居酒屋

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最果ての居酒屋(北海道稚内)。居酒屋にこうした、どことなくうらぶれた雰囲気を求める客も多い。

居酒屋(いざかや)とは、類とそれに伴う簡単な料理を提供する飲食店である。 主に酒類を提供している点で一般のレストランと異なる。またバーパブなどは洋風の店舗で洋酒を中心に提供しているのに対し、居酒屋は和風でビールチューハイ日本酒などを提供している店が多く、バーやパブに比べると料理の種類や量も多い。

目次

[編集] 概説

起源は江戸期に遡る。酒の量り売りをしていた酒屋(酒販店)で、その場で酒を飲ませるようになり、次第に簡単なも提供するようになったものが始まりという[1]。酒屋で飲む行為を「居続けて飲む」ことから「居酒」(いざけ)と称し、そのサービスを行う酒屋は売るだけの酒屋と差別化する為に「居酒致し候」の貼紙を店頭に出していた。現在でもこうした酒販店に付属する形式の立飲みスタンドは残存しており、近隣住民の気軽な社交場として機能している例も見られる。他にも煮売屋が酒を置くようになったことに始るもの、また屋台から発展したものなどの別系統もある。江戸は男女比率が極端に男性に偏っており、一人住まいの独身男性が多かったことから酒が飲めて簡便に食事も取れる居酒屋は大いに広まっていった。

居酒屋チェーン店の一つ「白木屋

1970年代頃までは居酒屋といえば男性会社員日本酒を飲んでいる所というイメージが強かったが、近年は女性にも好まれるようにチューハイワインなど飲み物や料理の種類を豊富にしたり、店内装飾を工夫したお店が多くなり、女性だけのグループや家族連れを含め、誰でも気軽に利用できる場所というイメージが定着しつつある。

特に1980年代頃から居酒屋のチェーン店化が進んだ。このことで、居酒屋は安く、大人数が集まることができ、少々騒いでもよく、様々な人の好みにあわせて飲み物や料理を選べるというメリットを持つようになった。このため、学生・会社員・友人などのグループで「簡単な宴会」を催す際の会場としてよく用いられている。チェーン店を中心に基本的には低価格で気軽に飲食できることを売りにしている店が多く、その為男女に関わらず広い層を顧客としている。

店内の装飾や提供する飲食類は和風のことが多いが、あえて洋風にすることにより他店との差別化を図る店もある。また、新鮮な魚介類を提供していることを強調するために店内に生け簀を作る店や、カウンターを作って目の前で調理をしてみせる店など、様々な工夫を凝らした店が多い。チェーン店においてはセントラルキッチンにおいて調理済みの料理を提供する店が多いが、近年は「店内調理」を前面に出してセールスポイントとするチェーンも少なくない。

[編集] 呼びかた

居酒屋の軒下につるされる赤提灯
  • 料理として主に焼き鳥を提供する店は、「焼き鳥屋」と呼ばれることが多い。焼き鳥屋は店内に焼き鳥を焼く台を設置してあり、客の目の前で焼いていることが多い。
  • 料理として主におでんを提供する店は、「おでん屋」と呼ばれることが多い。おでん屋はしばしば店舗の形式ではなく屋台の形式で営業される。
  • 焼肉店の中にも居酒屋の形式で営業をしているところもある。そういった店ではしばしば肉(筋肉部)よりもホルモン焼きを主として出す場合が見られる。
  • お好み焼きの看板が掛かっていても、ビールの看板も一緒に出ている店や夕方から深夜にかけて営業する店などはお酒を飲む店であり、「お好み焼き屋」でないことがあるので注意が必要である(お好み焼きを提供しない店すら存在する)。
  • 店内に大きなを設置し、そこで焼いた料理を出す店は、「炉端焼き(ろばたやき)」と呼ばれることがある。炉端焼きでは、炉越しに料理などを渡すためにしゃもじを巨大にしたような特別な道具を使うことがある。
  • 1人または2人の少人数で運営し、あまり大きくない店舗(しばしばカウンター席のみ)で営業している店は「小料理屋」と呼ばれることもある。特に、料理に凝ったものを用意している場合にこの名称が用いられる。
  • 飲料として主にビールを提供することを目的としている店は、ビアホールと呼ばれる。一般の居酒屋よりも開放的に作られていることが多く、屋外で営業されるものはビアガーデンと呼ばれる。
  • かつての居酒屋は、看板代わりに赤い提灯を店先に掲げていたことが多かったため、居酒屋を「赤提灯(あかちょうちん)」と呼ぶ人はいまだに多い。同様に、で作った暖簾を入り口に下げていた店が多かったことから、「縄暖簾(なわのれん)」と呼ぶ人もいる[2]。近年のチェーン店化された居酒屋をこれらの名前で呼ぶ人は少ない。むしろ昔ながらの居酒屋をチェーン店と区別するときにこれらの名前を使う。

[編集] 文化

現在は老若男女を問わず利用されているが、かつては居酒屋は主に男性会社員や肉体労働者の大衆的な社交場として機能していた。これが日本の文化に与えている影響も少なくない。 歌謡曲の題材として取り上げられることが多く、特に演歌で居酒屋の情景が歌われることが多い。 また、日本映画の舞台として取り上げられることもある。

  • 小説「居酒屋兆治」(山口瞳) - 居酒屋を営む、まっすぐにしか生きられない男を描いた作品。高倉健主演で映画化もされた。
  • 歌謡曲「居酒屋」- 五木ひろし木の実ナナが歌い1982年(昭和57年)に流行した。いまでもカラオケでよく歌われている。
  • 歌謡曲「居酒屋サンバ」 - 南かなこが歌い2003年(平成15年)に流行。居酒屋のメニューが出ることで有名。
  • 映画「居酒屋ゆうれい」- 1994年(平成6年)に渡邊孝好監督により映画化された。同年のキネマ旬報日本映画ベストテンに入った。
  • 落語「居酒屋」- 酔っぱらい客が居酒屋で働く小僧をからかうという噺。

また、海外でも居酒屋(に相当するもの)を題材とした文芸作品などがある。

[編集] 定番メニュー

居酒屋は様々な形態のお店があるが、「居酒屋といえばたいていこれは提供している」という、「定番メニュー」がある。主なものを下に列挙する。

[編集] 酒類

[編集] 料理

[編集] お通し、突き出し

店に入って酒を注文すると、他に何も頼んでいなくても小皿や小鉢に入った一品料理が出てきて代金を取られるケースが多い。これは「お通し」もしくは「突き出し」と呼ばれるもので、最初の注文が入ってから客に出すまでの時間をつなぐためと店舗側は主張するものである。この他「口取」とする店もある。予め作っておいてすぐに出せるもの、あるいは前日の残り物などを上手く処理して出す。枝豆や、前日は刺身で出していた魚を、煮付けにして出すなどはその例である。関東ではお通し、関西では突き出しという所が多いようだが、両者で全く正反対の言葉を同義語として使っているところが興味深い。

お通し、突き出しの目的を考察すると、お通しや突き出しは酒を飲ませるためのつまみであり、注文した料理が届く前に客が酒を 飲むことで酒の売り上げを増やす目的であり、客への便宜と言うよりは店の便宜である場合も多い。

また「頼んでいないのだから代金は払わない」等のトラブルを回避するため「(お通しを)頂戴致します(養老乃瀧 席料とも取れる表記)」「酒類をご注文のお客様にお召し上がり頂きます(つぼ八 「手始め」と呼称)」などと料金システムとして明示するケースも見受けられる。

[編集] お通しに対する法的解釈の一例

東京弁護士会の木村晋介弁護士によると「(商法第一条により)居酒屋で通しを有償で提供することが社会的に商習慣として成立しているかどうか」が判断の基準となるとしている。ここで居酒屋の「お通し」のシステムが商習慣として世間に浸透しているかが問題となる。そこで検討されるべきが通しの扱いのパターンである。

  • お店によっては日本の食文化の一環として調理中の客を待たせる間の心づくしである(もしくはそう主張する)
  • 通しカットと言われれば出さずにその分代金も請求しないという合理的な扱い

この2つの場合がありこうやってみると「ひとつの商習慣として成立してはいない」と木村弁護士は判断している。なので、頼んでもいないのに勝手に出された以上はお店のほうの無償のサービスと解釈されて仕方が無い現状がある。前述のとおりひとつの商習慣でない以上は支払う義務は発生しないのである。[3]

[編集] 主な居酒屋チェーン

[編集] 脚注

  1. ^ 「飲食事典」本山荻舟 平凡社 p29 昭和33年12月25日発行
  2. ^ 「飲食事典」本山荻舟 平凡社 p29 昭和33年12月25日発行
  3. ^ 長嶺超輝 (2009年5月11日). “居酒屋で「お通し」の料金を請求された”. プレジデント. 2011年2月13日閲覧。

[編集] 関連項目

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