その際誤解された鬼太郎を見て笑ったことに怒った猫娘・子泣き爺・砂かけ婆達に必要以上に嫌味も交えて疑われたねずみ男が、憤慨のあまりに不平や不満をぶちまけたことで出現し、ねずみ男をかばった鬼太郎を影の世界へと導き悪意へと変えようとしたが、ご先祖様の霊毛でできたちゃんちゃんこで勇気を取り戻した鬼太郎は鬼太郎ファミリーの助力で脱出に成功。しかし、1000の悪意を集め終え強大な力を手に入れ人間界に出現し街を襲い次々と光を奪っていった。砂かけ婆は、影女の実態は影で四方八方から目を開けられないほどの光を与えるしかないと答え、それを素にねずみ男の提案で千里のコンサート会場の強烈な照明を利用することを思いつき、鬼太郎にコンサート会場へ誘導されるがアクシデントで照明の電源を入れられない鬼太郎ファミリーや鬼太郎親子をも取り込んでしまうが、間一髪で放っていたリモコン下駄に気付けず電源を入れることを許してしまい、苦しみながら今まで引きずり込んだ人間たちや鬼太郎たちを解放し、本体はちゃんちゃんこで倒された。事件後、千里は他人に幸せを与えることが自分の最高の幸せであることに気付き改心してコンサートで頑張って歌を歌うことを決意した。
大ミミズ
声 - 野田圭一(第2作)
アニメ第2作第37話「地相眼」に登場。大きな青いミミズの姿の妖怪で、魑魅魍魎の世界の使者。戦後間もなく魑魅魍魎の世界に迷い込んだ安井という男が、赤・青・黄に光る三つの玉を発見し、そのうち赤い玉を手に取ったところ、臍に付いて取れなくなってしまう。地上へ脱出した安井は、地中の油田や鉱脈の場所がわかるようになり、それらを掘り当て一代で大財閥を築き上げた。しかし、赤い玉を手に入れてから二十五年後に大ミミズが使者として現れ、安井が手に入れた赤い玉が魑魅魍魎の世界の天文方位観測所の三つの宝の一つ「地相眼」で、安井と繋がった「地相眼」は彼の死と共に朽ちるため、彼の一人息子・安男が二十歳になった時に新しい「地相眼」として差し出すか、安井本人の命と全財産を差し出すかの二択を迫った。大ミミズは、「息子が二十歳になるまで考えさせて欲しい」という安井の頼みを聞き一旦帰るが、その十年後、安男が二十歳になったときに再び現れる。安井は苦悩し鬼太郎にも相談するが、鬼太郎は「魑魅魍魎の言い分にも一理ある」として有効な手を打てずにいた。しかし、安井の日記を読んで事情を知った安男は既に地相眼になる覚悟を決めており、大ミミズに連れられ魑魅魍魎の世界へ来た安男は父親との最後の対面で「これでいいんだ」と別れを告げる。そのまま大ミミズに包まれた安男は、失われゆく意識の中で、日本人の誰もが利己心の虜になり、皆で人間らしく幸せになる生き方を探そうとしないことを疑問に感じながら地相眼へと変わった。鬼太郎・ねこ娘とともに一部始終を見ていた目玉おやじは「人間の世の中がこうなってくると、わしらの力も使いようがなくなる」と、人の世の行く先を憂いていた。
隠れ座頭(かくれざとう)
声 - 矢田耕司(第2作)
アニメ第2作第38話「隠れ里の死神」に登場。盲目の仙人のような姿の妖怪。原作は鬼太郎の登場しない連載『サラリーマン死神』の「蒸発」。長年の座禅修行により「隠れ里」に繋がる「鬨の橋」が見えるようになり、400年前より12~13歳の子供をさらっては「隠れ里」へ連れて来ていた。「隠れ里」は美しい楽園のような場所で、中にいる者は老化することも餓えることもなく、隠れ座頭は子供たちを幸せにするつもりで連れて来ていたが、子供たちは「親に会いたい」と悲しんでいた。
隠れ座頭から頼まれた死神が現世で子供を探していたところを鬼太郎に見つかり、事情を聞いて子供たちを助けに来た鬼太郎と対峙。神通力を使って鬼太郎を苦しめるが、鬼太郎が偶然見つけた「鬨の橋」を通って子供たちが逃げようとしたことに気を取られて隙ができ、鬼太郎の毛針に顔を撃たれて倒される。同時に「隠れ里」も崩壊し、鬼太郎と子供たちは「鬨の橋」を渡って現世に戻るが、400年の歳月が一気に流れて子供たちは白骨と化してしまった。自分のせいで子供たちを死なせてしまったと悔やんで悲しむ鬼太郎に対し、猫娘は「みんなこうしてお父さんやお母さんのところに行けたのだから」、目玉おやじは「人が死ぬのは悲しいが、いつまでも死ねないのはもっと悲しいことに違いない」と励ました。
第6作第66話では、隠れ座頭に相当する役は人面樹が担っている。
人面樹(じんめんじゅ)
声 - 池水通洋
アニメ第6作第66話「死神と境港の隠れ里」に登場。その名の通り、顔のついた大木の妖怪。原作は鬼太郎の登場しない連載『サラリーマン死神』の「蒸発」。200年に一度現れる隠れ里の守り人(モリビト)であり、遥か昔からその呼び声で多くの子供たちを隠れ里に呼び寄せていた。200年前には荒尾一之進(あらお いちのしん、声 - 菅沼久義)、千代(ちよ、声 - 吉田仁美)、小助(こすけ、声 - 川口桜)、又吉(またよし、声 - れいみ)を呼び寄せ(庄司の友人・勝巳の資料によれば他にも神隠しにあった子供がいる)、現代でまなを呼び寄せた。一之進たちの魂を奪いに来た死神を追い出そうとして切り裂かれ、苦しみながらも隠れ里から出ようとする4人を「飢えも争いも無く、永遠に生きられる」と呼び止めようとしたが、「飢えも争いもないが、それだけ」と隠れ里に永住はできないと判断した4人は、これまでの事は人面樹に感謝しながら死を覚悟で隠れ里を離れた。一之進の予感通り4人は200年の歳月が一気に襲い掛かったことで寿命が尽きて体も白骨と化して瞬時に消滅してしまい(これは鬼太郎と目玉おやじも予期していた)、まなは自分が余計なことをしたせいだと悲しみ後悔するが4人の魂は成仏でき、鬼太郎からも「彼らは隠れ里から解放された」と諭されたまなは昇天して行く4人の魂を涙ながらに見送った。

サンデー版・アニメ第2作初出(味方としても登場した者)

火車(かしゃ)
声 - 富田耕生(第2作・本来の姿、鬼太郎に変身中)、平野正人(第3作・本来の姿)、山本圭子(第3作・鬼太郎に変身中)、梁田清之(第4作)、岸尾だいすけ(第5作・本来の姿)、高山みなみ(第5作・鬼太郎に変身中)、チョー(第6作・本来の姿)、古川登志夫(第6作・ねずみ男に変身中)、庄司宇芽香(第6作・ねこ娘に変身中)、沢城みゆき(第6作・鬼太郎に変身中)、松山鷹志(第6作・犬童けいすけに変身中)
葬式や葬列で死体を盗んでは自分の仲間にしてしまう妖怪。『逆モチ殺し』(初アニメ化第2作第23話「逆餅殺し」)に登場。長い毛と羽のような耳をした赤い肌(第6作では緑の肌)の怪物の姿で登場することが多い。また、作品によっては全身や尻尾の先に火が灯っている場合がある。妖怪の中でも五指に入る実力者(第2作より)で、目玉親父も鬼太郎が火車と対戦するのを止めたほど。昔から火車は皮を残して内臓をとるといわれ、自分と相手との魂を入れ替える術で相手の体を乗っ取ってしまう。またが大好物で、相手を餅と一緒について食べる「モチ殺し」は、それに遭うと大抵生きては帰れないという。幸吉(こうきち)少年から母の遺体の奪還依頼を受けた鬼太郎と体を入れ替えて火車の体に入った鬼太郎を毛針で撃ち、目玉親父も「モチ殺し」で始末したかに見えたが、それが仇となり目玉親父の秘術「逆モチ殺し」で退治され降参した。アニメ第2作では一度鬼太郎に依頼を断られた幸吉とねずみ男が奪還に来たのを魂を奪って操り、生者にまで手を出した以上放置できないと鬼太郎が動く展開が加わる。第3作62話では新しい体にして生き長らえるために死体を盗む。「魂とりかえばやの術」で鬼太郎と入れ替わった後、鬼太郎になりすまし用の無くなった遺体を返して幸吉から報酬を巻き上げ、ねずみ男と繰り出した歓楽街を仕切る暴力団「鬼瓦組」を乗っ取って「鬼太郎組」にしてしまう。魂の入れ替えを知った砂かけたちは、再入れ替えの期限である3日後に「鬼太郎親分就任祝い餅つき大会」に誘い出して餅で捕らえる「モチ封じ作戦」を決行。だが鬼太郎火車は自分に付いた餅を遠心力で飛ばす「逆モチ封じ」で動きを封じ、原作同様に目玉おやじを「モチ殺し」にかけるが「逆モチ殺し」で鬼太郎の体を奪還される。今度はミス村娘(に扮し作戦参加していたユメコ)の体を狙うが、ちゃんちゃんことオカリナ鞭で拘束された上に体内電気で焼き殺された。鬼太郎組の組員たちは「お坊さんになって修行をやり直せ!」と命令され幸吉の母が弔われた寺で仏門に入った(鬼太郎曰くちょうどいい罪滅ぼし)。組の酒盛りで侍らせた女性たちやユメコの尻を触るなど、好色でもある。劇場版第4弾では怪気象の妖怪の一員、108話冒頭では放火犯の1名として登場するが、62話の者と同一個体かは不明。
第4作45話では涙もろく人情深い妖怪で、ある3兄妹が母親の葬式に行かなかった事に怒り、彼らを攫い魂を餅に混ぜて食べようとした。だが、餅に魂を移した鬼太郎に餅ごと包まれ母親の魂から本当の気持ちを聞くと怒りが収まり自身の母親のことを思い出し涙ながら去って行った。本作のみ魂を入れ替える術は使わず、格闘中に自分がやられそうになると相手の位置を入れ替える。劇場版『おばけナイター』にも群衆扱いで登場。
第5作90話では島根県出身。以前は悪党で鬼太郎すら一方的に倒してしまうほどの強さを持っていたが、目玉親父に懲らしめられて改心(本件は目玉おやじの「七つの最強伝説」とは別。どのように懲らしめられたかは不明だが、鬼太郎すら戦慄させるほどのやり方だったと説明された)。以来妖怪横丁に住み、更生のため目玉の紹介で輪入道の運送屋に預けられ白坊主らと共に働いている。その為、目玉おやじには頭が上がらず、常日頃から感謝している。その為、後述の事件の際に親父からも疑われた際には泣くほどショックを受けてしまい失踪した。粗暴で暴走しがちだが、自分の過去を卑下してしまうほど日頃より反省しており、恩や仁義を一貫して通すなど、今では強い正義感を持つ。本作では炎の渦を撃ち出す「火輪奔り(ひのわばしり)」など炎を操る能力や、原作同様に相手と体を交換する秘術「魂入れ替えの術」も持つ。「火輪奔り」を輪入道に撃つと威力が何倍にも上昇する。原作同様餅が大好物であり、餅が大量に盗まれる事件が起きた際、横丁住人らに自ら買い貯めた大量の餅を見られて犯人と疑われたが、目玉おやじによって禁じられていた「魂入れ替えの術」で鬼太郎に成り済ましてまで自力で無実を晴らそうとした。その後、横丁の住人達を引き連れて雷門で真犯人の畑怨霊と交戦し、輪入道・白坊主の助力で援軍にきた鬼太郎(火車の姿)と力を合わせて解決し、輪入道、白坊主と共に妖怪四十七士に覚醒した。鬼太郎の姿でいる最中も、妖怪アンテナなど能力を上手に使えず、口調や素行で何度も仲間妖怪達から正体を怪しまれた(鬼太郎も火車の能力を上手く使えなかった)。鬼太郎とはデコピン対決を始めてしまうなど噛み合わない事が多かったが、これは疑われた事に対して激昂した火車の乱暴さが形に出てしまっただけであり、後に鬼太郎に素直に告白と謝罪をした事で和解し、見事なコンビネーションを発揮するなど親友になった。
第6作では38話登場。食料として死体を盗み、餅と並ぶ好物。体色は緑色で過去作と比べてかなり年老いており、昔のように奪った死体を担ぎ屋根の上を跳ぶなど出来ず、引き摺っている所をまなに見つかる始末だが、弱弱しい外見とは裏腹に非常にずる賢く悪辣な性格。まなが鬼太郎達に話している所を聞いたねずみ男は、火車と組んで違法な死体処理(年金不正受取、事故、殺人などの死体隠匿)の商売を始める。だが、それらの死体には「遺体を奪われた遺族の悲しみというスパイスが効いていない」と不満を感じた火車はねずみ男と体を入れ替えて(手を握って術を発動する。当初は力が衰えて使えなかったが、死体を食べてある程度回復した)おなら能力を使って火車の体になったねずみ男をダウンさせて逃亡するが、火車より若い妖怪の肉体という以外は臭くてかゆくて我慢できず、そこへ偶然出くわした猫娘と入れ替わり、ねずみ男の体になったかゆさでひるんだ猫娘の隙を見て逃走、猫娘の体は基本的には能力も含めて満足したが「女ゆえにスカート姿で足が寒いのは困りもの」という理由で、鬼太郎の家を訪ねて猫娘の体の仕草で鬼太郎に迫って入れ替わり、逃走後に葬式を襲い遺体を強奪。追ってきた鬼太郎(猫娘の体)と猫娘(ねずみ男の体)に見つかり、通りかかったまなを騙そうとするも見破られ、体内電気を使って猫娘の体の鬼太郎を倒して目玉おやじをモチ殺しにかけるが、目玉おやじの「肉を切らせて骨を断つ」逆モチ殺しで体と魂を全て元通りにされる。全く懲りずに逃亡し、年金不正受取のために母の遺体処理を依頼した犬童けいすけ(声 - 松山鷹志)と偶然会い入れ替わり(火車の体になった犬童の消息は不明)逃亡に成功し「火車の肉体が滅ぶ前に誰か人間の体に入り込まれたら(見つけるのが極めて困難で)どうすることもできない」と鬼太郎達の追跡を断念させ、人ごみの中で「死体を食べていこう」と目論んだ(この場面で38話は終幕となった)。
目目連(もくもくれん)
声 - 永井一郎(第2作)、銀河万丈(第3作)、佐藤正治(第4作)、中井和哉(第5作)
多数の目だけの姿の妖怪。
『目目連』(初アニメ化第2作32話)に登場。他の物体に擬態または憑依する能力を持つ。光の粒子になって移動する為、暗闇では行動力が鈍るという弱点がある(アニメ第3作・第5作では逆に光が苦手)。住処の廃屋を工事で潰されたため、工事関係者を怨み、まず現場監督に夜襲し蒲団に憑いて絞め殺す。鬼太郎やねずみ男にも衣服に憑いて締め上げたり幽素を吹き付けて石にしたりして苦しめたが、レンズで一点に集められ妖怪カメラで写真に封じられた。
第3作58話ではぬらりひょん配下として朱の盤と組んでユメコを誘拐し、妖怪城(たんたん坊達の城とは別)で鬼太郎を待ち受ける。後から駆け付けた鬼太郎ファミリーに光を当てられて追い詰められ、妖怪カメラで封じられた。
第4作2話では木蓮の里に住む優しい妖怪(普段は木蓮の葉に擬態している)だったが、ある姉弟(<姉(声 - 豊嶋真千子)>、<弟(声 - 野田順子)>)の父親(声 - 田中亮一)が別荘を建てて里を荒らしたことに怒り、仕返しにやって来た。玉葱や線香の煙といった目に沁みるものが苦手で、一旦はそれで追い払われて町中に潜伏していたが、工場の煙やトラックの排気ガスで目を傷め、苛立ってトラックに憑依して暴走したり、ビルに憑依して崩壊させようとしたが鬼太郎たちによって食い止められ、最後はねずみ男に憑依したところを妖怪カメラで彼ごと封じられた。その後、騒ぎを知り反省した父親が里を元通りにする事を約束したため、写真から解放されて(ねずみ男は騒ぎに便乗して火事場泥棒を行っていた為、鬼太郎に「しばらく妖怪カメラの中で反省しろ」と言われ放置)和解し、目薬を注してもらって木蓮の里へ帰る。13話ではねずみ男の妖怪屋敷で妖怪を侮る人間を脅すのに協力した。
第5作では18話に登場。闇の中では無数に分裂する能力を持つ。日本では鬼太郎たちが存在するために好き勝手に悪事を行えない為、バックベアードの協力で海外逃亡してドイツの古城を乗っ取り、怪現象を起こして持ち主のアリア・ブレスタイン(声 - 久川綾)を困らせ、アリアが原因解明のために呼んだエクソシストや心霊研究家といった霊力の強い人間を次々に餌食にして力を高めていた。アリアの依頼を受けてやって来た鬼太郎たちを姿を見せずに人や物に憑依して襲い、疑心暗鬼に陥らせる。「夜にしか怪現象は起きない」「憑依することで妖気を察知されずに対象を操る」という点から鬼太郎が推理し正体に気づくが、操ったねずみ男に毒を盛らせ、古井戸に鬼太郎たちを投げ込んで勝ち誇る。しかし、鬼太郎が左腕に毒を集中させて井戸から脱出し、月光を霊界符で増幅・照射され、闇を消され分裂した体を一体に収縮されてしまう。逃げようとしたところを銀製のコップに閉じ込められ、鬼太郎に日本に連れ帰られるはずだったが、様子を窺っていたベアードに見せしめのように消滅させられてしまった。
ヤカンズル
伝承ではやかんの姿で樹上からぶら下がる妖怪。
「悪魔ブエル」(初アニメ化第2作)ではカバのような胴体にラッパ状の口だけの頭部を付けた姿で登場。辺りの物を無限に食べ続け別世界の胃袋に収める。天の岩戸に封じられていたが悪魔ブエルの軍団を倒すために出された。悪魔軍団を食い尽くした後も食べ続けるため、鬼太郎親子はヤカンズルに食べられて体内から操縦して岩戸に戻す。体内からヤカンズルを倒さねば出られず、最低7年はかかる形でサンデー版は連載終了となった(その後、原作は7年も開けずに別媒体で連載が再開される)。アニメでは鬼太郎が食べられた理由が微妙に異なり(第2,4作では封印を解いた者を食べると岩戸に戻る。第3作ではブエルの部下にされたり後から呑まれたりした人間達を救うためで、ヤカンズルは気球を呑ませて岩戸へ引き戻した)、鬼太郎は胃の中でブエルを倒して脱出し放送は続く。
第5作では伝承通りやかんの姿で登場。妖怪四十七士の長野県代表(一斉覚醒)。
原始さん(げんしさん)
声 - 今西正男(第2作)
巨大な巨人の妖怪でその名の通り原始時代の人間のような服装をしており巨大な棍棒を携えている。緑を復活させることができる能力を持つことから通称「エコロ爺(エコロじい)」とも呼ばれる。アニメ第2作第40話「原始さん」に登場。原作は鬼太郎の登場しない水木の短編『原始さん』。銀座の街を次々と破壊していったことから最初は鬼太郎に敵視されるが、緑を甦らせたことで鬼太郎は目玉おやじからも自然を愛している妖怪と説明されて和解する。自然の恵みを感じて喜ぶ人間も多かったが、一方で緑の街を良く思わない反対派の人間(主に政財界)が原始さんを追い出そうと行動し始めたため、原始さんは今の大半の人間たちの考えにガッカリし、自然の有難みが分かっていない時に来るべきではなかったと判断して、全ての生命の源である海へ帰ることにする。その際に「いつか人間は一人残らず後悔する、その時になったらまた来るさ、手遅れにならなきゃいいが」と鬼太郎に言い残す。反対派の人間が攻撃しようとしたが、鬼太郎は「静かに帰らせてあげます」と司令官の口をちゃんちゃんこで塞ぎ火の雨が降り注ぐのを防いだ。原始さんが海へ帰ると、街は元通り排気ガスや工業廃水など汚染物質が蔓延する街となってしまった(緑の街は住みにくく働きにくいという)。これを「復興」と呼ぶ人間たちを見た鬼太郎達は「何も分かってない」と呆れていた。
山男(やまおとこ)
声 - 佐藤正治(第3作)
日本各地の山中に伝わる大男の妖怪。アニメ第3作第78話「マンモスフラワーと山男」に登場。鬼太郎の登場しない水木の短編『原始さん』と『マンモスフラワー』を原作にアレンジしたストーリーに、『カモイ伝』の設定も加えられている。第2作の原始さん同様に原始時代の人間のような服装をしており巨大な棍棒を携えている。地下深くで氷漬けになって眠っていたところを、ねずみ男に目覚めさせられた。自然を愛し文明を嫌っているため、東京の街を破壊してマンモスフラワーの種をまき緑を甦らせたことから、鬼太郎に急激すぎると反対され、夜行さんの妖怪と文明の力を融合させた発明品・「妖怪戦車」で文明の進化も目の当たりにし、東京を元通りの街にして、山へ帰る。現代人では理解できない縄文語も使い、「カモイ」と発言もするが、3作では『カモイ伝』や6作と違い「怖い」を意味する描写はない。
縄文人 (じょうもんじん)
声 - 稲田徹
青石山脈の日々利岳の奥地で原始的な生活を営んでいた大男。れっきとした人間で、目玉おやじも認める正真正銘の「縄文人」だが、縄文時代から何らかの方法で驚異的に長い年月をずっと生き続けてきた人間なのか、その時代の生活様式を代々受け継いできた縄文人一族の末裔であるのかは、作中で明言されておらず、本名も不明。一人で生活しているらしく、同じ暮らし方をする親族がいる様子も見られない。アニメ第6作67話「SNS中毒VS縄文人」に登場。鬼太郎の登場しない水木の短編『カモイ伝』を原作ベースに、『原始さん』とアニメ第2、3作の要素も加えられてアレンジされたストーリー設定。第2作の原始さんや第3作の山男同様に巨大な棍棒を携えている。屈強な見た目とは裏腹に非常に大人しく温和な性格で、人に危害を加えるような行為は一切しない。ひっそりと暮らしていたが、金儲けを企むねずみ男によって都会に連れ出されSNS映えの道具に利用されてしまう。彼の登場するSNSがインフルエンサー・クリスこと湊(みなと)クリスティーン[注釈 53](声 - 嶋村侑)を差し置いて(ねずみ男は彼女のSNSを参考にした)ランキング1位まで上り詰めたことで、クリスから極度に妬まれ、パーティーが行われていたビルの屋上から突き落とされてしまうが、一反木綿に救われ事無きを得る。それでもクリスは懲りずに彼を亡き者にしようと攻撃し、駆け付けた警察隊に逮捕され周囲に愛想を尽かされた。第3作の山男同様に縄文語を使用しており、本作の縄文人も「カモイ」が口癖で「怖い」という意味だが、縄文語を理解できない現代人は「いいね!」の意味だと勘違いしていた。目玉おやじからは「縄文人には文明に溺れ、毎日振り回される現代人の行動が恐ろしく映っているのだろう」と推察されている(ただし鬼太郎達から山に帰るよう提案されても拒否したり、現代人と一緒に笑顔で「カモイ」と言ったりとスリルを案外楽しんでいた節もある)。

「死神大戦記」初出

パウチ
アイヌに伝わる女の妖怪。形相が凄まじいため判別し難いが、一応老婆らしく示唆される。サタンに奪われたユニコンの鏡を取り戻すため地獄へ行ったが、逆に悪魔に追われて地上へ戻り、そこを待ち伏せしていた悪魔によってストーン・サークルの下敷きにされた。十二人の少年に鏡の奪還を頼んで事切れた。
ニタッウナルベ
湿地の石の中に住むアイヌの妖怪。髭を生やしているが老婆らしく示唆されている。サタンからユニコンの鏡を取り戻そうと考える水木しげるや子供達を、笛の音によって魂に変え、地獄との出入りを自由にさせたり、「ファラオの呪い」にかかった鬼太郎を助けるための知恵を授けたりした。
天眼(てんがん)
二百年も生きている仙人。幽体離脱を会得しており、あの世とこの世を往復しながら修行に励んでいる。鬼太郎を呼ぶため、水木しげるを瞬間遠隔移動によってこの世に送り返し、さらに「悪魔の印」を付けられた彼の魂を治したりもした。

週刊実話版初出

幽霊家主(ゆうれいやぬし)
「幽霊家主」に登場。鬼太郎親子とねずみ男が住み着いた幽霊屋敷に住んでいた幽霊で、人魂に小さな両目両手が付いたような姿(アニメ第6作の名無しの本体に似ている)。ねずみ男が目玉おやじに幽体離脱を教わって霊魂で遊び歩いている間に肉体を乗っ取り、返す代わりに収入の全額を家賃として払うことを要求、契約書を書かせた。
「立体テレビ」では2階の部屋を又貸ししたねずみ男から家賃を押収した。
粂の仙人(くめのせんにん)
「わんたん妖怪」に登場。二百年前、雲に乗って修業している最中、川で洗濯中の女性の腿を見て、仙術が破れ墜落した仙人。二百年かかってようやく仙術を会得し、ワンタンのような得体の知れない姿に化けて、山口百恵の家に毎晩侵入して添い寝していた。鬼太郎の毛針を受けて正体を現し、改めて修業し直すため山へ帰っていった。
ろくろ魔羅(ろくろまら)
「ろくろ大合戦」に登場。首ではなく男性器が異様に伸びる男。鬼太郎に依頼され、老婆のろくろ首と戦い絞殺するが自らも性器を食いちぎられ死亡。
ツカイ手のばばァ
「つきもの」に登場。多数のつきものを飼い、それを人に憑かせて操る老婆。金に困った男に「つきものを憑ければつく(運が向く)、対価はそのつきを半分くれればいい」と騙してつきものを憑け、操って横領をさせた。そのつきものを追って来た鬼太郎と格闘の末逃げ、その隙につきものを皆殺しにされ力を失った。
つきもの
ツカイ手のばばァが操る、犬か狐を細長くしたような妖怪。人間に憑いてその思考に割り込み操る。憑物・付喪神式神と同系統の存在。

月刊少年ポピー初出

化けグモ
原作『化けグモ』に登場。人形峠に棲み、旅人に無理難題をふっかけては食っていたという巨大な蜘蛛の妖怪。自分を退治に来たねずみ男と、ねずみ男を助けにきた鬼太郎を糸で縛って捕え、鬼太郎をミキサーにかけて食ってしまうが、体内で復元した鬼太郎に腹を破られ逆にミキサーに放り込まれて液状になる。それでも死なず、大量の小さなクモとなって鬼太郎を覆い尽くして倒したが、雪姫に掃除機で吸い込まれ退治された。
大ダコ
巨大なタコの妖怪。
原作『大ダコ』では大岩島の主を名乗り、大波や嵐を起こして島民を困らせていた。調査に乗り出した鬼太郎の妹・雪姫を見初め、相手に飛ばして血を吸い尽くす吸盤(鬼太郎ですら、吸い付かれて外科手術で取ったほど)を武器に結婚を要求。目玉親父の計略によって足を二本になるまで切り落とされたが、それでもなお攻撃してきた鬼太郎を食べるだけの力を持っていた。しかし、最期は墨になって周囲を飛び回る鬼太郎に翻弄されて足が絡まり、動けなくなったところで採取された吸盤を投げつけられ、エネルギーを吸い取られて消滅した。ただしその吸盤を放っておくと、新たな大ダコになって再生するので吸盤も焼き尽くされた。「手長足長」(アニメ化第3作81話)では(恐らく大岩島の主とは別個体が)300年前に手長足長を封じ込めた。原作では現状の記述はないが、アニメではもう高齢で陸に上がって来る力はないとタコ達が語っている。第3作71話では手長足長を封じた者とは別個体が鬼太郎一行の蛤船を襲うが、殻に挟まれた上に鬼太郎のオカリナ剣で目を刺され退散した。
第5作では妖怪横丁の住民として「化けダコ」の名で登場。ヒゲや眉毛が生えており、マッサージ店を営む。酒癖が悪く、44話で酔っ払って横丁内で暴れてしまうが、目玉おやじに変装した毛目玉の活躍で抑えられた。

アニメ第3作初出

板鬼(いたおに)
木の板の両端に多数の鋭い角が生えた姿の妖怪。普通の板に化けて隠れ、獲物に飛びかかり角で斬りつける。
漫画では1980年代『最新版』の「妖怪本所七ふしぎの巻」に登場。送り拍子木を鳴らしながら鬼太郎を襲うが、指鉄砲で粉砕された。
アニメ第3作では本所七不思議の話である第108話ではなく、江戸時代が舞台の第101話で百々爺の部下として登場。何人も辻斬りで殺し、鬼太郎の剣とも渡り合える程だったが、彼らに冤罪を着せられた老猫の魂に火を点けられ、百々爺ごと井戸の底に消えた。
土蜘蛛(つちぐも)
声 - 田中和実(第4作)、高塚正也(第6作)
巨大な蜘蛛の妖怪。
巨体の割に素早い動きをする。蜘蛛らしく糸を吐いて攻撃する。
アニメ初登場は第3作劇場版『激突!!異次元妖怪の大反乱』で、虎のような顔。ねずみ男とユメコが怪気象から避難しようと乗っていた地下鉄を襲うが、居合わせたカロリーヌを庇ったねずみ男の屁を口中に喰らい逃げられる。後に国会議事堂前の戦いでがしゃどくろと共に鬼太郎に襲い掛かるが、駆けつけた妖怪戦車の野づち砲に吸い込まれた。
第4作では第85話にメインで登場。人間の大人約4人分ほどの大きさで見た目は黒い蜘蛛の姿。口から吐く糸を自在に操り、人間を糸玉に小さく閉じ込めたり糸で妖力を吸い取るなど多彩の攻撃方法や、人間の子供(声 - 桑島法子)に化ける能力を持ち巨体でありながら非常に俊敏に動くことが出来る。また第3作と違い言葉を話すなど知性もある。800年前から蜘蛛ノ巣山という山を住処にしており、山に迷い込んだ人間を襲って食らいながら暮らしていた。偶然山に逃げ込んだ2人組の強盗犯に銃撃され深手を負い、その強盗犯達と彼らを追う刑事、そして強盗犯が盗んだ金塊を狙ったねずみ男を襲って彼ら4人の体と金塊で新しい体を作ろうとし、一時は鬼太郎をも妖力を奪い取って飲み込む程追い詰めたが、体内からの反撃で身体が限界を超えて崩壊し敗北、自身と共に蜘蛛ノ巣山も消えた。106話では百々爺の策略で妖怪ノイローゼになった鬼太郎の恐怖が生んだ幻が登場。
第6作では第68話に登場。猫のような顔。コンビニ強盗をして地獄流しにされた藤森カケル(声 - 石川界人)とカケルを更生させようとした父の翔平(しょうへい、声 - 石川英郎)を襲う。二人が地獄から出られないように妨害するが、カケルを捕まえようとした際に足を踏み外して転落し消滅する。
妖怪万年竹(ようかいまんねんだけ)
声 - 山口奈々(第3作)、大山豊(第4作)、西村知道(第6作)
歳を経たの妖怪。枝で襲うかタケノコを食べさせることで人間および妖怪の生気を奪って竹人間に変えて操り、本体は非常に硬く人間の工具はおろかかまいたちの刃でも切れない。1980年代マガジン版第1話「妖怪万年竹」(初アニメ化第3作74話)に登場。富豪の屋敷工事で住処の竹薮が切り崩されたため、人間を竹人間に変える。原作や妖怪千物語では本体は動きも話しもしないが先述の硬さの為に切り倒せなかった(百年前に暴れた時は火で焼いたが、住宅が密集している現代では大火災になる危険があるため使わなかった)。操っている竹の精を鬼太郎に突き止められ、彼女が降参したため活動停止、根元に貯めていた生気が解放されて竹人間たちは元に戻った。第3作では竹の精と同一存在で女性として描かれ、屋敷の地下から巨大な姿を現し暴れる。硬さと多数の竹人間で鬼太郎を苦戦させたが、根が柔らかいことに気付いたシーサーに齧られ、更に鬼太郎のオカリナ剣で唐竹割りに両断されタケノコに退化した。
第4作10話では男性として描かれる。親しかった少女・エリ(声 - 山崎和佳奈)が幼くして死んだことを哀しみ、彼女の住んでいた屋敷に近付く者を竹人間に変えていた。エリが生前の望み通り自分のそばで若竹に転生すると目玉親父に諭され、竹人間たちを解放する。
第6作45話では樹齢一万年を超える巨大な竹の妖怪として登場。竹藪の所有者の老人・金井大吉(かない だいきち、声 - 青森伸)と心を通わせていたが、大吉が行方不明となった十年前から人間を憎むようになり、竹藪に足を踏み入れた人間を襲って竹人間に変えていた。さらに、大吉の息子・雅彦(まさひこ、声 - 半田裕典)の妻・清美(きよみ、声 - 小堀友里絵)が竹藪を観光地として売り払おうとしたことに怒り、売却に反対する雅彦と共謀して脅し追い払おうとしていた。しかし、ねずみ男に呼ばれて来た鬼太郎に雅彦の細工を見破られたため、強行手段に出て竹人間に襲わせ清美やねずみ男たちを竹人間にした。雅彦に連れられてきた鬼太郎と対峙し、竹の葉を飛ばしたり鋭い根を放って攻撃し、硬い体で髪の毛針やリモコン下駄を弾き返すなど苦戦させ、ついには根を鬼太郎の腕に巻きつけて同化しようとするが、そこから鬼太郎にエネルギーを吸収され、奪った人間の生気を放出して敗北し、竹人間達は元に戻った。沈静化した万年竹は大吉が左腕に痣を持つ何者かに殺害され竹藪に埋められたために人間を憎むようになったと真相を語るが、「この竹藪は父の代わりに自分が守るから、もう人間を襲わないで欲しい」という雅彦の説得に心打たれて引き下がる。清美も考えを改めて竹藪の売却をあきらめ、一件落着したかに見えたが、清美が戻ってきたときの様子に違和感を覚えた鬼太郎から追及された雅彦は、態度を急変させて左腕の痣を見せ「篤志家である大吉が自分に遺産を遺さず死後に全財産を寄付しようとしたため殺した」と語り、「万年竹さえいれば、ここに入ってくる者はいない。遺産はすべて自分のものとなり真相は文字通り藪の中だ」と邪悪な笑みを浮かべて勝ち誇る。しかし雅彦は油断して竹藪から出る前に喋ったために全て万年竹に聞こえており、人間として裁かせたい鬼太郎の「今からでも遅くない。警察へ行って罪を償ってください。」という最後の警告も笑って無視したため愛想を尽かされ、激怒した万年竹に捕まり竹人間に変えられながら藪の中に引き摺り込まれ消えていった。
竹の精(たけのせい)
竹薮を切り崩す富豪の屋敷に女中(原作や第3作、異聞妖怪奇譚では中年女性、妖怪千物語ではメイド服姿の少女・香織)として潜入、工事の中止を進言したが聞き入れられず、万年竹を操って人間を襲った。鬼太郎たちに正体を突き止められると降参(第3作では万年竹となって戦い敗れ)、タケノコになって鬼太郎たちに保護された。
竹人間(たけにんげん)
声 - 田邊幸輔草野太一寺崎千波也(第6作)
万年竹に生気を奪われた人間や妖怪が変化したもの。万年竹の命令で人間を襲って生気を奪い、その生気は万年竹本体に送られる。犠牲者は新たな竹人間になって増え続けていく。鬼太郎はわざと竹人間(鬼太郎竹)にされて様子を窺い、敵の本質を見抜いた。ねずみ男は竹人間になっても手癖が悪く財布まで奪った。第3作では一反木綿も竹人間にされ笊状に編んだような姿に「自分の場合みっともないからやめて欲しかった」とこぼした。
五徳猫(ごとくねこ)
声 - 伊倉一恵(第3作)、堀川亮(第4作)
頭に五徳状の角が生えた化け猫。
漫画初登場は1980年代『最新版』の「世紀の妖怪アイドル、幽子」で、死者を生者同様に現世に現す妖力を持つ女性の化け猫妖怪。ネズミ妖怪の鉄鼠を夫にしているが、角が折れると猫の本能に戻って夫を食べようとする。アニメ初登場の地獄編4話もほぼ同様。鉄鼠の項も参照。
『鬼太郎国盗り物語』ではシーサーが四十九日前の墓に猫を連れて泊まった為、その猫に死霊が入って変化。シーサーを奴隷にし、鬼太郎にも5体分身と麻痺ガスで苦しめた挙句に魂を奪うが、シーサーの両親と寝太郎の協力で死霊を抜かれてただの猫に戻る。
アニメでは第4作第113話登場。原作や3作目と違い男性が登場。ぬらりひょんに雇われた「三匹の刺客」の1名。貧乏な内職暮らしで風が吹けば倒壊するほどの掘っ立て小屋に住んでいる。竹筒から強力な火を吹くが、距離が短く風に簡単に煽られ鬼太郎に届かず自分自身を焼いて自滅してしまう、特徴の五徳角もない、標的が鬼太郎だと知って最後まで敵前逃亡をしようとし続ける等、他のシリーズの女性個体には無い小物ぶりで邪な性格でもなく、本来ならねずみ妖怪で天敵関係のねずみ男にバイト代と食事欲しさで簡単に騙されていた。その後事情が鬼太郎ファミリーに知られ、温泉饅頭をもらって号泣していた。
大百足(おおむかで)
声 - 大森章督(第3作)
巨大なムカデの姿をした妖怪。ぬりかべを溶かすほど強力な毒をもつ。『妖怪大百足』に登場。人間が、仲間のムカデ達を油を作るために大量に殺したため、怒って人間や家畜を襲いだした。天敵の大蛇を退治してほしいと鬼太郎達を騙して洞窟に閉じ込め、その間に人間の村に攻め入ろうとしたが、シーサーの助けで脱出した鬼太郎によって、何でも溶かす胃液を体内に流し込まれて倒された。
アニメでは第3作第73話初登場。鎧武者の人形を操って沖縄を荒らす。最期はシーサーによって毒液袋に穴を開けられ、自分の毒で自滅。
第4作第107話では穴ぐら入道に操られて登場。多数の病虫が合体したもの。生命力が強く、胴体が千切れてもすぐにくっつく。最期は崖から溢れた水を防ぐため、穴ぐら入道と共に石化し人間達を救った。
第5作第13話では体が節ごとに分裂して行動でき、さらに分裂した個体にも毒牙をもち、ぬりかべが毒に侵された。ただし日光には弱く、夜にしか活動しない。後に1体に合体して巨大怪獣のように暴れたが、ぬりかべ一家の合体攻撃により粉砕された。
赤頭(あかあたま)
声 - 西尾徳(第3作)
坊主頭の小柄な僧侶のような妖怪。アニメ第3作第93話「進化妖怪かぶそ」に登場。数珠を使った金縛り術を使う。人間の文明が栄える地球に嫌気がさして月に移り住んだが、人間が思い上がって月にまで文明を広げようとすることに怒り、月無人探査機に搭乗していたかぶそのハチャとメチャへリンゴに似た形の知恵の実を渡し、知恵をつけさせてかぶその文明と人間の文明をぶつけさせ戦争を起こさせ人間を滅ぼそうとした。しかし、かぶそは自分たちの文明により自滅してしまい、今度は知恵の樹の枝を伸ばして地球に渡り、妖怪全員に知恵の実を食わせようとした。しかし、鬼太郎ファミリーとの戦いで自分が知恵の実を食わされそうになり敗れ、「文明に溺れる者は文明に滅びる。かぶそと同じように人間もまた自らの文明により滅びるだろう」と捨て台詞を残し月に引き揚げていった。鬼太郎は赤頭が残した知恵の実をねずみ男とユメコが盗もうとしたため、没収のうえ全て焼却処分した。第6作では妖怪大同盟の一員として登場。
かぶそ
声 - つかせのりこ(第3作・ハチャ)、大竹宏(第3作・メチャ)
アニメ第3作第93話に登場。毛むくじゃらのネズミのような前歯が特徴の小柄な妖怪。名前が判明しているのは月無人探査機に乗り込み眠っていた「ハチャ」と「メチャ」。文明を月にまで広げる人間を憎らしく思う赤頭に知恵の実を与えられ、地球に戻された後その実を仲間たちと分け合って食べた結果、高度な文明を築き上げた。しかし、知恵に振り回され心を無くしていってしまう。鬼太郎をもその文明で苦しめたが、最後は自らの文明により自滅してしまうという哀れな末路を迎える。
海和尚(うみおしょう)
声 - 槐柳二(第3作)、大友龍三郎(第4作)
顔が首の長い僧形の人間型で体は海亀型の姿をしている妖怪。
第3作76話では、人食い島を祭る村で過去に邪険にされた末に横死した旅の僧の魂が亀に乗り移ったもの。髪が生えており首が短い。人食い島の肺に住み着き、元の姿に戻るために若い娘の肝を取ろうとしていた。鬼太郎に事情を話すと一度は改心したように見えたが、「妖怪の肝の方が効果がありそう」と考え鬼太郎にスッポンの如く噛みつき、組み合ったまま水路のような人食い島の肺静脈に落ち、心臓まで流れて行く。「スッポンには雷」と鬼太郎が放った体内電気で振りほどかれ、そのまま人食い島の心臓の弁に押し潰され死亡した。なお、海和尚の生贄にされかけた女性は当初はお多福顔の不美人だったが、素顔は美人で生贄向けに「昔の美人」の基準に変装をしていた。
第4作77話では船幽霊の親玉(原作や他のアニメシリーズにおける海座頭のポジション)として登場。人間が海の妖怪に畏敬の念を持たなくなったことを怒り、更に底引き網で自分も深い海の底に閉じ込められてしまったことによる腹いせで漁船を襲って船員を船幽霊にしていた。口から吐く水と鋼鉄のように硬い甲羅が武器。鬼太郎をも船幽霊にしてこき使おうと考え体の半分を船幽霊に変えてしまうが、駆け付けた猫娘や夜行さん、ねずみ男の妨害で失敗し、自身も蟹坊主の吐き出した泡で一時的に身動きを封じられる。最後は、元に戻った鬼太郎の反撃でリモコン下駄を喰らってひっくり返り、オカリナロープで縛りあげられ海の底の冷たい水に浸けて頭を冷やされることになった。3D映画『鬼太郎の幽霊電車』では三太郎に落書きされた亀が妖怪化した。幽霊電車を飲み込むが、内部も幽霊電車の通路になっていた。
煙羅煙羅(えんらえんら)
声 - はせさん治(第3作)
伝承にもある煙状の姿をした妖怪。本作では体で煙を食べる妖怪として『煙羅煙羅』に登場。山奥の炭焼き小屋に住んでいたが、そこの主人が亡くなって飢えていた所をねずみ男の誘いで都会に出る。最初は煙突掃除をしていたが調子に乗ったねずみ男は煙を吹かせて火事場泥棒をし、煙羅煙羅は更に煙を食べて大きくなり、また都会の煙の毒で暴走し始め煤や毒煙を撒き散らした。原作では野づちに吸い込まれ、体内でヘドロやタール分と分離されて元に戻る。しかしこれで野づちは腹を壊し、大騒ぎの元になったねずみ男は裁判にかけられた。アニメでは第3作第107話初登場。砂かけ婆の捨て身技「大砂塵」で諸共にタール化し、妖怪病院で遠心分離機にかけられ元に戻る。その後は子泣き爺(炭焼き小屋の主人と友達だった)と共に元の小屋に戻った。
串刺し入道(くしざしにゅうどう)
声 - 峰恵研(第3作)
生物を串刺しの標本にして集めるのを好む妖怪。人間の少年を標本にしようとしたため鬼太郎と対峙する。むくろという動く死体を操る能力を持ち、更に、自らの頭を胴体から抜いて独自に動かすことができ、頭の下には巨大な串が付いている。降参した振りをして鬼太郎を背後から串刺しにしようとするが、偶然にも落雷が直撃したことで焼死した(頭部が金属質のため、電気には弱い)。アニメでは第3作第82話登場。ねずみ男曰くケチで、彼が採集してきた生物の代金を請求されると開き直っている(だが、人間の少女を連れて来るように依頼した際は小判二枚を前金で払っている)。標本にした生物の能力を自分のものにする妖力を持ち、劇中ではトカゲの舌、ヤモリの指、蜘蛛の糸、鬼太郎の体内電気の能力を使用している。また、首に付いた串以外にも掌から多数の串を投げて攻撃する。串で鬼太郎を磔にし、薬を注射して標本にするが、砂かけ婆の術で魂が標本に戻されて生き返り、鬼太郎を含め、これまで標本にした生物から手に入れた能力が使えなくなる。むくろを使役して生き返った生物を捕らえようとするが、鬼太郎ファミリーによってむくろたちは倒され、分離した胴体で鬼太郎を羽交い絞めにして串刺しにしようとしたが、目玉おやじが救援に呼んだかみなりの電撃を食らって倒され、大岩で塞がれた住処の洞窟に封印された。
化け草履(ばけぞうり)
声 - 田中康郎(第3作)、橋本晃一(第4作)、諏訪部順一(第5作)、菊池こころ(第6作)、立川志の輔(実写映画版)
九十九神(付喪神)の一種で、古くなった草履に魂が宿った妖怪。
履物に宿った霊を「履物のあの世」で整理する役目を持つが、現代の人間が履物を粗末に扱い、履物の霊が自身の手に負えない程増加した事に怒って人間への復讐を目論んだ。巨大化したり、古道具や履物を操る妖力を持つ。
アニメでは第3作第99話初登場。履物を簡単に捨てる人間によって成仏できない履物の霊が「履物のあの世」に溢れ返ったことに怒り、妖力で捨てられた履物を巨大化させて反乱を起こした(自身はリングシューズの中に入って反乱の指揮を執っていた)。
第4作では第43話登場。ここでは葬式で故人に履かせる草履が化身した妖怪で、説得された後に依頼人の祖父を送った。劇場版『おばけナイター』では群衆扱いで登場。
第5作では第53話登場。白山坊のショーで客を襲った。鬼太郎のリモコン下駄までも妖力で操るが、下駄の急所である鼻緒を髪の毛剣で切られて無力化される。
第6作では第41話登場。ここでは靴屋を経営していた老人・辻村勇夫(つじむら いさお、声 - 麻生智久)が少年の頃から父親の形見として肌身離さず持っていた草履が化身した妖怪で、大人になって靴屋を始めてからは店のお守りとして「草履さん」と呼ばれ大切にされていた。しかし、勇夫一家が靴屋を閉店して引っ越すことになり、ゴミとして袋に入れられ置いて行かれてしまう。他の古道具(化け湯呑や化け懐中電灯など)と共に妖怪となり、捨てられたことに仲間とショックを受けているところへ、ねずみ男から「人間は物を大切にしない」「復讐に協力しよう」と唆され、仲間たちのリーダー格となりオークション詐欺に加担していた。だが、落札主から大切に使われる嬉しさに詐欺をやめる仲間も出るようになり、戸惑っているところで前衛アーティストの部々ロドリゲス(ベベ ロドリゲス、声 - 半田裕典)に落札される。そこでロドリゲスに解体されそうになった上に「どうせ前の主に履かれなくなって売りに出されたんだろう」「お前に帰る場所など無い」と罵られたことに逆上して巨大化して暴れ出し、ロドリゲスの家を破壊した後、旧辻村邸に戻って勇夫の息子・修一(しゅういち、声 - 新井良平)とその妻・美和子(みわこ、声 - 祖山桃子)を見つけて襲おうとするが、鬼太郎に止められる。そこで修一はゴミ袋に入れたのは自分の勘違いだったと謝罪し、療養中の勇夫のもとに化け草履たちを連れて行った。勇夫は自分の命が病気であと僅かなことを知って草履たちを大切に扱ってくれる人たちに託そうとしていたと話し、これまでの人生を共に過ごしてくれてありがとうと化け草履たちに礼を言い、化け草履たちも勇夫から愛されていたことを知り涙を流して和解した。その後、化け草履は民俗資料館に寄贈されて昔の人々の生活を子供たちに伝え続ける役目を貰い、様子を見に来た鬼太郎たちも「化け草履も嬉しいことだろう」と安心した。
妖怪千物語では、西洋妖怪との戦いに加勢した日本妖怪の中にいた。
付喪神(つくもがみ)
アニメ第6作第41話登場。化け草履の仲間で、元の持ち主・勇夫に捨てられた古道具に魂が宿って妖怪の姿となった。ねずみ男に唆されてオークションで落札されては戻ってくるという詐欺に加担していたが、化け湯呑(声 - 落合福嗣)や化け懐中電灯(声 - 森下由樹子)などが落札先で大切にされたことで詐欺を止めた。本当は勇夫の息子・修一(声 - 新井良平)が勘違いしてゴミ袋に入れただけで、勇夫は彼らを大切にしてくれる引き取り先を見つけており、物語のエピローグで全員が引き取られたと鬼太郎が語っている。本編では湯呑急須置き時計懐中電灯ギター髭剃り定規ガスランプカメラライターが妖怪となった。
第4作43話でも多種の古道具が化け草履と共に暴れるが、そちらは化け草履の妖力で妖怪化したもの。
本来は化け草履など長い年月を経た古道具に魂や霊が宿って妖怪化した物の大半が該当し、ここに挙げた者たち以外にも、第6作および歴代のアニメシリーズや原作、その他の伝承などでも多数の類似系で誕生した妖怪が存在している(本項で「ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター」としての便宜上、他の項で分類記述した中にも器物系の妖怪は、大半が「付喪神」にも分類される)。
手長足長(てながあしなが)
声 - 田中康郎(第3作・手長)、龍田直樹(第3作・足長)
本作では「手長足長」(アニメ化第3作81話)に登場。妖術に長けた手長を格闘に長けた足長が肩車しているコンビ妖怪。300年前に海の生き物に悪さをしたため、大ダコによって要石で塚に封印されていたが、その塚が工事で崩されて復活、復讐にタコたちの上半分を他の動物に変えてしまう。ねずみ男に見世物にされていたタコたちから話を聞いて鬼太郎は立ち向かうが歯が立たず、目玉親父(アニメでは加えて猫娘、砂かけ婆、ユメコ)の首から下をタコの足に変えられてしまった。鬼太郎はシーサーに塚の跡から要石を掘り出させ再挑戦、そこへ現れたねずみ男は彼らを封じたら見世物ができなくなると鬼太郎から要石を奪って手長足長に渡すが、「手長が要石を両手で掴む」ことが封印の発動条件だった(シーサー曰く“意志”に反してしまった)ため、彼らは液化して術を掛けられた者たちは元に戻った(原作ではタコたちは他の動物の姿になっている)。ねずみ男はタコたちにつらい思いをさせた罰として、溶液を壺に納める後始末を命じられた。
第5作では第25話の運動会で、輪入道転がしの北日本代表として登場。
第6作では妖怪大同盟の一員として登場。
第2作のオープニングでも手の長い妖怪と足の長い妖怪が運動会に参加しているシーンがある。
けらけら女(けらけらおんな)
声 - 青木和代
けらけら笑う巨大な女妖怪。原作「けらけら女」では子供達を自分の「ケラケラ学校」に集め笑い方を教えようとした。子供たちを助けに来た鬼太郎と対峙し巨大化した笑い虫に鬼太郎を食わせるが、それは鬼太郎の作戦で、体内から鬼太郎に操られた笑い虫に食われてしまった。アニメでは第3作第95話初登場。勉強に追われて暗い顔をしている子供たちを見て可哀想に思い、笑顔を取り戻してやろうとヘンラヘラヘラと入れ替え「笑いの世界」に連れて行った。また、学習塾のことを「子供たちに勉強を強制して笑顔を奪う元凶」と見做して憎み、ヘンラヘラヘラを操って襲わせていた。口から飛び込んだ鬼太郎に腹の中で暴れられ、苦しさに降参し子供たちを返す。「笑いの世界」で勉強を忘れて楽しく遊んだ子供たちは笑顔を取り戻し、教育熱心が過ぎた母親もそれを見て考えを改めるなど、行き過ぎた所はあったものの彼女の行為も悪い事ばかりではなかった。
笑い虫(わらいむし)
原作でのけらけら女の手下。攻撃されると笑い粉を撒き散らし、共食いして巨大化する。鬼太郎に操られてけらけら女を食った後、主人がいなくなったことで自身も消滅した。
ヘンラヘラヘラ
アニメでは第3作第95話でけらけら女の手下として登場。けらけら女が持つケラケラトンカチで頭を叩くとできる大きなコブから生まれる。姿は元の人間そっくりだが、いつもヘラヘラ笑っており宙を飛び回る。最後はけらけら女が降参したため姿を消した。元は水木の別作品「ヘンラヘラヘラ」で登場しており、公害病の犠牲者が新生命に生まれ変わったかと思われたが、実は公害で霊魂まで変質してあの世に行けなくなったものだった。
皿数え(さらかぞえ)
声 - 土井美加(第3作)、庄司宇芽香(第5作・お菊として)
怪談「皿屋敷」の「お菊(おきく)」の幽霊をモデルとした女妖怪。
「皿合戦」(アニメ化第3作第97話)に登場。皿を操り、下半身が多数の皿に分離する。皿に乗った者を眠らせたり[注釈 54]、皿の音で踊らせたりする。街中の皿を操って食べ物を盗み、調べに来た鬼太郎達をも呑み込んで皿に変える。しかし皿のままで反撃され、夫の大入道を人質に取られ降参した。
第3作では他に、第53話に「皿屋敷」の要素が取り入れられ、モウリョウに取り付かれた女性・町子(そちらも声は土井)の死亡状況と脅し方がお菊に準えられる。
第5作第11話では、伝承通りの「お菊」の名前と設定で、白山坊が経営する見世物小屋の演者妖怪として登場。元々演者の少ない見世物小屋で何回も工夫無しに延々と同じ演目を続けていたため、観客の妖怪仲間たちからは飽きられていた。
大入道(おおにゅうどう)
声 - 大竹宏
巨大な男の妖怪。
「皿合戦」(アニメ化第3作第97話)ではトンスラ頭で僧形の巨漢(とは言え本作では数メートル程度)。皿数えの夫で皿ばかり食べる。「鬼太郎霊団 阿部の奉連想」では『怪談百鬼図会』にあるような真っ黒な姿。小錦にとりつき、奉連想の部下として登場した。
獅子頭(ししがしら)
声 - 大竹宏(第3作)、麦人(異聞妖怪奇譚)
空飛ぶ顔が獅子の妖怪。初登場は「ペナンガラン」(アニメ化第3作第87話)。江戸時代に悪事を働いたため、封印されていたが強盗によって封印を解かれ現代によみがえった。その正体は南方妖怪のペナンガランだった。頭がダイヤモンドより硬く頭突き攻撃はかなり強烈である。目から放つ光で催眠術をかけたり、口から火を吐くこともできる。鬼太郎を寸前まで追い詰め苦しめるが、最後は逆転され敗れ去った。『異聞妖怪奇譚』でも敵妖怪として登場。設定は同じだが、正体のペナンガランは『決戦小笠原』と同じ外見をしている。
たくろう火(たくろうび)
声 - 龍田直樹(第3作)、吉田小南美(第6作)
髑髏のような顔の炎の妖怪。
「妖怪クリーニング」では四次元から来た妖怪。ねずみ男と組んで「火で洗うクリーニング」を開業するが、洗う際に服に妖力を吹き込み、着た人間を仲間に変えることで世界征服を企んでいた。それを突き止めた鬼太郎がねずみ男の洗濯機トラップで脱水されると、その妖力を奪い取ろうとした。だが逆に支配されて被害者達を還元され、負けを認めて退散した。
アニメでは第3作第85話初登場。楽しい場所を占領する悪党妖怪。顔が三つあり分離行動可能。互いの境遇を羨む天童星郎と河童の子・三吉に体を入れ替えてやると持ちかけ、瓶に隠れた自分を河童の隠れ里に持ち込ませ占領した。三吉に話を聞いて駆けつけた鬼太郎やユメコを河童達を盾に取って焼き殺そうとしたが、応援に来たかわうそ達水妖怪が降らせた雨で火力を弱められ、オカリナ鞭で水中に引き込まれ消滅。同時に星郎と三吉は元に戻った。
第6作では第21話で初登場。第3作とは違い顔が一つで両手がある。ゲゲゲの森の住人で純真な心優しい妖怪だが、自分の意思と無関係に触れた物を炎上させてしまう性質があるため友達がいなかった。金に困っていたねずみ男が一儲けしようと手を組み、遊園地のアトラクション「BIBIBI FIRE」を始める。最初は他人と話す経験がなかったため上手く喋れなかったが、ある夜に隣のアトラクションのロボット「ピグ」に出会い、触れても炎上しない彼に勇気を出して頼み、友達になってもらう。ピグも話下手で悩んでいたが、二人で毎夜励まし合いながらアトラクションの練習をして上達し、最初は人気が無かったピグのアトラクションも人気が急上昇、二人で頑張った成果を喜び合っていた。しかし、両者のアトラクションをプロデュースしていたねずみ男はピグの方が思ったほど利益が出ないという判断から、閉鎖して「BIBIBI FIRE」の拡張に回すと決めてしまう。そのことを聞き、ピグがどれだけ頑張っていたかと抗議するも「頑張りなんてくだらないものに金を出す客なんていない」と反論され激昂、口から吐き出す火にねずみ男を包んで吸い込んでしまう。外に出ると、既にピグはスクラップ処理場へ運ばれたと知り、駆けつけるも目の前でピグはプレス機に潰されてしまい、逆上して作業員たちも次々に吸い込み、巨大化して火事を起こす。駆つけた鬼太郎の制止も聞かず彼にまで火を放つが、現れた雨降り小僧が降らせた雨で弱り、ねずみ男たちを口から吐き出し沈静化する。そのまま走り去ろうとした雨降り小僧の仕草がピグと一緒だったことから、彼がピグの中に入っていたと気付いたたくろう火は追いかけ、彼と一緒に頑張った楽しさ、嬉しさを伝えてこれからも友達でいて欲しいと頼む。彼を騙していた負い目を感じていた雨降り小僧も心を開き、友達になることを承諾。雨降り小僧はたくろう火と触れあっても炎上せず、鬼太郎たちも「彼らならうまくやっていけるだろう」と微笑ましく見ていた。第28話では西洋妖怪と戦い、雨降り小僧が雨を降らす中、唐傘の下で雨宿りしていた。第34話では仲間の妖怪たちが鬼太郎ファミリー失踪事件をアニエスがいる所為と誤解している中、本心では彼女に悪いと思っているものの、周囲の雰囲気に呑まれて仕方なく一度はアニエス追放運動に加わったが、鬼太郎の説得を他の追放派妖怪たちと共に聞いて本心に従い行動を改めた。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
木の子(きのこ)
声 - 青羽美代子(アタマ)、頓宮恭子(オコリ)、柳沢三千代(シャイ)、佐藤智恵(ナキ)、松井摩実(ノンキ)(第3作)、一木千洋、れいみ、須藤祐実(第6作、特に個体名は判明していない)
森に集団で暮らす、木の葉を纏った子供の姿の妖怪で、伝承では山童の一種。
本作では木の精霊で、その領域である異次元の森は人間には滅多に辿り着けない。なお、カシャボやセコのような顔の個体もいる。「木の子」に登場。住処の森に迷い込んだ少女・モモコ(声 - 荘真由美)を仲間に入れ、一緒に暮らしていた。5年後に新聞記者が迷い込み、モモコの写真を載せた記事を見た両親の依頼で鬼太郎が連れ帰りに来る。モモコは両親のことを思い出したものの木の子達を悲しませたくないため帰るとはっきり言えず、モモコと別れたくない木の子達は山天狗を呼んで鬼太郎を倒させた。だが山天狗は報酬にモモコの生き胆を要求し、とどめを逃れていた鬼太郎がそれを止める。木の子達はモモコの為にも帰すべきだと再度の説得を受け入れ、餞別に木の葉の服を贈った(モモコは5年前の服が着られなくなって以来、全裸で暮らしていた)。
初アニメ化は第3作第89話。名前が判明している個体は「アタマ」、「オコリ」、「シャイ」、「ナキ」、「ノンキ」。松茸を採りに来たねずみ男が木の子の住む「天狗の森」に迷い込み怪しまれて捕まり、鬼太郎は5年前にそこで友人のモモコが失踪したユメコを伴って森に向かう。木の子たちは鬼太郎を追い払おうと山天狗の封印を解いてしまうが、天狗に食べられそうになったモモコを救うためにシーサー達と共に天狗の羽団扇を奪う。
第6作では52話登場。モモコに代わって雅を仲間として入れる。設定と話の内容は原作および第3作と同じだが、木の子の森と人間界を結ぶ回廊は五百年に一度僅かな間しか開かず(精霊や妖怪ならば、いつでも自由に出入り可能)、更に人間界とは時間の流れが違い、人間界での1日が木の子の森では数年の時間が経過してしまう(木の子の森で数年過ごして成長した雅は、後で無事に人間界へ帰還できた際に人間界では僅か数時間しか経過していなかったので、森へ入る前の元の年齢の姿に戻れている)。鬼太郎を協力して山天狗に連れ去られた雅を助け鬼太郎に山天狗を倒させ、人間界に帰る雅に再会したら一緒に遊ぶことを約束して別れた。
吹消婆(ふっけしばばあ/ふきけしばばあ)
声 - 津田延代(第3作・第8話)、鈴木れい子(第3作・第80話)、川浪葉子(第4作)
蝋燭や行灯の火を吹き消す老婆の妖怪。
アニメでは第3作第8話初登場。妖怪だるまのビル乗っ取り計画に協力して居住者の前に現れ、近代化の影響で火が吹き消せなくなったことの恨み節を語って怖がらせていた。原作の初登場は「吹消婆」で、アニメ第3作では第80話にて原作該当回が初めて描かれ、メインの敵としての登場となった。たい焼き機のような装置で人間の手相を書き換えて運命を変える力を使って連敗中の女子プロレスラー(原作では太鼓のドン子、アニメではタンク松竹(まつたけ)(声 - 上村典子))を操り、勝たせて儲けるばかりか強盗までさせた。鬼太郎はレスラーにプロレス勝負を挑み、球体化しての体当たりで破り吹消婆に手相を戻させる。
第4作では第50話登場。電灯ばかりになって火が吹き消せず、不満から遊園地の遊具を吹き飛ばそうとした。だが姥ヶ火との対決で鬼太郎のちゃんちゃんこを着て強化、姥ヶ火を吹き消し、百年分の不満が解消したと言って去る。ここでは若い美女の姿にもなれる。
ぬけ首(ぬけくび)
声 - 矢田耕司(第3作)、川津泰彦(第6作)、青木和代(異聞妖怪奇譚)
頭と胴が分離する妖怪。本作では『ぬけ首』に登場した。丸顔の頭と炎の髪、出っ歯と丸い目、とんがり帽子がトレードマーク。分離後の頭は三千度以上の高熱を発し、胴はそれを抑えていた冷気を出す。妖怪ブームにもかかわらず自分が知られていない事に立腹し、人気のある鬼太郎に襲い掛かり高熱で苦しめた。だがねずみ男が見世物にしようと胴を持ち去ったため、再結合できず過熱、自爆しそうになる。鬼太郎が探し出した胴をつるべ火達が頭に付けて間一髪助かり、文字通り“頭を冷やして”感謝し反省した。ねずみ男は胴の冷気で氷漬けにされたテレビ局員とぬけ首の両方から責められる。
原作該当回の初アニメ化は第3作第94話。
第6作では第53話に登場。自分を有名だと信じて疑わない自尊心の高い性格で、注目されていないと感じると機嫌を損ねて首が外れ、周囲に高熱と冷気をまき散らす厄介な妖怪。ただし握手を貰って有名妖怪の実感が得られれば満足するなど、気の良いところもある。ウーチューバーに返り咲こうとするチャラトミと山中で出会い、世間の注目を集めたいという目的が一致して手を組む。二人で動画配信を始め人気者へ上り詰めていくが、ファンの女の子から握手を求められた程度で十分に満足なぬけ首と、自分の目標である日本トップクラスのウーチューバーにはまだまだ程遠いと感じるチャラトミの間に溝ができ、チャラトミについていけないと感じた抜け首は「しばらく休む」と山へ帰ってしまう。業を煮やしたチャラトミは、「ぬけ首の体を探すサプライズゲーム」と称して彼が寝ている間に体を隠し、体から長時間離れたぬけ首の頭は高熱を放射して日本中を大混乱に陥れた。鬼太郎とねこ娘がチャラトミを問い詰めるも身勝手な言い分を述べるばかりで体の隠し場所を教えなかったが、まながネットで入手した日本の温度分布図から隠し場所を特定し、鬼太郎が洞窟の中に隠されていたぬけ首の体を持ってきて頭に付けたため、危うく自爆寸前のところで元に戻る。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では特定の条件を満たすことで仲間にできる。
白粉婆(おしろいばばあ)
声 - 弥永和子(第3作)、吉田理保子(第4作)、龍田直樹(第6作)
伝承では顔に白粉を厚塗りして徘徊するとされる老婆の妖怪。
第3作103話でアニメ初登場。最強の女妖怪・脂粉仙子を幼いうちから手元に置くことで、彼女の力を利用して妖怪大統領になろうとした。だが儀式を目撃した茂作に脂粉仙子を連れ去られる。3年後に茂作を見付けて白粉の塊で拘束し、居合わせたねずみ男の入れ知恵で美女に化けて、さらわれた娘を取り戻したいと言って鬼太郎に助力を頼む。だが茂作の孫娘・紅子として育った脂粉仙子は「祖父」から引き離されることを拒み、彼女の意思を尊重するぬりかべと「母親」の元へ帰すべきだと言う鬼太郎とで戦いになってしまう。気が急いた白粉婆は燃える白粉をぬりかべに浴びせ粉砕、鬼太郎も騙されたと気付く。脂粉仙子を奪おうと飛びかかるが、一時的に妖力に目覚めた紅子の妖力波を受け消滅した。
第4作21話では妖力を込めた白粉をねずみ男に売らせ、使った者の顔を奪いエキスを採って自身が若返る薬を作ろうした。見かけによらず素早い動きと杖による攻撃や白粉の目潰しで鬼太郎を苦戦させたが、鬼太郎に協力したのっぺらぼうに顔を奪われて(のっぺらぼう曰くしょっぱい)降参し持ち主全員に顔を返す。
第5作では幽霊電車の駅に現れたり運動会で北日本のリレー走者として出たりした。
第6作では凶悪な人食い妖怪として44話に登場。人間の美男子に化けて「ユウ」(声 - 田中健大)と名乗り、芸能界に入ってアイドルになることで軽率に近づいてくるファンの女性を誘っては「食料」として丸ごと食っていた(車の中には犠牲者たちのスマホが大量に存在した)が、一緒にアイドルユニット・パラダイスを組んでいたアツシが芸能界を辞めたいと言ったことから、彼をも食い殺した後で「相方が謎の失踪を遂げた悲劇のアイドル」と宣伝して更に「食料」となるファンを集めようと企んだ。アツシと彼を助けに来たのっぺらぼうをまとめて「毒白粉」で殺そうとしたが、駆けつけた鬼太郎とねこ娘に阻止され対峙。鬼太郎の髪の毛針を「白粉笠」で防ぐも、ねこ娘の爪に笠を斬られて失い、無防備になったところへ指鉄砲を食らい消滅した。
脂粉仙子(しふんせんこ)/紅子(べにこ)
声 - 小山茉美
第3作103話登場。鳥山石燕の著書で白粉婆の主人とされる女神・脂粉仙娘(しふんせんじょう)が原案。化粧妖怪の女王で、女妖怪では最強の妖力を持つという。乳児の頃に白粉婆の儀式を受けようとしていた時、猟師の茂作(声 - 兼本新吾)に(傍目には乳児を生贄に捧げるように見えたため)連れ去られる。以来茂作の孫娘・紅子として育ち、3歳の時に雪山で遭難、眼を負傷し一時的に視力を失う。ぬりかべに保護されるが彼を茂作と誤認し、母親を騙る白粉婆を拒み茂作の元に留まることを望み縋る。目が見えない中で鬼太郎とぬりかべの戦いや白粉婆の暴挙を茂作が痛め付けられていると思い込み、悲しみと怒りから一時的に妖力に覚醒し白粉婆を消し去る。同時に視力が回復し、砂かけたちによって白粉婆の拘束を解かれ駆け付けた茂作と再会、引き続き彼の孫娘として暮らす。妖力のことは覚えておらず、目が見えない間に茂作と思っていたのがぬりかべだということや彼から寄せられた淡い恋心にも気付かなかった。
餓鬼(がき)
声 - 掛川裕彦、小林通孝、堀川亮(第3作)、新井良平(第6作)
餓鬼道(本作の地獄編「最後の出会い」では地獄の一部扱い)に落ちた亡者のなれの果て。常に飢えており、自分の体や迷い込んできた者も食べてしまう。中にはいつも吐き気を催して何度食べても吐いてしまうので飢えが満たされない者も多数存在する。生前自分だけが贅沢なものを食べたり、主に食に関わる悪事を働いた亡者たちが閻魔大王の裁きで落とされて化身する。本作では一応食事も支給されているが、それは夜行さんがその場で殺した他の餓鬼の肉である。
アニメ第3作では、地獄編の他に77話にも登場し、村の住民たちを喰らったため防衛手段として手の目の住処に手の目共々封印される。その間、飢えを凌ぐため命の水を飲んでいたが、赤ん坊になってしまう上に勝手に飲んだことに怒った手の目に折檻され、そうしている内に手の目の支配下になってしまっていた。そして、茸の研究のためやってきた若者により封印が解かれ、再び人間を食おうとするが最終的には鬼太郎や村人たちの活躍で再封印される。味にはかなりうるさく、人間をワイン漬けで食べようとした。第3作77話の原作は、鬼太郎や手の目の登場しない短編「迷路」。
第6作では原作の「地獄流し」に該当する68話で登場。食べ物を食べようとしたところを空腹のあまりに新たに餓鬼となったカケルに横取りされた。

アニメ第3作初出(味方としても登場した者)

がしゃどくろ
声 - 田中康郎(第3作)、佐藤正治(第5作)
惨めな最期を遂げた多数の人間の遺骨と怨念が集まって生まれた、巨大な骸骨の妖怪。作品によっては全体か上半身だけの登場。
漫画初登場は1980年代『最新版』第1話「大妖怪がしゃどくろ復活」。青木ヶ原の自殺者の骨から生まれ、誤って遺骨に小便をかけた山田健太に祟っていじめ地獄に陥れる。気配を感じたシーサーに飛びかかられると正体を現し、町に出て暴れるが、山田や子泣き達が足止めした隙に妖怪ロープで動きを封じられ、火葬された。「石妖」では直接姿を見せないが、「骨川温泉」の旅館経営者。ねずみ男が石山妖子(石妖)との新婚旅行で泊まったが、妖子に全所持金を持ち逃げされたねずみ男を叩き出した。アニメ第6作24話での旅先は人間界なのでがしゃどくろは関係ないが「骨川温泉」の名は使われている。地獄編の「閻魔危うし!白骨軍団」ではエネルギー源の「呪いの壺」をドラキュラ達に盗まれる。彼らが鬼太郎達に撃破された後に奪還に現れ拘束、地上に連行した。
アニメ初登場は劇場版『激突!!異次元妖怪の大反乱』。怪気象の妖怪として現れるが野づち砲で吸い込まれた。第3作71話では戦没者達が眠る妖花の森の番人。妖花の源を調べに来た鬼太郎達を墓荒らしと間違え攻撃、鬼太郎は止む無く頭蓋骨を遠くに投げ飛ばし、その隙に妖花の送り主である戦没者と対話した。
第4作では11話で毛羽毛現に操られ霊山ハイウェイの自動車を襲った。道路を造ろうとする社長と大臣を懲らしめる作戦(怪奇温泉ツアーと2人を騙して招待)で、2人が温泉に入っている所を鬼太郎のオカリナの音を合図に脅かした。96話でヨナルデに操られたが、これは妖怪王になったぬらりひょんに作られた幻だった。
第5作2話では刑場跡のビルに現れ、ビルと一体化して中の人々を呑み込み生気を奪う。鬼太郎はわざと呑み込まれて頭蓋骨の内側から攻撃しバランスを崩させ、髪の毛槍でとどめをさして粉砕し人間達に供養碑を建てさせる。47話の裁判ではねずみ男に霊体で呼び出され、鬼太郎のおかげで安眠を保証して貰ったと援護した。
第6作8話では緒方家の庭の石碑に封じられていたが、まなたちの学級が掃除を手伝いに来た際、サボって遊んでいた蒼馬や有元が石碑を倒し復活。石碑はすぐ戻されたが再封印はされず、封印を解いた彼らに目をつけて襲い蒼馬や有元は意識不明になった。二人を咎めたまなも標的とみなし家まで追いかけて襲おうとするも鏡爺(前半はがしゃどくろの姿が映らず、鏡爺が襲ったと誤解される演出)に匿われて逃げられる。それでも執念深く鏡の中の世界まで追いかけてきて、鏡爺やまなを捜しに来た鬼太郎たちと戦いになる。驚異的な防御力でねこ娘の爪や砂かけ婆の毒砂も通用せず、左眼窩から撃つレーザー状の光線で苦しめたが、まな目がけて放った光線を鏡爺に反射され自身の左眼窩を貫いてしまい、光線も撃てなくなり苦しんでいる所を鬼太郎の指鉄砲で粉砕された。
倉ぼっこ(くらぼっこ)
声 - はせさん治(第3作)、松野太紀(第4作)
倉に住み着いて栄えさせる妖怪。全身を覆う長い毛がトレードマーク。初登場は原作「吹消婆」(群衆扱い)。
アニメでは第3作初登場。恐山妖怪病院の医師。第4作では迷い家の主。
『妖怪千物語』では住んでいた旧家の倉が取り壊されるのを悲しんで工事機材などを操って暴れたが、鬼太郎の仲介で家の主人父娘が幼い頃に倉ぼっこと遊んだ事を思い出し、新築した家の子供部屋に移住する事で和解した。
雷獣(らいじゅう)
落雷と共に現れる電気妖怪で、カミナリと同系統の能力も持つ存在だが、こちらは動物型。
初登場は1980年代『最新版』の「妖怪本所七ふしぎの巻」(アニメ化第3作108話)で、六足双尾の狐のような姿。本所七不思議の妖怪の一体として鬼太郎を奇襲する。漫画では目玉親父をさらい逃走。アニメではリモコン下駄と髪の毛針で倒された。
アニメ第5作10話では太目の猫に似るが双尾で背には剣竜類のような突起がある。その姿は存在を信じる者にしか見えない。昔、白神山の神によって「いかずち岩」にのみ落ちる事を許されたが、その岩が産廃処理場工事で除かれそうになり暴れた。小学生3人組の鈴村翔子孝太順平(すずむら しょうこ、こうた、じゅんぺい、声 - 小林由美子山口眞弓佐藤智恵)は、村長とお種婆さん(おたねばあさん声 - 上村典子)が工事を中止するように現場職員と抗議していた際、いかずち岩を動かされたため雷獣が暴れてその雷獣の姿を見ることができたが、その事を現場職員の一人である翔子の父親の鈴村勇作(すずむら ゆうさく、声 - 塩屋浩三)に話したが信じてもらえずお種婆さんと相談した結果、鬼太郎に頼むしかないと妖怪ポストに手紙を出して鬼太郎を呼んだ。そして、再びいかずち岩を動かされたことに怒り暴れるが、それを鎮めようとした鬼太郎と戦っている姿が工事関係者にも見えたため、子供達やネコ娘、村人達は力を合わせて岩を元の位置に戻す。工事は見直し、いかずち岩は残す事になり居場所を取り戻した雷獣は鎮まった。後に栃木県代表の妖怪四十七士として覚醒した。
キジムナー
声 - 松井摩味(第3作・劇場版)、龍田直樹、小林通孝、田中和実(第3作)、佐藤正治(第4作・劇場版)、沼田祐介(第4作)、佐藤聡美安田早希(第5作)
またの名をキジムンといい、他にも様々な地方名がある。南方妖怪として登場することもあるが、本来の伝承では沖縄県の妖怪。
伝承では人型のような姿をしている場合もあるとされるが、本作では鳥のような嘴に体毛におおわれた真ん丸の体と短い手足が特徴の獣系な容姿の方で登場(ただし、第3作および第5作では頭以外は比較的人間に近い形状となっている)。色は第3作では青か灰、第4作は白かクリーム色、第5作ではキウイフルーツに近い茶色となっている。第5作では嘴はないが唇と歯がある。アニメシリーズでは第3作から頻繁に登場。第3作の劇場版第1弾ではぬらりひょんおよびチンポ配下。片や73話では島を荒らす鎧集団退治を鬼太郎に依頼し、鞭や投石器の使い方を教わり共に戦った。第4作の劇場版『大海獣』ではアカマタ率いる南方妖怪軍団の戦闘員として登場。一回り大きくて言葉を話すリーダーに統率され、集団で火を吹いて攻撃してくる他に空を飛ぶこともでき、軍団の飛行用としてアカマタとやし落としを乗せて飛ぶこともある。同じく第4作63話ではシーサーと共に沖縄のリゾートホテルに住み着いていた。こちらの個体は火を吐かないが変身能力を持っていた。第5作では妖怪横丁にも多数の個体が住んでいる。こちらでは特に活躍は見られない。
第6作は本編には未登場だが、オープニングで目玉おやじと夜の墓場で二人三脚をしている描写がある。
金霊(かなだま / かねだま)
行いの良い者に富を授けるという妖怪。
初登場はアニメ第3作65話。鬼太郎に呼ばれて巨大な金貨の姿で現れ、彼を乗せて飛び黄金の輝きで百目の目を眩ませた。原作の「国盗り物語」では十円硬貨の姿。現代人の金銭欲の毒気に当てられUFOのように巨大・凶暴化し、ガイコツベビーに操られて人間や妖怪を金銭欲に狂わせる貨幣をばらまき争わせた。止めに入った鬼太郎も黄金光線で金塊に変えるが、胃液と毛槍ミサイルを喰らって元の鍋蓋サイズに戻る。正気に返るともう都会は懲り懲りだと言って山に帰った。「妖怪千物語」では鬼太郎の頼みで、座敷童子が住み着いた兄妹の家に金銀を贈る。
畑怨霊(はたおんりょう)
声 - 塩屋翼(第3作)、田中一成(第4作)、太田健介(第4作劇場版『おばけナイター』)、稲葉実(第5作)、池水通洋(第6作)
凶作時に餓死した人間の怨霊とされる、巨大な一角の鬼の姿の妖怪。
アニメ第4,6作では顔だけで描かれるが、第3,5作では体がある描写も見られた。後述の目玉おやじの発言から、複数の畑怨霊が発生する事が示唆されている。
初登場はアニメ第3作75話で、小豆の神と偽って小豆洗い達から多量の小豆を騙し取ろうとした。嘘がばれると彼らを喰おうと襲い掛かるが、図体の割にからきし弱く、一斉攻撃で一度転ばされただけで目を回し降参。
第4作13話ではねずみ男の妖怪屋敷にて、妖怪を侮る人間達を脅かすため鬼太郎達に協力した。劇場版『おばけナイター』でも妖怪野球の観戦客の一人として鬼太郎に招集を掛けられていた。
第5作90話では浅草・雷門の地面に潜み、零れ落ちた餅を数百年ぶりに食って味をしめ、巨大な舌を地面から伸ばして町中の餅を奪い貪った。目玉おやじ曰くこれ程巨大化した畑怨霊は例がないらしく、土地に纏わる怨霊の強さが桁外れだった事と、生前は贅沢品だった餅を事故的ではあるが食べたことによって飢えが暴走したためとしている。ぬりかべ達を投げ飛ばす力と髪の毛攻撃で鬼太郎たちを苦しめたが、姿を消して逃げようとした所を白坊主の光線で見破られ、鬼太郎(魂は火車)の体内電気と火車(魂は鬼太郎)や輪入道の火炎攻撃で倒された。
第6作48話では人間による妖怪狩りが激化したことで人間と戦うべきと考えるようになった妖怪たちのリーダー格となっていた。鬼太郎の前に大勢の仲間妖怪とともに現れ人間との開戦を主張するが、目玉おやじから「鬼太郎と自分が真相を確かめるまで待って欲しい。これがもし何かの手違いであった場合、人間と妖怪が誤解したまま争って互いに相手を許せなくなってしまうだけで、双方に無駄な犠牲を多く出す危険性しかない」と説得されて、「ここは目玉のおやじの顔を立ててやろう」と矛を収め、他の妖怪たちも彼の判断に従い一旦は引き下がる。しかし同時に「急げ。人間も妖怪たちも限界は近いぞ」と警告を与えており、程なくして彼の言葉の通り名無しの怨念によるオメガトークに煽られ暴徒と化した人間達多数が調布(ゲゲゲの森の入口)に押し寄せ始めたため、妖怪達も鬼太郎父子の帰りを待たず迎撃態勢を取る。49話で鬼太郎とまなや砂かけ婆たちの協力もあって争いは回避され、解決に至った。最終話では妖怪大同盟の一員として登場、妖対法の特殊部隊を噛み殺した。
白溶裔(しろうねり)
声 - 宇垣秀成(第5作)
古い雑巾が変化した白い龍に似た妖怪。口から相手をカビだらけにする息を吐く。
原作では群衆扱いのみ。
アニメ第3作劇場版『激突!!異次元妖怪の大反乱』では、妖怪皇帝配下の一匹として空を飛んで登場。長い尻尾でカロリーヌを攫い、後を追った鬼太郎と一反木綿を悪臭の息で撃退する。その後鬼太郎と再度対決するが、オカリナ剣で切り裂かれてしまう。
第4作では第16話に登場。あかなめと共にねずみ男の住む廃アパートに住み付いた温厚な妖怪。普段は古バケツの中に入っており、あかなめと同じく汚れを食べる(ねずみ男たちと三週間前の牛乳で乾杯するシーンがある)。口から吐く息や尾から撒き散らす粘液で人間には落とせないカビを生やす能力があり、それを利用したねずみ男のインチキ商売の協力をするが、鬼太郎達に諌められたねずみ男に川に捨てられてしまう。その後、都会の下水の汚れによって巨大化して暴れだしてしまった。第5作では第58話登場。雑巾妖怪ギュギュが成長した姿として登場。小学生3人・大地未来駿(だいち、みらい、しゅん、声 - 広橋涼、小林由美子鈴木真仁)のペットとなった。初めは普通の雑巾に似た姿をしていたが、どんどん汚れを吸収して巨大な龍のような姿になり、さらに急激に成長したために力を制御できずに暴走してしまう。第4作・第5作とも最後は鬼太郎達によって体の汚れを落とされて元の姿に戻った。
雑巾妖怪ギュギュ
声 - 中山さら
アニメ第5作第58話登場。白うねりになる前の姿。ギューギュー鳴くということから名付けられた。
姥ヶ火(うばがび)
声 - 伊倉一恵(第4作)、森下由樹子(第6作)
老婆の顔をした火の妖怪。姥火と書かれる事もある。
原作では「妖怪危機一髪」でヒ一族と、「復活悪魔くん」で魔物と戦う際に呼び出された。
アニメ初登場の第3作では「炎の妖怪五人衆」の1人として登場。
第4作では男に捨てられた女性の情念が化けた妖怪として登場。クリスマスのカップルの姿に嫉妬、怒って暴れ出し放火を繰り返していた。そして遊園地にまで現れ、その場に居合わせた鬼太郎との戦いになる(その際に、怯えた猫娘が鬼太郎に寄り添い、手を握ったのを見て一層怒った)。強力な炎により鬼太郎の攻撃が一切効かない強敵だったが、霊毛ちゃんちゃんこで霊力を強化した吹消婆に吹き消された。106話『悪夢!妖怪地獄』で再登場を果たしているが、これは鬼太郎を「妖怪ノイローゼ」に陥れようとした百々爺の妖術で作られた幻だった。
第5作では炎の妖怪と共に登場することも多い。
第6作では幽霊電車作戦や魍魎退治に協力する。デザインは第4作とほぼ同じ。95話では人間を襲撃する場所を考えていたところを妖対法の特殊部隊により他の妖怪共々射殺された。
化け火(ばけび)
声 - 田中亮一(第3作)
坊主顔が三つあり、それぞれ分離行動もできる火の玉。原作には「妖怪危機一髪」「幽霊大戦争」で登場。
アニメ第3作では第15話初登場。炎の妖怪五人衆の一員。単体での活躍も多く、鬼太郎の腹に入り熱放射や口からの火炎連弾といった合体技を使ったり、つるべ火と共に妖怪戦車のヘッドライト兼火炎放射になったりした。反面、西洋妖怪軍や亡者の吹き溜まりに臆して逃げ去る場面もあった。
第6作では石動零の呪装術で封じられており、零はその力を招来することで炎を吸収し身に纏うことができる。第57話で使用。第78話ではつるべ火や姥ヶ火と共に魍魎退治に参戦(零から解放されたのか別個体かは不明)。
海月の火の玉(くらげのひのたま) / くらげ火(くらげび)
声 - 小野坂昌也(第3作)
海月(クラゲ)の化身。原作には未登場。
アニメでは第3作第35話初登場。炎の妖怪五人衆の一員。劇場作品『最強妖怪軍団!日本上陸!!』でも、後述の妖神(紙の精)への対抗策として、鬼太郎の招集につるべ火天火姥ヶ火と共に応じた。第6作では第28話及び第96話に登場。
家鳴り(やなり)
声 - 平野正人、田中康郎、田中和実(第3作)、高塚正也森岳志(第5作)
伝承では古びた家を揺らし、ポルターガイスト現象を引き起こす鬼の妖怪。
初登場はアニメ第3作第92話「人喰い家と妖怪家鳴」。3体が登場し、山里にひっそりと暮らしていたが、ある日自分達のいる家が人間を食べて成長する人喰い家という事に気付き、その性質を利用して家鳴帝国を築こうと企み、骨女を配下にして餌になる人間を集めさせていた。だが、鬼太郎が夜行さんから借りた妖怪戦車で人喰い家を破壊され、逃げようとした所を野づち砲で吸い込まれた。
第5作72話にも登場。伝承の設定が忠実に取り入れられており、彼らが家を揺らすとその屋内の物が独りでに浮遊する怪現象が起きる。その際に生じる共鳴現象で妖怪城が命を吹き込まれたとされ、妖怪城覚醒の為にぬらりひょん一味に何体か捕らえられる。面白い事が好きで面白くない事はしないため、初めは息が合わず作業は難航するが、ぬらりひょんに一味をクビにされショックを受け立ち去ろうとした朱の盆が鬼太郎達にやられる姿が面白くやる気を出して妖怪城を覚醒させてしまい(これは想定外であったが、元々朱の盆をクビにしたくなかったぬらりひょんはそれを口実にクビを帳消しにした)、その後は鬼太郎達に一匹残らず逃がされた。
山田海姫(やまだ みき)/ 女王人魚(じょおうにんぎょ)
声 - 山野さと子
「鬼道衆」に登場。子供のいない山田夫婦に海岸で拾われ育てられた少女。その正体は女王人魚で、足には所々に鱗が生えている。女王人魚は、人魚族の守り神で普通の人魚と違って人間そっくりの姿で生まれ落ちる。水を自在に操る力を持っており、さらにその肉には霊力を高める作用がある。十五歳になれば人魚になりたいと念ずるだけで人魚になることができるが、そうなると海の世界へ帰らなければならなくなる。自分を人間だと思い込んでいたが、十五歳になって人魚の肉を狙う鬼道衆に襲われたのをきっかけに真実を知り、思い悩むことになる。人魚の姿にならなければ肉の効果がないため、人魚になるよう鬼巫女に拷問されるが、頑なに拒み続けた。しかし火に囲まれた鬼太郎のピンチを救うため、最後は自ら進んで人魚となり、鬼巫女を倒した後で夫婦に別れを告げ海へと帰っていった。
アニメでは第3作100話に登場、人間として育った描写はない。鬼太郎ファミリーやユメコ、仲間の人魚達の立ち合いで半魚人と結婚式を挙げるが、その最中に鬼道衆に襲われる。初回は鬼太郎達が退けるが、鬼巫女が加わった再襲撃で拉致されてしまう。自分が食べられそうになっても「私の命はあげますから、他の妖怪まで虐めないで下さい」と懇願した。また、鬼巫女の正体が操られたユメコと見抜き鬼太郎に警告する。最後は鬼太郎ファミリーと半魚人に救出された。

「最新版ゲゲゲの鬼太郎」初出(アニメ第3作未登場分)

わいら
声 - 高塚正也(第6作)
牛のような体をした妖怪。体中に生えた毛と蜘蛛のような牙、両手のカギ爪が特徴。カギ爪は地面を掘ったり、相手を攻撃する武器にもなる。
「最新版」第3話ではぬらりひょんの部下として登場。茨城県で目撃されたことのあるサイに似た(かどうかは定かではない)妖怪。普段は山に住み降りてくることはないが、総大将ぬらりひょんに協力して、サガリと共にゲゲゲの森へ攻め入るべく現れた。武器は鋭い爪や巨体で、さらに背に翼があり機動力にも長けており、口からはエネルギーを吐く。またサガリと合体して一つになることもできるが、鬼太郎に目を塞がれて再分離したところを同士打ちに持ち込まれた。「新妖怪千物語」第10話では骨女の部下。隠れ山里から出て来た鬼太郎と豆腐小僧を襲うが、彼らを追って来た土転びに突き飛ばされ谷底に落ちた。
第5作では妖怪四十七士茨城県代表となった。
第6作ではゲゲゲの森の住民で紫の体色。最終話では大人になったまなに襲いかかるが、鬼太郎に阻止された。これがまなが鬼太郎との記憶を取り戻す切っ掛けとなった。
サガリ
山の樹の枝にぶら下がる馬の首のような妖怪。
「最新版」第3話ではわいらと共にゲゲゲの森へ攻め込もうとしたが、鬼太郎のチャンチャンコで視界を塞がれ、やはり視界を塞がれたわいらにぶつけられて、同士打ちになった。「新妖怪千物語」第10話では隠れ山里周辺の森に多数棲む死霊妖怪。噛みつかれた者は生気を奪われてしまう。倒されても妖気が樹に吸収されてすぐ復活、再び枝から降りてくる。豆腐小僧は多数の分身を作ってサガリの注意を逸らし、鬼太郎と共に森を抜けた。
野衾(のぶすま)
ムササビのような妖怪。
「電木妖怪さかばしら」に登場。逆柱に操られる空を飛びながら人間に電気を浴びせ、操って逆柱のもとへ連れていった。最後は不明瞭だが、逆柱に食べられた鬼太郎が体内から出てくる際に退治したことが示唆されている。
アニメでは、第6作57話において日本で吸血鬼事件が起きた際に、まながスマホで検索して名前と伝承のみ語られる。事件とは無関係。
しょうけら
声 - 楠大典(第5作)
夜に窓から屋内を覗き込む獣人のような姿の妖怪。
漫画では「最新版」第12話に登場。ケラのように水中・地中・空中を自在に動き回る。妖怪刑務所からの脱獄犯で、人間界で適当な死体に乗り移り人間として暮らそうとした。ねずみ男を利用して調達した死体は鬼太郎の手回しで極悪犯(しかも公式には死亡未確認)・大門松五郎のものだったため、人間界でも追われる身となる。天狗ポリスにも追い詰められ、鳥目刑事によって「人間変身刑」宣告と共に松五郎の姿にされ人間の警察に逮捕された。鬼太郎はしょうけらを「人間と妖怪の世界をぶらぶらするねずみ男とは逆で、どちらの世界からも拒まれた哀れな奴」と評した。
アニメでは第5作第16話に登場。元は家々の安全を見守る善良な妖怪だが、人間の子供達が興じるゲームに関心を持ち彼らに挑戦する。だが寿命をチップにし勝つまで繰り返したため、寿命が尽きた子供達は昏睡に陥った。鬼太郎も一回戦では敗れたが、再戦で屋内の姿は影に過ぎず本体は窓にいると見抜いて取り押さえ体内電気で勝利し、寿命を返させた。当初は漫画版同様に石燕画に沿ったデザインだったが、影との落差を出そうと決定稿の貧弱な姿に変更された。第6作では56話冒頭にて鬼太郎に指鉄砲で退治される。退治された経緯は描かれておらず、姿も遠巻きで不明瞭。
どくろの怪
平家物語」作中で平清盛が遭遇した、多数の頭蓋骨の姿の妖怪。
「最新版」第14話登場。かつて刑場で晒し首にされた者達の頭蓋骨。清盛と睨み合うと消えた説話とは逆に、人と目が合うと無数に増殖し、また合体して一つの巨大な頭蓋骨になることもできる。刑場の跡地に建てられたデパートに祟りをなし、幽霊騒ぎを起こしたり、群れで襲撃して警備員を食い尽くしたりした。だが鬼太郎達を追う内に別の場所に埋葬された胴体と衝突、合体してただの骨に戻り、デパートの社長は受刑者や犠牲になった者達の霊を弔った。
以津真天(いつまでん)
声 - 真殿光昭(第5作)
戦乱や飢餓などで死んだ人間の野晒し死体の怨念から生まれた妖鳥。
漫画では「最新版」第15話に登場。翼とは別に腕がある怪鳥の姿で、狙った獲物をいつまでも追い続ける。成績最下位を同級生達に揶揄され恨んだ少年・林田と「同級生全員を食い殺し、その対価に林田は以津真天と同化する」という契約を結び、一人残し喰らった所で彼らが呼んだ鬼太郎と対峙。鬼太郎が匿った最後の一人(実は爆弾入り蝋人形)を喰らい林田と同化にかかる寸前、鬼太郎に爆破される。小さな体に再生し鬼太郎の体内から攻撃しようとするが、逆に胃の中の蛇に捕まりいつまでも体内で扱き使われる事に。林田は地獄流しになり、殺した同級生達の前で地獄童子に連れて行かれた。
アニメでは第5作第12話初登場。交通事故で壊れた公衆電話が自身を使おうとしてその事故で亡くなった人間の女性・片岡彰子(かたおか しょうこ、声 - 山崎和佳奈)の思いを夫と娘に伝えたいがために変化した妖怪。何かの執着がある限り何度倒されても復活する。今回の件では誕生の経緯が異なっていたため、伝承や漫画版とは違い翼の生えたナメクジのような姿になっており、目玉おやじも初めは正体が分からなかった。片岡家に電話発信するも自力では「いつまでも、いつまでも」と彰子の声を伝えるしかできず、最期は鬼太郎の助力で彰子の「いつまでも愛している」という思いを夫と娘に伝え、それで公衆電話が満足したため浄化された。
疱瘡婆(ほうそうばばあ)
疱瘡を蔓延させ、病死者を食べる妖怪。
「最新版」第17話に登場。馬のような蹄に牛のような角を持った、真っ黒な一つ目の妖怪。老婆の姿に化けて町を徘徊し、妖奇病ガスで子供達を疱瘡に似た妖奇病に感染させ、その肉を食べていた。首を切られてもなお生きており、恐山の妖怪病院にある妖奇病のワクチン工場を襲撃しようとしたが、鬼太郎に体内の免疫機能を破壊されて、自ら妖奇病に感染して倒れた。また、それ以前に悪の妖怪が集った大集会にも既にその姿を見せていた。
蟹坊主(かにぼうず)
声 - 飯塚昭三(第4作・8話、14話)、川津泰彦(第4作・77話)、小西克幸(第5作)、田中秀幸(第6作)
伝承では坊主の姿で現れて人間に「両足八足、横行自在にして、眼は天を差す。これ如何に?」という問いかけ(蟹が正解)を出し、答えられない者を餌食とした巨大なカニの妖怪。背の甲羅にヒゲを生やした人面がある。甲羅の防御力は髪の毛針を弾くほど硬く、口から相手を固める泡を噴いたり、岩すら砕くハサミで攻撃する。
アニメ第3作では本編には出なかったが、エンディングの冒頭に登場している。「最新版」では第20話に登場。山わろに食われそうな所を鬼太郎に助けられた。
アニメ第4作では蓬莱島を求めていた当時の徐福仙人(じょふくせんにん、声 - 北村弘一)と共に来日した上海蟹が妖怪化したとされ、そのため色も青黒くなっている。初登場の第8話では元々山奥の沼に住んでいたが、人間の開発で沼を埋め立てられた為に河童淵への移住を企み河童たちの住処を荒らして彼らを毒泡で操る。鬼太郎も毒で動けなくなるが、砂かけ婆のおかげで河童たちは正気に戻り、復活した鬼太郎の髪の毛綱で振り回され妖力が抜けて上海蟹に戻るが、その後改心し海で行動する際などに鬼太郎に協力した。第14話で徐福と再会でき、涙を流すほど感激した(徐福も「あの時蟹スープにして食べなくてよかった」と述べている)。第77話では夜行さんの作った妖怪潜水艦の動力になり、海和尚との闘いにも加勢。
第5作ではぬらりひょん一味として登場。他の一味と比べて登場することは少ない。最初は喋らなかったが、次に登場した時には普通に喋っており、泡爆弾という新技を編み出している。戦闘時はぬりかべと格闘になる事が多い。
第6作では17話登場。口から吐く泡で相手や物体を銅像に変えてしまう(銅像化は自らも例外ではない)。硬い体の防御力は鬼太郎の髪の毛槍も弾くほどだが、電気が弱点。戦国時代に人間態(巨漢の雲水)でとある武将に仕え、戦に敗れて落ちのびる姫(声 - 祖山桃子)を慕って守っており、その際に敵味方を区別するために伝承と同様の謎かけ(伝承と異なり自分の名前が正解)を出し、自分の正体を知らない者を敵とみなし銅像に変えていた。だが境港の地まで落ちのびた際に敵方の雇った呪い師(鬼道衆)によって石に封じられ、間もなく仲間も姫も命を落とした。封印が解けて現代に蘇るが(封印を解いた者は不明)、かつての仲間も姫もすでに亡く、そのことに薄々気づいていたが認めたくない一心で自分を知る者を求めて境港を彷徨う。当時の謎かけをしてそこで出会った人々だけでなく鬼太郎ファミリーもほとんどが銅像化されてしまうが、砂かけ婆だけは蟹坊主が姫と勘違いしたため攻撃されず、動揺した隙をついて目玉おやじとまなを連れて烏天狗の住む大山へ逃げることに成功。大山で長老から経緯を聞いて戻った砂かけ婆のもとに再び現れ、彼女に現実を認めるよう諭され正体を当てられる。正体を現すが現実を認めることができず巨大化して暴れ、砂かけ婆と小次郎の迎撃も寄せ付けず追いつめたが、長老が大山の霊水を巻き上げたおかげで鬼太郎ファミリーや人々は銅像化は解け、直後に駆け付けた鬼太郎の体内電気で敗北し縮小。最期はようやく現実を認めると砂かけ婆に姫の眠る境港に安置して欲しいと頼み自ら銅像化する(目玉おやじから「本当は倒してもらいたくて最後に暴れたのかも知れない」と同情された)。事件後、銅像になった彼は希望通り境港に安置され、彼を慰めるために境港の人々によって近くに姫の像や鬼太郎ファミリーを含む妖怪の銅像も作られた。
新妖怪千物語では中国妖怪・上海カニ坊主として登場。中国最強を自負し、日本最強である鬼太郎に挑戦すべく人喰い島を操って近海の漁師達を人質に呼び出す。気泡コンクリートのような泡で相手を固め、他の妖怪を剥製にして博物館を作ろうと計画していた。人喰い島に呑まれた人々の声を聞き助けに行った鬼太郎を追って体内に入り、消化液で溶かされた。

1980年代マガジン版初出(アニメ第3作未登場分)

黒髪切り(くろかみきり)
声 - 滝口順平(第4作)
歯並びのいい口と円らな目、全身真っ黒の妖怪。
初登場は「妖怪危機一髪」でソーセージにされた鬼太郎の担架をあかなめと共に担いだ。
「カニ妖怪」では父親と子供で登場。髪を材料にした洋服店「黒髪屋」を営むが、ねずみ男の紹介で来た客=アメリカのカニ妖怪に父親が拉致される。
アニメでは第4作第112話登場。300年前に悪事を働いた鬼髪を封じた。髪を食べて妖力の源とするが、悪党とはいえ仲間を封じた負い目から断っており、復活した鬼髪との再戦に臨み鬼太郎たちから髪(子泣きと油すましは眉。一反木綿と呼子は毛がないので気持ちだけ)を貰って力を付ける。鬼髪に組み付いて取り込まれた人々を分離した後、鬼太郎に「清めの炎」で自分ごと焼き払わせ、この世から消えた。
化けガマ
「ガマ妖怪」に登場。人間以上の知能を持ち千年を超えて生きる巨大なガマの妖怪。他のガマからは「マラカニアン皇帝」と呼ばれている。現代の人間の横暴ぶりを見かねて人間に変身し、マンガ家「ガマ野しげる」となって漫画を通じて諌めようとしたが、編集担当として来たねずみ男がガマを馬鹿にする発言を繰り返したことなどから人間を見限り、他のガマを率いて人間を滅ぼし地上にガマ王国を作ろうとした。手始めに近くの小学校へ侵入して実験室を占拠し、ガマの解剖授業をしていた教師を捕えて生徒たちの前で解剖しようとするが、ねずみ男から話を聞いてやってきた鬼太郎・ねこ娘と戦闘になる。格闘で鬼太郎と互角以上に戦い、耳の後ろから分泌する「妖気消し」という毒液で鬼太郎を痺れさせて丸のみにしてしまい、続けてねこ娘も呑みこんだ。しかし砂糖と唐辛子を体にまぶして菓子に擬態した目玉おやじを食べてしまい、あまりの辛さに鬼太郎たちを吐き出し苦しんでいるところへ毛針を打たれて形勢逆転。さらに指鉄砲で止めを刺されそうになるが、子分のガマたちから命乞いされて鬼太郎は攻撃を中止する。化けガマは自分の負けを認め引き下がることを約束するが、「百年待っても人間が他の生き物を苛めているようなら、今度こそ許さない」と言い残し、子分のガマたちを連れて消え去った。
小右衛門火(こえもんび)
1980年代版「吸血鬼ラ・セーヌ」にて、油すましが援軍に連れて来た火の玉妖怪。球状で顔らしいものはないが話せる。叩かれると分裂する性質があり、次々に増えてラ・セーヌ配下のコウモリ軍団を圧倒した。
妖怪ヅタ
「家獣」に登場するゲゲゲの森に住む蔦の妖怪。巨大な口の周りに無数の蔦を生やしており、獲物が来ると蔦でからめ捕って食べてしまう。百年ほど餌をもらってなかったため、凄まじい食欲で家獣を食い尽くした。
桂男(かつらおとこ)
声 - 長嶝高士
「月の妖怪桂男」に登場。に住む、雲で出来た巨人のような姿の妖怪。物を体内に取り込み大きさを変えられる。地球人が月探査機などで月を侵害するのに怒り、地球に来て虫や小動物を巨大化させ暴れさせた。邪魔になりそうな鬼太郎は小さくし、餅に入れて食べようとした。だがひでり神に熱気を浴びせられて縮み、鬼太郎達にかけた術も解け降参。鬼太郎達に人間を説得してもらうことになったものの、縮んで飛べなくなったので一反木綿に月まで送ってもらった。
アニメでは第4作93話初登場。主人の月女が地球にいられる最後の夜になっても月への舟を飛ばすための月光が集められず、邪魔な人間の照明を巨大化させた虫で壊そうとした。鬼太郎達の協力で月女だけ帰せる分の月光が集まり、桂男も地球に残れば消える運命だったが、「月女様を無事帰せれば十分だ」と言って彼女を見送り消えて行った。
霊兎(れいと)
原作での桂男の部下で、いわゆる月の兎。小さくなった鬼太郎を餅に搗き込み、桂男への捧げ物にした。
月女(つきめ)
声 - 久川綾
アニメ第4作での桂男の女主人。800年前に月を愛でる地球人のために渡来した月の使者。地球上では800年以上生きられず、それまでに月に帰らないと消えてしまう。鬼太郎達の協力と桂男の献身で、最後の夜に月に帰って行った。
針女(はりおなご)
声 - 渡辺美佐
頭髪の先が釣針状の女妖怪。
原作「針女」では髪の針で魚を捕らえ魚屋を営む。少女を誘拐して召使にし、妖怪に改造しようとした。少女を助けに来た鬼太郎も地中から手を伸ばす「土中手長の術」で捕まり、髪の針を刺され傀儡と化した。目玉親父は猫娘が集めた猫に魚屋を荒らさせ、ねずみ男を通して「鬼太郎の指鉄砲で猫を撃たせるといい」との助言と猫の絵のエプロンを針女に贈る。命じられた鬼太郎はエプロンの猫ごと針女を撃ち、気絶した間に髪を全部切ると鬼太郎と少女は解放された。ねずみ男は髪の釣針を拾って売ろうとして針女に捕まり、新妖怪「針ねずみ」を作る実験台にされるが、結局この実験は失敗した。
アニメでは第5作81話初登場。髪の針には人や妖怪の影を捕える力がある。昔は棲んでいる山に入った男を誑かすだけの妖怪だったが、いつの間にか山に踏み込んだ人間を異常に憎悪するようになり、麓の村民の影を奪い何年も甚振り続けていた。髪は指鉄砲でも切れないほど強靭で、髪の針を鋳造した弾を眉間に撃ち込むしか倒す方法はない。何年もの間、左手の影だけ奪われた猟師・源五郎(げんごろう、声 - 大塚明夫)と戦い続けてきたが、村長に呼ばれた鬼太郎たちが源五郎を助けに来たことを機に、源五郎と針女の両者とも決着を付けるべく動き始める。針女は捕虜としたねずみ男を利用して鬼太郎を自分の棲み処に囚え、助けに来た源五郎と最後の決戦に突入。鬼太郎、源五郎、針女の三者が知力と機転を駆使した駆け引きの末、針女は鬼太郎、源五郎の影を完全に捕えるが、捕われる前に鬼太郎が放っていたリモコン下駄が源五郎の左手の影だけを取り戻し、源五郎は弾を眉間に撃ち込み倒すことに成功。同時に人々の影は戻った。
麻桶毛(まゆげ)
声 - 白鳥哲(第6作・内裏)、柿沼紫乃(第6作・雛)
阿波国三好郡賀茂村にある彌都比売神社の御神体の麻桶に入れられた一筋の毛。普段は一筋だが、何か腹立たしいことがあると何百何千にも裂けて伸びていく妖怪。神社に祀られているものもあるが、そうでないものは古い人形の髪などに隠れて何千年も生き続けている。それが、どのような生き方をして、どのような心を持っているのかは、妖怪学の謎で未だに解明されていない。
鬼太郎と戦った麻桶毛は後者で、人形に潜んで古い家の仏壇に納まっていた。引っ越してきた少女・久美子を腹の中に取り込み、その後人形の腹が妙に膨れ上がって気味悪がった父親に捨てられ、それを野良犬が公園に持って行ってしまいそこで居合わせたシーサーはその人形で遊んでいた。そこへ少女蒸発の事件の調査依頼を受けた鬼太郎が来て、目玉おやじが人形の中から少女の声を聞いて鬼太郎が妖怪メガネで内部を調べたところ、とうとう久美子を見つける。最初は、人形に霊が宿ったのではないかと推測し砂かけ婆に祓ってもらおうとしていたが霊ではなかったので効果が無く、そうしている内に今度は鬼太郎の口に入り息を塞いで窒息死させようとするが、塗壁に引き離される。今度は、毛を何百何千にして伸ばして鬼太郎ファミリーを捕えようとするがねずみ男の屁により動きが一時止まり、最期はつるべ火に燃やされて倒され、人形の腹の中にいた久美子は助けられた。
アニメでは第6作46話初登場。神社に御神体として奉納された毛髪が祀られなくなったことで妖怪と化したもので、人間を襲って巻き付き、養分を吸収して人形に変えてしまう。人形供養を行っているある神社に、内裏雛[注釈 55] に宿る二体が数十年間封印されていたが、ねずみ男がお供えの饅頭をつまみ食いした挙句に社の扉を開けて封印の札が剥がれてしまったことで復活。ねずみ男を捕らえて食しようとするも「活きのいい人間を食わせてやるから見逃してくれ」と懇願されたため、自分たちを人間に売るよう命令する。そして、まなの学校の教師・小谷が騙されて購入し学校に設置され、放課後に動き出して学校内の人間を襲い、雅、綾、姫香は三人官女に、裕太は五人囃子の一体目にされた。彼らが学校から帰ってこないことを心配したまなと鬼太郎、ねこ娘が学校内を捜索するが、鬼太郎が女雛の奇襲で人形に変えられてしまい、ねこ娘がねずみ男を囮にして現れた男雛と戦うも鋼鉄より硬い髪に爪が効かず苦戦する。しかし、まなを襲った女雛が名無しによって刻まれた五芒星が放つ力に焼き尽くされ消滅し、鬼太郎と裕太が元に戻る。男雛はねこ娘と目玉おやじを捕え、おやじを五人囃子に変えようとしていたが、駆け付けた鬼太郎に阻止され指鉄砲を食らい消滅し、雅たちも人形から元に戻った。
石妖(せきよう)
声 - 内田真礼 (第6作)
随筆『中陵漫録』に登場する石の化身妖怪。石切り場に美女の姿で現れ、石工に眠くなるほど快適な按摩をするが、相手の体は傷だらけになるという。
「石妖」に登場。ねずみ男が鬼太郎たちに、石山妖子(いしやま ようこ)と名乗る美女と結婚すると知らせ式に招いた。だが新婚旅行中、宿で妖子はねずみ男に按摩し眠った隙に金を盗んで逃げ去る。戻って来たねずみ男の按摩の跡から妖子の正体は人間ではなく妖怪・石妖とわかった。別の男性が妖子と婚約した記事を見た鬼太郎ファミリーはデート中を抑え石妖を捕らえに掛かる。子泣き爺はいつものようにしがみ付くが妖子の服が脱げ(後述のアニメでは感触に鼻の下を伸ばし)、「捕え方がスケベくさい」と砂かけ婆にビンタされる。見かけによらず戦闘力は高く、石像の姿になって毛針を防ぎ、ぬりかべが粉砕しても破片が竜巻を起こしながら再結合し塊になり逆に彼の腹を突き破った。鬼太郎と一反木綿を追って飛んで来るが、海中に飛び込むと人間態を取らないと動けず、そこに居合わせた海坊主に捕まりしばらく飼われることになった。
アニメでは第6作第24話初登場。原作同様に結婚詐欺を働いていた悪女妖怪で、ねずみ男以外にも最低6人の男に近づき金を巻き上げていた(中には不倫に走った妻帯者もいる)。ねずみ男を騙したことで鬼太郎ファミリー(特にねこ娘)の怒りを買い、ファミリー総出で捜索が始まるも、妖子を憎み切れなかったねずみ男によって(他の被害者男性にも、同様の気持ちから被害者としての署名を辞退した者がいた)逃がされるが、港で見つかり対決となる。原作同様の攻防の後、鬼太郎と一反木綿との空中戦ではリモコン下駄を弾いて指鉄砲を躱し、石片の竜巻を起こしての反撃で窮地に追い込むが、鬼太郎に呼ばれ現れた海坊主によって海に叩き落とされ形勢逆転。海坊主にペットとして海へ連行されそうになるが、ねずみ男の嘆願で解放される。その後ねずみ男の優しさに心を打たれたのか、お礼として彼に気づかれること無くリンゴを無言で差し出して去っていった。
第6作準拠の小説「ねずみ男ハードボイルド」では、昔ムジナのレンと取引していたことや、24話から見て昨年に犬神を誑かしたことが語られている。
妖怪バスの運転士
ねずみ男と石妖を骨川温泉(がしゃどくろおんせん)まで運んだ骸骨姿のバス運転士。アニメ第6作では該当シーンで人間界のバスを使ったため未登場。
黒坊主(くろぼうず)
声 - 大友龍三郎(第5作)、茶風林(異聞妖怪奇譚)、千葉繁(第6作)
「黒坊主」に登場。クロヒョウに似た頭部を持ちマントのような服を着た、生き物の生気を吸って生きる霧のような妖怪。百年以上前に美人画の中に封じ込められたが長い年月のうちに封印が解け、絵を買ったねずみ男たちの生気を吸い取った。水が弱点で、正体を現した後にぬりかべの水鉄砲を浴び、溶けて消滅した。
アニメでは第5作第20話で初登場。非常に凶暴な妖怪で、面白半分で心霊スポットを訪れた人間に呼び寄せられ、怒って黒い霧状の姿で度々人間を襲っていた。言葉は話せない。高い防御力で鬼太郎の体内電気も耐え抜き、体内電気を使い切り体力を消耗した鬼太郎は敗北寸前に追い込まれるが、自らを犠牲にしたうわんの道連れで永遠の闇の中に封印された。その後、第47話での妖怪大裁判で枕返し、おどろおどろと共に検察側証人として霊体で現れたが、鬼太郎に不利な証言をする事は無かった。
第6作では「大逆の四将」の一体として第52話でその名が語られ、第62話で登場する。長い出っ歯を持った齧歯類のような顔をした妖怪だが、実は常に携えている美人画の方が本体。水が弱点だが、本体を濡らさない限り効果は無い。言葉を話せなかった前作とは違って流暢に喋り、知恵も回る。四将だけあって戦闘能力も高く、他の妖怪を難なく倒していた石動零も圧倒した。水を赤黒く汚染させる(臭いも放つ)能力を持ち、百五十年前に江戸で大規模な汚染を引き起こし何十万人という犠牲者を出したため鬼道衆に討たれ地獄に送られたが、ぬらりひょんの手により脱獄する。自分を討った鬼道衆の名前は知らず、単に「法師」としか認識していない(鬼道衆に興味すら抱いていない)。脱獄後はねずみ男を唆して人間社会に汚染を引き起こしながら特殊な浄化装置のレンタル業によって人々から大金を搾取し、その騒動で政府とコンタクトを取れたねずみ男を要職に就かせて裏から日本を支配する計画を立案。ねずみ男を捕らえ尋問していた零と鬼太郎との戦闘に乱入し、零に水道管から水を浴びせられるが全く効かず、油断した所を背中から出す触手で二人を拘束して始末しようとするが、「戦っている相手が違う」という発言で黒坊主の本体と弱点に気づいたねずみ男に本体を小便で濡らされ弱体化し、ねずみ男を突き飛ばした直後に鬼太郎の指鉄砲で本体もろとも撃ち抜かれて消滅、魂はちゃんちゃんこに捕らわれ閻魔大王に引き渡された。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』ではむじなの仲間として登場。顔は原作と同じで喋る。むじなと手を組んで、人々から生気を奪っていた。
黒雲主(くろくもぬし)
1980年代『最新版』第23話に登場した、黒坊主が産業廃棄物を吸収して巨大に変異した者。ぬらりひょん配下。天狗ポリスの一隊を襲ってまとめて生気を奪うほどだったが、鬼太郎に三原山火口へ誘き出され、ぬらりひょん諸共噴火に呑まれた。ゲーム『妖怪軍団の挑戦』では不死身とされる。
玉(ぎょく)/王将(おうしょう)
「妖怪王将戦」に登場した将棋の精。将棋の駒に手足が生えた部下を率いているが玉自身は火の玉のような姿。大仙人によって壺に封じられて人面岩に埋められ、部下は只の巨大駒と化していたが、地震で出た壺を宝物と誤認したねずみ男が開けて復活、近くの村を占領した。鬼太郎ファミリーは苦戦の末に主力の飛車角を倒して駒を捕えたものの、玉に組み付いた鬼太郎ら数名が吸収されてしまう。ねずみ男の相談を受けた油すましが妖力を出し合っての対局・妖怪将棋を挑み、敗れて油になったかに見えたが玉がとどめとばかりに火を放った際、油すましは妖力を奪い返して玉を吸収し仲間を解放。玉は油すましの腹中で暴れ出すがねずみ男は封印の壺に吐き出させ、コンクリートで固めて再封印した。
こそこそ
『こそこそ岩』に登場。岡山県にあり声を立てるという石「こそこそ岩」に潜む、女の姿をした石妖怪。石の手刀と石化眼光、相手をくすぐって眠らせる術を得意とする。岩の裏の洞窟に眠る太古の魔物たちを蘇らせて世界征服を企み、復活に必要な「青い血」を持つ少女さゆりを拉致。虫の知らせでさゆりを助けに来た鬼太郎も手足や仲間たちを石化されてしまう。鬼太郎は最後の手段で胃液を吐きかけて溶かすが、こそこそは溶け切る寸前にさゆりの血を吸い取り魔物にかけて蘇らせた。だが青い血は魔物を封じた神々によって錯乱作用が付加され、魔物たちは同士討ちで落盤を起こし永久に埋もれる。その直後青い血の雨が降り、さゆりはそれを吸収して生き返った。1980年代『最新版』では地獄の岩で女の姿は取らない。夜行さんが鬼太郎に課した特訓で、重量挙げの重石になった。
壺仙人(つぼせんにん)
「壺仙人」に登場。小太りな風貌の仙人で、何でも入る空飛ぶ壺を持つ。美人の玉女(仙人の侍女)を欲して、母が病に伏せっている少女ユミに薬を与える代わり母が治ったら玉女になるよう要求した。化けガラスを通じて相談を受けた鬼太郎が対峙するも、壺と他の場所につながる仙人画を駆使してユミを連れ去る。追った鬼太郎は壺に吸い込まれるが、逆に壺を操って仙人を攻撃した末、壺に自壊命令して脱出。逃げ道の仙人画も目玉おやじにすり替えられ、仙人は降参した。
井守(いもり)
恐竜並に巨大なイモリの妖怪で、「井守」にて卑弥呼に操られる邪馬台国の守護神として登場。森の奥の古井戸にある時穴から邪馬台国に紛れ込んだねずみ男とシーサーが生贄の少女を連れ去ったため、小人の兵士に化けた多数のイモリを連れて奪回に現れた。鬼太郎ファミリーに組み付かれると電気を持つ球体を吐いて苦しめたが、チャンチャンコで電気を吸い取ると球体も井守も縮む。球体に卑弥呼の幻像が現れ負けを認め、時穴の秘密を厳守する条件で生贄の儀式を取りやめ少女は送り返された。
手足の神(てあしのかみ)
「手足の怪」に登場。ひとりでに動く手足の形をしており、指輪やたこ焼きなどを盗んでいた。鬼太郎、一反木綿、シーサーが捕獲に乗り出すが、捕まりかけると無数に増えて伸び、鬼太郎や一反木綿をぐるぐる巻きにしてしまう。そのまま丸くなり、転がって山の中の杉の穴の祠に戻るが、鬼太郎の「空気ポンプの術」を受けて弾け飛んだ。その正体は板や厚紙で作られた手足で、かつて手足を患った人々が神として信仰し、回復を祈願して奉納されたものだった。目玉おやじは「現代になって忘れ去られたために妖怪化し、人間の注意を引いたのだろう」と推測した。
十鬼(じっき)
鬼太郎一行を倒すため、奪衣婆が呼び出した十人の鬼。それぞれ怪鬼(けき)、魃鬼(ばつき)、魅鬼(みき)、蠱毒鬼(こどくき)、厲鬼(れいき)、餓鬼(がき)、魎鬼(りょうき)、涙鬼(なみだき)、役使鬼(やくしき)、伝送鬼(でんそうき)というが、どれがどれなのかはいまいちよく分からない。
鬼太郎の仲間達に戦いを挑んだが、返り討ちにあった。

「鬼太郎国盗り物語」初出

大口(おおぐち)
『鬼太郎国盗り物語』第3話に登場。ゲゲゲハウス周辺にムーが送り込んだ怪植物が大気に放った妖気により発生した、ぬり壁を丸呑みできるほど巨大な頭のみの空飛ぶ妖怪。食べた妖怪をところてんにしてしまう。ねずみ男がそれを売り一儲けした。最後は鬼太郎によって口中に清浄ガスボンベを入れられ火を点けられ爆死。
旧鼠(きゅうそ)
声 - 曽我部和恭(第4作)、高戸靖広(第5作)
歳を経たネズミが化けた妖怪。
アニメ第4作103話では廃寺の不浄霊がネズミに憑いて変化したもので、普通の旧鼠を遥かに上回る巨体と妖力を得た特殊な個体であり、ねずみ男も「あんなデケエ旧鼠いるわけない」と語っている(普通の旧鼠は大きなネズミ程度)。ねずみ男から魂を奪い服従させて自身の妖力を帯びたハツカネズミを街で配らせ、それを媒介に人間をネズミ人間に変え、ネズミの天下にしようと企んだ。ねずみ男から妖力を注がれたネズミの知らせで乗り込んできた鬼太郎をもネズミ化させるが、妖力を胃液で包まれて防がれたことで失敗し、続いてネズミ化させた猫娘を差し向けるもちゃんちゃんこで妖力を吸い取られて元に戻され、最後はリモコンゲタの連撃によって体内の不浄霊を押し出されたことで普通の旧鼠になり、激怒した猫娘の引っ掻き攻撃を喰らって失神。その後、元凶となった不浄霊も岩魚坊主によって祓われた。
アニメ第5作ではぬらりひょん配下として8話から登場。小さめの人間サイズで、体内に多種の毒素や病原体を持ち鬼太郎に噛み付いて弱らせた。ぬらりひょん達が投獄されていた時は蟹坊主と共に刑務所を攻めたり、かまいたちに大金を積んで応援を頼んだりした。
旧鼠王(きゅうそおう)
『国盗り物語』第5,6話に登場した、大小取り混ぜたネズミの大群を率いる熊並の巨大ネズミ。巨体から繰り出す怪力と毛を使った呪い、部下を使っての集団戦術とペスト菌を駆使して地上制覇を企む。天敵である猫達には呪いで動きを封じ、鬼太郎を捕らえて自分の毛や目玉を移植して部下にすることで妖怪達を抑え、東京の占拠に成功。だが長期戦になればいずれ人間に敗れると考え、日本銀行の金塊や宝石を地下に持ち去ろうとした矢先、協力者だった毒娘に猫いらずを盛られ死亡。
人面瘡(じんめんそう)
他の生物に寄生する牛鬼と同じ能力を持つ妖怪で、本来は人の顔が付いた人魂のような形をしている。寄生すると宿主の腹部に人面を現し、体を支配して悪事に走らせる。ムー大陸からの妖気パワーを得たため、昔よりも力が増しており、人面部分を肥大化させて目から光線を放ったり、宿主となった植物を妖怪化させたりすることができる。また攻撃を受けた場合、ダメージは宿主にも行くため、周囲は迂闊に手出しできない。始めは山の石塚を壊したしげる少年に寄生し、それを助けにきた鬼太郎に移動。その後鬼太郎が自ら火あぶりになったため、近くの大木に移動し、木の葉手裏剣や剣状の枝を武器に鬼太郎達と戦った。最期は鬼太郎の妖怪電撃とチャンチャンコ斬りを受け、木から出てきたところを髪の毛ミサイルで撃ち落され、新たな宿主を見つけられずに泡と化した。
ボゼ
トカラ列島に伝わる来訪神。
『国盗り物語』第12 - 21話ではムーの手先として登場。最初はゴーストカーに化けて少女たちを誘拐、鬼太郎に取り押さえられて被害者を解放し去る。13話以降は女性の姿をとり、多額の金を使ってねずみ男や、役行者三十世、狒々やバックベアードなどを買収して鬼太郎を抹殺しようと暗躍した。だが21話でムーの進出を快く思わぬタコ神に捕まり、彼をも買収しようとしたが容赦なく絞殺された。そのやりとりを油すましたちが聞いたことで、鬼太郎たちはムーへの通路を知ることができた。
狒々(ひひ)
声 - 小野坂昌也(第6作)
猿人のような姿をした妖怪。真っ赤な顔に突き出た唇、毛むくじゃらの巨体が特徴。伝承では山奥に住み女を攫うとされ、年老いた猿がそのまま妖怪になったという説もある。
鬼太郎を倒すためボゼが仕組んだ相撲大会に参加した妖怪の一人。ベアードともどもムーに雇われており、水虎とぶつかった時には、相手を刃物で切りつけるという反則まで使ってトーナメントを勝ち抜こうとした。しかし仲間のベアードとぶつかった際に、こっそり八百長を申し込むも試合中に触手で刺し殺されてしまい、蘇生後に改心してムーの陰謀を打ち明けた。
アニメの初登場は第6作55話。関西弁で喋る気の良い妖怪で、人を襲ったりはしない。テンションの高い面があって、自分の名前に引っ掛けたしょうもないダジャレも言うため鬼太郎やねこ娘も呆れる部分がある。昭和初期に人間の少女にテニスを教わりその魅力に取り憑かれて以後、自分も指導する側となり、猿相手にテニスを教えたり、世界第四位の選手・土手久美子(どて くみこ、声 - 山根綺)を育て上げた実績も持つ。東京オリンピックを前にもう一花咲かせたいと人間界へ出向き、まなの同級生でテニス部の少女・岡倉優美(おかくら ゆみ、声 - 大空直美)のコーチを買って出る。厳しい指導で優美の実力を上げて地区大会で優勝させるまでは順調だったが、その後は技術を軽視した根性論主体の指導だけを続けた為、全国大会の試合の方は一回戦で敗退したため徐々に行き詰まりを見せ始め、「根性論だけじゃなく技術面も教えて欲しい」という優美の反発を招くようになり、更に体罰を行ったことで学校側から謹慎処分を受けてしまう。テニスに対する思いは本物で優美にも彼なりの愛情をもって接していたが、かわうそを新コーチに迎えた後も優美に付きまとった事で彼女からハラスメントと見なされ拒絶された。あげくねずみ男がマスコミに情報提供し記者会見で妖怪であることを理由に過去の少女との交流にまであらぬ疑いをかけられ、理不尽な吊るし上げを食らった事で激怒し巨大化、会見場を破壊し暴れまわるが実力は大したことなく駆け付けた鬼太郎にあっさり倒される。目玉おやじから諭されて「今の時代に自分のやり方は合わないのかも知れない」と頭を冷やし、昔ながらの指導方法が問題視されてしまう現代の風潮への失望や寂しさを嘆きつつ山に戻り、再び猿相手にテニスを教えることを楽しむようになった。
ガジュマルの精
『国盗り物語』第15話に登場。水木画の「松の精霊」のような小坊主の姿。鬼太郎ファミリーが自分の本体である樹に泊まったため宿賃を要求し、断られると居酒屋のふりをして寝太郎たちに樹液を飲ませ樹に変える。立ち向かう鬼太郎たちにも攻撃を先読みする「他心通」や分身「無敵十人衆」、妖怪殺しの魔剣「雷光剣」を駆使して追い詰めるが、目玉おやじが向かわせたねずみ男の、ゴミ箱漁りや食糞などの不潔な思考に堪えかねて他心通を止めた隙に鬼太郎の指鉄砲で倒された。同時に樹に変えられた寝太郎たちも還元、鬼太郎ファミリーは精を埋葬した。
くだん
『鬼太郎国盗り物語』第17話に登場。予知能力を持つ人面の子牛。伝承では母牛から産まれるとすぐ予言を一つ遺して死ぬが、本作では生き続けていくつも予言する。沖縄で辻占いをしていた所をゴルゴーンに拉致されるが、助けに来た鬼太郎の勝利を予言し的中した。
片耳豚(カタキラウワ)
「鬼太郎国盗り物語」に登場する、豚の妖怪。その名の通り、片耳の豚の頭部から足が生えたような外見をしている。常に集団で行動しており、固い木の実に化けて相手の頭上に落ちたり、群れで一斉に飛びかかったり、合体して巨大化するのが得意だが、鬼太郎に太刀打ちできるほどの実力はない。伝承では奄美大島の妖怪だが、本作では地底世界に住む。かつて人間と暮らしていたが、人間たちがムーによって支配されたため、逃げ出す。その後、鬼太郎たちをムーの手下と勘違いして襲うも実力の差で敗北。和解後に事情を話し、鬼太郎に助けを頼む。
ゲーム『異聞妖怪奇譚』では特定条件下で仲間にできる。
ヒザマ
ムーの総理大臣の手下の一人で、巨大なニワトリの姿をしている。火を自由に操る力を持ち、口から吐くのはもちろん、針のように飛ばした羽根を炎に変えて、突き刺した相手を炎上させることもできる。部下にモアプテラノドン等の巨鳥や翼竜、それらを乗り回して奴隷にした村人たちに鞭を振るって強制労働させる額に独特の模様がある骸骨の集団がいる。
地下世界の村一つを支配しており、鬼太郎一行と戦ったが、体内に潜り込んだ鬼太郎に妖気を奪われて倒された。
手洗い鬼(てあらいおに)
巨大な体と長い手を持つ妖怪。高松から丸亀に続く湾で手を洗っている。巨体の割にどこに住んでいるのかはわかっていない。
劇場版『日本爆裂!!』では妖怪四十七士の香川県代表として覚醒。巨体を活かした怪力が武器。

アニメ第4作初出

(みずち)
巨大な海竜の姿をした蓬莱島の「迷いの森」に住んでいる妖怪。蓬莱島は、本当の島ではなく蛟の吐き出す息で生み出された蜃気楼で、額の「逆さ鱗」で封印されている間は、ピンク色の息を吐き蜃気楼の蓬莱島を作り出すいい海竜なのだが、逆さ鱗を外されると暴れ出す。
アニメ第4作第14話「蜃気楼海竜みずち」に登場する。二千年以上前に中国の法師・徐福が始皇帝の命令で不老不死の妙薬を手に入れる旅に出て蓬莱島を見つける。迷いの森に入り込んだねずみ男が蓬莱島の宝物と勘違いして逆さ鱗を抜いてしまい蓬莱島が消え蛟が、暴れ出してしまう。最終的に、鬼太郎と蟹坊主が蛟を抑えている間にねずみ男が逆さ鱗を元に戻した事で鎮静化する。
くびれ鬼
声 - 鈴木れい子、江川央生(第4作)、岩田光央(第5作)、くじら(第6作)
幽霊のように足が無い身体に巨大な顔がついた姿をしており、伝承では通行人に取り憑いて首を吊れと迫る悪霊とされる。外見は女性に近いが、第5・6作では男性のイメージが強い。
初登場はアニメ第4作第19話「恐怖!妖怪くびれ鬼」。現世で疲れた人間を黄泉の世界に連れ込み、その者の魂を徐々に奪い、最期には死に至らしめる凶悪な妖怪。黄泉の世界では無敵を誇り鬼太郎の攻撃は一切通用しない。ある男性を黄泉の世界に連れ込み黄泉の食べ物を口にするたびにその魂を奪っていたが、その男性の娘の相談を受け、その存在を知った鬼太郎は男性を現実世界に連れ帰り、霊毛ちゃんちゃんこで取り押さえられ、目玉親父と砂かけ婆に「偉い坊さんのいる山」に封じられた。その後第46話妖怪大裁判で原告側として登場し、鬼太郎に不利な証言をした。70話では木水が出した妄想妖怪で登場。
第5作第62話では、疲れた人間の気配をかぎつけてはその者が「死にたい」と呟いた途端に自分の世界に引き込む。神出鬼没で鬼太郎は寸前の所で取り逃していたが、人気アイドルAYA(声 - ゆかな)とアマビエを引き込んだ際、彼女達の活躍で居場所がバレ、乗り込まれる。そして鬼太郎と戦うも、ちゃんちゃんこと下駄を合わせた武器に圧倒されて逃げようとするが追い討ちで倒され、引き込まれていた人間達も解放された。
第6作では第25話に登場し、自殺した人間が妖怪になったという設定。伝承通りに一種の憑き物のような存在で、取り憑かれた人間は最後には首を吊らされ殺されてしまう。現代では「呪いのアプリ」を媒介に、大量の人間に一度に取り憑いていた。「呪いのアプリ」は不幸の手紙と似た性質のスマホアプリで、起動すると「三時間以内に入力しないと自分に呪いが返る」という警告とともに呪う相手の名前の入力を求められる(入力する名前は知人のものでないと無効となる)。名前を入力された者は呪いにより災厄が降りかかり、さらに自分のスマホに「呪いのアプリ」が勝手に登録され、別の誰かを呪うように求められる。名前を入力するとアプリは消えるが、前述の呪いの連鎖によって呪った者のスマホには「呪いのアプリ」が大量に現れるようになる。この状況に陥ったが最後、災厄から逃れるためには他人の名前を入力し続けるしかなく、その量も倍々で増えていくためやがて手に負えなくなり、最終的には追い詰められて自我を失いくびれ鬼の操り人形と化すか、自身の名前を入力してしまい、その場で首を吊って死に至らしめられる。作中では雅がクラスメート・山根香凛のまなへの悪口をSNSに流す陰険さに不快を感じて、ふざけ半分でまなのスマホに「呪いのアプリ」を登録し、まなも軽い気持ちで香凛の名前を入力したため、呪いが発動して香凛は怪我をし、まなも呪いに憑かれてしまう。その後、呪いの連鎖により雅も怪我をすることになり、同じく手を出していた蒼馬もアプリに操られ首を吊ろうとしたが、鬼太郎に止められ一命をとりとめた。まなも追い詰められて自分の名前を入力したため、姿を現したくびれ鬼の手にかかり首を吊らされそうになるが、鬼太郎とねこ娘に止められ、正気を取り戻す。くびれ鬼はそのまま鬼太郎たちと戦い、長い髪を伸ばして彼らを捕え、髪で作った縄で首を吊らせようとするが、ねこ娘の爪で髪を切り裂かれ、鬼太郎のちゃんちゃんこによる渾身の一撃で叩き潰され消滅し、「呪いのアプリ」は人々のスマホから消え去った。この「呪いのアプリ」にはアイコンや画面に逆五芒星が使われている他、物語の冒頭で周囲からの中傷を苦に首吊り自殺した人物の傍に名無しが現れてスマホから立ち昇る悪意を啜り、事件後の夜には名無しが無数の人々から流れ出した悪意を利用してまなの額に「火」の文字を刻むなど、一連の事件は名無しによって裏で仕組まれた事が示唆されていた。
オバリヨン
声 - 高戸靖広
伝承では、新潟県三条市に伝わる夜中に歩いていると背中におぶさってくる妖怪でおんぶおばけ、ばりよん、うばりよん、おぶさりていとも呼ばれる。
アニメ第4作第59話に登場。黄緑色の丸い体に手足と目が付いた姿の常に宙に浮いている無害な妖怪。30年前に祐子のいとこの友達の真奈美の母佳枝の妹・幸美とは両親が離婚して寂しい毎日を送っていた為、親しい友達となりよく遊んでいたが、岩魚坊主から幸美は残り僅かな命の運命であることを知らされ、死なせたくない思いから何とか回避させようと手招きして注意したが、それが仇となり幸美は交通事故で死亡し、その様子を見た佳枝に幸美を死なせるよう誘導したと誤認させてしまう。それから30年後、オバリヨンは真奈美の前に姿を現し手招きして何かを伝えようとするが、母・佳枝は先述の一件で「妖怪に関わってはいけない」と真奈美をきつく叱ってしまう。真奈美が最近オバリヨンの姿を見るようになっていて、真奈美の友人が心配し鬼太郎に相談してくれて真奈美の前に姿を現わす。鬼太郎は佳枝には追い返されるが、そこへ現れたオバリヨンが無害な妖怪だと聞いた真奈美は、オバリヨンに誘われるように異次元世界に、そこに佳枝も真奈美を追って異次元世界に入り込む。そこは30年前の幸美の事故が起こる前日で、オバリヨンは実は幸美の友達で、幸美が楽しみにしていたデパートや遊園地へ連れて行ってあげてほしいと佳枝に頼みオバリヨンは幸美を死なせないよう助けようとしていたことも話し、この事で今までの佳枝のオバリヨンに対するわだかまりも解かれた。オバリヨンは時間を超える能力があり幸美が天国に行くまでの時間を佳枝と過ごして欲しかったが、佳枝は妖怪を信じなくなったのでオバリヨンが見えなくなり幸美と会わせることが難しくなってしまい、それで娘の真奈美を通して佳枝と幸美を出会わせることに成功した。
納戸婆
声 - 上村典子
納戸に住み着く老婆の妖怪。大きな口と長い髪を持つ。
第4作87話にて倉ぼっこの仲間の妖怪として登場。
クネユスリ
その名の通りクネ(生垣)を揺する妖怪。髪を逆立てた小柄な子供の姿をしている。
第4作では倉ぼっこの仲間、第5作では妖怪運動会の障害物役として登場。いずれも台詞はない。
鬼髪(きはつ)
声 - 江森浩子
人間の女性の怨念が、その髪に宿って生まれた妖怪。
初登場はアニメ第4作第112話。300年前に人間を手当たり次第に襲い(生み出す元になった女性をも取り込んだ)、他の髪の毛妖怪からも危険視されて黒髪切によって人形に封じられ、髪の大社に奉納されていた。だがねずみ男が人形を盗んだために復活、再び人間を襲い始める。髪の妖怪なので毛針やちゃんちゃんこも通じず、黒髪切の歯しか太刀打ちできない。再び黒髪切が挑み、彼は鬼髪から被害者(ねずみ男も含む)を分離した後、自分ごと鬼髪を「清めの炎」(妖怪を炎で封じ焼き尽くす)で焼き払わせ消滅した。
第5作では第37話登場。貧しさゆえに髪を売った女性の無念から生まれた以下2体の鬼髪が登場。髪の毛の先端を剃刀状にして相手を切り裂くことが出来る。
黒鬼髪(くろきはつ)
声 - 富沢美智恵
髪を売った女性の「怨み」から生まれた鬼髪。一房の髪の毛の状態で黒髪神社に御神体として奉納されていたが、妹・加奈(かな、声 - 釘宮理恵)のモデル採用を望んでいた女性・里奈(りな、声 - 大本眞基子)が願いが叶う御利益があると信じて盗み出したことで彼女に取り憑いて復活し、次々に美しい黒髪を持つ女性を襲って髪を切る事件を起こした。霊毛ちゃんちゃんこの拘束や封じ札も通じなかったが、取り憑かれた姉の妄執を断つべく加奈が自ら髪を切った事に反応した事で隙が生じ、鬼太郎が里奈を分離し白鬼髪が憎しみを吸収することで封じられ、再び黒髪神社に奉納された。
白鬼髪(しろきはつ)
声 - 金月真美
髪を売った女性の「悲しみ」から生まれた鬼髪。黒鬼髪とは対となる姉妹のような存在で、普段は髪の長い美女の姿をしている。復活した黒鬼髪の凶行を宿主の里奈ごと封じる(里奈自身の髪と取り憑いた黒鬼髪が複雑に絡んでいた為に、分離は不可能と判断した)ことで止めようとしたが、加奈が自ら髪を切った際に黒鬼髪が悲しみを感じている事を知り、自身も憎しみを理解する事を望んで、黒鬼髪の憎しみを吸収する事で自身諸共に封じる。一房の髪の毛に戻った後は、黒鬼髪と共に黒髪神社に奉納された。
如意自在(にょいじざい)
声 - 田中亮一
三眼の如意のような顔の妖怪。笠をかぶっている。
アニメ第4作113話でぬらりひょんに雇われた「三匹の刺客」の1名。同族の「みさこ」という妻と「ゆうた」という息子がいる(種族の異なる者には見分けがつかず、家族全員同じ顔に見える)。普段はゴルフ場でゴルフボールを盗んでいる。腕が伸縮自在で、それを使って鬼太郎に飛びかかろうとしたが、途中の木に激突して気絶する。

アニメ第5作初出

沼御前(ぬまごぜん)
声 - 葛城七穂(第5作)、今野宏美(第6作)
伝承では美女に化けて人を襲うとされる大蛇の妖怪。
アニメ第5作第5話に登場。上半身は美女だが、下半身は三つ目の四匹の大蛇という姿をしている。住んでいた沼に映画の撮影所が築かれ、しかもそこで撮影する映画「クメール遺跡の亡霊」(4年に一度アンコールワットに現れる亡霊たちを描いたもので、その詳細は後述の「南方妖怪」の「アンコールワットの亡霊」の項目を参照)の内容が夫を亡くした彼女の身の上と偶然重なったために呼び起こされて出現し、撮影所の人々を襲い食い殺していた。40年前に現れた際に鬼太郎に退治されたが、20年前、そして現在で映画がリメイクされた事で度々出現し、そのつど鬼太郎と戦い撃退されているが、完全に倒すことはできない。鬼太郎は40年前に沼御前を退治した際に「クメール遺跡の亡霊」の撮影を中止するよう頼むが失敗。20年前には撮影助手の高田(たかだ、声 - 平井啓二)と大島(おおしま、声 - 山本圭一郎)を食い殺され、食い殺される寸前だったカメラマンの木村六郎(きむら ろくろう、声 - 乃村健次)を助けると「もうこの映画を撮ってはいけない」と忠告(鬼太郎は高田と大島を救えなかったことを悔やんでいた)し、生き残った木村は「鬼太郎の忠告に従わなければ同じように犠牲者が出る」と必死で訴えるも誘拐容疑をかけられ逮捕されて(証拠不十分となり釈放されたが、撮影所に復帰することはなかった)約束は果たせなかった。現在で鬼太郎との約束を果たそうとした木村は撮影所の新人スタッフの小林(こばやし、声 - 阪口大助)に鬼太郎の話をし、二人は小林を疎ましく思っていた不良スタッフの大久保(おおくぼ、声 - 竹本英史)と千絵(ちえ、声 - 池田千草)の悪戯によって閉じ込められたスタジオで沼御前に襲われる。駆け付けた鬼太郎は沼御前と三度目の対決となり、蛇に呑まれながらも体内電気で内側から攻撃した後、霊毛ちゃんちゃんこで締め付けて退散させ、過去に二度も忠告したことと沼御前はまだ生きていることを念押しして「もし駄目なら、もう僕に出来ることはありませんから」と改めて木村と小林に頼む。小林は木村の指示で自分が撮影した鬼太郎が沼御前と戦う映像を社長や重役に見せて撮影の中止を訴えるが「自主製作した特撮映画」「インチキ映像」として退けられ撮影所をクビとなり、木村も消息不明になってしまうが、それでも小林は絶望せず今度は自分が約束を果たすと改めて誓った。その後大久保と千絵は、スタジオで小林の映像を見ている最中に現れた沼御前に襲われ、鬼太郎も察知するが自分の忠告を重く受け止め撮影を止めようとした目撃者の証言を三度も無視し同じ悲劇を繰り返す撮影所の人々に愛想を尽かし見捨てて立ち去り、二人はそのまま食い殺されてしまった。
第6作では第39話に登場。普段は赤い衣を着た和風美女だが、本当の姿は黒髪が生えた巨大な白蛇。ねずみ男が立ち上げた妖怪と人間のマッチングサイトを利用して人間の男性を誑かし餌食にしようとしており、雪女・ゆきに振られたばかりの俊を狙った。その後、ゆきを忘れられない俊から拒絶されると正体を現して彼を喰おうとし、助けに来たゆきも口から吐く息で吹き飛ばすが、駆け付けた鬼太郎と対峙。しかし、ねずみ男や目玉おやじの薦めで徹夜で恋愛ゲームをしていた鬼太郎は半分寝ぼけて恋愛ゲーム思考のまま沼御前と会話してしまい、それを真に受けた沼御前も鬼太郎に惚れてしまう。最後は寝不足で不発となった指鉄砲の仕草で「ハートを撃ち抜かれちゃった」と卒倒した。その結果、俊は助かりゆきとよりを戻すが、ねずみ男は後で沼御前に捕まり、鬼太郎との恋愛に協力するよう脅迫される羽目になってしまった。「300年ぶりの胸のトキメキ」と言っており、大昔に恋をしたことも示唆されている。前作と比べると間の抜けたコミカルな性格に描かれる。
加牟波理入道(かんばりにゅうどう)
声 - 今川柊希(第6作)
日本全国の古いトイレに住む妖怪。妖怪というよりトイレの神様に近い存在。
アニメ第5作9話に初登場。幽霊電車作戦に協力する。
第6作7話でも幽霊電車作戦で協力する。第95話では妖怪大同盟の一員になっていたが、最終話でねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
タンコロリン
声 - 今川柊希(第6作)
樹に残されたの実が変化した巨大な人面の柿の実の姿をした妖怪。
アニメでは第5作第85話登場。柿の守護神のように描かれ、冒頭で柿農家が感謝を込めて収穫する所を笑顔で眺めている。ねずみ男に目をつけられて妖怪城に取り込まれてしまうが、鬼太郎に力を貸すべく妖怪四十七士の宮城県代表として覚醒した。
第6作では28話初登場。ゲゲゲの森で西洋妖怪戦に参戦、カミーラの分身コウモリを押し潰す。第35話ではアニエス追放運動に参加するが、鬼太郎の説得を聞いて改心する。48話では畑怨霊の仲間妖怪として登場。第49話では他の妖怪たちと共に人間を救助し避難させていた。95話では人間を襲撃する場所を考えていたところを妖対法の特殊部隊により他の妖怪共々射殺された。
うわん
声 - 遠近孝一(第5作)
伝承では人を両手を振り上げて怒鳴りつけて脅かす妖怪。
アニメ第5作第20話に大柄で長い腕の人型の妖怪として登場。悪戯好きで人気のない古い屋敷などに住みついてそこにやって来る人間を「うわん」という大きな声で脅かす。温厚な性格で人に危害を加えたりはしない。「うわん」という声しか発する事が出来ない。一度でも人間に見られたら永遠の闇に封じられてしまうという哀しい定めを持っており常に声だけで姿を決して見せる事はなく特に人間の前には絶対に姿を見せない。ライターの蛭田(ひるた、声 - 一条和矢)がインチキで雑誌に載せた幽霊スポットに人間が訪れるようになりそれが原因で黒坊主が現れ人間を襲うのを防ぐ為に訪れた人間を脅かして追い返していた。正体を露わにし、鬼太郎達や蛭田を襲う黒坊主を止める為に姿を見せた。しかし、その事で蛭田に姿を見られてしまい、黒坊主を道連れにして永遠の闇に引き込み自らを犠牲にする事で鬼太郎達を救った。事件後、自分の愚かさに気付いた蛭田はライターを引退した。
狂骨(きょうこつ)
声 - 麻生智久(第5作)
伝承では井戸から現れる白髪を生やした幽霊と骸骨を合わせたような姿の妖怪。
初登場はアニメ第5作第29話。周囲の人間を襲い自身の邪魔をする相手にも容赦なく攻撃するなど残忍な性格で髪の毛針やリモコン下駄ぐらいの攻撃なら簡単に再生してしまう。さらに死人の魂の集合体の為、チャンチャンコをもすり抜けてしまう。ネコ娘がアルバイトのバスガイドとして小学校の修学旅行で訪れた観光地の古井戸で眠っていたが生徒の一人が悪戯で井戸に石を入れた事で目を覚ました。いろはの順番に準えて生徒達を次々に襲ったがねずみ男が横丁の灯篭の出口を調べていたおかげで駆け付けることができた鬼太郎に阻まれ、体内電気を喰らい再生不能になった所を髪の毛槍で封印の札を張られ完全に浄化され、連れ去られた生徒も助けられた。
舞首(まいくび)
声 - 増谷康紀(火首)、川津泰彦(風首)、服巻浩司(雷首)
伝承では喧嘩の末に首を斬り合った3人が、首だけになっても海上で争い続けている妖怪。
初登場はアニメ第5作第41話。元々はとても仲の悪い三人組の首が集まって生まれた巨大な妖怪で常に喧嘩しているがそれぞれの首が火首、風首、雷首と呼ばれ口から吐くを自在に操り天変地異をも巻き起こすほどの力を持っており二つの首だけが目覚めた状態でも鬼太郎を追い詰めるほどの力を持っている。骨女曰く「三日もあれば日本を滅ぼせる」。洞窟の奥底に睡眠状態で封印されていたのを骨女が発見し計略の為にねずみ男と協力して人間の魂を百人分食べさせる事で目覚めさせた。通常は三つの首が協力し合う事はないが愛する二人のリズムでのみコントロールが可能で骨女とねずみ男が骨を打ち鳴らす事で操った。ねずみ男の指示があったとはいえ鬼太郎を火首と風首が目覚めた直後に撃破し(鬼太郎は潰される寸前に穴を掘って逃れた)、完全に三つの首が目覚めた状態で横丁の妖怪達を追い詰めたが、重症のふりをしてねずみ男から弱点を聞き出していた鬼太郎に操るための骨を破壊されコントロールを失い、喧嘩を始めた隙を攻撃され最終的に目玉おやじに封じ札を貼られ石化封印された。同時に人間達の魂も戻った。
第6作では妖怪大同盟の一員として登場。色合いは第5作と同じ。
古椿(ふるつばき)
声 - 三田ゆう子(第5作)
伝承では人間を餌にして長い時を生き続けるツバキの樹の妖怪。
初登場はアニメ第5作45話。100年に一度目覚めるという妖木で、人間の女性に化けた分身の花たちに人間たちを誘惑させ、催眠状態で異空間にいる自らのもとへ連れてこさせ、虫に変えて食べてエネルギーとし、長寿を保ってきた。現代では花たちはメイド喫茶の店員の形を取り客を惑わす。その催眠効果は妖怪に対しても有効なほど強力で、ねずみ男は食べられる寸前で逃走し、鬼太郎も餌食になりかかった。しかし、鬼太郎は分身の花の一つである蕾によって元に戻され、そのまま鬼太郎と戦闘になる。鬼太郎に「自分を倒せば蕾も死ぬ」と言って動揺を誘い、その隙に背後から鋭い枝を放って刺殺しようとしたが、蕾が鬼太郎を庇ったために失敗し、その枝は蕾を貫き致命傷を負わせる。そのことに激怒した鬼太郎に髪の毛槍で貫かれた後、とどめに体内電気を流しこまれて倒され、虫に変えられたねずみ男や人間はすべて元に戻った。
蕾(つぼみ)
声 - 中原麻衣
第5作45話登場。古椿の花から生まれた分身の一体。表の顔はメイド喫茶の店員の一人で、獲物である人間たちを誘惑して古椿のもとへ送り届けるのが使命だが、他の花と違って心優しい性格のため、客として来た男性をいつも帰してしまい、仲間たちから「落ちこぼれ」と罵られていた。自らを古椿のもとへ案内させようとした鬼太郎とデートをするも、最後まで鬼太郎を連れて行こうとはせず、本人は落ちこぼれゆえにそろそろ切り捨てられる頃だろうと覚悟し、思い出作りとしてデートを楽しんでいた。しかし、デートの終了直後に古椿の支配下に置かれ、鬼太郎を誘惑して古椿のもとへ連れていくが、虫に変えられた鬼太郎が食べられる直前に自らの意思を取り戻し、鬼太郎を元の姿に戻す。そして鬼太郎を庇って古椿の枝に貫かれ致命傷を負い、鬼太郎に感謝の意を述べて息を引き取り、元の花の姿に戻る。その花は鬼太郎の涙に触れて一粒の種となり、鬼太郎は彼女を想いながらそれを地面に埋めた。
七人ミサキ(しちにんミサキ)
伝承では海沿いを常に七人で徘徊する人間の死霊。「ミサキ」は西日本で、憑き物や怨霊を意味する。
アニメ第5作第49話に初登場。今作の七人ミサキは以下の七人がそれぞれ漢数字の書かれた札を身に付けている。
一 日朗(にちろう) - 七人ミサキのリーダー格。着物姿で長い白髪と髭を生やした小柄な老人。一番古いミサキで、他のミサキから「親分」と呼ばれている。声 - 伊井篤史
二 月雄(つきお) - ミサキ達のNo.2。口髭を生やした恰幅の良い着物姿の中年男性。声 - 浜田賢二
三 火出丸(ひでまる) - 月代を剃った袴姿の若い男性。声 - 私市淳
四 水恵(みずえ) - 七人ミサキの紅一点。前髪で目が隠れた長髪の着物姿の女性。本人曰く300年ミサキをやっている。声 - 進藤尚美
五 木久松(きくまつ) - 物静かだが七人ミサキの中で一番の巨漢で、力もぬりかべと組み合えるほど強い。声 - 高戸靖広
六 金吉(かねきち) - 日朗と同じように小柄な体格で、旧日本軍のパイロットのような恰好をしている。声 - 阪口大助
七 土史蔵(としぞう) - 七人ミサキの中で一番の若手。リーゼントにサングラス姿で、暴走族のような恰好をしている。他のミサキと比べて言葉遣いが悪い。声 - 不明(ノンクレジット)
結束が強く常に七人で行動しており、一人が歩くと他のミサキも一緒に歩き、一人が止まると他のミサキも一緒に止まってしまう。一人がやられてもすぐに復活するので、倒すには七人同時に倒さねばならない。新しい仲間を引き入れると一番古いミサキがあの世に行き、新入りに七の札が付き他の六人は札の数字が1つずつ減る。本人達曰く半分死んだ状態でこの世に留まっているため、あの世へのあこがれ(彼らにとって、あの世はとてもいい所という認識)と死への執着心が強い。新しく七人を仲間にする(全員があの世に行く)為、手始めに悩み事解決の仕事を行っていたねずみ男と呼子を自分達の屋敷に呼び(呼子の能力を利用して出された宣伝メールを受信していた事から、携帯電話を所持していた模様)、ねずみ男を仲間にする事で日朗をあの世に旅立たせ、さらに人間の町に出向こうとしたところで鬼太郎達に阻まれる。ねずみ男がいる為に七人同時に倒す事が出来ない鬼太郎達を海中に引きずり込んで追い詰めたが、彼らの結束を逆手に取った目玉おやじと蒼坊主の策略で、あの世に向かっている途中の日朗を呼子の能力で呼び戻された事で八人ミサキになってしまい、定員オーバーとなって動きを封じられた所でねずみ男が抜け、元の七人に戻った隙に一網打尽にされ体内電気を喰らい敗れた。日朗はあの世に向かう途中、一人でいる事がとても寂しく七人でいる事の大事さに気付いた事で呼び戻した呼子に礼を言い改心、人間を二度と襲わない事と破った場合は閻魔大王への引き渡し(地獄行き)を受けると鬼太郎に約束して和解した。
七人同行(しちにんどうぎょう)
声 - 高塚正也(リーダー)、坂田将吾、草野太一、浅野良介、田邊幸輔
第6作第85話に登場。黒いフードを着た7人の妖怪。目玉おやじによると「普段は山に住んでいる」が、ぬらりひょんに命じられ、「ダイダラ教団」に扮して、ダイダラボッチを復活させようとした。手の平からビームを発射することができる。ねずみ男も操ってダイダラボッチが起こした地割れに鬼太郎と門倉を落とした。ダイダラボッチが復活した直後に脳を操ったぬらりひょんに用済みとして踏み殺されてしまい、それと同時にねずみ男も正気に戻った。
伝承や性質に差異はあるが、第5作に登場した七人ミサキとも同系統の妖怪である。
赤えい(あかえい)
声 - 西原久美子(第5作)
島と勘違いしてしまうほどの巨大なエイの妖怪。
アニメ第5作51話に初登場。作中に登場したのは子供の個体で、目立った力はないが目玉だけで鬼太郎たちの倍以上という圧倒的な巨体を持っている。海底で永い間、静かに眠っていたが自身の周りの海を人間の突貫工事で埋め立てられさらにその上にショッピングモールを建てられた事で完全に身動きが出来なくなってしまった。その苦しみから時折、暴れて大地震を起こしていた。偶然、鬼界ヶ島から東京見学に来ていたミウ達とネコ娘がショッピングモールを訪れている時に、地下でインチキ霊媒していたねずみ男の屁で驚き建物が崩壊するほど暴れた。逃げ遅れた子供を助けようとしたミウをさらい後を追って地下にやって来た鬼太郎たちと一時交戦するが、ミウによって建物の下敷きになっていた事実が知らされる。鬼太郎は妖怪横丁の仲間を多数招集し、一同でつるべ火を灯した松明を持ってショッピングモールを囲み彼らの転送能力で赤えいを無事に海上へ解放した。
オソレ
声 - 鈴木清信
アニメ第5作第54話と79話に登場。恐山にある妖怪大病院にいる凄腕の妖怪医者で、4眼に大きな2本角、ウナギのような尾を持つ老人の姿。金にがめついがそれ以上に新鮮な天然アユに目がなく、鬼太郎の治療で最初1億円以上要求しても、かわうそが獲って来るアユで承諾してしまう。
第6作では顔をマスクで隠した妖怪医師(声:半田裕典)が登場した。
(ぬえ)
声 - 野田圭一(第5作)、辻親八(第6作)
かつて平家物語で京都の御所に黒雲を纏って現れた、猿の頭・虎の手足・狸の胴体・蛇の尾という姿をしているとされる妖怪。鳴き声が恐ろしく、その声を聞いた者は病にかかってしまうという。
アニメ第5作第57話に初登場。数多の妖怪からもその存在を知られ、時代と共に恐怖や尊敬の対象とされてきた京の大妖怪。後世では、伝説として広く知られる姿(キメラ型)で言い伝えられてきたが、実際は黒雲に身を包み目が緑に輝く麒麟龍馬のような姿を持ち、独特の鳴き声が特徴。化け灯篭の起こした騒動の終結後も、広まった誤解や嘘のイメージを放置し(百鬼夜行復活に喜ぶ妖怪たちを、自分の姿や声を懸念した上で怖がらせたくないとしたため)、それよりも妖怪と人間双方に平和が訪れた事を何よりも喜ぶなど善良で麒麟同様に徳の高い心を持つ(実際に麒麟と関わりがあるかは不明)。化け灯籠の策略によって捕らえられて妖力を奪われたが、残りの妖力を振り絞って鬼太郎を千二百年前の平安京に召喚した。化け灯籠によって嘘の情報が広められ、妖怪・人間の双方から恐れられていたが、暴走した化け灯籠の落とした雷で発生した大規模な火事を残り少ない妖力ながら瞬時に鎮火したことで妖怪と人間の心に留まり、歴史改変後の後世では妖怪族の憧れのヒーローとして語り継がれていた。なお、現代の京都・鵺寺に飾られていた絵も変化したが、鬼太郎が鵺と共に描かれていたにも関わらず、ねずみ男と猫娘は気にも留めていなかった。
第6作では第50・51話に登場。善良な性格だった前作とは対照的で「大逆の四将」と呼ばれる極悪妖怪の一体として登場する。千年前に源頼政と鬼道衆の先祖たちによって倒され地獄に封じられていたが、ぬらりひょんの手によって脱獄。千年前に果たせなかった都の征服を果たすべく現代首都・東京で暗躍し、音響兵器のような鳴き声を放って多くの人間を気絶させ、僕として従える大量のトラツグミ達に人間の生気を吸い集めさせて(ねずみ男も生気を奪われた)力を蓄え巨大化までも遂げていた。生気によって力を増していたとはいえ鬼太郎を圧倒するなど高い実力を持ち、ムジナを影武者として東北の寒村で暴れさせる陽動作戦を行う等、悪知恵にも長ける。電撃や、かつて自身を倒した霊弓・雷上動の弦の音が弱点。リモコン下駄や指鉄砲も効かず、弱点である体内電気を受けても蛇の尾で迎撃するなど苦戦させるが、復活したねこ娘の加勢でトラツグミの大半を倒されてしまい形勢を逆転され、体内電気を帯びた霊毛ちゃんちゃんこ槍を放たれその場を逃げ出すが、乱入してきた零の持つ雷上動(の写し)の弦の音によって動きを封じられた上に山鳥の矢羽根をつけた尖り矢で射貫かれ敗北する。「奪った人間の生気を返せば解放してやる」と零に騙され(鬼道衆については、恨みこそあったが里の位置は知らないと語った)生気を返し、そのまま殺害され魂を吸収されてしまった。その後零は62話から右手を鵺の顔に変え武器として使用していたが、75話で零から解放され閻魔大王に引き渡された。
トラツグミ
声 - 祖山桃子(第50話に登場した個体)
本来は古くからと呼ばれた実在の鳥で、後に似た鳴き声を出すキメラ型の妖怪の方が鵺と呼ばれるようになった。
アニメ第6作で鵺に付き従う妖鳥として第50・51話に登場。複数の個体が存在し、50話ではその内の一羽が東北で陽動作戦を行っていたムジナに付き添い、鬼太郎が現れるとそれを鵺に伝える為に東京へ帰還する。51話では群れを成して鵺の鳴き声で気絶した人間の生気を吸い取り、鵺の力を蓄えさせていた。その後、鵺の指示で鬼太郎・猫娘と交戦し全滅する。
羅城門の鬼(らしょうもんのおに)
声 - 平井啓二(第5作)
アニメ第5作第57話に登場し、千二百年前の平安京にて、化け灯籠に操られた陰陽師たちによる妖怪狩りから他の妖怪や付喪神などを匿っていた。鬼太郎も一時厄介になる(妖怪避けの結界が張られていた羅城門に住めれた理由は不明)。
化け灯籠(ばけどうろう)
声 - 大友龍三郎(第5作)
伝承では何度火を灯してもすぐ消えてしまうという灯篭。
アニメ第5作57話に登場。灯篭の支柱の両側に火が灯り火袋に一つ目のある姿。何らかの形で雷の能力を宿した特別な個体で、雷撃を自在に操る他、人間に化ける、強力な妖怪を簡単に封じ込めるほどの封印術、陰陽師を利用した式神の行使(捕獲した妖怪を、妖力を糧に燃える燈篭に変える。鬼太郎も一度灯篭に変えられてしまった)、大規模な人間操作術など幅広い能力を持つ強力な妖怪であった。世を支配せんと陰陽頭として陰陽師たちを操って妖怪狩りを決行し、当時の京から百鬼夜行を夜の闇共々失くさせた。千二百年前の平安京を支配し、鵺を策略に嵌めて妖力を奪って封じ込め、鵺の悪評を当時と後世の人間・妖怪共々に、誤った姿(広く知られるキメラ型)とともに広めさせたが、鵺が残り少ない妖力を使って時空を超えた言伝を鬼太郎に届け、京都の鵺寺から千年前の京に召喚させたことで状況が一変する。最後は、自身の雷撃を上回る鬼太郎に電力で競り負け、ちゃんちゃんこで支柱部分を締め砕かれた。
樹木子(じゅぼっこ)
声 - 宝亀克寿(第5作)
戦乱の跡地に生えるとされる、人間を襲って血を吸う木の妖怪。
アニメ第5作67話に登場。普段は葉を生やして普通の木に擬態しているが、獲物を襲う際には不気味な笑い声を発する口が幹にある枯れ木のような正体を現す。伸ばした枝を獲物に巻き付けて吸血し、吸血すると体が赤く染まる性質がある。また、自分の実を食べた者を狙って吸血する習性があり、地上や地中を移動して執拗に追跡する。とある山中で封印が解けて復活し、道に迷った空腹から実を拾って食べた三人の子供達を追って街に現れ、次々と彼らを襲っていく。痛覚が無い為に攻撃を受けても怯まず、刺さると体内の血を凝固させる作用のある枝針で鬼太郎を退け、固い樹皮で封じ札も弾いて効かない強敵だったが、蒼坊主がわざと捕まって血を吸われる事で体内の急所を探り、そこに六尺棒で封じ札を打ち込まれ、更に鬼太郎がリモコン下駄で六尺棒を深く打ち込んだ事で漸く封印された。事件解決後、日本各地で他の樹木子の封印も解けている事も分かり、地獄に潜入していた初代ドラキュラ伯爵が血の池地獄の力を悪用した事で、樹木子の中に渦巻く血と死者の怨念が影響を受け活発化した事が後に判明している(その他の樹木子は天狗ポリス達が対処した)。
いやけ虫(いやけむし)
アニメ第5作第69話に登場。黒子くらいの小さな虫で、やる気のあるものに取りつき、やる気を失わせる。無理矢理取ろうとしても絶対に取れないが、やる気のある者を見つけると触角を伸ばしてその者に取りつく。
ヒダル神(ヒダルがみ)
声 - 島田敏、高塚正也、沼田祐介(第5作)
山道で行き会った者を極度の空腹で動けなくしてしまう妖怪。空腹で行き倒れた人々の霊が正体であるとされる。
アニメ第5作78話に初登場。当初は三人だが(リーダー格は錫杖を所持している)、「だるい、ひもじい、ひだるい」と唱えながら、食べ物を粗末にした者を新たなヒダル神に変え仲間に加える妖力を持つ(完全に空腹で動けなくなる前に、掌に「米」と書くか、食べ物を口にする事で防ぐ事が出来る。また、耳栓等で呪文を防ぐのも有効)。登山にやって来たカップルが弁当を食べ残したまま捨てた事に怒り、彼らと偶然同じ山中にいたねずみ男(食べかけの饅頭を捨てた)を仲間にし、案内をさせて街を襲撃する。食べ物を平気で粗末にする人々や現代社会を知って怒りを募らせ次々に仲間を増やし、更にテレビ局を襲撃して日本中に被害を拡大させようとした。飢えと死の苦しみを経験している事から苦痛に対して強く、鬼太郎たちの攻撃を受けても全く怯まなかったが、空腹で泣く赤ん坊の声を聞いて思い直し、「今は確かに飽食の時代だが、昔のように飢えて赤ん坊が死ぬような時代ではない」という目玉おやじの説得を受け入れヒダル神に変えた者たちを元に戻すが、「しかし、我等の耳には今も世界の何処かで飢えて苦しんでいる人々の声が聞こえている」と苦言を残して去って行った。
槌の子(つちのこ)
アニメ第5作79話に初登場。巨大な1つ目を持つ体毛が生えた大蛇の妖怪。一般に人間たちが知っている「ツチノコ」の姿は目玉おやじ曰く、獲物を飲み込んで間もない蛇を誤認したものであり、妖怪の「槌の子」が伝承の元になっている。頭部は鉄球のように固く、地中を掘り進んで移動する。全身に強力な猛毒があり触れるだけでも毒に侵され、その威力は一度噛み付いただけで鬼太郎を戦闘不能に追い込む程だった。作中ではツヨシという人間の少年を執拗に狙うが、これは過去に彼の祖父を襲おうとして撃退された事があり、かつての祖父と容姿が瓜二つのツヨシを本人だと勘違いして襲っていた為で、ツヨシの祖父が既に他界している事など知る由もなくこれからも彼を襲い続けることから、鬼太郎達が退治に乗り出した。本来は火を弱点としていたが、ツヨシの祖父に火のついた薪で燃やされた状態から辛うじて生き延び(この時は普通の蛇程度の大きさだった)、長い年月をかけて成長したことで火への耐性を身に付けていた為、初戦でつるべ火による火炎攻撃で倒したと思って油断した鬼太郎に噛み付き、穴を掘って逃走する(毒に侵された鬼太郎は井戸仙人の手当てで回復しつつあるものの、未だ全快の状態ではなかったがその後も槌の子退治に参加する)。再戦では呼子によってツヨシの声真似で誘い出され、鬼太郎たちに捕縛された後に、水を吸うと泥状になり重くなる砂と水をかけられて動きを封じられるが、頭部を切り離して脱出し鬼太郎と呼子を襲う。しかし、呼子の声を聞いて駆けつけた夜道怪の助けで回避され、再び鬼太郎たちに襲い掛かったところを夜道怪が鉄塔の影を操って拘束し、髪の毛剣で目を貫かれて倒された(鬼太郎はそのまま妖怪病院にしばらく入院する羽目になった)。
野寺坊(のでらぼう)
声 - 塩屋浩三(第5作)
廃寺で鐘を鳴らすという、鋭い爪を生やしぼろ服を纏っている僧形の妖怪。
初登場は『朧車』(アニメ化第1作第58話)でぐわごぜ率いる怪気象の妖怪の一員だが、大臣の1名として呼称されただけで能力や性格などは不明。
『死神大戦記』では鬼太郎ら日本妖怪軍の一員。捕物帳の子分役の如く「大変だーっ」と数回駆け込んで来ては「騒々しい」と砂かけ婆に叱られていた。
明確なキャラクターを持っては第5作84話で登場。山村の古寺に住む温厚で心優しい妖怪で、動物たちに妖力を分け与え、人語を話せるようにするなど施しも行っているので動物たちからの尊敬と信頼は厚く、動物や人間の子供たちを温かく見守ってきた。人前にはほとんど姿を見せないが、時折り古寺の鐘を夕暮れ時に突いたり、子供達の健やかな成長を願って夜中に鐘を突いたりしている為、近隣の村々ではその存在を信じられている。音を操る能力を持ち、子供たちを鐘の音で催眠状態にしたり、鬼太郎さえ命の危険を感じるほどの強力な超音波を口から発することができる(その反面、言葉は自由に話す事ができないようで呻き声のような声を出す)。ショッピングモール建設によって動物たちの住処が奪われる事を防ごうとし、開発責任者に遣いを送ったが無下に追い払われた為、警告として村の子供たちの一部に術をかけて失踪させた。鬼太郎や村民の説得にも応じない責任者は挙句の果てに古寺まで破壊し、あまりの強情ぶりに野寺坊もついに激昂、我を忘れて責任者の息子を含めた村の子供全員を失踪させ、責任者をおびき寄せた上で大きな釜に放り込み、子供たちに火を付けさせ煮て食おうとした。間一髪のところを、子供たちの集団に紛れ込んでいた鬼太郎が止めて交戦し、超音波を鬼太郎の「共鳴反射の術」に利用されて敗北する。その後、責任者も開発の規模を縮小し破壊した森林に苗木を植え、古寺も修復されたので再び子供達の成長を願って鐘を突くようになり騒動は治まった。プロットの流れは、ドイツの民間伝承である「ハーメルンの笛吹き男」と共通した部分を持つ。
いそがし
声 - 山口勝平(第5作)、利根健太朗(第6作)
アニメ第5作89話に登場。一つ目で顔の横に鼻があり常に舌を出した、肌の赤い小柄な妖怪。人間の忙しオーラが好きで、赤い輪っかのような物を人の頭に巻き付け、それによって人が忙しくなり興奮する様を楽しんでいる。しかし、忙しオーラを出し続けると人間は我を忘れ命を削る事になり完全に出し尽くすといそがしの言いなりになってしまう。師走の大忙しに大量に発生した忙しオーラに惹かれて姿を現した(新学期やお盆も良いが、師走が一番との事)。自身の動きも忙しく素早く、動きを止められる事やゆっくりやのんびりが嫌い。池に落ちた鬼太郎を介抱した兄妹の兄・哲也がアルバイトする運送会社に取り憑いた際は、妹・まゆを預けた保育園に連絡すらできなくし、「忙しいのは幸せなことだ」とうそぶく(哲也とまゆにしてみれば、過労で父は亡くなり母も意識不明のまま入院中だったのでとんでもない話だった)。鬼太郎は術にかかった振りをして哲也が帰れるように仕事を全部片付け、いそがしを捕らえた。
第6作では第9話登場。人間に憑依して無駄にやる気を出させる(憑依は妖怪にも有効)という妖怪。前作と違って鼻は中央にあり肌は青い。もう十年も人間に憑依しておらず、「何もしなくても人間が忙しくしている今の時代に自分は必要ない」と嘆いて酒浸りの暇な生活を送っていた。その後、河童に尻子玉を取られて腑抜けになってしまった鬼太郎に「久しぶりにわしの出番がまわってきたか」と憑依し、彼の助けでやる気を出した鬼太郎は河童の集団をあっという間に一蹴し、太郎丸も追い詰めた。事件後、尻子玉を戻された鬼太郎と分離し「もう終わりか、久しぶりに暴れられて楽しかったのに」と文句を言いながらも満足して帰って行った。
一つ目小僧(ひとつめこぞう)
声 - 三木眞一郎(第5作)、れいみ(第6作)
一つ目と長い舌を出した大きな口が特徴の妖怪。
貸本「ボクは新入生」でブリガドーンに住む幼い個体「一つ目ちゃん」として初登場。「国盗り物語」ではぬらりひょんの部下「一つ目部隊」が凶王戦に参戦。
アニメ第5作91話にてメインとしては初登場。古くから東京(江戸)の町で人々を驚かしてきた妖怪で、そんな日々を送る内に人間や人間の仕事に興味を持ち、いつしか完全に人間の社会で暮らすようになった。筆で書いた文字を実体化させる能力を持ち、生活空間に「信」の文字の術をかけて妖怪を知らない人間から自分が人間と見えるようにしている。現在はとあるハイテク企業(古くなった古文書等を解析し、デジタル復元するのが主な仕事)に勤めており、「一つ橋」と名乗っている。優秀だが仕事は遅く、上司からはよく怒鳴られている。同僚からは評価されており、彼のファンクラブ、おまけに好意を抱くOLまでいる。経凛々との戦いで力を使い果たし、「信」の字の術が切れて正体がばれ会社を去ることになった。劇場版『日本爆裂!!』では妖怪四十七士の東京都代表として覚醒。
第6作では42話に登場。呼子の友人でおとなしい妖怪という設定で、名無しによって鬼太郎に化けた百々爺に殺された。
松本しげのぶ版では術を使う場面はないものの、鬼太郎の仲間として頻繁に登場、人間界に同行したりゆうたと遊んだりする。
経凛々(きょうりんりん)
声 - 佐藤正治(第5作)
アニメ第5作91話に登場。経典で出来た竜のような姿を持つ。体の表面には、取り込んだ人々の顔が蠢き、一つ目小僧の文字の具現化能力を弾く強さを持つ。
一つ目小僧が働いていた会社のコンピューターに解析対象の資料として潜伏し、一つ目小僧同様に経文字で人間を操って騒動を引き起こした。キーボードでコンピューターの画面に文字を打ち出させる事でも経文字の術を発動させられる。元来、経凛々は良経より生まれた存在だが、経文が不完全な状態で不適当に復元されたために、己の姿を完全にすべく人間を取り込んで行動していた。囚われた人間のために攻撃が躊躇されたが、人間に正体が暴かれ追放される事を覚悟で変化を解いた一つ目小僧が「経凛々」と描いて経凛々用の新しい体を作り出し、そこに元の経凛々を同化させる事で人間たちを解放した。攻撃可能になったところを鬼太郎の合わせ技(髪の毛槍に「炎」の文字で火を灯した)で倒し、水晶となって事態は収束した。経凛々は決して悪の妖怪ではなかったため、その後は一つ目小僧の管理下に置かれ、経凛々の正しい復元がされるように原典を調べる旅に出た。
文車妖妃(ふぐるまようび)
声 - 松井菜桜子(第5作)/ 演 - 中川翔子(千年呪い歌)
文車の付喪神である女妖怪。その出自から書物に造詣が深い。
初登場は実写映画『千年呪い歌』。妖怪図書館の司書で猫娘の妹分。「妖怪ノートパソコン」を使いこなし、小説版では資料のデータベース化を進めているらしい。
アニメは第5作98話に登場。本来は幼女の姿だが退屈すると老いる。子供達がコンピュータゲームに興じて本を読まなくなったことを不満に思い、人気ゲームソフトに乗り移って「フグル姫」と「魔女マヨウ」の二役を演じて子供達をソフト中の世界に引き込んだ。捜索に入った鬼太郎達もゲームのルールに沿った行動しかできず苦戦するが、チート技で介入した目玉親父が妖妃を追い詰める。そして一反木綿の朗読に関心が移り、彼に懐いて幼女の姿に戻った。
亀姫(かめひめ)
声 - 井上喜久子(第5作)
福島県の猪苗代城の主である強力な女妖怪。金髪に厚化粧を施した派手な雰囲気の美女の姿をしている。
アニメ第5作99話に登場。通常の妖怪よりも高位の存在であり、圧倒的な妖力を持つ。式神侍女を多数従え、自分の城に番犬としてケルベロスを飼っている。長壁姫と二百年おきに派手な妖術を競い合う「雅(みやび)比べ」を行っている。今回は長壁姫に城跡のビルから集めた人間の魂の炎をぶつけたり、人魂を提灯に閉じ込めてビルをイルミネーションで飾った。その妖力は強く、一都市を両腕を広げるだけで一瞬で全て停電させたり、巨大な天守閣を強固な炎の結界に収めて透明にしたり、止めに入ろうとした鬼太郎を一瞥し目を赤く光らせただけで金縛りにするほどだった。しかし、仲間たちの協力を得て巨大化チャンチャンコで包み込んだ鬼太郎の技に長壁姫と共に感服し、褒美として「雅比べのために人間や動物を犠牲にしないでください」という鬼太郎の頼みを聞き入れる。その代わり鬼太郎を何日も続けて遊びに付き合わせ、その最中に二人は四十七士に覚醒した。
四十七士では唯一途中でデザインが変更されたキャラクターであり、四十七士が公開された時は緑の髪の熟女の姿だったが、本編に登場した時は現在のデザインで登場した(ただし、本編に先駆けて公開された劇場版『日本爆裂!!』では変更前のデザインで登場している)。
長壁姫(おさかべひめ)
声 - 勝生真沙子(第5作)
兵庫県の姫路城の主である強力な女妖怪。紫の髪に赤い目を持ち、白塗りを施した熟女の姿をしている。
アニメ第5作99話で亀姫と共に登場。亀姫同様に高位の存在であり、非常に強力な力を持つ。彼女と二百年おきに派手な妖術を競い合う「雅比べ」を行っている。前回は瀬戸内海の島を一つ消し去って亀姫に勝ち、今回は琵琶湖の水を丸ごと吸い上げて作った水の竜巻を福島に持って来て亀姫にぶつけた。そして、上記の亀姫と同様に鬼太郎達に阻止される。その技に亀姫と共に感服し、褒美として「雅比べの為に人間や動物を犠牲にしないで下さい」という鬼太郎の頼みを聞き入れる。その代わり亀姫と共に鬼太郎を何日も続けて遊びに付き合わせ、その最中に二人は四十七士に覚醒した。
みかり婆
声 - (台詞なし)
黒い顔をした中年女性のような妖怪。
劇場版『日本爆裂!!』で妖怪四十七士の神奈川県代表として覚醒。
若狭人魚(わかさのにんぎょ)
声 - (台詞なし)
若狭の海に現れるという人魚の妖怪で、食べると不老不死になるという。西洋の人魚とは異なり、いわゆる人面魚である。
劇場版『日本爆裂!!』で妖怪四十七士の福井県代表として覚醒。
松の精霊
声 - (台詞なし)
の化身ともいわれる妖怪。暗そうな顔をした双子のような風貌をしており、デザインはガジュマルの精とほぼ同じ。
劇場版『日本爆裂!!』で妖怪四十七士の愛知県代表として覚醒。
一目連
声 - (台詞なし)
半透明な球体の体と一つ目が特徴の妖怪。風の神・鍛冶の神ともいわれている。超突風が武器。
劇場版『日本爆裂!!』で妖怪四十七士の三重県代表として覚醒。
次第高
声 - (台詞なし)
ひょうきんな顔をした巨大な妖怪。その名の通り見上げれば見上げるほど、次第に背が高くなっていく。逆に見下ろすと背が低くなる。
劇場版『日本爆裂!!』で妖怪四十七士の山口県代表として覚醒。
ヤンボシ
声 - (台詞なし)
夜の山道に現れる妖怪。上半身は鳥のような外見をしており、下半身は雲に覆われている。
劇場版『日本爆裂!!』で妖怪四十七士の宮崎県代表として覚醒。
ヤトノカミ
声 - 小杉十郎太(青年体・完全体)、藤田淑子(少年体)
伝承ではその姿を見た者は一族もろとも滅んでしまうとされる、角が生えた蛇神。
アニメ第5作劇場版『日本爆裂!!』における黒幕であり妖怪を超えた「古代妖怪」として登場。性質は極めて凶暴で、殺す事と奪う事しか考えない。遥か昔に一度姿を現したが、閻魔大王の渾身の力で肉体は大霊山に封印され、二度と復活できないように八つある魂のうち一つを人間の心の中に隠された。人間の強い心の絆がある限り絶対安全の隠し場所のはずだったが(現在は華の中に魂が存在する)、時代が経つと共に人の心が荒み、かつて無いほどに絆が弱ったことで不完全だが復活を遂げ、自身の肉体を完全に復活させ、人間も妖怪も全てを滅ぼそうと企んだ。妖力で風祭家の人々の記憶を操作して華の存在しない弟・京夜(きょうや)として風祭家に潜入し、弟を演じながら華の絆を徐々に壊す計略を実行し、最後は風祭家の人々から華の記憶を消して彼女を絶望させることで絆を壊すことに成功する。完全体はヤマタノオロチに近い姿をしているが、作り物の体である少年体・青年体は額から一本角が生えた人間と蛇が一体化したような姿をしており、不完全な体とは言え鬼太郎を死の寸前まで追い込むほどの力を持つ。少年体は下半身が蛇の形をしており、牙の無限毒は喰らったが最後、永遠に苦しみ続ける恐ろしい毒で鬼太郎を苦しめたが、ねずみ男が埋葬を装って土に埋めたおかげで鬼太郎は毒が抜けて助かった。少年体から脱皮することで姿を変えた青年体は両腕が蛇となっており、両腕や尾を自在に伸縮させ肉弾戦で鬼太郎を圧倒し、武頼針による攻撃で大ダメージを負うものの大蛇女が華から魂を手に入れた為、本体である七つの魂の欠片となって肉体に戻り完全復活を遂げる。真の姿は数千メートルはあろうかというダイダラボッチ並の尋常ではない巨体で、一瞬で都市を滅ぼし、山をも一撃で砕く。華の心の絆が壊され封印の力が弱まった際は、その巨体から発する邪悪な妖気の影響で妖怪の世界と人間界の境界が歪んで多くの妖怪が街に出現し、地中から大量に噴出した妖気で妖怪たちの妖力を暴走させた。閻魔大王によれば三日もあれば地上を滅ぼせるとされ、彼でも封印するのがやっとだったほどの強大な力を持ち、口から吐く紫色の息は生きとし生ける者全てを石にしてしまう。大霊山に集結した鬼太郎ファミリーや妖怪四十七士を容易く一蹴するが、魂の一つが華の魂と一体化していた事を鏡爺に利用され、彼の最後の力で華と母親の絆が戻った事によって魂が肉体から離れて弱体化し、最期は鬼太郎と妖怪四十七士が繰り出した地獄究極奥義の頂点・列闘星覇で石化し砕け散った。劇場版は第5作最終話の後日談で、時系列的には第5作で鬼太郎たちが最後に戦った敵となった。
大蛇女(おろちおんな)
声 - 半場友恵
アニメ第5作劇場版『日本爆裂!!』に登場。ヤトノカミに絶対の忠誠を誓う、額から一本角が生えた蛇の女妖怪。かつてヤトノカミが封印される際に折れた牙の一部から生まれた分身で、ヤトノカミの七つの魂の欠片を守りながら孤独に生きていた。口から吐く溶解液と長い体による締め付けが武器で、緊急時には脱皮して抜け殻を変わり身にすることができる。鏡爺を誑かし、華を家や学校で孤立させるように指示を出していた。華の担任教師・日比野マヤ(ひびの マヤ)に化け、表向きは華に優しくしており、ねずみ男に日比野マヤの姿で京夜を除く風祭家の人々が華の存在を忘れたことの調査を依頼した直後、本来の姿で接触し、鏡爺に協力することを命じる(鏡爺とねずみ男は後に正体を明かされるまで同一人物であることに気づかなかった)。その一連の芝居の目的は、鏡爺を鬼太郎に倒させ、華と共に妖怪横丁に入って妖怪たちと触れ合わせることで後に人間に対して不信感と深い憎しみを持たせて絆を壊し、ヤトノカミの魂を取り出す下準備を終えることだった。ねずみ男に自分と同じ孤独と世の中への憎しみを感じ取り(ねずみ男自身は否定している)、純粋に好意を持ち特別扱いしていた(ねずみ男も日比野マヤに好意を持っていた)が、最終的に彼からはヤトノカミの仲間になることを断られている。武頼針を使用した鬼太郎とヤトノカミの戦いの巻き添えで重傷を負い、最期は華からヤトノカミの魂を取り出すと「全てをお滅ぼしください、ヤトノカミ様!!」と言い残し、魂を抱えてヤトノカミの肉体が眠る深淵へ落ちていった。

アニメ第6作初出

第6作準拠の小説に登場する者もここで扱う。

名無し(ななし)
声 - 銀河万丈、不詳(虚無)[注釈 56]
第6作の1話から49話まで黒幕として登場。通称の通り名前は無く、常に老人の様な仮面をかぶって素顔を窺う事も出来ず、能楽)のような台詞回しで不気味な雰囲気を漂わす。通常は黒い鍔広帽とローブを身にまとった黒ずくめ形態だが、姿を人間や妖怪など自在に変えることが出来る。肉体が消滅した妖怪の復活(19話)や電子世界への侵入(25話)、「アルカナの指輪」の出現を自在に操る(35話)など、常識では計りし得ない様々な能力を持つ。妖怪世界でもまるで知られていないため、文献等に記録もされておらず、妖怪について博識な目玉おやじも対面するまで存在を全く知らなかった。
犬山まなを「虚ろな器」として自身の目的のために執拗につけ狙い、この世の憎悪を巧みに利用して妖怪の関わる事件を起こしていく事で、鬼太郎たちとも対立していく。その手口は狡猾とも言えるほどの用意周到さで、逆五芒星の描かれた呪いの矢で鬼太郎を射って以降(1話)、たんたん坊達(3話)や八百八狸(11話)の封印を解く、くびれ鬼を利用して呪いを蔓延させる(25話)、アニエスの逃亡を誘導して日本妖怪と西洋妖怪の「妖怪大戦争」を引き起こす(27話~37話)、百々爺を唆して鬼太郎を妖怪大裁判にかける(42話)など数々の事件の裏で暗躍し、そのたびに発生した大量の悪意を五行思想に基づいた「木・火・土・金・水」の五文字(11話では「木」、25話では「火」、37話では「土」、42話では「金」)の呪いとして一文字ずつまなに刻んでいた[注釈 57]。鬼太郎たちや狙われているまな自身も、そうした名無しの暗躍についてはギリギリの段階まで気付かなかった。名無し自身は五芒星(万物を生み出す五行の流れ)より逆五芒星(地獄や悪魔の象徴)の力と恐ろしさを実現させる事に執着した。
その正体は、大昔にまなの先祖の親族だった人間の女性・ふくと鬼の男性が結ばれるという禁忌を犯したことにより処刑され、生まれる前にこの世を去ってしまった半妖怪の赤ん坊[注釈 58] の魂が実体化した姿で、仮面と黒衣に隠れた本体は紫色の人魂に小さい眼と手がついた赤ん坊のような生命体として未完成な形態をしており[注釈 59]、「名無し」という呼び名も名付けられぬままこの世を去ったことの所以である。その出自故に人間・妖怪双方の世界を激しく憎み、亡霊として日本を中心に世界中を彷徨う内に、この世に蔓延る人間たちの憎悪と邪心に触れて、その怨念を吸収していった事で妖怪としての力を増していき、特に21世紀になってからのインターネット・SNSを通しての誹謗中傷に込められた人間たちの醜く荒廃した心の闇の影響は強く、黒い鍔広帽とローブを身にまとったうえで仮面をかぶり、徐々に形態を変化させると同時にこの世の全てを虚無に包み込む事を目的に行動するようになっていった。まなを狙ったのも、ふくの家系を見張り続けて子孫に呪いの器となる存在が生まれるのを長い歳月待ち続けた結果で[注釈 60]、まなが鬼太郎たち妖怪と接触し、拝み屋血筋の「依代」的な能力も発揮し始めるのを見極めて具体的な行動に出たのが、これまでの暗躍の顛末だった。
47話からは「オメガトーク」社長「ジョン・童」と名乗り、自ら開発した妖怪可視化アプリやチャラトミらウーチューバーを利用して妖怪コンテンツを興し、まずは人間世界での妖怪人気を向上させた後、姑獲鳥冤罪事件を誘導して妖怪コンテンツの炎上・バッシングを煽り、人間による妖怪排斥運動を勃発。それと並行してオメガトークの調査に乗り出したねこ娘の行動を利用してまなの母・純子に重傷を負わさせ、更にまなを現場まで来させてその傷害行為を目撃させることで誤解するよう仕向け、まなに刻んだ呪いの力を発動させてねこ娘を消滅させることで妖怪の人間に対する憎悪も煽り、遂には鬼太郎・まな双方の互いへの憎悪をも芽生えさせた。それら全ての憎悪を最後の五行「水」に変えてまなに刻み「器」として完成させ、まなの背後に出現した五芒星が彼女の体と一緒に反転して逆五芒星となると、その力諸共まなを自身に吸収して巨大な胎児型の怪物・「虚無」に変貌、赤ん坊さながらに泣き声を発して無邪気さすら感じさせるが、鬼太郎の攻撃が一切通じず、渾身の妖力で放った目玉おやじの指鉄砲も巨体が少し弾き飛ばされるだけのノーダメージで、拳の一振りだけで辺り一帯を漆黒に染め上げるなど恐るべき力で妖怪や人間達を滅ぼそうとした。目玉おやじが虚無に飲み込まれた事で鬼太郎も絶望の淵に立たされる(48話)が、ねずみ男の説得により気力を取り戻し、名無しと決着を着けるべく虚無の体内へ入り込んでいった。鬼太郎とまなは体内に入ったことで名無しの記憶を共有し、その正体と目的を知ることになる。最後は名無しの境遇を知ったまなに名前(不詳)を付けられてこの世に生まれた事を祝福されると、憎しみの心は消えて喜びながら消滅させた物を全て元に戻し、光となって成仏した(49話)。
鬼(名無しの父)
声 - 置鮎龍太郎
第49話登場。二本の角が生えた赤。遠い昔にまなの先祖である人間の女性・ふくと結ばれたが、妖怪と人間の双方から禁忌を犯したと見なされ、鬼の父親(声 - 谷昌樹)の指揮により、ふく共々処刑された。この際ふくが宿していた子供が人間と妖怪双方に対する憎悪を募らせる事で、「名無し」という存在が生まれた。
ヨースケくん
声 - 菅沼久義
第10話登場。横浜市周辺の都市伝説を発祥とする妖怪。作中では、まなの学校の七不思議のひとつ「2階男子トイレのヨースケくん」として登場する。ただし、花子に比べて妖怪仲間からも存在はほとんど知られていなかった。端整な顔立ちだが己惚れたストーカー気質の持ち主で、トイレの紙が無く困っていたところを花子に助けられて以来、「花子とは相思相愛」と勝手に思い込んでストーカー紛いの行動を繰り返し、彼女に逃げられてしまう。そのことを「自分と花子の仲を引き裂く何者かの仕業」と勘違いして、他の七不思議の妖怪を体育館に拉致監禁する暴挙に出た。その後まなからの依頼で学校に調査に来たねこ娘らと遭遇し、「ストーカー」「自分に都合良すぎる勘違い」と酷評されたことに逆上してねこ娘に襲いかかるも、「自分勝手な気持ちの押し付け」という痛烈な批判とともに退治された。
第6ED映像では亡霊のような姿(半透明で死装束の頭巾を着ける)で、小次郎や俊と並んで各々の想い人を眺めている。
七不思議の妖怪たち
第10話登場。全員まなの学校に住んでいて、ヨースケくんによって吊るされていた。ヨースケくんが退治されて解放されてからは、まなを守った際に感謝の笑顔を向けられたことで彼女に惚れて教室の天井にへばり付いて見守るようになったぬりかべが、新たな七不思議の妖怪に加わった[注釈 61]。ここでは上述の鬼太郎の仲間(花子さん、二宮金次郎像、ぬりかべ)とヨースケくん以外の者たちを挙げる。
美術室のデッサン
七不思議としてたまに血の涙を流すと言われている。
人体模型
七不思議としてたまに笑っていると言われている。
人面犬
その名の通り、ヒゲを生やした人間の顔を持つ犬の妖怪。七不思議として渡り廊下に住み着いていると言われている。
ベートーヴェンの肖像画
描かれたベートーヴェンの姿が七不思議としてたまに肖像画から出てきており、ピアノを弾いていると言われている。肖像画そのものが妖怪なのか、ベートーヴェンの霊が肖像画に憑依して生まれた妖怪かどうかは不明。
濡れ女(ぬれおんな)
声 - 庄司宇芽香[注釈 62]/演 - 余貴美子(魔笛エロイムエッサイム)、寺島しのぶ(千年呪い歌)
長い髪と蛇のような体を持つ女妖怪。髪と体が濡れているのが名前の由来。
原作では台詞がなく群衆扱い。第3作では幽霊電車や地獄マラソンで脅かし役として登場したが、台詞はない。
ビデオドラマ『魔笛エロイムエッサイム』ではぬらりひょんの側近の1名。前半は人間態を取って主に桜子と共に行動、ねずみ男を誘惑する場面もある。桜子の処刑が始まる頃、鬼太郎とはぐれた悪魔くん(山田真吾)を殺す指令を受け、大蛇の姿になって追跡に飛ぶ。だが鬼太郎のちゃんちゃんことメフィストの助けで逃げ延びた真吾に鬼太郎たちと合流され、鬼太郎とメフィストに両眼を潰され暴走、処刑用の毒井戸に飛び込んで自滅した。
実写映画版『千年呪い歌』では千年前の三浦半島で漁師の海人(うみひと、演 - 萩原聖人)に恋をし、井戸仙人によって人間になり「なみ」と名を変え結ばれるも、村人たちから魔物扱いされ封印されてしまう。その怨みをぬらりひょんに利用された。
第6作では第7話で鬼太郎の幽霊電車作戦に協力する妖怪として初登場。この時は台詞が無かった。第10話で再登場し、妖怪温泉に来ていた鬼太郎親子と混浴しており、「お先に」と声を掛けて出て行った。第28話では西洋妖怪たちと戦うが、カミーラの蝙蝠によって手も足も出ない状態となった。74話では恐山温泉で湯治していたねこ娘と一緒に入浴していた。最終話では鬼太郎を応援した。
夢繰りの鈴の少女
声 - かないみか
第14話登場。夢の中に現れる不思議な少女。髪型は黒髪のシニヨンで、赤い着物を着ている。首に鈴をぶら下げている。現実に疲れ果てた大人たちを夢の世界に誘い込み、子供の姿に変えて閉じ込めていた。その正体は大昔に洪水を鎮めるべく川の神に生け贄として捧げられた人間の少女の霊が妖怪化した存在で、所持している鈴は元はまくら返しが使用していた「夢繰りの鈴」で、彼を懲らしめた高僧により「少しでも良い夢が見られるように」との思いからつけられたものである。鈴の作用で夢の世界では無敵状態となる。依頼を受け夢の世界へ来た鬼太郎たちと対峙。白髪の鬼女のような姿に変わって鬼太郎を追い詰めるも、まくら返しの協力で生前の姿となった目玉親父の指鉄砲に鈴を破壊されて力を失い敗北、誘い込んだ大人たちを解放した。別れを告げた際に邪悪な笑みを浮かべていたことから、今なお現実逃避を求めて彼女の元に来る人間が後を絶たないことを示唆している。
一つ目坊(ひとつめぼう)
声 - 新井良平
第50話で初登場。一つ目の白い体の坊主頭で下半身が幽霊のような姿。その目は遠くを見通し壁を透かして物を見ることが出来る。鏡爺からの依頼で共に大逆の四将の行方を探すが、利用価値ありと見た鬼道衆の石動零によって初登場となった50話の時点では既に殺されており、零の体に魂ごと能力を取り込まれていた。
古籠火(ころうび)
声 - 塩屋浩三
第88話登場。灯篭に宿る火の妖怪。怒ると火を噴きかけてくる。下半身の無い屈強な獣人のような姿をしている。火の妖怪である故に水が弱点で、かけられると体が縮んで弱体化してしまう。興奮時は「トウロ~」としかしゃべらないが、実は普通にしゃべれる。ビビビハウスに参加していたリカコ(声 - 田野アサミ)とミッキー(声 - 長久友紀)の不注意の事故で宿っている灯篭を崩されて怒り、暴走する。一反木綿の「コットン・スプラッシュ」で水を浴びせられて縮み、直してもらった灯篭に大人しく戻った。
ひと うお子
声 - 早見沙織
第90話登場。人魚のリーダー格で他にいた人魚(声 - 元吉有希子、香里有佐)と比べてより人型に近い。かつて「ひとごころあればうおごころあり」のユニットを結成したが、さざえ鬼によって事務所と子供を奪われてしまい、鬼太郎に助けを求める。しかし、当の鬼太郎はさざえ鬼に食われたため、自らドームコンサートの楽屋に潜り込んで、「べっぴんビーム」で鬼太郎を復活させた。結局、鬼太郎に助けられるはずが助ける結果となってしまうが、子供を取り戻しただけでも十分満足し、鬼太郎に感謝して帰って行った。
貝稚児(かいちご)
小説「貝稚児」(「蒼の刻」収録)に登場。貝合わせ用の貝殻をしまう貝桶の付喪神。
赤悪鬼(あかあっき)
小説「ぬりかべ」(「蒼の刻」収録)に登場。鬼族の中でも災厄を起こし人を食う凶悪な部類。
黒悪鬼(くろあっき)
小説「ぬりかべ」に登場。赤悪鬼の兄で最強クラスの悪鬼。
猿鬼(さるおに)
鬼神と化した凶暴な大猿。小説「ねずみ男ハードボイルド」(「朱の音」収録)に登場、高い知力と戦闘力を兼ね備え池袋で裏組織・猿鬼組を仕切る。
犬神(いぬがみ)
本来は呪術に使役される犬の怨霊だが、妖怪画などでは獣人のようにも描かれる。
小説「ねずみ男ハードボイルド」に登場、作中時期(2019年11月末)の2年前までねずみ男と組んでいた。戦闘力は高いが頭が悪い上に些細なことで見境が無くなる。
マチコミ
小説「怪物マチコミ」(「朱の音」収録、原作は鬼太郎の登場しない同名の水木短編)に登場。作家にとりつき不眠不休で働かせ脱け殻にしてしまう妖怪。

松本しげのぶ版初出

かくればばあ
隠れ座頭などと同じく、子供を隠れ里に連れ去る隠れ妖怪。
第7話登場。おつきみ山で夕方かくれんぼをしていた子供を連れ去っていた。姿や妖気を隠すのに長け鬼太郎を苦戦させたが、かくれんぼの常套句「もういいかい」に「もういいよ」と答えて場所を見破られ、体内電気でノックアウトされる。だが巻き添えになったゆうたを庇ったことや、衣服の中でつながっていた隠れ里から子供たちが出てきたことで、危険な夕方遊ぶ子供たちを保護するつもりで連れ去っていたとわかり和解。連れ去るのをやめる代わりに子供たちとかくれんぼで遊んだ。
ペロリ太郎(ペロリたろう)
太った男児の姿の妖怪。大食が過ぎて親に捨てられ妖怪化したという。
第8話登場。鬼太郎の知り合いで臆病だが、狙った人間を必ず食い、逃れるには満腹にさせるしかないという。ゆうたを狙ったが、自分が食われないためとはいえ懸命におにぎりを作って食べさせてくれた彼に友情を感じ、水を飲んで飢えを凌ぐようになる。そんな中、給食が大量に盗み食いされる事件が起き疑われるが、真犯人の鬼一口が食らった同級生や鬼太郎の腕を口中に飛び込んで奪い返した。第11話ではゆうたを妖怪裁判に巻き込まないために、食うと脅して追い帰す。
鬼一口(おにひとくち)
人間を一口で食い殺す鬼。
第8話登場。本作では一眼で肌が黒い頭部だけの姿。ゆうたの学校の給食を盗み食いしたうえ、児童も食ったため手が出せない鬼太郎の腕も食った。だが口中に飛び込んだペロリ太郎に児童と鬼太郎の腕を奪い返され、指鉄砲で倒された。
塵塚怪王(ちりづかかいおう)
鬼のような姿の、ゴミの付喪神の王。
第9話登場。近年の人間が物をすぐ捨てるのを怒り、小はペンから大は校舎まで多数のゴミを付喪神化して復讐しようとした。武器を欠いた(ちゃんちゃんこや下駄が粗末に扱われ家出していた)鬼太郎を苦戦させるが、ゆうたの茶碗だった瀬戸大将が鬼太郎に味方して鎧と矛になり、その攻撃を受け消滅。瀬戸大将を含め付喪神も元のゴミに戻った。
カゲワニ
人間の影を食い絶命させるという怪魚。
第10話登場。自身も影であり、胴や尾は伝承同様サメ(古くはワニと呼ばれた)に似るが頭部や前足は爬虫類のワニに似る。海岸の塚に封じられていたが何者かに封印石が壊され復活、海水浴客の影を食い昏睡状態に陥れた。影なのでどんな武器も通じないが、ゆうたの推測から「他の影に入っている者の影は食えない(影踏み鬼の要領)」「武器の影で攻撃すれば通じる」弱点が判明し、猫娘たちに注意を逸らされた隙にリモコン下駄の影で顎を割かれ、ぬりかべが落とした封印石で再封印された。

外国妖怪

日本国外にも様々な種類の妖怪が多数登場する。世界各地に鬼太郎の敵味方を問わず多種多様な妖怪が出現したり日本に来襲したり逆に助けを求めてくる場合もある。その多くは人間界における世界各地の伝説の存在である。世界中の妖怪に共通の言語「妖怪語」が存在し、妖怪同士なら相手国の(人間も使う)言語が未習得でも会話や文字での伝達が可能。

西洋妖怪

ヨーロッパアングロアメリカラテンアメリカ中東が含まれることもある)出身とされる妖怪、もしくは怪物達。好戦的で残忍な者が多く、目玉おやじからも大変危険視されている。日本妖怪同様に眷属の種類も多い。

バックベアード
声 - 富田耕吉(第1作)、柴田秀勝(第3作、第5作)、佐藤正治(第4作)、田中秀幸(第6作)、小林清志(異聞妖怪奇譚)
西洋妖怪の首領格。略称ベアード。アメリカの妖怪で、黒い球体に巨大な一つ目と多数の触手を備えた姿をしている。初登場した原作『妖怪大戦争』では、日本を支配しようと多数の西洋妖怪を従えて上陸した。
各シリーズでの活躍はリンク先のページを参照。

吸血鬼関連

ドラキュラを筆頭格に様々なタイプの吸血妖怪が世界中に存在するが(日本にも数は少なめながら吸血妖怪は存在している)、西洋の吸血妖怪が世界中の同系統妖怪に指令を出来るほどの権威があることを作中でも示唆する言及がなされている。また、作中では伝承と異なり日中に活動している様子(エリート、カミーラなど)も散見される。

ドラキュラ
声 - 杉浦宏策(第1作)、銀河万丈(第3作)、小西克幸(第5作)、大塚明夫(異聞妖怪奇譚)
著名なルーマニア吸血鬼。西洋妖怪や吸血妖怪を率いて鬼太郎に幾度も挑戦して来る古参の宿敵。黒いスーツとマント、シルクハットといった西洋の紳士の容姿で登場することが多い(作品によってシルクハットは被らないことがある)。バックベアードに次ぐ首領的な存在として登場することも多く、ベアードと対等の立場の「ドラキュラ」も存在する。
貸本『下宿屋』にてドラキュラ四世(後述)として初登場する。
『妖怪大戦争』ではバックベアード率いる西洋妖怪軍団の副将ポジションで登場。
『血戦小笠原』(アニメ第1作第52話『吸血妖怪団』など)では妖怪医学の権威であるドラキュラ博士が登場、アササボンサン、ランスブイル、ペナンガランら南方の吸血妖怪を引き連れて恐山の妖怪血液銀行を襲撃した。
原作『鬼太郎の世界お化け旅行』シリーズでは世界中の妖怪を束ねるドラキュラ親分として登場。
原作『鬼太郎地獄編・閻魔危うし!白骨軍団』ではエイズ流行で食糧難になった為(後の単行本では人間からの吸血は非効率的だとして)、地獄の血を狙って多数の吸血鬼を率いて侵略を企てた(この時デーモン小暮を地上に派遣していると語る)。
アニメ第5作ではドラキュラ二世と呼称された(後述)。
PS2版ゲーム『異聞妖怪奇譚』ではビジネスに失敗し増えた借金を帳消しにしてくれたギーガ(後述)の傘下の元、西洋妖怪総大将としてエリート、ラ・セーヌ、魔女ロンロン、カリーカ、フランケンシュタイン、オオカミ男らを率いて鬼太郎と戦った。作中では先述の原作を織り交ぜ、性格設定がより確固たるものになっており、鬼太郎のライバル的な位置づけだった。妖怪医という側面も持ち合わせている。
アニメ第6作では、バックベアード配下の位置付けは女吸血鬼カミーラに代わられ未登場だが、名前そのものは第1話と第57話でまなや雅が発言している。また、第6作準拠の小説「ぬりかべ」(「蒼の刻」収録、永富大地著)では、ブリガドーン計画を巡る戦いより遥か昔に原作や第1作の「妖怪大戦争」に準じた戦いがあったことが語られ、当時はドラキュラもバックベアードの配下として存在していたことになっている。
『妖怪千物語』では、西洋妖怪軍団の幹部級の妖怪として登場。幹部だけあってその実力は本物だが、夜しか活動できない。一度は鬼太郎を殺してワインにし、日本妖怪を全滅に追い込むが、ちゃんちゃんこを着ていたねずみ男がワインを全部飲んでしまい、霊力で鬼太郎が復活。鬼太郎に襲いかかるが既に夜は明けており苦手な太陽光を浴びて苦しみ逃走を図るも最期はリモコン下駄を食らい太陽光の中に投げ出され消滅した。
何代目か明らかにされている者および、映像作品で原作のドラキュラの役割に準じた設定で登場した吸血鬼については、下に別記する。
初代ドラキュラ伯爵
声 - 井上倫宏
アニメ第5作の第68話に登場。ドラキュラ一族の始祖である、長い白髪と口髭を蓄えた老年の吸血鬼。西洋妖怪軍団の最高幹部であり、首領であるバックベアードとは親友同士の関係でもある。「偉大なる男」とベアードから高い信頼を寄せられており、同輩である西洋妖怪達からは「伝説の西洋妖怪」と呼ばれ、「全ての吸血鬼の頂点に立つ男」と目玉おやじからも称されている。ベアードの頼みを受けて数十年前から地獄に潜入し、本物の宋帝王を血の池地獄の底に封じ込め、自身が宋帝王に化けて成り代わっていた。療養中のベアードに代わって西洋妖怪による地獄総攻撃作戦の指揮を取り、グレムリンが作り上げた時空トンネル装置で大軍勢を地獄に侵入させ、地獄からゲゲゲの森ヘ通じる通路からはドラキュラ二世達を差し向け鬼太郎を妨害した。しかし、浄玻璃鏡に姿が映らなかった事(吸血鬼の特性)をねずみ男に気づかれ正体を怪しまれたことで五官王を牢から逃がされ、到着した鬼太郎を正体を現して自ら迎え討ち、下僕である怪獣のように巨大な吸血コウモリに閻魔大王庁を襲撃させる。長年に渡って血の池地獄の力を吸収し続けた事で無限の超回復力を得ており、鬼太郎の髪の毛針、体内電気、指鉄砲などの技が一切通用せず、武頼針を使用した鬼太郎すらも圧倒的に追い詰めたが、復活した閻魔大王による本家本元の獄炎乱舞を受け、更には鬼太郎の攻撃も喰らい、漸く倒される。元より不死身であるため一命は取り留めたが、その後はベアードたちが見守る中、棺桶に入り眠りについた。
第5作で原作や過去のアニメシリーズと同じ設定のドラキュラは、この初代ドラキュラ伯爵の息子・ドラキュラ二世として登場している。
ドラキュラ二世
声 - 小西克幸
上記の通り、アニメ第5作に登場する原作や過去のシリーズと同じ設定のドラキュラで、「二世」と名付けられている。初代ドラキュラ伯爵の息子であり、第5作での初登場は32話の回想場面からとなる。12年前に鬼界ヶ島争奪戦で鬼太郎たちと戦い、68話で地獄への総攻撃作戦の際に以前と同様に、狼男、フランケンシュタイン、魔女と共に再び鬼太郎達の前に立ち塞がる。なお、この時の二世は32話での回想と髪の色が異なり(12年前は息子と同じ金髪だったが、現在は青い色になっている)、顔にも若干シワが出来て、やや加齢した外見になっている。劇場版『日本爆裂!!』では息子の三世と共にルーマニア代表として悪者妖怪サミットに参加している。
ドラキュラ三世
声 - 小西克幸
アニメ第5作の第32話から登場[注釈 63]。ドラキュラ二世の息子で、西洋妖怪の若手チーム・ヤングジェネレーションズの一人として特に当初はリーダー格のように振舞っており、32話にてリングアナウンサーの如く、鬼界ヶ島争奪に参戦した西洋妖怪幹部を鬼太郎達に紹介した。性格は冷酷非道で、日本を「何もかもが辛気臭くて好きになれない」と見下している。美男子であるが、美女を見ると見境無く手を出そうとする(血を吸おうとする)悪い癖があり、魔女ザンビアやゴーゴンといった女性妖怪にはバカにされ、どこか実力不足で頼りない三枚目を演じてしまっている。初登場の際にも、ミウに手を出そうとしてミイラ男バルモンドに力尽くで諌められ「節操が無い」と評されるという情けない有様だった。
伝説の西洋妖怪とまで言われた祖父・初代ドラキュラ伯爵には憧れと敬意を抱いており、87話では少しでも祖父に近づきたい思いから、父に剣術の稽古をつけてもらう。だが100話終了までにその成果を披露する機会は得られなかった。
ドラキュラ四世
声 - 大友龍三郎(墓場鬼太郎)
上記の通り、貸本『下宿屋』、さらにガロ版『鬼太郎夜話』及び少年マガジン版の改作『おどろおどろ対吸血鬼』にも登場。吸血鬼・ドラキュラの4代目だが、第5作で登場した初代から3代目までとの設定上の関連は不明。詳細は「墓場鬼太郎の登場人物」を参照。
吸血鬼(第4作劇場版)
声 - 塩沢兼人
アニメ第4作の劇場版『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪特急! まぼろしの汽車』に登場。容姿や位置付けはドラキュラに酷似するが単に吸血鬼と呼称される。地獄から脱走した西洋妖怪のリーダーでマントや帽子を武器に使う。鬼太郎を妖怪石炭に変え汽車の燃料にするが、汽車の力を逆用して元に戻った鬼太郎に逆襲され敗退、汽車や仲間ともども地獄へ送還された。
カミーラ
声 - 井澤詩織
アニメ第6作27話終盤から登場。原作・アニメを通して、バックベアード配下では初の女吸血鬼で、第6作における西洋妖怪の中では、原作や過去シリーズのドラキュラに該当する位置付けで登場。バックベアード直属の西洋妖怪三人衆の一人。吸血鬼の中でもトップクラスの貴族階級で、バックベアード軍団の大幹部として世界中の吸血妖怪に命令できるほどの権力も持っている。バックベアードへの忠誠心は純粋だが、性格は冷酷で策略や罠をしかけることに長け、状況を利用して裏で暗躍する才覚も持ち合わせている。青白い肌に長い黒髪、赤い瞳の垂れ目と紫の唇が特徴の容姿端麗な美女で、普段は上品な令嬢のような雰囲気も見せるが、吸血する際や本性を現した時などには牙を剝きだした恐ろしい形相に変貌する。吸血鬼の形相に変貌時はねこ娘の様に鎌の刃の如く十指の爪を伸ばすことも可能で、威力・殺傷力はねこ娘と互角以上。その妖艶な美貌であらゆる生物を魅了・虜にしてから吸血し、血を吸われた者は爪や牙が伸びて吸血鬼となり彼女の奴隷と化す。特に人間の女性を好み、世界各地の女性に吸血して吸血鬼軍団を組織している。ヴォルフガング同様に人間態でも常人離れした跳躍力と敏捷性を見せ、さらに戦闘や移動では多数のコウモリにも分身するため、実体を捕える難易度も自身の攻撃力も格段に高い。飛行能力があるので総攻撃時には三人衆の配置をアデルに報告したり、逆にアデルの指令を他の二人に伝えるなど幹部間の伝令的な役目もする。指揮官であるアデルの命令には忠実で、その妹であるアニエスの事も「様」付けで呼称している。ただし、バックベアードの「一度でも逆らった者には『絶望』を与える」考えに賛同していることから、ベアードが日本妖怪と共にアニエスにも制裁を加えた際は加担している。
第28話でゲゲゲの森を襲撃した際は分身コウモリで子泣き爺らを苦しめた。第30話では配下の吸血鬼軍団に日本人女性を加えることを企み、ハロウィンシーズンで賑わう日本に出現。VRホラー映画と限定パンプキンスイーツを餌にした女性限定上映会で多数の女性を映画館に集めアデルの魔法石で映画館を閉鎖空間に隔離した後、手始めに観客の一人の女子高生を吸血し、連鎖的に吸血鬼の数を増やさせた。観客として入場したまなとねこ娘に気付き、彼女達以外の館内全員を吸血鬼化するとスクリーンを通して挨拶した上で多数の吸血鬼に襲わせる。支配人室の鏡の中にいると見抜いたねこ娘に戦いを挑まれ、分身コウモリの攻撃でねこ娘を翻弄するが、アニエスとともに閉鎖空間の壁を突破して駆け付けた鬼太郎の射線に誘い込まれたと気付いたときには既に遅く、指鉄砲で胸を射抜かれ敗北。一瞬で灰になり崩れ落ちるがダメージはさほど受けていない様子で、コウモリの姿になって「今日はただのお遊び、また会いましょう」と笑いながら飛び去り、カミーラの敗北と共に吸血鬼にされた人々は元に戻り映画館も通常空間に戻った(ねずみ男だけはねこ娘とまなを襲った時に館外に落ちたため閉鎖空間に取り残されたまま、彼女達は解決直後もうっかり忘れていたが、翌第31話までの間に通常空間に戻れた)。第34話では、アニエス奪還と鬼太郎ファミリー抹殺のため直々に日本へ侵攻してきたバックベアードの補佐を務め、バックベアードが子泣き爺たちを次々に捕えて洗脳している間に、鬼太郎たちと対立したねずみ男を「アニエスを追放すれば捕虜を返し、日本から手を引くと約束する」と騙して利用し、アニエスを孤立させて捕えることに成功。「バックベアード様に一度でも逆らった者と取引なんて存在しないの」と約束を反故にしてねずみ男も拘束し、バックベアードの体内に閉じ込められたアニエスの眼前で洗脳されたねこ娘たちと鬼太郎と殺し合いをさせてアニエスを絶望させようとした。しかし起死回生で放ったねずみ男の放屁攻撃でねこ娘たちの洗脳は解かれ、自身も強烈な悪臭を近距離で嗅いだために失神。その後バックベアードが捕えていたアニエスを奪い返されて一応その場から撤退すると、カミーラも失神したままアデルの転移魔法で撤収させられた。第36話ではアルカナの指輪をはめたまなを襲うが、ねこ娘に止められ自身も爪を伸ばして応戦する(この時ねこ娘から「おばさん」呼ばわり[注釈 64] され激怒する)。そのまま序盤戦は前回同様に優勢だったが、ねこ娘の粘り強い連続攻撃で徐々に互角な長期攻防戦へと持ち越されて行き、第37話でバックベアードが鬼太郎に敗れると、ねこ娘との決着が付かないまま転移魔法石を使い逃走した。
第57話以降バックベアードを復活させる為に、エリートやラ・セーヌを始め世界中の吸血妖怪に人間の生き血を集めるよう命じ、自身も第79話で人間に化けて再びハロウィン時の来日をし、こうもり猫が起こした騒動の陰で密かに多くの人々から少しずつ吸血して樽一杯の生き血を集める。第94話で突如バックベアード城に現れたぬらりひょんを敵視するが、バックベアード復活に伴い手を組む。しかし、第96話でぬらりひょんの裏切りによって西洋妖怪が苦手な聖血レックス・ネモレンシスを混ぜたワインを飲まされ苦しむ中、同様に苦しみながらも聖なる力を無理やり押さえ込むために妖力を得ようとするバックベアードに吸収され、最終話では人間や妖怪の声援でパワーアップした鬼太郎の指鉄砲でバックベアードや共に吸収されたヴォルフガング・ヴィクターもろとも消滅し、魂だけになった。
吸血鬼エリート / 吸血鬼ジョニー
声 - 杉浦宏策(第1作)、佐野史郎(第4作)、石田太郎(第5作)、中尾隆聖(第6作)、江原正士(墓場鬼太郎)、八代駿(異聞妖怪奇譚)/ 演 - 佐渡稔(月曜ドラマランド版)
貸本時代に執筆された『霧の中のジョニー』(兎月書房・1962年)に登場する吸血鬼が、『週刊少年マガジン』連載時に改作『吸血鬼エリート』で登場したもの。なお同作品はさらに後年、原作者水木自身が構成し挿絵も新たに起した「児童小説版ゲゲゲの鬼太郎」で小説化されたが、このときは「吸血鬼チャランポラン」と改題され、エリートの名はチャランポランと変更されていた。アニメ第5,6作では貸本同様「ジョニー」を本名とする。
ギターの音色で対象者を操る音響催眠術(第1作では音楽催眠術、第4作ではギター催眠術と呼称。ギターの弦は左手で弾くが、第4・6作のみ右手)を武器とする。大きな口に鋭い歯が並ぶ他は普通の人間と変わらない風貌をしているが、その正体は巨大な吸血コウモリで、部下の何万もの吸血コウモリ達もギターによって自由に操れる。目玉おやじは終戦のどさくさに紛れて日本にやってきたと推測したが、実際は霧が岳山中の館に150年以上前(原作執筆時期から数えると黒船来航より前)から別荘として住んでいた。20年間、美女の血を求めて世界中を旅行していたが、帰国後、日本中の有名人の血を吸うために吸血プランを立てる。まずは国防大臣(貸本で池田総理・第1作では花菱コンツェルン会長だが、モデルはいずれも池田勇人)を狙う。秘書として雇ったねずみ男の協力で、大臣の護衛についた鬼太郎を捕らえ、溶解液を注射して溶かしてしまう。しかし目玉おやじと寝返ったねずみ男により、部下や館ごと焼かれ倒された。鬼太郎はその後、ねずみ男が溶液を壺に回収していたおかげで復活した。
アニメ初登場は第1作第15話『吸血鬼エリート(前編)』。正体を現したのは原作では倒されてからだったが、ここではコウモリの姿で焼けた館から飛び上がり、復活した鬼太郎と空中戦を展開した。
実写の月曜ドラマランド版にも登場したが外観はむしろドラキュラに似ていた。ここでは、ぬらりひょんの配下として鬼太郎を砂状に分解した他に、吸血被害者の心を幼児化させ、マントを被せた相手を別の場所へ飛ばしたり、杖から電撃を放つ術を使った。最期はコウモリの姿で子泣き爺に飛び掛かるが、逆に杖で撲殺された。
アニメ第3作では登場せず、カラーアニメ初登場となった第4作第57話では水木ファンである佐野史郎が声およびイメージソングを担当した。ここでは長寿のために美女の血、能力向上のために有能者の血を求め、すなわち才色兼備の女性を標的としており、真の目的は吸血妖怪が崇めるチースッターの神との契約によって命を自在に操れる超エリート吸血鬼となり、妹コウモリ「ティナ」を自分と同じエリート吸血鬼にすることだった。一度は鬼太郎を砂地獄の谷(そこの砂には体を溶かす成分が含まれている)に落とすが、目玉おやじとコガネムシ達の助けで脱出され再度対峙した際に耳栓で音響催眠術を防がれ、崩壊する館と共に自分が砂地獄の谷に落とされる。体が溶かされたことで今までに美女たちから吸った血が抜けて小さな吸血コウモリに退化し、その後は妹と仲良く飛び去って行った。
第5作第54話では「ジョニー」の名で登場(国務大臣宛に差出人を「霧の中のジョニー」として予告状を送っている)。その実力の高さから、同じ西洋の吸血鬼からも恐れられている強豪妖怪である。自身の名声を高める為に世界各国の国務大臣を襲って血をコレクションしており、更に名声を高めようと肉体を溶かす薬「コロリポン(原作の同シーンで放った擬態語「ころりぽんですよ」のパロディ)」で鬼太郎を倒すが、ねずみ男のおかげで復活した鬼太郎の逆襲を受け、妖怪横丁の住民達が鳴らす楽器で音響催眠術を妨害される。髪の毛槍でギターを破壊された際に発生した音波の影響で屋敷内で火事が起こり、コレクションした血を蓄えたコウモリまで焼けてしまい、自らのエリートの証を台無しにされた事に激怒してコウモリの姿に変身し、燃える屋敷の屋根で戦ったが、持っていた「コロリポン」の瓶を鬼太郎に割られた事で自身の肉体が溶け、最後は炎の中に落下して蒸発した。
第6作では56話登場。世界を渡りながら将来有望な少年を操り各界へ送り込むことで、千年前より世界を裏から支配してきた妖怪。「エリート」を名乗ってはいるが、実はフランスのとある吸血鬼の下僕コウモリが進化した下等な吸血鬼・ジョニーであり、その出自故他の吸血鬼から蔑まれてきた過去を持つ。その為エリートの地位に異常なまでの執着を見せ、音響催眠術を駆使して高位の吸血鬼を排除するなど、才能と実力で成り上がってきた。残忍で自信家のように振舞っているが、同じ境遇にあるねずみ男にシンパシーを感じて出自を明かしたり、妖怪の名門・幽霊族の末裔でバックベアードすら退けた鬼太郎に対する嫉妬を吐露する一面もある。現在は名門私立校の学園長として日本に潜伏して生徒を操っており(後に57話で、バックベアード復活計画の為に来日していた事が推察されている)、計画に邪魔な鬼太郎を排除するためねずみ男を雇い鬼太郎たちをおびき寄せた。音響催眠術で鬼太郎たちを追い詰めるものの、始末したはずのねずみ男が戻ってきたことに動揺し、鬼太郎を溶かす為に用意した消化液(ハイエナコンドルアナコンダ胃液を混合し悪魔の血を足した最強の)が落下してきたことに気付かず誤って自身の右手を溶かしてしまい、ギターを弾けなくなった事で命運が尽きたと悟り、自らアジトである学園に火を放つ。誰も信用せずに生きて来た故からか鬼太郎ファミリーのチームプレーを讃えつつ、「お前はなぜ、人間の味方をする」と鬼太郎に質問し、「大した理由じゃない、昔の義理さ。ただ、人間を排除する妖怪も妖怪を排除する人間も僕は許せない」と返答され、「やはりお前は、鼻持ちならないやつだ」と吐き捨てながら業火に包まれるという最期を遂げた。
貸本漫画版での「吸血鬼ジョニー」としての詳細は、「墓場鬼太郎の登場人物」を参照。モデルとなったのは、水木しげるの貸本漫画家仲間のつゆきサブローこと杉本五郎である。
ラ・セーヌ
声 - 内海賢二(第1作)、飛田展男(第6作)、大塚芳忠(異聞妖怪奇譚)
日本人の血を吸う為にフランスから来た気障な吸血鬼。ラ=セーヌとも表記される。
初登場は鬼太郎のマガジン版第1話『手』とアニメ化第1作第4話「吸血鬼ラ・セーヌ」。容姿はシルクハット蝶ネクタイ姿と紳士然として、パリでは社交界などに出没して美女を襲った。用心棒として人間の殺し屋ザ・マンモスを引き連れている。高度な吸血術(原作では方法は明確にされていないが、アニメ第1作では手の指先から血を吸う設定になっている)を身につけていて、人間が気付かぬ間に吸血ができ、フランスでは「血なし病」という新種の病気と誤認されてきた。日本でも次々に女性を襲おうとするも、いずれ鬼太郎が自分の正体に気付くと考え、先に鬼太郎を誘き出してマンモスに機関銃で撃たせ、手首だけ残ったのを見て殺害に成功したと思った。しかし、その手(第1作では下駄に変更されている)に付き纏われ、恐怖心を抱き、マンモスと共に山奥のホテルに逃げ込むも、煙突を通って来る手を焼こうとした火を部屋に逆流され焼死した。
新編の原作『吸血鬼ラ・セーヌ』でもフランスから来た吸血鬼として登場するが、こちらは『手』とは別設定で容姿も異なる。千人の美女の生き血を吸って更に千年の生を得ようと企み、その千人目を日本人にすべく来日した。秘密兵器のシルクハット型の超音波瞬間移動装置を頭にかぶり、エッフェル塔から東京タワーまでを瞬時に移動が可能。また巨大なコウモリに変身も出来る。日本のコウモリ達の協力を得て、一度は鬼太郎も倒し大コウモリに血を全部吸わせた。鬼太郎は急遽人間の血を輸血するが力も性格もねずみ男並になってしまう。千人目の獲物に普通の女性と勘違いして猫娘を選ぶが、妖怪の血が混じった為に企ては一からやり直しとなる。その腹いせに力を無くした鬼太郎を東京タワーから突き落とそうとしたが、頭にかぶっていた装置をリモコン下駄で破壊され、その衝撃で自分が転落し重傷を負った。治療を受ける代償に鬼太郎の血を返した為に日本のコウモリの信用を失い、かつ鬼太郎達からも二度と日本に来るなと言われ、飛行機で渋々と帰国していった。
第6作では57話登場。第1作以来51年ぶりとなるアニメ登場だが、デザインは第1作と大幅に異なり金髪を逆立てた小柄な少年の姿をしている。貴族階級の高位な吸血鬼。アニエス曰く「吸血鬼エリートよりも強大」とのことで、79話のこうもり猫の回想でも三人衆(ヴォルフガング・カミーラ・ヴィクター)と行動を共にしている描写があり、バックベアード率いる西洋妖怪の中でも三人衆に次ぐ高い地位であることが示唆されている。鬼太郎に敗北したバックベアード復活に必要な人間の生き血を集める為に、人間の召使いであるマンモスを引き連れて来日し、日本で吸血事件を起こしていた。俊敏な動きとマンモスとの連係プレーで鬼太郎すら圧倒し、一度は結界魔法に閉じ込め地中に封印するものの、残っていたちゃんちゃんこに付き纏われ翻弄された挙句、最後は復活した[注釈 65] 鬼太郎に牙を折られ敗北する。マンモスの命乞いによって鬼太郎には見逃されるが、突如乱入した零の「化け火招来」で退治され魂を取り込まれた。零はラ・セーヌの能力を一度も使用することは無かった。
キーエフ
『鬼太郎の世界おばけ旅行』に登場。孤島で暮らすマッドな老科学者が死んだ一人娘を蘇生させたものだが、彼女は吸血鬼に変貌していたため、元に戻すべく研究を続け様々な生物の血を吸わせた結果、どんどん吸血鬼が増え近隣の住人を襲うようになってしまった。この吸血鬼達は老科学者が持つ笛の音に操られており、念じながら笛を吹くことで特定の人物を襲う。研究の結果、人間の血では効果が無いことが判明した為、妖怪の血を手に入れる為に大群で鬼太郎たちを襲撃し、砂かけ婆たちも吸血鬼になってしまうが、老科学者から鬼太郎が笛を奪って吹いたため、彼が逆に血を吸い尽くされた死亡した(後に実験室内にあった血を戻されたことで、砂かけ婆たちは元に戻った)。
下級吸血鬼 / 海ゆうれい
『妖怪大戦争』の原作・アニメ第1作でのドラキュラの部下で、西洋妖怪軍兵士。ザンバラ髪でローブを纏っている。集団で襲い掛かり、ぬりかべ(第1作では砂かけ婆や、依頼人の少年の父も)の血を吸い尽くし葬った。「海ゆうれい」は児童小説「水木しげるのお化け教室」での呼称。
吸血コウモリ
西洋吸血鬼の部下として多数登場する。後述するように吸血以外の特殊能力を持つことから、実在動物のナミチスイコウモリではなく妖怪コウモリの模様。
貸本「霧の中のジョニー」にて初登場。ジョニーの館に近付く人間を餌食にして髑髏の道路を成し、多数でジョニーを運ぶこともできる。
「ダイダラボッチ」「吸血鬼ラ・セーヌ」では日本にも生息する設定。前者では衰弱していた1匹が、洞窟に放り込まれ気絶していた鬼太郎の血で元気を取り戻し、恩義を感じてダイダラボッチの脳捜しに協力する(アニメ第2作第29話では化けコウモリに変更、血を貰う描写はない)。後者ではラ・セーヌと協定を結び、集団で鬼太郎を追い詰めた上にリーダーの大コウモリが血を吸い尽くすが、鬼太郎ファミリーの逆襲で大被害を受けた上に鬼太郎に敗れたラ・セーヌの治療のため血を返し協定を破棄した。
「閻魔危うし!白骨軍団」では牙に強い麻痺毒を持ち、ドラキュラもその毒を仕込んだ煙幕煙草を使い、この毒で鬼太郎ファミリーを苦戦させた。
妖怪千物語の西洋妖怪編では破壊音波を放つが、逆に呼子の山彦返しで反射され壊滅的被害を受けた。
第5作では第32,33話でドラキュラ三世の部下として参戦、ぬりかべをグロッギー状態に追い込む。第68話では初代ドラキュラ伯爵が血の池地獄で育てた怪獣サイズの巨大な個体が登場し、閻魔大王庁を襲撃し地獄側を苦戦させるが、閻魔大王の獄炎乱舞で倒された。

魔女関連

伝説の女性の魔法使いで、単体ではなく魔女の軍団やいくつかの種族も存在する。西洋妖怪軍団では魔法を駆使して参謀的な役割や偵察の任を帯びることも多い。薬や毒の知識・製造等に長けている魔女も多い。

魔女
声 - 坪井章子(第1作・第2作)、朝井ゆかり(第1作第54話のみ)、三輪勝恵(第3作)、佳友七絵、クロ(第4作)、上村典子(第5作)、中友子(第5作第68話のみ)、小宮和枝(異聞妖怪奇譚)
鬼太郎作品には頻繁に登場する西洋妖怪軍団の一員。三角帽を被った鉤鼻の老婆という伝承通りの姿で、箒に乗って空を飛ぶ。初登場は原作『妖怪大戦争』およびアニメ第1作第10話『妖怪大戦争(前編)』。
バックベアードやドラキュラの手下の内の一人として描かれることもあるが、原作『魔女人形』『魔女サーカス』『復活悪魔くん』『招かざる客』など、単独または魔女の一団での活躍も多い(それぞれ別個体であるが)。
原作『妖怪大戦争』では、一反木綿に巻きつかれた際に心臓に針を刺すという鮮やかな方法で殺害した。「アパラチャノモゲータ」などの呪文を唱え、神秘の箒を自在に操る事もできる。最後はチャンチャンコによって窒息死させられる。『妖怪ラリー』ではフランス代表として出場。そのアニメ第3作では事故にあった自分と狼男を救った鬼太郎と和解し、勝負の結果にケチを付けて鬼太郎を襲った(事故の一因でもある)ベアードを石化する。
原作およびアニメ第2作『死神』では死神と組んで鬼太郎の母に化けた魔女が登場(西洋妖怪の魔女とは別個体)。鬼太郎を亡き者にしようと毒を盛るが、鬼太郎にとどめを刺そうと吸血した際に血液中に混じっていた毒(自ら盛ったもの)によって死亡した(一方で、鬼太郎は全く中毒症状を起こさず平気だった)。アニメ第3作でも偽の母親が鬼太郎の毒を吸って死亡するが、母親を演じているうちに愛情が芽生え、苦しむ鬼太郎を助けるために毒を吸い取り身代りになる展開に変更されている。
アニメ第3作劇場版『妖怪大戦争』では甲高い笑い声を上げ猛スピードで空を飛び回って鬼太郎たちを翻弄し、箒で砂を巻き上げて砂かけ婆を妨害する、一反木綿との再戦では箒に巻き付いた彼に脱力させる術を使用して初戦と同じ轍を踏むのを防ぐ等の曲者ぶりを見せている。
アニメ第4作の劇場版『妖怪特急! まぼろしの汽車』では爪がハサミのように変化する。ねずみ男に惚れ、撃退しようとねずみ男が放った口臭も効かずに「あら素敵、香水のよう」と喜んで嗅ぐが、ねずみ男の一週間溜め込んだ熟成オナラ攻撃の勢いと悪臭には効果があり、たまらずダウンしてしまった(その際に「強烈、鼻がモゲータ」と、「アパラチャノモゲータ」呪文に引っ掛けたダジャレ的な発言をしている)。
アニメ第5作では魔女ザンビアの祖母で、12年前に鬼界ヶ島で鬼太郎たちと対戦した先代魔女として第32話で初登場。原作や過去のアニメシリーズおよび、孫娘のザンビアと同じく「アパラチャノモゲータ」と呪文を唱える。アマミ一族カイを襲った際に鬼太郎に敗れて負傷し一反木綿に捕らえられたがザンビアに助けられ[注釈 66]、一時前線から退く。直後のザンビアとの会話から引退したかに思われたが、68話で地獄への総攻撃作戦の際にドラキュラ二世や先代狼男と共に復帰し、鬼太郎達の前に立ち塞がった。他の先代メンバーと違い、12年前と外見上の変化が見られない。劇場版『日本爆裂!!』ではザンビアと共にフランス代表として悪者妖怪サミットに参加している。また、第5作ではザンビアの他にも、バックベアードの世話係や後方支援を務める美人魔女軍団という三人の若い魔女達が68話で登場している。
アニメ第6作では、鉤鼻の老婆の姿がメインであった過去作とは異なりほぼ人間と変わらない容姿で描かれており、唯一の外見で人間と異なる点は尖った耳である。また、バックベアードの支配下で秘めたる力が強い魔女は生贄として捧げられる悲しい運命を背負っていたが、鬼太郎たちの活躍でその悲しき運命から解放される。今作ではアニエスが西洋妖怪編のキーパーソンとなり、歴代シリーズ中唯一鬼太郎たちの仲間として登場している。第6作準拠の小説「ぬりかべ」(「蒼の刻」収録)では、ブリガドーン計画を巡る戦いより遥か昔に原作や第1作の「妖怪大戦争」に準じた戦いがあり、当時はアニエス・アデル姉妹と彼女たちの母以外に過去作と同じ老婆の魔女もバックベアードの配下に存在していた事が語られている。
原作『魔女人形』(アニメ化第1作第18話)では、魔王の命令で日本の少女たちを魔女にするために来日したが、作戦を鬼太郎に悉く阻止されて成果を出せなかったため、魔王の怒りを買い魔力を没収されてしまう。無力な人間の老婆になったため、仕方なく藁で作った人形を「魔女人形」として露店で売る生活を細々と営むが、境遇に同情した鬼太郎とねずみ男の協力もあり、それなりに露店は繁盛するようになった。
ザンビア
声 - 野中藍
アニメ第5作に登場。原作や過去のアニメシリーズで同様のポジションおよび本作では先代として登場していた魔女の孫娘で、西洋妖怪のヤングジェネレーションズの一人。第32話で鬼太郎との交戦で負傷した祖母を救出した後に鬼界ヶ島争奪戦に参加する形で初登場する[注釈 63]。西洋妖怪幹部では一番の若手で、バックベアードに恋愛感情を持っている。紫色の髪に赤い帽子と赤い服が特徴の魔女見習いで、可愛い外見をしており、自身も容姿に自覚があるが、それゆえにベアードのお気に入りを自称して横暴な振る舞いが目立つため、先輩妖怪から嫌われており、無謀にも実力も年季も違うゴーゴンやぬらりひょんにまで生意気な口を叩いてそのたびに酷い目にあっている。自分の利益にならない者は同じベアード配下でも平気で攻撃する冷血な性格で、興奮すると言葉づかいが荒くなり、黒鴉からは「下品」と評価され、猫娘と比較された。祖母同様に「アパラチャノモゲータ」と呪文を唱え、魔法の知識と攻撃力に関してはそれなりのセンスを持っているが、経験不足の上に戦術が稚拙な為いつも負けている。犬猿の仲である狼男ワイルドとは逆に格闘戦に弱い。
ネコ娘とは初対面時に「しょぼい女」呼ばわりしたのを初め、ひでり神を操った際に操縦機ごと蹴られたりするなど何かと因縁がある。冷酷非情な作戦を練る一方で、パンサーに裏切られた際にネコ娘たちと一時共闘するなど完全な悪に徹しきれない部分もある。
ロンロン
声 - 麻生美代子(異聞妖怪奇譚)、高島雅羅(異聞妖怪奇譚で一時的に若返り時)
初登場は原作『魔女ロンロン』。1980年代当時の好景気に便乗して金を儲けようと来日。人間や妖怪の複製人形を操り窃盗をさせ、罪を本物に被せた。嗅ぎ付けて来た鬼太郎には天候操作の魔法で応戦するが、一反木綿に杖を切られて封じられる。降参を装って鬼太郎を「魔女の箒流し」で空中に葬ろうとするが、これまた砂かけ達の不意討ちで破られ、棺桶小包に詰められ欧州に送還された。約150年前に目玉親父と会ったという。
『妖怪千物語』では西洋妖怪軍最終兵器の生贄として、11時11分まで起きていた子供達をさらった。杖による電撃攻撃や体当たりを繰り出す。ベアードの光線によって不死身の力を得たが、唯一頭部だけが目玉親父の影になって不死身エネルギーを受けていなかった。最後はそれを見抜いた鬼太郎の電撃を受け倒れた。
『異聞妖怪奇譚』では魔女軍団のリーダー格で、鬼太郎に対して「随分見ないうちに男前になった」と言ったり、ねずみ男を気に入ったりしていた。一時的に若返ったことがある。
ジニヤー
声 - 富沢美智恵
『魔女ジニヤー』に登場した、1980年代(放映当時)風のお転婆魔女っ子でアラビアの魔王(ジン)の娘。不良高校生を従えて銀行強盗を働くが、鬼太郎達に見つかって乱戦の末に取り押さえられ、術具の「精霊煙草」を没収された。捜しに来た父に告げ口してけしかけるが彼も敗れ、屈辱の内に降参。だが溶けた父を恐山妖怪病院で治して貰えると聞いて感謝、反省した。
アニメでは第3作第102話登場。病気の父達を救う為に倉ぼっこら妖怪病院医師の拉致を企み、煙草ではなく召使いを召喚する指輪を使った。鬼太郎も魔法で一時ネズミにされる。父の攻撃に巻き込まれた彼女を鬼太郎が身を挺して救った事で和解、妖怪病院から薬を分けてもらう。
ジニヤーの父
声 - 塩屋浩三
ジニヤーの父でアラビアの魔王。山羊のような顔とコウモリのような翼を生やした怪物だが、見た目とは裏腹に娘思いの優しい父親。病気でもアラビアから日本に単独で来たり、その状態でも簡単に鬼太郎を圧倒する力を持つ。
 多数の悪魔や怪獣を従えるが、戦争好きのそれらが人間の世界を荒らしまわらない様に統制していたが、病気を患ったために部下たちが「いたずら」を再開したとジニヤーがアニメ第3作では回想していた。
召使い
ジニヤーの指輪から召喚された魔人。鬼太郎をネズミに変えた。最後は元に戻った鬼太郎によって転落死した。
魔王の部下たち
悪魔の戦士、尻尾の先が触手状になっている巨大な海竜、巨大な首なし巨人、単眼有翼の巨大な悪魔、巨大な獣頭の悪魔、象をつかんで飛び去る巨鳥、牙をもつ巨大な怪魚がアニメ第3作では見られた。
グルマルキン
声 - 伊倉一恵
アニメ第4作97〜99話に登場。ベアード配下の四天王の一人。双尾の猫に化けて恐山妖怪病院に潜入し、こうもり猫たちに妖気を吸われ干からびて入院した鬼太郎の拉致を企むが、それを待っていた鬼太郎は彼女から妖力を補充し復活。続いて箒に付いた笛でゴーレムを操って襲うが、鬼太郎のオカリナの音で制御を乱され敗れた。その後、99話でこうもり猫たちと共にぬらりひょんの魔鏡に妖気を吸い尽くされて消滅。その能力はぬらりひょんに受け継がれることとなった。

狼男関連

狼男
声 - 北川国彦(第1作)、大竹宏(第3作)、島田敏(第4作)、高戸靖広(第5作)、石井康嗣(異聞妖怪奇譚)
伝承では人と狼の姿を使い分けるが、本作では背広を着た半人半狼の姿で固定されている事が多い。性格は凶暴かつ獰猛でその実態はまさに血に飢えた狼そのもの。
貸本『顔の中の敵』にてロンドンの人狼として初登場(詳細は墓場鬼太郎の登場人物参照)。さらにガロ版『鬼太郎夜話』にも登場。
『妖怪大戦争』(初アニメ化第1作10話)以降、西洋妖怪軍団の一員としてバックベアードやドラキュラと共に現れることが多い。原作『妖怪大戦争』では人食いおおかみと自ら名乗っていたが、『妖怪ラリー』(イギリス代表として出場)以降は狼男と呼ばれるようになる。以後も『死神大戦記』『ねらわれた雪姫ちゃん』『鬼太郎地獄編・閻魔危うし!白骨軍団』など、原作ではよく姿を現す割に活躍は極めて少ない。地獄編の内容では吸血鬼の一種である。原作『鬼太郎の世界お化け旅行』シリーズではルーマニアに住み、宝石が好きで薬の知識があり、ゴーゴンの呪縛を解く薬の処方を知っている。アニメ版では鋭い爪を使った攻撃を得意としている。
アニメ第3作『世界妖怪ラリー』では、事故にあった自分を救った鬼太郎のフェアプレーを魔女と共に讃えた。
アニメ第4作の劇場版『妖怪特急! まぼろしの汽車』では人間体もあり(作中では変身する直前の腕しか映されていない)、夜になって満月を見ると変身。目だった活躍なしのまま、石炭から元に戻った鬼太郎のリモコン下駄でたんこぶだらけにされた。第4作の『激突!妖怪ラリー』では別個体が登場し、こちらは通常から過去作と同じ狼の姿で、満月を見ると更に狼形態が変化する。
アニメ第5作では狼男ワイルドの父で、12年前に鬼界ヶ島で鬼太郎達と戦った先代狼男として32話の回想場面に初登場。68話で地獄への総攻撃作戦の際に、再び鬼太郎達の前に立ち塞がった。なお、この時の先代狼男は32話の回想(原作とほぼ同じ外見)より年老いた顔付きに変化し、黒色だった体毛も薄い茶色になって12年の間に年を取った事が示唆されている。ワイルドの情けない有様には頭を抱えており、87話で剣術の鍛錬を始めたドラキュラ三世の姿を見て、「ウチのバカ息子も見習って欲しいものだ」と愚痴をこぼしている。劇場版『日本爆裂!!』ではワイルドと共にイギリス代表として悪者妖怪サミットに参加している。
部下として多数の狼系の妖怪部隊や動物としての狼も従えて登場することがある。
『妖怪千物語』では敏捷性に優れ、人間の姿を取っての騙し討ちを得意とする。更に満月の下では不死身だが、銀の武器だけには弱く、鬼太郎の指鉄砲で猫娘の銀リングを撃ち込まれ倒れた。
原作設定の血縁者およびアレンジされたキャラクター、そして名の判明している狼男などを以下に挙げる。
ワイルド
声 - 高戸靖広
アニメ第5作で登場。原作や過去のアニメシリーズで同様のポジションおよび本作では先代として登場していた狼男の息子。西洋妖怪のヤングジェネレーションズの一人で、オカマキャラクター。第32話で初登場[注釈 63]。スーツ姿の父と違って紫色のベストとホットパンツを身に着け、ネイルアートを趣味にしている。オネエ言葉で喋りコミカルな雰囲気だが、命乞いをするねずみ男にあっさり「殺しちゃお」と言うなど性格は残忍で凶悪である。ドラキュラ三世や魔女ザンビア同様実力は今ひとつだが、格闘能力だけはかなり高く、剣を持った五官王と互角に戦った。ザンビアとは犬猿の仲で、「変態で本物の馬鹿」「獣臭い」と罵られる。間抜けな失態を演じる事も多く、父からもその情けなさを嘆かれていた。87話にて、輸送中のゴーレムを面白半分に操ろうとした結果、制御不能になって船を沈め、ゴーレムとその操縦装置である魔火の宝玉を海に落としてしまい、ザンビアと共に宝玉を回収したが、今度は二人で勝手にゴーレムを使って鬼太郎を倒そうとして、ゴーレムと魔火の両方を失うという更なる大失態を犯し、父とヨナルデパズトーリの怒りを買った。
ヴォルフガング
声 - 草尾毅
アニメ第6作に登場。バックベアード軍団の大幹部で、バックベアード直属の西洋妖怪三人衆の一人。普段は人間体で紅色のスーツを着た髭面の成人男性の姿をしているが、その姿でも常人離れした戦闘力と敏捷性を持つ。伝承とは異なり日中でも変身が可能で、変身により本性を現すと胸に十字が刻まれた紅色の狼男と化し、人間体とは比較にならないほどの高い身体能力やパンチの一撃でぬりかべを破壊する攻撃力、鬼太郎の指鉄砲すら受け付けない肉体を兼ね備えた驚異的な戦闘能力を発揮する。弱点は伝承と同じく銀の弾丸だが、満月下で変身した場合はそれすら通用しないレベルのほとんど「不死身の肉体」と化す。戦いと殺戮を楽しむ好戦的かつ残忍な性格の持ち主。また西洋妖怪以外の妖怪たちを見下している節もあり、耳長らや日本妖怪を躊躇なく切り刻み魂まで握りつぶして殺害している。一方で、自身が長年仕えてきたバックベアードへの忠誠心は本物で、37話で彼が鬼太郎に敗北した際には激しく動揺していた。
初登場は27話。アルカナの指輪を持ち出し逃亡したアニエスを追って日本へ上陸し、ゲゲゲの森に襲来する。難民として逃れてきた耳長ら南方妖怪を惨殺し戦闘になった鬼太郎ファミリーをも全滅寸前にまで追い込むが、アニエスが託した銀の銃弾を鬼太郎に撃ち込まれてダメージを負い、撤退する。第28話ではアデルの指揮の下、再度ゲゲゲの森を襲撃。満月下での変身により本領を発揮して暴れまわるが、森と仲間を傷つけられた怒りに目覚めた鬼太郎に圧倒され想定外のダメージを受ける。その後はねこ娘・砂かけ婆と交戦するが、バックベアードの命令で撤退した。第36話ではアルカナの指輪を奪うべく調布に襲来しまなを襲うが子泣き爺に阻止され、第37話でバックベアードが鬼太郎に敗れると転移魔法石を使用して逃走した。第94話でバックベアード城に侵入したぬらりひょんに襲い掛かるが朱の盆に阻止され、バックベアード復活に伴いぬらりひょんと手を組む。しかし、第96話でぬらりひょんの裏切りによって西洋妖怪が苦手な聖血レックス・ネモレンシスを混ぜたワインを飲まされ苦しむ中、同様に苦しみながらも聖なる力を無理やり押さえ込むために妖力を得ようとするバックベアードに吸収され、最終話では人間や妖怪の声援でパワーアップした鬼太郎の指鉄砲でバックベアードや共に吸収されたカミーラ・ヴィクターもろとも消滅し、魂だけになった。
第6作準拠の小説「ぬりかべ」(「蒼の刻」収録)では、ブリガドーン計画を巡る戦いより遥か昔に原作や第1作の「妖怪大戦争」に準じた戦いがあり、当時はヴォルフガングではなく、原作や過去のアニメシリーズで登場した狼男が同様にバックベアード軍団の幹部として存在していた事が語られている。
ヴォルフガング」とはドイツ語圏の男性名で、古高ドイツ語では「狼」を意味する「wolf=ヴォルフ」と「道」(または「旅」)を意味する「gang=ガング」が合わさって、「狼の道」の意味になる。
吸血狼
声 - 小林通孝、田中和実、平野正人(第3作)、前田剛(異聞妖怪奇譚)
狼男の配下。幹部の狼男とは違い、全裸で痩せ細った半人半狼の姿をしている。第3作劇場版では黒い体色をしており、人語を話せる者や話せず吠える事しかできない者など能力には個体差があり、西洋妖怪軍団内では雑兵部隊として位置づけられている。

フランケンシュタイン関連

フランケンシュタイン
声 - 今西正男(第1作)、西尾徳(第3作)、増谷康紀(第4作)、竹本英史(第5作)、飯塚昭三(異聞妖怪奇譚)
死体を縫い合わせて造られた、ドイツ出身の人造人間。本来「フランケンシュタイン」は人造人間を造った人間の姓だが、鬼太郎作品では人造人間をフランケンシュタインと呼び、西洋妖怪軍団の一員として登場する。略称フランケン。初登場は原作『妖怪大戦争』およびアニメ第1作第54話『妖怪ラリー』。
狼男や魔女などと同じく西洋妖怪の絡む話では大抵登場しているが、狼男と同様に活躍の場が少ない。
アニメ版では狂暴で怪力の持ち主だが頭の悪い妖怪として描かれる場合が多く、劇場版アニメにおいては『妖怪大戦争』では虫が苦手、『妖怪特急! まぼろしの汽車』では牛乳好きという面も見せた。
『妖怪千物語』では、体が妖怪筋肉の集合体で強敵に遭うほど強化される。怪力だが頭は悪く、ゴーゴンの目を見て石になる。凄まじい破壊力をして鬼太郎から「こいつはバケモノ」と言われた。
第5作では第32話初登場[注釈 63]。常人の3倍近くはある体格で、顔の左側を鉄板で覆った容姿をしている。仲間内では「勇者」と評されるほどの実力者であり、西洋妖怪幹部で唯一、12年前と今回の鬼界ヶ島争奪戦に連続参加。子泣き爺とは前回も戦っており(互いにライバル同士の間柄になっている)、雪辱を果たすべく拳を交えて因縁の一騎討ちを展開したが、惜しくも敗れた。その後、68話で地獄への総攻撃作戦の際に、ドラキュラ二世、先代狼男、先代魔女と共に復帰。再戦の度に不死身と豪語している。劇場版『日本爆裂!!』ではドイツ代表として悪者妖怪サミットに参加している。
原作設定をアレンジされた者を以下に挙げる。
ヴィクター・フランケンシュタイン
声 - 白石涼子
アニメ第6作27話終盤から登場。人造人間を創造した「ヴィクター・フランケンシュタイン」と同姓同名だが、同作では人造人間当人となっており、原作や過去のアニメシリーズにおけるフランケンシュタインと似た役割ポジションで登場。バックベアード軍団の大幹部で、バックベアード直属の西洋妖怪三人衆の一人。名のヴィクターで通称的に呼ばれる。外見の特徴は、顔を含む全身に縫合痕があり、左目周囲や右肩、左手などで皮膚の色が異なる。左右の瞳もオッドアイになっており(右目が紫色、左目が黄緑色)、口元が常に不自然なほど笑んでいる。普段の姿は眼鏡をかけ白衣を着た小柄な少年で、戦闘時も自身が開発した武器を常に使い、通常時は他の幹部クラスの西洋妖怪と異なり戦闘能力は低い。また、三人衆の中では精神的な弱さもある。ただし、大泣きすると全身の筋肉が異常発達した凶暴な巨人形態へと変身。この姿がフランケンシュタインとしての本性にして本領形態であり、武器に頼るのみでたいした強さを見せない少年形態時とは異なり、拳で広範囲の地面を叩き割る怪力や鈍重そうな外見にそぐわぬ跳躍力、敏捷性を発揮する。西洋妖怪随一の科学力を有する極悪非道かつ猟奇的な性格のマッドサイエンティストで、バックベアードには忠誠を誓っているが、ヴォルフガングやカミーラの事は「下等モンスター」と見下し、最高幹部のアデルにも呼び捨て・対等な口調で話すなど、基本的に他者に対する態度はかなり不遜である。
第28話ではアデルに率いられてゲゲゲの森を襲撃、自作の合成生物に岩魚坊主達を襲わせたが、アニエスが起動したアルカナの指輪の力で消滅。自身はアデルらと共に撤退した。第29話では指輪の再出現地点の予測に必要な調査の為に単身で来日し、調査終了直後にアニエスを発見。彼女を電撃銃で麻痺させ連れ帰ろうとしていたが、止めに入ったまなに一目惚れする。ユーモラスな表情も見せつつ結婚を迫り、まなから平手打ちされても「そうでなくてはメチャクチャに壊してしまう甲斐がない」と一方的かつ狂気的な執着心を嬉々として露わにし、彼女を追い詰めた。そこへ駆け付けた鬼太郎の攻撃を受け、泣いて変身した後はまなを拉致し高層ビルの屋上に飛ぶが、アニエスの魔法でまなを奪還され、状況を察知したアデルの転移魔法で呼び戻された。その後もバックベアードとアデルの指令で調査したデータを基に研究を続行。自身の科学力には絶対の自信を持つ反面、指輪の捜索任務の難しさを認めてもいた。第36話ではまなに「お嫁さんにしたかった」と未練を残しつつ、彼女から指輪を奪うべくマシンガンで射殺しようとしたが、ぬりかべに阻止され、交戦。巨人体に変身して互角に戦うが、砂かけ婆の援護を受けたぬりかべに下半身を塗り込まれて劣勢に陥り、バックベアードが鬼太郎に敗れると転移魔法石を使用して逃走した。その後カミーラたちとバックベアードを復活させようとして東南アジアなどへ出向いて人間の生き血を密かに採血したが、第94話でエネルギー不足のために「命の再起動」の作業が難航。カミーラやヴォルフガングに急かされ焦りを見せるが、直後に現れたぬらりひょんが富士のエネルギーを提供したことでバックベアード復活に成功し、それに伴いぬらりひょんと手を組む。しかし、第96話でぬらりひょんの裏切りによって西洋妖怪が苦手な聖血レックス・ネモレンシスを混ぜたワインを飲まされ苦しむ中、同様に苦しみながらも聖なる力を無理やり押さえ込むために妖力を得ようとするバックベアードに吸収され、最終話では人間や妖怪の声援でパワーアップした鬼太郎の指鉄砲でバックベアードや共に吸収されたヴォルフガング・カミーラもろとも消滅し、魂だけになった。
第6作準拠の小説「ぬりかべ」(「蒼の刻」収録)では、ブリガドーン計画を巡る戦いより遥か昔に原作や第1作の「妖怪大戦争」に準じた戦いがあり、当時はヴィクター・フランケンシュタインだけではなく、原作や過去のアニメシリーズにおけるフランケンシュタインも、同様にバックベアード軍団の幹部として存在していた事が語られている。
合成生物
第28話でヴィクターが製作した怪獣のような人造生物。原典の人造人間同様に高圧電流で起動する。非常に獰猛であり、ゲゲゲの森侵攻時に投入された際には岩魚坊主らを始めとする日本妖怪を数多く喰い殺した。その後はぬりかべを中心とした一団と戦うが、アニエスがアルカナの指輪を起動した煽りで消滅した。

ミイラ男関連

ミイラ男
声 - 飯塚昭三(異聞妖怪奇譚)
エジプト出身の西洋妖怪。
『死神大戦記』でドラキュラの先輩として登場。相手を永遠の眠りに誘う妖術「ファラオの呪い」を使い、一度は鬼太郎を倒す。だがメキシコの秘術で復活した鬼太郎との再戦で呪いを返されて倒された。
『鬼太郎の世界お化け旅行』第4話では双頭のミイラ妖怪が登場。ドラキュラ親分の配下。右頭の口から冷気、左頭の口から炎を吐いて鬼太郎達を苦しめるが、鬼太郎に両頭の目を潰され互いに息をかけ合って自滅。
『妖怪千物語』では体が肉食性のスカラベで出来た妖怪として登場。包帯を操り、パンチとキックで攻撃。鬼太郎を追い込むも虫なので火には弱く、つるべ火の炎とねずみ男の屁の合体火炎放射で焼き尽くされた。
アニメ初登場の第5作では、第32・33話にバルモンドというミイラ男(詳細は後述)とその配下に多数のミイラ達が登場。また、地獄への総攻撃作戦の際に、バルモンドの配下と同じ姿をしたミイラ達が西洋妖怪軍団の中にいた。
バルモンド
声 - 森田成一
アニメ第5作第32・33話に登場。妖怪王家の末裔で、不死身を自称する最強のミイラ男。鬼界ヶ島争奪戦に客分(ドラキュラ三世がエジプトからのゲストと紹介)兼実質的な指揮官として参加する。独善的な性格で粗暴な言動が目立ち、ダメージを回復する為にヤングジェネレーションズから妖力を奪ったり、バックベアードを「歴史の浅い妖怪」と彼らの前で躊躇せずに罵ったりしている。西洋妖怪軍団が鬼界ヶ島を狙う真の目的である「地獄の鍵」の事を知っており、自分がその力を手に入れ世界中の妖怪を牛耳ることを目論んだ(今回の鬼界ヶ島侵攻はベアードの指示ではなく、彼が独断で行っていたことが後に判明している)。包帯攻撃(伸縮させて相手を拘束し、刃や槍状にもなる)や配下のミイラ達の召喚、更に巨大化までして鬼太郎達を苦しめたが、最期は地獄の鍵を得て鬼太郎が初使用した地獄究極奥義・獄炎乱舞で、配下諸共に跡形も無く焼き尽くされた。後に中国妖怪のチーがエジプト妖怪の反物を着てバルモンドと同じ包帯攻撃を繰り出している。

その他の西洋妖怪たち

ここでは上記に分類されない西洋の妖怪を挙げる。

こうもり猫
声 - 富田耕吉(第1作)、矢田耕司(第3作)、松野太紀(第4作)、草尾毅(第6作)
アメリカ出身、蝙蝠の翼を生やした大猫の妖怪。初登場は『妖怪大統領』(初アニメ化第1作53話)。
普段は角付きの変な帽子を被った中年男に化けている。アメリカの妖怪大統領選に敗れて日本へ亡命、葬頭河婆と組んで日本の妖怪大統領になろうとした。
吸血象の幻影を見せたり、妖怪催眠術を使い敵を操ったりできる。老科学者から鬼太郎が預かった玉手箱を盗み、その煙で鬼太郎たちを老化させた上に海底に沈めたが、下駄とチャンチャンコに翻弄され賽の河原で気絶させられた上に、それらに誘導されたねずみ男が玉手箱を開放したためミイラと化した。
アニメ第3作46話ではバックベアードに大統領選で敗れ国外追放された(こうもり猫の得票は1)恨みがあり、報復も考えていた。原作同様鬼太郎を老化させた上に三途の川の底へ沈めるも、閻魔大王の指示で猫娘たちが賽の河原の大時計を逆回転させて時を戻し、復活した鬼太郎に敗れ逃走。西洋にも日本にも居場所がなくなり途方に暮れていた。
アニメ第4作ではベアード配下の西洋妖怪四天王の一体。ベアードの術によって不死身になっており、体内に吸血小妖怪ウーストレルを多数飼っている他、ポルターガイストを格納している。四天王で最初に登場し、ウーストレルとポルターガイストで鬼太郎の妖気を奪い干からびさせた(四天王で鬼太郎唯一の敗北戦)。その後、99話でグルマルキン達と共にぬらりひょんの魔鏡に妖気を吸い尽くされ、消滅してしまった。
第6作では79話登場。バックベアード復活に必要な人間の生き血を集める為に来日する。西洋妖怪の中では下っ端の存在でバックベアードはおろか他の幹部からも相手にされておらず、戦闘力もかなり低いが(ねずみ男のオナラや鬼太郎のリモコン下駄一発当てられるだけで倒れるほど)、応援されたり褒められたりすると普段から想像できないほど強くなる。一度はねずみ男を騙そうとしたが、逆に騙され用無しにされてしまう。その後、ハロウィンの仮装ショーに紛れ込み、そこの観客たちからの声援で高揚して潜在能力を発揮し、一度は鬼太郎を追い詰めたがハロウィンの終日(日の出)と共に観客が帰ってしまい、落胆して力が弱まった隙を突かれ鬼太郎のリモコン下駄で一発KO。最後は鬼太郎に降参しておとなしくバックベアード城へ帰って行った。
同じ水木しげる作品の『悪魔くん』では、全くの別個体が登場する。
ヨナルデパズトーリ
声 - 田の中勇(第5作)
ラテンアメリカにて死者の魂を管理する地獄の妖怪、もしくは神。略称ヨナルデ
初出は「最新版ゲゲゲの鬼太郎」の「地獄の妖怪獣出現!!の巻」。ぬらりひょんの破壊活動により日本の地獄で亡者が増加し、それに対応すべく派遣されてきた。しかしねずみ男によって地上に放たれ、ぬらりひょんに操られ巨大化し暴れ回る。鬼太郎は閻魔から預かった霊波遮断剣をヨナルデの脳天に刺して正常に戻す。
アニメ初登場は第4作96話。バックベアード配下としてぬらりひょんに協力、がしゃどくろを操り魔鏡の欠片を探し出した。
第5作では第68話終盤で初登場し、同話で倒された初代ドラキュラ伯爵に代わり地獄侵略の任に就く。西洋妖怪軍団のブレーン的な存在で、ベアードからの信頼も厚く「Dr.ヨナルデ」と呼ばれており、発明家であるがその発明品は壊れやすく、若手妖怪を実験台にする。第100話終了まで鬼太郎や日本勢との直接対面はなかった。劇場版『日本爆裂!!』では悪者妖怪サミットにメキシコ代表として参加し、「貴重な天然資源である人間を殺しすぎている」とチーを糾弾する。
同じ水木しげる作品の『悪魔くん』に登場するヨナルデパズトーリとは容姿以外は全く別の存在だが、第5作ではアニメ版『悪魔くん』と同じく田の中が声を担当し、ブレーン的存在だった点も共通している。
グレムリン
声 - 北川国彦(第1作)、はせさん治(第3作)、平井啓二粕谷雄太、高戸靖広(第5作)
機械いじりを好み、飛行機などに取りついてイタズラをする妖怪。
初登場は原作『妖怪ラリー』(初アニメ化第1作54話)で、ソ連代表としてラリーに出場。悪魔のような外見ではあるものの、戦う姿や能力は見せず、車の構造もあって姿の写るコマもわずかである。妖怪ラリーでは中国の水虎と、燃料を抜き合う激走を繰り広げ、鬼太郎に次ぐ2位と好成績を収める。アニメ第1作のラリーではタイヤがパンクした際、アメリカ代表のバックベアードに助けてもらうという、「米ソ友好の感動シーンの一コマ」が描かれた。第3作では逆にベアードの光線を喰らって脱落。第5作59話ではベアードの指揮で大群を為してテレビ局を襲撃。機械には強いが個々の戦力は低く、完全に雑兵扱いとなっている。また、伝承の通り飴玉などのお菓子が好物である。放送機材で妖怪を霊界電波に変換してあらゆる霊界へ送り込む装置を作って何体かが地獄に侵入し、更にはベアードを地獄へ転送させようとした。だが蒼坊主の幻覚に騙されて転送装置を壊しベアードの怒りを買い、最期は鬼太郎の獄炎乱舞で1匹残らず焼き尽くされる。地獄に侵入した方も五官王達により捕らえられるが、宋帝王に化けた初代ドラキュラ伯爵の計らいで密かに逃がされていた。巨大な時空トンネル装置を製作し、68話で装置を使用して西洋妖怪軍団を地獄に侵入させ、その後の戦いにも参加する。
ゴーゴン
声 - 川上とも子(第5作)、種子(異聞妖怪奇譚)
髪の毛一本一本が蛇になっているギリシアの女怪。その目を見た者は石に変えられてしまう。
初登場は『鬼太郎の世界お化け旅行』第9話。自身の食料となる人間の子供を買収したねずみ男に誘拐させていたが、ねずみ男を追って来た鬼太郎と対峙、睡眠薬を付けた髪の毛針で眠らされ住処である地下に幽閉される。しかし、鬼太郎たちを追って第10話で再登場し、全ての住民を石にした街に誘い込み鬼太郎を石にして粉々に砕くが、ベラドンナ液で復元した彼に誘導され、鏡で眼力を反射されて自身が石と化した(ゴーゴンが倒された後に住民達は元に戻った)。
『鬼太郎国盗り物語』ではゴルゴーンの名でムーに雇われた妖怪として登場。予知本能を持つ妖怪「くだん」を利用して鬼太郎達の戦意を喪失させた。ここでは石化の眼力は使わず、幻術(くだんに化け偽りの予知映像を見せた)や、相手の妖力を水晶に封じたり、体内で砲弾を作ったりする能力を持つ。鬼太郎の妖力を封じるものの、その水晶を逆に操られ、砲弾を準備した所へ水晶で口を塞がれ爆死。
『妖怪千物語』ではフランケンと共に鬼太郎達を襲ったが、巨大化したフランケンを石にしてしまい、その石に倒れかかられ圧死する。
アニメでは第5作で初登場。伝承の通り三姉妹であり、46話でその末娘が登場。姉達と石にした人間や滅ぼした都市の数を競う等の非道な行いをしている。天狗ポリスの一隊をあっさりと全滅させるほどの実力者であり、隠れている妖怪の存在を容易く見破る抜群の感知能力を持つ。努力家を自称し、数年前からグルメビルのオーナー「綱島瑞希」として日本に滞在して人間の醜い心を研究し、石にした多数の人間から吸い取って作り出した邪心の塊を街に落とし、人間達を殺し合わせて滅ぼそうと企んだ。普段は容姿端麗な人間の姿で上品な言葉遣いだが、魔力が強くなると髪の毛が蛇と化し、さらに魔力が全開になると美顔のメッキがはがれ、蛇のような顔(舌も蛇のようになる)を曝け出し、声のトーンが低くなる(「石化」をやり終えると美顔に戻り、声のトーンも上品になる。子泣き爺曰く、「メッキがはがれると下品」)。髪の毛の蛇は魔力の源であり、石化の眼力を蛇に移す事で鏡の無い死角から石化させる、蛇を剣と化す、眼力を防ぐために目を閉じている者の瞼を蛇にこじ開けさせる、などの技を新たに編み出している。バックベアードからの依頼もあって、晩餐会に鬼太郎を招待し倒そうと計画。鬼太郎ファミリーのほぼ全員を石化するが、自ら石になって凌いだ子泣き爺に敗れて魔力を失い、石にされた鬼太郎たちも元に戻る。最後の悪あがきに、自身の憎しみを加えて極限まで大きくなった邪心の塊を街に落とそうとしたが、鬼太郎の獄炎乱舞によって邪心もろとも燃え尽きた。第二夜オープニングにも登場している。
ブイイ
声 - 川津泰彦(第4作)
ロシア出身。手を使わなければ開けられないほど大きな瞼を持ち、モウリョウの項で記した土精のモデルとされる。
原作初登場は「妖怪実力選手権大会」でソ連代表として出場。太平洋横断の競泳で大魚に化け魔女やケルピイを呑み込んだが、続いてマーメイドを襲った際、逆に水ノコギリで両断され倒れた。
1980年代『最新版』の「恐怖の地獄童子の巻」では大瞼ではなく、歯を剥いて笑う小鬼の姿。少年達を「あの世は楽園だ」と唆して自殺に追いやり(実は自殺すれば地獄に落ちる)、その魂を地獄童子に売っていた。地獄童子が鬼太郎の説得で契約破棄したと知ると仲間を呼び寄せまとめて葬ろうとするが、吐いた炎をちゃんちゃんこで返され倒れた。
アニメ初登場は第4作第98話。ベアード配下の四天王の一人で、妖魔城に向かう鬼太郎の前に現れた。冷気を吐く他、吸い込み攻撃を仕掛けて鬼太郎を苦戦させるも、鬼太郎の知らせで駆けつけた化け鯨や蟹坊主など巨大な日本妖怪達の猛攻を受け、その隙に雪女やつらら女など、他の妖怪たちも到着する。それでもなお、鬼太郎や援軍たちを苦戦させるが、最後は目玉および前歯にリモコン下駄を食らい退散する。四天王の中で唯一ぬらりひょんの魔鏡に妖気と能力を吸収された描写が無く顛末が描かれていない。
ジャイアント
声 - 増谷康紀
アニメ第4作98・99話に登場した、禿頭に長い白ヒゲ(妖力の源)、腰布一枚というスタイルの巨人。ベアード配下四天王最強の妖怪で、優れた五感と幻術(無限に続く「妖怪坂」、分身、幻の人食い花など)で鬼太郎たちを苦しめる。だがヒゲを靡かせていた本体を見破った鬼太郎にヒゲを切られて力を失い敗北、こうもり猫やグルマルキン同様にぬらりひょんの魔鏡に妖気と能力を吸収されてしまう。ぬらりひょんはその後ねずみ男の屁を偶然喰らい、ジャイアントの五感を取り込んだことが仇となって苦悶した隙に敗北した。
ゴーレム
声 - 大友龍三郎(第5作)
魔法で命を吹き込まれた、土(または石)で作られた巨人。
初登場はアニメ第4作97話で、グルマルキンの笛の音色に操られる。鬼太郎を苦しめるが、オカリナの音色で苦しみ倒れた。彼女の能力を奪ったぬらりひょんにも使われたが、最後は妖魔城の崩壊と共に埋もれた。
第5作では第87話登場。チェコ出身。優しい心を持ち争い事を嫌っているが、その巨体と並外れた怪力を持つことに目を付けられ、ヨナルデパズトーリによって魔火が乗り移って操れるように改造され、「悪魔の巨人」として幾度も破壊を行なわされて来た。日本の霊所への攻略兵器として運ばれるが、ワイルドのミスで暴れて輸送船が沈み日本に漂着する。重傷を負っていたが、指の破片が変化した子ゴーレムが呼んだぬりかべ一家に助けられて打ち解け、事情を知った鬼太郎や妖怪横丁の住民達に故郷へ帰るための筏をプレゼントされるが、操縦装置(魔火の宝玉)を回収したザンビアに操られて暴れ、筏や子ゴーレムまで砕いてしまう。「自分を失って暴れたら、壊してでも止めてくれ」と約束したぬりかべにより、手当て中に見付けた生命の素の呪文を砕かれ(本来は額にあるが、改造された際に体内に隠された)、本当の友達になってくれた彼に感謝して粉々に崩れ落ちた。その後ゴーレムの破片は妖怪横丁へと運ばれ、いつの日にか蘇ることを待たれている。
子ゴーレム
声 - 中山さら
アニメ第5作第87話登場。ゴーレムの手の指が変化して生まれた小さいゴーレム。ぬりかべ一家と仲良くなるが、魔火に操られた親を制止しようとして砕かれてしまった。
魔火(まび)
声 - 田中一成
アニメ第5作第87話登場。フランス出身の火の玉妖怪で、フランス語交じりのノリのいい言葉で会話をする。普段は宝玉に宿っていて、召喚される事で姿を現し、ゴーレムの頭を乗っ取って操る(この状態で魔火だけを倒すのは不可能)。ゴーレムが倒されると宝玉に逃げ戻ったが、最後は鬼太郎の指鉄砲で加速した髪の毛槍に宝玉ごと貫かれ爆破された。
パンサー
声 - 子安武人
アニメ第5作95話に登場。顔立ちは美形、首から下は鳥人のような姿をしている。強豪妖怪と言われるほどの実力者で、自身から甘い匂いを発し、おびきよせた人間を飴玉にする力を持つ。バックベアードの為に百年鍋を作ろうとしたザンビアに協力して人間の女の子を飴玉にして集めていたが、真の目的はその百年鍋でベアードを超える存在になる事だった。正体は巨大化した黒いグリフォンのような妖怪で、ネコ娘はおろかザンビアまでも飴玉にしてしまい、それらで作った百年鍋を食べ力を付け鬼太郎たちを圧倒する。しかし、鬼太郎に止めを刺そうとした所で胃の中で食べられた猫娘たちが暴れた為全て吐き出し力を失ってしまい、最期は鬼太郎の体内電気で倒され同時に飴玉にされた猫娘たちは元に戻った。
ヴォジャノイ
声 - 大竹宏(異聞妖怪奇譚)
『鬼太郎の世界おばけ旅行』に登場するソ連出身の水の精。老人に化けているが、その正体は先の尖った長い鼻と二本の角が生えた顔をしている。水死した人々の霊魂の化身とも言われており、水を自由に操る能力を持つ。日本近海を漂っていた鬼太郎とねずみ男を火山噴火や氷の海を作り出し翻弄、凍結させた後に、生気を抜いて肉羊羹にしようとした。しかし、フライにして食べた目玉おやじに心臓をやられて死亡し、遺体の肉はねずみ男の手によってカツレツにされた。雑誌掲載時は「ヴォジャノイ」の表記だったが、文庫版では「ヴォジャーイ」になっている。
『異聞妖怪奇譚』ではドラキュラ、チーの仲間として登場。
エキセル(砂妖怪)
中央アジアの砂漠に住む砂の妖怪。風によって形や大きさを自由に変えることができ、砂に紛れて襲いかかったり、相手を砂の底に流してしまう「流砂流し」という術を使ったりする。五百年前にマタ山の聖地を襲って聖マリーに壺の中に閉じ込められたが、ねずみ男によって解放された。ぬりかべに水をかけられ泥のようになり、動けなくなったところを再びマリーの壺に閉じ込められた。
なお、砂かけばばあの遠い親類に当たる。
カリーカ
声 - 内藤玲(異聞妖怪奇譚)
『鬼太郎の世界おばけ旅行』に登場。中世の頃からフランスの森の館に住む人間の姿をした妖怪。黒魔術を使い、人間の魂を奪って蝋人形に入れて操ることができる。彼自身も普段は彼そっくりの蝋人形の影武者を動き回らせており、本物は館の振り子時計の形をした呪文コンピューターの中に隠れている。マリーという少女の両親を誘拐し、偶然出会ったマリーに助けを求められた鬼太郎たちを館におびき寄せ(実は鬼太郎たちが会ったマリーはすでにカリーカに魂を入れ替えられ、操られていた)蝋人形の大群に襲わせるが、子泣き爺に蝋人形を制御する呪文コンピューターを破壊され逆上し館に火を放つ。しかし、砂かけ婆の砂で視覚を失っていたため方向を見失い焼死する最期を遂げ、カリーカが死亡したことで黒魔術が解け、マリーと両親は解放された。
ベルサイユの化け猫
パリのベルサイユ宮殿に夜な夜な現れた化け猫。孫と二人暮しの老婆を食い殺し、その老婆に成りすましていたが、鬼太郎にちぎられた尻尾がきっかけで正体を現し、ヨーロッパ妖怪の一団を率いて襲ってきた。鬼太郎の腹に潜り込んで絶え間なく鳴き続け衰弱死させようとしたが、覚悟の切腹のために突き立てられた刀によって命を落とした。
オシリス
エジプトの地下世界の実権を握っていた王。セトに魂を奪われ、霊魂爆弾の材料になってしまった。事件が解決して魂が解放された後も肉体は見つからず、結局王の地位は妻のイシスに受け継がれた。
イシス
エジプトの地下の王・オシリスの妻。オシリスがセトに倒されたため、復讐の機会を狙って潜伏していた。目玉親父とともにセトを倒し、その後オシリスの王権を受け継いだ。
セト
オシリス王に反逆しエジプトの地下を支配した。口から吐く光線を浴びせて様々な者から魂を奪い、一万の霊魂によって作られた霊魂爆弾を爆発させて、すべてを新しく蘇らせようと企んだ。子分に、ハヤブサの頭を持った者やジャッカルの頭を持った者、剣を手にしたケンタウロスのような者など、全部で五人の姿が確認されている。
鬼太郎の魂さえも奪ったが、目玉親父とイシスに鏡で光線をはね返され、抜け出した魂を捕えられた。その後魂は、二度と戻ってこられない地獄へ通じる川に流された。
トウエリス
カバによく似ている。皮だけになっており、中にはミイラが入っていたが、変装してセトに近づくため鬼太郎に持ち出された。しかしセトに正体を見破られ、中に入っていた鬼太郎は魂を奪われた。
マーメイド
原作『妖怪実力選手権大会』に登場。上半身は美女で下半身が魚の妖怪で、日本の人魚とも同系統ながら別種の存在。世界の妖怪が戦いながら太平洋(下田~アメリカ間)を泳いで横断する「妖怪実力選手権大会」のアメリカ代表。水を回転鋸のように操って相手を切断する「水ノコギリ」が得意技で、ブイイを両断して倒した後に鬼太郎とサシペレレにも攻撃するが、サシペレレと相討ちになり失格となる。
サシペレレ
原作『妖怪実力選手権大会』に登場。「妖怪実力選手権大会」の南米代表で、一本足でとんがり帽子を被った男性の姿の妖怪。パイプが好きでレース中も咥えている。体を回転して一本足でドリルのように穴を開ける技を持つ。巨大船に化けて自分たちを包囲・凍結したガマ仙人の船底(腹部)に穴を開け倒すが、マーメイドとの戦いで相討ちになり失格となる。
ケルピイ
原作『妖怪実力選手権大会』に登場。イギリス出身の馬の姿をした水棲妖怪。「妖怪実力選手権大会」のイギリス連邦代表。魔女と攻防していたところをブイイに呑みこまれる。マーメイドにブイイが倒されると魔女と共に体内から脱出、そのまま空中を泳いで鬼太郎より先にゴールするも、肉体をブイイの中に残した霊体だったことが判明し失格となる。
黒小鬼
ぬらりひょん達の助っ人としてスカンジナビアからやってきた妖怪。子供を霊界に連れ去ってコレクションにしており、合図一つで黒小鬼ジュニアにすることができる。また髪の毛を伸ばして相手を攻撃したりもするが、こちらは鬼太郎の毛針の敵ではなかった。鬼太郎のダブルゲタクラッシュを受けて降参し、国へ帰っていった。
砂男
ドイツからやってきた妖怪。黒子鬼やヨナルデパズトーリ、ブイイとはもともと知り合いだったようで、仲間の恨みを晴らすために鬼太郎を襲ったようなことを言っていたが、実際はぬらりひょんに協力して、最初から鬼太郎を葬るつもりだったようである。砂を撒き散らす「砂まき八方」や、地面に巨大な蟻地獄を作り出す「局地的大アリ地獄発生」という技を使う。鬼太郎の左目が開かれて満ち溢れた霊波を受け焼け死んだ。
家獣(やじゅう)
原作『家獣』に登場。小屋に一本足が付いたような姿の巨大妖怪。言葉は話せないが屋根の煙突から文字の煙を出して意思表示する。目玉おやじによると、魔女裁判の時代に日本に逃げてきて棲み付いたという。前述の通り知性はあるが人を食う凶暴な妖怪で、夜に町に現れて不良少年2名を飲み込んでしまう。ねずみ男がそれを目撃して鬼太郎と調査に向かうが、そこへ再び現れ2人も飲み込んでしまう。体内も普通の家のようだが、部屋が消化器官になっており、棘の付いた壁で鬼太郎や不良少年たちを押し潰して消化しようとするも、ねずみ男が苦し紛れに放った屁に反応して4人を排出する。その後もまだ諦めず「KILL」の煙を出して鬼太郎たちを追いかけるが、ゲゲゲの森の妖怪ツタの中に誘い込まれて身動き取れなくなり敗北。「SOS」の文字を出して助けを求めるも凶暴すぎるため許されず、魔力を封じる魔法陣で抵抗できなくされた後、妖怪ヅタの餌にされ退治された。
魔猫(まびょう)
声 - 高乃麗
原作『魔猫』に登場。巨大な黒猫の姿の妖怪。イギリスの有名大学に留学していた日本人女性・黒塚に憑依して日本に侵入、小学校教師となって生徒たちを洗脳教育し、政府の要職に就かせて日本を支配するという壮大な侵略計画を実行しようとした。しかし、クラスの劣等生の少年・横山丸男が真実を見抜く特殊な目の持ち主だったため、黒塚に憑依した魔猫の存在を察知し、鬼太郎に妖怪ポストで連絡。退治に乗り出した鬼太郎は丸男に変装して「秘法絵封じ」で魔猫の魂を封印しようとするが、黒塚の美しさに目が眩んだねずみ男が邪魔をしたため失敗し、正体を現し暴れ出す。魔猫はちゃんちゃんこやリモコン下駄も通じず鬼太郎を苦しめるが、体の九か所にある弱点を丸男に見破られ、そこへ鬼太郎の指鉄砲を撃ちこまれて絶命、黒塚は正常に戻った。
アニメでは第6作65話初登場。ただし原作とは違い、こちらは西洋妖怪でなく鳥取県出身の日本妖怪。目から発する催眠光線で相手を洗脳したり、爪から衝撃波を飛ばして攻撃する。郷土愛が強く、鳥取県から人が離れ寂れていくことが許せず、自らの手で鳥取を盛り立てようと暗躍。鳥取県知事の野沢に成りすまして県民を催眠光線で洗脳し、鳥取県を日本から独立させ「大鳥取帝国」を築いてしまった。しかし元から誰より強い鳥取愛を持つ庄司だけは洗脳が効かず正気を保っており、異変を感じて知事に立ち向かう。県庁に忍び込んだ庄司とまなに正体を見られた魔猫は、洗脳した鬼太郎親子と猫娘に二人を襲わせ、その間に自らが作った「うっとり鳥取」エキスを上空から散布し世界中を鳥取に染め上げようとするが、まなが投げたカニ爪が手に刺さってエキスを落とし、それが偶然にも庄司の口に入って飲み干されてしまう。最後はエキスの効果で鳥取力を増幅させパワーアップした庄司に体の九か所の弱点に鳥取愛を込めた攻撃を食らい叩きのめされ敗北、洗脳された人々も元に戻った。事件後は捕縛されるが庄司から庇われ「君の鳥取愛には負けたよ」と言い反省、鳥取住民たちを静かに見守るようになった。その後、本物の野沢知事は無事に救出され、「大鳥取帝国」も鳥取県に戻った。最終話では鬼太郎を応援する。
カニ妖怪
アメリカに住むカニの妖怪。日本における蟹坊主などと同系統の存在でもある。アメリカに妖怪博物館を作るため、剥製にする日本の妖怪をさらいに二匹でやってきた。巨大なハサミの他に、口から吐く泡も強力な武器で、これで相手を覆い団子状に固めてしまう。大事な目玉をつかまれて降参し、アメリカへ帰っていった。
ジェフ
アメリカからやってきたカニ妖怪の一人。人間に化けてねずみ男と親しくなり、紹介してもらった洋服屋の黒髪切りを誘拐した。しかし黒髪切りの作ったスーツは気に入ったのか、カニの姿になってねずみ男をさらった時は、しっかりと着込んでいた。魚と貝しか食べない。同じ類の大先生がおり、こちらは鬼太郎が年に一度使う「八幡まき」という術によって取り押さえられた。
ケルベロス
アニメ第5作では亀姫に飼われている三つの首をもつ西洋の舶来の妖犬。亀姫の城に侵入した鬼太郎を始末する為に差し向けられる。性格は極めて獰猛で、鬼太郎の髪の毛針を物ともせず凄まじい力で圧倒していたが、体内電気で倒された。
『妖怪千物語』では双頭。鬼太郎の強さを研究するため狼男に襲う演技をし、片方の頭を盾にし砂かけ婆の砂を見切るが、鬼太郎の指鉄砲で倒された。
魔犬
アニメ第5作に登場、狼男ワイルドの部下達。4眼の猛犬。
パンプキン
アニメ第5作で魔女ザンビアの部下達として複数体登場。ジャック・オー・ランタンのようなカボチャ頭で、鎌を持ち浮遊する。
首無し騎士
アニメ第6作でに登場したバックベアード城の兵士の一隊。全員頭部が無い甲冑の姿。「首無し騎士」は仮称で、正式名称は不明。剣や矛で戦う。登場場面はバックベアード城のみで、日本侵攻時には参戦描写がない。
奴隷妖怪 / 妖怪人間
アニメ第6作でブリガドーン計画によって人間が妖怪になった形態。黒い影のような人型で、別名「妖怪人間」(字幕等で表記)。この力で妖怪に変化した人間は心や意識に邪念も増幅されて邪気として体外に漏れ出るようになり、その邪気はブリガドーンのコアとなる魔女の周りにも渦巻く。本作で描かれた時点で、耳長たちの国・マレーシアの人間は既に妖怪奴隷にされていた。その後東京の調布市を中心にブリガドーン計画が実行され、(アニエスの好意で免れた)まなを除く周辺一帯の人間が全て奴隷妖怪となってしまったが、ベアードが鬼太郎に倒されてブリガドーンを発生させるアイテムだったアルカナの指輪が消滅すると同時に全ての奴隷妖怪は元の人間に戻った。その際発生していた邪気は名無しが吸収しており、まなにかける呪いの材料とされてしまった。耳長たちの弔いも兼ねて、後日にアデルとアニエスはブリガドーン計画に巻き込まれたマレーシアを訪ねている。

悪魔

ここでは、本編中で明確に悪魔と定義された存在を挙げる。上述の西洋妖怪の中にも悪魔属性に準ずる者たちがいる。

ベリアル
声 - 内海賢二(第1作) 大木民夫(第3作)、沢木郁也(第4作)、西村知道(第6作)、郷田ほづみ(異聞妖怪奇譚)
『悪魔ベリアル』(初アニメ化第1作30話)に登場。その魔力は「脳を持つ水爆」(子泣き談)に例えられる西洋悪魔。長い髪髭と突き出た顎が特徴。
明治元年にポルトガル商人に紛れて来日。だが到着早々に鞍馬山(アニメ第6作では大山)の烏天狗に見抜かれ、魔力を封じられて人間の老人同然の姿と能力で日本各地を放浪する破目になる。百年以上経った後、ねずみ男を騙して封印を解かせ、魔力が復活(この話でもねずみ男は敵に協力しているが、騙された上に術で操られてのことであり、裏切ったわけではなく、ゆえに誰からも責められていない)。烏天狗を地中に封じる報復をしたが鬼太郎に気付かれ、その挑発に乗り鬼太郎達が陣取る建物を各器官(目・耳・口・手・足など)が分裂した百倍ずつの塊に化けて包囲。が、鬼太郎に本物の器官を指鉄砲で撃たれて倒れた。他には物(貨幣や食物など)を出したり天候(霧や雷など)を操ったりする魔法や、妖気アンテナに似た能力を使っていた。アニメ第3作では来日は安政元年で、当時の烏天狗一族との戦いが安政の大地震の原因とされる。破った妖怪の妖力を自分に取り込む魔力を持ち、子泣き爺の岩石化能力とぬりかべの身体伸縮能力を奪って岩石巨人になる術も見せた。自分の弱点が記された「悪魔の書」を狙って妖怪図書館を襲撃したが、それを目玉おやじが解読、鬼太郎によって唯一つの心臓を剣で貫かれ倒れた。アニメ第4作ではねずみ男の屁を偶然本物の目に浴び苦悶して本物の器官を見抜かれ、それらを髪の毛針で撃たれて人間型に戻った所をちゃんちゃんこ包みで倒された。アニメ第5作では3D映画『ゲゲゲの鬼太郎 カランコロン3Dシアターじゃ』に登場。アニメ第6作では32話登場。西洋妖怪陣営の一員らしく、バックベアードには忠誠を誓っている。日本を支配するために明治初期に来日し、城を焼き地震を起こすなどの暴虐を働いたため、大山の烏天狗長老によって魔力を「やさかりの玉」に封印される。その後は無力な老人の姿で恨みを募らせながら150年近くを生き、現代でホームレス生活を送っていた。しかし小次郎がまなのために大山の霧を吹き飛ばした際に間違って封印の塚を崩し「やさかりの玉」を壊してしまったため、魔力が復活。長老や他の烏天狗を烏天狗の里ごと地下に封じて復讐を果たし、さらに駆け付けた小次郎を長老への報復が足りなかった分とばかりに痛めつけてまなも襲おうとするが、ベアードに呼ばれて中断する。ベアードから「アルカナの指輪」を手に入れることを条件に西洋妖怪幹部の座を約束され、境港の地に指輪を探しに来たアニエスと対峙するが、駈けつけてきた鬼太郎と戦いになる。百倍分裂の形態に変身して鬼太郎を苦しめるが、小次郎が会得した「心眼戒定慧」の術により鼻の塊に隠された心臓の場所を見破られ棍に貫かれて元の姿に戻り、鬼太郎の指鉄砲に眉間を撃ち抜かれて止めを刺され、消滅した。地下に封じられた長老たちは、アニエスの魔法によって救出され里も元通りになった。
週刊実話版では後日譚として以下の2話が存在。
「透明人間」ではまたも魂を封じた塚をねずみ男が弄って復活。彼の姿を買って実体を得たが、透明になったねずみ男が女子大生寮で悪戯した為に鬼太郎に発覚。再び魂になって鬼太郎に憑こうとしたが逆に魂を滅ぼされた。
続く「悪魔博士」ではベリアルの子孫を名乗る博士が復讐すべく登場。ものを変化させる光線を発明し、ねずみ男と組んで金庫破りを働いて鬼太郎を誘き出す。光線で鬼太郎を半ば石化したものの、完全に石化させるつもりがねずみ男が照射装置を誤操作して還元してしまい、蜘蛛に化け逃げようとした博士は鬼太郎に呑み込まれた。
『異聞妖怪奇譚』ではギーガに召喚された悪魔の一体として登場。
百倍分裂したベリアルの体
目球体
光線を発射する。
耳球体
第3作ではここに心臓があった。第6作では超音波を発する。
口球体
第3作では鬼太郎に弱点を伝えようとする猫娘を「黙れ!」と怒鳴りながら下敷きにした。第6作では強烈な悪臭の息を放つ。
鼻球体
鼻息で攻撃する。第6作ではここに心臓があった。
手球体
相手を掴んだり、投げ飛ばしたりする。
足球体
相手を蹴飛ばしたり、踏みつぶす。
ブエル
声 - 森山周一郎(第2作)、槐柳二(第3作)、島田敏(第4作)、龍田直樹(第6作)、中博史(異聞妖怪奇譚)
悪魔五十個軍団を指揮する大物悪魔。初登場は『悪魔ブエル』(初アニメ第2作33話)。
日本の荒れ寺に住み着き、一般人に「悪魔の手」を貸し付け悪事をさせていた。普段は禿頭に左右に向いた目をした気味の悪い人間のような姿に化けている。正体は丸い毛むくじゃらの体に、放射状に馬の脚が5本生えている不思議な姿をしている。手下の悪魔たちを召喚することができ、大軍勢で鬼太郎を苦戦させた。鋸を持っており、武器としても使う。最後は天の岩戸より蘇ったヤカンズルによって軍勢共々食べられてしまう。アニメでは後から呑まれた鬼太郎と胃の中で格闘するが、胃液で溶かされ、鬼太郎は無事脱出した。
第2作のみ正体のデザインが異なり、マントを着た小悪魔のような外見に変更されていた(配下の悪魔の中に、本来のブエルのような姿をした悪魔がいる)。人間体時は関西弁をしゃべる。休暇で来日しており、悪魔の手の移植は「難儀している者を更に難儀させる」趣味でしていた。
第3作では悪魔の手のせいで信用を失い絶望した人間達を配下の悪魔に変え、軍団を拡大しようとした。ヤカンズルの胃の中でブエルが倒されると、悪魔にされていた人間達は元に戻り、鬼太郎と共に排出された。
第4作では手術で移植していた過去作品と違い、相手の手に触るだけで悪魔の手にでき、その被害者に触られた者の手も変えてしまう(ねずみ男を経由して鬼太郎ファミリーのほとんどが悪魔の手に変えられて鬼太郎に襲い掛かってしまうが、一反木綿だけは免れた)。ぬらりひょんに同盟を持ちかけられるが拒否、彼の手も悪魔の手にしてしまう。ねずみ男は最初、彼を朱の盆(この回では登場せず)だと勘違いしていた。
第6作では33話登場。「悪魔の手」を使ったり、悪魔軍団を操る場面はなく、ベリアル同様に西洋妖怪軍団の一員という設定。普段は人里離れた山中の廃病院をアジトに、人間の解剖を趣味としているらしい描写がある。魔女アデルの命令を受け、少女・葛見やよい(くずみ やよい、声 - 相沢舞)の体内に出現した「アルカナの指輪」を摘出しようとするが、やよいを追ってきた白山坊とアニエスに妨害され正体を現す。手術用メスを武器に戦い、手に持って切りつけたり、5本の足を回転させながら無数に飛ばしたりして攻撃。やよいを庇った白山坊に深手を負わせ、とどめを刺そうとするが、駆け付けた鬼太郎とねこ娘の連携で霊毛ちゃんちゃんこパンチを顔面に喰らい敗北。しかし完全には倒されず、アデルからの退却命令で「いつか貴様も解剖してやるぞ、覚えておれ鬼太郎よ」と捨て台詞を残し、山の中へ消えて行った。白山坊は重傷を負うも命は助かり、やよいを守り抜いた姿が彼女の心を打ち、妖怪と人間の壁を超えて結ばれることとなった。
『異聞妖怪奇譚』ではベリアルと共にギーガに召喚された悪魔として登場。
ベルゼブブ
悪魔12使の1柱であり、羽に髑髏の模様が入った巨大なハエといった風貌をしている。
原作「死神大戦記」で地獄を占領した9柱の大悪魔の一員として初登場。衆合地獄を支配し、地獄の異変を探りに来た少年達を無数の小さな毒蝿に分身して襲う。その後少年達の用意した蝿捕り紙の罠にかかり焼き殺された。
原作「UFOの秘密」では鬼太郎の味方として登場。鬼太郎が地下人にミイラにされた際、目玉親父が中近東へSOS信号を送って招き、治癒方法など色々と知恵を借りた。相手をコンクリートを使って動きを封じる「金縛りコンクリート詰め法」なる捕縛方法を使う。
プルトー
元来はギリシア神話ローマ神話の冥界を治める神。本作では枯木のように逆立った頭部と鷲鼻が特徴。
原作「死神大戦記」で地獄を占領した9柱の大悪魔の一員として登場。叫喚地獄を支配し亡者を食べていた。ドラキュラや狼男を伴い、鬼太郎の持つ封印のひょうたんを奪おうとしたが、逆にその中に吸い込まれた。
妖怪千物語の西洋妖怪編では、悪魔総統デビルプルトーの名で登場。ベアードら西洋妖怪軍の儀式で降臨、絶望を植え付けられて妖怪樹の実と化した子供たちの魂を食べて完全復活し地上を地獄と化そうとした。腹中は地獄につながっており、その中の炎の山で食べた魂は消化される。だが一緒に食べられた鬼太郎が子供たちの魂に、心配する家族友人のことを呼び掛けて希望を取り戻させたため、希望の光に溶け地上から消えた。
ルキフェル
かつては天使長だったが、神に反逆して大悪魔となったとされる。サタンと同一視される場合も、彼に次ぐ別存在とされる場合もある。
原作「死神大戦記」で地獄を占領した9柱の大悪魔の一員として初登場、サタンの前に控えていた。鬼太郎と対決し、猛毒ヘドロの下駄を食わされ死亡。「地上絵の秘密」では多数の悪魔を率いる総大将。インカ人が築いた空中の楽園を占領した上、地上に光る船を飛ばして「天使として天国に招致する」と騙して美女を千人誘拐、夜ごと弄んだ。乗り込んで来た鬼太郎たちにも人質を盾に奴隷契約書を突きつけるが、隙を突かれて目玉おやじに脳を占領され「奴隷を解放する」発言に部下は混乱、その隙に鬼太郎たちは人質を解放。部下たちは地上へ逃げたものの、ルキフェル自身は拘束された。
ベヘモト
直立した象の姿をした悪魔。本来はユダヤ教由来だが登場作品「UFOの秘密」では南米に住んでいる。ベルゼブブの友人で、彼の紹介で来訪した鬼太郎が地下世界へ行くための魔法陣を操作した。
メフィスト
「悪魔くん」こと山田真吾と契約している、痩身の紳士姿の悪魔。多彩な魔力を使う。ビデオドラマ「魔笛エロイムエッサイム」にて、真吾や鬼太郎ファミリーと共にぬらりひょん一味に立ち向かった。
リニュー
「国盗り物語」に登場。
名称不明の悪魔
週刊実話版「猫娘」に登場。鬼太郎の部屋に置かれていたラテン語の魔本「解決の書」に召喚方法が書かれており、興味を持った猫娘に召喚されて現れた。胸と男性器に目が付いた奇妙な姿をしている。魔王のための生贄を集めているそうで、対話を試みた猫娘を連れ去ってしまう。

『死神大戦記』に登場する悪魔・妖怪・死神

サタン
この世とあの世を合わせて72人の死神を配下に従える西洋の地獄の帝王。もとは天国の天使長であったが、ある時宇宙神・大日如来の座を奪おうと反乱を起こし、地獄へ追放されたいわゆる堕天使(伝説でもそう伝えられている)。そして現在になって、大日如来の持つ「ユニコンの鏡」を奪い、太陽系全体を支配しようと企んだ。
鏡を取り戻しに来た鬼太郎達に手下の八人の死神をすべて倒されたため、阿鼻地獄に四次元の海を作り出して一行を溺れさせようとしたが、弥勒菩薩の力によって術を破られた。その後何でも吸い込む瓢箪の中に閉じ込められ、大日如来に宇宙へ追放された。なお当初の設定では、八大地獄のさらに奥にいることになっていたが、終盤になって突然阿鼻地獄(八大地獄の最後の一つ)にいることにされ、そのため八大地獄に対応していたはずの八人の死神も、実際には七人しか登場しなかった。
エリゴル
ゴエティアに書かれたソロモン王の72悪魔の一人。
サタンに仕える八人の死神の一人で、黒縄地獄を支配している。変身能力を持っており、ユニコンの鏡を取り戻しに来た子供達の一人・勇次郎になりすまして一行を崖の上に誘い出したが、正体を見破られて崖下の煮えたぎる油釜に落とされ、天麩羅になった。好物は死者の肉団子。
ブラックエンゼル
伝承では人間の男性を堕落させる女悪魔の最高長官と言われる独立部隊の一匹狼の悪魔で、サタンからの命令はあまり受けないとされているが、本作ではサタンに仕える八人の死神の一人。背に翼を生やした黒衣の女の姿をしており、化けガラスを破って等活地獄を手にいれた。口から炎を吐いたり首を伸ばしたりして、再度解き放たれた化けガラスと戦ったが、首で相手に巻きついたところを力押しで引きちぎられてバラバラになった。
フルフル
ソロモン72悪魔の一人。
サタンに仕える八人の死神の一人。名前が紹介されるのみで一切出番はなく、しかもいつの間にか倒されたことになっていた。どの地獄を支配していたのかも不明である。
モロク
ユダヤ・キリスト教で忌避される悪魔の内、代表的な悪魔の一人。牛の頭部を持ち、子供の生贄を要求する残忍な悪魔として知られる。
サタンに仕える八人の死神の一人で、焦熱地獄を支配している。焦熱地獄に足を踏み入れた子供達に、管轄外にも関わらず手を出そうとしたアスタロトと争い、相打ちになった。
アスタロト
ソロモン72悪魔の一人。
サタンに仕える八人の死神の一人で、大叫喚地獄を支配している。サタンの手下の中では最も優れた魔術師で、ユニコンの鏡を取り返しに来た子供達に毒入りの菓子を食べさせ、大水の幻覚を見せて狂い死にさせようとした。焦熱地獄の死神・モロクと手柄を巡って争い、相打ちになった。
ゲホール
サタンの依命係を務める炎の妖怪。その姿は姥が火に酷似している。あの世この世を問わず、どこにでも瞬間的に移動する力を持っており、ユニコンの鏡を取り返しに来た水木達の存在を知って、逸早くサタンに知らせた。
大海魔(だいかいま)
海に住むサタンの手下。死の島の霊魂を食べて口から猛毒性のガスを吐き、日本の漁船を襲っていた。好物のガソリンに釣られて鬼太郎を飲み込み、体内に点火されて爆発した。同時に喰われた霊魂も助け出された。
ドラゴン
プルトーの手下で、「半竜人(はんりゅうにん)」ともいう。叫喚地獄へ迷い込んだ水木しげるを捕え、プルトーの住む宮殿まで連れていった。
怪物
正式名称は不明。夕食までの4時間の間、食糧である亡者を閉じ込めておくプルトーの食糧庫から脱出を試みた水木が、100年ほど前に閉じ込められていた亡者が掘った穴を通じて出た場所に現れたキメラ型の怪物。蜂のような胴、蜘蛛のような6本の足、鳥の嘴のような口と翼、猫か鼠のような太い髭を持つ。水木に付いて来ていた子供たちを一人残らず捕食してしまった。

中国妖怪

中国から渡ってきた妖怪たちで、原作では『妖怪反物』でのチーとその一味、夜叉、ヒ一族の主・女夜叉などが挙げられる。アニメでは、原作未登場の中国出身の妖怪が多数登場する。また、中国出身と特定できる仙人道士も多数存在していて、それらは厳密には元々人間から転じて仙人に成れた存在か、分類的に妖怪に属する存在か作中では明確にはなっていない場合も多い(作中に登場した日本の仙人関係は#鬼太郎とその仲間たち#日本妖怪を参照)。

九尾の狐(きゅうびのきつね)
九本の尾を生やし、強大な妖力を持つ妖狐。霊獣の中でも代表的な瑞獣の類としても知られるが、本作の世界ではこの世に災いをもたらす凶獣である。
チー
声 - 富田耕生(第2作)、宮川洋一(第3作)、野本礼三(第4作)、島田敏(第5作)、茶風林(異聞妖怪奇譚)
中国妖怪軍団首領。飲んだ妖怪を反物に変える秘薬を持ち、その反物で作った服を着た人間を支配するという反物魔法を使う。他にも幻術や紙に描いた怪物を実体化させる術、毒気などを使う。普段は老人の姿だが、その正体は那須高原に封じられた大妖狐・玉藻前の弟であり、姉を封印された事で日本に対して憎悪を抱いている(後述の日本侵攻を行ったのは復讐も兼ねており、アニメ第3作劇場版では冒頭で殺生石と化した姉のもとを訪れ、敵討ちを誓っている)。毛並は白(第3作劇場版では、正体発現時は黒だった)でかなり大柄。初登場は『妖怪反物』。紅衛兵により山西省の妖怪パラダイスを襲われたため、手下を率いて来日し、手下や反物魔法によって操られた人間達を使い、瞬く間にチー城を建設してしまう。日本占領を着々と進めるものの、反物にした鬼太郎を日本妖怪勢に奪回・復元されたことから形勢逆転。チー城を燃やされた事により、毒気に変化して日本妖怪に襲い掛かった。最後はねずみ男に盗まれた秘薬で自らが反物化してしまう。その後、鉛の箱に詰められ、那須高原の殺生石の隣りに埋められた。
アニメ第2作では第2話登場。首にあった秘薬入りの袋を鬼太郎に奪われ、袋ごと口に入れられ反物化した。なお、第2作では「中国妖怪」という表現は無く(「チー妖怪」と言い換え)、それに関するエピソードも無い。原作やアニメ第2作では配下の妖怪に名前はついていなかったが、アニメ第3作劇場版『最強妖怪軍団!日本上陸!!』に登場した際にその内の3体に天狗妖犬山魈という名前が与えられた(第4作も同様)。また、同作品ではこの3体に加え、水木しげるの妖怪画を元にデザインされた画皮黒怪物くしゃみの精角端獣、他に甲冑と矛で武装した兵士妖怪が配下として登場している(第4作では孫悟空風の妖猿)。
アニメ第4作では第79・80話「中国妖怪襲来!」前後編に登場。玉藻前の弟であると同時に、九尾の狐一族の最後の末裔であることを本人が語っている。前作よりは陽気で飄々とした性格をしている。丸薬は干し苺に変更。人間態では拳法を使い、紙を使った妖術(紙魔法)や雷撃、広範囲に威圧、瞬間移動、部下の強化など様々な術に長け、戦略でも罠を用意するなど周到だった。反物にした妖怪を城から吊り下げ、その妖力を張り巡らせてそれらを吸い込み、後述の妖神を誕生させるなどのことも行った(これには部下たちも最初は引いていた)。なお、紙を丸めて覗くと望遠鏡にもできた。妖狐の正体発現後は尾で攻撃と格闘する場面が目立ったが、炎の術や青い狐火の集団は切り札として使っていた。尻尾を高速回転させて飛ばすこともできる。似た攻撃は天狐の部下、空狐も使っていた。最後の毒ガス攻撃は、今作では緑色。ガスの正体は長大に伸びた己の体で、炎を自身に灯す。ガスの状態でも、煙の輪を吐いて攻撃できる。干し苺を喰わされても行動できるが、尾の部分は毛針が決め手になるほど脆い。反物化された後は井戸仙人の住処の敷物にされた。
アニメ第5作では第63話「日本妖怪全滅!? 妖怪反物!!」から登場。三節根状の如意棒で妖怪を圧延するように反物にし、それを着物にして着る事でその妖怪の能力を使う事ができる。一度は鬼太郎らに敗れ退却するも、次は入念に準備をして鬼太郎を反物にすると宣言する。ぬらりひょん・バックベアードに次ぐ鬼太郎の宿敵扱いとなる予定だったが、100話終了までの出番はたったの2回で、正体を現す事もなく未決着に終わった。
アニメ第6作には登場せず、画皮もチーとの関わりは見られないが、アニメ作品で初めて玉藻前が登場した。
紙の精(かみのせい)
「妖怪反物」でチーが紙の絵を実体化させて呼び出した。原作やアニメ第2作では数種類の妖怪が空中から襲い掛かる。原作では日本の妖怪が描かれており、それぞれ一本ダタラ磯女海女房金山様の姿をしている。アニメ第2作では恐竜、人面魚、鳥頭蛇身、1眼の毛の塊といった姿。アニメ第3作・第4作では巨大な空飛ぶ竜・妖神(ようじん)として登場。原作やアニメ2〜4作ではいずれも紙ゆえに火で燃やされた。
第3作ではチーが最終決戦で切り札として呼び出した妖怪で、飲み込んだ毛針を敵に撥ね返す能力を持つ強敵。鬼太郎だけでは歯が立たず、援軍として呼ばれた火の妖怪勢(海月の火の玉、姥ヶ火、天火、つるべ火)をちゃんちゃんこに灯して竜に点火、そこに突っ込んだ画皮ともつれ合い(画皮を完全に絡みつき覆っていた)、共々チーの拠城に突っ込んだ。
第4作でも登場したが、夜行さんら日本妖怪の援軍が連れてきた輪入道たち(妖怪自動車の車輪)によって瞬時に燃やされてしまった。
アニメ第5作では画皮が鬼太郎の複製を3体作り出す。能力までも複製して本物を袋叩きにするが、猫娘に水を掛けられ溶けた。その他に、第二期オープニングや劇場版の宣伝ポスターで妖神に似た緑色の中国竜が登場するが、作中に登場することはなかった。
玉藻前(たまものまえ)
声 - 田中敦子
那須高原に封印された大妖狐。伝承では天竺王朝を滅ぼした後に日本へと渡り、玉藻前という美女に化けて鳥羽上皇に取り入り朝廷を破滅させようと目論むも、陰陽師安倍泰成により正体を暴かれ、最期は討伐軍の武将・上総介広常三浦介義澄により倒されたが、その後も毒気を周囲に撒く殺生石と化して人々を恐怖に陥れた(後に、玄翁と呼ばれる高僧により殺生石は退治された)。酒呑童子、大嶽丸と並ぶ日本三大妖怪の一角としても知られる。原作『妖怪反物』及びアニメ第5作まではチーの姉としてその存在が語られるのみで、作中には未登場(日本の妖狐族と接触していたかどうかも言及が無く不明である)。
原作『太古の秘密』では青木ヶ原で壺に隠れて生き延びており、霧状になって人間を遭難させたり、女に化けて男性を誑かしては精を吸い尽くし殺したりしていた。水木を誑かし、退治に乗り出した鬼太郎や行者をも真空切りなどで返り討ちにするが、胎内に入った目玉おやじを倒そうと二段真空切りをかけた際、生体内核反応を起こして自滅した。
第6作では第74・75話に登場。「大逆の四将」の一体であり、紅一点。普段は妖艶な美女の姿をしているが、その本性は残忍で冷酷。「ケケーン!」という甲高い鳴き声を発す。二千年以上も前から幾人もの王を誑かし悪事を行ってきた大妖怪で、八百年前に鬼道衆に退治されて地獄に封じられ、その魂は他の四将と共に地獄のパワーバランスを調整するための重石として利用されていたが、ぬらりひょんの手によって脱獄する。四将の中でも特に強力な存在であり、九本の尾から分身を作り出すことが出来るほか、空間を自在に移動したり強力な火炎弾を吐いたりと多彩な術を持ち、地獄の最下層の坩堝からエネルギー源を確保した後はダメージを受けても瞬時に再生してしまう不死身の能力まで得ている。八百年前の復讐のためか詳しい動機は不明であるが脱獄後に鬼道衆の里を滅ぼし、石動零を妖怪への憎悪へと駆り立てる原因となった張本人。現世と地獄の摂理を滅ぼそうと企み、世界各国の首脳を篭絡して日本を戦争の危機に陥れると同時に閻魔大王を倒し地獄をも制圧してしまう。地獄にて鬼太郎・零と対峙し圧倒的な実力で苦しめるが、アニエスとアデルにより霊的エネルギーの供給を断たれたことで不死身の力を失い、それでも金色の妖狐の姿となって襲い掛かるが、最後は仲間たちの魂を取り込んだ鬼太郎の捨て身の突撃に貫かれ敗北。魂は閻魔大王に引き渡され、同時に人間界でも首脳たちが正気に戻り戦争は回避された。
妖犬(ようけん)
妖力を持つ黒い。2種類登場している。
チーの部下
声 - 戸谷公次(第3作)、里内信夫(第4作)
「妖怪反物」に登場。直立して衣服を着た犬だが、牛のような2本角もある。原作ではチーが鬼太郎を反物にした際、日本勢に無条件降伏を迫る書状を送り付ける。最後は反物を盗んだねずみ男を天狗達と共に追って来た際、鬼太郎達に倒された。妖犬の名はアニメ第3,4作におけるもので、原作や第2作では名が出ない。第4作ではより大柄で、力も強く火を吐く。正確なコントロールで武器を投げつける。文武ともに前作よりも優れた部下のようである。棍棒を扱い、より牛に似た姿を持つなど、黒怪物の意匠も含まれている。
仙人の化身
声 - 清川元夢(第3作)
「妖犬」に登場。見た目は変哲も無い小型犬。ある少女に拾われ、親は最初飼う事を反対したが紛失物を見つけてくれたことで許可、クロと名付けられる。しかしそのうち両親はクロが妖しい力を使う様子を不気味がって鬼太郎に調査を依頼する。だがクロには鬼太郎達の術がまるで通用せず、何度も挑む彼らの前に仙人の正体を現す。仙人は人の姿より犬の姿の方が無欲で幸福に生きられると考え犬に化けていたが、飼い主達にも正体を知られた以上別の地でやり直す事にし、「戦うばかりが全てではない」と鬼太郎に言い残して去った。
アニメでは第3作第88話登場。ユメコに拾われタローと名付けられる。鬼太郎はユメコを狙う悪妖怪と誤解して強引に戦いを挑んだ。正体を現した後、弟子の怪物を鬼太郎に差し向ける。だが実はその怪物の正体はただの岩であり、戦いの強さに慢心しつつあった鬼太郎を諌め、戦う前に相手の本質を見抜くことと戦いの意味を考えることを教えるために目玉親父の頼みでしたことだった。
天狗(てんぐ)
声 - 若本規夫(第3作)
「妖怪反物」に登場するチーの部下。日本の烏天狗に似た顔をしているが別物であり、空を飛ぶ描写は無い。名はアニメ第3、4作におけるもので、原作や第2作では名が出ない。第4作では若干だが山伏風の、日本の烏天狗により似た風貌をしている。大団扇で風を起こす。部下の数と戦力の規模が第3作より明らかに小さい第4作では、妖犬や山魈と並んでチーの優秀な戦力となっている。
山魈(さんしょう)
声 - 小宮山清(第3作)、中井和哉(第4作)
「妖怪反物」に登場するチーの部下。3本角の鬼の姿。名はアニメ第4作におけるもので、原作や第2作では名が出ない。第3作劇場版では甲冑を纏い矛を持った小男の姿。角端獣に乗って出陣する。体が非常に硬く、猫娘の爪攻撃はおろか天邪鬼に岩で殴られても平気だった。また、天邪鬼を片手で振り回し投げ飛ばすほどの怪力の持ち主。最終決戦では鬼太郎の攻撃を受けた黒怪物が落とした棍棒の下敷きになる。
画皮(がひ)
声 - 松井菜桜子(第5作)、緑川光(第6作)
聊斎志異』に登場する、皮を被って美女に化けて男を誑かし食う妖怪。本作アニメ版では巨大な空飛ぶ頭だけの姿。
原作では画皮の名では登場しないが、雪姫編の『鬼妖怪』は聊斎志異の画皮の話を原案としている。画皮に相当する「鬼妖怪」は後のアニメと違い典型的な鬼の姿。
アニメ初登場は第3作の劇場版『最強妖怪軍団!日本上陸!!』で、中国妖怪軍団の一体として登場。言葉を話さないがチーの命令には従順で、黒風の息やその巨体で日本妖怪達を苦戦させた。最終決戦では火に弱い妖神のサポートに回ったが、鬼太郎と火の妖怪達の連携攻撃によって妖神竜もろとも燃えたままチーの妖怪城に突入してしまった。ここでは変身しない。
第5作では第76話登場。チャイナドレスを着た美女に化けて登場。「ミンメイ」と名乗り、ねずみ男や南方妖怪5人衆(アカマタは洗脳されかけるも鬼太郎の友情を思い出し正気に戻り、知らせに行く途中でチーに捕まり反物にされた)に近づき、彼らを惑わせ鬼太郎を倒すように唆した。また、色気だけでなく眼力で洗脳する術も持っている模様。なお、猫娘に化けの皮を剥がされると正体に幻滅した南方妖怪の洗脳が解けた。その後は自ら突風の息や紙に描いた絵を実体化させる術で戦うが、最後には鬼太郎のチャンチャンコ旋風に敗れる。その直後、戦いを傍観していたチーによって反物に変えられた。
第6作では第26話登場。チーとは無関係。美少年の姿に変身(皮は被らない)して人間を誑かし、魂を喰らう妖怪という設定。封印されていた巻物を砂かけ婆が保管していたが、子泣き爺が知らずに持ち出したことで、離婚が原因で男性不信になった母親(声 - 井上喜久子)の言いなりになっていた女子高生・山本ゆうな(声 - 桑島法子)の手に渡ってしまった。画皮はゆうなの唯一の理解者(本心ではゆうなを利用していた)となるが、人間の魂を食べなくては力を保てないためにしばらくして姿が薄れ始め、ゆうなに恋する幼馴染・内田(声 - 落合福嗣)やクラスメートたち、さらには無関係の人間の魂を喰っていく。鬼太郎に居場所を知られた画皮は逃げ出すが崖まで追い詰められ、戦闘に突入。鬼太郎を巻物で締め付けるが、自分もちゃんちゃんこに首を絞められて苦しみ、ゆうなに助けを求める。そこへゆうなを追ってきた母が来ると、彼女を崖へ投げ飛ばしてしまい、「お前を裏切った(同僚男性の渡辺(声 - 沼田祐介)と交際を始め態度を急変させた)母より私を助けろ」とゆうなに命令するが、母の方を助けたために激怒し、正体を現して親子もろとも魂を食おうと襲いかかるが、駆け付けた砂かけ婆の毒砂を食らって苦しみ、鬼太郎も巻物から脱出。目からのビームや長い舌で攻撃するが、全く歯が立たず鬼太郎に眉間を指鉄砲で撃ち抜かれ消滅し、魂を抜かれた人々も全員元に戻った。事件後は、母親は自分の勝手な性格と今までのゆうなに対する素行を反省し謝罪した後、ゆうなと母親は和解し、ゆうなは「誰かの言いなりになっちゃいけない」「辛くても何が正しいかちゃんと自分自身で決めるしかない」という教訓を得て、お互いに自分の進むべき道を見つけて幸せになろうと母親と誓った。
黒怪物(くろかいぶつ)
声 - 塩屋浩三
アニメ第3作劇場版に登場するチーの配下。黒い毛皮に覆われ牛のような顔をした巨体の獣人。意のままに巨大化することが可能。棍棒を振り回して暴れるが、最終決戦では復活した鬼太郎の毛針で目を潰され苦しんでいるところへ画皮に激突されて倒された。その際に棍棒を落として仲間の山魈を潰してしまった。原作では城を燃やされる時チーが見せた幻影の中に黒怪物と似た顔がある。
くしゃみの精
声 - 丸山裕子
アニメ第3作劇場版に登場するチーの配下。バックベアードを小さくして手足と2本角を付けたような姿。口が付いた4つの塊に分離して噛み付く攻撃を得意とし、分離した際に1体がネコ娘のスカートの上から尻に噛み付くなどして彼女を悩ませた。最終決戦では砂かけ婆に分離して襲いかかろうとするも、再結合を封じる妖怪砂を浴びせられ、慌てて元に戻ろうとしたために爆発・消滅した。
角端獣(かくたんじゅう)
アニメ第3作劇場版に登場するチーの配下。伝承では麒麟の一種。ユニコーンのような1本角を生やした黒い狼のような姿で、その角でかまいたちの攻撃も跳ね除ける。最終決戦では子泣き爺に背中に乗られて振り落そうとするが、そのまま潰され消滅した。
虎男(とらおとこ)
声 - 田中一成、高塚正也
アニメ第5作に登場したチーの配下で、黄虎と白虎の毛色をした二人組の獣人。チーによって妖怪を反物に変える如意棒を与えられており、ねずみ男と取引をして妖怪横丁のほとんどの妖怪達を反物に変えてしまうが、最期は反物の鬼太郎で作られた着物を纏い妖力を強化したかわうその水柱に飲み込まれ倒された。特殊な武器を与えられていたとはいえ、鬼太郎ふくめ多数の日本妖怪を短時間で撃破した猛者。
夜叉(やしゃ)
インド起源の鬼神だが、本作では中国妖怪として登場。何種類か登場しているが、大きく2つに分けられる。
髪の毛型
声 - 杉浦宏策(第1作)、槐柳二(第3作)、田中和実(第3作96話)、橋本晃一(第4作)、大友龍三郎(第5作)、秋元羊介(第6作)/ 演:ソ・ジソブ
長い毛髪の塊だけの姿をしており、他者の魂を抜き取る能力と音楽による催眠術を使う。初登場は貸本「下宿屋」(墓場鬼太郎の登場人物参照)。
雑誌連載(少年マガジン)初登場「夜叉」(初アニメ化第1作2話)では人間に化け(アニメ第1作では死体に乗り移り、第3,5作ではスランプ中の音楽家[注釈 67] を唆し憑依、第4作では人形を操っていた)、ギターの音色(第5作ではバイオリン。第3作の目玉おやじによる解説では、昔は琵琶を使っていた)で子供を誘い寄せ、抜いた魂を食べようとした。音楽催眠術で鬼太郎をも操り魂を奪ったが、目玉おやじの活躍で魂が戻った鬼太郎の逆襲を受けて正体を現し、最期はマッチで(第1作では妖怪ランプに)火を点けられて倒された。なお、マガジン版での人間体は「墓場鬼太郎」の夜叉が相打ちになったドラキュラ四世そのもののデザインであった。
第3作では第10話に登場。普段はカツラに化けており、鬼太郎の妖怪アンテナにも反応しなかった。魂を食べることで作曲し(魂1つで楽譜1小節)、モーツァルトビートルズの曲も実は自分が作ったと語っているが真偽は不明。ねずみ男に宿主のワタルが失神させられた事で正体を現すが、最期はねずみ男の放屁を利用した火炎放射で焼き尽くされた。
第4作では第3話に登場。地下鉄構内を住処とし普段は墓場で捕らえた魂を食っていたが(食いカスは住処の縦穴にいる死霊に与えていた)酔って絡んできたねずみ男の魂を奪い食べたことで腹を壊し、「どんな痛みも忘れるほど美味い」と聞いた子供の魂を奪って食べようと画策。追って来た鬼太郎を死霊に食わせようとしたが、最期は自分が死霊に引きずり込まれてしまった。
第5作では第3話に登場。目玉おやじ曰く「人間の醜い心から生まれた邪悪な鬼」であり、過去に鬼太郎に倒されたが再び現れ、復讐を企んだ。魂を抜いた者を分身にして操ることができ、囮として利用することで鬼太郎を撹乱。コンサート会場の観客を分身に変えて鬼太郎を追い詰めたが、宿主の小夜子が良心の呵責に耐えかねて裏切り、分離して鬼太郎に襲い掛かるが体内電気を食らって消滅した。
第6作では第86話に登場。魂ではなく生気を奪う妖怪で、生気を吸われた人間はミイラのように干からびて昏睡状態に陥ってしまう。音楽催眠術は使わず、クリスマスにサンタクロースの姿で街に現れ、近づいてきた子供たちを次々に餌食にしていた。大翔の生気を奪い、現場に居合わせた蒼馬とまなを始末するために執拗に追跡。蒼馬からも生気を吸い取り、残るまなも追い詰めるが、鬼太郎とねこ娘に阻止されると同時に別の目撃者の通報を受けた警察に逮捕される。しかし、宿主にしていた人間を留置所に残し脱走、再びまなを追い詰めるも再度鬼太郎たちに阻止され正体が判明する。鬼太郎を毛髪で締め付けるが体内電気を食らい、更にねこ娘の爪で寸断されて消滅し、生気を奪われた子供たちも元に戻った。
1980年代『最新版』では、マガジン版の夜叉の甥や姪で構成された夜叉一族が登場。筆頭の夜叉姫をはじめ普段は人間体だが、甥たちは動物と合体した姿のゾウ夜叉・トラ夜叉・クマ夜叉・タカ夜叉に変身し、更に五人が合体することで巨大な夜叉獣になる。レンタルビデオ店を経営し、見た者の魂を抜く妖怪ビデオ(死神が使う墓石カプセルを夜叉一族が盗み出し、妖怪音楽と妖怪映像の技術を組み合わせたもの)を貸し出して大量の魂を集め、更にテレビ放送で妖怪ビデオを流すことで日本征服を企んだが、ビデオに取り込んだ鬼太郎の魂によって阻止され、最後は夜叉獣になって鬼太郎を飲み込むがそれが仇となり、妖怪原子炉の最大パワーによって倒された。
実写劇場版『千年呪い歌』では常に人間体の姿をしており、ぬらりひょんの客分として登場。楽器は二胡で、弓を剣として使用し、ぬりかべをも貫く破壊音波を放ったりする。弦を螺旋状の針にして飛ばす攻撃を多用し対峙した子泣き爺を追い詰めたが、最期は鬼太郎の体内電気で倒された(小説版では、倒された後に髪の毛が本体だったことが明かされる)。
女夜叉(おんなやしゃ)型
声 - 津田延代(第3作)
頭(額から上)が大きく猪のような顔をした、水木の妖怪画で「女夜叉」とされている型。
初登場は「血戦小笠原」で地中を移動できる吸血妖怪「支那夜叉」として登場(後の収録本では単に「夜叉」と表記)。欲張って大量の血を吸って動けなくなった所に吸血妖怪綿を被せられ、倒れた。その初アニメ化第1作52話「吸血妖怪団」では呼称「吸血夜叉」で男性。牙を伸ばして突進攻撃を仕掛けたが海に落ち、吸血妖怪綿の餌食になった。
「妖怪危機一髪」(アニメ化第3作91話)では「女夜叉」の名で登場。妖力に強い抵抗力を持つ「ヒ一族」を作り出し、日本妖怪を料理した(アニメではぬいぐるみ化した)店を出させ日本妖怪絶滅と金儲けの一挙両得を計画。鬼太郎をも加工させたが、ヒ一族を作る際に利用した金蚕虫を目玉親父らが解放し、それに噛まれて死亡する。
アニメ第5作では第二夜オープニングに登場していたが本編に登場することはなかった。
ヒ一族(ヒいちぞく)
声 - 塩屋浩三(父)、川島千代子(母)、荘真由美(娘、以上第3作)、勝生真沙子(第4作)
「妖怪危機一髪」(アニメ化第3作91話)で妖怪の天敵として登場した一族。その実態は中国の妖怪女夜叉が育てたが特殊な毒虫「金蚕虫」の糞で変化したもの(金蚕虫は、色んな毒虫を集めて缶の中で共食いさせ1年間育て残った1匹に「アダダ」という数百年に一度生えるという霊草を与えて飼育されることで生まれる)。夫婦と幼い娘の3人家族で、妖怪達を次々に襲って食肉(アニメではぬいぐるみ)に変えてしまうが、女夜叉が倒されると元の蛭に戻った(アニメではちゃんちゃんこ竜巻で海に落とされ、海水で毒が抜けて消滅した)。
アニメ第4作最終話「絶体絶命!死神の罠」では、かつて妖怪界を乗っ取ろうとした一族とされており、一族の巫女が死神を唆して共に鬼太郎たちを葬り、今度こそ妖怪界を乗っ取ろうと企む。原作「死神」の魔女と同じ役回りで鬼太郎の母親に化けて毒を盛り、毒殺を図ろうとするが、アゲハ蝶(の姿を借りた鬼太郎の母親)が地獄にある解毒草を持って来たために失敗する。原作、3作目と違いその正体は白蛇の化身で、正体を現して鬼太郎を追い詰めるも、アゲハ蝶の攻撃を受けて巫女の姿になった所を霊毛ちゃんちゃんこで倒された。
半村良の著書などに同名の一族が登場しているが、誕生経緯や行動目的などは異なり関連は不明。
長江の水虎
初登場は『妖怪ラリー』(初アニメ化第1作54話)。中国代表として妖怪ラリーに出場。「長江の水虎」はアニメ第4作での呼称で、原作やアニメ第1・3作では「水虎」(第5作ではスイコ)と呼ばれている。日本妖怪として登場した水虎とは同系統の妖怪ながら別種の存在。ラリー自体の勝敗にはあまり興味が無く、毛沢東語録(アニメ第1作では論語に変更)の通りにレースを行えれば満足であるらしい。原作ではレース序盤でビリになっても毛沢東語録を読みふける程だが、毛沢東語録に「グレムリンには負けるな」と書いてあるのを見て、相手の燃料を抜くという荒業に出る。レースでの最終的な成績には触れられていない。アニメ第1作と『妖怪千物語』では『水虎』に登場した同名の妖怪同様に体が水状。第1作では他の選手と共に鬼太郎を妨害する際にその能力を使ったが、ガソリンの炎で焼かれる。『妖怪千物語』では液体を体に取り込んだり再分離したりする能力があり、グレムリンの車から抜いたガソリンで爆弾を作って鬼太郎に投げ付ける。最後はベアードの妨害で崖に激突した。第3作のラリーでは橋を渡る際、先に渡ったフランケンに橋ごと落とされリタイア。第4作第64話「激争!妖怪ラリー」でも登場。こちらでは特にクローズアップされる事もなく、ほとんどの話のあらすじは第1作と一緒だが、ぬらりひょんの凶悪な策略に乗せられて、世界中の半数以上の妖怪共々凶悪粉(凶悪静電気の粒子)によって凶暴化させられていた。が、レース中では特に鬼太郎と敵対するような行動は見られなかった。第5作ではアトラクション映像『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪JAPANラリー3D』に登場しナルシストで「美しい」を連発、氷雪地帯コースで体が凍結してリタイアした。
鬼妖怪
原作『鬼妖怪』に登場。中国から日本に来た妖怪で、女性の皮を被って美女に化け男性を誑かす。原型は『聊斎志異』の画皮。病気の女性を装って鬼太郎に介抱されるが、鬼太郎たちが外出した際に皮を脱いでいるところを見られ、正体が鬼であると発覚。道士に相談した鬼太郎は武器のしゃもじを渡され鬼に挑むが、しゃもじを奪われて返り討ちに遭い、手足を切り離された上に肝を奪われてしまう。雪姫と目玉おやじに助けを求められた道士との戦いで、叩かれて煙になり瓢箪に吸い込まれて退治される。その後、鬼太郎は糞仙人の助けにより復活するが、一連の事件は道士が鬼太郎の実力を調べるために仕組んだものだったことが明かされる。
逆さ首(さかさくび)
新編『逆さ首』に登場。平田篤胤の『稲生物怪録』にも記された中国出身の妖怪で、逆さまになった女の生首の姿をしている。作中では「逆さ首三姉妹」と呼ばれる金髪の三姉妹。現在は山林王の山田家の倉に守り神として住み着き、富を授け栄えさせてやる代わりに若さと美貌を保つため、若い娘を捧げさせ生き血を吸おうとする。美しい歌声を聴かせることで獲物を誘き寄せ倉を覗いた少女を捕える。口から血を吸う管を出す他、火炎を吐くこともできる。また、催眠術で相手の上下の感覚を狂わせ、髪の毛で宙に持ち上げて落下させるという戦法も取るが、こちらはあらかじめ逆立ちしていれば防ぐことができる。身寄りが無く孤児院で生活している少女・よし子が山田家で住込みメイドとして働くこととなったが、実は最初から生贄目的で採用されたに過ぎず、逆さ首の倉に閉じ込められ絶望の果てに泣き崩れる。その泣き声を聞いたヤモリやカナブンが鬼太郎親子に伝達し、鬼太郎やねずみ男が駆けつけたことにより鬼太郎を迎え撃つ。最初は、催眠術で上下感覚を狂わせ混乱した鬼太郎を空高く持ち上げ、マムシの巣に落とし鬼太郎を葬り去ったと見て山田の屋敷に引き揚げる。しかし、鬼太郎はマムシの毒を体内に収めながら生き延び、屋敷に突入し今にも血を吸われそうになっていたよし子を助け出す為再戦。2度目の催眠術は防がれてしまい、今度は炎で焼き殺そうとするが、鬼太郎はカメレオンの術で土と同化して逆さ首の目を欺きちゃんちゃんこと下駄で攻撃する。それらが撤退するとよし子の血を吸うが、戦いの間に本物のよし子はねずみ男に助け出されており鬼太郎が変身して入れ替わっていた為、先述のマムシの毒に侵されていた鬼太郎の血を吸ってしまったことで絶命した。守り神を失い今後の生き方を悩む山田は、鬼太郎から警察に殺人未遂を内密にする代わりに、罪滅ぼしとして今まで手に入れた財産を全て孤児院に寄付しそこで世話役として働くことを命じられる。
刑天(けいてん)
声 - 青森伸
頭部が無い代わり胴の前面が顔になった巨人の姿の妖怪。
第4作102話に登場。中国でも1、2を争う凶暴な妖怪で、現れる所全て破壊されるという。相手を妖気で捕らえ傀儡と化す「キョンシーの術」(雷で解ける)、口からの炎、眼からの石化光線「石睨みの術」も使う。500年前に茶伊那道士によって封印されていたが、男女2人組の泥棒が封印の棺を盗み、日本に運ぶ途中で2人は棺から漏れた妖気の餌食になり船は難破、漂着した棺に寄って来たねずみ男を唆し封印を解かせ(普通の人間では絶対解けないが、彼程度でも妖気がある者なら解ける)復活。猫娘達をキョンシー化して鬼太郎を襲わせ、自身は茶伊那を襲い石化・粉砕する。だが茶伊那の霊魂が起こした雷で猫娘達のキョンシー化は解け、鬼太郎を石化しようとしたが元々石だったぬりかべに防がれ失敗し、鬼太郎に額へ護符を貼られミイラ化し再封印される。封印の棺は茶伊那の霊魂とカラス達によって中国に戻された。茶伊那は数千年来の付き合いと言っており、過去にも封印と解放が何度か繰り返された模様。ねずみ男は猫娘達の怒りを買い、キョンシーのふりをして逃げて行った。
花魄(かはく)
第5作第96話「怪奇ロマン!妖花の誘い」に登場。巨大な花の妖怪で、妖花に誘われたまゆみ(声 - 西村ちなみ)を触手で捕らえようとした。
竜仙人(りゅうせんにん)
竜のような顔を持つ中国の仙人。雷虎仙人のライバルだったが、相手の仙界支配の企みを知って来日。鬼太郎に事の次第を話し、助けとなる水晶玉を托した。杖の先端から発する炎で雷虎仙人の護符を焼き、鬼太郎達を助けた。また髭を伸ばして動かしたり、巨竜の姿に変ずることもできる。その後ミステリーサークルについて鬼太郎達から相談を受けた時は、そこを掘れという簡潔なアドバイスをした。
雷虎仙人(らいこせんにん)
虎のような顔を持つ中国の仙人。同じ中国の竜仙人のライバルだったが、千五百年に一度の戦いに敗れ、その恨みから自らの妖力を高めるために来日。強い妖怪三十人を喰らってその力を奪い、竜仙人を倒して仙界を乗っ取ろうと企んだ。護符を用いた術に長けており、相手の命を奪って操ったり、大量の護符で直接体を縛り上げたりする。また巨大な虎に化けることもでき、三十人目の妖怪である鬼太郎を一呑みにしてしまった。さらに電気ムチや仙術に用いる杖などの武器も携帯している。妖怪や人間の肉に小さな護符を混入させた「加護加護まんじゅう」を売って自分の手下を増やしていたが、竜仙人の助けを得て復活した鬼太郎の毛針ミサイルを受け、一枚の護符と化して消滅した。
道士
原作『鬼妖怪』『妖怪実力選手権大会』に登場。中国から日本に来た道士。木の葉でできた衣を着ている。
糞仙人
原作『鬼妖怪』に登場。中国から日本に来た仙人。とぐろを巻いた大きな大便のような頭部を持ち、修行と称して全裸で肥溜めに漬かっている。鬼妖怪によってバラバラにされた鬼太郎を唯一元通りに出来る人物として道士が雪姫と目玉おやじに紹介した。雪姫から助けを求められると彼女に自分と一緒に肥溜めに入るよう言い、さらに自分の痰を飲むよう要求する。雪姫が我慢して言うとおりにすると姿を消し、痰は雪姫の口から飛び出て鬼太郎の体内に入り、体を修復する。さらに雪姫たちが鬼太郎の切り離された手足を縫い合わせて、鬼妖怪から取り返した肝を戻すと鬼太郎は復活した。
ガマ仙人
原作『妖怪実力選手権大会』に登場。『妖怪関ヶ原』に登場する日本の仙人とは別人で、変身術が得意。「妖怪実力選手権大会」の中国代表として出場、遠泳で巨大船に化けて他選手を閉じ込めた上に凍らせたが、サシペレレに腹を蹴破られ脱落した。
茶伊那道士(ちゃいなどうし)
声 - 石森達幸
第4作102話に登場した齢数千年の道士。目玉おやじ達とは旧知の仲で、本編では200年ぶりの再会。500年前に封じた刑天の棺が持ち出されたので追って来日した。刑天を封じる護符を作れるのは茶伊那だけであるため、再度護符を作ったところを襲われ石化・粉砕された。だが霊魂と護符は残っており、猫娘達にかけられた刑天のキョンシーの術を雷で解き、護符を鬼太郎に託して再封印させる。霊魂のままカラス達に刑天の棺を運ばせ帰国した。砕けた体も約300年で復活するという。

南方妖怪

東南アジアオセアニアアフリカ中南部などの熱帯亜熱帯地方出身とされる妖怪達。日本妖怪でも亜熱帯である南西諸島小笠原諸島の者が属している場合がある。

チンポ / ポ /チンさん
声 - 滝口順平(第3作)、古川登志夫(第4作)、岸尾だいすけ(第5作)、杉田智和(第6作)
三連の陰茎から出すジェット噴射並みの小便とガス爆発級のを武器にする南方妖怪。原作での登場は「鬼太郎の世界おばけ旅行」にて。ドラキュラ親分の依頼で眼の移植用に目玉親父をさらうが、鬼太郎側にドラキュラの約10倍報酬(2万円)を払うと約束されて寝返った。気のいい田舎者の妖怪。
アニメ初登場は第3作劇場版。アカマタら南方妖怪のリーダー格で、日本征服のためにぬらりひょんと同盟を組んだ。最後は鬼太郎の反撃で暴走した蛟龍の激突で大型船を沈められ、ぬらりひょんと共にモーターボートで脱出を図るが、仲間割れをしたために岩礁に激突し、飛んで逃亡(ぬらりひょんは爆発でどこかへ飛ばされたため、この時点では行方不明となった)。第4作の劇場版にも登場。前作とは逆にアカマタの手下だが、相変わらず三連の陰茎を用いた能力を持っており、この作品では火炎をマシンガンのように連射する技を披露している。最後はリーダーのアカマタが鬼太郎と和解したため、彼と共に島へ帰った。前作より肌の色が黒ずんでいる。三連の陰茎が最大の弱点。
その名称と外観上の特徴ゆえに、アニメ第5作以降は時代の変化で描写に規制が掛かるようになった。
第5作では南方妖怪5人衆の一員として、「」と改称されて登場。屁で空を飛び、口から超音波のような物(自称「ポービーム」)を出して攻撃する。語尾に「〜ポ」と付けるのが特徴で、ボケキャラクターとして描かれた。他のシリーズと違い三連の陰茎を見せて直接使う描写は無いが、人質にした一反木綿をふんどし代わりに捲いたことがある。
第6作では第3作に近い色調だが、肌は赤みが強い(OP映像で綱引きをしており、股間は着衣していないようだが丸毛の扇子で隠れている)。従来のアニメシリーズと違い、正義感が強く友達思いな性格。故郷の村を豊かにするため、金を稼ごうと来日するが、裸のままなので逮捕されてしまう。目撃したまなの知らせで鬼太郎たちが身元引受人になり、彼らの提案でタオルを腰に巻き「チンさん」と名乗って(本名は原作と同じらしいが、言おうとするごとに描写上はぐらかされ、登場時の表記も一部隠される[注釈 68]。公式サイト登場妖怪紹介ページやエンディングの声の出演クレジットでも、通称となった「チンさん」と表記されている。)物流倉庫会社に就職する。だがそこは外国人労働者への差別待遇が酷く、鬼太郎たちの忠告もあって耐え続けてきたが、親しくなった同僚パウロ(声 - 蟹江俊介)が過労で倒れ見殺しにされそうになり、限度に達し服を脱ぎ捨て暴れた。駆け付けた鬼太郎たちやまなの説得で、人間や日本を嫌いになったりはしないと怒りを鎮めた。この件で経営陣による差別待遇と大半の日本人従業員による虐待行為が露見して、メディアに報道された物流倉庫は閉鎖(関係した加害者側日本人たちが公に罰せられた事も示唆されている)になり、パウロは病院に搬送され一命を取り留めた。チンさんは鬼太郎たちに見送られて新しい職場へ飛び立って行った。描写上は股間が巧妙に隠される表現なので、原作や歴代のように陰茎が3本あるかは本編では明かされず、最後の飛ぶ場面も一見普通に妖力で飛んでいるようだが、直後に三つの虹が現れた事に原作の3本陰茎から出るジェット噴射並みの小便の存在も暗示されてはいる。まなにはこの時点で本名が上手く伝わらなかったため、彼女から再会したらいつか改めて本名を教えて欲しいと言われている。最終話では境港から鬼太郎を応援するが、相変わらず陰茎が隠れていた。
なお、チベットに暮らす彼と同名で千里眼を持った三つ目(特殊な超能力を持つ人間との解釈がなされている)のラマ僧が存在するが(詳細は「墓場鬼太郎の登場人物」の項を参照)、この南方妖怪との関連などは不明。
水木しげるオリジナルの南方妖怪で、ドラマ『鬼太郎が見た玉砕 〜水木しげるの戦争〜』では原作の設定に近いチンポのイラストが出てくる。
水木しげるは力作のつもりだったが汚く不快だからか騒いでもらえなかったと発言している[16]
アカマタ
声 - 北川国彦(第1作)、宮内幸平(第3作)、古谷徹(第4作)、立木文彦(第5作)
原作『妖怪軍団』、アニメ第1作第39話、第3作劇場版、第4作劇場版に南方妖怪として登場。日本征服のためやし落としや他の南方妖怪軍団と共に来日。老人の姿で登場するが、死体に憑いているに過ぎず、他のものに寄生して活動する魂だけの妖怪。口から粘液を吐き、触れたものから生気や妖力を吸収する。鬼太郎に粘液を逆用されて固められたが、それをいじったねずみ男に寄生。鬼太郎の生気を吸いにかかるが吸収し切れず爆死した。その際に宿主のねずみ男も腹が裂けたが、砂かけの縫合で一命を取り留めている。第3作劇場版ではチンポの部下のひとりとして登場。倒されるまではほぼ原作通りだが、老人の死体に寄生していた旨の言及はない。第4作では大海獣(ゼオクロノドン)を祭る南方妖怪リーダー格。不老不死の秘薬として大海獣を探す人間を憎み、鬼太郎の妖気を奪ってエキスを飲ませ大海獣にした張本人。元に戻った鬼太郎との戦いで逆に妖気を奪われ負けを認めた。鬼太郎とは和解し、手下と共に島に帰ったが、人間への警戒は続けている。
第5作では伝承通りに沖縄の蛇妖怪として登場。原作よりやや若い雰囲気の人間型だが、舌や服に隠れた下半身が蛇形態。第25話の運動会で南日本の選手として登場。他のシリーズと違い、運動会などで鬼太郎にライバル意識を持っているが命を狙うような敵ではなく、第30話で夜行さんから送られた応援要請の手紙を受け取っている。だが、同じように手紙を送られた、大天狗、雪女郎、河童たちは応援に駆けつけたのに対し、彼だけ応援には駆けつけなかった。一応南方妖怪5人衆だが、上記の出来事から鬼太郎と戦うことは望んでおらず、妖怪樹脂で固められた鬼太郎たちを自力で妖怪横丁に運んで助けたり、南方妖怪5人衆を帰らせるための助言をしたりした。第94話では命がけでシーサーや沖縄の人々を守るために鬼太郎と共闘したことで妖怪四十七士の沖縄代表に覚醒した。その際は、鬼太郎の体内電気と四十七士の力を融合させた光輝く巨大な蛇を使用、吸血樹を一撃で噛み砕いた。覚醒後は南方妖怪と別れ、再び沖縄でシーサーやキジムナーたちと暮らす。
第6作では第2ED映像に描かれており、他の妖怪たちと共に森の陰からまなと蒼馬を見ていた。
やし落とし
声 - 山下啓介(第3作)、郷里大輔(第4作)、山本圭子(第5作)
原作『妖怪軍団』、アニメ第1作39話、第3作劇場版、第4作劇場版、第5作に南方妖怪として登場。アカマタと共に登場する南方妖怪の一員。ヤシの木を頭から生やした奇妙な顔の妖怪。ヤシの木に擬態し、木陰に来た人に実を落とし気絶させる。植物を操る力も持つ。アカマタが敗れた後に弔い合戦に出るが、植物の妖怪なので炎に弱く、つるべ火の攻撃に耐えられず正体を現す。正体はヤシの木の根元に目が付いたような姿をしている。最後は、鬼太郎の毛針で両目をやられつるべ火の体当たり攻撃で全身が燃え焼死、2名がやられたことで船に控えていた他の南方妖怪軍団は形勢不利と見て日本を去った。第3作劇場版ではチンポの部下のひとり。頭の椰子の木を振り回して突風を起こし、椰子の実を弾丸のように飛ばす攻撃を使う。植物園におびき寄せた鬼太郎を一度は倒すが、最後は植物を操っているところを原作通りつるべ火に火を放たれ倒された。本作では植物妖怪の形態は見せず、片言の日本語を話す。第4作劇場版では弱点はそのままで、鬼太郎が逸らしたキジムナーの炎を喰らい焦げた状態で正体を現す。最後はアカマタが降参したため彼と共に島へ帰った。第5作では南方妖怪5人衆の一員。落としたヤシの実をすぐに樹へ成長させる能力を持つ。しかもこの樹には周囲を温暖化させる上に、実の果汁にも強力な回復効果がある。この温暖化の機能によって71話では北海道から東京の太平洋方面にかけて南国ムードへ変え、76話ではグアムを猛暑で包み込み鬼太郎をバテさせており、南方妖怪が目標の地を制圧する為に欠かせない存在。他シリーズと違い、木の部分以外は子供のように小さな(あごヒゲがあるが)妖怪として描かれている。これは5人衆が並んだ構図のバランスを考慮したため。
第6作の第2エンディングでは、アカマタたちと共に森の陰にいた。
アドバラナ
声 - 高戸靖弘(墓場)
仮面を付けた様な顔の南方妖怪。
『鬼太郎夜話』ですき焼きパーティーの入口で姿を見せており、他にも『おばけナイター』の内野手、『朧車』のおばけの国の国会議長、『吹消婆』のレフェリーなど、時々登場している。
貸本版では、おばけ大学に入学して番長格も務めていた(初アニメ化第10話)。
妖怪樹(ようかいじゅ)/吸血樹(きゅうけつじゅ)
声 - 山崎草介[17](第1作)、郷里大輔(第3作)、川浪葉子(第5作)
『血戦小笠原』(初アニメ化第1作52話「吸血妖怪団」)に登場する、意志を持った吸血樹木。籠状に絡んだ枝の中央に一眼がある姿で、枝や根を伸ばして血を吸う。南の島(原作では小笠原の母島)のジャングルに住む。樹齢は数千年に及び、妖怪血液の不足で体調が低下したため、ドラキュラ博士と組んで恐山妖怪血液銀行の血液を奪う。それで若返って全盛期の力を取り戻し太平洋を征服しようとした。実を結ぶまでに至るが、鬼太郎達によって焼き払われた(アニメ第3作では仲間達の妖力を集めた鬼太郎の体内電気で粉砕された)。
アニメ第4,5作では呼称「吸血樹」で、「妖怪樹」は別の話に登場(第4作はぬらりひょんの妖怪植物兵器で、「悪魔くん」の「なんじゃもんじゃ」が原型。第5作は運動会の障害物)。第4作104話では吸血島に住み、ぬらりひょんに利用される。本来の部下であるランスブイルやアササボンサンの血まで吸って実を結ぶが、原作同様焼き払われた。第5作94話では沖縄に住み、千年前に封印されていたがザンビアが復活させた。キジムナーを人質にしてシーサーに毒を打って操り、四十七士のフリをさせて鬼太郎達を襲わせ血を吸った。だがアカマタの生気を分与された鬼太郎の髪の毛剣で粉砕された。
『妖怪千物語』では西洋妖怪軍団の兵器。さらわれた子供達の絶望を植え付けられた魂を吸収し、それで生った果実が悪魔総統デビルプルトーへの捧げ物にされた。
妖怪樹 / 吸血樹の芽
親株が焼けた灰の中の種子(アニメ第3作は破片)から大量に発芽し鬼太郎一行を包囲した(第1作では発芽しなかった)。上半身は1眼の人間型で下半身は根。地上部を何度切ってもすぐ再生したが、目玉親父が呼び集めた根切り虫に根を食われ(第4作では化け鯨に海水をかけられ)枯れた。その後の第4作106話では、「妖怪ノイローゼ」に冒された鬼太郎の恐怖心から生まれた幻影妖怪軍団の1人として再登場している。第5作では親株が健在なうちに手駒として生み出す。原作のような個々の再生力はないものの、次々に発芽して鬼太郎達を追い詰めた。
ペナンガラン
声 - 風間信彦(第4作)、麦人(異聞妖怪奇譚)
マレーシア出身、頭部と胃だけの空を飛ぶ吸血妖怪。伝承ではお産の途中で死んだ妊婦が変じる妖怪、すなわち元人間だが、本作ではその面影はない。
初登場は『血戦小笠原』(初アニメ化第1作52話)。ドラキュラに率いられて恐山の妖怪血液銀行を襲った吸血妖怪の一体で、根菜のような胴体の蛇といった外観。子泣き爺らに捕縛され、盗んで胃に入れていた妖怪血液を、吸血妖怪綿に血を吸い尽くされていた鬼太郎の復活に使われた。
第4作では「アジアの最強吸血妖怪三人衆」の一員。ぬらりひょんに騙され、吸血樹を守る為に鬼太郎を助けに来た妖怪達を襲う。だが、原作同様捕まり、吸血なまこに食われた鬼太郎の復活に使われた。妖怪血液を盗んだという設定は無く、始めから体内に詰まっていた(目玉親父によれば、他の妖怪を襲ったらしい)。
『ペナンガラン』(アニメ化第3作第87話)では被った者を踊り狂わせた獅子頭・鏡獅子(かがみじし)に憑いていた寄生妖怪。旧家の倉に封印されていたが泥棒に封じ札を剥がされ復活、その家の娘を取り込んで強盗を働いた。鬼太郎にも手足を操ったり火を放ったりして苦しめたが、ちゃんちゃんこ竜巻に巻かれ娘を分離した所で獅子頭を撃ち割られる。そこで正体を現し(『血戦小笠原』のものと違い、毛の塊に大きな口が付いた外観)鬼太郎に飛びかかったが、リモコン下駄で敢え無く失神、再封印された。
第6作57話では、日本で吸血鬼事件が起きた際にアニエスから名前のみ語られるが、牙の跡を残さないため事件とは無関係だった。
アササボンサン
声 - 中井和哉(第4作)、竹本英史(第5作)
西アフリカに伝わる吸血妖怪(原語に近い表記はアサンボサムまたはササボンサム)だが、姿はニュージーランドの先住民マオリ族の造形物を参考にしている。初登場は『血戦小笠原』(初アニメ化第1作52話)。ドラキュラに率いられて恐山の妖怪血液銀行を襲った吸血妖怪の一体で、全身に縞模様が走った派手な姿をしている。粘り気のある樹液ガムを常に噛んでおり、戦闘時にはそれを吐いて攻撃してくる。小笠原のジャングルで鬼太郎一行を襲ったが、ぬりかべの体内に塗りこまれた。
第1作では樹液のようなものを吐いて攻撃する。最後は一反木綿に巻き付かれ、木から落下してしまった。
第3作では「南海の吸血妖怪一族」の一体で、粘着力のあるゲル状の物体を吐いて攻撃する。ねずみ男にデク人形野郎と呼ばれており、登場後すぐに原作同様ぬりかべの体内に塗り込まれてしまう。
第4作では「アジアの最強吸血妖怪三人衆」の一員で、紫色の粘液を吐いて攻撃する。
第5作では「南方妖怪5人衆」の一員で、5人の中で最も大柄。樹液ガムはより強力な「妖怪樹脂」となり、鬼太郎の動きを封じ、砂かけ婆の砂を煎じた熱湯風呂でようやく溶かされた。
第6作では57話でアニエスから名前のみ語られたが、ペナンガランと同様の理由もあって、その回で起きた吸血鬼事件とは無関係だった。
ランスブィル / ランスブイル
声 - 坪井章子(第1作)、江川央生(第4作)、千葉一伸(第5作)、小宮和枝(異聞妖怪奇譚)
お産の為に死んだ女性が変化したとされる南方の吸血妖怪(原語に近い表記はラングスィル)。本来は女性の妖怪なのだが、アニメはシリーズによっては男性としても登場する。初登場は『血戦小笠原』(初アニメ化第1作52話)。ドラキュラに率いられて恐山の妖怪血液銀行を襲った吸血妖怪の一体で、ギョロっとした目に口から生えている牙が特徴。その牙は竹槍をも噛み砕くが、子泣き爺の石頭には折れてしまった。また第1作では長い舌を槍のように刺すが、子泣き爺の石頭で舌を折られてしまう。原作では呑み込んだ目玉親父に胃を攻撃されて降参し、第1作ではぬりかべに覆いかぶさられて倒される。第4作では「アジアの最強吸血妖怪三人衆」の一員。第5作では「南方妖怪5人衆」のリーダー格。舌を用いた攻撃が得意で、巨大な氷の塊をも瞬時に粉々に切り刻んだ。一味の突っ込み役もまかなっている。『異聞妖怪奇譚』では南方から来た魔女として登場。
妖花(ようか)
「妖花」(初アニメ化第1作)に登場。一人暮らしの若い女性・花田花子(アニメ第5作では寮住まいの女生徒・まゆみ、第6作ではまなの大伯母・沢田淑子)の部屋にひとりでに咲いた蔦状植物の花で、人間界でも知られている種類だが本来は南方のもので日本では育たない(第6作では人間界でも知られていない)。調査を依頼された鬼太郎は妖気と種を運ぶ風から親株の場所を探り、花子(第5作ではまゆみ、第6作ではまな)と共に船出、太平洋戦争で戦場だった孤島に辿り着く。
親株の根元からは花子の戦死した父(アニメ第1作では両親)の遺骨が見付かり、彼(ら)の思いが花子を見守るために花を咲かせていたことがわかった。第3作以降のリブート編では、その都度戦争からの経年が増しているため妖花の送り手と受け手女性の間柄等は変更されている(第3作ではおじ、第4作では祖父母、児童小説「水木しげるのふしぎ妖怪ばなし」では曾祖父、第5作では戦争と無関係に船舶事故で亡くなった父)。第6作では、妖花の源の神木が見つかり、根元には弔われないままの戦没者たちの多数の遺骨が発見された。その遺骨の一つが淑子と結婚を誓っていた恋人・総二郎のもので、握りしめていた手紙から、淑子との結婚に反対した親によって戦地に送られてしまい、連絡をとることも叶わずこの地で戦死したことが明らかになる。その手紙は、まなによって淑子のもとに届けられ、淑子も総二郎が自分との約束を忘れず、妖花となって自分のところへ帰ってきていたのだと悟り涙を流した。まなは学校の歴史の授業で学んだ以上に太平洋戦争の悲惨さを知り、二度と戦争を起してはいけないと痛感した。
原作「妖花」やアニメ第4作では妖怪戦はないが、第1作では小鬼の集団、第3作ではがしゃどくろ、第5作ではアグリ、森の霊、グハが妖花の森の番人として鬼太郎たちの前に立ち塞がった。第6作では精霊・トゥブアンが神木を伐採しようとする業者に対して戦時中の音を出し脅していたが、鬼太郎たちとは戦っていない。
吸血鬼ピー
声 -鈴木泰明(第2作)、大竹宏(第3作)、屋良有作(第4作)、茶風林(第5作)、山崎たくみ(第6作)
『まぼろしの汽車』(初アニメ化第2作25話)で登場。ワニが反り返ったような体型に二本の足が生え、尾の先に手首が付いているシャチホコに似た姿をした南方の吸血妖怪(アニメ化第5作では西洋妖怪として登場。ただし、バックベアードの配下ではない)で、祖先の血で作られたシルクハットと靴を着用しており、策略や妖術に長けるが、鐘の音を嫌う(鐘の音に弱い理由は、「吸血鬼の祖先はコウモリであり、音波に過敏になる為」と第3作で目玉おやじが説明している)。女吸血鬼モンローを従えて来日し、ねずみ男に「悪魔の血」を飲ませて吸血鬼化させ、近隣の小さな村の住人の殆どを吸血鬼にして作った吸血解放区を足掛かりに、下僕の吸血鬼を媒介して日本征服を企む。鐘を逆利用して鬼太郎を閉じ込め、蒸し焼き肉団子にした上で吸血鬼化させるが、目玉おやじの呼び出したまぼろしの汽車によって計画は総崩れとなり、あっさり自分の負けを認めて南方へ帰る。アニメ第3作では第61話で登場。荒々しい性格になっており、尾の先の手から光線を撃ちだしたり噛付いた相手を吸血鬼化させる能力も持ち、鐘の音に対しても抵抗力がある。約百年前に棺に封じ込められて母国から追放され、その状態で日本へ流れ着いて古い教会の地下で長き眠りについていたが、来日したモンローがねずみ男を唆して棺を開けさせたことで復活し暴れ出す。最期はまぼろしの汽車によって元に戻った鬼太郎に倒され、再び棺に封印されて川に流された。第4作では第9話で登場。身体能力が高く、エビ反りや枝から枝へ飛び移れるなど体型を利用した軽業が使える。廃線となる汽車の乗客へのワインのサービスを装ったモンローによって、吸血鬼化の薬をねずみ男や行商をしている老婆・お蝶(おちょう、声 - 達依久子)たちに飲ませて吸血鬼化させ山奥の雪泊村(ゆきどまりむら)を制圧し、鬼太郎までも偽の手紙で誘き寄せて吸血鬼に変え、汽車で吸血鬼たちを町へ運びネズミ算式に増やすことで日本支配を企んだ。偶然ねずみ男が土中に埋もれかけて元に戻れたことで吸血鬼化を解く方法が判明し(フグ毒に関する迷信がモデル。この方法で後に雪泊村の住民は全員元に戻った)、最後は機関車ごと崖崩れに埋もれたことで元に戻った鬼太郎に髪の毛網で捕縛され、吸血能力が消えるまで首だけ出た状態で土に埋められることになった。第5作では第43話で初登場。祖先の血で作られたシルクハットを使ったブーメラン技「ピー・エレガント」を武器とするが、戦闘力自体は低い。西洋からモンローと来日し、人間界で「ミステリートレイン旅行」を企画して、参加した人間の生気を吸って美貌を保とうと企んだ(ただし、ピーを美形と思っているのは妻のモンローだけ)。生気を吸った人間をマネキンの姿にして操り、鬼太郎たちもマネキンに変え、奪ったちゃんちゃんこの霊力を我が物にするが、目玉おやじやネコ娘たちが取り戻したちゃんちゃんこによって鬼太郎が復活。列車の屋根の上で戦うがあっさり敗北、マネキンにした者を元に戻した上にケガをしたまま列車の運転もする羽目になった。その後第54話で再登場するが、旅行の最中で敵意は全く無く鬼太郎たちに混じってトマトジュースをモンローと2人で飲んでいた。吸血鬼エリートに関する情報を話した後、そのエリートが現れたため2人で慌てて逃げ去った。第6作では第93話で登場。生み出す下僕の吸血鬼は厄介(妖怪が吸血鬼化すると妖力もそのまま受け継がれる)だが、ピー本人は弱いと目玉おやじは語っている。東南アジアの山奥からモンローと来日し、ねずみ男に祖先の血で作られたシルクハットを被せて吸血鬼化させ、それを足掛かりに吸血鬼化パンデミックを引き起こした。下僕の吸血鬼を多数の吸血コウモリに姿を変えさせて感染を爆発的に広め、鬼太郎たちを含む世界中の人間や妖怪を吸血鬼にしてねこ娘と目玉おやじの二人だけが残る状況にまで追い込むが、目玉おやじの呼び出したまぼろしの汽車によってねずみ男にシルクハットを被せる直前の過去に遡ったねこ娘にモンローと一緒に倒されて消滅した。同時期に西洋妖怪達が世界中の吸血妖怪に人間の生き血を集めさせてバックベアード復活を企てており、本件の直後である第94話でカミーラとヴィクター・フランケンシュタインもピーの出身区域である「東南アジアまで出向いた」と語っていることから、この件との関係性が示唆されている。
名前の「ピー」は、タイではお化けや妖怪等の総称を意味する。
モンロー
声 - 渡辺典子(第2作)、向井真理子(第3作)、百々麻子(第4作)、川浪葉子(第5作)、色川京子(第6作)
ピーの妻(アニメ第3、4作では結婚しておらず側近)であるマリリン・モンロー似の女吸血鬼。原作とアニメ2作ではマリリン・モンロー当人の血を吸った際にそっくりになったとの事。ピーの計画を補佐し、原作とアニメ2、3、6作では魔法医だと偽って重傷の鬼太郎をピーの元へ運び吸血鬼にさせ、4、5作ではウェイトレスなどを演じて列車の乗客に吸血鬼化(5作はマネキン化)の薬を飲ませる。5作ではピーのことを「ダーリン」と呼び惚気る描写が多いが、妖怪としての戦闘能力は歴代でも高く、爪を伸ばしてネコ娘と互角に対決している。原作とアニメ2、5作では鬼太郎たちに負けた後はピーと共に日本を去る。4作では鬼太郎たちに負けた後でピーと共に吸血能力が消えるまで首だけ出た状態で土に埋められた。3作では鬼太郎たちに倒されてピーと共に棺に入れられ川に流された。6作ではねこ娘には全く敵わず瞬時に倒されてピー共々消滅した。
アンコールワット亡霊
鬼太郎の登場しない水木の短編『アンコールワットの女』を原作としたアニメ第2作第10話に登場。その名の通り、4年に一度の2月29日の夜にアンコールワットに現れ、若い娘を連れ去る亡霊たち。江戸時代初期にシャムタイの旧称)を訪れた日本人武将・山田長政の子孫やその配下の落武者姿の亡霊も多数存在している。
第5作では直接登場はしないが、4年に一度アンコールワットに現れる亡霊たちを描いた映画「クメール遺跡の亡霊」の撮影が沼御前を呼び寄せ、その後も「クメール遺跡の亡霊」の映画がリメイクされる度に同じ事を誘発していた事件が第5話で描かれた(詳細は先述「アニメ第5作初出」の「沼御前」の項目を参照)。
第6作では第91話に登場。52年前に新婚旅行でアンコールワットを訪れた舞台演出家の本郷柊作(ほんごう しゅうさく、声 - 野田圭一)とその妻の女優・沙羅(さら、声 - 久川綾)が事件に巻き込まれる。その4年後に本郷は事件をもとに製作した舞台「アンコールワットの霧の夜」を上演するが、公演初日に沙羅が自ら毒を飲み死亡。彼女が死に際に残した「…霧の夜を思い出して」という言葉を聞いた本郷は答えを見つけるため、死期を悟った48年後に舞台を再び上演。結局答えは見つからなかったものの、終演後に沙羅の魂がまなに宿り理由を説明する。実は本郷と沙羅はそれぞれケムラとワランの生まれ変わりで、400年前にケムラが行ったことに対するワランの復讐だったことを語られ、「霧の夜」ではなく「裏切りの夜」だと本郷は気づき、自分へのワランからの呪いの言葉だったということを知る。前世の罪を後悔する本郷に沙羅はようやく贖罪の苦しみが終わることを伝え、直後に息を引き取った本郷は沙羅と共にあの世へ旅立った。
オイン
声 - 柴田秀勝(第2作)、竹内良太(第6作)
亡霊のリーダー。山田長政の息子。
第2作では留守中に村を滅ぼされ、霧の中で敵から逃げて来た自分の娘を誤って斬り、激しく動揺した末に配下たちと共に討たれてしまった。以来400年間、亡霊になり命日である2月29日に娘を探し彷徨っていたが、鬼太郎の活躍で村の井戸に隠されていた娘と再会し成仏した。
第6作では妹・ワランを誤って手にかけてしまい、深い贖罪の気持ちで成仏できずに亡霊となり、生まれ変わったワランの魂と会えることを信じて400年間も霧の中を彷徨っていた。ワランの生まれ変わりである沙羅と遂に出会い、あの夜の全てを知ると「望みは叶う、もっとも相応しい形で」という言葉を残し敢えてワラン(=沙羅)の魂を連れて行かず、目の前で愛する者を失う苦しみを本郷(=ケムラ)に味わわせる復讐の時を待ち、52年後に沙羅と贖罪を終えた本郷の魂を連れて成仏する(和解する形になったことが示唆されている)。
トンボ
声 - 大竹宏
第2作でオインの村に住んでいた身寄りのない老人。実はシャムを乗っ取ろうとして山田長政に討たれた人物の子孫が悪霊と化した姿で、その復讐に村が滅びた時にオインの娘の遺体を井戸に隠し、オインたちが成仏できないように仕向けた。長年の修行で生者のように振舞うこともでき、村の廃墟を調べに来た鬼太郎を冷たい井戸に落とし殺す(この時冥途の土産にと村が滅びた経緯を語った)が、魂をちゃんちゃんこに移して一時的に亡霊化した鬼太郎にオインの娘を見付けられ、オインに真相を伝えられる。杖で鬼太郎に殴りかかるが髪の毛針を喰らって井戸に落ち、消滅した。
ワラン
声 - 久川綾
第6作のオインの妹。オインによって誤って斬殺され、本郷の妻・沙羅に生まれ変わる。オインと再会してからは徐々にワランとしての記憶や感情が沙羅に蘇り、アンコールワットを訪れた4年後に舞台「アンコールワットの霧の夜」の初回上演中に服毒自殺する形で、ケムラへの復讐を成し遂げる。その後、沙羅の魂は48年後にまなの体を借りて本郷の前に現れ、死期の迫った本郷に前世の罪と贖罪の終わりを告げた後に彼と共に成仏した。
第2作ではオインの血縁ではなく森本(もりもと、声 - 野田圭一)という日本人青年の恋人(声 - 野村道子)で、4年前に亡霊にされてしまうが、鬼太郎たちの活躍で助けられて蘇生する。なお、森本は第6作でも第2作と似た境遇で52年前の回想シーンに登場する(声 - 掛川裕彦)が、6作では恋人の名はソリカ(声 - 祖山桃子)といい、ソリカも第2作でのワラン同様に、一度亡霊にされかけるも鬼太郎たちに助けられて蘇生している。オインたちの村が滅びた経緯はソリカの見た夢という形で鬼太郎たちに伝えられた。
ケムラ
声 - 野田圭一
第6作のワランの恋人。彼の裏切り(戦いを不利に感じ、自分とワランを助ける条件で敵と通じ村の井戸に毒を入れた)によってオインの村は全滅した。本郷の前世であり、本郷はワランの復讐によって沙羅を失い、48年の間苦しんだ末に肺癌に侵され死期を迎える。最期は沙羅の魂に許され、亡霊の一人に加えられてオインや沙羅と共に他界した。
ガマ人
声 - 増岡弘はせさん治、他(第2作)
アニメ第2作第16話「南からの招き」に登場。ニューギニアに住んでおり、その名の通りガマガエルが擬人化したような容姿の妖怪。テレパシー能力がありテレパシーを送った人間に思い通りの夢を見させ通信することができる。また、大海獣ゼオクロノドンと同じように自分たちの血を輸血された人間を同じガマ人に変えられる。ニューギニアでテレパシー能力を持つ怪物が発見され、ヤマト大学の教授・埴輪博士(声 - 矢田耕司)率いる調査隊が派遣されることになる。その一員である疋田シュンイチ(声 - 山田俊司)は、毎晩のようにニューギニアを歩き奥へ奥へと入っていくと水かきの付いた手に沼の中に引きずり込まれるという不思議な夢を見ていた。彼の相談を受けた鬼太郎も、調査隊に加わりニューギニアへ行くことになる。そこで鬼太郎はガマ人と化した日本人たちと出会う。彼らの中には戦時中に行方不明になった疋田の父親(声 - 増岡弘)もいた。彼は、終戦間際に流れ弾に当たり瀕死の重傷を負ってしまいオボンギ沼の中へ倒れこんでしまうが、ガマ人に助け出され輸血を受けて一命を取り留めガマ人となり第2の人生を送っていた。息子に会いたい一心で、遠く海を越えた故郷までテレパシーを送っていたのだ。部落に住んでいた人間たちも飢饉に襲われ、ガマ人に食料を分けてもらっている内に皆ガマ人になってしまったのだという。人間たちに秘密を知られたら大騒ぎになり人間に滅ぼされてしまうだろうと考え、自分たちの秘密を守るために調査隊員や鬼太郎たちを皆ガマ人に変えようとしたが失敗し、最後は博士に自分達ガマ人の秘密を人間に発表しないでほしいと頼み、博士は平穏であることを気遣い一切沈黙を守ることを約束する。そして、シュンイチも父親と同じガマ人となりニューギニアの秘境に残りそこを第2の故郷にすることを決める。何の成果もあげられず、更に調査隊の一員である疋田が行方不明になった事から、埴輪教授に責任を追及する声が上がるなどマスコミの非難を浴びているニュースをテレビで見たねずみ男は大変憤慨しテレビ局へ文句を言いに行こうとしたが、目玉おやじに「知る人ぞ知る、それでいいんだよ」と制され、鬼太郎も疋田親子が幸せに暮らすにはこれが最善だったと考え、幸せに暮らせることを願っていた。
ブードー
原作『鬼太郎の世界お化け旅行』第16話に登場。ケニアで信仰されているブードー教の神(ブードゥー教では神の事を「ロア」と表現する)で、本作に登場したブードーの神はアラブ風の服装をした一つ目の獣人形態をしている。小便には生物を溶かす力があり、かけられた相手は巨大なナメクジのような姿に変わった後に液体となってしまう。鬼太郎一行が乗っていた飛行機がハイジャックのためケニアに不時着した際、ねずみ男と傘化けが現地のブードー教の祭りで流れていた秘曲を日本へ持ち帰り、それをレコードにして売ったことを「歌を盗まれた」と憤慨して来日。ねずみ男に歌の返還を求めるも相手にされなかったため、報復として自分の小便を満たした箱の中にねずみ男を投げ込んで溶かしてしまう。その後鬼太郎と戦い、彼にも小便をかけて溶かすが、液体状態でも動ける鬼太郎に巻き付かれて締め上げられ降参。鬼太郎とねずみ男を元に戻し、鬼太郎もねずみ男に歌を返させることを約束したためケニアへ帰った。
ラグレシア
声 - 竹内順子(異聞妖怪奇譚)
『国盗り物語』に登場する、巨大な吸血花の妖怪。ムーの唯一の地上財産である南方の島に棲む巨大な吸血花。現地の人間の女性を捕えて奴隷にしており、さらに多くの花を従えている。植物ではあるが、根を地面から引き抜いて移動することもできる。武器はオシベから噴き出す大量の花粉と、ムチのように動く毒針付きのメシベ。さらに花弁を回転させてノコギリのように相手を切断してしまう。島に上陸した鬼太郎一行を騙して眠らせ、一網打尽にしようと企んだが、毒娘の血を大量に吸って枯れてしまい、その後火で焼かれて止めを刺された。
アグリ / 森の霊 / グハ
それぞれ第5作第96話「怪奇ロマン!妖花の誘い」に登場。孤島のジャングルに出没する。森の霊は南方の原住民族の仮面や伝統の装いを模した姿(第6作にも登場する南方の精霊・トゥブアンと似た姿)で、毒の吹き矢を大量に放ってくる。島の番人であるグハは沼に住む巨大な妖怪(赤舌や蛟竜、水木しげるの描いた川越城の守護神(龍)ヤナに似た姿をしている)。
トゥブアン
南の島に棲む古い精霊。二足と黒く細い円錐形の頭で、胴と頭頂部は木の葉に覆われている。
アニメ第6作第20話に登場。棲んでいる島で伐採作業を進める日本の業者に対し、毎夜、太平洋戦争中の兵士たちの喧騒や銃声などを再現し聞かせて脅していた。妖花の起源を求めて島を訪ねた犬山まなや鬼太郎たちも音を聞いて驚くが、日本兵の霊に導かれたまなが妖花の源の御神木と、その下に眠る島で亡くなった日本兵の遺骸を発見し、トゥブアンたちがそれらを守っていたことが判明する。ねずみ男に連れて来られた業者の現地責任者が神木の伐採は諦めると約束し、トゥブアンたちはまなから礼を言われると静かに姿を消した。その後、戦没者たちの遺骸は島の日本兵たちの慰霊碑に埋葬された。
マレーシアの妖怪たち
アニメ第6作27話登場。彼らの故郷は日本に先んじてバックベアード軍団の侵攻を受け、住んでいた森を焼かれた上にブリガドーンが発動(この時、アニエスの母がコアとなり落命した)して人間たちは妖怪奴隷に変えられた。日本でのバックベアード軍団との戦いが終結した後は、アニエスとアデルが彼らの故郷へ弔いに行くことになる。
難民妖怪
安息の地を求めてゲゲゲの森に逃れて来たマレーシア妖怪の一団。基本的には善良な妖怪たちで、はじめは鬼太郎ファミリーたちと友好関係を築いていたが、生活習慣や価値観の違いで徐々に対立し始め、先にねずみ男が家賃と称して持っていた宝石を巻き上げていたのを返させようとした時には仮想通貨投資に使い込んでしまって残ってなかったのも拗れる一因となった。鬼太郎たちと話し合いを重ねるも共存の道を見出せず、妥協点として互いに顔を会わせないことと居住地に立ち入らないことを決めるが、直後にアニエスを追ってやってきたヴォルフガングに見つかり、全員殺害され魂も握り潰されてしまった。ヴォルフガングを一時撃退後、鬼太郎たちは墓を建てて彼らを弔い、和解できないままの別れになってしまったことを悲しむが、目玉おやじは「結末は変わりはせん」と諭した。
耳長(みみなが)
声 - 龍田直樹
ウサギに似た妖怪で、第6作では難民妖怪のリーダー格。伝承では耳長が棲む木の根を飛び越えた子供は頑固で我儘に育つとされており、本人もかなりの頑固者。見かけによらずインテリなところもあり、ゲゲゲの森の妖怪たちと彼らの生活との落差の激しさに折り合いを付けようと交渉に出向いた鬼太郎の「郷に入っては郷に従えという言葉もあるので…」という意見に対し、「多様性の尊重」「インクルージョン」「ポリティカル・コレクトネス」などの難しい人権用語を駆使してやり込めてしまい、話し合いにすらならなかった。その後ヴォルフガングに見つかり、自分たちの居場所を守るため最初に挑むも腹を抉られ殺されてしまう。
ビディ
声 - 落合福嗣
頭と股間に葉っぱを付けた常に眠たそうな目の犬のような姿の妖怪。伝承では川で小便をする習性があり、第6作ではゲゲゲの森の小川に放尿して、下流で洗顔とうがいをしていた子泣き爺を卒倒させた。伝承でも彼の小便には毒気が含まれており、それに当たると足から腹にかけて痛みが生じ、命には別状ないものの酷い時にはこの妖怪と同じように腹の突き出た姿になってしまう場合もあると言われているが、子泣き爺は汚さに吐き出すだけで何ともなかったため、少なくとも普段は妖怪には無害のように示唆される。耳長の敵を取るために他の妖怪たちと共にヴォルフガングに立ち向かい、戦闘用に妖怪にも通じる毒気ある小便を放とうとするが、攻撃発動前に殺されてしまう。
竹ねずみの精
外見は黄色いネズミだが、背中から精霊が浮き出てくる。竹を食べる妖怪で、3匹で砂かけ婆の竹藪を食い尽くした。
エギク
声 - ボルケーノ太田
尖り耳に大きな口の顔をした妖怪で、顔から手足が生えている。
土の精
大きな頭と小さな胴体に足だけが生えた姿の妖怪。
国に残った妖怪
故郷を蹂躙されたまま逃げることに耐えられず、ヴォルフガングに挑むも敢え無く殺害された。
ケンパス蛇(ケンパスへび)
声 - ボルケーノ太田
上半身は人型で下半身は蛇型の妖怪。体色は緑。
ハンプバック
カンガルーと人間の特徴が合わさった獣人型の妖怪。

外国の死神

パシャ
声 - 鈴木泰明
水木の別作品『サラリーマン死神』シリーズに登場。アニメ第2作では45話(最終話)に登場する最後の敵。スフィンクス王に仕えるアラビアの死神(原作「涙ののるま」ではトルコ出身)。昔は砂漠の遭難者から魂を取り、ノルマを超えた分を干物にして保管していた。だが、交通発達で遭難者が減り干物も尽きてきたので日本に来て42号に協定を持ちかける。ツアーと称して集めた客を砂嵐に巻き込んで魂を奪おうとした(おまけに始めは42号に「来たばかりの日本なので、案内してくれれば、魂を分けてやる。魂を取るのは自分がやるから、お前は見てればいい」と言いながら、実行する時になると「魂の干物を作らなくちゃいけないから、魂取るのはお前がやれ」と42号に押し付けたりした)。伊豆大島の砂地で実行に移す寸前に鬼太郎達と対決、猫娘の作った蟻地獄に呑まれ地下深く埋もれた。
マヒマヒ
声 - 檜山修之
アニメ第5作第35話に登場。サングラスとアロハシャツを身に着け英語交じりで喋るハワイの死神で、自称エリート。出稼ぎで来日し、「生きている人間から無理やり魂を取ってはいけない」という死神のルールを破って魂を集める事を画策しねずみ男と組み、魂を分けてやると言って骨太をアルバイトとして雇い、温泉ツアーで集めた人間から魂を奪った。多数の鬼火を操る術を使用し、催眠術をかけて魂を抜いたり(サングラスを掛けることで防げる)、相手を取り囲んで焼き尽くすといったことができる。催眠術で鬼太郎たちを行動不能にし、自身に反抗した骨太からも魂を奪おうとするが、復活した鬼太郎たちと対峙。「人間は遅かれ早かれ死ぬのだから、少しぐらい早かろうが関係ない」と居直るが、かわうそともみ合って急流に落ち溺れて降参し、奪った魂を元に戻した。
アニメオリジナルのキャラクターだが、第2作のパシャの設定や『サラリーマン死神』シリーズを原作としている。

この他、「鬼太郎のお化け旅行」「妖怪千物語」では黒衣の骸骨姿の死神達が西洋妖怪軍の一員として登場。

その他・ムー帝国や地底の勢力関係

ガイコツベビー
ムー帝国の大臣。赤ちゃんながらしっかりとしている。文字通り骸骨のような容姿。当初は総理大臣の手先として、鬼太郎たちを苦しめていたが、金霊事件の際、鬼太郎たちに捕縛。その後は改心し、鬼太郎たちの仲間になる。ムーの地下帝国ではヤドカリマンモスの襲撃にあい、死んだと思われたが奇跡的に生き延び、さらには地下牢に閉じ込められたムーの国王と王妃を救い出すことに成功。創造主との最終決戦の際は、時限爆弾を抱えて単身突入するなど勇敢な行動を取った。
ムー帝国創造主
雨で地中に染み込んだ科学工場の毒素が化学反応して誕生した巨大妖怪。様々な妖怪を率いて地下のムー帝国を占領、本来の王を牢に閉じ込め、地上の世界も支配しようとした。姿は「おばけナイター」に登場した審判に酷似している。誕生直前に体の一部になる予定だった物が王家に献上されたため不完全体で、常に冷却水を取り込まねばならず堀に浸かっている。最期は体内に侵入した鬼太郎達によって冷却水タンクを爆破され倒されたが、現状のような環境汚染が続く限りいつか復活するとも限らないと言われた。
ムー帝国総理大臣
シャチホコのような頭をしている。地上侵略に邪魔な鬼太郎達を殺そうとしたが、鬼太郎との一騎討ちに敗れる。
その正体は創造主の術にかかったアンコウに似た魚であった。
歯痛殿下
骸骨のような姿をした妖怪で総理大臣の側近のひとり。うちわヘリコプターで空を飛ぶ。ヤドカリマンモスは歯痛殿下の所有物である。創造主が現れたときに瓦礫に挟まれ、創造主が口から出したビームを浴びて消滅した。
ヤドカリマンモス
歯痛殿下に飼われた巨大生物。地下マンモスともいう。
おどろ砂(おどろすな)
時間を操る砂状の妖怪。地下のモグラ人間村の神社にある砂時計に封じられていたが、ねずみ男がガイコツベビーの指示で壊したため復活、周りから時を奪い始めた(被害者は時間が急速に進む)。立ち向かった鬼太郎親子にも約1万年時を進め、肉体はおろか下駄やちゃんちゃんこまで塵と化す。だが塵になった彼らに混入されたことで支配され、時間を元に戻された上に力尽きた所を砂かけの砂袋に封じられた。
骸骨船長
空飛ぶ幽霊海賊船の船長。総理大臣に空軍として雇われて鬼太郎達を襲った。鬼太郎に腕を切り落とされるが、最後は和解した。会話の内容から、本来は人間であったと見られる節がある。
凶王(きょうおう)
『国盗り物語』第9,10話に登場。
数万年前に地上支配を企み、当時の妖怪たちと百年に渡る争いの末に封じられた。長いヒゲを蓄えた頭部だけのような姿。ムーの軍事評論家が妖怪壊滅のために復活させ、鬼太郎たちの籠る妖怪箱根城を攻めさせる。ぬらりひょんですら妖怪全体の敵と認識して鬼太郎との共闘を選んだほど。多数の埴輪軍団やひとだま爆弾を駆使し、ねむり光線や攻撃を反転させる霊力で鬼太郎たちを追い詰める。だが唯一の弱点である「白い炎」が込められた火炎土器を寝太郎と目玉おやじが見つけ出し、体を潰された鬼太郎は手首だけで白い炎を操って凶王を焼き払い倒した。
埴輪武者
声 - 乃村健次(第6作)
ムー帝国軍事評論家指揮の下、凶王に多数の埴輪軍団で使われる。
アニメでは第6作第94話に登場。富士の地下にいる洞窟の守護者で、その名の通り埴輪のような顔をした鎧武者の姿をしている。ぬらりひょんの指示を受けた朱の盆に御神体を壊されたことで暴走し、鬼太郎の攻撃でバラバラにされてもすぐに復活するなど追い詰めたが、まなによって富士エネルギーを吸収され動きが鈍ったところを鬼太郎のちゃんちゃんこパンチで粉々に砕け散り消滅した。しかし、吸収した富士エネルギーはぬらりひょんによってバックベアード復活の道具にされてしまった。
ムー帝国軍事評論家
洞窟に現れて凶王を復活させたり、埴輪軍団の指揮をとったりしたが、埴輪軍団が全滅して以降は行方不明になった。
万年グモ
鬼太郎達が乗る天空船を落とすため、ムーに呼ばれた巨大なクモの妖怪。クモの巣で天空船を捕えて丸呑みにしたが、回転ノコギリのように回る天空船に、内部から腹を裂かれて倒された。しかしその胃液があまりに強力だったため、天空船の方も航行が不可能になったため、結果的には犠牲により任務を遂行したことになった。
細手(ほそで)
妖気と電気が混ざり合った時に現れるという、長い手だけの妖怪。地下世界の湖に不時着していた鬼太郎達の乗る天空船を集団で襲ったが、回転ノコギリと化した天空船にバラバラにされた。目玉おやじの推測では「沼の主(ぬまのぬし)」という地下世界の湖に住む主がおり、そいつが鬼太郎達の乗る天空船を細手に襲わせ生贄として食べようとしたらしいが、結局推測でしか語られない存在のため、姿を現すことはなく終わった。

その他・属性不詳な妖怪たち

水神(みずがみ)
アニメ第2作第22話「地獄の水」に登場。ヒマラヤ山脈の奥地で神として称えられていた液体のような透明な細胞を持つ高等生物。ざんばら髪の男「水神使い」(声 - 千葉順二)の持つ角笛により操られる。体内に人間を閉じ込め、その中で消化してしまえる(水神の細胞が入った水を飲んでも体が溶解してしまう)。体を無限に巨大化させ街をも飲み込むこともできる。また、どのように起こしたのかは不明だが、雪崩も起こせる。
雪崩により全滅したヒマラヤ遠征隊の生き残り・深谷(声 - 永井一郎)が水神を見つけ、液体生物だと見抜き研究のため壺に入れて日本に持ち帰ったが、その際夢中になって出発する直前にねずみ男に千円で売りつけられていた鬼太郎の写真入りのお守り袋を落としてしまう。水神は蒸発して逃げた。その後水神使いが落ちていたお守り袋を頼りに水神を持ち帰った者を葬り去ろうとして、日本に来て鬼太郎を呼び出し深谷を連れて来いと命令した。警察署長の提案でテレビで全国に呼びかけ深谷を呼び出すことに成功し、鬼太郎たちは事情を教えられるが、水神の襲撃を受けてその深谷は餌食となる。深谷は大勢の者に水神の秘密を話してしまったことから、水神使いは秘密を知った全員を水神に襲わせた。しかし鬼太郎に不意を突かれ一度は退散する。その後水神使いはねずみ男を人質に取り鬼太郎を葬ろうとするが、鬼太郎は深谷の言葉をヒントに水の弱点である火を使い水神を滅ぼす方法を思いつき、猫娘が指示するヘリコプターで上空からガソリンを撒かれ火を放たれたことにより水神使いは焼死し、水神も滅んだ(放たれた火は直後に消火された)。
この水神と似た妖怪として、『鬼太郎夜話』(アニメ『墓場鬼太郎』)の水神(声 - 川津泰彦。詳細は「墓場鬼太郎の登場人物」を参照。月刊ガロ掲載版での読みは「すいじん」)、週刊実話版の『ムーン大王』、1980年代『最新版』の『妖怪水ころがし』が登場している。また、自在に液状に変幻する体で、水のある場所に現れる点は水虎とも共通する部分がある(アニメ第5作の水虎が特に顕著である)。
水妖怪
声 - 落合福嗣
アニメ第6作第4話初登場。ゲゲゲの森のおどろが沼に住む妖怪。全身が水で出来ており、両手のカギ爪が特徴。第4作のオープニングにも登場している。
元は『悪魔くん』の実写ドラマ版に登場した妖怪である。
水ころがし
「最新版」第19話登場。地獄童子を狙う刺客で、テレビ特撮版「悪魔くん」に登場した水妖怪そっくりの姿をしている。出自は不明だが、地獄から来たことが示唆されている。全身が水でできており、洪水となって街を襲ったり、人を体内に入れて溶かしたりと、やることは「鬼太郎夜話」に登場した水神と同じ。地獄童子を倒して当初の目的を果たしたが、もともと暴れん坊だったため、現世に留まって暴れ続けた。そして鬼太郎の作戦にかかり、ガソリンスタンドに突っ込んで炎上、焼き尽くされた。
ムーン大王
週刊実話版『ムーン大王』に登場。月のような大きい頭部を持つ人間の姿で、本人曰くムーン大陸(地球と一体だった古代の月の別名)の王。何万年も地球を支配していたが、ムーン大陸が爆破されて地球と分離してしまったため、古代の塚の石棺の中で眠っていたという。子供たちが石棺を掘り当てたため復活し、通りかかったねずみ男を気に入って部下に招くが、そこへ来た鬼太郎がニセモノ呼ばわりしたため無礼と怒って食べてしまう。しかし鬼太郎が頭部に穴を開けて脱出し倒れるが、中から本体である大量の液体が流れ出して鬼太郎とねずみ男を襲った。本体の性質は墓場鬼太郎の水神や1980年代『最新版』の妖怪水ころがしと酷似しており、中に入った生物を溶かして吸収してしまうが、液体の姿で古代の塚の穴に戻って眠っていたところへ眠り薬とミキサー車からのコンクリートを投入されて退治された。
ラクシャサ
声 - 塩沢兼人(第4作)
男性の羅刹天とされるインド出身の妖怪。仏教では護法善神ともされるが、今作では帰依していない悪鬼として扱われている。
初登場はアニメ第4作89話。「妖怪は人間を苦しめてこそ、人間界で存在する価値がある」という意思の下、人間達と親しくする鬼太郎ファミリーを倒しに来日、喫茶店「銀十字」の店員に化けて潜伏していた。相手の一番会いたい者の姿に化け、油断したところを元の姿に戻って攻撃するといった戦法を取り、鬼太郎とねずみ男以外の妖怪に対しては、分身の髪の毛にこの能力を使わせて次々と襲い、鬼太郎とねずみ男に対してはねこ娘の体を乗っ取り(その際にねこ娘は大人の姿になった)、利用して追い詰める。そして目玉親父が連れて来たインドの行者によって、ねこ娘から分離し正体を現す(ねこ娘は元の少女の姿に戻った)。リモコン下駄が効かないどころか、霊毛ちゃんちゃんこを引き裂いてしまうといった異常なほどの強さを見せたが、ねこ娘に抑えられた隙に行者が描いた円陣で封じられ、心を弄ぶ卑劣さに怒りを爆発させた鬼太郎のちゃんちゃんこによって銀十字ごと焼き払われ、倒される。
第5作には劇場版の予告の中にその姿があったが登場しなかった。
ギーガ
声 - 加藤精三
PS2版ゲーム『異聞妖怪奇譚』オリジナルキャラクター。突如出現し、ぬらりひょん、バックベアード、ドラキュラ、チーなど各国の強力な妖怪たちを瞬く間に自らの傘下におさめた謎の妖怪。赤い地肌に紫色の豪毛の巨大な一つ目の怪物で、角のついた兜と翼のようなマントに身を包む。
ネットの情報に介入する能力を持ち、情報を操り人間と妖怪を扇動して鬼太郎を戦意喪失にするまで苦しめた。また相手の情報を取り込むことで相手のコピーを作り出すことができる。物語の真の黒幕とされ、その正体は味方にも明かされず謎に包まれている。
ボスにふさわしい実力と頭脳を備えている一方で、性格は幼い子供と同じで自分の思い通りにいかなければ直ぐに癇癪を起こし、その行動目的は自身が快楽を得る為という典型的な愉快犯であり、そんな彼に疑念を抱いた西洋妖怪のボスであるドラキュラは彼の正体を突き止めようと密かに調べていたがギーガについて記された文献を全く見つける事が出来ず結局その正体を掴めなかった。また、ドラキュラたちを道具程度としか思っていないなど仲間意識すら皆無で、不要になれば平気で始末する。
その正体はネットに渦巻く人間の想念が生み出した新しい時代の新しい妖怪で、最初は種子のような物だったが、偶然ネットをのぞいたグレムリンと同調・融合してこの姿になった。
ネットに渦巻いた人間の邪な想念や憎しみもエネルギーにしている点では、アニメ第6作で登場した名無しとも共通する要素を持つ。

鬼太郎と敵対した人間

原作やアニメでは、人間の登場人物は主にゲストとして怪事件の被害者・依頼人で、アニメ第3作以降は先述のように鬼太郎の友人や知り合いとしてレギュラー出演する者達も増えたが、ゲストキャラとして登場した人間の中には悪事を働き妖怪を怒らせた者も多く、鬼太郎達に懲らしめられることも少なくない。間違いを認めないなど反省の意思がなければ鬼太郎に救いようのないと判断され愛想を尽かされて見捨てられたり、関係した妖怪によって因果応報的に酷い目に遭わされる(襲われる・地獄に送られる・姿を変えられる・食われる・殺されるなど)などバッドエンドな展開になることも多い。また、中には稀なケースではあるが、本来真面目な性格だったのに妖怪と関わって不運な境遇に陥ったことで、不本意ながら鬼太郎たちと敵対関係になってしまった不幸な者も例外的に一部存在する。以下は主に鬼太郎と敵対または身勝手な行動を取ってストーリー的に大きく影響を齎した者たち(最終的には改心して和解に至った者も含む)。

にせ鬼太郎(にせきたろう)
声 - 伊倉一恵(墓場)
月刊『ガロ』連載『鬼太郎夜話』と『別冊少年マガジン』掲載『ねこ屋のきょうだい』に登場。
初出は貸本版『墓場鬼太郎』シリーズの『鬼太郎夜話』(アニメ版第4〜7話)。
黄色と黒の市松模様のちゃんちゃんこを着た鬼太郎に瓜二つの少年。鬼太郎とは違い隻眼ではなく、また幽霊や妖怪でもないただの人間。日本人で国籍もあるが、本名は不明。
『ねこ屋のきょうだい』では、下宿屋「ねこや」の主人の家出した長男で、寝子の兄として登場。
『雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎』では、鬼太郎によく似た顔の少年・正夫をねずみ男が見つけて一儲けを企み、鬼太郎父子を騙して盗み出したちゃんちゃんこを着せ、にせ鬼太郎に仕立て上げた。「墓場」同様に、出演したTV番組で証拠として地獄の砂を持ち帰るという話になり、人魂に掴まってあの世に行くも帰り方がわからず彷徨っているところで鬼太郎に発見される。正夫が恐れ入って謝罪したため、鬼太郎は彼を連れて現世に帰り、ドブの砂を持たせてTVに出演させる。その結果、ねずみ男は詐欺師として警官に追われることになった。正夫は特にお咎めを受けず、TV局に迎えに来た母親と一緒に家に帰った。
小野崎美琴(おのざき みこと)
声 - 下地紫野(第6作)
アニメ第6作第43話から登場。まなや雅たちの同級生の少女。父親の生物化学者・遺伝子研究者の小野崎彰悟(おのざき しょうご、声 - 増谷康紀)は自身に人体実験を施した結果、不死身の体になるも副作用で吸血妖怪・おどろおどろに変化してしまい(その詳細は先述の「1960年代マガジン版・アニメ第1作初出」の「おどろおどろ」の項目を参照)、鬼太郎に「おどろおどろになったときの自分を殺してくれ」と依頼するが、美琴は彰悟がおどろおどろになった際にも記憶が残り、僅かに保った理性によって娘である自分を襲わず、まだ人間の心が残っていると語り、鬼太郎に「父を殺さないで」と嘆願。解決策としてTwitterを通して自殺志願者を集めその者達の血を吸わせればいいと提案したが、目玉おやじに「親子二人で人としての道を外れる気か」と猛反対され「だったら、どうすればいいの」と涙を流し苦悩する(美琴がそこまで思い詰めて苦しんでいたのに対し、目玉おやじは鬼太郎が牛鬼になった時と同じ事だと例えて、叱責しながらも同情していた)。美琴の願いも空しく彰悟は変身を繰り返し、遂には美琴まで襲って血を吸い始めてしまう。それでも父親の延命を望む美琴はわざと血を吸わせるが、おどろおどろの「今のうちに自分を殺してくれ」と懇願する表情に覚悟を決めた鬼太郎が指鉄砲を発射。鬼太郎に倒されたおどろおどろは彰悟の姿に戻り、美琴が自分の誕生日に贈ってくれたネクタイピンを手にしながら「これでいいんだ、これ(ネクタイピン)をありがとう」と駆け寄った美琴に言い残して消滅した。この一件で美琴は妖怪全体に憎しみを抱き妖怪の危険性を周囲に訴え続ける活動を行うようになり、当初は周囲から理解されなかったが、95話でぬらりひょんと手を組んだバックベアードの攻撃により多数の犠牲者が出たことで賛同者が現れるようになる。しかし、結果的に人間と妖怪の最悪の対立を煽ったことで妖対法の成立や第二次妖怪大戦争の勃発を招いた遠因となり、最終話で戦争に巻き込まれて被害を自ら目の当たりにして都内を一人彷徨いながら今までの行いを後悔する。そんな中でねずみ男の説得で鬼太郎を応援する人々とバックベアードに立ち向う鬼太郎の姿を見て自分の間違いを認めると妖怪へのわだかまりが消え、鬼太郎を応援して和解へと繋がっていった。
父親の悲劇的な不幸による成り行きで、一時期鬼太郎たち妖怪と対峙する立場になってしまったりと視野の狭い頑なな面が目立ったが、本来は正義感に満ちた性格である。初登場した中学1年生の時は、まなたちのクラスの学級委員長も務めていた。
チャラトミ
声 - 根本幸多(第6作)
アニメ第6作第1話から登場したウーチューバー(現実世界のYouTuberに相当)をしている青年(「チャラトミ」の「トミ」が本名の一部らしく示唆されるが、正式な本名・フルネームは本編で直接言及されておらず不詳)。主役願望が強く、それを満たす為に周囲の迷惑を顧みない悪辣な傾向がある。登場早々からスクランブル交差点で信号無視して騒ぎの様子を配信するという迷惑かつ危険な行動をしていた。その最中、しばらく前に封印を解いたのびあがりによって木にされてしまったが、鬼太郎がのびあがりを倒した後に戻った。以後も2話など台詞無しで登場することも時々あった。47話では一度妖怪の人気を盛り上げる配信をし、姑獲鳥冤罪事件を機に一変して妖怪の評判を落とす配信をする。ねこ娘から仕置きを受けた際、オメガ社長ジョン・童(正体は名無し)の指示だったと白状しており、事件の裏にも関りがあった。53話では就職活動がままならない状態であったが、偶然にもぬけ首と出会い彼の妖力に関する画像で人気を博する。だがぬけ首が毎日の配信に疲れ一旦休止したいと言い出すと、しびれを切らし彼の胴体を隠して頭部の熱で猛暑を起こし胴体探しのサプライズゲームを気取った配信をする。やめさせに来た鬼太郎達にも勝手なことを言うばかりで反省もしなかったが、自分が熱中症になりかけた時に介抱してくれたHIKAKIN(声は本人)の「僕は自分が好きなことを全身全霊で楽しんでいるだけですよ。全身全霊で楽しむって案外楽じゃないけどね。でもそうして初めて人は自分の人生の主役になれる気がするんだよね」の言葉でようやく自分の間違いを認め反省、事件後に「あの人の言葉で目が覚めた。俺は主役なんかじゃない。他人の評価ばかり気にして自分の好きなこともみつけられないちっぽけなやつ」と自分の本心を吐露し目玉おやじに「自分の居場所を作るためもがき続けて行くうち、いつか自分が何を好むかもわかって来るはず」と励まされ「何でもいいから頑張ってみたい。そして本当の主役になりたい」と決意し、居酒屋に就職し真面目に働き始めた。最終話ではねずみ男の説得を聞いて鬼太郎を応援した。
禿山(はげやま)
声 - 佐藤正治(墓場)[注釈 69]
月刊ガロ掲載『鬼太郎の誕生』と『鬼太郎夜話』に登場。
水木の働いている血液銀行の頭取。鬼太郎親子を警察に突き出そうと目論むが、逆に車ごと崖から転落死する。生きながら霊界に流されてしまっていた水木と再会して自分が死んだことを聞かされた後、実際は生きているだけに水木が生還できるかもしれない可能性も考え、「もしも現世に還れる事が出来れば、その時は我が社をよろしく」と地獄へ行く前に水木に会社を託す。
初出は『幽霊一家』、『あう時はいつも死人』(アニメ版第1、2話)に登場(アニメ版では名前未出な会社の社長)。
山田秀一(やまだ しゅういち)
声 - 小宮山清(第1作)、塩屋翼(第3作)、森久保祥太郎(まんがビデオ)
『大海獣』(初アニメ化第1作第5〜6話)。大海獣調査隊に参加した天才科学者。生物学(サラマンドラの粉の研究など)をはじめあらゆる分野に長ける反面、野心家で大海獣の研究から不老不死の秘密を解明し、その名誉を得ようとしていた。母親と妹・啓子(けいこ)と3人暮らし(アニメ第3作第67〜68話では両親を亡くし啓子との2人暮らし)。非科学的なものを信じず、一緒に探検隊に参加した鬼太郎を馬鹿にしていた。探検隊はニューギニアの奥地で大海獣の血を採血するが、その時暴れだした大海獣により現場から離れていた山田と鬼太郎を除き隊は全滅。山田は採血した大海獣の血を独占するため大海獣の血を鬼太郎に注射し、海に放逐する。凱旋帰国したものの、大海獣に変身した鬼太郎も日本に帰ってきたことで、悪事の露見を恐れ、鬼太郎を抹殺しようと企む。政府を言いくるめ、大海獣そっくりのロボットを開発、鬼太郎に挑むも啓子と母親を手に取られていたので攻撃できずに逃してしまう。実は鬼太郎は山田家を以前幾度も救っており、啓子たちは争いを止めようと出向いたもので、ビルの倒壊から守るため鬼太郎は彼女らを連れて逃げていた。山田は再度鬼太郎に挑戦するが敗北、海の藻屑になるところを助けられ、母の説得などで自分の間違いに気づき、大海獣の血を分離して鬼太郎を元の姿に戻した。謝罪する山田に対し、鬼太郎は恨み言も言わず優しく寛容に「その気持ちを忘れないで頑張って欲しい」と告げた。
アニメ第3作では怒り心頭の鬼太郎に容赦なく殴られ続け(山田もそれを覚悟していた)、啓子が庇ったことで渋々勘弁された。
アニメ第4作には未登場(山田に似た顔のテレビリポーターが登場し、大海獣が古代生物、鯨の祖先ゼオクロノドンではないかと報道で伝えていた)。
貸本時代の作品『ないしょの話』(東考社)には「山田一郎(やまだ いちろう)」とライバルの「村岡花夫(むらおか はなお)」が登場しており、こちらでは採血から変身までの鬼太郎の危難は一郎に降りかかり、秀一の卑劣な立ち回りは村岡が行っている。
鉄の大海獣(てつのだいかいじゅう)
登場は原作『大海獣』(アニメ化第1作第6話)。大海獣と化した鬼太郎を殺すため、5億円かけて山田秀一が開発した大海獣そっくりの巨大なロボット。ラジコン大海獣とも呼ばれる。
眼がライトになっていて光を放つ。目に虹彩に当たるものが原作中では確認できる。また両手がハサミになっており、大海獣の光線によって生えた毛を刈っていった。この手と鋼鉄の牙が武器で、大海獣となった鬼太郎を苦しめた。しかし、海中戦では大海獣に敵わず沈没していった。
アニメ第3作では山田はロボットを作らず未登場。
怪獣にそっくりなロボット怪獣で対抗する発想は、水木の貸本漫画『怪獣ラバン』(1958年)でも登場しており、東宝映画『キングコングの逆襲』(1967年)のメカニコングより早く、作者本人も著書『続・妖怪画談』において最初に考えたのは自分であることを述べている。
総理
声 - れいみ(第6作)
アニメ第6作本編時での日本の総理大臣を務めていた中年女性(本編内で言及が無いため名前は不詳)。11話で初登場。日本国と政府至上主義の考えから、目的達成のために手段を選ばず、首相として致命的な失言も多く、そこをねずみ男に逆手に取られたり、関係者の信頼を失い愛想を尽かされることもあるが、その一方で話し合いに来た鬼太郎の考えを見抜くなど、観察力もそこそこ持ち合わせており、しかも自身の感情を貫くために物事を利用する狡猾さと頑固さもある。利己的で傲慢さや無責任さが目立つものの、政務を執行するうえで深刻な社会情勢に対して頭を抱え悩むなどの真剣な面もそれなりにある。
八百八狸に政権を一時乗っ取られたり、九尾の狐・玉藻前の暗躍で他国政府や国際機関からも軍事的に見捨てられて日本を封鎖されそうになるなど、妖怪絡みで政権は受難続きとなり、89話では妖怪の脅威から人間社会を守り、妖怪テロと戦うために妖怪を倒す銃器や取り締まる組織を作る「妖対法(妖怪による不当な行為の防止等に関する法律)」を自らの政治生命を懸けて成立させようと企てるが、ぬらりひょんの妖怪復権の筋書きに利用された上に妖怪の報復を恐れた関係者にも見限られたことで計画は頓挫し、妖怪全体に憎悪を強く抱く。95話でぬらりひょん一派とバックベアード軍団が同盟を結び人間に宣戦布告して街を破壊するに至り妖対法の成立を掲げ、多くの国民を賛同させ手段を択ばず妖怪を皆殺しにするべく行動に移る。共闘の話し合いに来た鬼太郎にも憎悪と敵意と殺意を抱き、ただ嫌いという理由だけで自ら冷酷な表情で一方的に銃撃して消滅に追いやるが、これらの行為も結局はぬらりひょんの裏の策謀によって巧妙に動くよう仕向けられていただけに過ぎず(ぬらりひょんはねずみ男を利用して用済みとなった総理も殺害するつもりだった)、その結果多くの妖怪が人間に憎悪と敵意を募らせ第二次妖怪大戦争を勃発させてしまう。最終話でぬらりひょんの裏切りによって暴走したバックベアードに多少の躊躇いは見せつつも、既に正常さを失った総理は戦争を続けようとして自分の間違いや妖怪そのものを認めないまま首相官邸や関係者と共に爆撃に巻き込まれ死亡した[注釈 70]
鬼道衆(きどうしゅう)
声 - 大森章督佐藤佑暉(第3作)
『鬼道衆』に登場した、葛城山に住む妖怪狩りの専門家集団。原作やアニメ第3作では、女頭領以外は山伏のような服装。幹部には人魚の肉を食べて何百年も生きている者もいる。
原作では人間として育った女王人魚・山田海姫(やまだ みき)を狙い、居合わせた鬼太郎と対立。妖力封じと透明になる術で鬼太郎を打ちのめして海姫を拉致。鬼太郎一派は葛城山に攻め込み鬼道衆を撃破、海姫を救出した。
アニメでは第3作第100話登場。女頭領・八百比丘尼の寿命切れが近く、延命の為に半魚人と結婚した女王人魚を狙う。ユメコを拉致・洗脳して鬼巫女に仕立て上げ鬼太郎への刺客にする。だが結局ユメコの洗脳は破れ、八百比丘尼の寿命は尽き彼女の術で命を保っていた部下達も全滅した。
実写映画版では1000年前に悪霊退治の旅をしていた集団として登場。村人の頼みで濡れ女を封印した。比良本楓は頭目の子孫だった。
アニメ第6作ではかつて権力者や寺社の依頼で妖怪退治をしていた組織。ただし、妖怪が人間を攻撃する事態が起きての退治依頼を受けない限り基本的に中立の姿勢を保ち、全ての妖怪と敵対しているわけではない。本編で直接語られていないが(設定では)、過去に枕返しを懲らしめて少女に夢操りの鈴を着けたうえで生贄としたり、蟹坊主を封印した法師も鬼道衆の一員[18] で、大逆の四将の捕縛にも携わっていた。人間が妖怪の存在を忘れた現在では影を潜めていたが、ぬらりひょんの手引きで解放された四将の一人・玉藻前が里を襲い、零達の師の抗戦も空しく壊滅させられた。生き残った零は妖怪に強い憎しみを募らせ復讐鬼となり、一時期は鬼太郎ファミリーや他の仲間の妖怪たちとも敵対した。鬼道衆の術は元々酒呑童子など鬼が生み出した術を基本に修験道や陰陽道などの要素も取り入れて独自に発展していったものであるため、ルーツとなる酒呑童子等の系譜に連なる鬼の眷属には一切通用しない。
如雲斎(じょうんさい)
原作のみ登場する鬼道衆幹部。頭領の鬼巫女に次ぐ霊能者。海姫が女王人魚と見抜き部下達を引き連れて拉致しようとするが鬼太郎が止めに入ったため一時退却。妖力封じを施した部下達に山田邸を襲撃させ海姫を拉致させると同時に、鬼太郎の妖力を絵馬に封じて篝火にくべ焼き殺そうとした。だが動き出したちゃんちゃんこの力により、絵馬から伸びた髪の毛網のような物に絡みつかれ、崩れた篝火の下敷きになり焼死した。
鬼巫女(おにみこ)
声 - 色川京子(第3作)
鬼道衆の強力な女性霊能者、般若の面を被っている。
原作では鬼道衆の頭領。海姫を助けに来た鬼太郎を妖力封じと火術で苦戦させるが、人魚になることを決意した海姫の水術で火を消された上に妖力封じの経文を洗い流され、鬼道衆の霊力の源である般若面をリモコン下駄で割られ敗れた。
アニメ第3作第100話では八百比丘尼曰く妖怪殺しの後継者。正体は八百比丘尼に洗脳され、妖怪への敵意を植え付けられたユメコだった。鬼太郎の妖力を絵馬に封じ、仲間達の尽力で復活して乗り込んできた彼と対峙するが、その懸命な説得で洗脳が解け攻撃をやめ、八百比丘尼の不意討ちから庇って面が割れ元に戻った。
ヒミコ
古代の日本である邪馬台国の長で実在の人物。本作では古代魔法「鬼道」を極めた霊能者として登場し、時空を越えてやってきたねずみ男に井戸の神に捧げる生け贄を連れ去られたため、井守に鬼太郎達を襲わせた。最後は鬼太郎の強さを認め、生け贄の儀をやめることを約束した。
八百比丘尼(やおびくに)
声 - 高島雅羅(第3作)
偶然に人魚の肉を食べて八百年生きたという伝説の女性の1人だが、人の身に合わぬ長寿と世の無常に悩んだ伝承原典の儚げな存在の女性ではなく、本作に登場した個体は冷酷な性格をしている。
アニメ第3作第100話に登場。鬼道衆の頭領。人魚の肉による不老不死は八百年で効力が切れるため、再度食べて延命するために女王人魚を狙った。鬼太郎と親しいユメコに目を付け、拉致・洗脳して鬼太郎への刺客・鬼巫女に仕立て上げる。女王人魚の「私の命はあげますから、他の妖怪まで虐めないで下さい」という懇願も聞き入れなかった。鬼太郎の説得でユメコが攻撃をやめると自ら金剛杵を投げ付けるが、ユメコが彼を庇って鬼面に受け、割れた面の角が比丘尼の喉に刺さる。同時に寿命が尽き急激に老化、「なまじ寿命が長くなっただけに、死なない命を持つ妖怪が憎かった」と言い残し白骨化した。
原作では「国盗り物語」第11話に登場、鬼道衆とは無関係で鬼婆のような風貌。ムーに雇われて鬼太郎抹殺を企む。鷺娘を捕らえ彼女になりすまして鬼太郎達を誘き出し、睡眠薬入りの食事で眠らせ魂を抜いた上、体に戻れないように全身に呪文を書いた。だが鷺娘を料理しようとした時、彼女の涙で呪文の一部が消え鬼太郎が復活。閃光を放つ手鏡や伸ばした爪で攻撃、粘着性の痰で動きを封じて溶解液をかけようとするが、カメレオン舌で溶解液を奪われ逆に自分が溶かされた。
ザ・マンモス
声 - はせさん治(第1作)、くじら(第6作)
吸血鬼ラ・セーヌに用心棒として雇われている殺し屋。力自慢の大男で悪党妖怪に正式に加担している数少ない人間。ラ・セーヌと同じくフランス出身。機関銃も使いこなす。着ている服装は原作やアニメ第1作では囚人服のような物である。最期は、ラ・セーヌと共に燃え盛るホテルの部屋の中に閉じ込められ焼死してしまう。
アニメ第6作では、ラ・セーヌに一族ぐるみで仕えている。ラ・セーヌの命令で若い女性を攫い献上していた。機関銃は使わないが、猫娘が敵わないほどの身軽さと俊敏さをもち、戦闘ではラ・セーヌと息の合ったコンビネーションを発揮する。鬼太郎に追い詰められると戦意喪失したラ・セーヌを庇い「もう日本に来ないから見逃してくれ」と懇願し見逃されるが、零の横槍でラ・セーヌは倒されてしまう。仇討として零に飛び掛かるが回し蹴りであっさりKOされ「主人を見殺しにした苦しみでのたうち一生を過ごすがいい」と吐き捨てられ、鬼太郎に「その人間はくれてやるから好きにするといい」と直接身柄を引き渡された。
ギャング団
声 - 永井一郎(政吉)、大竹宏(豆蔵)(第1作)、徳丸完(大黒)、田中亮一(二郎)(第4作)、山野井仁(正岡)、太田真一郎(豆村)、高塚正也(吉川)(第5作)
『地獄流し』にて警察に追われて鬼太郎の家に侵入した2人の悪人。黒ずくめの服の男・政吉(まさきち)と黒眼鏡に出っ歯の男・豆蔵(まめぞう)の2人組で、それぞれ殺し屋と前科12犯のやくざ。自分の家に勝手に侵入された上、カラスまで殺された鬼太郎の怒りを買い地獄に流されてしまう(政吉は鬼太郎の家で見つけた地獄行きのバス切符を「地獄があって自由に往来できるなら格好の隠れ処」と使うが、地獄に着いてから片道切符で現世に戻れないと知らされ、豆蔵は残って小型霊界テレビを見ていた所を鬼太郎に見つかり、ドライブに誘って誤魔化そうとしたら運転しているうちに政吉の所に着いて置き去りにされた)。原作本編ではそのまま現世に戻れなかったような描写だが、マガジン掲載時の柱書きでは「反省すれば鬼太郎が現世に戻してくれる」と書かれた。
初アニメ化の第1作第13話では政吉と豆蔵は銀行強盗犯(どちらかは不明だが、前科8犯と13犯)で、非常ベルを鳴らした銀行員2人を射殺している。鬼太郎の家に行く途中で沼にはまり、礼金目当てで助けたねずみ男をも木に縛り付けた。地獄に流した後で鬼太郎は、「地獄に落ちる運命でも、生きたままでは地獄の住人達に迷惑だから」という理由で、現世に連れ帰って警察に引き渡すと語る。
アニメ第4作35話では悪質な土地転がしとして登場。黒ずくめが大黒(おおぐろ)、出っ歯が二郎(じろう)に改称された。警察に指名手配されて逃走中に裏口から知らずにラーメン屋へ忍び込み、大黒は偶然居合わせた鬼太郎に銃弾を何発も撃ちこむ。鬼太郎にダメージはなかったものの怒らせてしまい、砂漠と無人の街が広がった世界に送られてしまった。そこで2人は水や食料を手に入れるために「笑顔」と「若さ」を売り渡し、最後に猫娘が勤めるホテルで「母親の思い出」を要求されたが、亡き母親の約束を思い出した二郎はそれを断って夜の砂漠に出て行ってしまう。その後、大事な思い出を手放さなかった二郎は現世に戻れた後、母親との約束を果たすために改心して警察へ出頭した(目玉おやじ曰く「大黒についていただけで大した犯罪や悪事をしていないため、反省や改心も認められて軽い刑罰で済み、今からでも十分やり直せるだろう」との事)が、悪辣な考え方を変えていない大黒は更なる暗闇に突き落とされたままで終幕となったため、鬼太郎が最終的にどう処置したかは不明。
アニメ第5作では黒ずくめが「正岡」、出っ歯が「豆村(まめむら)」に改称され、冴えない雰囲気の男「吉川(よしかわ)」を加えた柄の悪い3人組。宝石強盗をして、近くにいたねずみ男を人質にして逃走する。その際にろくろ首とデートしていた鷲尾をひき逃げしてしまう。宝石に目がくらんだねずみ男と取引をし妖怪横丁に案内させたが、取引を破棄、横丁で拳銃を発砲、妖怪をいじめる、カラスを射殺するなどやりたい放題の限りを尽くす。しかし、横丁の住民の攻撃によって妖怪の恐ろしさを味わわされ、最後は鬼太郎によって地獄に落とされた。第5作の次回予告で唯一妖怪以外で次回登場するキャラクターとして紹介された。
アニメ第6作では登場せず、68話の地獄流しはコンビニ強盗をした藤森カケルを更生させるためにカケルの亡父・翔平の頼みでしたことになっている(翔平は地獄行きバスに同乗して以降近くで見守っていたが、カケルは一緒に土蜘蛛の追跡を振り切った後で父だと気付いた)。翔平の思いを知ったカケルは改心し現世に送り返されると警察へ出頭した(この場面で68話は終幕となった)。
新妖怪千物語では最終回に登場、兄貴分(政吉に相当するが名は出ない)と豆蔵は第1作同様に強盗殺人犯。鬼太郎の家で盗んだ切符は回数券で何回か使えると思ったら、二人して賽の河原でバスを降りるとねずみ男に今日で期限切れだと告げられる。鬼太郎の渡し船で三途の川を渡る途中、豆蔵は亡母の霊を見付け乗せようとし、それを拒んだ兄貴分は鬼太郎が船を揺らした弾みで川に落ち沈む。だが豆蔵も、母に促されて他の亡者も多数乗って来たのを追い払おうとして落ち、結局二人とも地獄に落ちた。豆蔵の母は他の亡者に示した思いやりを評価されて昇天、いつか息子が罪を浄めるのを天国で待つことになった。
ナンダカ族の男
月刊ガロ掲載『鬼太郎夜話』に登場。
サングラスをかけていて、スリを働き、その金で遊び暮らす男。
鬼太郎が寝子を失った悲しみを忘れるために人生の楽しみ方を模索していた際、彼の前で贅沢をして見せ、「タダでスリルと刺激を楽しむ方法」を伝授する。だがそれは駅ホームでの突き落としや通行人を脅かす行為をさせるもので、鬼太郎が失敗して相手に取り押さえられている間に男は相手や周囲からスっていた。鬼太郎には「タダでスリルと刺激を楽しませてやった」と言う理由で一銭も分け前を(2度目は事前に約束したにも関わらず)与えなかった。そこで鬼太郎は彼にもスリルと刺激を満喫させようと言って、深大寺の妖怪すき焼きパーティーに誘う。初めは仮装パーティかと余裕を見せようとしたが、次第に妖怪達の迫力に堪えかね、踊りの相手を迫られて鬼太郎に代わって貰おうと100万円の貯金通帳を渡す。翌朝気がつくと周囲は何もなかったかの様な荒野だったが、懐の通帳は失せていた。
貸本版『墓場鬼太郎』シリーズの『鬼太郎夜話』第2巻『地獄の散歩道』では、呼称「ビート族」でサングラスをかけていない。アニメ版ではエキストラ的に出たのみ。
青木 日和坊(あおき ひよりぼう)
『最新版』第12、13、17話に登場したパニック評論家。顔は日和坊に似ているが人間の初老男性。妖怪の存在を信じていないがぬらりひょんの破壊活動やいじめ・自殺の蔓延を「ハレー彗星による集団幻覚」と断ずるなど、発想はオカルト的である(鬼太郎曰く「バ~カ」)。鬼太郎はテレビで見ただけで直接面識はないが、ねずみ男は12話で妖怪研究家として共演したり、13話で彼の出演中に夜叉一族が鬼太郎の魂を封じたビデオを持ち込んだりと面識がある。
実写劇場版に登場した傲慢な人間
実写劇場版第1作と第2作でも思いあがった考え方の人間たちが登場している(ただし鬼太郎とは直接敵対していない)。
ゲゲゲの鬼太郎 (実写映画)」を参照。

その他

寝子(ねこ)
声 - 中川翔子(墓場)
月刊『ガロ』連載「鬼太郎夜話」と『別冊少年マガジン』掲載「ねこ屋のきょうだい」に登場。
初出は貸本版『墓場鬼太郎』シリーズの『鬼太郎夜話』第一巻「吸血木と猫娘」、第二巻「地獄の散歩道」(アニメ版『墓場鬼太郎』第3、4話)。
鬼太郎の初恋の相手の少女で、鬼太郎が人間界で一時期通っていた小学校でのクラスメイト。鬼太郎達が間借りしていた「ねこや」という下宿屋(江戸時代末期の天保年間から寝子の祖父の代まで三味線職人だった)の家主の娘。
一種の憑き物で魚やねずみを見たり、匂いを嗅ぐと猫化してしまう。ねこ娘と同じ性質だが、生まれは「半妖怪」ではなく本来は純粋な人間の娘である。
アニメ第6作の24話では、ねこ娘がスマホを使ってネット上の情報を集める際に寝子の名前をハンドルネームとしている。
愛野 おしえ(あいの おしえ)
声 - 今野宏美[注釈 71](第6作)
アニメ第6作の39話に登場。ねずみ男と目玉おやじの進言で鬼太郎がやらされたゲーム「青春学園ドキドキパラダイス」のヒロイン。翌日に鬼太郎が対峙した妖怪・沼御前と偶然にも声が似ており、徹夜でゲームをしていたせいで寝ぼけていた鬼太郎は、沼御前を彼女と混同して恋愛ゲーム特有の「相手女性の好感度を上げる会話」を沼御前としてしまい、沼御前の方もそれを真に受けて鬼太郎に惚れてしまう事態になった。
キャラクターデザインと性格設定は、第5作のネコ娘をモチーフにアレンジされている。そのため、5作でネコ娘役だった今野宏美が沼御前と二役する特別キャストとなった。
霊界郵便配達夫(れいかいゆうびんはいたつふ)
演 - 水木しげる(カメオ出演)
妖怪ポストの手紙を鬼太郎に届ける存在。自転車で荒地を片腕で軽快に操り進む。妖怪画が上手い。
「月曜ドラマランド版」と「魔笛エロイムエッサイム」の東映製作の二作品に登場。月曜ドラマランド版では冒頭に鬼太郎の家に手紙を届けるのみであったが、魔笛エロイムエッサイムでは、エンディングで妖怪の画を描いており、立ち去る時にカブトムシの姿で辛うじて生き延びていたぬらりひょんを偶然踏み殺す結果となる。
ガマ令嬢(ガマれいじょう)
声 - 川浪葉子(墓場)
月刊『ガロ』連載「鬼太郎夜話」に登場。
初出は貸本版『墓場鬼太郎』シリーズの『鬼太郎夜話』第四巻「顔の中の敵」(アニメ版『墓場鬼太郎』第7話)。
口にチャックがある以外は普通の人間の姿をしている女性で、妖怪なのか、突然変異等で口がチャックになってしまっている人間なのか、詳しい素性は不明。
オバQ(オバキュー)
一枚布に目・口用の穴を開けた白い服を頭から被っている日本のオバケ。のんびりしたお人好しな性格だが、鈍くさくて頭はあまり良くない。身長111cm。同族は日本妖怪の一種族で、太古には人間と共存もしていたが、人間が進歩するにつれ、のんびり屋で嘘をついたり人を傷付けたりできない性質ゆえに鬼太郎親子の先祖の「幽霊族」と同様に人間たちから次第に追い詰められて行った。時には化けて人間を脅かしたこともあったが(人間界に伝わる妖怪のいくつかはこれが元にもなっている)、やがて雲の上にオバケの国を築いて隠れ住むようになった。
「妖怪大戦争」で 西洋妖怪と戦うために他の日本妖怪と共に多摩霊園に集合したが、テストで選ばれず、戦いには参加できなかった。
アニメ版では未登場。
本来は『鬼太郎』シリーズのキャラクターではなく、藤子・F・不二雄藤子不二雄Aの合同作品『オバケのQ太郎』の主人公で、本編ではたくさんの妖怪の中の一体としてエキストラ的に描かれたが、正式名称の「Q太郎」では呼ばれておらず、いくつかの公式関連書籍[19] で「オバQらしきもの」と解説されている(本来のオバQは頭のてっぺんに毛が三本生えているが、本作登場時は完全な丸坊主だった)。
大海獣(だいかいじゅう)
太古よりニューギニアの湿地帯に棲息する神秘の生物。
ヒゲクジラのような頭部と人間状の手足、体に比較すると小さな尾をもつ非常に巨大な怪獣のような生物で、3億年もの時を生き長らえてきた。クジラの祖先であるゼオクロノドンで、悠久の時を形変えずそのまま生きているとされる。正確な大きさなどは分かっていないが、2足歩行時の身長は高層ビルを遥かに超える。水木しげるの描くクジラたちに特徴の、波打つ口唇も見て取れる。
実際のバシロサウルス(ゼウグロドン)とは全く異なる外見を持つが、第4作劇場版でのみ実物の原鯨類の骨格に酷似した白骨体が登場し、これを南方妖怪たちは神として崇めている。第4作では生前の本物のゼオクロノドンが登場しないこともあり、白骨体と鬼太郎が化けた大海獣の容姿に大きな差がある(本編で人間たちがゼオクロノドンと判別していたが、その経緯は本編で言及されておらず不詳)。見た目は媒体によって若干の差があり、毛並みは茶色(原作および第1作)、青と黒(第3作)、緑色(第4作)である。目の色も黄や赤などのバリエーションがあり、頭部や尻尾の形、歯、手、腹部、尾の毛の有無、大きさや体型にも違いが見られる。アニメ第1作では人間のそれと非常によく似た掌を持つ。第4作のみ、鬼太郎が海獣化した後も片目で鬼太郎に似た目元をしている。
血液には不思議な力があり、他の生物の体内に入り込むと血液と細胞を同化させ、血液が入り込んだ生物は全身に毛が生えながら変身し、同じ姿の大海獣と化す(ニューギニアで確認された大海獣も、正確にはオリジナルか別の生物の海獣化かは不明)。
血液を注射された鬼太郎は非常に苦しみ、数日後、全身の痒みと共に皮膚の下から毛が生えてきた後、洗面所で顔を洗い始めた直後に全身の皮膚が剥がれ落ちると同時に変身しながら巨大化した(アニメ第1作では、注射された直後に苦しみながら毛が生えて来て変身し、第3作では注射された数日後全身から産毛が生えてきて、その様子を見ていた山田の目の前で怒りと共に毛むくじゃらになった直後に変身し、船の一部を壊しながら海に転落した後に巨大化した)。
変身した鬼太郎は、人語は話せないが口から鉄を捻じ曲げ、有機物・無機物問わず対象を毛だらけにする光線を吐くようになる。激しく吠える時も口中や吐息が発光する。また、巨体に見合った怪力と水中での行動力を見せ、山田の開発したロボット兵器をも圧倒した。近距離での核爆弾の爆発や放射能にも耐えられる。
貸本版原作『ないしょの話』で「鯨神」として初登場し、この時は哄笑したりねずみ男が鋭い妖気を感じたりと、妖怪化していたことが示唆されていた。その後原作『大海獣』(初アニメ化第1作第5・6話)でストーリーもアレンジリメイクされて再登場する。探検隊に採血機で血を抜かれたことで大暴れし、不在だった鬼太郎と山田以外の探検隊を全滅させた。後に変化させられた鬼太郎だが、最後は改心した山田によって、大海獣の血と鬼太郎の血を分離されて元に戻った。第3作では第67・68話に登場。第4作では劇場版『大海獣』に登場。アカマタによって「命の水」を飲まされた鬼太郎が変身した。当初アカマタたちはゼオクロノドンの白骨体に妖力を集めて復活させようとしたが、クジラの形のシルエットが薄く浮かぶ時点でアカマタたちは疲弊してしまい、世界中の膨大な量の妖気を要するため断念し、鬼太郎を利用する手段へ切り替えた。変化させられた鬼太郎は、井戸仙人の助言によって、鬼太郎ファミリーがココの実胡桃によく似た実)をすりつぶしたものと妖気を取り戻す薬草を煎じた薬を飲ませて元に戻れた。その過程で大海獣の子孫・シロナガスクジラの一群によって助けられてもいる(海獣化が解けた後も鬼太郎をエスコートし、鬼太郎が正体であることを感じ取っていた。また、ねこ娘を運ぶカラスヘリコプターのカラスたちも、真相を聞く前のねこ娘の制止を無視して大海獣を取り囲み、本能的に鬼太郎の変身した姿であることを察していた。
第5作以降は登場しない。
貸本漫画版での「鯨神」としての詳細は、「墓場鬼太郎の登場人物#東考社版登場のキャラクター」を参照。
ゲゲゲハウス
声 - 千葉繁(第5作)
アニメ第5作48話『戦う! ゲゲゲハウス』に登場。井戸仙人が作った植物活性化液を、不注意から鬼太郎の家にこぼした事で生まれた。「ゲゲゲ〜」としか喋ることが出来ないが、言葉を理解することができるため、一応意思の伝達は可能である。始めは「家」と呼ばれていたが、目玉おやじによってゲゲゲハウスと名付けられる。チャンチャンコは一反木綿が、下駄猫娘が作ったもの。土転びとの対決で鬼太郎とともに戦い、最後には井戸仙人が作った、活性化した植物を元に戻す薬を自分にかけ、元の家に戻った。その場で元に戻ったため、ぬりかべが運ぶ羽目になった。
本来は原作やアニメシリーズで登場する鬼太郎親子の住む家のバリエーションの一つ。
UFO人
『UFOの秘密』に登場した地底人。ここではUFOは彼らが地上偵察の為に飛ばしているとされている。不老不死で全員が共通の意志を持ち、地底で楽園を築いている。地上の住人が平和になると地底を侵略に来ると考え、太古から地上の住人同士で争うように画策し、絶滅寸前に追いやられた種族(現生人類から見た妖怪や悪魔)もあった。
宇宙人
地球外から来た知的生物。
鬼太郎シリーズにも、様々なタイプの宇宙人が時々登場する。
「雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎」では、真四角の顔にスピーカーのような口をした宇宙人が登場。口から吐く息で相手を石化してしまう。ねずみ男と鬼太郎を石化して雪姫を食べようとするが、口から体内に侵入した目玉おやじに脳を壊され死んだ。
まぼろしの汽車
『まぼろしの汽車』(アニメ第2作第26話)に登場。時を遡る汽車で、乗った者の状態を過去に戻す。吸血鬼ピーに吸血鬼にされた鬼太郎や村人達をこれで元に戻した。親が子を思う強い心があってこそ召喚可能だが、代償として召喚した者が受ける消耗が激しく、目玉おやじの場合は1ヶ月は起き上がれないまでのダメージを受けた上に[20]寿命が約10年くらい縮んだ程[21]。目玉おやじは使用後に妖怪病院にしばらく入院する破目になった。第3、4作では閻魔大王の管理下にあり、使用者が消耗する様子は見られない(第3作では第61話、第4作では劇場版『妖怪特急!まぼろしの汽車』に登場)。第4作ではどこにでも行くことができるという設定で地獄に落とされた西洋妖怪が乗っ取り、暗黒空間で世界中の妖怪を支配するパワーを手に入れようとしたが、鬼太郎達によって阻止され、西洋妖怪共々地獄に送還された。第6作第93話では乗った者が記憶を持ったまま過去に戻り、召喚した者や汽車の存在を他者に明かした者は命を失う設定で、目玉おやじはねこ娘にピーによる吸血鬼蔓延を回避させることを託し、その場では消滅したが、過去改変に成功して「汽車を使わなかった」ことになり生還できた。
『異聞妖怪奇譚』の最終面においても目玉おやじが自分の命と引き換えに鬼太郎を蘇らせるために使用。
妖怪城
声 - 鈴木真仁(第5作)
アニメ第5作61話から登場。たんたん坊と二口女が棲んでいたが、ぬらりひょんが操縦装置を奪い、以降は彼の移動要塞となる。原作や他のアニメシリーズではたんたん坊とかまいたちと二口女が住む城だが、本作ではただの城ではなく潜在意識を持つ妖怪の一種であるという設定で、「主となった者は日本妖怪の頂点に立てる」と言い伝えられるほどの強大な力を持つ。地上を移動することができ、また周囲に立つ4つの塔には地水火風の4つの属性を司る土龍、水龍、炎龍、風龍の4体の龍が封印されている(土龍・水龍の力を使うことで、地中・水中を移動することもできる)。修理された後に第72話で家鳴りの起こす共鳴現象によって復活してからは言葉を話すようになり、ぬらりひょんを「父上」と呼んでいた。天守閣の最上部にはぬらりひょん専用の操縦室が存在する。第85話でねずみ男を利用して東北地方の強力な妖怪たちを探させ、それらを吸収し妖力を高めてからは「無敵妖怪城」となり、鬼太郎まで取り込んでからは土台から多数の触手を生やした「妖怪城完全体」へとパワーアップする。しかし、ねずみ男が適当に探し出した妖怪(タンコロリン、なまはげ、座敷童子の男女)が妖怪四十七士として覚醒してしまい、彼らとアマミ一族・ミウの妖力を得た鬼太郎の獄炎乱舞を受けて内部から破壊され津軽海峡に沈没。そのまま海底で傷を癒すことになった。
地獄玉(じごくだま)
アニメ第2作第18話「幸福という名の怪物」に登場。原作は鬼太郎の登場しない水木の短編『幸福という名の怪物』(ねずみ男は登場)。地獄にしか無い不思議な力を持った玉で正確には妖怪ではなく品物。妖怪が持っているとただのガラス玉に過ぎないが、人間が手にするとその人間は次々と望みが叶う(時には、昇進を望んだら上司が急死してその後継に収まるなど、他人に災いが降りかかる叶え方をすることもある)。しかし、望みを叶えていく内に人間の欲望を吸って段々と大きくなり、遂には多数の犠牲者が出るほどの大爆発を起こす。目玉おやじは「人間という奴は、底知れない欲の塊で、一つの欲を満たすとまた次の欲が出てきて永遠に満たされることを知らない生き物」と評している。猫娘が森の中で偶然見つけ、目玉おやじにより地獄玉だと判明し人間の手の届かないところへ捨てるよう指示するが、その会話を盗み聞きしていたねずみ男(ただし、願いを叶えると同時に時限爆弾になっていくという部分は聞き逃していた)が鯰の丸焼きを餌に猫娘に地獄玉を物々交換させその地獄玉を貧乏な人間の家族・中村一家に100万円で売りつけた。その後、次々と望みが叶い100万円の分割払いで10万円ずつ貰っていたが、地獄玉を取り返しに来た鬼太郎と口論し早く取り返さないと大爆発してしまうと言われ、遂に中村一家の家を教える。しかし、すっかり欲に溺れた中村夫妻は爆発すると言われても信じず絶対に返さなかったため、遂に地獄玉は爆発して中村邸は大破してしまう。寸前で鬼太郎がちゃんちゃんこで包み爆発を最小限に抑えたため、犠牲者は出ずに済んだ。
白骨軍団(はっこつぐんだん)
『地獄編』原作第3話に登場。ドラキュラら西洋吸血鬼軍団が地獄侵略の戦力に用意した。大量の骨を用意し、そのそばでがしゃどくろのエネルギー源・呪いの壺の蓋を開くと、呪気の火柱が噴き出し、靄上になって骨に浸透すると不死身の軍隊として動き出す。だが作中ではその戦力を見せる間もなく、鬼太郎一行に襲い掛かろうとした際に目玉おやじの「呪いの壺に生きた善良な生命を投げ込めば白骨軍団の呪いは止まる」との助言に従い、シーサーが身を投じることで白骨軍団は塵と化し、壺に吸い込まれた。シーサーは気絶しただけで命に別状はなかった。
呪いの壺と白骨軍団の設定は、小説『タランと黒い魔法の釜』及びそれを原作とするアニメ映画『コルドロン』の、魔法の釜(ブラック・コルドロン)と不死身の軍隊に酷似している。
テレビマガジンのアニメ第3作版『地獄編』の記事[22] ではがしゃどくろ自身が白骨軍団を操ると記されたが、実際には白骨軍団の話は未制作。
死霊(しりょう)軍団
『死霊軍団』に登場。あの世と現世をつなぐ非常口を塞ぐ霊石・鯰地蔵(なまずじぞう)を、ねずみ男が売ろうと取り去ったため、その穴を見つけたギャング団を初め三途の川から閻魔庁へ向かう途中の悪人の亡者たちが集団脱走、死霊軍団をなして現世を占領しようとした。善人しか来なくて異変に気付いた閻魔庁からの知らせでゲゲゲの森の妖怪たちが迎え撃つが、死霊軍団は妖怪以上に不死であり、どんなに殴ろうが炎で焼き払おうが1分とかからず復活し妖怪たちを追い詰める。だが死霊はあの世から流出する霊気がないと現世に存在できず、一反木綿に見つかったねずみ男が霊石を戻すと死霊軍団は霊気ごとあの世に送還された。
アニメでは第5作27話がこの話に相当するが、そちらの亡者たちは既に地獄に落ちた者たちなので理性や知性はほとんど失われており、生前からの欲望を突いた簡単な罠で捕えられる。その代わり五官王によって課された時間制限と邪魅の脱走が鬼太郎たちに障害となった。

注釈

  1. ^ 第5作も最初期は若干デザインが安定しておらず、初代オープニングは髪型も顔も本編と全く異なる別個体が登場していた。
  2. ^ 描かれたのは『がしゃどくろ』が先だが、鬼太郎との出会いは『大百足』で描かれた。
  3. ^ 武良布枝『ゲゲゲの女房』によると、沖縄へ旅行した水木の母がシーサーを気に入り、「鬼太郎に登場させろ」と強く要望したため、新レギュラーとして登場することになったという。
  4. ^ 声は第3作でレギュラー担当した山本圭子が、再び砂かけ婆と兼務で演じるが、5作では砂かけのようにレギュラー扱いにはなっていない。
  5. ^ 原作では後述のように「妖怪大戦争」以降、老婆に近い容姿の魔女が頻繁に登場。対してアニエスはアニメ第6作で鬼太郎の仲間として大幅にアレンジされ、キャラクターとしてはほとんどオリジナルの存在である。
  6. ^ ねずみ男に関してはアニエスに対する嫉妬や去年のことで今年の慰安旅行に行けなかった八つ当たりも含んでいた。
  7. ^ たくろう火、雨降小僧、ろくろ首、唐傘、あかなめも本心ではアニエスに悪いと思いつつも仕方なくねずみ男に賛同せざるを得なくなった。
  8. ^ 事件を起こしている吸血妖怪として、目玉おやじはおどろおどろの名を挙げるが、もう現れる事は無い為日本妖怪では無いとし、アニエスはペナンガランやアササボンサンの可能性を考慮するも、牙の跡を残さないため事件の犯人ではないと判断した。
  9. ^ 原作の「妖怪大戦争」以降頻繁に登場する老婆に近い容姿の魔女の設定をベースに、アニメ第6作で妹のアニエスと同様の大幅なアレンジをされたアニメのオリジナルキャラクターに近い存在である。
  10. ^ 原作『妖怪反物』をベースにした第3作劇場作品『最強妖怪軍団!日本上陸!!』予告では、体が赤く見た目も若干異なっていた。
  11. ^ ネコ娘には「失礼ね。レディのお尻を何だと思ってるの?」とどやされる。
  12. ^ この際、ねずみ男に「今度泥棒やるときは、一緒に組もうぜ」と持ち掛けられずっこけた。
  13. ^ 声は浅野真澄がミウと二役している。
  14. ^ 酒呑童子の幼名も伊吹童子とされている
  15. ^ もう一方の半身(肉体)は地獄に置いた状態。
  16. ^ 伊吹丸以外の3体はいずれも鬼太郎や零に肉体を撃破され魂のみの状態にされて地獄へ再度連行されているが、伊吹丸のみ唯一「肉体と魂」の2つを地獄へ連行されているため、片側(肉体)を地獄へ留める形で、もう片側(魂)を現世へ行くことが許可された。
  17. ^ ゲゲゲの鬼太郎90’BOX付属ブックレットの宇田鋼之介インタビューによれば、シナリオ段階では台詞があったが、コンテで喋れない演出に変更された。
  18. ^ 同時期に発売された玩具の仕掛けだが、直前ねずみ男と彼の人形が猫娘とすねこすりに引っ掻かれたり鬼太郎が呆れ顔で開けたりしたことから、ねずみ男が何らかの悪戯をしたとも取れる。この模型は第1エンディングのラストにも登場。
  19. ^ 他にも真紀(まき、声 - 神田朱未)という女子塾生も消されていた。
  20. ^ まなの正義感の強さを疎ましく思う山根 香凛(やまね かりん、声 - 山根綺)のような陰険な同級生も少なからずいる。
  21. ^ ただし、小学館の「鬼太郎大百科」では鬼太郎の誕生の記述で原作者キャラとの関連が示唆されてもいた。もっとも原作者・水木しげるの本名は武良茂で「水木」はペンネームなので、原作者キャラも設定的に鬼太郎を育てた水木と関連があっても本名としては同姓でない事となる。
  22. ^ 書斎の掛け軸には安倍晴明らしき陰陽師が描かれている。
  23. ^ 第101話の脚本を書いた京極夏彦のDVD-BOX『ゲゲゲBOX 90's』ブックレット3頁に記載されたインタビューによると、当初は妖怪王編のラスト(第99話)でぬらりひょんは死ぬ予定だったのだが、それを知らされていなかった京極が書いた脚本にぬらりひょんが登場していたため、急遽生き残ることになったとの事。
  24. ^ 京極もこの脚本依頼をイベントとして捉え、『マジンガーZ対デビルマン』などのVSものを意識して執筆したと特集ムックなどで述べている。
  25. ^ ねこ娘と同じ半妖怪なので「ねずみ男」の名前に因んだうえで、ねこ娘と類似系の変わり方をする可能性は示唆される。
  26. ^ ただし、ネコ娘も体型面では年齢相応に幼いユメコより成人女性に近いスタイルの良さから、ユメコと異なりセクハラ被害を被ることが多い。
  27. ^ 「一つ目坊」「ムジナ」「ラ・セーヌ」等他の妖怪の魂がどうなったかは不詳。「化け火」は第78話で、つるべ火や姥ヶ火と共に魍魎退治に参戦しているが、こちらも零から解放されたのか別個体かは言及されていない。
  28. ^ 名字の「桃山」は担当声優である祖山桃子の名前にちなんで、演出を手掛ける角銅博之が考案した。角銅博之‏@kakudou”. 2018年9月23日閲覧。
  29. ^ 第8話のみ単に「女子生徒」として、声も元吉有希子が担当。
  30. ^ ただし、目玉おやじやねこ娘の事はまなから聞かされていて、ねずみ男の事も出会うまでは知らなかった。
  31. ^ まなは鬼太郎に「妖怪の世界と人間の世界は交わっちゃいけない」と忠告されていたことから話すのは控えようとしていたが、裕太のおねだりに負けて約束を破り話してしまった。
  32. ^ ただし、まなは裕太同様に妖怪を信じるようになって縁も深まっていくが、ゲゲゲの森へ入れるまでには裕太より時間が掛っている。
  33. ^ 妖怪横丁でアマビエたちと遊んでいた際、髪を下ろしていた。なお、この作品のポスターで鬼太郎に守られている姿においても髪を下ろした状態だった。
  34. ^ アニメ第6作では、喫茶店「ザ・パリティ」として何回か登場している(支配人の姿などは本編で直接描かれておらず、過去に吸血木で植木が作られるような事などがあったかも不詳)。
  35. ^ 決裂以前にも、キュウリ搬入に来てオフィス内を目撃した青果店の人間2名、郷原の指示で用済みとなったねずみ男の尻子玉を抜いた。
  36. ^ 直接抜く描写は無いが、尻子玉を抜かれて腑抜けになった人間の女性もいる。
  37. ^ 腑抜けの鬼太郎の代わりに戦おうとするが、「女だからって容赦はしねえぞ」と戦闘ではなく尻子玉を抜こうと集団で向かってきたので、恥ずかしがって尻を抑えながら「変態、来るな」と逃亡した。
  38. ^ 太郎丸だけは砂かけ婆に世話になった恩義から「あなたからは尻子玉を抜きたくない」と躊躇し抜きたがらなかったが、他の河童は躊躇なく抜こうと追いかけ回した。
  39. ^ 第77話で判明。初登場時は単に「雪女」と呼称されていた。
  40. ^ 鬼太郎は自力で脱出して自分の複製と戦う、砂かけ婆と子泣き爺は同時に呑み込んだ為「子泣き婆」「砂かけ爺」が誕生。
  41. ^ 鬼太郎のコマは目玉おやじ。
  42. ^ 鬼太郎はとっさにねずみ男をコマにするがあっけなく敗れる。
  43. ^ 鬼太郎の青年期を描いた『続ゲゲゲの鬼太郎』の「猫娘の巻」で、怪奇女子大の不思議学科に在籍する女子大生の猫娘が登場。両頬にねずみ男のような髭を生やし、豪華なコートを着込み、かなり高慢な性格となり、鬼太郎親子と一緒にいたねずみ男を追い払うが、逆にねずみ男の罠にもはまり、古書の中に吸い込まれて姿を消した。さらにその後の『新ゲゲゲの鬼太郎』で、鬼太郎と同じ墓の下高校の生徒として別の猫娘が登場。こちらは『続』とは外見が大きく異なり、マガジン版と同じワンピース姿で前髪を左右に分けて後ろ髪をおさげにしていて、『ゲゲゲの鬼太郎挑戦シリーズ』の「地上絵の秘密」にも登場し、1980年に劇場で上映されたアニメ第2作第37話の再編集版『ゲゲゲの鬼太郎 地相眼』(第2作DVD-BOXに収録)用に描き下ろされたカットや、同年に小学館より刊行の『鬼太郎大百科』でも一部おさげ髪のねこ娘のイラストがあることから、マガジン版とアニメで現在まで定着して認知されているおなじみの「ねこ娘」と同一人物らしきことも示唆されている。そのため逆算的に消息不明となった女子大生猫娘の方が、(ねずみ男に襲い掛かる際の仕草も似た描写が成されているなど)サンデー版以降登場しなくなった猫子の可能性も暗示されているが、女子大生の方もあくまで「猫娘」としか名乗っていなかったため、こちらが猫子の成長した姿(同一人物)だったかは不詳なままである。
  44. ^ なお、この話で猫ショウに若さを奪われた少女・ヒトミ(声 - 冨永みーな)は、第4作の人間で唯一ゲゲゲの森への立ち入りが描かれた。
  45. ^ エンディングでは、田中雪弥と誤表記されている。
  46. ^ 黒須は30年前の騒動で当時の社長だった父親を亡くし、自身も右目を失う怪我を負っており、鬼太郎とも面識があった。
  47. ^ 黒須は30年前の事件で妖怪を憎んでいたが、子を持つ父親となったことで、子供たちの未来を作るために何としても工事を成功させたいという強い信念を持っていた(死亡した父親も同様の思いを持っていた)。
  48. ^ 発端の工事もぬらりひょんが進めていたもので、全てはぬらりひょんのマッチポンプだったことに最後まで気づかなかった。その後は登場せず、妖怪大同盟に加わった描写もない。
  49. ^ ねずみ男が「キャラが作れていない」「ちょっとした手品」などと誤魔化して止めに入ったため、かみなりに攻撃されていた。
  50. ^ 鬼太郎親子なじみの高木洋菓子屋の息子のシンジ(声 - 岸尾だいすけ)、居酒屋の息子(声 - 小西克幸)、野球選手の打田(うちだ、声 - 田中一成)、サッカー選手の蹴原(けりはら、声 - 増谷康紀)。
  51. ^ 第2作とは異なり、外気に触れても死ぬことは無い。
  52. ^ ただし、雪姫にライターの説明をするときは訛っていなかった。
  53. ^ ハーフの読者モデルと言われるが、「クリスティーン」はペンネームで本名は「久美子(くみこ)」。ハーフでもない純日本人。
  54. ^ 作中では皿に乗ったシーサーを眠らせた。
  55. ^ 作中では互いを「お内裏」「お雛」と呼称していたが、本来の「内裏雛」は男雛と女雛の一組を指す。目玉おやじや猫娘、音声解説は男雛・女雛で呼んでいた。
  56. ^ ノンクレジット。公式Twitterでは「名無し(虚無)の声は身近に赤ちゃんがいる声優に兼ね役した」とツイートされ、具体的にその回に出演していた担当声優名は非公表としている。「ゲゲゲの鬼太郎」(第6期)”. 2019年3月30日閲覧。
  57. ^ この呪いは、五芒星を象って刻まれているまなの感情が昂った際に強力な光と力を発し、まなの意志とは関係無く光を身に受けた麻桶毛やねこ娘を魂ごと消滅させてしまった
  58. ^ いわゆる水子。間引きされた赤ん坊の霊はノツゴという妖怪と化すとも伝えられており、正体が明かされた49話アイキャッチのノツゴはこれを暗示している。
  59. ^ 第1話で目玉おやじがまなに「見えてるものだけが全てじゃない。『見えないモノ』もおるんじゃ。その中には人の心の闇に惹かれる存在もおる。」と説明する際に、人間社会で人間たちには見えない複数の妖怪たちの姿がイメージとして描かれ、その中にスマホのネット情報から悪意のオーラを発してる人間たちに紫色の人魂に手がついた形態の後に判明する名無しの後ろ姿も既に描写されていた。
  60. ^ ふくの子孫で拝み屋だったまなの曾祖母は、その能力的に名無しの存在の認識と後の事態を予感していた事も示唆され、亡くなる間際の寝たきり状態だった時に生まれた曾孫に、事態を解決に導くためか「真の名」の意味を込めて命名したのが犬山まなであり、まなは自分の名前の由来を知ることで名無しに何をするべきか悟った。
  61. ^ ただし、46話でまなの学校にて雛人形に化けた麻桶毛の騒動が起きた際には全員姿を見せておらず、その後もまなの学校だけにずっと住んでいるのか別の学校へも転々としているのかは不詳。ぬりかべも10話以降はゲゲゲの森にいる描写がほとんどである。
  62. ^ ノンクレジット。庄司宇芽香‏@UMEMOMOKA”. 2018年6月3日閲覧。
  63. ^ a b c d ただし、第31話の最後に一瞬だけ登場している。
  64. ^ 第30話での初戦時で、ねこ娘に対して主であるバックベアードへ歯向かう「雑魚」呼ばわりをしていた事に対する、ねこ娘からの仕返し的な示唆もなされている。
  65. ^ 埋められた結界はまなによって掘り返され、遠隔魔法でアニエスが解き復活した。そのため、ちゃんちゃんこが動いていることに疑問を持ったラ・セーヌが砕いた結界はアニエスが作った偽物だった。
  66. ^ 一反木綿の隙を突いて彼に毒針を刺した。
  67. ^ 第3作では響ワタル(声 - 古川登志夫)、第5作では月野小夜子(声 - 折笠富美子)。
  68. ^ 例えば、「チ」「ン」…と本名を言いかけると、偶然スーパーの宣伝カーが「ポ」イント3倍セールを謳いながら通過したこともあった。なお、その歌声は第5作ネコ娘役の今野宏美が担当しており、この南方妖怪の5作目での名前は「ポ」だったため、それにちなんだ演出と配役の示唆が徳間書店『アニメージュ』2020年2月号、92頁の「ねこメージュ ニャニャニャ12号」などで指摘されてもいる。
  69. ^ アニメ版でのエンディングクレジットは社長。
  70. ^ なお、特殊部隊の生き残りは、ねずみ男たちの説得で自分たちの考え方の間違いを認め、改心して鬼太郎を応援した。
  71. ^ ノンクレジット。「ゲゲゲの鬼太郎」(第6期)公式‏@kitaroanime50th”. 2019年1月13日閲覧。

出典

  1. ^ 鬼太郎とねこ娘アマビエについて語る! - YouTube
  2. ^ 『ゲゲゲの鬼太郎』講談社〈テレビマガジンデラックス〉、1986年。 
  3. ^ 『ゲゲゲの鬼太郎アニメ大百科』講談社〈ポケット百科〉、1986年。 
  4. ^ 『おい!鬼太郎 甦るゲゲゲの鬼太郎80's アニメ完全設定資料集』メディアボーイ〈メディアボーイMOOK〉、2007年。 他、公式監修関連書籍より。
  5. ^ 「『僕らの鬼太郎』を目指した1年間」『アニメージュ』2019年5月号、徳間書店、90頁。シリーズディレクターの小川孝治とプロデューサーの永富大地の対談で語られている。
  6. ^ 字幕やEDテロップのみ表記で、読みは不明。
  7. ^ 『ゲゲゲの鬼太郎公式ガイドブック』講談社〈コミックボンボンスペシャル〉、1996年。 
  8. ^ 『ゲゲゲの鬼太郎大百科』勁文社〈ケイブンシャの大百科〉、1996年。 他。
  9. ^ 『Oh(大)水木しげる展 図録』「水木しげるが生みだした奇想天外キャラクター集」。朝日新聞社刊。2004年
  10. ^ ノンクレジット。庄司宇芽香‏@UMEMOMOKA”. 2018年6月9日閲覧。
  11. ^ 目玉おやじ曰く「しぶといのぅ」と言っている。
  12. ^ a b 総合仏教大辞典 1988, p. 948-949.
  13. ^ 大日如来(だいにちにょらい)とは - コトバンク”. 朝日新聞社. 2019年1月11日閲覧。
  14. ^ 佐々木卓 著、水木しげる監修 編『ゲゲゲの鬼太郎 謎全史』JTBパブリッシング、2002年、74-75頁頁。ISBN 978-4-533-04246-1 
  15. ^ 『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大事典』講談社〈ポケット百科〉、1985年。 
  16. ^ フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 2』講談社、2003年。 
  17. ^ 『ゲゲゲの鬼太郎 TVアニメ DVDマガジン』第24巻(講談社・2014年)DVDパッケージのゲスト欄より(ただし、ノンクレジット)。
  18. ^ 「『地獄の四将編』が目指す鬼太郎自身のドラマ」『アニメージュ』2019年9月号、徳間書店、78頁。脚本担当の吉野弘幸がインタビューで語っている。
  19. ^ 角川書店『水木しげる80の秘密』「鬼太郎サーガの巧緻な秘密」68頁、他参照。
  20. ^ 水木しげる 『電子書籍版 鬼太郎大全集 14』 水木プロダクション、94頁。
  21. ^ 『電子書籍版 鬼太郎大全集 14』 247頁。
  22. ^ DVD-BOX『ゲゲゲBOX 80's』ブックレット88頁参照。