おでん
おでん(御田)は、日本料理のうち、煮物料理の一種。鍋料理にも分類される。 出汁を醤油などで味付けしたつゆに、大根、ちくわ、コンニャク、ゆで卵などさまざまなおでん種(おでんだね: 単に種(たね)とも言う)を入れて煮込んだ料理である。おでん種、つけだれの種類は地域や家庭によって異なる[1]。
「おでん」は元々、田楽を意味する女房言葉である[2]。田楽は室町時代に出現した料理で、種を串刺しにして焼いた「焼き田楽」のほか、種を茹でた「煮込み田楽」があった。江戸時代になって「おでん」は「煮込み田楽」を指すようになり、「田楽」は「焼き田楽」を指すようになった[3][4](味噌田楽も参照)。
素材にもよるが、前処理として下茹でや油抜きなどした上で、汁に様々なおでん種を入れて調理を行う。また地域や店により種や汁の違いも大きく、子供が買うような屋台から専門店や比較的立派な店舗のメニューともなっている。
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販売形態 [編集]
江戸ではおでんの振売が流行した歴史があるように、煮物としては珍しくファーストフードとしても食べられ、特に冬の食物として好まれる。「おでん屋」と称される小さな一杯飲み屋で酒の肴として供されていることも多い。
業務用のおでん鍋の多くは四角形で内部は具材ごとに入れることができるよう間仕切りが設けられており、熱源としてはガス式(直火式あるいは湯煎式)と電気式がある。
かつては、屋台の「おでん屋」が夜になると町中に店を出して酔客の憩いの場となり、また駄菓子店や食堂などの店先におでんの大鍋を置き、七輪やストーブなどで日がなぐつぐつと煮込んでいる素朴な風景も方々で見られたが、いずれも1980年代以降は廃れつつある。
横浜駅西口には、帷子川沿いに10軒程度のおでん屋が軒を連ねる「おでん屋台」が名物となっている。
煮込み済みのおでん種をつゆごとレトルトパックにした商品も多く売られている。また、缶詰として天狗缶詰などが「おでん缶」を製造しており、店舗や自動販売機で売られている。
変り種として、冷たくして食べることを前提に汁をゼリー状にした「冷やしおでん」が夏期向けの商品として鈴廣かまぼこや天狗缶詰から発売されている[5]。
コンビニエンスストア [編集]
1979年にセブン-イレブンがおでんの取り扱いを開始[6]して以降、コンビニエンスストアが電熱式のおでん鍋を置いておでんの煮売りをするようになった。これは一般にも好評で、日本全国のコンビニに広く浸透し、セブン-イレブンでは年間2億7700万個のおでん種が販売されるという(2011年度)[7]。かつては冬期など一部期間のみの取り扱いであったが、消費多角化への対応から、一年中コンビニでおでんを取り扱う傾向が強まっている[8]。販売促進活動が8月中盤以降から徐々に行われ[8][9]、10月から11月にかけて販売のピークを迎える傾向となっている[9]。コンビニのおでんつゆは、関東風よりも関西風の味付けが主流である。これは、関西風だとつゆの色が薄いために客が具材をよく見て選ぶことができ、また薄味でおでんの匂いが店内に広がらないからだという[7]。
歴史 [編集]
1782年 『豆腐百珍』が発行され、豆腐田楽が絵図に記載されている。蒲鉾も作られるようになった。 1837年 『守貞謾稿』が発行され、江戸の町では「上燗おでん」という店があると記述されている。
江戸時代の江戸では、田楽が庶民に親しまれており、立方体の豆腐を串に刺したものを焼いてから味噌を付けて食べ江戸名物ともなっていた[10]。田楽はコンニャクや芋などの野菜や魚類が使用されるようになり、後にせっかちな江戸っ子に合わせて煮込みが行われるようになった。近郊で香りと味の良い醤油の醸造が盛んになったため、削り節に醤油や砂糖、みりんを入れた甘い汁で煮込んだ「おでん」が作られるようになった。外食産業が盛んであった江戸では、「おでん燗酒、甘いと辛い、あんばいよしよし」の掛け声で売る「おでん かんざけ」と書いたのれんを掲げたおでんの振売や屋台が流行したが、「甘い」が煮込みおでんで、「辛い」が味噌をつけた田楽。このころには、「ハンペン」も種として使用されるようになっている。江戸ではかつお節の削り節が利用されるようになっており、昆布と合わせて出汁とされた。日本橋室町界隈は魚河岸が近く、その後に移転した「築地」にかけて、創業元禄元年(1668年の老舗店が存在している[11]。『日本食物史』には、戦後の闇市で「うどんやカストリ、おでん」を売っていると記述されている。
田楽が江戸で発達した「おでん」が上方にも伝わり「お座敷おでん」として客座敷に出されるようになったが、種を昆布だしの中で温めて甘味噌をつけて食べる「焼かない田楽」[12]と区別するために「関東炊き/関東煮」(かんとだき)と呼んだ。これについて1844年に創業した「たこ梅」(道頓堀)では、東京と同じようにだしは鰹節しか使わず、「関東からきたから関東煮ではなく広東人のごった煮をまねして作ったから広東炊き」と言っている。その後の関東煮は、昆布・クジラ・牛すじなどでダシをとったり、薄口醤油を用いたりと、関西風のアレンジが加えられていった。これを「関西炊」と呼ぶ人もいる[12]。大坂の天満ではタコを甘辛く煮たものが人気となっておりこれを「関東煮」と呼んでおり、おでんに対する関東煮の語源については「かんとうふ煮」説や中国の煮込み料理に由来する「広東煮」説もある[13]が定かではない。関東煮の名称は昭和40年頃まで使われた[14]。1937年(昭和12年)発行の大日本帝国陸軍調理教本「軍隊調理法」では、がんもどき・こんにゃく・大根・里芋・竹輪麩を、削り節・醤油・砂糖のダシで調理するおでんが「関東煮」と表記されており、田楽とは別となっていた。
江戸も明治時代に入ると「おでん茶飯」の屋台が人気であった。しかし関東大震災(1923年)で被害を受け物資も減る。それを機に、関西から関東へ職人の行き来があり、関西風のおでんが関東に逆輸入され[12]、それまで江戸では使用されなかった様々な種のおでんが広がる事になった。これら人の行き来があったために、現在の東京の老舗おでん店でも様々な味付けがある。
あらかじめ煮込んでおけば提供できる関東のおでんは、日本全国に広がり、屋台・居酒屋・駄菓子屋などで親しまれて家庭の定番メニューともなっていった[12]。
代表的なおでん種 [編集]
地方により使用される種の特色があるが、紀文の「家庭の鍋料理調査:好きなおでんベスト10全国版」では、大根・たまご・ちくわ・こんにゃく・はんぺん・厚揚げ・さつま揚げ・餅入り巾着・ごぼう巻・じゃがいもの順となっている。
ほぼ全国共通で用いられるおでん種 [編集]
- 大根 - 厚切りにして皮を剥いたもの。「おでんの王様」とよばれる。
- ゆで卵 - 鶏卵やウズラの卵
- 昆布 - 出汁を取った後の昆布を取り出し、結んで種として活用する。
- コンニャク - 黒・白の板状に加え、ひねったものや青海苔・ごま・ゆず・一味などの団子状の物もある。
- しらたき - 結んで食べやすい形にする。
- ちくわ - 九州などでは種類が異なる。
- 厚揚げ・生揚げ
- がんもどき - 「がんも」とも略される。
- 巾着 - 油揚げの中に餅等の材料を入れ、かんぴょう等で口を縛った物。「ふくろ」とも略される。
地域や好みによって使用されるおでん種 [編集]
- ちくわぶ - ちくわ型をした生麩の一種。関東と東北が多い。
- スジ肉 - スジ肉のぶつ切りを串に刺したもの。牛のスジ肉が主であるが、中部地方の一部などでは豚を用いることもある。西日本が多い。
- ニンジン
- サトイモ・海老芋
- じゃがいも - 皮を剥いて、丸ごと、または一口大に切る。
- ギンナン - 4~5粒程度を爪楊枝に刺して種とする。
- タケノコ
- ロールキャベツ
- キノコ - シイタケ、マイタケ、ブナシメジ、エリンギなど。
- 豆腐 - 主に焼き豆腐が用いられる。「しろもの」「おかべ」とも呼ばれる。
- 高野豆腐
- かまぼこ - 中国地方など。色の赤いものが好まれる。
- 信太巻 - 野菜などを油揚げやゆばで包む。信田巻とも。
- 厚焼き - 焼き蒲鉾の一種で原料に玉子が含まれる。
- つぶ貝、バイなどの巻貝類。串に刺して用いられる。
- タコ - 足の部分を用いるが、おでん種としては、小さいイイダコが丸々串に刺さっている場合も多い。
- ソーセージ - 洋風おでんとして扱っている店もある。沖縄ではホットドッグ用のフランクフルトも一般的。
- 鶏肉 - 手羽先など骨付きの部位が用いられることがある。
- トマト - 主に1つ丸ごと使う。おでん専門店などで見かけることがある。
- うどん - 2010年からファミリーマートのおでんであつかわれるようになった。
- 揚げかまぼこ - 地域によってさまざまな名称やバリエーションがある。関東以北では「練物」、九州では「揚物」「天ぷら」、沖縄では単に「かまぼこ」と呼ばれる場合が多い。
- 薩摩揚げ
- つみれ - 魚のすり身に鶏卵や澱粉などを加えた肉団子状の練り物。
- つくね - 鳥肉などのミンチに鶏卵や澱粉などを加えた肉団子状の練り物。
- 平天
- 丸天(ボール天)- 主に関西地方で使われる。
- 野菜天- 細かく切ったにんじんやごぼう、えんどう豆などが含まれる。
- ゴボウ巻き(ゴボ天) - ゴボウの入ったちくわ状のさつま揚げ。
- イカ巻き
- エビ巻き
- ウィンナー巻き
- 玉子巻き(ばくだん) - 鶏卵やうずら卵を巻き込んださつま揚げ。
- 真薯揚げ(しんじょあげ・しんじょうあげ) - エビのすり身に卵白と混ぜて揚げたもの。同様に海老の代わりにイカ・かに・ほたてなどを用いたものもある。
- シューマイ巻き
- 餃子巻き - 餃子を白身魚のすり身で筒状に巻いたもの。関東、東北に登場し、遠く離れて福岡でも見られるおでん種。おでん博物館館長でもある作家の新井由己が原付バイクで日本一周おでん食べ歩きを始めるきっかけとなったおでん種である。発祥は東京の蒲鉾屋の蒲一とも愛川屋とも言われている。
地域性の強いおでん種 [編集]
- 北海道・東北地方
- 山菜
- 野菜
- 魚介類
- 揚げかまぼこ
- マフラー - 北海道独特の練り製品。長方形の分厚いさつま揚げ
- 角天 - 長方形のさつま揚げ
- 関東地方
- はんぺん - 白身魚のすり身に山芋を加えて蒸したもの。四角いものを二つに三角形に切る。しぼんでしまわないように、かつダシが染み込むようにするのは難しい。
- 筋蒲鉾(すじ) - 鮫の軟骨を含む白身魚の練り物の一種。
- 静岡
- 黒はんぺん - 静岡おでんに入れる焼津名産の魚の練り製品。鰯が主原料のため淡灰色をしていることからこう呼ばれる。前述のはんぺんを「白はんぺん」と呼んで区別することもある。
- カツオのへそ - 鰹の心臓のこと。串に刺して用いる。焼津地方に特有。焼津港は鰹の水揚げ量において国内随一で、鰹のアラが比較的簡単に手に入るため、おでん種としても使われるようになったと見られている。
- なると - 駄菓子屋や飲み屋のおでんで見られ、静岡県焼津市では現在も定番として使われる。
- 中部地方
- 豚バラ - 角切りにした豚のばら肉。
- どて串 - 豚もつを串に刺したもの。名古屋を中心とする味噌味のおでんによく用いられる。
- 関西地方
- コロ - 油かす。鯨の皮から鯨油を絞った残りを乾燥させたもの。
- さえずり - 鯨の舌。鯨由来の種は、以前は関西のおでんには欠かせないものだったが、商業捕鯨禁止以降は珍しくなった。
- 湯葉、生麩 - 京都を中心に用いられる。
- ほねく - タチウオを骨ごとすり身にしてさつま揚げ状に揚げたもの。和歌山を中心に用いられる。
- メークイン- カレーや他の煮込み料理同様に好まれる。
- 北陸地方
- 加賀巻 - キャベツを中心とした野菜をさつま揚げ状に揚げたもの。同様に紅生姜・枝豆・タコ・ゲソ等をそれぞれさつま揚げ状に揚げたものもある。
- くるま麩 - ちくわ型の焼き麩の一種。新潟・北陸ではおでん種として用いられる。
- 四国地方
- じゃこ天 - 愛媛を中心に用いられる。
- 九州地方
- 馬すじ - 馬のすじ肉。熊本おでんの定番である。
- 小判型のつきあげ(さつま揚げ )- コンビニが鹿児島へ入ってくる以前は、牛蒡巻などの代わりに入っていた。
- 大豆もやし - 鹿児島天文館の吾愛人(わかな)などの高級居酒屋のおでんに良く見られる種。
- 骨付き肉(豚骨) - 豚骨料理の郷土料理があり、豚(もしくは鶏)の骨付き肉。
- 沖縄
各地のおでん [編集]
一般的には、東日本では多くの削り節と昆布を使用し、関西北陸は昆布、中国四国は煮干しや焼きあごを使用する。また、使用される醤油が違う事もあり、東日本では濃口しょうゆの濃い色のダシと薄い色のものが混在しており、西日本では薄口しょうゆが使用されるため、色合いが異なってくる(塩分濃度は醤油の色の濃薄とは無関係)。しかし、おでんの発展には複雑な経緯(前述)があったために、様々な出汁が使用されたり、関西でも濃口醤油を用いたりすることがある。
薬味は全国的に練り辛子が主流だが、味噌だれやネギだれなどを用いる地域もある。
北海道 [編集]
北海道のおでんは、2種存在する。現在、一般的な物は、北海道産のコンブを用いた薄い醤油味。地域特色として海の幸(コンブ・タチ(タラの精巣)・カニ・ツブなど)・山菜(フキ・ネマガリダケなど)がある。縁日の屋台・海の家・雪祭りの飲食店の定番品である生姜風味の甘辛い味噌だれを串おでん(ダイコン・揚げかまぼこ(角天・マフラーなど)・白こんにゃく・ゆでたまご)にかけたものがある。串おでんの種は、出汁ではなく水で茹でた物に味噌だれをかけた単純なものである。
以前は、手軽に食される串おでんが主流であったがコンビニのおでんの登場により薄い醤油味のものが定番となった。別添えに生姜味噌・和からしの小袋が付属する。現在、生姜風味の甘辛い味噌だれをかけた串おでんは、コンビニおでんでは、販売されない(但し、味噌味の串おでんのレトルト品は、存在する。ファミリーマートでは、「ちび太のおでん」(おでん串)は販売される)。
青森県青森市 [編集]
ツブ貝、ネマガリダケ、大角天(薩摩揚げの一種)など独特の種が入ったおでんにしょうが味噌だれをかけて食べる「青森生姜味噌おでん」。2005年には「青森おでんの会」が発足し「B-1グランプリ」へ出展した。
関東 [編集]
現在のおでんは、関東で煮込み田楽からに変化していったものなので、特別な点は少ない。濃口醤油を使用しても、静岡のおでんのようにつゆは黒くはない。「ちくわぶ」が特徴だとも言われるが、関東独自の種でもない。世界最大の魚の卸売市場「築地」が存在し、練り物は多く使用される。浅草は、おでんの聖地とも言われる[15]。屋台、居酒屋、うどん店のメニューとなっている事が多い。餃子巻きなど全国的に珍しい種も見られる。
神奈川県小田原市 [編集]
小田原市では、2003年に地元名産品である蒲鉾の消費拡大を狙うべく、2003年に「小田原おでん会」を発足させ、名物料理となっている。梅味噌を付けて食する。
静岡県静岡市 [編集]
静岡市のおでんは濃口醤油を使い鶏ガラ(および牛すじ)でだしを取った長年継ぎ足しの黒いつゆを使用する。はんぺんは焼津産の黒はんぺん、すべての種に竹串を刺し、「だし粉」と呼ばれるイワシの削り節や鰹節、青海苔をかけて食べる。
これは「静岡おでん」と呼ばれ、発音は静岡市周辺での「静岡」の読み方にならって「しぞーかおでん」である。この呼び方をセールスポイントにしている店や書籍も多数存在している。佐藤浩市が出演した「キリン一番搾り」キリンビールのテレビコマーシャルで取り上げられたことから全国的に注目され、一種のブームにつながった。2007年には「静岡おでんの会」という団体が「B-1グランプリ」という食の祭典に静岡おでんを出展し、3位となった。
葵区にはおでん店だけが軒を連ねる飲食店街「おでん横丁」があり、各店舗で味や具材を工夫している。また、旧清水市内を含む静岡市内にある多くの駄菓子屋でもおでんを販売している。「静岡おでん」は季節を問わず食されており、例えば夏場のプールなどでも販売され、店によっては冬場より売り上げが多いところもあるという。このように静岡市周辺においてはおやつ、酒の肴、おかずと幅広く食されている。
また年に一度、「しぞーかおでんフェア」(2010年に「静岡おでんフェスタ」から改称)が開催されており、人気投票が開催されるなど盛り上がりを見せている。最近では日本各地のおでんや、韓国、台湾などのおでん等も紹介している等、イベントで楽しめるおでんの幅が広がりつつある。
さらに最近では静岡県内のみならず、東京都内やバンコクでも静岡おでんが味わえる店が開店するなど、静岡おでんが食べられる地域も広がりつつある。
「静岡おでん」は旧清水市内を含む静岡市とその周辺で主に食されていたものであり、県西部の浜松市や、県東部の沼津市、熱海市などでの知名度や認知度は極めて低かったが、先述のテレビコマーシャルなどでの知名度上昇に伴い、全県的に知られるところとなる。静岡県内においても西部や東部・伊豆などでは全国的な知名度上昇と時を同じくして明確に認知されるようになったとも言われる。
長野県 [編集]
おでんの具と共に、蕎麦(そばきり、そばがき)を煮込む。よって出汁は関東風のコクがある出汁が主流であった。しかし前述の通り、時代とともに出汁が関西風味へと変遷されたことで風味が合わなくなってしまったせいか、現在ではあまり見られない食され方である。
長野県飯田地方 [編集]
一般的なおでんに、甘辛いネギダレ「信州飯田のねぎだれ」(みじん切りにしたネギを醤油に漬け込みネギのエキスにより粘り気の出たタレ)をかけて食べるもので、豆腐の種も良く食べられる。このネギダレは、長野県地域で蕎麦がおでんの種に用いられた頃に薬味として使われていたネギの名残であるとされ、他の料理にも使用されている。
富山県 [編集]
塩と昆布やかつお節でとっただし汁に、玉子、大根、焼きちくわ、焼き豆腐、かまぼこ、すりみなどを入れて煮込み、「白とろろ昆布」や練りからしを添えて食べる。昆布の消費量(一人当たり)日本一の県として、この「白とろろ昆布をのせて召し上がる」を「富山おでん会」としては、「富山おでん」の定義にしているが、富山県で一般的に食されているというわけではない。 メニューにおでんがあるラーメン店の存在も富山県の特徴である。
その他の珍しい種としては、あんばやし(薄切りコンニャクの串刺し)や、すす竹(細竹)、白えび入りのつみれなど。
愛知県 [編集]
「味噌おでん」は、八丁味噌をベースとした甘めの汁でダイコン、こんにゃく等の種を煮込む。味噌の煮汁には豚のモツやバラ肉を入れてどて煮にしたり、味噌カツのたれにされることも多い。また、だし汁ではなく湯で茹でた後、味噌をつけて食する味噌田楽もある。
醤油味の汁のおでんについては「関東煮(かんとに)」と呼び、おでんといえば味噌おでんや味噌田楽を指す場合が珍しくなかった。また、種でも薩摩揚げのことを「はんぺん」と呼ぶことが一般的だったが、最近ではテレビメディアや全国展開するコンビニなどの影響で、関東煮(かんとに)をおでんと言い換え、わずかながらも薩摩揚げとはんぺんを区別するようになった。
名古屋のコンビニのおでん販売では、普通のおでんを売る店、味噌おでんを売る店、両方を売る店の三種類がある。両方を売る店では、場所の関係上、普通のおでんの一部分に味噌おでんの容器を置き、一品か二品程度を売る店がある。その場合は、牛すじ、大根、卵が多い。味噌だれの小袋が付く場合がある。
兵庫県姫路市 [編集]
しょうが醤油に付けて食べる[16]。きざみネギを散らすこともある。
香川県 [編集]
おでんには白味噌ベースの甘い味噌だれ、黄色いからし味噌などを添える。「うどん店」では、必ずと言っても良いほど副食としてセルフサービス販売されている。
愛媛県 [編集]
からしの代わりにおでん用の味噌を付けて食べる。また、県内の一部の地域ではラーメン屋で提供され、ラーメンのでき上がりを待つ間に食べられている。
鹿児島県 [編集]
鹿児島県のおでん(味噌おでん)については、味噌おでん (鹿児島風)を参照。
沖縄県 [編集]
沖縄のおでんは、てびち(豚足)をメインとしており、旬の葉物野菜が添えられる。コンビニでは本土と同様の一般的なおでんと共にてびちやソーキもおでん種として採用されている。また、おでんに沖縄そばを入れる例もしばしばみられ、沖縄ファミリーマートやローソン沖縄では「おでんそば」も販売されている。薬味には他の地域で一般的な和からしではなく、アメリカ製のマスタードが用いられることも多い。
その他 [編集]
「京風おでん」「京おでん」という名称で、淡口醤油を使用したおでんを出す店がある。 コンニャクのみを種とする「こんにゃくおでん」・「味噌おでん」があるが、だし汁ではなく湯で煮込んで熱くしたコンニャクに甘い味噌ダレを付けて食べる煮込み田楽である。
日本国外のおでん [編集]
日本独自の食べ物であるが、併合時代に台湾や朝鮮半島などにも広まり、現地では今でも日本語の「おでん」の名称で親しまれている。なお、現在の台湾のコンビニエンスストアや屋台などでは、「黑輪」(台湾語)、「關東煮」という大阪風の表記で広く売られており、同様現地のセブンイレブンでは「関東煮」と日本の新字体でも表記されている。韓国ではオデン=練り物、特に薩摩揚げそのものを指す言葉に変質しており、日本同様に一般的な食材として、日本のおでんのように煮干から取った出汁に醤油を加えた汁で煮たり、コチュジャンで炒めたりと、様々な調理方法で食べられている。なお、汁で煮込む場合は、しばしば風味付けのために薄切りの大根が一緒に煮込まれることがあるが、これは具材としては扱われず、食されるのはあくまでオデンと汁のみである。また、汁オデンを扱う屋台では、多くの場合、サービスとして汁を無料で提供している。
上海の日系コンビニエンスストアなどでもおでんが売られている。串に刺し、使い捨てのコップに入れて売るという違いがある。上海では「熬点」と書いて「Aódiǎn」と発音するが、これは語源の日本語の「おでん」と、煮込んだ(熬)スナック(点、すなわち点心)というような字義との掛詞である。
タイの日系コンビニエンスストアでもほぼ日本と同じスタイルでおでんが多く売られている。
フランス語版Wikipediaでは、フランス料理のポトフに料理法や社会的なポジションが類似した料理としておでんを挙げる。
脚注 [編集]
- ^ 新井由己著, "日本全国おでん物語", 生活情報センター
- ^ 日本国語大辞典(小学館)、女房言葉の項
- ^ 新明解国語辞典(三省堂)第7版。おでん、田楽、それぞれの項を参照。
- ^ 『丸善食品総合辞典』丸善 p.164 1998年
- ^ この夏、「冷やしおでん」がブーム!? エキサイトニュース 2006年8月10日
冷やしおでん缶デビュー! ゼリー状スープを検証! ASCII.jp 2008年7月17日 - ^ 『“熱い”真夏のコンビニおでん戦争 値下げ、だし改良、品ぞろえ…』 産経新聞、2007年8月28日。
- ^ a b 1日1000個売れるコンビニおでん つゆはなぜ「関西風」か、週刊ポスト2012年11月16日号、NEWSポストセブン、2012年11月11日配信、2012年11月12日閲覧。
- ^ a b コンビニで中華まんやおでんを発売する時期って決まってるの? アメーバニュース 2009年4月22日
- ^ a b コンビニでおでんが最も売れる時期は何月か? Business Media 誠 2009年4月1日
おでんが最も売れる時期は、冷え込む1~2月ではない ライブドアニュース 2009年5月25日 - ^ 真崎稲荷境内には、田楽茶屋が8軒並んでおり、そのうちの「甲子屋」は滝沢馬琴が贔屓にする人気店
- ^ 興津要「江戸味覚歳時記」時事通信
- ^ a b c d 紀文
- ^ 「たこ梅」関東煮・おでんの歴史
- ^ おでん専門店「たこ梅」(た古梅) 関東煮・おでんの歴史
- ^ 職人が究めたおでんの哲学 男の夜遊びライター大脇克浩
- ^ 姫路おでん公式サイト
関連項目 [編集]
- 2月22日 - 2007年に新潟県のラジオ番組が、おでんを食べるときに「フーフーフー」と息をふきかけて食べることから、語呂合せで2月22日を「おでんの日」とした。
- 10月10日 - 青森おでんの会が「おでんの日」としている日。
- 御田
- 田楽
- 味噌田楽
- おでんくん
- チビ太 - 赤塚不二夫の漫画のキャラクター。上から蒟蒻・がんも・鳴門巻を串に刺したおでんを手に持って登場することが多く、鳴門巻を焼竹輪に変更した「チビ太のおでん」が商品化。
外部リンク [編集]
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