モグラ
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| ?モグラ科 Talpidae | ||||||||||||||||||
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モグラ(土竜)は、トガリネズミ目・モグラ科(Talpidae)に属する哺乳類の総称である。
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[編集] 形態
モグラはずんぐりとした胴体を持つ。とがった鼻を持ち、眼は退化して小さく視力はほとんどない。また、耳も外見からは見えない。四肢は短く、前足の掌部は平たく大きくなり、鋭い爪がある。これらは地下で穴を掘って暮らすための適応と考えられる。また、前足は下ではなく横を向いているため、地上ではあまりうまく扱えない。全身が細かい毛で覆われ、鼻先だけが露出している。尾は短い棒状。
[編集] 生態
モグラは地下にトンネルを掘り、その中で生活する。 地中に棲むミミズや昆虫の幼虫を主な食物としている。
モグラが地上で死んでいる例が時々見られ、「太陽に当たって死んだ」とされ、モグラは日光に当たると死ぬと言われてきたが、それは誤りである。モグラは普段地中に住み、地上はめったに出てこないため「太陽に当たって死んだ」と誤解されたのだろう。実際にはモグラはしばしば昼間でも地上に現われるが、人間が気付かないだけである。死んでいるのは、仲間との争いで地上に追い出されて餓死したものと考えられる。
実際、モグラは非常な大食漢で、胃の中に12時間以上食物が無いと餓死してしまう。この特性を知らないでモグラを飼い、結局えさを与えきれずに死なせてしまうことが少なくない。
一生地面から出ないイメージがあるが実は泳ぎが上手く、移動中やむなく水辺に当たった場合などは泳いで移動をする。
[編集] モグラの種類
モグラ科には12属が含まれる。主な属・種を以下に記す。
[編集] 日本のモグラ
日本には4属7種のモグラ類が棲息し、さらに複数の亜種に分けられるが、分類には異説もある。7種のうち、コウベモグラを除く6種が日本固有種である。 北海道を除くほぼ全国で、都市部以外では人家周辺でも普通に「モグラ塚」が見られる。たとえば、都心の孤立した緑地である皇居でも、吹上御所にアズマモグラが棲息している。
日本のモグラ類は、“あまりモグラらしくないモグラ”であるヒミズ(日不見)類と、その他の真性モグラ類とに大別される。 ヒミズとヒメヒミズは森林の落ち葉や腐食層の下で暮らすが、動きが素早く、しばしば地上にも現れる半地下生活者である。
2属5種の真性モグラ類のうち、コウベモグラは西日本に、アズマモグラは主に東日本に広く分布する。両者の生息域の境界線は中部地方にあるが、やや大型のコウベモグラが少しずつ東側に生息域を広げつつある。これは、先に大陸から移入したアズマモグラが日本全土に生息域を広げたあとに、新たに大陸から移入してきたコウベモグラが東進しているためともいわれる。
一方、アズマモグラ以前の先住者といわれるコモグラ、ミズラモグラなどは生息域が減少し、山地などに隔離分布するようになってきており、それぞれに程度の差はあるものの、絶滅が危惧されている。
- Dymecodon 属
- ヒメヒミズ Dymecodon pilirostris 【本州・四国・九州、日本固有種】
- 頭胴長70~84ミリと、非常に小型。外形はモグラとトガリネズミの中間。ヒミズと競合し、より標高の高い山地に棲息。はっきりしたトンネルは掘らず、落ち葉の下などで単独で生活する。
- Urotrichus 属
- ヒミズ Urotrichus talpoides 【本州・四国・九州・淡路島・小豆島・対馬・隱岐など、日本固有種】
- 落ち葉や腐食層に浅いトンネルを掘り、夜間には地表も歩き回る、半地下性の生活を営む。対馬の個体群を亜種として U.t.adversus とすることもある。
- Euroscaptor 属
- ミズラモグラ Euroscaptor mizura 【本州(青森県~広島県)、日本固有種】
- 本州からしか発見されておらず、棲息数は少ない。棲息域によってヒワミズラモグラ、フジミズラモグラ、シナノミズラモグラの3亜種に分ける説もあり、これらがそれぞれ 準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)に指定されている。
- Mogera 属 (Moguraの読み間違いで登録されている)
- アズマモグラ Mogera imaizumii (Mogera wogura) 【本州(中部以北のほか、紀伊半島、広島県などに孤立小個体群)・四国(剣山・石鎚山)・小豆島・粟島(新潟県)、日本固有種】
- 主に東日本に分布する日本固有種。山地に棲む小型のものがコモグラ M.i.minor として亜種とされることもある。
- コウベモグラ Mogera wogura 【本州(中部以南)・対馬・種子島・屋久島・隱岐など】
- 西日本に棲息する大型種で、アジア大陸にも分布。屋久島と種子島に棲息する小型のものをヤクシマモグラ M.w.kanai として亜種とする説もある。
[編集] 日本以外のモグラ
- Condylura属
- ホシバナモグラ C.cristata
- Desmana属
- ロシアデスマン D.moschata
- 水生生活に適応したモグラ。体長18~21.5cmとモグラ科で最も大きい。
- Galemys属
- ピレネーデスマン G. pyrenaicus のみ
- Scapanus属
- トウブモグラ S.aquaticus、セイブモグラ S.townsendi など
- 北アメリカに生息する。
- Neurotrichus属
- アメリカヒミズ S.gibbsii など
- 北アメリカに生息する。
[編集] モグラと人間
日本では、古くはモグラのことを「うころもち」(宇古呂毛知:『本草和名』)と呼んでいた。また、江戸時代あたりでは「むくらもち」もしくは「もぐらもち」と呼んでいた。なお、モグラを漢字で「土龍」と記すが、これは本来ミミズのことであり(そのことは本草綱目でも確認できる)、近世以降に漢字の誤用があり、そのまま定着してしまったと考えられる。
九州地方などの一部には「もぐらうち」などと呼ばれる習俗が遺る。1月頃、地域の子どもたちが集まり、歌を歌いながら、藁を巻きつけた竹竿などで地面を叩き練り歩くものである。一説に、農作物を害するモグラを追い出し、豊作を祈る行事であるという。
[編集] 有用動物としてのモグラ
- 柔らかく、上質の光沢をもつモグラの毛皮は重宝され、20世紀に入るまで、乗馬用ズボンやコートなど、さまざまな用途に用いられてきた。
- モグラの黒焼きは土龍霜と呼ばれ、日本でも民間薬として使われてきた。強壮作用、興奮作用、排膿作用があるとされる。『大和本草』の鼴鼠(ウクロモチ、モグラのこと)の項に、「肉ヲ焼テ癰疽諸瘻ヲ治スト云ウ」、つまりはオデキや痔などの化膿したものを治すと、本草綱目から引用している。また、中外医薬生産(中外製薬とは別)から、土龍霜を配合した「ユリアン」という夜尿症の治療薬が発売されている。
[編集] 「モグラ目」の名称について
モグラ類が属する食虫目は、文部省(当時)の提唱した呼称改定(1988年)により、現在は「モグラ目」とも呼称されるようになっている。おそらくこのことが一因となって、動物図鑑などの記事を見て、トガリネズミやハリネズミといった同じ食虫目(モグラ目)の動物を、“モグラの一種”と勘違いする人がしばしばある。だが、一般に、食虫目(モグラ目)であっても、特にモグラ科の動物以外は「モグラ」ではないので、注意を要する。「食肉目(ネコ目)」に属するイヌやクマやイタチが、ネコの「仲間」であるというのと同様、“同じグループに属する”という意味で、トガリネズミやハリネズミを「モグラの仲間」と言うことはできるが、この表現は誤解を招きやすい。
[編集] 雑学
- アリストテレスは著書『動物誌』にて、モグラは胎生動物で唯一眼を持たない動物としている。ただし、皮膚の下には退化した眼があるとも記述している。
- 『処女膜はモグラと人間にしか存在しない』と言うのは、週刊明星に連載された三島由紀夫の「不道徳教育」が出典。
- 西洋ではモグラは盲目の象徴とされる。キリスト教では神の光に盲目な、キリスト教に改宗しない者の隠喩として用いられる。この寓意においてモグラと対置されるのは、何でも見通す眼力を有すると考えられたリンクス(オオヤマネコ)である。
- モグラのすみかの近くには必ずある特定のキノコが生えている。これはモグラの糞を栄養源にしているキノコで、そのキノコの下を掘ってみるとモグラの糞がある[要出典]。
- モグラの名で呼ばれるもの
[編集] モグラをモチーフとした作品
モグラは童話・漫画・アニメ・絵本・テレビ番組などにおいてよくキャラクター化される。地下にトンネルを掘るその習性から、ヘルメットをかぶりシャベルやドリルを手にしているなど、掘削作業員になぞらえたデザインをされることも多い。
[編集] SF作品
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ Catania, K.C., Kaas, J.H. (1995). “Organization of the somatosensory cortex of the star-nosed mole.”. J Comp Neurol 351 (4): 549-67. PMID 7721983.

