心臓

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心臓
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ヒトの心臓
英語 Heart
器官 循環器
  
心臓と肺。古版『グレイの解剖学』より

心臓(しんぞう)は、特に脊椎動物のもつ筋肉質な臓器であり、律動的な収縮によって血液循環を行うポンプの役目を担っている。あるいは、環形動物・軟体動物・節足動物における似たような役割の構造である。

ある程度規模の大きな多細胞動物において、細胞代謝を維持するには常に血液によってエネルギー源や酸素を受け取り、老廃物二酸化炭素を運び出す必要がある。そのため、心臓が機能を停止することは生き物の存続条件の一つである代謝・呼吸ができなくなることであり、通常は個体を意味する。

目次

[編集] 心臓の構造

[編集] 節足動物・環形動物

節足動物環形動物では、体を前後に走る消化管の背面に主要な血管が走っており、体節ごとに横枝を出している。この太い血管の内、特定の体節の部分がより筋肉質になり、収縮して血液を送り出すようになっているのが心臓に当たる。

[編集] 脊椎動物

脊椎動物の心臓は、以下のような構造からなっている。

  1. 心室とは、収縮することで心臓外に血液を拍出する器官。
  2. 心房とは、心室の上流にあって、心室に入る前の血液を貯留し、心室へ血液を送り込む器官。
一心房一心室
魚類の心臓に見られる構造である。一対の心房と心室から静脈血酸素に乏しい血液)がエラへ送られ、エラからそのまま全身を循環して心臓へ戻ってくる。
二心房一心室
両生類爬虫類にみられる構造。全身から戻ってきた静脈血とから戻ってきた動脈血(酸素に富んだ血液)が別々の心房を通じてひとつの心室に入り、混合した上で肺・全身に送り出される。脊椎動物が陸上に上がる際、呼吸手段はエラから肺に移行したが、肺はもともと食道から発生した臓器であり、全身循環の支配下にあった。これを、還流路だけでも他の臓器から独立させた形である。動脈血と静脈血が混合されるのは一見非効率的なようであるが、粘膜呼吸もする両生類・爬虫類にとってはむしろフレキシブルな構造であるとも言える。また、水生のカメを除く爬虫類では粘膜呼吸はほとんど見られず、動脈血と静脈血の混合も巧みに防止されていることがわかっている。ほとんどの爬虫類では二心房一心室型の心臓は、潜水時など肺呼吸を一時停止している間は肺循環を停止してバイパスを生み出すことによって循環の効率化を図るシステムとして機能していると考えられている。なお、両生類の心室は完全に一つであるのに対して爬虫類の心室には心室を二つに分離する不完全な壁がある。
二心房二心室
哺乳類鳥類にみられる、二対の心房・心室系からなる構造。呼吸は両生類と異なり肺のみで行い、また内温性を維持するために高い代謝率を保たなければならず、爬虫類のように肺呼吸を一時停止するゆとりがないため、動脈血を駆出する左心系と静脈血を肺に駆出する右心系が完全に分離されている(心筋を栄養した血管系の静脈など、一部左心系に戻るものもあり、シャント短絡)と呼ばれる)。

心臓の細胞(心筋)は、完成後は殆ど分裂しない。(になりにくい)

[編集] ヒトの心臓

[編集] 構造

ヒトの心臓の構造
血液の流れは白い矢印で示されている

ヒトの心臓は二対の心房・心室、つまり右心房左心房右心室左心室から成る。心臓のサイズは握りこぶしほどの大きさである。

心臓は血液の逆流を防止するために4つの弁を持っている。弁は右心房と右心室、右心室と肺動脈、左心房と左心室、左心室と大動脈の間に存在し、それぞれ、三尖弁肺動脈弁僧帽弁大動脈弁と呼ばれる。

[編集] 機能

心臓は全身に血液を拍出するポンプの働きをしている。心筋には、筋肉の収縮・拡張により血液を送る固有心筋と、固有心筋を動かすための電気刺激の発生と伝導を行っている特殊心筋がある。

電気刺激は右心房にある洞房結節(sinoatrial node: SA node、別名キース・フラック結節)から発生し、心房を介し右心房の下方にある房室結節(atrioventricular node: AV node、別名田原結節)へと伝わる。この刺激により心房の収縮が行われる。更に電気信号は房室結節からHis束、右脚、左脚プルキンエ (Purkinje) 線維へと伝導し、心室へと電気刺激が伝わっていく。 ここで、心房と心室とでは、電気刺激を受ける時間差があるために、心房の収縮に遅れて心室の収縮が起こる。これにより心房から心室へと血液をうまく送ることが出来る。 洞房結節、房室結節、His束、右脚、左脚プルキンエ線維を合わせて刺激伝導系と呼ぶ。

右心房には容量受容器があり、静脈還流量が増加して右心房が伸展されると、心房性ナトリウム利尿ペプチド (ANP) を分泌する。ANPは腎臓に働いてナトリウム排泄を促進することで体液を減少させる。同様に心室が伸展されると、心室筋からはANPに似たホルモン脳性ナトリウム利尿ペプチド (BNP) が分泌され、一部の心不全状態で血中濃度が上昇する。

[編集] 位置

よく心臓は左胸にあるといわれるが、実際には上の図のように左右の肺の中間、つまり胸のほぼ中央にある。図にあるように心臓は形状が中央よりやや左に寄っている。このため、左胸のほうが右胸よりも心臓の鼓動を感じやすいことからこのような誤解が生じたものと考えられる。

[編集] 初期発生

詳細は「心臓の発生」を参照

ヒト胚の心臓は受胎後約21日或は通常妊娠日決定に用いる最終標準月経期(LMP: the last normal menstrual period)後5週間で鼓動を始める。[1] 母体の心拍数(約75-80/分)近くから始まり、胎児心拍数(EHR: the embryonic heart rate)は初月の間直線的に加速し、7週間目にはピーク165-185bpm(beat per minute)に達する(LMP後なら9週間目)。この加速は、3.3bpm/日、凡そ10bpm/3日、つまり初月で100bpmの増加である。 LMP後9.2週間目でのピークの後に、胚の心拍数は15週目で約150bpm(+/-25bpm)に減速し、その後最終的には平均的な145bpmに減少する。

出産前心拍数に於いて男女間の違いは殆ど無い。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 参考文献

  1. ^ Terry J. DuBose Sex, Heart Rate and Age


循環器系
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