安打

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安打(あんだ)は、野球における打者記録ヒット (hit) とも言う。公認野球規則10.05により安打は定められている。

概要[編集]

地面に落ちる前に守備側の野手に捕球されなかった打球がフェアボールになり、打者が出塁することで安打が記録される。基本的な考え方として、失策野手選択によらずに、塁上にいる走者が全員1つ以上進塁できた場合は安打であると考えて差し支えない。

安打で打者走者が一塁に達した後に更に次の塁への進塁を狙ったとき、野手の送球でアウトになった場合は、正規に到達することができた塁までの安打が記録される(一塁に達した後にアウトになれば単打、二塁に達した後なら二塁打、三塁に達した後であれば三塁打となる)。

次の場合には安打とはみなされない。

  1. 野手の失策または野手選択で出塁したと判断された場合
  2. 打者の打球で、他の走者がフォースアウトにされた場合
  3. 明らかに安打だろうと思われる打球だったにも関わらず、フォースの状態に置かれた走者が、次の塁を踏み損ねたためにアピールアウトになった場合
  4. 内野に位置している野手(内野手とは限らない)が、次塁に進むか元の塁に帰ろうとしている走者をアウトにした場合
  5. 打球を処理しようとしていた野手を妨害したために、守備妨害で走者がアウトになった場合

被安打[編集]

被安打(ひあんだ)とは、野球において、投手が打者から打たれた安打(単打、二塁打、三塁打、本塁打)の数を表す記録である。

安打の分類[編集]

安打は、試合を動かす重要な要素であることから、場面に応じて様々な呼び方をされる。

打者の進塁数による分類[編集]

単打(シングルヒット)
打者が一塁に達して止まった安打。外野手の手前に落ちた打球はほとんど単打になる。
二塁打(ツーベースヒット、ダブル)
打者が二塁に達した安打。外野手の頭上を越えた打球が二塁打になりやすい。
三塁打(スリーベースヒット、トリプル)
打者が三塁まで達した安打。右中間・左中間の深いところへの打球が三塁打になりやすい。
本塁打(ホームラン)
打者が本塁まで達した安打。外野フェンスを越えた本塁打の他に、フェアの打球を処理する間に打者が走って本塁に達するランニングホームランも記録上は同じ本塁打である。

走者の状況による分類[編集]

適時打(タイムリーヒット)
走者をホームインさせた安打のこと。打者には打点が記録される。

打球の勢いや落下位置による分類[編集]

内野安打
フェアの打球が内野で捕球されたが安打になったもの。
バントヒット
バントが安打になったもので、普通内野安打に含まれる(ごくまれに例外もある)。初めから打者が生きる意志があるセーフティバントの場合と、送りバントがたまたま野手の間に転がり安打になった場合とがあり、共にバントヒットと呼ばれる。
テキサスヒット(テキサスリーガーズヒット)・ポテンヒット
フラフラと上がった打球が内野と外野の間に落ちる安打。英語では単に"Texas Leaguer"(テキサスリーガー)あるいは"Texas League single"という。メジャーリーグでテキサスリーグ出身の選手にこの安打を多く打つ者がいたからであるとか、あるいはテキサスリーグで見られるような情けない安打であるからなど、語源については諸説あって真相は不明。また、ポテンヒットは内外野の間にポテンと落ちる安打であることから。日本ではポテンヒットの語が多用される。
強襲安打
野手のグラブ、または体に当たって地面に落ちた安打。打球の強さや野手の守備位置から、記録員が安打か失策かの決定を行う。

安打数に関する個人記録[編集]

日本プロ野球[編集]

最多安打[編集]

通算記録[編集]

順位 選手名 安打数 順位 選手名 安打数
1 張本勲 3085 11 石井琢朗 2432
2 野村克也 2901 12 落合博満 2371
3 王貞治 2786 13 川上哲治 2351
4 門田博光 2566 14 山本浩二 2339
5 衣笠祥雄 2543 15 榎本喜八 2314
福本豊 16 高木守道 2274
7 金本知憲 2539 17 山内一弘 2271
8 立浪和義 2480 18 大杉勝男 2228
9 長嶋茂雄 2471 19 大島康徳 2204
10 土井正博 2452 20 若松勉 2173
  • 記録は2013年シーズン終了時[1]

シーズン記録[編集]

順位 選手名 所属球団 安打数 記録年 備考
1 マット・マートン 阪神タイガース 214 2010年(144試合制) セ・リーグ記録
2 イチロー オリックス・ブルーウェーブ 210 1994年(130試合制) パ・リーグ記録
3 青木宣親 東京ヤクルトスワローズ 209 2010年(144試合制)
4 西岡剛 千葉ロッテマリーンズ 206 2010年(144試合制)
5 アレックス・ラミレス 東京ヤクルトスワローズ 204 2007年(144試合制)
6 青木宣親 ヤクルトスワローズ 202 2005年(146試合制)
7 長谷川勇也 福岡ソフトバンクホークス 198 2013年(144試合制)
8 小笠原道大 日本ハムファイターズ 195 2001年(135試合制)
9 イチロー オリックス・ブルーウェーブ 193 1996年(130試合制)
松井稼頭央 西武ライオンズ 2002年(140試合制)
青木宣親 東京ヤクルトスワローズ 2007年(144試合制)
田中賢介 北海道日本ハムファイターズ 2010年(144試合制)
  • 記録は2013年シーズン終了時[2]

連続試合記録[編集]

選手名 所属球団 記録 開始日 終了日
高橋慶彦 広島東洋カープ 33試合 1979年6月6日 1979年7月31日

1試合記録[編集]

選手名 所属球団 安打数 記録日 対戦相手
大下弘 東急フライヤーズ 7 1949年11月19日 大陽ロビンス

メジャーリーグベースボール[編集]

通算記録[編集]

順位 選手名 安打数 順位 選手名 安打数
1 ピート・ローズ 4256 11 ウィリー・メイズ 3283
2 タイ・カッブ 4191 12 エディ・マレー 3255
3 ハンク・アーロン 3771 13 ナップ・ラジョイ 3252
4 スタン・ミュージアル 3630 14 カル・リプケン 3184
5 トリス・スピーカー 3515 15 ジョージ・ブレット 3154
6 デレク・ジーター 3465 16 ポール・ウェイナー 3152
7 ホーナス・ワグナー 3430 17 ロビン・ヨーント 3142
8 カール・ヤストレムスキー 3419 18 トニー・グウィン 3141
9 ポール・モリター 3319 19 デーブ・ウィンフィールド 3110
10 エディ・コリンズ 3314 20 クレイグ・ビジオ 3060
  • 記録は2014年シーズン終了時[3]
  • 19~20世紀間の記録の扱いがMLB公式サイト、Baseball Reference、ESPNなどの各サイトにより違いがある。その為に順位が前後することがある。現在MLB公式サイトの記録が公式とされている。

以下、Baseball Referenceによる記録

順位 選手名 安打数 順位 選手名 安打数
1 ピート・ローズ 4256 11 エディ・コリンズ 3315
2 タイ・カッブ 4189 12 ウィリー・メイズ 3283
3 ハンク・アーロン 3771 13 エディ・マレー 3255
4 スタン・ミュージアル 3630 14 ナップ・ラジョイ 3242
5 トリス・スピーカー 3514 15 カル・リプケン 3184
6 デレク・ジーター 3465 16 ジョージ・ブレット 3154
7 カール・ヤストレムスキー 3419 17 ポール・ウェイナー 3152
8 キャップ・アンソン 3418 18 ロビン・ヨーント 3142
9 ホーナス・ワグナー 3415 19 トニー・グウィン 3141
10 ポール・モリター 3319 20 デーブ・ウィンフィールド 3110
  • 記録は2014年シーズン終了時[4]

シーズン記録[編集]

順位 選手名 所属球団 安打数 記録年 備考
1 イチロー シアトル・マリナーズ 262 2004年 ア・リーグ記録
2 ジョージ・シスラー セントルイス・ブラウンズ 257 1920年
3 レフティ・オドール フィラデルフィア・フィリーズ 254 1929年 ナ・リーグ記録
ビル・テリー ニューヨーク・ジャイアンツ 1930年 ナ・リーグ記録
5 アル・シモンズ フィラデルフィア・アスレチックス 253 1925年
6 ロジャース・ホーンスビー セントルイス・カージナルス 250 1922年
チャック・クライン フィラデルフィア・フィリーズ 1930年
8 タイ・カッブ デトロイト・タイガース 248 1911年
9 ジョージ・シスラー セントルイス・ブラウンズ 246 1922年
10 イチロー シアトル・マリナーズ 242 2001年 MLB新人記録

被安打数に関する個人記録[編集]

日本プロ野球[編集]

通算記録[編集]

順位 選手名 被安打数 順位 選手名 被安打数
1 米田哲也 4561 11 山本昌 3209
2 金田正一 4120 12 石井茂雄 3081
3 東尾修 4095 13 工藤公康 3056
4 小山正明 4068 14 平松政次 3037
5 鈴木啓示 4029 15 村田兆治 3019
6 梶本隆夫 3879 16 長谷川良平 2977
7 別所毅彦 3629 17 若林忠志 2971
8 山田久志 3459 18 松岡弘 2939
9 北別府学 3255 19 三浦大輔 2915
10 V.スタルヒン 3230 20 稲尾和久 2840
  • 記録は2013年シーズン終了時[5]

シーズン記録[編集]

順位 選手名 所属球団 被安打数 記録年 備考
1 真田重蔵 パシフィック 422 1946年
2 白木義一郎 セネタース 414 1946年
3 内藤幸三 ゴールドスター 380 1946年
4 別所昭 南海ホークス 376 1947年
5 高野裕良 大洋ホエールズ 367 1950年 セ・リーグ記録
6 野口二郎 東京セネタース 364 1939年
白木義一郎 東急フライヤーズ 1947年
8 稲尾和久 西鉄ライオンズ 358 1963年 パ・リーグ記録
9 V.スタルヒン 大映スターズ 357 1949年
10 林安夫 朝日軍 351 1942年

その他の記録[編集]

1試合記録
選手名 所属球団 被安打数 記録日 対戦相手
真田重蔵 パシフィック 22 1946年7月21日 阪急軍
1イニング記録
選手名 所属球団 被安打数 記録日 対戦相手 イニング
高橋一彦 横浜大洋ホエールズ 11 1986年6月3日 広島東洋カープ 9回表

脚注[編集]

  1. ^ NPB 通算記録 - NPB公式サイト
  2. ^ NPB シーズン記録 - NPB公式サイト
  3. ^ MLB 通算記録 - MLB公式サイト
  4. ^ MLB Career Hits (Baseball Reference)
  5. ^ NPB 通算被安打記録 - NPB公式サイト

関連項目[編集]