協定世界時
協定世界時(きょうていせかいじ、UTC、英: Coordinated Universal Time[1][2])は、国際原子時(TAI)に調整を加えて作られた世界時であり、国際協定に基づき人為的に維持されている時刻系である。1963年に発足した。
1972年以降は、協定世界時(UTC)の1秒は国際原子時(TAI)の1秒、すなわちSI秒と等しいと定義した。そして閏秒を加減する調整により、世界時のUT1(地球の自転に基づく時刻系)との差が0.9秒未満となるようにしている。UT1とUTCの差は、国際地球回転及び基準座標系事業(International Earth Rotation and Reference Systems Service、IERS)[3]のサイトで見ることができる[4][5]。
現在、世界各地の標準時は協定世界時を基準として決めている。例えば、日本標準時(JST)は協定世界時より9時間進んでおり、「+0900 (JST)」のように表示する。
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国際原子時[編集]
国際単位系 (SI) では、1秒は「セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の9 192 631 770倍に等しい時間」と定義されている。これが国際原子時である[6]。国際原子時 (TAI) は、この定義に従い、UT2(世界時の一種)の1958年1月1日0時0分0秒を起点として原子時計で計測して時刻を決めている。現在の協定世界時もSI秒を採用している。
世界時および調整[編集]
他方、世界時 (UT) は地球の自転の天文学的観測により決められる。地球の自転周期は種々の要因によりミリ秒単位で不規則であり、かつ10年のオーダーで長くなったり短くなったりしている(詳細は「地球の自転」を参照)。この世界時と国際原子時との間のずれを補正するために、国際原子時に閏秒を導入し調整したものが協定世界時 (UTC) である。
協定世界時は世界中の法的な時刻の基礎であり、世界時 (UT) とのずれが0.9秒を超えないように閏秒として1秒が挿入あるいは削除される。したがって協定世界時 (UTC) は国際原子時 (TAI) と常に整数秒の差を持つ。2012年7月1日現在、UTCはTAIから正確に35秒だけ遅れている(詳細は閏秒の項目を参照)。
旧協定世界時[編集]
協定世界時が発足したのは1963年である。これは原子時計の周波数を地球の自転の変動にあわせて一定値オフセットして1秒の長さを世界時(UT2)の進行に近似させ、さらに必要に応じて0.1秒のステップ調整を行うことで世界時とのずれが常に0.1秒以内になるようにしていた。しかし周波数のオフセット値を毎年調整する必要があり、実施上の困難が大きかった。1972年から現行の方式へ変更された。
略称[編集]
協定世界時の略称はUTCである。
国際電気通信連合 (ITU) では、協定世界時の略称は1つだけにしようと考えていた。英語では coordinated universal time で「CUT」、フランス語では temps universel coordonné で「TUC」、イタリア語では tempo coordinato universale で「TCU」と言語によって略し方が異なると不便であるからである。「UTC」でも世界時 (UT) の変形という意味合いを表すことができ、またすでにあるUT0、UT1などとも整合がとれる。
略称から逆成される形で、英: "Universal Time, Coordinated", 仏: "universel temps coordonné" などのような展開がなされることもあるが、これらはあくまでも非公式な呼称である[7]。
脚注[編集]
- ^ (英語) Frequently asked questions (FAQ), National Institute of Standards and Technology, (2010-02-03) 2012年5月10日閲覧。
- ^ 本来は「調整された世界時」という意味だが、「協定世界時」と和訳されている。
- ^ [1]Home → Data/Products → Earth Orientation Data → Plotsのグラフ
- ^ [2] 1970年以降のUT1-UTCのグラフ。不連続になっている箇所が閏秒の挿入日である。
- ^ [3] UT1-UTCの最近の値と予測値のグラフ。赤線が実績値であり、青線が予測値である。
- ^ 1967年の国際度量衡総会でこの定義が決議された。
- ^ BelleSerene (2009-05-27) (英語), French time: "heure légale" 2012年5月10日閲覧。
関連項目[編集]
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