タコ
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タコ(蛸、鮹、章魚、鱆、 英名 Octopus)は、軟体動物門 頭足綱 八腕形上目 タコ目に分類される動物の総称。 海洋性の軟体動物で、主に岩礁や砂地で活動する。淡水に生息する種は存在しない。多様な種が知られているが、一般的にタコといえばマダコを指す場合が多い。
目次 |
[編集] 生物的特徴
複数の吸盤がついた8本の触手を特徴とする。一般には足と呼ばれるが、学術書などでは腕と表現されることが多い(英語でも arm (腕)と呼ぶ)。Octopus(英語)/Octopoda(スペイン語)などつづりはギリシア語の「8本足(oktopous ← ὀκτώπους)」に由来する。
無脊椎動物の中で最も高い知能を持っていて、色を見分け、形を認識する事や、問題を学習し解決する事ができる。例として、密閉された捻蓋式のガラス瓶に入った餌を匂いでなく目で認識し、ビンの蓋を捻って餌を取ることができる。 身を守るためには、保護色に変色し、地形に合わせて体型を変える、その色や形を2年ほど記憶できることが知られている。 その柔軟な体のほとんどは筋肉であり、時には強力な力を発揮する。
寿命は短い。 卵の管理が難しい等の理由で、日本での商業用の養殖はいまだ成功していない(2009年1月19日現在)。
危険を感じると黒い墨を吐き、姿をくらます。この墨は、イカのそれと比べてうま味(特にアミノ酸)が豊富に含まれているが、粘性が低く水に溶けやすいという点と、墨汁嚢が取り出しにくいという点から、加工がしにくく料理には適さないとされる。
オスは吸盤の大きさがメスに比べばらつきがあり、また、8本の足のうち1本の先端は生殖器になっていて、これがメスの体内に挿入されることで受精が成立する(交接腕)。
外敵に襲われた時、捉えられた足を切り離して逃げることができ、その後、足は再生するが、時折2本に分かれて生えることもあり、8本超の足を持つタコも存在する。極端なものでは日本で96本足のあるタコが捕獲されたことがあり、志摩マリンランドに標本として展示してある。
また、ストレスによって自分の足を食べることがあるが、このとき食べた足は再生しない。
一見頭に見える、丸く大きな部分は実は胴体であり、足の付け根部分が頭となる。すなわち、頭から足(腕)が生えていることになる(イカもそうだが、頭足綱の名の由来でもある)。
血液中にはヘモシアニンという緑色の色素が含まれているので、血液は青く見える。
[編集] タコの天敵・他の生物との関係
- タコの天敵として最も有名なのはウツボである。また、サメやタイの仲間もタコを好む。稀に大型のタコが小型のサメを捕食することがある。タコは甲殻類を好む傾向が強い。
- 人間もタコの天敵であるが、人間を見たことがない大型のタコは、ダイバーを威嚇したり、ダイバーのレギュレーターに足をからませ、ダイバーの呼吸を阻害することもある。
- 猛毒を持つヒョウモンダコに噛まれると、人間も命を落とすことがある。詳細はリンクを参照。
[編集] 分類
[編集] ヒゲダコ亜目(有触毛亜目) Cirrina
- ヒゲダコ科 Cirroteuthidae
- Grimpoteuthididae
- Luteuthididae
- メンダコ科 Opisthoteuthidae
- ジュウモンジダコ科 Stauroteuthidae
[編集] マダコ亜目(無触毛亜目) Incirrina
- カンテンダコ科 Alloposidae
- クラゲダコ科 Amphitretidae
- アオイガイ科 Argonautidae
- フクロダコ科 Bolitaenidae
- テナガヤワラダコ科 Idioctopodidae
- マダコ科 Octopodidae
- アミダコ科 Ocythoidae
- ムラサキダコ科 Tremoctopodidae
- スカシダコ科 Vitreledonellidae
[編集] 人類との関係性
[編集] 食文化
タコは手近なタンパク質の供給源として、世界各地の沿岸地方で食用されている。ユダヤ教では食の規定カシュルートによって、タコは食べてはいけないとされる「鱗のない魚」に該当する。イスラム教やキリスト教の一部の教派でも類似の規定によって、タコを食べることが禁忌に触れると考えられている。
- 日本
池上・曽根遺跡などの大阪府下の弥生時代の遺跡からは、蛸壺型の土器が複数出土している[1]。世界のタコ消費量の約六割を日本が占める[2]。近年はアフリカ、モロッコからの輸入が増加し、全体の六割を超えていたが、乱獲によりたびたび禁漁が行われ、他産地からの輸入が増加している[3]。加熱調理されることが多く、多くの種は茹でると鮮紅色を呈する。料理では刺身、寿司、酢だこ、煮だこ、おでんの具材に用いられる。たこ焼きやその原型とされる明石焼きの具材としても親しまれている。
低カロリーで、タンパク質、特にタウリンが豊富である。また亜鉛も多く含む。夏場のものが特に美味とされる。関西地方には、半夏にタコを食べる習慣があるが、これはタウリンを補給して夏バテを防ぐためといわれる。秋口にメスの体内にある卵は象牙色の袋に包まれており、タコの袋児(ふくろご)と呼ばれ、煮付けて食べる。また、産卵後の卵はその形状から海藤花(かいとうげ)と呼ばれ、塩漬けにする。
- 欧米
イギリスやドイツ等の西欧諸国では悪魔の魚と呼ばれるなど、その外見が忌み嫌われ、寿司店などの日本料理店または韓国料理店など一部を除いて消費されることはあまりない。 しかしスペインやポルトガル、イタリア南部などの地中海沿岸諸国ではタコを食用とする。 またギリシャなど正教会信者が多い地域では、斎の間は肉(大斎の際は魚も)を禁じられているが、タコやイカなどは問題無いため、タコを使った伝統料理が多い。
- アジア
韓国では日常的な食材で、加熱しないで活きたままぶつ切りにして踊り食いをするサンナクチ(活きたイイダコの意)が有名。台湾や中国で消費されるタコは、大部分が現地の日本料理店や韓国料理店の食材であり、中華の伝統食に蛸料理はない。
[編集] 漁業
- 漁法
狭い岩の隙間に潜り込む習性を利用した蛸壺、蛸箱漁業[4]は、タコ漁業独特のものである。 また、餌をつけない針金で引っ掛ける「から釣り漁法」 [5]も存在する。 空の蛸壺が浜辺に積まれている光景は、一部の地域では漁村景観の一つともなっている。また、イイダコは白色を好む傾向が強く、ラッキョウ等の白色の物体に針をつけ、それに抱きつくイイダコを釣る変形のルアー釣りも有名。
- 日本の陸揚げ漁港
第1種共同漁業権の対象魚種である。
[編集] その他の文化
その形態、生態がきわめて特徴的でユーモラスでもあり、また茹でると真っ赤になるなどの性質から、よく漫画や映画、テレビでキャラクター化される(しばしば胴体に鉢巻を巻いた姿で描かれる)。同じ墨を吐く動物として、イカと対比されることが多い。
- 神話
- 故事成語
- 土用の蛸は親にも食わすな
- 麦わらダコ(蛸)に祭りハモ
- タコのつく言葉
- 蛸壺
- 野球でヒットが打てないことを指す言葉として使われる。たとえば4打数ノーヒットの場合は「4タコ」と言う。
- 蛸配当
- 蛸の吸出し
- タコ足
- 蛸足配線
- 等長化されたエキゾーストマニホールドを指す俗称(等長化のため蛸の足のようにうねっている)
- 蛸唐草(陶磁器の文様)
- タコ部屋労働
- タコになる(相撲用語で「天狗になる」と同義)
- エロダコ(漫才で本人の女性好きをネタとしていた、漫画トリオの十八番)
- タコ社長(映画「男はつらいよ」に登場する太宰久雄が演じた零細企業の社長の名称)
- タコ麻雀(漫画「ぎゅわんぶらあ自己中心派」で挙げられていた奇怪な打ち筋,言動等)
- 寺
- タコを題材にした作品
- 蛸の八ちゃん(田河水泡)
- Hello! オズワルド(en:Oswald (TV series))
- タコのロクちゃん(en:Squiddly Diddly)
- パロディウス 〜タコは地球を救う〜(ゲームソフト)
- クレクレタコラ(子供向けテレビ番組)
- たこのタコちゃん(絵本)
- 蛸と海女(葛飾北斎の木版画)
- すいつきタコちゃん(タコの形で、窓等に投げると張り付くおもちゃ)
- オクトパス(ゲーム&ウオッチとして発売されたゲーム)
- 天才タコボン(漫画「天才バカボン」の1編)
[編集] 脚注
- ^ 大阪湾の生き物カタログ マダコ 大阪府水産技術センター
- ^ 北海道立網走水産試験場発行 水産加工情報
- ^ かがくナビ(科学技術振興機構blog)
- ^ 北海道の漁業図鑑 たこ漁業 (たこ箱)
- ^ 北海道の漁業図鑑 たこ漁業 (やなぎだこ空釣り縄)
- ^ Dixon, Roland Burrage (1916). The Mythology of All Races 9. Marshall Jones. (英語)

