イエメン

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イエメン共和国
الجمهورية اليمنية
イエメンの国旗 イエメンの国章
国旗 国章
国の標語:なし
国歌United Republic
イエメンの位置
公用語 アラビア語
首都 サナア
最大の都市 サナア
政府
大統領 アブド・ラッボ・マンスール・ハーディー
首相 ハーリド・バハーハ
面積
総計 527,970km248位
水面積率 極僅か
人口
総計(2008年 23,580,000人(51位
人口密度 38人/km2
GDP(自国通貨表示)
合計(2008年 5兆4,241億[1]イエメン・リアル
GDP (MER)
合計(2008年 271億[1]ドル(88位
GDP (PPP)
合計(2008年 554億[1]ドル(113位
1人あたり 2,412[1]ドル
統一
南北イエメンより 1990年5月22日
通貨 イエメン・リアル (YER)
時間帯 UTC +3(DST:なし)
ISO 3166-1 YE / YEM
ccTLD .ye
国際電話番号 967

イエメン共和国(イエメンきょうわこく)、通称イエメンは、中東アラビア半島にある共和制国家である。正式名称は、الجمهورية اليمنية(ラテン文字転写は、al-Jumhūrīya al-Yamanīya)。アラビア語略称はاليمن(al-Yaman, アル=ヤマン)。

国名[編集]

公式の英語表記は、Republic of Yemen通称Yemen。国名はアラビア語で右を意味するヤミン (yamin) から由来する。アラビア半島の南部に位置するため、朝日が上る東に向かって南側の地域と考えられた。一方、大部分が砂漠地域の中にあってイエメンの肥沃さを表すユムン (yumn) に由来するという説もある。古代ローマ人は幸福のアラビアと呼んでいた。

歴史[編集]

政治[編集]

イエメンは、アラビア半島諸国において唯一共和制をとる立憲国家である。現行憲法1991年に発布され、1994年および2001年に改正されたものである。民主化に強い意欲があり、言論の自由も認められているとされるが、サーレハ政権下ではサーレハ個人や一族に対する批判は認められておらず、厳しい取締りを受けていた。

国家元首である大統領は、国民の直接選挙により選出される。任期は7年で、3選禁止。その権限は強大で、形式上も事実上も国家の最高指導者である。副大統領首相は大統領により任命される。

内閣に相当する閣僚評議会のメンバーは、首相の助言に基づき大統領が任命する。

議会二院制で、諮問評議会(111議席)と代議院(301議席)から構成される。諮問評議会議員は全員が大統領による任命制。代議院議員は国民の直接選挙で選出され、任期は6年。ただし、諮問評議会に立法権は無く、大統領の政策に対する助言機関に過ぎないことから、イエメン議会は実質的に立法権を行使しうる代議院人民代表院のみの一院制であるとする説もある。

主要政党には旧北イエメン与党でアリー・アブドッラー・サーレハ大統領率いる国民全体会議、旧南イエメンの政権党であったイエメン社会党、そしてイエメン改革連合の3党がある。

最高司法機関は最高裁判所。女性にも参政権が認められている。

人権[編集]

他のアラビア半島の諸国に比して近代化が進んでいるとはいえ、イエメンもまたイスラームの保守的解釈から来る人権侵害と無縁ではない。イエメンは女児の結婚最低年齢に関する法律がない。これはイエメンは女子の結婚最低年齢に関して、イスラーム法上一般的な9歳という解釈を取っていない為である。そのため、イランやサウジアラビアなど、シャリーアを施行する他のイスラーム国家でさえ不可能な9歳未満の女児との結婚・セックスも可能であり、問題視されている[2][3]。イスラム国家としては、極めて強い特色があり、サウジ・イランなどと同様飲酒・レイプなどをした場合、公開鞭打ちを執行された事例もある。

2009年には、17歳未満の結婚を禁止する法案が提案されたが、保守派の反対にあって不成立となっている。2013年9月、40歳の男性と結婚した8歳の少女が、新婚初夜の性行為の最中に子宮破裂などの臓器損傷を負い、死亡したと報道された。現地警察などの調査では、関係者はこの報道について否定したが、イエメンの人権担当大臣は未成年の結婚を禁止すると明言した[4]

軍事[編集]

地理[編集]

イエメン共和国とその主要都市

アラビア半島の南西、北緯12度から20度に位置する。紅海アデン湾アラビア海に面し、北でサウジアラビア、東でオマーン国境を接し、アデン湾、紅海を挟んでソマリアジブチエリトリアに対面する。本土以外にソマリアの沖にあるインド洋ソコトラ島 (3625km²) なども領有している。面積は約52万8000km²。首都はサナア。地理学的には4つの地域に分けられる。紅海沿岸、西部山地、東部山地、北のルブアルハリ砂漠である。ティハーマと呼ばれる紅海沿岸部は非常に乾燥しており、山地から流れる川は見られずワジあるいは地下水になっている。西部山地は降水量が大きいため段々畑で農業が営まれる。ソルガムが主で、綿花とマンゴーなど果実も栽培される。昼夜の気温差が大きい。東部は標高2000mで、さらに気温差が大きく昼間30℃、夜間0℃となる。大麦や小麦が栽培される。ルブアルハリ砂漠ではベドウィンがラクダの遊牧を行っているだけである。

地方行政区分[編集]

イエメンの地方行政区分
  1. アデン県 ('Adan)
  2. アムラーン県英語版 ('Amran)
  3. アビヤン県英語版 (Abyan)
  4. ダーリウ県英語版 (Ad Dali')
  5. バイダー県英語版 (Al Bayda')
  6. フダイダ県英語版 (Al Hudaydah)
  7. ジャウフ県英語版 (Al Jawf)
  8. マフラ県 (Al Mahrah)
  9. マフウィート県英語版 (Al Mahwit)
  10. サナア (首都) (Sana'a) ※2004年1月に設置。地図には未記載。
  11. ザマール県英語版 (Dhamar)
  12. ハドラマウト県 (Hadramaout)
  13. ハッジャ県英語版 (Hajjah)
  14. イッブ県英語版 (Ibb)
  15. ラヒジュ県英語版 (Lahj)
  16. マアリブ県英語版 (Ma'rib)
  17. ライマ県英語版 (Raymah) ※2004年1月に設置。地図には未記載。
  18. サアダ県英語版 (Sa'dah)
  19. サナア県英語版 (Sanaa)
  20. シャブワ県英語版 (Shabwah)
  21. タイズ県 (Ta'izz)

経済[編集]

首都サナア

一人当たりの国内総生産2003年に800米ドルと産油国が多い周辺のアラブ諸国に比べても著しく低く、失敗国家後発発展途上国にも挙げられている。2007年の失業率は40%。1980年代から石油を産出し、貿易収入は漸増傾向にはあるものの、そのほとんどは食料品機械類などの輸入で帳消しとなる。また2007年に天然ガス田が発見され、2009年10月に生産を開始し、LNGを輸出している。

コーヒー豆の生産は有名で、モカコーヒーのモカとは、この国の南部にある港湾都市ムハーに由来する。しかし国が砂漠地帯に位置するため農業は振るわず、昔ながらの遊牧生活を営むものも多い。漁業も比較的盛ん。近年は石油開発で発展する隣国のサウジアラビアに出稼ぎに行く労働者も多く、その家族の多くは出稼ぎ者の送金で暮らしている。

南部の都市アデンは古来、交易で賑わったが1967年に英軍が撤退してから衰退し、最近は石油基地として復活している。内戦後にイエメンはIMF世界銀行の支援を受け、経済発展に取り組んでいる。

国民[編集]

人口は1994年で1267万人、アラブ人が98%でアラビア語を話す(但し出生届が十分に整備されていないため概算となる)。

言語[編集]

現代標準アラビア語がイエメンの公用語である。各地域の言語としてアラビア語の各方言(北イエメン方言南イエメン方言ハドラマウト方言)および南アラビア諸語マフラ語ソコトラ語ホビョト語バトハリ語)、ラジフ語がある。

宗教[編集]

宗教構成(イエメン)
イスラム教スンナ派
  
55%
イスラム教シーア派
  
42%
その他
  
3%

国民ほぼ全てがイスラム教信者で、スンナ派が5割強、シーア派が4割弱である。シーア派の大半はスンナ派とほぼ同じ教義を持つザイド派であるが、十二イマーム派も少数派ながら一定の勢力を持つ。

文化[編集]

国民の殆どがイスラム教徒であるため、生活様式にもイスラムの影響が強い。但し、イスラムの教えよりも部族内のルールを優先することがある。

一般的な成人男性は腰帯にジャンビーヤと呼ばれる半月形をした短剣を差している。この短剣は、所有者の家柄や部族、貧富といった属性を表している。実用面よりもシンボルとしての性格が強いため、刃が研がれていないことも多く、日常的に使用することはない。都市部ではスラックスにYシャツ姿の男性も多く見かけるが、その場合でも多くの男性は自宅に自分のジャンビーアを持っている。女性は宗教的な慣習から髪や顔を隠すためのスカーフや体を覆う布を着用しているが、サウジアラビアのように全体を隠すことが義務付けられている訳ではない。また、スカーフの色も比較的自由である。これは個人やその家族の信仰の深さによって判断されるためで、信仰が深くなればそれだけ肌を隠す面積も多くなる。女性のイスラム服の着用の程度はイスラム復興等の社会傾向の影響も受けるが、一般的にイエメンの女性は他イスラム国と比較した場合、着用率が非常に高い。女性の社会進出は、主に都市部で少しずつ進みつつある。

カートを噛む男性

イスラム教で禁じられている酒の代わりに、カートと呼ばれる葉を噛む習慣が広く行われている。カートはイエメン人の社交になくてはならないものであり、街中や個人宅で何人かで寄り集まり、カートを噛みながら談笑にふける姿がよく見られる。

児童の就学率は約50%程度であり、学校に行けない子供のために、テレビ(衛星放送)による教育も試みられている。

現存する最古の都市とされるサナア旧市街は、世界遺産に登録されている。

祝祭日[編集]

日付 日本語表記 現地語表記 備考
1月1日 元日    
5月22日 国家統一記念日   1990年の同日に南北イエメン統一
7月7日 Unity Factory Day    
9月26日 1962年革命記念日    
10月14日 国家の日    
ヒジュラ暦第1月1日 イスラム正月 Muharram 変動あり
ヒジュラ暦第10月1日 イード・アル=フィトル(断食月明けの祭) Eid al-Fit 変動あり
ヒジュラ暦第12月10日 イード・アル=アドハー(犠牲祭) Eid al-Adha 変動あり

著名なイエメン人[編集]

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

政府
日本政府
観光
その他