マス

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秋、産卵期のビワマスは婚姻色に染まる

マス(鱒)は、サケ目サケ科に属し日本語名に「マス」がつく、または日本で一般にサケ類ベニザケシロザケキングサーモン等)と呼ばれる魚以外のサケ科の魚をまとめた総称。

概要[編集]

タイヘイヨウサケ属タイセイヨウサケ属イワナ属コクチマス属イトウ属などの魚を含む。

サケとマスの境界が厳密でないため、国により区分方法が異なる。たとえば英語圏でキングサーモンはサケに区分されるが、日本では同じ魚をマスノスケと呼びマスとして区分している。

英語では、サケがSalmon、マスがTroutに対応している。 単にtroutというと淡水産を意味し、海産のものはsalmon troutと呼ばれるが、シートラウトSea troutブラウントラウトの降海型、Salmo trutta morpha trutta)という例外もある。(⇒ サケ類#サケとマス)

サケ目サケ科以外の魚種であるニベ科ナガニベ属には、スポッティドシートラウト(Spotted sea trout)と呼ばれるマスもいる。

マスは淡水、また一部は海洋に生息し、北アメリカ北アジアヨーロッパオーストラリアニュージーランドに分布している。 ほとんどの種が美味であるか、毒性がなく独特のうまみがあるため、世界的に食用にされる。

塩コショウでグリルした状態のトラウトサーモン

一般に「マス」という言葉が指すのはサクラマスサツキマスまたはニジマスだが、他の魚を指す場合もある。

スウェーデンでは、シロマス(シナノユキマス)の卵のロイロムが希少であるため高価とされている。

日本で最も漁獲量が多いマスはカラフトマスであり、サケ類の中でもサケの次に多い。鮭缶の原料もこの魚である。カラフトマスのイクラは日本では外食産業向けとされているが、ロシアではシロザケのものより高級とされている。

食材[編集]

焼き物

マスの一覧[編集]

ニジマス
カワマス
シナノユキマス
タイセイヨウサケ属 Salmo
タイヘイヨウサケ属 Oncorhynchus
コクチマス属 Coregonus
イワナ属 Salvelinus
イトウ属 Hucho
ブラキミスタクス属 Brachymystax

サケマス混乱の歴史[編集]

サケマス研究が欧州に遅れていた日本では、名前を付ける際に、淡水産はマス・海産はサケ、小さいのはマス・大きいのはサケなどのように単純に区分していた。ところが後に陸封型であるヤマメやイワナなども途中でダムなどのない場所ではサケと同様の生活史を送っていることが判明した。遺伝学の進歩により、アミノ酸解析やDNA解析によって進化系の研究が進められている。また、日本海の地殻移動による閉鎖性なども考慮する必要がある。近年では、岐阜県水産試験場・当時場長であった本荘博士によって「サケに似た変な魚」としてサツキマスと名付けられた長良川の魚が、アマゴの降海型であると発見されたこともある(発見者は水産試験場研究員の俵氏)。混乱は現在もなお継続している。

特に、ニジマスにおいて混乱が著しい。かつてあったニジマス属を廃止し、海に降りて河川へ遡上し産卵したら死亡するシロザケなどのタイヘイヨウサケ属にニジマスを組み込む際、ニジマスは産卵しても死なないため、死なないグループであるイワナ属・イトウ属・タイセイヨウサケ属(サルモ属)との境界線をどこに置くかについて学者間で意見が分かれている。そのため、世界中で11属約66種と”約”で表されている。

外部リンク[編集]

マスを題材にした作品[編集]

である。