七味唐辛子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
七味唐辛子

七味唐辛子(しちみとうがらし)は、唐辛子を主とした香辛料調合した日本調味料(ミックススパイス)。しばしば「七味(しちみ)」とされる。

七味唐辛子というのは上方風の名前であり、江戸東京では七色唐辛子、七種唐辛子(なないろとうがらし)である。しばしば略して「なないろ」と言う。唐辛子は「とんがらし」とも発音される[1]

唐辛子を主原料とし、七種類の香辛料を混ぜて作られることからその名がある。必ずしも同じ原料・また七種類の原料で作られるとは限らず、生産者によっては原料や種類数が違う[2]

うどんそばなどの類や、牛丼湯豆腐水炊き豚汁などの日本料理薬味や汁の吸口[3]として使われることが多い。

材料[編集]

主原料の唐辛子に各種の副原料を加えることで、風味をつけるとともに辛味をほどよく抑えている。調合に用いる副原料は生産者によって異なるが、以下がよく使用される。

歴史[編集]

瓶入り(ハウス食品

七味唐辛子は別名薬研堀(やげんぼり)とも呼ばれる。この名は、江戸時代に徳右衛門(徳兵衛)が両国薬研堀にて漢方薬を参考にして作られ江戸名物になったことに由来する。

現在、東京・浅草寺門前「やげん堀(中島商店)」、京都・清水寺門前「七味家」、長野・善光寺門前「八幡屋礒五郎」などのオーソドックスなもののほか、新潟・上越の唐辛子味噌など七味唐辛子から発展した調味料[要出典]も存在する。やげん堀・七味家・八幡屋磯五郎の三者は、日本三大七味唐辛子と称されている。

販売方法[編集]

かつての七味唐辛子売りは、材料を別々の容器に入れておき、客の目の前で客の好みにあわせて調合した。材料を説明する口上がおもしろく、大道芸の一種ともなり、特に上手い者は興行師に雇われて演じることがあった[4]。21世紀の初めにも、東京の一部の縁日の屋台の七味唐辛子売りで聴くことができる[5]

現在でも店頭で客が好みの味に調合してもらうことができる販売店がある。原料の種類も七種に限らず、客の求めに応じて減じたり増したりできる。

海外での七味唐辛子[編集]

欧米などの日本食ブームの中で、うどんや焼き鳥に伴う定番の調味料として認知が広まっている。日本の大手メーカー製品の入手も比較的容易であるが、国内の物とは内容物が異なる。これは国内向け製品には麻の実が使われていることによる。オランダカナダなど一般的に大麻に寛容と思われている国でも、実際に麻の実が入った料理や麻の実を含んだ製品が売られているが、これらは場所や対象客を厳格に分別した店に限られており、日本のように麻の実が入った製品が子供でも購入できる一般の商店で食品として販売されることは決して無い。同様に自家消費用や邦人へのお土産用に国内仕様品を持ち込んだ場合、発覚すると没収や拘束起訴など法的処分を受ける可能性もあり注意が必要である。そのためハウスS&Bでは麻の実を含まない七味唐辛子を輸出専用に製造している。内容物は、唐辛子、陳皮、黒ゴマ、白ゴマ(ハウスでは金ゴマ)、山椒、生姜、青海苔の7種である。ちなみに、ハウス製は"SHICHIMI TOGARASHI"だが、S&B製は"NANAMI TOGARASHI"と表記されている。これは、"ICHIMI"と"SHICHIMI"の表記・発音の紛らわしさから起きる流通の混乱を避けるためである[6]

脚注[編集]

  1. ^ 『日本国語大辞典』小学館、『新明解国語辞典』三省堂では七味唐辛子は七色唐辛子を参照する。
  2. ^ 十種類の原料を配合して作り、十味唐辛子と称する例もある。
  3. ^ 小林弘、『読む食辞苑 日本料理ことば尽くし』p174、1996年、東京、同文書院、ISBN 4-8103-0027-7
  4. ^ 高橋幹夫『江戸あじわい図譜』48頁。
  5. ^ オオカワヨウコ『縁日お散歩図鑑』24-26頁。
  6. ^ 唐辛子・こしょうに関するQ&A”. エスビー食品株式会社. 2013年8月16日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]