タコ

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タコ
Octopus vulgaris2.jpg
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 頭足綱 Cephalopoda
亜綱 : 鞘形亜綱 Coleoidea
上目 : 八腕形上目 Octopodiformes
: タコ目八腕目Octopoda
学名
ordo Octopoda Leach1818
シノニム
Octopoida Leach1817
和名
タコ目八腕目
英名
Octopus
下位分類群(亜目
詳しくは本文を参照

タコ章魚英語名:Octopus)は、頭足綱- 鞘形亜綱en)- 八腕形上目タコ目学名ordo Octopoda)に分類される動物の総称。 海洋棲の軟体動物で、主に岩礁や砂地で活動する。淡水に棲息する種は存在しない。

多様な種が知られているが、日本では一般的に「タコ」と言えば、食用などで馴染み深いマダコを指す場合が多い。

目次

[編集] 呼称

英語の Octopus やスペイン語 Octopoda などのつづりは、「8本足」を意味するギリシア語 ὀκτώπους欧字転写:oktopous)に由来する。

ウィクショナリー ウィクショナリーの項目があります。
ウィクショナリー ウィクショナリーoctopusの項目があります。

[編集] 生物的特徴

タコの吸盤

複数の吸盤がついた8本の触腕を特徴とする。一般には「」と呼ばれるが、学術書などでは「(触腕)」と表現されることが多い(英語でも arm [腕]と呼ぶ)。 見た目で頭部と思える丸く大きな部位は実際には胴部であり、本当の頭は触腕の基部に位置して口器が集まっている部分である。すなわち、頭から足(触腕)が生えていることであり、同じ構造を持つイカの仲間とともにに「頭足類」の名で呼ばれる由来がここにある。

その柔軟な体のほとんどは筋肉であり、ときには強い力を発揮する。

無脊椎動物の中で最も高い知能を持っていて、色を見分け、形を認識することや、問題を学習し解決することができる。例として、密閉された捻蓋式のガラス瓶に入った餌を匂いでなく眼で認識し、ビンの蓋を捻って餌を取ることができる。 身を守るためには、保護色に変色し、地形に合わせて体型を変える、その色や形を2年ほど記憶できることが知られている。血液中にはヘモシアニンという緑色の色素が含まれており、そのため、血液は青く見える。

オスは吸盤の大きさがメスに比べてばらつきがあり、また、8本の触腕のうち1本の先端は生殖器になっていて、これがメスの体内に挿入されることで受精が成立する(交接腕)。

危険を感じると黒いを吐き、姿をくらます。この墨は、イカのそれと比べてうま味(特にアミノ酸)が豊富に含まれているが、粘性が低く水に溶けやすいという点と、墨汁嚢が取り出しにくいという点から、加工がしにくく料理には適さないとされる。

外敵に襲われたとき、捕らえられた触腕を切り離して逃げることができ、その後、触腕は再生するが、時おり2本に分かれて生えることもあり、8本以上の触腕を持つタコも存在する。極端なものでは日本で96本足のあるタコが捕獲されたことがあり、志摩マリンランド標本として展示してある。また、ストレスによって自分の触腕を食べることがあるが、このとき食べた触腕は再生しない。

寿命は短く、多くの種は1年程度である。 陸に打ち揚げられても30分程度は生きることができ、自由に行動ができる。稀に自ら水辺に這い出して獲物を捕獲することがある。

[編集] 食物網におけるタコの位置

食物網の中でのタコの位置(cf. 生態ピラミッド捕食-被食関係)は、おおむね中間位の捕食者である。 タコの天敵として最もよく知られているのはウツボであるが、サメタイの仲間もタコを好む。しかしこの捕食-被食関係も一方的なものではなく、稀にではあるが大型のタコが小型のサメを捕食することがある。

他方、タコは甲殻類二枚貝にとっての天敵であり、好んで捕食する傾向が強い。獲物に比して体格で勝るタコであれば、触腕が持つ強靭な筋力によって甲殻類の殻を砕き、きつく閉じた二枚貝の殻をこじ開けることができる。

人間もタコの天敵であるが、人間を見たことがない大型のタコは、潜水中の人を威嚇したり、ダイバーレギュレーターen)に触腕をからませ、結果としてダイバーの呼吸を阻害することもある。

猛毒を持つヒョウモンダコに噛まれると、人間も命を落とすことがある。詳細はリンク先を参照のこと。

[編集] 分類

  • ITIS(統合分類学情報システム)データベース

[編集] 下位分類

  • ITIS(統合分類学情報システム)データベース

[編集] ヒゲダコ亜目(有触毛亜目) Cirrina

[編集] マダコ亜目(無触毛亜目) Incirrina

[編集] 人間との関わり

[編集] 食文化

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タコは手近なタンパク質の供給源として、世界各地の沿岸地方で食用されている。ユダヤ教では食の規定カシュルートによって、タコは食べてはいけないとされる「の無い魚」に該当する。イスラム教キリスト教の一部の教派でも類似の規定によって、タコを食べることが禁忌に触れると考えられている。

[編集] アジア

[編集] 日本
日本の築地市場に並べられたタコ(茹で蛸)
「たこアイス」 タコの切り身をアイスクリームに和えた商品。日本、岩手県下閉伊郡山田町特産。

池上・曽根遺跡などの大阪府下の弥生時代の遺跡からは、蛸壺形の土器が複数出土している[1]。世界のタコ消費量の約6割を日本が占める[2]2000年前後の時代には北アフリカモロッコからの輸入が増加し、全体の6割を超えていたが、乱獲による生物量の減少を受けてたびたび禁漁が行われ(2003年9月からの8ヶ月間、等)、他産地からの輸入が増加している[3]

加熱調理されることが多く、多くの種は茹でる鮮紅色を呈する。料理では刺身寿司、煮だこ、酢だこ、酢味噌あえ、おでんの具材などに用いられる。たこ焼きやその原形とされる明石焼きの具材としても親しまれている。また、瀬戸内海周辺地域などでは蛸飯に供される。 低カロリーで、タンパク質、特にタウリンが豊富である。また、亜鉛も多く含む。夏場のものが特に美味とされる。関西地方には、半夏[4]にタコを食べる習慣があるが、これはタウリンを補給して夏バテを防ぐためと言われる。秋口にメスの体内にある象牙色の袋に包まれており、タコの袋児(ふくろご)と呼ばれ、煮付けて食べる。また、産卵後の卵はその形状から海藤花(かいとうげ)と呼ばれ、塩漬けにする。なお、イカの吸盤が環状に並んだ微細で鋭利な歯を持つのに対してタコの吸盤にはそれが無く、大きく肉付きも良いため、それ自体の食感が喜ばれる。

[編集] 日本以外の東アジア、東南アジア

韓国では日常的な食材である。特に、イイダコを生きたままぶつ切りにし、塩と胡麻油および胡麻と和えて踊り食いにするサンナクチ朝鮮語산낙지[語義:活きたイイダコ]、英語表記:sannakji)は有名である。台湾中国で消費されるタコは、大部分が現地の日本料理店韓国料理店の食材であり、中華料理の伝統食に蛸料理は無い。

なお、中国やベトナムは、乱獲によって漁獲量を減らしたモロッコに替わって日本向けの漁獲量を増やしている[3]

[編集] インド、近東
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ギリシャはナクソス港のタコ
メゼに使われる。

[編集] 地中海世界、欧米

スペインポルトガルイタリア南部などの地中海沿岸諸国では古来、タコを食用としてきた(古代ギリシア等、キリスト教化以前の地中海世界も該当する)。 他方、イギリスドイツ等の西欧諸国ではその外見が忌み嫌われ、「悪魔の魚」と呼ばれるなどし、食用にはされてこなかった。世界的に価値観の多様化した現代においては一概には言えないものの、これらの地域では寿司店などの日本料理店または韓国料理店など一部を除いて消費されることはあまりない。

ギリシャなど正教会信者が多い地域では、の間は肉(大斎の際は魚も)を禁じられているが、タコやイカなどは問題無く、そのため、タコを使った伝統料理は多い。

[編集] アフリカ

海辺で乾物加工されるタコ(アフリカ大陸東岸、タンザニアペンバ島近隣のミサリ島)
木製の蛸箱
(日本、北海道稚内市宗谷漁港[宗谷岬])

北アフリカ西部のモロッコは日本向け輸入産物として[いつ?]マダコ漁が盛んである。しかし、乱獲による漁獲量の減少が問題視されている。

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[編集] 漁業

[編集] 漁法

狭い岩の隙間に潜り込む習性を利用した蛸壺、蛸箱漁業[5]は、タコ漁業独特のものである。

日本のタコ漁

日本には餌をつけない針金で引っ掛ける「から釣り漁法」[6]も存在する。 空の蛸壺が浜辺に積まれている光景は、一部の地域では漁村景観の一つともなっている。また、イイダコは白色を好む傾向が強く、ラッキョウ等の白色の物体に釣り針をつけ、それに抱きつくイイダコを釣る変形のルアー釣りも有名である。

[編集] 日本の陸揚げ漁港

第1種共同漁業権の対象魚種である。

第1位 - 松川浦漁港福島県相馬市
第2位 - 宗谷漁港北海道稚内市宗谷岬
第3位 - 落石漁港(北海道根室市落石)
第4位 - 八戸漁港青森県八戸市
第5位 - 庶野漁港(北海道幌泉郡えりも町庶野)

[編集] 養殖漁業

卵の管理が難しい等の理由で、日本での商業用の養殖はいまだ成功していない(2009年1月19日時点)。

[編集] その他の文化

タコが描かれた前期ミノア文明土器
年代:紀元前1500年。出土地:クレタ島イラクリオン。所蔵:ギリシャ、アテネ国立考古学博物館

日本ではその形態、生態がきわめて特徴的でユーモラスでもあり、また、茹でると真っ赤になるなどといった性質から、漫画・映画・テレビ番組などでキャラクター化されることが多い(しばしば、胴体に鉢巻を巻いた姿で描かれる)。単純に馬鹿にする言葉としても「タコ」という呼称が使われ、転じて、馬鹿初心者を指して「タコ」という表現もあちこちで見られる。同じ墨を吐く動物として、イカと対比されることが多い。

先述(#地中海世界、欧米)のとおり、地中海沿岸諸国では古来、タコは食用であり、身近な存在であった。しかし、ヨーロッパ中北部では「悪魔の魚」とも呼ばれ、忌み嫌われてきた。タコは潜水夫を丸飲みにするともいわれる[誰?]

[編集] 神話・伝承

[編集] 言語

故事成語
  • 土用の蛸は親にも食わすな
  • 麦わらダコ(蛸)に祭りハモ
タコのつく言葉

[編集] 因んだ名称

人物
その他

[編集] タコをモチーフとしたもの

  • たこさんウィンナー赤いウィンナーソーセージに切れ目を入れてから加熱し、足を広げたタコ(しかし、茹でだこ)のような外見に仕上げたもの。料理研究家尚道子によって昭和期に考案されて以降、子供用の弁当などを飾る日本文化に特有[9]の定番メニューとして広く普及している。
  • タコの山 :日本の公園に見られる大型の公園遊具の一つ。また、この遊具を中心に据えた公園は「タコ山公園」等々の愛称的俗称で呼ばれることも多い。
  • すいつきタコちゃん :タコの形で、窓等に投げると張り付く、日本の玩具

[編集] タコを題材にした作品

[編集] 脚注

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  1. ^ 大阪湾の生き物カタログ マダコ 大阪府水産技術センター
  2. ^ 北海道立網走水産試験場発行 水産加工情報
  3. ^ a b かがくナビ科学技術振興機構ブログ)
  4. ^ ここで言う「半夏」は仏教用語の「半夏(はんげ)」。90日にわたる夏安居(げあんご)の中間。45日目のことを言う。
  5. ^ 北海道の漁業図鑑 たこ漁業 (たこ箱)
  6. ^ 北海道の漁業図鑑 たこ漁業 (やなぎだこ空釣り縄)
  7. ^ 中世から近代にかけて語られた怪物であり、古代北欧神話には登場しない。
  8. ^ [[en:Roland Burrage Dixon|Dixon, Roland Burrage]] (1916). The Mythology of All Races 9. Marshall Jones. (英語)
  9. ^ 2000年代の時点で「特有」。ただし、健康的かつ楽しい食習慣として世界的認知が高まりつつある「bento」の普及次第では今後はその限りではない。
ウィキメディア・コモンズ

[編集] 関連項目