キジ
| キジ | ||||||||||||||||||||||||
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畑を歩く日本の国鳥のキジ(オス)
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||
| Phasianus versicolor Vieillot, 1825[1] |
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| シノニム | ||||||||||||||||||||||||
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Phasianus colchicus robustipes[2] |
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| 和名 | ||||||||||||||||||||||||
| キジ | ||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||
| Green Pheasant Japanese Pheasant |
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| 亜種 | ||||||||||||||||||||||||
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キジ(雉子、雉、学名:Phasianus versicolor[3][4])は、キジ目キジ科キジ属の鳥の一種。日本の国鳥。また国内の多くの自治体で「市町村の鳥」に指定されている。コウライキジ(学名がP. colchicus)の亜種(P. colchicus versicolor)とされる場合もある[2]。種小名のversicolorは、ラテン語で「色変わりの」を意味する[3]。日本の古語では「雉子(きぎす)」。
キジやコウライキジは、世界中で主要な狩猟鳥となっている。キジ肉は食用とされている[5]。
目次 |
分布 [編集]
日本では北海道と対馬を除く本州、四国、九州に留鳥として分布している[6]。日本には、東北地方に生息するキタキジ、本州・四国の大部分に生息するトウカイキジ、紀伊半島などに局地的に生息するシマキジ、九州に生息するキュウシュウキジの4亜種が自然分布していた。ユーラシア大陸が原産地であるコウライキジ(Phasianus colchicus karpowi Buturlin)が、もともとキジが生息していなかった北海道と対馬に狩猟目的で放鳥され、野生化している。
特徴 [編集]
全長オスが81 cmほど、メスが58 cmほど[6][7]。翼開長は77 cmほど[6]。体重はオスが0.8-1.1 kg、メスが0.6-0.9 kg。コウライキジではもう少し大きくなる。オスは翼と尾羽を除く体色が全体的に美しい緑色をしており、頭部の羽毛は青緑色で、目の周りに赤い肉腫がある。背に褐色の斑がある濃い茶色の部分があり、翼と尾羽は茶褐色。メスは全体的に茶褐色で、ヤマドリのメスに似ているが、ヤマドリメスより白っぽい色をしており、尾羽は長い。コウライキジのオスは首に白い模様があり、冠羽と体色が全体的に茶褐色である。その他亜種間による細部の差異があるが、もともとメスや雛ではコウライキジも含め識別が困難であったこともあり、後述の通り現在では亜種間の交雑が進み、現在はオスも含めて識別が困難な状況になっている。キジとコウライキジの交雑個体としては、コウライキジのように体色が茶褐色であるが、コウライキジに特徴的な首輪模様がなく、頭部と冠羽がキジ同様青緑色の個体や、逆に全体はキジのように青緑色であるが、首輪模様のある個体が観察される。
生態 [編集]
山地から平地の林、農耕地、河川敷などの明るい草地に生息している[3][6][7]。地上を歩き、主に草の種子、芽、葉などの植物性のものを食べるが、昆虫やクモなども食べる[6][7]。繁殖期のオスは赤い肉腫が肥大し、縄張り争いのために赤いものに対して攻撃的になり、「ケーン」と大声で鳴き縄張り宣言をする[8]。その後両翼を広げて胴体に打ちつけてブルブル羽音を立てる動作が、「母衣打ち(ほろうち)」と呼ばれる[9]。メスは「チョッチョッ」と鳴く[8]。子育てはメスだけが行う[4]。地面を浅く掘って枯れ草を敷いた巣を作る[8]。4-7月に6-12個の卵を産む[3]。オスが縄張りを持ち、メスは複数のオスの縄張りに出入りするので乱婚の可能性が高い。非繁殖期には雌雄別々に行動する[3][8]。夜間に樹の上で寝る[8][4]。
飛ぶのは苦手だが、走るのは速い[6]。スピードガン測定では時速32キロメートルを記録した[10]。人体で知覚できない地震の初期微動を知覚できるため、人間より数秒速く地震を察知することができる[6][11]。
放鳥 [編集]
日本のキジは毎年、愛鳥週間や狩猟期間前などの時期に大量に放鳥される。2004年(平成16年)度には全国で約10万羽が放鳥され、約半数が鳥獣保護区・休猟区へ、残る半数が可猟区域に放たれている。2008年(平成20年)10月25日に那須御用邸で天皇皇后両陛下が、キジとヤマドリの放鳥を行った[12]。放鳥キジには足環が付いており、狩猟で捕獲された場合は報告する仕組みになっているが、捕獲報告は各都道府県ともに数羽程度で、一般的に養殖キジのほとんどが動物やワシ類などに捕食されていると考えられている。これはアメリカ合衆国などでも同様であり、その原因として放鳥場所に適切な草木などキジの生息環境が整えられていない点が挙げられている。しかしながら少数ではあっても生き残る養殖キジはいるため、日本の元の亜種間で交雑が進み、亜種消滅を懸念する声もある。北海道と対馬ではコウライキジが放鳥されている[6][13]。2002年の日本で農作物への被害額は、2,800万円程と推定されていて、カラスの41.6億円と比較すると少額である[14]。大豆の出芽期に子葉を食べる被害が報告されている[15]。
亜種 [編集]
以下の亜種がある[1]。日本には地理的な変異による4亜種が分布されていたが、放鳥により亜種間の交配が進み差異が不明瞭になってきている[6]。種小名にcolchicusが用いられることがある。
- キジ(キタキジ) Phasianus versicolor robustipes Kuroda, 1919 - 本州北部に分布[2]
- シマキジ Phasianus versicolor tanensis Kuroda, 1919 - 伊豆諸島、紀伊半島、種子島、屋久島などに分布
- トウカイキジ Phasianus versicolor tohkaidi Momiyama, 1922 - 本州と四国の広範囲に分布
- キュウシュウキジ Phasianus versicolor versicolor Vieillot, 1825 - 九州に分布
Sibley分類体系上の位置 [編集]
| シブリー・アールキスト鳥類分類 |
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キジ小目 Phasianida
キジ上科 Phasianoidea
キジ亜科 Phasianinae
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種の保全状況評価 [編集]
東京都で、レッドリストの指定を受けている(区部で絶滅危惧IB類、北多摩で絶滅危惧II類、南多摩と西多摩で準絶滅危惧)[2][16]。日本で鳥獣保護法により狩猟鳥獣に指定されている[17]。
文学 [編集]
昔話 [編集]
俳句・短歌・和歌 [編集]
- 奈良時代から「雉」が万葉集で6首詠まれている[9]。
- 「青山に鵺は鳴きぬ さ野つ鳥 雉はとよむ 庭つ鳥 鶏は鳴く」 - 古事記上巻歌謡二
- 「むさし野の雉子やいかに子を思うけぶりのやみに声まどうなり」 - 夫木和歌抄(後鳥羽院)
- 「父母の しきりに恋し 雉子の声」 - 1688年に松尾芭蕉が詠んだ句
- 「春の野に若菜摘みつつ雉の声 きけば昔の思ほゆらくに」 - 良寛歌集(良寛)
- 「ものいわじ 父は長柄の人柱 鳴かずば雉も 射たれざらまし」 - 「長柄の人柱」にある短歌で、余計な一言で災いを招く事を示す「キジも鳴かずば射たれまい」のことわざの由来となっている。
ことわざなど [編集]
食 [編集]
キジは、鶏肉料理として焼いたり煮たりする料理の食材として古くから使用されており、四条流包丁書には「鳥といえば雉のこと也」と記されている。
その他 [編集]
『桃太郎』、『長柄の人柱』など日本の民話に登場し、日本の野鳥として比較的知名度が高い。 「ケーン」と鳴く。「けんもほろろ」という言葉は、この鳴き声に由来している。また、「頭隠して尻隠さず」ということわざは、草むらに隠れたつもりになったキジの様子に由来している。きしめんの語源には諸説あるものの、キジ肉を平打ちの麺の具にして藩主に献上したから、という説がある。 なお、「雉丼」という料理に使われているのは鶏肉である。
- 元号の「白雉」は白いキジが捕獲されたことを瑞兆として制定された。
- 日本銀行券D壱万円券 - 一万円紙幣D号券裏面にキジが描かれていた。
- 防衛省情報本部のエンブレムはキジを意匠としている[18]。国鳥であり、桃太郎の話の中では情報収集に活躍したからだという。
- 韓国では竹島の領有権問題をめぐって、日本の国鳥であるキジを惨殺するパフォーマンスが韓国人によって行われた[19][20]。
- 「キジを撃つ」 - 男性が山中で大便や小便をする意味の隠語として登山者の間で使われている。物陰に隠れて用を足す姿勢がキジ猟を思わせることに由来するという[3]。ちなみに女性は「お花摘み」と表現される。これも女性の用足しのしゃがむ姿が草花の中で花を摘んでいる姿に見えるためである。
- ファジ丸 - ファジアーノ岡山のキジをイメージしたマスコットキャラクター
- キジ肉の放射線モニタリング - 東日本大震災以後、キジ肉の放射線量がモニタリングされるようになった[21]。
- 語源 - 瑰雉のよみからキジとなったことが語源とする説があり、「美しい鳥」を意味する[22]。「雉」には矢のように飛ぶ鳥という意味があり、キジの飛び方と一致している[9]。
自治体指定の鳥 [編集]
日本の多数の自治体の指定の鳥である。括弧表記はかつて存在していた自治体。
国 [編集]
- 日本 - 1947年(昭和22年)3月22日に日本の国鳥に指定された。国鳥が狩猟対象となっているのは、日本だけである。国鳥に選ばれた理由には、「メスは母性愛が強く、ヒナを連れて歩く様子が家族の和を象徴している」[4]、「狩猟対象として最適であり、肉が美味」[23]などがある。
県 [編集]
市区町村 [編集]
東北地方 [編集]
- 七戸町、(天間林村、南郷村) - 青森県
- 奥州市、二戸市、岩手町、(西根町、花泉町、衣川村) - 岩手県
- 泉区 (仙台市)、加美町、川崎町、村田町、大衡村、(泉市) - 宮城県
- 由利本荘市、(天王町、平鹿町、若美町) - 秋田県
- 新地町、古殿町、大玉村、西郷村、(滝根町、東和町、常葉町、大信村) - 福島県
関東地方 [編集]
- 鹿嶋市、(美野里町、七会村) - 茨城県
- 市貝町 - 栃木県
- みどり市、甘楽町、東吾妻町、昭和村、(吾妻町) - 群馬県
- ふじみ野市、 滑川町、寄居町、(江南町、東村) - 埼玉県
- (夷隅町) - 千葉県
中部地方 [編集]
近畿地方 [編集]
- 伊賀市、(阿山町、嬉野町古殿町、関町) - 三重県
- 米原市、(浅井町、石部町、永源寺町、山東町、秦荘町、土山町、能登川町、水口町) - 滋賀県
- 福知山市、和束町、(丹波町、三和町) - 京都府
- 交野市 - 大阪府
- 多可町、(八千代町、北淡町) - 兵庫県
- 三田市 - 兵庫県
中国地方 [編集]
四国 [編集]
九州 [編集]
脚注 [編集]
- ^ a b “Phasianus versicolor (Vieillot, 1825)” (英語). ITIS. 2012年4月1日閲覧。
- ^ a b c d “日本のレッドデータ検索システム(キジ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2012年4月3日閲覧。
- ^ a b c d e f 鳥類図鑑 (2006)、102-103頁
- ^ a b c d 里山の野鳥ハンドブック (2011)、13頁
- ^ “きじ、七面鳥、ほろほろ鳥を守るために (PDF)”. 中央畜産会 (2009年10月). 2012年4月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i ひと目でわかる野鳥 (2010)、133頁
- ^ a b c 野山の鳥 (2000)、30-31頁
- ^ a b c d e 色と大きさでわかる野鳥観察図鑑 (2002)、49頁
- ^ a b c 野鳥の名前 (2008)、120-121頁
- ^ 2007年5月13日放送 『所さんの目がテン!』の実験
- ^ “キジ”. サントリー. 2012年4月3日閲覧。
- ^ “ご放鳥(那須御用邸)”. 宮内庁. 2012年4月3日閲覧。
- ^ “キジ”. 日本野鳥の会. 2012年4月3日閲覧。
- ^ “鳥に関するよくある誤解と被害対策 (PDF)”. 関東地域野生鳥獣対策連絡協議会 (2004年10月14日). 2012年4月3日閲覧。
- ^ “鳥類の基礎知識 (PDF)”. 農林水産省. p. 25 (2010年9月24日). 2012年4月3日閲覧。
- ^ “東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)~東京都レッドリスト~2010年版 (PDF)”. 東京都環境局. pp. 48 (2011年4月). 2012年4月3日閲覧。
- ^ “狩猟制度の概要”. 環境省. 2012年4月3日閲覧。
- ^ “防衛省情報本部のシンボルマーク”. 防衛省. 2012年4月3日閲覧。
- ^ 「竹島問題、韓国で過激な抗議行動 キジも犠牲に 写真7枚 国際ニュース」AFPBB News、2008年7月18日付。
- ^ 共同通信「共同通信記者が負傷 大使館前の抗議集会取材」47NEWS。
- ^ “野生鳥獣放射線モニタリング結果一覧(キジ) (PDF)”. 福島県. 2012年4月3日閲覧。
- ^ 鳥名源 (2010)、89-90頁
- ^ 『大鏡』(11世紀末成立)に、藤原兼通(10世紀)が寝酒の肴(さかな)に雉の生肉を好んだ事が記述されており、高階業遠がこっそり雉を逃した話が出ている。仏教が普及している社会にあっても、雉肉が美味で食されていた事がわかる。
参考文献 [編集]
- 高木清和 『フィールドのための野鳥図鑑-野山の鳥』 山と溪谷社、2000年8月。ISBN 4635063313。
- 『色と大きさでわかる野鳥観察図鑑―日本で見られる340種へのアプローチ』 杉坂学(監修)、成美堂出版〈観察図鑑シリーズ〉、2002年4月。ISBN 4415020259。
- 本山賢司、上田恵介 『鳥類図鑑』 東京書籍、2006年7月。ISBN 978-4487801281。
- 安部直哉 『野鳥の名前』 山と溪谷社〈山溪名前図鑑〉、2008年10月1日。ISBN 978-4635070171。
- 『ひと目でわかる野鳥』 中川雄三(監修)、成美堂出版、2010年1月。ISBN 978-4415305325。
- 『里山の野鳥ハンドブック』 小宮輝之(監修)、NHK出版、2011年5月6日。ISBN 978-4140113004。
- 江副水城 『鳥名源』 パレード、2010年6月18日。ISBN 978-4434145315。
関連項目 [編集]
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